JP2006229667A - 耐タンパ装置及び耐タンパ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止する耐タンパ装置を提供する。
【解決手段】 筐体1の収納ケース2に収容された電子回路基板35上には、ホール素子38及びホール電圧検出部45が設けられており、カバー7内側のホール素子38と対向する位置には、磁石25が設けられている。カバー7が取り外されると、磁石25によるホール素子38を通過する磁束が変化する。ホール素子38はこの磁束の変化をホール電圧Vhの変化として出力する。ホール電圧Vhが大きく変化すると、スイッチ56が切り替わり、揮発性メモリ60の電源端子を接地する。この結果、揮発性メモリ60内のデータは消去される。
【選択図】 図3
【解決手段】 筐体1の収納ケース2に収容された電子回路基板35上には、ホール素子38及びホール電圧検出部45が設けられており、カバー7内側のホール素子38と対向する位置には、磁石25が設けられている。カバー7が取り外されると、磁石25によるホール素子38を通過する磁束が変化する。ホール素子38はこの磁束の変化をホール電圧Vhの変化として出力する。ホール電圧Vhが大きく変化すると、スイッチ56が切り替わり、揮発性メモリ60の電源端子を接地する。この結果、揮発性メモリ60内のデータは消去される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、カバー及びこのカバーによって閉じられる収納部からなる筐体の内部を、カバーの不正な開放から保護する耐タンパ装置及び耐タンパ方法に関する。
機密性の高いデータを扱う装置では、この装置のカバーが第三者によって開けられた後、装置そのものが破壊されたり、あるいは内部に記憶されたデータが改ざんされるようなことを防ぐ必要がある。従来、このような行為を防止するために、機密性の高いデータを扱う装置において、機械的なスイッチや光学センサを設け、カバーが不正に開けられたことが検出されると、この検出信号によって内部にあるメモリのデータを破壊するという措置が講じられていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−175405号公報
しかしながら、上記従来の耐タンパ性を確保する方法では、スイッチが作動しないように筐体に孔を開けたり、あるいは光学センサが反応しないような暗い場所でカバーが開けられた場合には、検出信号が発せられず、内部のデータが改ざんされたり、コピーされるおそれかあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することが可能な耐タンパ装置及び耐タンパ方法を提供することを目的とする。
本発明の耐タンパ装置は、カバーとこのカバーによって閉じられる収納部とを有してなる筐体の内部を、前記カバーの不正な開放から保護する耐タンパ装置であって、前記カバーと前記収納部のいずれか一方に設けられた磁束発生手段と、前記カバーと前記収納部のいずれか他方の、前記磁束発生手段と対向する位置に設けられ、前記磁束発生手段によって発生する磁束の変化を検知する磁束検知手段と、前記磁束検知手段によって磁束の変化が検知された場合、前記筐体内部の所定の機能を変更する機能変更手段とを備えるものである。
これにより、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することができる。
これにより、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することができる。
また、本発明は、上記の耐タンパ装置であって、前記磁束検知手段は、前記磁束の変化が検知されたことを示す検出信号を生成する検出信号生成手段を備え、
前記機能変更手段は、前記生成された検出信号に従って、前記筐体内部に搭載されたメモリの内容を使用不能な状態に変更するメモリ制御手段を備えるものとする。
これにより、筐体内部に搭載されたメモリ内のデータが改ざんされたり、コピーされることを防ぐことができる。
前記機能変更手段は、前記生成された検出信号に従って、前記筐体内部に搭載されたメモリの内容を使用不能な状態に変更するメモリ制御手段を備えるものとする。
これにより、筐体内部に搭載されたメモリ内のデータが改ざんされたり、コピーされることを防ぐことができる。
また、本発明は、上記の耐タンパ装置であって、前記メモリ制御手段は、前記メモリに記憶されたデータを所定のデータに書き換えるものとする。
