JP2006081446A - 酵母増殖の促進方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酵母の菌体や培養物さらにはその酵母を利用した製品の風味を損なうことなく、酵母の増殖を促進する方法を提供する。
【解決手段】 本発明である、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする酵母増殖の促進方法を実施することで、酵母の菌体や培養物さらにはその酵母を利用した製品の風味を損なうことなく酵母増殖を促進することができる。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加して酵母の増殖を促進する方法に関する。
酵母は、パンの発酵やビール、清酒、ワイン、味噌、醤油、漬け物などの熟成工程において重要な役割を果たしていることが知られている。更に、近年においては酵母の有する種々の生理活性効果が明らかになり、酵母の菌体自体や培養物等を健康食品や医薬品等の素材に利用するようになっている。このように酵母の利用は多岐にわたっており、酵母の菌体や培養物を簡便、かつ安価に製造することは極めて重要な課題になってきている。酵母を培養するに際しては、アミノ酸やペプチド等の窒素源を添加しており、また最近では、酒粕の有機溶媒可溶性物質を有効物質として添加したり(特許文献1)、豆乳をエンド型プロテアーゼ及びエキソ型プロテアーゼ共存下で水解した発酵促進剤(特許文献2)などが知られている。しかしこれらの方法では、その効果が不十分であったり、酵母の菌体や培養物さらにはその酵母を利用した製品の風味などが好ましくないといった問題がある。
特開2000−157259号公報 特開平8−238066号公報
酵母の菌体や培養物さらにはその酵母を利用した製品の風味を損なうことなく、酵母の増殖を促進する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、脂質と蛋白質の複合体を有効物質とする組成物を使用することで、酵母の菌体や培養物さらにはその酵母を利用した製品の風味を損なうことなく、酵母の増殖を促進することができることを見出した。脂質と蛋白質の複合体に酵母の増殖促進効果があることは従来の報告には見当たらず、本発明者らが初めて見出したものであり、この知見により本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする酵母増殖の促進方法に関する。好ましい実施態様は、複合体を成す脂質が、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質のうちから選ばれる少なくとも1種である上記記載の酵母増殖の促進方法に関する。より好ましくは脂質と蛋白質の複合体の配合組成が、蛋白質100重量部に対して、脂質が0.5〜100000重量部である上記記載の酵母増殖の促進方法、更に好ましくは複合体を成す蛋白質が、水溶性であることを特徴とする上記記載の酵母増殖の促進方法、特に好ましくは複合体を成す蛋白質の全ペプチド結合の30%以上が分解されていることを特徴とする上記記載の酵母増殖の促進方法、極めて好ましくは蛋白質のペプチド結合の分解を、エンド型プロテアーゼで分解することを特徴とする上記記載の酵母増殖の促進方法、に関する。
酵母の菌体や培養物さらにはその酵母を利用した製品の風味を損なうことなく、酵母の増殖を促進することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明における脂質と蛋白質の複合体は天然由来のもの、合成物のいずれでも利用でき、天然由来の脂質と蛋白質の複合体としてはヒト、牛、馬、山羊などの広く哺乳動物の乳、血清やスケトウダラ、サケ、マス、コイなどの水産動物の卵や鶏、ウズラ、キジなどの鳥類の卵もしくは生体膜に含まれるものが挙げられる。合成物としては、脂質に脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質を用い、それらのうち少なくとも1種と蛋白質からなる複合体が挙げられる。前記の合成複合体を成す脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドは、炭素数4〜24の飽和脂肪酸残基及び/又は炭素数4〜24の不飽和脂肪酸残基を有するものが望ましく、リン脂質としては動植物由来のレシチンが好ましい。前記脂質の供給源としては、脂肪酸分解酵素による油脂の分解物が好ましい。また、食用として市販されるモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質を用いても良い。
