JP2006230110A - 同期電動機の界磁極位置補正方法 - Google Patents

同期電動機の界磁極位置補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低ガイド摩擦(例えば、エアスライダ)・高分解能位置検出器(例えば、レーザ干渉計)の機構系だけでなく、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量が限定されない汎用的用途においても、界磁極位置検出誤差を少なくし、かつ、同期電動機を制御する上で所望なトルクを得ることができるようにする。
【解決手段】界磁極位置粗補正処理と界磁極位置微補正処理の補正モード選択処理をし、
電流位相補正量(δ1)を算出する界磁位置界磁極位置粗補正処理をし、電流位相補正量(δ2)を算出する界磁極位置微補正処理をし、補正処理が妥当であるかどうかを判断する補正確認処理をし、電流位相補正量(δ2)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定するという手順で処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁極位置センサを有しない同期電動機制御装置に係わり、特にソフトウェアによる界磁極位置補正方法を行う同期電動機制御方法に関する。
従来の磁極位置センサを有しない同期電動機制御装置の界磁極位置補正方法としては、ソフトウェアでの界磁極位置補正処理を行っている。(特許文献1参照)。その詳細は省略するが、要点を以下に説明する。
印加する電流位相(ρ)の補正量(γ)を変化させて、印加する電流の大きさに関わらず発生電磁力(Fo)が零になる電流位相補正量(δ0)を、また、発生電磁力(Fo)の極性を加速度(Acc)の極性より判定して求め、この電流位相補正量(δ0)を用いて発生電磁力(Fo)が最大になる電流位相補正量(δ1)を導出し、この電流位相補正量(δ1)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定して同期電動機を制御するものである。(以下、これを従来例という)
特開平8−182399号公報(第3−5頁、図1)
従来の界磁極位置補正制御方法では、低ガイド摩擦(例えば、エアスライダ)・高分解能位置検出器(例えば、レーザ干渉計)の機構系に対しては有効であった。しかし、発生電磁力(Fo)の極性を差分演算より算出する加速度(Acc)の極性・大きさを判断要素として、電磁力指令(Fref)0から第1の目標値間で印加する電流の位相(ρ)の補正量(γ)を更新するため、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量が限定されない汎用的用途(例えば、リニアスケール・リニアガイド)では、それらを要因とする界磁極位置検出誤差(δe)の大小が左右されやすい問題があった。
図8は、界磁極位置検出誤差(δe)についての説明図である。図において、界磁極位置検出誤差(δe)について説明する。
界磁極位置検出誤差(δe)は、界磁極位置最大推定回数n回の時、電気角で
δe=180°/2・・・(1)
で計算できる。例えば、推定回数10回ならば、界磁極位置検出誤差(δe)は0.18°となる。
よって、界磁極位置検出誤差(δe)は、推定回数が十分であるならば、外乱トルク(例えば、ガイド摩擦や負荷変動)とアンプが流せる最大電流で決定され、発生電磁力(Fo)が零付近の発生電磁力(Fo)が外乱トルクに負けた時点が、界磁極位置検出誤差(δe)となる。ここで位置センサ分解能が十分高く、外乱トルク(fr)、最大電流(imax)とすると、低外乱トルク(fr≒0)の機構系に対しては、図における電流対検出加速度は細実線となる。この場合、式(1)において、推定を重ねるにつれて最大推定回数nから算出できる界磁極位置検出誤差(δe)へ追込むことができる。(図中○ → ●)
一方、何らかの外乱トルク(fr)がある機構系に対しては、図における電流対検出加速度は太実線となるため、発生電磁力(Fo)が零付近の発生電磁力(Fo)が外乱トルクに負けた時点が界磁極位置検出誤差(δe)となる。(図中○ → ▲)
また、位置センサ分解能だけ異なってその他の条件が同様な機構系ならば、位置センサ分解能が悪い分加速度(Acc)零の範囲が広くなり、界磁極位置検出誤差(δe)は大きくなる。(図中○ → ▲と同様)
また、どの場合においても加速度(Acc)を差分演算により算出するため、その差分演算誤差による界磁極位置検出誤差(δe)は必ず存在し、一般的にその差分演算誤差は、発生電磁力(Fo)が零付近では大きくなってしまう。