これにより、不揮発性メモリのデータについても、改ざんやコピーから守ることができる。
これにより、不揮発性メモリのデータについても、改ざんやコピーから守ることができる。
また、本発明は、上記の耐タンパ装置であって、所定の操作を受け付ける操作受付手段を備え、前記機能変更手段は、前記所定の操作を受け付けた場合、前記筐体内部の所定の機能を変更しないようにするものとする。
これにより、正当な者によるカバーの開放に際しては、機能が変更されないようにすることができる。
これにより、正当な者によるカバーの開放に際しては、機能が変更されないようにすることができる。
また、本発明は、上記の耐タンパ装置であって、前記磁束発生手段は磁石であり、前記磁束検知手段は、ホール素子からのホール電圧を検出するホール電圧検出回路を有し、前記ホール電圧の変化から前記磁束の変化を検出するものである。
これにより、比較的簡単な構成で耐タンパ装置を実現できる。
これにより、比較的簡単な構成で耐タンパ装置を実現できる。
また、本発明は、上記の耐タンパ装置であって、当該耐タンパ装置は非接触ICカードリーダライタに搭載され、前記機能変更手段は、前記磁束検知手段により磁束の変化が検知された場合、前記非接触ICカードリーダライタを初期状態に設定するものとする。
これにより、非接触ICカードリーダライタに蓄積される重要なデータが改ざんされたり、コピーされることを防ぐとともに、非接触ICカードリーダライタが加工されることを防ぐことができる。
これにより、非接触ICカードリーダライタに蓄積される重要なデータが改ざんされたり、コピーされることを防ぐとともに、非接触ICカードリーダライタが加工されることを防ぐことができる。
本発明の耐タンパ方法は、カバーとこのカバーによって閉じられる収納部とを有してなる筐体の内部を、前記カバーの不正な開放から保護する耐タンパ方法であって、前記カバーと前記収納部のいずれか一方に設けられた磁束発生手段によって発生する磁束の変化を、前記カバーと前記収納部のいずれか他方の、前記磁束発生手段と対向する位置に設けられた磁束検知手段によって検知する磁束検知ステップと、前記磁束検知ステップで磁束の変化が検知された場合、前記筐体内部の所定の機能を変更する機能変更ステップとを有するものである。
これにより、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することができる。
これにより、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することができる。
本発明によれば、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することが可能な耐タンパ装置及び耐タンパ方法を提供できる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、情報処理装置に搭載して耐タンパ性を確保するための耐タンパ装置の例を示す。図1は本発明の第1の実施形態に係る耐タンパ装置が搭載された情報処理装置の筐体を示す斜視図である。
第1の実施形態では、情報処理装置に搭載して耐タンパ性を確保するための耐タンパ装置の例を示す。図1は本発明の第1の実施形態に係る耐タンパ装置が搭載された情報処理装置の筐体を示す斜視図である。
情報処理装置の筐体1は、各種の電子回路基板等が取り付けられた収納ケース2、及びこの収納ケース2に対して回転軸5を中心に開閉自在なカバー7から構成される。筐体1の前面には、キー入力可能な操作パネル74が設けられている。また、カバー7を収納ケース2に閉じた際、カバー7はネジ10によって収納ケース2に固定される。
図2は図1の矢印A−A線方向から視た情報処理装置の筐体及びその内部の構成を示す断面図である。カバー7の内側には、断面が略L字形の固定部材21が立設している。この固定部材21の収納ケース側には、ベース23が取り付けられており、その頂部に磁束発生手段の一例に相当する磁石25が固着されている。一方、収納ケース2の底部には、スペーサ31を介して電子回路基板35が取り付けられている。電子回路基板35には、磁石25と対向するようにホール素子38が取り付けられており、磁石25によって発生する磁束は、ホール素子38を真上から通過するように分布する。また、電子回路基板35には、ホール素子38の他、耐タンパ装置を構成する各種の電子部品が取り付けられている。
