JP2006230259A - 乳酸菌の生育促進方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 乳酸菌の菌体や培養物さらにはその乳酸菌を利用した製品の風味を損なうことなく、乳酸菌の生育を促進する方法を提供することができる。
【解決手段】 本発明である、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする乳酸菌の生育促進方法を実施すること。
【選択図】 なし。
【解決手段】 本発明である、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする乳酸菌の生育促進方法を実施すること。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加して乳酸菌の生育を促進する方法に関する。
乳酸菌は、チーズ、ヨーグルト、発酵バターの製造においてスターターとして使用されている微生物であり、更にパンのスターターとしてや、味噌、醤油、漬け物などの熟成工程においても重要な役割を果たしていることが知られている。また、近年においては乳酸菌の有する種々の生理活性効果が明らかになり、乳酸菌の菌体自体や培養物等を健康食品や医薬品等の素材に利用するようになっている。このように乳酸菌の利用は多岐にわたっており、乳酸菌の菌体や培養物を簡便、かつ安価に製造することは極めて重要な課題になってきている。このような状況から、従前から乳酸菌の増殖促進物質として、酵母エキス、ペプトン、麦芽エキス、クロレラエキスなどが使用されているが、いずれも独特の異臭を持つために使用方法と使用量が制限されることや、乳酸菌に対して活性が低いなど、多くの解決すべき課題がある。そのため最近では、酒粕の水抽出物や蛋白分解酵素処理酒粕の水抽出物(特許文献1)、コーヒーノキ属植物の葉から抽出された抽出物(特許文献2)、海洋性微細藻類からの抽出物からなる乳酸菌の増殖促進物質(特許文献3)、豆乳をエンド型プロテアーゼ及びエキソ型プロテアーゼ共存下で水解した発酵促進剤(特許文献4)、バターミルクを有効成分とする乳酸菌生育促進剤(特許文献5)など多くの物質が提案されているものの、上記課題を解決するには至っていない。
特開平5−15366号公報
特開平6−125771号公報
特開平7−51057号公報
特開平8−238066号公報
特開2000−102380号公報
乳酸菌の菌体や培養物、さらにはその乳酸菌発酵物を利用した製品の風味を損なうことなく、乳酸菌の生育を促進する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、脂質と蛋白質の複合体を有効物質とする組成物を使用することで、乳酸菌の菌体や培養物さらにはその乳酸菌発酵物を利用した製品の風味を損なうことなく、乳酸菌の生育を促進することができることを見出した。脂質と蛋白質の複合体に乳酸菌の生育促進効果があることは従来の報告には見当たらず、本発明者らが初めて見出したものであり、この知見により本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする乳酸菌の生育促進方法、に関する。好ましい実施態様は、複合体を成す脂質が、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質のうちから選ばれる少なくとも1種である上記記載の乳酸菌の生育促進方法、に関する。より好ましくは、脂質と蛋白質の複合体の配合組成が、蛋白質100重量部に対して、脂質が0.5〜100000重量部である上記記載の乳酸菌の生育促進方法、更に好ましくは、複合体を成す蛋白質が、水溶性であることを特徴とする上記記載の乳酸菌の生育促進方法、特に好ましくは、複合体を蛋白質の全ペプチド結合の1〜50%が分解されていることを特徴とする上記記載の乳酸菌の生育促進方法、最も好ましくは、蛋白質のペプチド結合の分解を、エンド型プロテアーゼで分解することを特徴とする上記記載の乳酸菌の生育促進方法、に関する。
乳酸菌の菌体や培養物、さらにはその乳酸菌発酵物を利用した製品の風味を損なうことなく、乳酸菌の生育を促進することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明における脂質と蛋白質の複合体は天然由来のもの、合成物のいずれでも利用でき、天然由来の脂質と蛋白質の複合体としてはヒト、牛、馬、山羊などの哺乳動物の乳、血清やスケトウダラ、サケ、マス、コイなどの水産動物の卵や鶏、ウズラ、キジなどの鳥類の卵もしくは生体膜に含まれるものが挙げられる。合成物としては、脂質に脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質を用い、それらのうち少なくとも1種と蛋白質からなる複合体が挙げられる。前記の合成複合体を成す脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドは、炭素数4〜24の飽和脂肪酸残基及び/又は炭素数4〜24の不飽和脂肪酸残基を有することが好ましく、リン脂質としては動植物由来のレシチンが好ましい。前記脂質の供給源としては、脂肪酸分解酵素による油脂の分解物が好ましい。また、食用として市販されるモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質を用いても良い。
