JP2006230297A - 黒豆豆乳飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 糖質などの副素材を過剰に使用することなく、黒豆に由来する渋味や苦味を有意に抑制した風味良好で、且つ、嗜好性に優れた豆乳飲料を提供すること。
【解決手段】 黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を含有し、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bとの含有質量比(A:B)が4:6〜6:4であることを特徴とする黒豆豆乳飲料。
【選択図】 なし
【解決手段】 黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を含有し、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bとの含有質量比(A:B)が4:6〜6:4であることを特徴とする黒豆豆乳飲料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、黒豆豆乳の渋味が抑制され、風味の良好な黒豆豆乳飲料及びその製造方法に関する。
従来から、大豆は、良質の蛋白質を豊富に含有する栄養価に優れた食品素材として知られており、その種類には、一般的によく使用される黄大豆の他に、青大豆、黒大豆(黒豆)があることが知られている。そして、これらの大豆は、目的に応じて使い分けられており、具体的に言えば、黄大豆は、豆腐、納豆、味噌、醤油、湯葉等の原料として、青大豆や黒豆は煮豆等の原料として使用されている。
また、近年では、これら大豆の持つ様々な生理効果が明らかにされており、例えば、高脂血症治療・予防効果がよく知られている(特許文献1)。また、この他にも、大豆蛋白質は、血漿コレステロール降下作用、血圧降下作用及び血漿リポ蛋白の被過酸化性を抑制する効果を有し、抗動脈硬化作用を有する優れた食品素材であることが知られている(非特許文献1)。
また、近年では、これら大豆の持つ様々な生理効果が明らかにされており、例えば、高脂血症治療・予防効果がよく知られている(特許文献1)。また、この他にも、大豆蛋白質は、血漿コレステロール降下作用、血圧降下作用及び血漿リポ蛋白の被過酸化性を抑制する効果を有し、抗動脈硬化作用を有する優れた食品素材であることが知られている(非特許文献1)。
このように大豆には、様々な生理効果が期待できるため、健康志向の高まりに伴ってその需要が拡大しており、特に、大豆をすり潰して得られる豆乳は、手軽に摂取することができる健康食品として注目されている。しかしながら、豆乳は大豆に特有の風味を有するため、これをそのまま飲用する飲料タイプに適用する場合は、嗜好性を高め、かつ風味を改善する目的で糖質等を添加したり、その他の食品素材を組み合わせることが多い。
一方、大豆の一種である黒豆は、その表皮部分にアントシアニン等の機能性成分が豊富に含まれており、健康増進、解毒、利尿、催乳等の効果を有することが報告されている(特許文献2)。しかしながら、大豆の表皮部分は、苦味や渋味の原因となる部分であることから、豆乳を調製する場合には、この部分を除去するのが一般的である。そのため、これまでに黒豆をそのまますり潰して、すなわち、具体的に言えば、黒豆の表皮部分を除去せずに得られる豆乳については、ほとんど報告されていない。
特開昭60−228420号公報
特開平10−99047号公報
「大豆蛋白質の抗動脈硬化作用」The Lipid、Vol.6、No3,182−191、1995
本発明者らは、大豆の中で、表皮部分にアントシアニン(ポリフェノール)等の種々の生理効果を有する成分を豊富に含有する黒豆に注目し、それから得られる豆乳を利用した飲料を製造することを目的として検討を進めたところ、黒豆の表皮を除去せずにそのまますり潰して得られる豆乳は、一般的に黄大豆から得られる豆乳に比べて著しく渋味が強く、これをそのまま飲料等の飲食品に利用すると、糖質等の副素材を配合しても十分に良好な嗜好性を得ることが困難であった。