脂肪酸分解酵素により分解する油脂としては、通常食用として用いられているものであれば植物油脂、動物油脂の何れでも良く、例えば乳脂肪、大豆油、綿実油、米油、コーン油、ひまわり油、菜種油等や、さらにはそれらの硬化、分別、エステル交換した油脂が挙げられ、それらを少なくとも1種混合して用いることが出来る。また脂肪酸分解酵素には、動物、植物、微生物から分離した酵素があり、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、リゾープス(Rhizopus)属等の糸状菌、キャンディダ(Candida)属等の酵母、小山羊、小羊、小牛の口頭分泌線から採取されるオーラル・リパーゼ(Oral lipase)等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種を用いることができる。脂肪酸分解酵素による油脂の分解は、一般に用いられている条件によって行うことができる。即ち、油脂100重量部に対して、水を0.01〜50重量部の範囲で加えたところに、脂肪酸分解酵素0.0001〜2重量部を脂肪酸分解酵素の約10倍量の水に溶解、分散させたものを添加し、反応温度は15〜70℃、好ましくは30〜50℃で0.1〜120時間の範囲で分解した後、酵素反応阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理して酵素反応を停止すればよい。脂肪酸分解酵素による油脂の分解度は、2〜90%が好ましく、より好ましくは5〜50%である。油脂の分解度が2%未満では本発明で期待する複合体による酵母の増殖促進効果が十分でない場合があり、また90%を超えると蛋白質との複合体が形成されにくい場合がある。尚、油脂の分解度とは〔{(酸価)/(けん化価)}×100〕によって求められる値を言う。得られた脂肪酸分解酵素による油脂の分解物は、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリドを分画して使用しても、トリグリセリドを含む分解した油脂をそのまま使用しても構わない。
複合体中の脂質の組成比は、蛋白質100重量部に対して0.5〜100000重量部とすることが好ましい。脂質の組成比が0.5重量部未満では、目的とする酵母の増殖促進効果が十分ではない場合があり、また100000重量部を越えると効果は頭打ちになる場合がある。
本発明で得られる前記複合体を成す蛋白質としては、動物性蛋白質、植物性蛋白質などが挙げられ、中でも複合体を有効に形成することができることから水溶性の蛋白質を用いることが好ましい。具体的には脱脂粉乳、全脂粉乳、カゼイン、ホエー、大豆蛋白、小麦蛋白、卵白蛋白、卵黄蛋白等が挙げられ、これらは少なくとも1種が用いられる。これらの蛋白質は、複合体を作製する前に蛋白質分解酵素で分解したものを用いることもでき、特にその分解度は30〜90%が好ましく、より好ましくは50〜90%の範囲である。分解度が30%未満であると目的とする酵母の増殖促進効果が十分ではない場合がある。また90%を超えて分解すると前記複合体としての効果が低下する場合がある。尚、分解度はホルモール滴定等によるα―アミノ基の測定により分解された量を測定し、蛋白質の総アミノ酸量で除した値(%)とした。本発明で用いられる蛋白質分解酵素としては、特定のペプチド結合を切断し低分子ペプチドを生成させるエンド型プロテアーゼが効果の点で好ましく、より好ましくはトリプシン又はパパインであり、これらは少なくとも1種が用いられる。蛋白質分解酵素による蛋白質の分解は、一般に用いられている条件によって行うことができる。即ち、蛋白質を1〜15重量部の範囲で水に溶解又は分散させ、反応温度は15〜70℃、好ましくは30〜50℃で0.1〜120時間の範囲で分解した後、酵素反応阻害剤を適当量使用したり、或いは加熱処理して酵素反応を停止すればよい。得られた蛋白質分解物は、このままの状態でも、更には噴霧乾燥等により粉末化した状態のものでも使用できる。
本発明で増殖できる酵母は、特に種類は何でも良く、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)属、トルラスポラ(Torulasupora)属、トルロプシス(Torulopsis)属、ミコトルラ(Mycotorula)属、キャンディダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属などが挙げられ、これらのうち少なくとも1種を用いることができる。
次に、本発明で使用する複合体の製造方法を例示する。まず、蛋白質が1〜50重量部、好ましくは5〜25重量部の水溶液を調製する。この際、蛋白質水溶液の最終的なpHを6〜7の範囲に調整することが、脂質と蛋白質とを有効に結合させる上で好ましい。前記のようにして調製した蛋白質溶液を50〜70℃に加温したところに、50〜70℃に加温した脂質を添加して攪拌混合を行い、次いで超音波均質機、ホモジナイザー、ホモミキサー、マイコロイダー等の均質化手段により、複合体を調製する。複合体製造の際の乳化形態については、水中油型(O/W)、油中水型(W/O)、その他多相乳化系いずれの形態でも構わない。本発明で使用する複合体は、こうして得られた乳化液をそのままの形態で使用する場合は、保存上の点からUHT等の殺菌処理を施すことが好ましい。また乳化液そのままの形態でもかまわないが、取り扱い、保存上の点から噴霧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等の手段により乾燥処理を施しても良い。