脂肪酸分解酵素により分解する油脂としては、通常食用として用いられているものであれば植物油脂、動物油脂の何れでも良く、例えば乳脂肪、大豆油、綿実油、米油、コーン油、ひまわり油、菜種油等や、さらにはそれらの硬化、分別、エステル交換した油脂が挙げられ、それらを少なくとも1種混合して用いることができる。また脂肪酸分解酵素には、動物、植物、微生物から分離した酵素があり、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、リゾープス(Rhizopus)属等の糸状菌、キャンディダ(Candida)属等の酵母、小山羊、小羊、小牛の口頭分泌線から採取されるオーラル・リパーゼ(Oral lipase)等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種を用いることができる。脂肪酸分解酵素による油脂の分解は、一般に用いられている条件によって行うことができる。即ち、油脂100重量部に対して、水を0.01〜50重量部の範囲で加えたところに、脂肪酸分解酵素0.0001〜2重量部を脂肪酸分解酵素の約10倍量の水に溶解、分散させたものを添加し、反応温度は15〜70℃、好ましくは30〜50℃で0.1〜120時間の範囲で分解した後、酵素反応阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理して酵素反応を停止すればよい。脂肪酸分解酵素による油脂の分解度は、2〜90%が好ましく、より好ましくは5〜50%である。油脂の分解度が2%未満では本発明で期待する複合体による酵母の増殖促進効果が十分でない場合があり、また90%を超えると蛋白質との複合体が形成されにくい場合がある。尚、油脂の分解度とは〔{(酸価)/(けん化価)}×100〕によって求められる値を言う。得られた脂肪酸分解酵素による油脂の分解物は、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリドを分画して使用しても、トリグリセリドを含む分解した油脂をそのまま使用しても構わない。
複合体中の脂質の組成比は、蛋白質100重量部に対して0.5〜100000重量部とすることが好ましい。脂質の組成比が0.5重量部未満では、目的とする乳酸菌の生育促進効果が十分ではない場合があり、また100000重量部を越えると効果は頭打ちになる場合がある。
本発明で得られる前記複合体を成す蛋白質としては、動物性蛋白質、植物性蛋白質などが挙げられ、中でも複合体を有効に形成することができることから水溶性の蛋白質を用いることが好ましい。具体的には脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエー、大豆蛋白、小麦蛋白、卵白蛋白、卵黄蛋白等が挙げられ、これらは少なくとも1種が用いられる。これらの蛋白質は、複合体を作製する前に蛋白質分解酵素で分解したものを用いることが好ましく、特にその分解度は1〜50%が好ましく、より好ましくは5〜30%の範囲である。分解度が1%未満であると目的とする酵母の増殖促進効果が十分ではない場合がある。また50%を超えて分解すると前記複合体としての効果が低下したり、分解して生成したアミノ酸やペプチドの風味が付与される場合がある。尚、分解度はホルモール滴定等によるα―アミノ基の測定により分解された量を測定し、蛋白質の総アミノ酸量で除した値(%)とした。本発明で用いられる蛋白質分解酵素としては、特定のペプチド結合を切断し低分子ペプチドを生成させるエンド型プロテアーゼが効果の点で好ましく、より好ましくはトリプシン又はパパインであり、これらは少なくとも1種が用いられる。蛋白質分解酵素による蛋白質の分解は、一般に用いられている条件によって行うことができる。即ち、蛋白質を1〜15重量部の範囲で水に溶解又は分散させ、反応温度は15〜70℃、好ましくは30〜50℃で0.1〜120時間の範囲で分解した後、酵素反応阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理して酵素反応を停止すればよい。得られた蛋白質分解物は、このままの状態でも、更には噴霧乾燥等により粉末化した状態のものでも使用できる。
次に、本発明で使用する複合体の製造方法を例示する。まず、蛋白質が1〜50重量部、好ましくは5〜25重量部の水溶液を調製する。この際、蛋白質水溶液の最終的なpHを6〜7の範囲に調製することが、脂質と蛋白質とを有効に結合させる上で好ましい。前記のようにして調製した蛋白質溶液を50〜80℃に加温したところに、50〜80℃に加温した脂質を添加して攪拌混合を行い、次いで超音波均質機、ホモジナイザー、ホモミキサー、マイコロイダー等の均質化手段により、複合体を調製する。複合体製造の際の乳化形態については、水中油型(O/W)、油中水型(W/O)、その他多相乳化系いずれの形態でも構わない。本発明で使用する複合体は、こうして得られた乳化液をそのままの形態で使用する場合は、保存上の点からUHT等の殺菌処理を施すことが好ましい。また乳化液そのままの形態でもかまわないが、取り扱い、保存上の点から噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等の手段により乾燥処理を施しても良い。
本発明に用いる乳酸菌は、糖を乳酸発酵する細菌であればいかなる細菌であってもよく、例えばラクトバチルス(Lactobacillus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属等に属するものが挙げられる。
前記で得られた複合体を用いて乳酸菌を生育する工程を以下に例示する。乳酸菌を、脂質と蛋白質の複合体を含有する培地に接種して培養する。乳酸菌の培養に用いる培地は、通常の乳酸菌が生育できる培地であればいかなる培地でもよいが、特に、乳酸菌飲料または乳酸菌製品を製造する場合、培地中に、培地全体中5〜20重量%の還元脱脂乳などの脱脂乳を含有するのが好ましい。脂質と蛋白質の複合体は、固形分換算で培地100重量部に対して好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜3重量部の範囲で添加する。添加量が、0.001重量部未満では発明の効果は得られない場合があり、5重量部を越えると複合体の風味が付与されたり、効果が頭打ちとなる場合がある。乳酸菌の培養方法は、通常、嫌気培養によって行う。培養開始時の乳酸菌の添加量は、培地1ml当たり106〜107個の細胞になるように乳酸菌の菌体を加えればよい。乳酸菌の培養条件として、pHは培養により産成する乳酸などの酸により培養の過程で変化するが、培養開始時に、6.0〜7.5であればよい。培養温度は、30〜37℃付近である。培養時間は、4〜72時間程度であり、従来の乳酸菌増殖促進物質を添加した場合に比べて短くなる。得られた培養液は、そのまま乳酸菌飲料、乳酸菌添加食品として使用することができ、また得られた培養液から、ろ過、遠心分離等により乳酸菌を分離し、そのまま乳酸菌の湿潤菌体とするか、または、凍結乾燥、噴霧乾燥等により乳酸菌の乾燥菌体としてもよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<培養液の酸度測定法>