従って、本発明の目的は、糖質等の副素材を過剰に使用することなく、黒豆に由来する渋味や苦味を抑制した風味が良好で、且つ、嗜好性に優れた黒豆豆乳飲料を提供することにある。
従って、本発明の目的は、糖質等の副素材を過剰に使用することなく、黒豆に由来する渋味や苦味を抑制した風味が良好で、且つ、嗜好性に優れた黒豆豆乳飲料を提供することにある。
本発明者らは、黒豆を原料として得られる豆乳を使用した風味が良く嗜好性の優れた黒豆豆乳飲料を検討した結果、黒豆の表皮を除去せずにそのまますり潰して得られる豆乳(以下、単に「黒豆豆乳」という。)と黄大豆由来の豆乳(以下、単に「黄大豆豆乳」という。)を、特定の質量比率で配合することにより、糖質等のマスキング又は風味を改善する作用を有する副素材を必要以上に使用することなく、嗜好性に優れた黒豆豆乳飲料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を含有し、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bとの含有質量比(A:B)が4:6〜6:4であることを特徴とする黒豆豆乳飲料を提供するものである。
また、本発明は、黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bの含有質量比(A:B)が6:4〜4:6となるように混合し、加熱殺菌することを特徴とする黒豆豆乳飲料の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bの含有質量比(A:B)が6:4〜4:6となるように混合し、加熱殺菌することを特徴とする黒豆豆乳飲料の製造方法を提供するものである。
本発明の黒豆豆乳飲料は、黒豆の表皮を除去せずにそのまますり潰して得られる豆乳(黒豆豆乳)と黄大豆を原料とする豆乳(黄大豆豆乳)を、その固形分換算で特定の含有質量比率で含有することを特徴とするものである。
本発明で使用する黒豆豆乳の原料となる黒豆は、その品種、産地、大きさ等、特に限定されることなく使用することができ、その表皮部分を除去せずにそのまま使用すればよい。
また、本発明で使用する黄大豆豆乳の原料となる黄大豆についても、その品種、産地、大きさ等、特に限定されることなく使用することができる。また、本発明で使用する黄大豆豆乳は、大豆粉や大豆蛋白質等の黄大豆を原料として得られる食品素材を水に溶解したものであってもよい。
黒豆からの黒豆豆乳及び黄大豆からの黄大豆豆乳の製造は、常法に従って製造される。常法による豆乳の製造方法としては、例えば、豆類を浸漬して吸水する工程、これを磨砕機等によりすり潰す工程、さらに加熱処理してタンパク質を溶解させ、豆乳と固形部(おから)に分離する工程を有する一般的な方法が挙げられる。また、豆類に吸水させる工程は実施せずに、直接磨砕機等により大豆を破砕する工程であってもよい。
本発明の黒豆豆乳飲料は、このようにして製造された黒豆豆乳と黄大豆豆乳を、特定質量比で配合することにより調製される。黒豆豆乳は、皮の部分に含まれるアントシアニン系の色素が抽出され、黄大豆豆乳に比べ特有の渋味や苦味といった風味を有する。そのため、黒豆豆乳と黄大豆豆乳の質量比は、それぞれに含有する固形分が、黒豆豆乳固形分A:黄大豆豆乳固形分Bの質量比(A:B)が6:4〜4:6であるが、特に5.5:4.5〜4.5:5.5であるのが、黒豆豆乳飲料の風味や嗜好性を損なわず好ましい。ここで、豆乳の固形分とは、財団法人日本炭酸飲料検査協会における固形分測定方法及びそれに準じる方法で測定した値をいう。
豆乳飲料は、一般に固形分や使用する副素材の種類によって、豆乳、調製豆乳、豆乳飲料、大豆蛋白飲料の4種類に分類される。本発明の黒豆豆乳飲料は、これら分類のいずれに該当するものであってもよいが、風味上、黒豆豆乳及び黄大豆豆乳に由来する合計固形分が、黒豆豆乳飲料中に2〜8質量%、特に4〜8質量%含有するものであることが好ましい。