図3は耐タンパ装置の電気的構成を示す図である。耐タンパ装置は、ホール素子38、電源部41、ホール電圧検出部45及びメモリ制御部48を有して構成される。この例では、ホール素子38と検出信号生成手段の一例に相当するホール電圧検出部45により磁束検知手段の機能が実現され、メモリ制御部48において機能変更手段及びメモリ制御手段の機能が実現される。電源部41は、ホール素子38に直列に接続された抵抗42及び直流電源43からなり、ホール素子38の動作に必要な電流I[A]を磁束B[Wb]の方向と直交する方向に供給する。磁束Bが加えられた状態で、ホール素子38に電流Iが流れると、電流I及び磁束Bと直交する方向にホール電圧Vh[V]が発生する。
ホール電圧検出部45は、ホール電圧Vhを増幅して出力電圧Vhaとして出力する電圧増幅器52、及びこの出力電圧Vhaと基準電圧Vref とを比較する比較器54を有する。電圧増幅器52の利得は、カバー7が正常な状態で収納ケースを閉じている場合、Vha>Vref となるように調整されている。そして、比較器54は2値信号を出力可能であり、出力電圧Vhaが基準電圧Vref より高いとき、Hレベルの信号を出力し、出力電圧Vhaが基準電圧Vref より低いとき、Lレベルの信号を出力する。メモリ制御部48はスイッチ56を有する。このスイッチ56の出力端子は、揮発性メモリ60の電源端子Vinに接続されており、スイッチ56のオン/オフ動作は、比較器54からの出力信号Vout によって制御される。比較器54の出力信号Vout がHレベルであるとき、揮発性メモリ60の電源端子Vinは電源電圧Vccに接続され、比較器54の出力信号Vout がLレベルであるとき、揮発性メモリ60の電源端子Vinは接地される。
また、電子回路基板35には、情報処理装置を司る制御部70が搭載されている。制御部70は、前述した揮発性メモリ60が接続されるバス71を介して、周知のCPU72、ROM73、操作パネル74、I/Oインタフェース75等が接続された構成を有する。I/Oインタフェース75には、キーボード、バーコードリーダ、タッチパネル等各種の入出力機器が接続可能である。CPU72は、ROM73に記憶された制御プログラムにしたがって入出力動作を含む各種処理を行う。操作パネル74は、操作受付手段の一例に相当するもので、テンキー及び表示部を有し、後述するようにカバー7を開く際に暗証番号を入力可能である。
上記構成を有する耐タンパ装置の動作を示す。図4は耐タンパ装置内の各部の信号の変化を示すタイミングチャートである。カバー7が収納ケース2に正常な状態で取り付けられている場合、ホール素子38の上面には、磁束Bが集中して加えられる(図2参照)。これによって、ホール素子38にはホール電圧Vh[V]が発生する。電圧増幅器52で増幅されたその出力電圧Vha[V]は、比較器54で基準電圧Vref [V]と比較される。Vha>Vref であるので、比較器54の出力信号Vout はHレベルに固定される(図4の区間a参照)。比較器54の出力信号Vout がHレベルのとき、揮発性メモリ60の電源端子Vinは電源電圧Vccに接続されるので、揮発性メモリ60はメモリ内容を保持する。
一方、第三者がカバー7を開けようとすると、磁石25はホール素子38から遠ざかる方向に移動するので、ホール素子38に加えられる磁束BはB−ΔB[Wb]となる。ホール電圧Vhは、磁束密度[T]によって変化するので、Vh−ΔVh[V]となり、比較器54には、電圧増幅器52の出力電圧VhaであるVha−ΔVha[V]が入力される。比較器54の出力信号Vout は、Vha−ΔVha[V]<Vref になると、Lレベル電圧に固定される(図4の区間b参照)。この出力信号Vout により、スイッチ56は接地側に切り替わり、揮発性メモリ60の電源端子Vinは接地される。電源端子Vinが接地されたことで、揮発性メモリ60に記憶されたデータは全て消去される。
このように、第1の実施形態の耐タンパ装置によれば、収納ケース2側にホール素子38及びホール電圧検出部45を設け、カバー7側のホール素子38と対向する位置に磁石25を設け、カバー7が取り外されると、ホール電圧検出部45がホール電圧Vhの変化を検出するので、第三者によってカバーが不正に取り外されたことを検出することができる。また、ホール電圧Vhが変化したとき、スイッチ56が切り替わり、揮発性メモリ60の電源端子を接地し、揮発性メモリ60内のデータを消去することで、耐タンパ性を確保することができる。