実施例1、9及び比較例1〜4、10において培養後、乳酸菌が生成した酸の酸度(乳酸%として表す)を測定した。すなわち、「日本薬学会編乳製品試験法・注解」(昭和59年3月20日、金原出版株式会社)29頁の酸度(乳酸表示法)に準拠して培養液の酸度を測定した。
実施例1、9及び比較例1〜4、10において培養後、乳酸菌が生成した酸の酸度(乳酸%として表す)を測定した。すなわち、「日本薬学会編乳製品試験法・注解」(昭和59年3月20日、金原出版株式会社)29頁の酸度(乳酸表示法)に準拠して培養液の酸度を測定した。
<培養液中の乳酸菌数の測定法>
実施例2〜8及び比較例5〜9において培養後、コロニーカウント法にてそれぞれの乳酸菌数を求めた。すなわち、培養液を滅菌済み生理食塩水(0.85%NaCl溶液)に10倍毎に段階希釈後、各段階の希釈液から1mlずつをBCP加プレート寒天培地に混釈し、35℃で72時間培養して、コロニー数を計測した。なお、誤差を小さくするため1平板当たりのコロニー数が50〜500個のものを計測に使用した。
実施例2〜8及び比較例5〜9において培養後、コロニーカウント法にてそれぞれの乳酸菌数を求めた。すなわち、培養液を滅菌済み生理食塩水(0.85%NaCl溶液)に10倍毎に段階希釈後、各段階の希釈液から1mlずつをBCP加プレート寒天培地に混釈し、35℃で72時間培養して、コロニー数を計測した。なお、誤差を小さくするため1平板当たりのコロニー数が50〜500個のものを計測に使用した。
<発酵乳の官能評価法>
前記測定法にて酸度が0.90%となる所要時間とできた発酵乳の風味について8人の専門パネラーによる官能評価を行い、その合計点を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りである。3点:発酵乳本来の風味が感じられ大変良好である、2点:発酵乳の風味が感じられる、1点:発酵乳本来の風味とは異なる風味が感じられ好ましくない。
前記測定法にて酸度が0.90%となる所要時間とできた発酵乳の風味について8人の専門パネラーによる官能評価を行い、その合計点を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りである。3点:発酵乳本来の風味が感じられ大変良好である、2点:発酵乳の風味が感じられる、1点:発酵乳本来の風味とは異なる風味が感じられ好ましくない。
(製造例1)モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の調製
小麦タンパク分解物(商品名:グルパール30、タンパク質含量57%、片山化学(株))10重量部を水89重量部に溶解して75℃まで加熱後、クエン酸モノグリセリド(商品名:ポエムK−10、理研ビタミン(株)製)1重量部を添加し溶解後、バルブ式ホモジナイザーにて10MPaで均一化して、脂質と蛋白質との複合体溶液を得た。
小麦タンパク分解物(商品名:グルパール30、タンパク質含量57%、片山化学(株))10重量部を水89重量部に溶解して75℃まで加熱後、クエン酸モノグリセリド(商品名:ポエムK−10、理研ビタミン(株)製)1重量部を添加し溶解後、バルブ式ホモジナイザーにて10MPaで均一化して、脂質と蛋白質との複合体溶液を得た。
(製造例2)油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の調製
パーム油95重量部を50℃に温調後、リパーゼ(商品名:リパーゼAY「アマノ」、天野エンザイム製)0.1重量部を水4.9重量部に溶解して添加し、緩やかに撹拌しながら、分解度が8.1%になるまで酵素処理を行った後、85℃で10分間加熱処理して酵素を失活させ油脂分解物を得た。一方、ナトリウムカゼイン(商品名:ハプロ、新日本製薬(株)製)3重量部を水67重量部に溶解し、70℃まで加熱後、上記の油脂分解物30重量部を添加し混合し、バルブ式ホモジナイザーにて10MPaで均一化して、油脂分解物と蛋白質との複合体溶液を得た。
パーム油95重量部を50℃に温調後、リパーゼ(商品名:リパーゼAY「アマノ」、天野エンザイム製)0.1重量部を水4.9重量部に溶解して添加し、緩やかに撹拌しながら、分解度が8.1%になるまで酵素処理を行った後、85℃で10分間加熱処理して酵素を失活させ油脂分解物を得た。一方、ナトリウムカゼイン(商品名:ハプロ、新日本製薬(株)製)3重量部を水67重量部に溶解し、70℃まで加熱後、上記の油脂分解物30重量部を添加し混合し、バルブ式ホモジナイザーにて10MPaで均一化して、油脂分解物と蛋白質との複合体溶液を得た。
(製造例3)モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の調製
ホエータンパク質(商品名:WPC−80、タンパク質含量80%、三井物産(株))9重量部を水90重量部に溶解して75℃まで加熱後、モノグリセリドとジグリセリド含有の反応モノグリセリド(商品名:ポエムV−200、理研ビタミン(株)製)1重量部を添加し溶解後、超音波乳化機(500W)にて均質化(5分間)したものを凍結乾燥し、脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
ホエータンパク質(商品名:WPC−80、タンパク質含量80%、三井物産(株))9重量部を水90重量部に溶解して75℃まで加熱後、モノグリセリドとジグリセリド含有の反応モノグリセリド(商品名:ポエムV−200、理研ビタミン(株)製)1重量部を添加し溶解後、超音波乳化機(500W)にて均質化(5分間)したものを凍結乾燥し、脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