また、本発明の黒豆豆乳飲料は、黒豆豆乳、黄大豆豆乳又はこれらを含有する豆乳飲料の製造工程のいずれかの段階において、減圧処理を施すことにより、黒豆豆乳飲料に特有な渋味や苦味を、更に容易によりよく低減することができる。該減圧処理は、黒豆豆乳に対して施すのが好ましい。
減圧処理を行う時期は、特に制限されるものではないが、黒豆豆乳を調製した後又は黒豆豆乳と黄大豆豆乳を混合した後が好ましい。更には製造工程上の利便性、風味改善効果から、黒豆豆乳を調製した後に行うことが好ましい。
減圧処理を行う時期は、特に制限されるものではないが、黒豆豆乳を調製した後又は黒豆豆乳と黄大豆豆乳を混合した後が好ましい。更には製造工程上の利便性、風味改善効果から、黒豆豆乳を調製した後に行うことが好ましい。
ここで、減圧処理とは、真空ポンプなどを用いて容器内の圧力を大気圧よりも低い状態に保持して処理する工程である。黒豆豆乳又は黒豆豆乳と黄大豆豆乳を混合して得られる豆乳飲料を、60〜80kPa、好ましくは70〜80kPa、より好ましくは75〜80kPaとなる状態で保持すれば、黒豆豆乳に特有な風味を効果的に低減、抑制できる。減圧時間は、好ましくは1〜100秒、より好ましくは1〜30秒、温度は好ましくは70〜170℃、より好ましくは100〜150℃であるのがよい。なお、減圧処理は、油回転真空ポンプ、水封式真空ポンプなどを用いて行えばよいが、製造工程を考慮すると水封式真空ポンプを用いて行うことが好ましい。
本発明の黒豆豆乳飲料は、飲食品に使用される各種副素材を、必要に応じて適宜配合してもよい。
黒豆豆乳飲料には、豆乳中のタンパク質の分散安定性の点で、増粘安定剤を配合することが好ましい。ここで使用する増粘安定剤としては、特に制限されるわけではなく、一般に使用されている、例えばペクチン、カルボキシメチルセルロース、カラギナン等が挙げられる。増粘安定剤は、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。増粘安定剤としては、タンパク質の分散安定性と得られる黒豆豆乳飲料の風味の点で、カラギナンを使用することが好ましい。カラギナンは、カッパー(κ)タイプ、イオタ(ι)タイプ、ラムダ(λ)タイプの3種類のいずれを使用してもよいが、中でもιタイプのカラギナンを用いることが、分散安定性と風味の点から好ましい。
増粘安定剤は、黒豆豆乳飲料中に0.01〜0.5質量%含有するように使用すればよい。
黒豆豆乳飲料には、豆乳中のタンパク質の分散安定性の点で、増粘安定剤を配合することが好ましい。ここで使用する増粘安定剤としては、特に制限されるわけではなく、一般に使用されている、例えばペクチン、カルボキシメチルセルロース、カラギナン等が挙げられる。増粘安定剤は、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。増粘安定剤としては、タンパク質の分散安定性と得られる黒豆豆乳飲料の風味の点で、カラギナンを使用することが好ましい。カラギナンは、カッパー(κ)タイプ、イオタ(ι)タイプ、ラムダ(λ)タイプの3種類のいずれを使用してもよいが、中でもιタイプのカラギナンを用いることが、分散安定性と風味の点から好ましい。
増粘安定剤は、黒豆豆乳飲料中に0.01〜0.5質量%含有するように使用すればよい。
本発明の黒豆豆乳飲料に適宜使用される増粘安定剤以外の副素材としては、例えばショ糖、異性化糖、グルコース、フルクトース、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース等の糖類;大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルオリゴ糖等のオリゴ糖類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール;アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムK、ステビア等の高甘味度甘味料;クリーム、バター等の乳脂肪;菜種油、米油等の植物性油脂;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類;カルシウム、鉄、亜鉛等のミネラル類等が挙げられる。