なお、CPU72は、比較器54の出力信号Vout をI/Oインタフェース75を介して入力し、Lレベル信号になったことを検知して、カバーが不正に開けられたことを操作パネル74の表示部に表示するようにしてもよい。これにより、カバー7が元通りに戻されても、カバーが不正に開けられたことを認識することができる。
また、上記実施形態では、揮発性メモリを使用したが、不揮発性メモリを使用しても同様に耐タンパ性を確保できる。不揮発性メモリは、電源がオフの状態においてもデータを保持するので、例えばリセット端子を有する不揮発性メモリの場合、比較器の出力信号がLレベルになったとき、メモリ制御部が不揮発性メモリのリセット端子にリセットパルスを発生するようにしてもよい。あるいは、比較器の出力信号がLレベルになると、制御部内のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行して不揮発性メモリに対してデータを書き換えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、カバーが不正に開けられた場合、ホール電圧検出部は、ホール電圧が大幅に低下することで比較器の出力信号を変化させたが、ホール電圧が僅かに上昇あるいは下降しても比較器の出力信号が変化するようにホール電圧検出部を構成してもよい。これにより、第三者が不正にカバーを加工しようとするときの磁石の僅かな動きを検出することができ、耐タンパ性を高めることができる。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態に係る耐タンパ装置の構成を示す図である。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の変形例である。第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第2の実施形態では、比較器54とスイッチ56との間には2入力OR回路81が接続されている。この2入力OR回路81の入力端子には、比較器54からの出力信号が入力されるとともに、I/Oインタフェース75からの出力信号が入力される。
図5は本発明の第2の実施形態に係る耐タンパ装置の構成を示す図である。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態の変形例である。第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第2の実施形態では、比較器54とスイッチ56との間には2入力OR回路81が接続されている。この2入力OR回路81の入力端子には、比較器54からの出力信号が入力されるとともに、I/Oインタフェース75からの出力信号が入力される。
図6は制御部70による2入力OR回路81への入力処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムはROM73に格納されており、CPU72によって所定周期毎に実行される。まず、操作パネル74から暗証番号が入力されたか否かを判別する(ステップS1)。暗証番号が入力されていない場合、そのまま本処理を終了する。一方、暗証番号が入力された場合、I/Oインタフェース75を介して2入力OR回路81にHレベル信号を出力するとともに、操作パネル74の表示部に、カバー7の開閉が可能である旨を表す解除表示を行う(ステップS2)。この後、再び操作パネル74から暗証番号が入力されるのを待つ(ステップS3)。暗証番号が入力されると、2入力OR回路81にLレベル信号を出力するとともに、操作パネル74の表示部に、カバー7の開閉が不能である旨を表すロック表示を行う(ステップS4)。この後、本処理を終了する。
このように、操作パネル74から暗証番号等の所定の入力操作が行われた場合、I/Oインタフェース75から2入力OR回路81にHレベルの信号が出力されるので、カバー7が外され、比較器54の出力信号がLレベルに下がったとしても、2入力OR回路81からの論理和信号はHレベルとなってスイッチ56に入力される。これにより、揮発性メモリ60の電源端子はHレベルとなり、メモリ内容は保持される。