(製造例4)モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−4)の調製
製造例3において、ホエータンパク質の代わりに分解ホエータンパク質溶液(分解度1.5%)を使用した以外は同様の方法にて脂質と蛋白質との複合体粉末を調製した。すなわち、ホエータンパク質10重量部を水89.5重量部に溶解して45℃に温調後、蛋白質分解酵素(商品名:パパインW−40、天野エンザイム製)0.025重量部を水0.475重量部の水に溶解したものを添加し、緩やかに撹拌しながら、分解度が1.5%になるまで酵素処理を行った後、85℃で15分間殺菌して、分解ホエータンパク質溶液を調製した。この分解ホエータンパク質溶液90重量部に水9重量部を加えて75℃まで加熱後、モノグリセリドとジグリセリド含有の反応モノグリセリド(商品名:ポエムV−200、理研ビタミン(株)製)1重量部を添加し溶解後、超音波乳化機(500W)にて均質化(5分間)したものを凍結乾燥し、脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
製造例3において、ホエータンパク質の代わりに分解ホエータンパク質溶液(分解度1.5%)を使用した以外は同様の方法にて脂質と蛋白質との複合体粉末を調製した。すなわち、ホエータンパク質10重量部を水89.5重量部に溶解して45℃に温調後、蛋白質分解酵素(商品名:パパインW−40、天野エンザイム製)0.025重量部を水0.475重量部の水に溶解したものを添加し、緩やかに撹拌しながら、分解度が1.5%になるまで酵素処理を行った後、85℃で15分間殺菌して、分解ホエータンパク質溶液を調製した。この分解ホエータンパク質溶液90重量部に水9重量部を加えて75℃まで加熱後、モノグリセリドとジグリセリド含有の反応モノグリセリド(商品名:ポエムV−200、理研ビタミン(株)製)1重量部を添加し溶解後、超音波乳化機(500W)にて均質化(5分間)したものを凍結乾燥し、脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
(製造例5)モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−5)の調製
製造例4において、ホエータンパク質の酵素処理時間を変えて分解度10.3%の分解ホエータンパク質溶液を使用した以外は、同様の方法にて脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
製造例4において、ホエータンパク質の酵素処理時間を変えて分解度10.3%の分解ホエータンパク質溶液を使用した以外は、同様の方法にて脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
(製造例6)モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−6)の調製
製造例4において、ホエータンパク質の酵素処理に使用した酵素をペプチターゼ(商品名:ウマミザイムR、天野エンザイム製)に変えて分解度52.3%の分解ホエータンパク質溶液を調製した以外は、同様の方法にて脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
製造例4において、ホエータンパク質の酵素処理に使用した酵素をペプチターゼ(商品名:ウマミザイムR、天野エンザイム製)に変えて分解度52.3%の分解ホエータンパク質溶液を調製した以外は、同様の方法にて脂質と蛋白質との複合体粉末を得た。
(実施例1)
10%還元脱脂乳に、2.0重量部のクエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に乳酸菌スターターとしてラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)2%を接種し、37℃で乳酸発酵を行ない、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
10%還元脱脂乳に、2.0重量部のクエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に乳酸菌スターターとしてラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)2%を接種し、37℃で乳酸発酵を行ない、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
(比較例1)
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)を添加しない以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)を添加しない以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
(比較例2)
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用したクエン酸モノグリセリド0.02重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用したクエン酸モノグリセリド0.02重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
(比較例3)
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用した分解小麦タンパク質0.20重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用した分解小麦タンパク質0.20重量部を添加した以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
(比較例4)