これらの増粘安定剤、糖類等の副素材は、シロップ状に予め調製しておいてもよい。また、黒豆豆乳飲料の各種成分の含有量の調整は、水を加えて行ってもよい。
更に、本発明の黒豆豆乳飲料には、種々の生理効果を付与することを目的として、機能性食品素材を有効量配合することできる。機能性食品素材としては、そのいずれを配合してもよいが、特に、脂質代謝作用や骨代謝作用を有する大豆由来の成分、例えばイソフラボン(配糖体も含む)を配合すると、風味や飲料品質を損なうことなく黒豆豆乳飲料が得られ好ましい。イソフラボンは、黒豆豆乳及び黄大豆豆乳中にも含有されるが、本発明の黒豆豆乳飲料中に0.060質量%以下、特に0.042質量%以下含有するのが好ましい。イソフラボンとしては、大豆イソフラボン、葛の根由来イソフラボン、クローバー由来イソフラボン等が挙げられるが、これらはいずれであっても使用することができる。
このようにして製造された黒豆豆乳飲料は、殺菌処理し、紙、缶、PET等の容器に充填される。殺菌処理の条件は、特に制限されず、常法に従えばよく、例えば120〜160℃、5〜60秒間の加熱殺菌条件で行えばよい。
以下、実施例、試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例1
黒豆豆乳の調製:
黒豆100質量部を、一晩400質量部の水に浸漬した後、浸漬水を除去し、600質量部の熱水と共にグラインダーで磨砕し、3000G、1分間の遠心分離を行い、沈殿物を除去して黒豆固形分10質量%の黒豆豆乳を調製した。
豆乳飲料の製造:
次の処方に従って混合し豆乳飲料を製造した。
得られた黒豆豆乳 10〜80質量%(表1)
シロップ
(果糖ブドウ糖液糖15.0質量%水溶液) 20質量%
純水 バランス量
豆乳飲料は、次いでチューブラー式殺菌機で140℃、10秒間殺菌処理を行った。
黒豆豆乳の調製:
黒豆100質量部を、一晩400質量部の水に浸漬した後、浸漬水を除去し、600質量部の熱水と共にグラインダーで磨砕し、3000G、1分間の遠心分離を行い、沈殿物を除去して黒豆固形分10質量%の黒豆豆乳を調製した。
豆乳飲料の製造:
次の処方に従って混合し豆乳飲料を製造した。
得られた黒豆豆乳 10〜80質量%(表1)
シロップ
(果糖ブドウ糖液糖15.0質量%水溶液) 20質量%
純水 バランス量
豆乳飲料は、次いでチューブラー式殺菌機で140℃、10秒間殺菌処理を行った。
製造した黒豆豆乳を含有する豆乳飲料を、以下の基準に従って10人のパネラーが風味評価を行った。その結果を表1に示す。なお、風味評価の結果は、10人のパネラーの平均値で示した。
<風味評価>
評価内容 評 点
風味が悪い 0
普通 1
風味やや良い 2
風味良い 3
風味が非常に良い 4
評価内容 評 点
風味が悪い 0
普通 1
風味やや良い 2
風味良い 3
風味が非常に良い 4
黒豆豆乳に由来する固形分が少ないと水っぽく、豆乳らしさが得られないのに対し、固形分が多くなるに従い豆乳らしさが得られ、風味も良くなった。一方で、黒豆豆乳の使用量が40質量%以上、すなわち、固形分が4質量%よりも多くなると、黒豆豆乳に特有の渋み等が生じて風味が損なわれた。
実施例1
試験例1と同様の方法で、黄大豆を原料とする黄大豆豆乳(大豆固形分10質量%)を得た。得られた黄大豆豆乳と試験例1で得られた黒豆豆乳を用いて、次の豆乳由来の固形分6質量%を含有する黒豆豆乳飲料を製造した。
黒豆豆乳/黄大豆豆乳(混合質量比:表2) 60質量%
シロップ
(果糖ブドウ糖液糖15.0質量%水溶液) 20質量%
純水 バランス量
なお、製造した黒豆豆乳飲料は、チューブラー式殺菌機で140℃、10秒間の殺菌処理を行った。