また、界磁極位置検出処理終了後、界磁極位置検出誤差(δe)を確認することなく、導出された電流位相補正量(δ1)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定して同期電動機を制御するので、何らかの要因で大きな界磁極位置検出誤差(δe)が発生していた場合、所望するトルクが得られないという問題点もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、界磁極位置補正処理を粗補正処理と微補正処理とに分けた、界磁極位置粗補正処理とその後処理である界磁極位置微補正処理とするとともに、2つの界磁極位置補正処理は、予め明らかである機構系の状態に応じて選択を可能とする処理とし、また、界磁極位置補正処理の不具合を判断する処理と界磁極位置において短時間かつ小移動量となる処理をし、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量が限定されない汎用的用途においても界磁極位置検出誤差(δe)を少なくし、かつ、同期電動機を制御する上で所望するトルクを確実に得ることができる方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のようにしたのである。
請求項1に記載の発明は、磁極位置センサを有しない同期電動機の界磁極位置をソフトウェアによる方法で算出し、その算出結果を用いて同期電動機を制御する同期電動機の界磁極位置補正方法において、発生電磁力が零になる電流位相補正量(δ0)に基づいて、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ1)を算出する界磁位置界磁極位置粗補正処理をし、前記電流位相補正量(δ1)に基づいて、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出する界磁極位置微補正処理をし、 補正処理が妥当であるかどうかを判断する補正確認処理をし、前記電流位相補正量(δ2)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定するものである。
請求項2に記載の発明は、前記界磁極位置粗補正処理と前記界磁極位置微補正処理は、補正モード選択処理により処理の実行を決定され、前記補正モード選択処理において、前記界磁極位置粗補正処理のみの場合は、前記電流位相補正量(δ1)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定するものである。
請求項3に記載の発明は、前記界磁極位置粗補正処理は、電磁力指令の第1の目標値に達する回数が、予め設定された基準回数より大きくなれば、印加する電流位相(ρ)の補正量(γ)を変化させて、印加する電流の大きさに関わらず発生電磁力が零になる電流位相補正量(δ0)の推定を終了するものである。
請求項4に記載の発明は、前記界磁極位置微補正処理は、前記界磁極位置粗補正処理後に実施するものであり、印加する電流位相(ρ)が前記電流位相補正量(δ1)の固定位相である電磁力指令(Fref)に基づいて、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出するものである。
請求項5に記載の発明は、前記電磁力指令(Fref)は、0から第1の目標値まで単調増加させ、第1の目標値に達した時点での前記電磁力指令(Fref)を維持するものである。
請求項6に記載の発明は、前記補正確認処理は、前記界磁極位置微補正処理の開始位置から現在位置までの移動量が、予め設定された移動量限界を越えた場合、補正不完全と判断し、界磁極位置粗補正処理からの開始、あるいは、界磁極位置補正処理自体を終了するものである。
請求項7に記載の発明は、前記補正モード選択処理は、予め明らかである機構系の状態に応じて、前記界磁極位置粗補正処理のみ、あるいは、前記界磁極位置粗補正処理と前記界磁極位置微補正処理の選択をするものである。
請求項8に記載の発明は、前記界磁極位置微補正処理は、前記電磁力指令が維持状態において、予め設定された移動確認量を超えている場合、前記界磁極位置微補正処理を継続し、前記移動確認量より小さくなった場合、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出するものである。
請求項1に記載の発明によると、界磁極位置粗補正処理により少回転量(少移動量)・粗精度の界磁極位置検出し、界磁極位置微補正処理により界磁極位置粗補正処理で発生した界磁極位置検出誤差(δe)を補う界磁極位置検出をすることができ、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量が限定されない汎用的用途においても、界磁極位置検出誤差(δe)を更に少なくすることができる。また、界磁極位置検出補正処理の不具合を判断し、補正処理の信頼性を高めることができ、確実に所望のトルクを得ることができる。