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用したクエン酸モノグリセリド0.02重量部と分解小麦タンパク質0.20重量部をそれぞれ添加した以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
クエン酸モノグリセリドと分解小麦タンパク質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用したクエン酸モノグリセリド0.02重量部と分解小麦タンパク質0.20重量部をそれぞれ添加した以外は実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表1、図1)。
(実施例2)
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
(比較例5)
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
(比較例6)
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例2と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例2と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
(比較例7)
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例3と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例3と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
(比較例8)
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)にした以外は、比較例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表2、図2)。
(実施例3)
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、実施例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
(比較例9)
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例1と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
(比較例10)
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例2と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例2と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
(比較例11)
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例3と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例3と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
(比較例12)
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophiilus)にした以外は、比較例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、前記測定法にて酸度の経時変化を調べた(表3、図3)。
図1〜3から明らかなように、複合体を使用した実施例1は、複合体を添加していない比較例1〜4に比べ、乳酸菌スターターをラクトバチルス・アシドフィルスにした場合において経時的に酸度が高く、生育促進の効果が確認できた。同様に乳酸菌スターターをラクトバチルス・ブルガリカスにした場合においても、実施例2は複合体を添加していない比較例5〜8に比べ、経時的に酸度が高く、生育促進の効果が確認できた。また同様に乳酸菌スターターをストレプトコッカス・サーモフィルスにした場合においても、実施例3は複合体を添加していない比較例9〜12に比べ、何れの乳酸菌スターターにおいても経時的に酸度が高く、生育促進の効果が確認できた。
(実施例4)
10%還元脱脂乳に、1.0重量部の油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に乳酸菌スターター3%を接種後、37℃で8時間培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。乳酸菌スターターは、実施例1〜3で用いた3株を使用した。
10%還元脱脂乳に、1.0重量部の油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に乳酸菌スターター3%を接種後、37℃で8時間培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。乳酸菌スターターは、実施例1〜3で用いた3株を使用した。
(実施例5)
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の添加量を2.5重量部に変更した以外は実施例4と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の添加量を2.5重量部に変更した以外は実施例4と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
(実施例6)
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の添加量を5.0重量部に変更した以外は実施例4と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の添加量を5.0重量部に変更した以外は実施例4と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