製造した黒豆豆乳飲料を、試験例1及び以下の評価基準に従って、10人のパネラーが評価を行った。その結果を表2に示す。なお、評価の結果は、10人のパネラーの平均値で示した。
試験例1と同様の方法で、黄大豆を原料とする黄大豆豆乳(大豆固形分10質量%)を得た。得られた黄大豆豆乳と試験例1で得られた黒豆豆乳を用いて、次の豆乳由来の固形分6質量%を含有する黒豆豆乳飲料を製造した。
黒豆豆乳/黄大豆豆乳(混合質量比:表2) 60質量%
シロップ
(果糖ブドウ糖液糖15.0質量%水溶液) 20質量%
純水 バランス量
なお、製造した黒豆豆乳飲料は、チューブラー式殺菌機で140℃、10秒間の殺菌処理を行った。
製造した黒豆豆乳飲料を、試験例1及び以下の評価基準に従って、10人のパネラーが評価を行った。その結果を表2に示す。なお、評価の結果は、10人のパネラーの平均値で示した。
<豆乳の色合い>
評価内容 評 点
黒豆の色無し 0
やや黒豆の色ある 1
黒豆の色ある 2
評価内容 評 点
黒豆の色無し 0
やや黒豆の色ある 1
黒豆の色ある 2
本発明の黒豆豆乳飲料は、黒豆豆乳及び黄大豆豆乳単独の豆乳飲料と比較し、風味が改善され、風味良好で、渋味は少ないものであった。
実施例2
試験例1で得られた黒豆豆乳と実施例1で得られた黄大豆豆乳とを使用して、次の豆乳由来の固形分6質量%を含有する黒豆豆乳飲料を製造した。
黒豆豆乳/黄大豆豆乳(混合質量比;50:50) 60質量%
シロップ(表3) 40質量%
混合後、実施例1と同様に加熱殺菌処理を行った。
製造直後及び37℃で14日間保存後の黒豆豆乳飲料について、以下の基準に従い10人のパネラーが風味評価した。同時に、品質の劣化の指標となる蛋白質の沈殿分離及び油浮きを測定した。その結果を表4に示す。風味評価結果は、10人のパネラーの平均値で示す。
試験例1で得られた黒豆豆乳と実施例1で得られた黄大豆豆乳とを使用して、次の豆乳由来の固形分6質量%を含有する黒豆豆乳飲料を製造した。
黒豆豆乳/黄大豆豆乳(混合質量比;50:50) 60質量%
シロップ(表3) 40質量%
混合後、実施例1と同様に加熱殺菌処理を行った。
製造直後及び37℃で14日間保存後の黒豆豆乳飲料について、以下の基準に従い10人のパネラーが風味評価した。同時に、品質の劣化の指標となる蛋白質の沈殿分離及び油浮きを測定した。その結果を表4に示す。風味評価結果は、10人のパネラーの平均値で示す。
<風味評価>
評価内容 評 点
風味が悪い 0
普通 1
風味やや良い 2
風味が良い 3
風味が非常に良い 4
評価内容 評 点
風味が悪い 0
普通 1
風味やや良い 2
風味が良い 3
風味が非常に良い 4
<沈殿、油浮きに関する評価>
製品の沈殿状況を目視で評価し、下記基準に従って評価した。
評価内容 評 点
瓶底に厚く膜状に沈殿あり ++
瓶底に薄く膜状に沈殿あり +
瓶底に若干の沈殿あり ±
沈殿なし −
油浮きの値は、直径約4cmの円筒形のプラスチック容器に製品を約125mL充填した時に起こる分離の厚さを用いた。油浮きの値が、外観を損なわない1mm以下であるとき、良好な安定性を有するとした。
製品の沈殿状況を目視で評価し、下記基準に従って評価した。
評価内容 評 点
瓶底に厚く膜状に沈殿あり ++
瓶底に薄く膜状に沈殿あり +
瓶底に若干の沈殿あり ±
沈殿なし −
油浮きの値は、直径約4cmの円筒形のプラスチック容器に製品を約125mL充填した時に起こる分離の厚さを用いた。油浮きの値が、外観を損なわない1mm以下であるとき、良好な安定性を有するとした。
増粘安定剤を含まない本発明実施品6では、保存した場合でも風味は良好であるが、油浮きや沈殿量が多くなる傾向が認められたのに対し、増粘安定剤を含有する本発明実施品7〜10では、油浮きや沈殿量は抑制される傾向が認められ、特にカラギナンを使用した場合、その効果は顕著で、風味への影響も少なく良好な黒豆豆乳飲料が得られた。
実施例3
<減圧処理による効果>