また、請求項2に記載の発明によると、予め明らかである機構系の状態に応じて、界磁極位置補正処理を選択でき、幅広い機構系に対し適用が可能となる。また、予め明らかである機構系の状態により界磁極位置微補正処理は不要であるとされた場合、余分な界磁極位置検出をする事なく短時間で界磁極位置検出をすることができ、同期電動機の制御を素早く開始することができる。
また、請求項3に記載の発明によると、推定回数の早い段階で電流位相補正量(δ0)を推定した場合、設定界磁極位置推定回数までの余分な推定処理をする事なく界磁極位置推定処理時間を短縮することができる。
また、請求項4に記載の発明によると、界磁極位置粗補正処理で発生した界磁極位置検出誤差(δe)を補う界磁極位置検出をすることができ、界磁極位置検出誤差(δe)を更に少なくすることができ、界磁極位置検出における機構系に依るバラツキを少なくすることができ、精度を高めることができ、確実に所望のトルクを得ることができる。
また、請求項5に記載の発明によると、単純で簡単な関数での電磁力指令とすることができる。
また、請求項6に記載の発明によると、機構系に依ることなく、界磁極検出において信頼性を高めることができ、界磁極検出が不十分な状態での同期電動機の制御を避けることができ、界磁極位置微補正処理での回転量(移動量)を制限できる。
また、請求項7に記載の発明によると、機構系に依ることなく、本発明の界磁極位置補正方法を適用することができる。
また、請求項8に記載の発明によると、界磁極位置検出誤差(δe)が可能な限り小さくすることができる。
以下、本発明の方法の具体的実施例について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の電流位相補正量(δ1)、または、電流位相補正量(δ2)を導出するまでの一連の処理手順を示すフローチャートである。図において、本発明の方法を順に説明する。
(処理101)機構系の状態(位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量)において、界磁極位置補正モードをどのように実行するか選択する。機構系の状態は、同期電動機を含むシステムの状態であるため、同期電動機を制御する前段階でその機構系の状態は判断できる。次に、処理102へ進む。
(処理102)後述する電磁力指令i関数f(t)=imax/t1max*tにより、後述する電流位相補正量(δ0)の推定方法に従って、界磁極位置粗補正処理での電流位相補正量(δ1)を算出する。次に、処理103へ進む。
(処理103)選択された界磁極位置補正モードを確認し、界磁極位置補正モードが粗・微補正モード:mode1であれば処理104へ進む。粗補正モード:mode0であれば処理を終了し、以後、算出した電流位相補正量(δ1)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定して同期電動機の制御を開始する。この処理により、予め明らかである機構系の状態により界磁極位置微補正処理は不要であるとされた場合、余分な界磁極位置検出をする事なく短時間で界磁極位置検出をすることができ、同期電動機の制御を素早く開始することができる。
(処理104)後述する電磁力指令i関数f’(t)=imax/t1max*t、および、f’’(t)=imaxにより、後述する電流位相補正量(δ2)の算出方法に従って、界磁極位置微補正処理での電流位相補正量(δ2)を決定する。この処理により、界磁極位置粗補正処理で発生した界磁極位置検出誤差(δe)を補う界磁極位置検出をすることができ、界磁極位置検出誤差(δe)を更に少なくすることができ、界磁極位置検出における機構系に依るバラツキを少なくすることができ、精度を高めることができ、確実に所望のトルクを得ることができる。
また、補正処理が正しく行われたかどうかを判断する補正確認処理を含み、界磁極位置微補正処理の開始位置から現在位置までの移動量が、予め設定された移動量限界を越えた場合、補正不完全と判断し、補正アラームを出力する。次に、処理105へ進む。
(処理105)処理104での補正アラーム出力を確認し、補正アラームの場合、処理102へ進み、再度界磁極位置粗補正処理からやり直す。但し、数度の補正アラームが出る様であれば、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量以外の要因で界磁極位置検出誤差(δe)が発生していると判断し、界磁極位置補正処理自体を終了する様にしてもよい。補正アラームでない場合、、処理を終了し、以後、算出した電流位相補正量(δ2)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定して同期電動機の制御を開始する。
図2は、界磁極位置微補正処理での印加する電流位相(ρ)が、後述する界磁極位置粗補正処理で算出した電流位相補正量(δ1)である固定位相として発生電磁力(Fo)が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出する処理手順を示すフローチャートである。図において、界磁極位置微補正処理を順に説明する。