(比較例13)
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の代わりにFP−2で使用した油脂分解物0.3重量部を添加した以外は実施例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の代わりにFP−2で使用した油脂分解物0.3重量部を添加した以外は実施例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
(比較例14)
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の代わりにFP−2で使用したナトリウムカゼイン0.03重量部を添加した以外は実施例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の代わりにFP−2で使用したナトリウムカゼイン0.03重量部を添加した以外は実施例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
(比較例15)
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の代わりにFP−2で使用した油脂分解物0.3重量部とナトリウムカゼイン0.03重量部を添加した以外は実施例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
油脂分解物とカゼインとの複合体(FP−2)の代わりにFP−2で使用した油脂分解物0.3重量部とナトリウムカゼイン0.03重量部を添加した以外は実施例4と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表4)。
表4から明らかなように、油脂分解物とカゼインとの複合体を1.0重量部添加(実施例4)は、油脂分解物のみを添加(比較例13)や分解カゼインのみを添加(比較例14)や油脂分解物と分解カゼインを複合体とせずに添加(比較例15)に比べ、乳酸菌の生菌数は多かった。また、実施例4〜6より、複合体の添加量を増加すると共に乳酸菌の生菌数も増加した。
(実施例7)
10%還元脱脂乳に、0.11重量部のモノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に乳酸菌スターター3%を接種後、37℃で8時間培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。乳酸菌スターターは、実施例1〜3で用いた3株を使用した。
10%還元脱脂乳に、0.11重量部のモノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に乳酸菌スターター3%を接種後、37℃で8時間培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。乳酸菌スターターは、実施例1〜3で用いた3株を使用した。
(実施例8)
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−4)を使用した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−4)を使用した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
(実施例9)
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−5)を使用した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−5)を使用した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
(実施例10)
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−6)を使用した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、モノグリセリド、ジグリセリドと分解ホエータンパク質との複合体(FP−6)を使用した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
(比較例16)
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、FP−3に使用したモノグリセリドとジグリセリド含有の反応モノグリセリド0.011重量部を添加した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、FP−3に使用したモノグリセリドとジグリセリド含有の反応モノグリセリド0.011重量部を添加した以外は実施例7と同様の方法で乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。
(比較例17)
実施例5において、モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、バターミルクパウダー(商品名:よつ葉バターミルクパウダー、よつ葉乳業(株)製)2.0重量部を添加した以外は実施例7と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。よつ葉バターミルクパウダー中には、天然のリン脂質と乳タンパク質の複合体約0.11%(W/W)が含有されている。
実施例5において、モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体(FP−3)の代わりに、バターミルクパウダー(商品名:よつ葉バターミルクパウダー、よつ葉乳業(株)製)2.0重量部を添加した以外は実施例7と同様の方法にて乳酸発酵を行い、乳酸菌を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表5)。よつ葉バターミルクパウダー中には、天然のリン脂質と乳タンパク質の複合体約0.11%(W/W)が含有されている。