試験例1で得た黒豆豆乳(X)を、真空ポンプ(株式会社神港製作所製)を具備する耐圧容器(フラッシュパン:イズミフードマシナリー株式会社製)(以下、「減圧処理装置」という。)にて120℃、70kPa で5秒間減圧処理を行って黒豆豆乳(Y)を得た。
これらの2種類の黒豆豆乳(X、Y)及び実施例1で得た黄大豆豆乳を用いて、次の豆乳由来の固形分6質量%を含有する黒豆豆乳飲料を製造した。
黒豆豆乳(X又はY) 30質量%
黄大豆豆乳 30質量%
シロップ 40質量%
シロップ処方:ι‐カラギナン 0.05質量%
果糖ブドウ糖液糖 7.5質量%、
純水 バランス量
実施例1と同様に加熱殺菌処理を行った。
製造した2種類の黒豆豆乳飲料を試験例1の基準に従い、10人のパネラーが風味評価した。その結果を表5に示す。また、風味評価は、10人のパネラーの平均値で示した。
<減圧処理による効果>
試験例1で得た黒豆豆乳(X)を、真空ポンプ(株式会社神港製作所製)を具備する耐圧容器(フラッシュパン:イズミフードマシナリー株式会社製)(以下、「減圧処理装置」という。)にて120℃、70kPa で5秒間減圧処理を行って黒豆豆乳(Y)を得た。
これらの2種類の黒豆豆乳(X、Y)及び実施例1で得た黄大豆豆乳を用いて、次の豆乳由来の固形分6質量%を含有する黒豆豆乳飲料を製造した。
黒豆豆乳(X又はY) 30質量%
黄大豆豆乳 30質量%
シロップ 40質量%
シロップ処方:ι‐カラギナン 0.05質量%
果糖ブドウ糖液糖 7.5質量%、
純水 バランス量
実施例1と同様に加熱殺菌処理を行った。
製造した2種類の黒豆豆乳飲料を試験例1の基準に従い、10人のパネラーが風味評価した。その結果を表5に示す。また、風味評価は、10人のパネラーの平均値で示した。
減圧処理した黒豆豆乳を用いて製造した黒豆豆乳飲料は、同処理を行っていない場合に比べ、風味を劣化させることなく、有意に黒豆由来の渋味や苦味が抑制された。
実施例4
試験例1で得た黒豆豆乳を、減圧処理装置にて120℃、50〜100kPa で5秒間減圧処理を行って黒豆豆乳を調製した。
実施例3の黒豆豆乳に代えて、上記の減圧処理条件を変えて調製した黒豆豆乳を使用して、実施例3と同一処方の黒豆豆乳飲料を製造し、同様に加熱殺菌した。
製造した6種類の黒豆豆乳飲料を試験例1の基準に従い、10人のパネラーで風味評価した。その結果を表6に示す。また、風味評価は、10人のパネラーの平均値で示した。
試験例1で得た黒豆豆乳を、減圧処理装置にて120℃、50〜100kPa で5秒間減圧処理を行って黒豆豆乳を調製した。
実施例3の黒豆豆乳に代えて、上記の減圧処理条件を変えて調製した黒豆豆乳を使用して、実施例3と同一処方の黒豆豆乳飲料を製造し、同様に加熱殺菌した。
製造した6種類の黒豆豆乳飲料を試験例1の基準に従い、10人のパネラーで風味評価した。その結果を表6に示す。また、風味評価は、10人のパネラーの平均値で示した。
減圧処理を施すことにより、黒豆豆乳に特有の渋味や苦味が抑制される傾向が見られた。60〜80kPaの減圧処理で、優れた渋味、苦味抑制効果が得られた。
実施例5
黒豆100質量部を、一晩400質量部の水に浸漬した後、浸漬水を除去し、600質量部の熱水と共にグラインダーで磨砕し、3000G、1分間の遠心分離を行った後、減圧処理装置にて、120℃、5秒間、70kPaの条件で減圧処理して黒豆豆乳を得た。また、黄大豆を一晩水に浸漬した後、熱水と共にグラインダーで磨砕し、3000G、1分間の遠心分離を行い、黄大豆豆乳を得た。得られた黒豆豆乳と黄大豆豆乳の固形分はそれぞれ10質量%であった。これらの豆乳を用いて表7の処方を調製し、次いでチューブラー式殺菌機で140℃、10秒間の殺菌処理を行って黒豆豆乳飲料を製造した。
製造した黒豆豆乳飲料は、渋味や苦味が抑制されており、風味も良好であった。また、保存により品質の劣化も認められなかった。