(処理11)初期値を設定する。すなわち、固定位相である印可する電流位相ρ=θ0+δ1、位置検出器から検出できる界磁極位置微補正処理の開始位置x0=θ0、開始位置からの移動量限界xmax、固定位相時の移動幅xmin、時間t=-m*Δt(=t-1)、電磁力指令iがimaxになる時間t1maxとする。ただし、mは正の整数、時間tは電磁力指令iの計算処理の基準時間である。次に、処理12へ進む。
(処理12)後述の方法で界磁極位置微補正処理の電磁力指令iを計算する。次に、処理13へ進む。
(処理13)時間tを判定する。t≦t1maxの場合、すなわち、電磁力指令iが第1の目標値まで単調増加している間、処理14へ進む。t1max<t≦t8の場合、すなわち、電磁力指令iが一定である間、処理15へ進む。t1maxは、電磁力指令iがimaxになる時間である。
(処理14)開始位置から現在位置までの移動量Δxと開始位置からの移動量限界xmaxを比較する。Δx<xmaxの場合、処理16へ進む。xmax≦Δxの場合、すなわち、開始位置から現在位置までの移動量Δxが開始位置からの移動量限界xmaxを越えた場合、処理17へ進む。
(処理15)停止位置での移動幅Δxと固定位相時の移動幅xminを比較する。xmin<Δxの場合、すなわち、固定位相の一定の電磁力指令において、移動中であり界磁極位置検出誤差(δe)が詰まる余地があると判断すると、処理16へ進む。Δx≦xminの場合、すなわち、固定位相の一定の電磁力指令において、これ以上界磁極位置検出誤差(δe)が詰まらないと判断すると、処理18へ進む。この処理により、界磁極位置検出誤差(δe)が可能な限り小さくすることができる。
(処理16)時間を更新する。t=t+Δtとする。次に、処理12へ進む。
(処理17)開始位置から現在位置までの移動量Δxが開始位置からの移動量限界xmaxを越えた(xmax≦Δx)ということで界磁極位置微補正処理時でのアラームとし、処理を終了する。界磁極位置微補正処理時でのアラームは、界磁極位置微補正処理で発生した位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量を要因とする界磁極位置検出誤差(δe)が特に大きい場合である。移動量限界xmaxは、界磁極位置検出誤差(δe)そのものに当たり、電気角20°以上相当を目安とする。この処理により、機構系に依ることなく、界磁極検出において信頼性を高めることができ、界磁極検出が不十分な状態での同期電動機の制御を避けることができ、界磁極位置微補正処理での回転量(移動量)を制限できる。
(処理18)界磁極位置微補正処理での電流位相補正量(δ2)を算出する。界磁極位置粗補正処理での電流位相補正量(δ1)を界磁極位置微補正処理での電流位相補正量(δ2)に、すなわち、δ2=δ1とし、処理を終了する。
図3は、界磁極位置微補正処理での電磁力指令iを発生させる方法である。図において、その発生方法を説明する。
時間の区切りt2〜t8は、t1(=t1max)に基づいて、次のように決定する。
t2=2*t1、t3=3*t1、t4=4*t1、t5=5*t1、t6=6*t1、t7=7*t1、t8=8*t8
電磁力指令iは、t-1≦t≦0の場合、i=0とする。この時、t-1=-m*Δtである。また、0≦t≦t1の場合、i=f’(t)=imax/t1max*tとする。これは、f’(t)として1次関数を用いた例であり、0から第1の目標値までの電磁力指令が単調増加f’(t)=imax/t1max*tの場合である。また、t1max≦t≦t8の時は、i=f’’(t)=imaxとする。
よって、界磁極位置微補正処理での電磁力指令は、0から第1の目標値までの電磁力指令を単調変化させ、第1の目標値に達した時点でその電磁力指令を維持するものである。
また、単純で簡単な関数での電磁力指令とすることができる。
図4は、本発明の界磁極位置粗補正処理の電流位相補正量(δ0)および電流位相補正量(δ1)を算出するフローチャートである。図において、界磁極位置微補正処理を順に説明する。
(処理21)初期値を設定する。すなわち、電流位相補正量γ=0°、推定回数j=1、時間t=-m*Δt(=t-1)、最大推定回数jmax、電磁力指令iがimaxになる時間t1max、時間t=t1maxとなる回数j0=0、時間t=t1maxとなる最大回数jeとする。ただし、mは正の整数、jeは3〜4<je<jmaxである。時間tは、電磁力指令iの計算や加速度(Acc)の測定等の処理の基準時間である。次に、処理22へ進む。
(処理22)後述の方法で界磁極位置粗補正処理の電磁力指令iを計算する。処理22へ進む。