表5から明らかなように、モノグリセリド、ジグリセリドとホエータンパク質との複合体を添加(実施例7)では、モノグリセリド、ジグリセリドのみ添加(比較例16)や天然の複合体を含有するバターミルクパウダーを添加(比較例17)に比べ、乳酸菌の生菌数は多かった。また、実施例7〜10より、複合体のタンパク質であるホエータンパク質の分解度が高くなるほど乳酸菌の生菌数も増加したが、分解度が52.3%の実施例8ではその効果は頭打ちとなり、風味もホエータンパク質の分解によるペプチドの味が少し感じられた。
(実施例11)
10%還元脱脂乳に、0.25重量部のモノグリセリドと分解ホエーとの複合体(FP−4)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に、先の実施例1で使用した3株を個別に培養し混合した乳酸菌スターター3%を接種し、37℃で乳酸発酵を行ない、発酵乳の風味について前記に従い官能評価を行った(表6)。
10%還元脱脂乳に、0.25重量部のモノグリセリドと分解ホエーとの複合体(FP−4)を添加し、95℃で10分間加熱殺菌した培地を調製した。この培地に、先の実施例1で使用した3株を個別に培養し混合した乳酸菌スターター3%を接種し、37℃で乳酸発酵を行ない、発酵乳の風味について前記に従い官能評価を行った(表6)。
(比較例18)
モノグリセリドと分解ホエーとの複合体(FP−4)を添加しない以外は実施例11と同様の方法にて乳酸発酵を行い、酸度が0.90%となる所要時間と出来た発酵乳の風味について官能評価を行った(表6)。
モノグリセリドと分解ホエーとの複合体(FP−4)を添加しない以外は実施例11と同様の方法にて乳酸発酵を行い、酸度が0.90%となる所要時間と出来た発酵乳の風味について官能評価を行った(表6)。
その結果、乳酸酸度が0.90%となるまでの所要時間は、複合体を使用した実施例11では4時間35分であり、複合体を使用しない比較例18では5時間30分であった。また、これらの発酵乳の官能評価は実施例11が18点、比較例18が19点で、複合体を添加したものもと複合体無添加とので風味の差は見られなかった。
Claims (6)
- 脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする乳酸菌の生育促進方法。
- 複合体を成す脂質が、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質のうちから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の乳酸菌の生育促進方法。
- 脂質と蛋白質の複合体の配合組成が、蛋白質100重量部に対して、脂質が0.5〜100000重量部である請求項1又は2に記載の乳酸菌の生育促進方法。
- 複合体を成す蛋白質が、水溶性であることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の乳酸菌の生育促進方法。
- 複合体を成す蛋白質の全ペプチド結合の1〜50%が分解されていることを特徴とする請求項4に記載の乳酸菌の生育促進方法。
- 蛋白質のペプチド結合の分解が、エンド型プロテアーゼでなされていることを特徴とする請求項5に記載の乳酸菌の生育促進方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048211A JP2006230259A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | 乳酸菌の生育促進方法 |
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JP2005048211A JP2006230259A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | 乳酸菌の生育促進方法 |
Publications (1)
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ID=37038582
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010113680A1 (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 株式会社ヤクルト本社 | 乳酸菌の培養方法および飲食品 |
JP2018530307A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-10-18 | 光明乳業股▲ふん▼有限公司 | 植物性乳酸菌増殖剤、該増殖剤を添加した発酵製品及び調製方法 |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005048211A patent/JP2006230259A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010113680A1 (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-07 | 株式会社ヤクルト本社 | 乳酸菌の培養方法および飲食品 |
KR101730191B1 (ko) | 2009-03-31 | 2017-04-25 | 가부시키가이샤 야쿠르트 혼샤 | 유산균의 배양방법 및 음식품 |
JP2018530307A (ja) * | 2016-09-14 | 2018-10-18 | 光明乳業股▲ふん▼有限公司 | 植物性乳酸菌増殖剤、該増殖剤を添加した発酵製品及び調製方法 |
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