黒豆100質量部を、一晩400質量部の水に浸漬した後、浸漬水を除去し、600質量部の熱水と共にグラインダーで磨砕し、3000G、1分間の遠心分離を行った後、減圧処理装置にて、120℃、5秒間、70kPaの条件で減圧処理して黒豆豆乳を得た。また、黄大豆を一晩水に浸漬した後、熱水と共にグラインダーで磨砕し、3000G、1分間の遠心分離を行い、黄大豆豆乳を得た。得られた黒豆豆乳と黄大豆豆乳の固形分はそれぞれ10質量%であった。これらの豆乳を用いて表7の処方を調製し、次いでチューブラー式殺菌機で140℃、10秒間の殺菌処理を行って黒豆豆乳飲料を製造した。
製造した黒豆豆乳飲料は、渋味や苦味が抑制されており、風味も良好であった。また、保存により品質の劣化も認められなかった。
実施例6
実施例5で調製した黒豆豆乳及び黄大豆豆乳とを用いて、表8の処方を調製し、チューブラー式殺菌機で140℃、10秒間の殺菌処理を行って黒豆豆乳飲料を製造した。
製造した黒豆豆乳飲料を試験例1の基準に従い、10人のパネラーが風味評価した。その結果を表9に示す。また、風味評価は、10人のパネラーの平均値で示した。
実施例5で調製した黒豆豆乳及び黄大豆豆乳とを用いて、表8の処方を調製し、チューブラー式殺菌機で140℃、10秒間の殺菌処理を行って黒豆豆乳飲料を製造した。
製造した黒豆豆乳飲料を試験例1の基準に従い、10人のパネラーが風味評価した。その結果を表9に示す。また、風味評価は、10人のパネラーの平均値で示した。
イソフラボンを強化して健康飲料として有用な黒豆豆乳飲料を製造した場合でも、風味が良好であった。
Claims (6)
- 黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を含有し、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bとの含有質量比(A:B)が4:6〜6:4であることを特徴とする黒豆豆乳飲料。
- 製造工程のいずれかの段階で減圧処理を施したものである請求項1記載の黒豆豆乳飲料。
- 減圧処理条件が、70〜80kPaである請求項2記載の黒豆豆乳飲料。
- 更に、カラギナンを含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の黒豆豆乳飲料。
- 更に、イソフラボンを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の黒豆豆乳飲料。
- 黒豆豆乳及び黄大豆豆乳を、黒豆豆乳固形分Aと黄大豆豆乳固形分Bの含有質量比(A:B)が6:4〜4:6となるように混合し、加熱殺菌することを特徴とする黒豆豆乳飲料の製造方法。
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JP2005050228A JP2006230297A (ja) | 2005-02-25 | 2005-02-25 | 黒豆豆乳飲料及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106689392A (zh) * | 2017-03-07 | 2017-05-24 | 富源县金地魔芋种业有限公司 | 一种健脑补肾的黑豆浆及其制备方法 |
WO2022097675A1 (ja) | 2020-11-05 | 2022-05-12 | 天野エンザイム株式会社 | 分散安定性及び/又は溶解性を高めた加工植物性ミルクの製造方法 |
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2005
- 2005-02-25 JP JP2005050228A patent/JP2006230297A/ja active Pending
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WO2022097675A1 (ja) | 2020-11-05 | 2022-05-12 | 天野エンザイム株式会社 | 分散安定性及び/又は溶解性を高めた加工植物性ミルクの製造方法 |
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