(処理23)時間tを判定する。t=0の場合、処理24へ進む。t=k*Δtの場合、処理26へ進む。t=t1maxの場合、処理28へ進む。t=t8(t8=8*t1max)の場合、処理33へ進む。その他の場合、処理32へ進む。ただし、kは正の整数でk*Δt<t1maxである。t1maxは、電磁力指令iがimaxになる時間である。
(処理24)加速度Acc1を測定する。ここで、加速度は、位置検出器からの位置信号の差分演算より求めるものである。次に、処理25へ進む。
(処理25)加速度Acc1の絶対値と予め設定している加速度Acc2(>0)を比較して、大きい方を基準加速度Acc0(>0)とする。次に、処理32へ進む。
(処理26)加速度Acc3を測定する。ここで、加速度は、位置検出器からの位置信号の差分演算より求めるものである。次に、処理27へ進む。
(処理27)加速度Acc3の絶対値と基準加速度Acc0を比較する。|Acc3|≧Acc0の場合、処理30へ進む。また、|Acc3|<Acc0の場合、処理32へ進む。
(処理28)加速度Acc3を測定する。ここで、加速度は、位置検出器からの位置信号の差分演算より求めるものである。次に、処理29へ進む。
(処理29)時間t=t1maxとなる回数j0を更新する。j0=j0+1とする。次に、処理30へ進む。
(処理30)後述の方法で電流位相補正量γを更新する。処理31へ進む。
(処理31)電磁力指令iを作成する基準時間t1を求める。t1=tとする。ここで、tは加速度Acc3の絶対値が基準加速度Acc0より大きくなった時間か、t1maxである。次に、処理32へ進む。
(処理32)時間を更新する。t=t+Δtとする。次に、処理22へ進む。
(処理33)時間を初期値に戻す。t=-m*Δtとする。次に、処理34へ進む。
(処理34)時間t=t1maxとなる回数j0と時間t=t1maxとなる最大回数jeを比較する。j0<jeの場合、すなわち、電磁力指令の振幅が最大ではなく、界磁極位置検出誤差(δe)が詰まる余地があると判断すると、処理35へ、その他の場合、すなわち、電磁力指令の振幅が最大であり、これ以上界磁極位置検出誤差(δe)が詰まらないと判断すると、処理37へ進む。この処理により、設定界磁極位置推定回数までの余分な推定処理をする事なく界磁極位置推定処理時間を短縮することができる。
(処理35)推定回数jと最大推定回数jmaxとを比較する。j<jmaxの場合、処理36へ、その他の場合、処理37へ進む。
(処理36)推定回数jを更新する。j=j+1とする。次に、処理22へ進む。
(処理37)印加する電流の大きさに関わらず発生電磁力(Fo)が零になる電流位相補正量(δ0)を決定する。δ0=γとし、処理38へ進む。
(処理38)電流位相補正量(δ0)から最大トルクが得られる電流位相補正量(δ1)を導出し、処理を終了する。電流位相補正量γ=0°の時、加速度Acc3の符号により次の組み合わせが考えられる。なお、δ0は、必ず電気角0°と180°の間で求まる。
(1)Acc3≧0の時、δ1=δ0−90°
(2)Acc3<0の時、δ1=δ0+90°
図5は、本発明が適用される同期電動機制御装置の1つの実施形態における概略構成である。図において、位置検出器5は、同期電動機4の回転位置を検出する。CPU1は、電磁力指令とカウンタ6で検出された同期電動機4の回転位置を用いて演算を行い、電磁力指令に基づく、電流指令をD/A変換器2よりパワーアンプ3に出力する。パワーアンプ3は、電流指令に応じた電流を同期電動機4に供給して同期電動機4を駆動する。
ここで、回転形の同期電動機について説明したが、直動形の同期電動機でも同様のことがいえる。
図6は、従来例の電流位相補正量(γ)を更新するフローチャートである。本発明の界磁極位置粗補正処理における処理30での処理内容となるが、その詳細は従来例と同様なため、詳細説明は省略する。(特許文献1参照)
図7は、従来例の電磁力指令iを発生させる方法を示す図である。本発明の界磁極位置粗補正処理における処理22での処理内容となるが、その詳細は従来例と同様なため、詳細説明は省略する。(特許文献1参照)
このように、界磁極位置補正処理を粗補正処理と微補正処理とに分けた、界磁極位置粗補正処理とその後の界磁極位置微補正処理とするとともに、2つの界磁極位置補正処理は、予め明らかである機構系の状態に応じて選択を可能とする処理とし、また、界磁極位置補正処理の不具合を判断とし、短時間かつ小移動量となる処理の手順をとるので、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量が限定されない汎用的用途においても界磁極位置検出誤差(δe)を少なくし、かつ、同期電動機を制御する上で所望するトルクを確実に得ることができる。
界磁極位置粗補正処理とその後の界磁極位置微補正処理とするとともに、2つの界磁極位置補正処理は、予め明らかである機構系の状態に応じて選択を可能とする処理とし、また、界磁極位置補正処理の不具合を判断する処理するという手順をとるため、低ガイド摩擦(例えば、エアスライダ)・高分解能位置検出器(例えば、レーザ干渉計)の機構系だけでなく、位置検出器分解能・ガイド摩擦・負荷質量が限定されない汎用的用途にも適用できる。