第2の実施形態の耐タンパ装置によれば、暗証番号を知る正当な者がカバーを開ける場合、揮発性メモリのデータ消去を防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、プログラムによりカバー開閉の解除を制御していたが、筐体にキーによるロック解除機構が設けられている場合、キーによって2入力OR回路の一方の入力をHレベルに保持するようにしてもよい。図7は2入力OR回路近傍の構成を示す図である。2入力OR回路81の一方の入力端子は、I/Oインタフェース75に接続される代わりに、キーの挿入によりオンとなるキースイッチ90に接続されている。キーの挿入によって電源電圧側の接点90aと接地側の接点90bとが導電部材90cを介して導通し、2入力OR回路81の一方の入力端子はHレベルに変化する。これにより、前述した操作パネルからの暗証番号の入力操作と同様、カバー7が外され、比較器54の出力信号がLレベルに下がったとしても、2入力OR回路81からの論理和信号をHレベルに維持できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、非接触ICカードリーダライタに適用した耐タンパ装置の例を示す。図8は本発明の第3の実施形態に係る耐タンパ装置が適用された非接触ICカードリーダライタの構成を示す図である。
第3の実施形態では、非接触ICカードリーダライタに適用した耐タンパ装置の例を示す。図8は本発明の第3の実施形態に係る耐タンパ装置が適用された非接触ICカードリーダライタの構成を示す図である。
非接触ICカードリーダライタの筐体は、ループアンテナ104が露出している他、前記第1の実施形態の情報処理装置の筐体とほぼ同様である。また、非接触ICカードリーダライタの筐体内では、前記第1の実施形態と同様の配置で、磁石及びホール素子が対向している。第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第3の実施形態では、非接触ICカードと情報のやり取りをするリーダライタ(R/W)ユニット95が設けられている。
R/Wユニット95は、制御回路101、送信回路102、受信回路103及びループアンテナ104から構成される。制御回路101はCPU、メモリ等を有し、データの送受信制御、データの格納及びデータ処理を行う。送信回路102は制御回路101から出力されるデータでキャリア(搬送波)をAM変調し、所定の送信電力まで増幅する。ループアンテナ104は、送信回路102から出力されるキャリアを放射して非接触ICカード(図示せず)に電源電力を供給するとともに、コマンドのデータを送信し、またレスポンスのデータでAM変調されたキャリアを非接触ICカードから受信する。受信回路103は、ループアンテナ104で受信したキャリアからデータを検波し、検波されたデータを増幅し波形整形して制御回路101に出力する。
こうして、R/Wユニット95の制御回路101内のメモリには、非接触ICカードから読み取った顧客の個人データや、非接触ICカードリーダライタを使用したシステムの運用上、重要となるプログラムやデータ等の機密性の高いデータが一時的に記憶される。また、制御回路101は制御部70のバス71に接続されており、制御回路101内のメモリに記憶されたデータは、CPU72によって、所定のタイミングで読み込まれ、各種演算処理が行われた後、あるいはそのまま揮発性メモリ60に書き込まれる。
上記構成を有する非接触ICカードリーダライタでは、前記第1の実施形態と同様、カバー7が第三者によって不正に取り外されると、ホール電圧Vh[V]が低下し、ホール電圧検出部45に内蔵された比較器54の出力信号がHレベルからLレベルに切り替わる。この出力信号の変化によって、メモリ制御部48内のスイッチ56が接地側に切り替わり、揮発性メモリ60の電源端子は接地される。揮発性メモリ60内のデータは、電源端子が接地されたことにより消去される。また、比較器54の出力信号はR/Wユニット95のリセット端子にも入力されており、比較器54の出力端子がHレベルからLレベルに変化すると、R/Wユニット95の設定は初期状態に戻る。例えば、制御回路101はリセット動作を行い、プログラムの変数を初期値に戻すとともに、メモリ内のデータを消去する。
このように第3の実施形態によれば、悪意のある第三者によって、非接触ICカードリーダライタ内のメモリに記憶されたデータが不正にコピーされたり、改ざんされるおそれを回避できる。また、非接触ICカードと情報のやり取りをするリーダライタ(R/W)ユニットが加工され、非接触ICカードリーダライタが不正に使用されるおそれを回避できる。