前記で得られた複合体を用いて酵母を増殖する工程を以下に例示する。酵母の増殖は、酵母を通常培養する場合に使用されている炭素源、窒素源、無機塩類等を含む培養媒体を用い、20〜40℃の好適培養温度にて培養すればよい。脂質と蛋白質の複合体は、固形分換算で培地100重量部に対して好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜3重量部の範囲で添加する。添加量が、0.001重量部未満では発明の効果は得られない場合があり、5重量部を越えて添加しても効果は頭打ちとなる場合がある。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<培養液中の酵母の生菌数測定法>
実施例1〜3及び比較例1〜4において24時間振とう培養後、コロニーカウント法にてそれぞれの酵母の生菌数を求めた。すなわち、酵母の培養液を滅菌済み生理食塩水(0.85%NaCl溶液)に10倍毎に段階希釈後、各段階の希釈液から0.1mlずつをポテトデキストロース寒天平板培地(シクロヘキシミド100ppm含有)に塗抹し、25℃で5日間培養して、コロニー数を計測した。なお、誤差を小さくするため1平板当たりのコロニー数が50〜500個のものを計測に使用した。
(製造例1) モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)の調製
ナトリウムカゼイン(商品名:ハプロ、新日本製薬(株)製)10重量部を水90重量部に溶解させ50℃に温調後、蛋白質分解酵素(商品名:パパインW−40、天野エンザイム製)0.025重量部を添加し30分間反応後、85℃で15分間殺菌して、分解度35.4%の分解ナトリウムカゼイン溶液を調整した。この分解ナトリウムカゼイン溶液80重量部に水19重量部を加え、65℃まで加熱後、クエン酸モノグリセリド(商品名:ポエムK−10、理研ビタミン(株)製)1.0重量部を添加し溶解後、超音波均質機(500W)にて均質化(5分)し、複合体溶液を得た。得られた水溶液は0.1hPaで減圧脱水し、固形分中の水分を4.0重量部とし、粉砕して20メッシュ篩で、篩過して粉末状の脂質と乳蛋白質の複合体を得た。
(製造例2) モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−2)の調製
製造例1において、ナトリウムカゼインを蛋白質分解酵素で反応する時間を90分間に変えて調整した分解度55.1%の分解ナトリウムカゼインを使用した以外は、同様の方法にてモノグリセリドと分解蛋白質の複合体を得た。
(製造例3) モノグリセリドと蛋白質との複合体(FP−3)の調製
製造例1において、分解ナトリウムカゼインの代わりに未分解のナトリウムカゼインを使用した以外は、同様の方法にてモノグリセリドと蛋白質との複合体を得た。
(製造例4) 油脂分解物と分解蛋白質との複合体(FP−4)の調製
パーム油95重量部を50℃に温調後、リパーゼ(商品名:リパーゼAY「アマノ」、天野エンザイム製)0.1重量部を水4.9重量部に溶解して添加し、緩やかに撹拌しながら180分間保持した後、85℃で10分間加熱処理して酵素を失活させ油脂分解物(分解度8.1%)を得た。一方、分解蛋白質はホエータンパク質(商品名:WPC−80、タンパク質含量80%、三井物産(株))10重量部を水90重量部に溶解させ50℃に温調後、蛋白質分解酵素(商品名:パパインW−40、天野エンザイム製)0.05重量部を添加し6時間反応後、85℃で15分間殺菌して、分解度68.1%の分解ホエータンパク質溶液を調整した。この分解ホエータンパク質溶液40重量部に水30重量部を加えて70℃まで加熱後、上記の油脂分解物30重量部を添加し混合し、バルブ式ホモジナイザーにて10MPaで均一化して、油脂分解物と蛋白質との複合体溶液を得た。
(実施例1)
YPD培地(グルコース2%、ポリペプトン2%、イーストエキス1%)100mlを500ml容の三角フラスコに分注し121℃で15分間殺菌した後、イースト(商品名:イーストSR、鐘淵化学工業(株)製)を1白金耳植菌し、30℃で24時間振とう培養して種菌とした。その後、フラスコに製造例1で調整したモノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)0.25重量部を添加したYPD培地100mlに種菌2mlを植菌し、30℃で24時間振とう培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
Figure 2006081446
(実施例2)
実施例1において、モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)の代わりにFP−2を添加した以外は同様の方法で酵母を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
(実施例3)
実施例1において、モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)の代わりにFP−3を添加した以外は同様の方法で酵母を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