本発明の一連の処理手順を示すフローチャート 本発明の界磁極位置微補正処理の処理手順を示すフローチャート 本発明の界磁極位置微補正処理の電磁力指令iを発生させる方法を示す図 本発明の界磁極位置粗補正処理の処理手順を示すフローチャート 本発明が適用される同期電動機制御装置の1つの実施形態における概略構成 従来例の電流位相補正量(γ)を更新するフローチャート 従来例の電磁力指令iを発生させる方法を示す図 界磁極位置検出誤差(δe)についての説明図
符号の説明
1 CPU
2 D/A変換器
3 パワーアンプ
4 同期電動機
5 位置検出器
6 カウンタ
101〜105、11〜18、21〜38、41〜48 処理

Claims (8)

  1. 磁極位置センサを有しない同期電動機の界磁極位置をソフトウェアによる方法で算出し、その算出結果を用いて同期電動機を制御する同期電動機の界磁極位置補正方法において、
    発生電磁力が零になる電流位相補正量(δ0)に基づいて、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ1)を算出する界磁位置界磁極位置粗補正処理をし、
    前記電流位相補正量(δ1)に基づいて、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出する界磁極位置微補正処理をし、
    補正処理が妥当であるかどうかを判断する補正確認処理をし、
    前記電流位相補正量(δ2)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定することを特徴とする同期電動機の界磁極位置補正方法。
  2. 前記界磁極位置粗補正処理と前記界磁極位置微補正処理は、補正モード選択処理により処理の実行を決定され、前記補正モード選択処理において、前記界磁極位置粗補正処理のみの場合は、前記電流位相補正量(δ1)と位置検出器で検出された仮の界磁極位置(θ)より印加する電流位相(ρ)を決定することを特徴とする請求項1記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
  3. 前記界磁極位置粗補正処理は、電磁力指令の第1の目標値に達する回数が、予め設定された基準回数より大きくなれば、印加する電流位相(ρ)の補正量(γ)を変化させて、印加する電流の大きさに関わらず発生電磁力が零になる電流位相補正量(δ0)の推定を終了することを特徴とする請求項1、2記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
  4. 前記界磁極位置微補正処理は、前記界磁極位置粗補正処理後に実施するものであり、
    印加する電流位相(ρ)が前記電流位相補正量(δ1)の固定位相である電磁力指令(Fref)に基づいて、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出することを特徴とする請求項1記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
  5. 前記電磁力指令(Fref)は、0から第1の目標値まで単調増加させ、第1の目標値に達した時点での前記電磁力指令(Fref)を維持することを特徴とする請求項4記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
  6. 前記補正確認処理は、前記界磁極位置微補正処理の開始位置から現在位置までの移動量が、予め設定された移動量限界を越えた場合、補正不完全と判断し、界磁極位置粗補正処理からの開始、あるいは、界磁極位置補正処理自体を終了することを特徴とする請求項1記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
  7. 前記補正モード選択処理は、予め明らかである機構系の状態に応じて、前記界磁極位置粗補正処理のみ、あるいは、前記界磁極位置粗補正処理と前記界磁極位置微補正処理の選択をする処理であることを特徴とする請求項1記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
  8. 前記界磁極位置微補正処理は、前記電磁力指令が維持状態において、予め設定された移動確認量を超えている場合、前記界磁極位置微補正処理を継続し、前記移動確認量より小さくなった場合、前記発生電磁力が最大になる電流位相補正量(δ2)を算出することを特徴とする請求項1、4記載の同期電動機の界磁極位置補正方法。
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