(比較例1)
実施例1において、モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)を添加しない以外は同様の方法にて酵母を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
(比較例2)
実施例1において、モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用したクエン酸モノグリセリド0.21重量部を添加した以外は同様の方法にて酵母を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
(比較例3)
実施例1において、モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用した分解度35.4%の分解ナトリウムカゼイン0.027重量部を添加した以外は同様の方法にて酵母を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
(比較例4)
実施例1において、モノグリセリドと分解蛋白質との複合体(FP−1)の代わりにFP−1で使用したクエン酸モノグリセリド0.21重量部と分解度35.4%の分解ナトリウムカゼイン0.027重量部を添加した以外は同様の方法にて酵母を培養し、前記測定法にて生菌数を求めた(表1)。
表1から明らかなように、複合体を使用した実施例1〜3では、比較例1〜4の複合体を添加していないものに比べ、高い生菌数を得ることができることが判った。特に、分解度の高いナトリウムカゼインを使用したものの生菌数が多かった。
(実施例4)
通気攪拌装置を備えた5L容ジャーファメンター(丸菱バイオエンジ製:形式MD300)を用いて表2に示す条件に、更に油脂分解物と分解蛋白質との複合体(FP−4)0.3重量部を添加してパン酵母(商品名:イーストグリーン、鐘淵化学工業(株)製)を培養した。培養終了後、遠心分離にて集菌し、水で洗浄して測定した菌体重量を表3に示した。
Figure 2006081446
Figure 2006081446
(比較例5)
実施例4において、油脂分解物と分解蛋白質との複合体(FP−4)を添加しない以外は同様の方法にてパン酵母を培養した。培養終了後、遠心分離にて集菌し、水で洗浄して測定した菌体重量を表3に示した。
(比較例6)
実施例4において、油脂分解物と分解蛋白質との複合体(FP−4)の代わりに、以下の方法で調整した豆乳分解物を添加する以外は同様の方法にてパン酵母を培養した。豆乳分解物は、脱脂大豆1重量部に対して10部の水を加え、攪拌抽出してオカラを分離して得た豆乳に蛋白質分解酵素(商品名:プロチンN、大和化成(株)製)0.01重量部を加え、pH6.8、50℃で5時間反応後、85℃で30分間加熱して酵素を失活させ、遠心分離して得た上澄みをメンブレンフィルター(0.45μm、東洋濾紙(株)製)でろ過して、凍結乾燥して調整した。培養終了後、遠心分離にて集菌し、水で洗浄して測定した菌体重量を表3に示した。
表3から明らかなように、油脂分解物と分解蛋白質との複合体を使用した実施例4が比較例5、6よりも総菌体重量は向上した。また、できた実施例4および比較例5のパン酵母の風味は本来の良好であり、これらパン酵母を使用した食パンの風味の良好であった。一方、豆乳分解物を使用した比較例6のパン酵母は、本来のパン酵母にはない異臭が感じられ、このパン酵母を使用した食パンでは大豆臭が感じられるとするパネラーもいた。

Claims (6)

  1. 脂質と蛋白質の複合体を培地に添加することを特徴とする酵母増殖の促進方法。
  2. 複合体を成す脂質が、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、糖脂質のうちから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の酵母増殖の促進方法。
  3. 脂質と蛋白質の複合体の配合組成が、蛋白質100重量部に対して、脂質が0.5〜100000重量部である請求項1又は2に記載の酵母増殖の促進方法。
  4. 複合体を成す蛋白質が、水溶性であることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の酵母増殖の促進方法。
  5. 複合体を成す蛋白質の全ペプチド結合の30%以上が分解されていることを特徴とする請求項4に記載の酵母増殖の促進方法。
  6. 蛋白質のペプチド結合の分解を、エンド型プロテアーゼで分解することを特徴とする請求項5に記載の酵母増殖の促進方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014030774A1 (ja) 2012-08-24 2014-02-27 国立大学法人山口大学 酵母用培地

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