なお、非接触ICカードリーダライタが不揮発性メモリを有する場合でも、前記第1の実施形態で説明した通り、メモリ制御部48から不揮発性メモリにリセットパルスを出力したり、不揮発性メモリのデータを書き換えるプログラムを実行させることにより、同様の措置を取ることができる。
また、前記第2の実施形態と同様、スイッチ56及びR/Wユニット95の接続点と比較器54の出力端子との間に、2入力OR回路を設け、操作パネルからの暗証番号の入力やキースイッチにおけるキーの挿入が行われた後、カバー7が外された場合、比較器54の出力信号がLレベルに下がったとしても、2入力OR回路81からの論理和信号をHレベルに維持するようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られるものではなく、種々の変形例に適用可能である。
例えば、上記各実施形態では、メモリ内のデータの消去、書き換え等を行っていたが、この他、警報等を発するようにしてもよい。また、上記各実施形態では、磁石として永久磁石を用いた場合を示したが、電磁石を用いてもよいことは勿論である。また、磁束の変化を検知するものとして、ホール素子を用いたが、これに限らず、磁歪素子、磁気抵抗素子(MRセンサ)等を用いてもよい。
また、データの消去、書き換えが行われる記憶媒体としては、揮発性メモリや不揮発性メモリである半導体メモリに限らず、磁気テープ、ハードディスク、光磁気ディスク、書き換え可能なDVDなどであってもよいことは勿論である。
本発明は、第三者によってカバーが不正に開けられた際、筐体内部のデータがコピーされたり、改ざんされることを確実に防止することが可能となる効果を有し、カバー及びこのカバーによって閉じられる収納部からなる筐体の内部を、カバーの不正な開放から保護する耐タンパ装置及び耐タンパ方法等に有用である。
1 筐体
2 収納ケース
7 カバー
25 磁石
38 ホール素子
45 ホール電圧検出部
48 メモリ制御部
54 比較器
56 スイッチ
60 揮発性メモリ
70 制御部
72 CPU
73 ROM
74 操作パネル
81 OR回路
95 リーダライタ(R/W)ユニット
2 収納ケース
7 カバー
25 磁石
38 ホール素子
45 ホール電圧検出部
48 メモリ制御部
54 比較器
56 スイッチ
60 揮発性メモリ
70 制御部
72 CPU
73 ROM
74 操作パネル
81 OR回路
95 リーダライタ(R/W)ユニット
Claims (7)
- カバーとこのカバーによって閉じられる収納部とを有してなる筐体の内部を、前記カバーの不正な開放から保護する耐タンパ装置であって、
前記カバーと前記収納部のいずれか一方に設けられた磁束発生手段と、
前記カバーと前記収納部のいずれか他方の、前記磁束発生手段と対向する位置に設けられ、前記磁束発生手段によって発生する磁束の変化を検知する磁束検知手段と、
前記磁束検知手段によって磁束の変化が検知された場合、前記筐体内部の所定の機能を変更する機能変更手段と
を備える耐タンパ装置。 - 請求項1記載の耐タンパ装置であって、
前記磁束検知手段は、前記磁束の変化が検知されたことを示す検出信号を生成する検出信号生成手段を備え、
前記機能変更手段は、前記生成された検出信号に従って、前記筐体内部に搭載されたメモリの内容を使用不能な状態に変更するメモリ制御手段を備える耐タンパ装置。 - 請求項2記載の耐タンパ装置であって、
前記メモリ制御手段は、前記メモリに記憶されたデータを所定のデータに書き換える耐タンパ装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の耐タンパ装置であって、
所定の操作を受け付ける操作受付手段を備え、
前記機能変更手段は、前記所定の操作を受け付けた場合、前記筐体内部の所定の機能を変更しないようにする耐タンパ装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の耐タンパ装置であって、
前記磁束発生手段は磁石であり、前記磁束検知手段は、ホール素子からのホール電圧を検出するホール電圧検出回路を有し、前記ホール電圧の変化から前記磁束の変化を検出するものである耐タンパ装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の耐タンパ装置であって、
当該耐タンパ装置は非接触ICカードリーダライタに搭載され、前記機能変更手段は、前記磁束検知手段により磁束の変化が検知された場合、前記非接触ICカードリーダライタを初期状態に設定する耐タンパ装置。 - カバーとこのカバーによって閉じられる収納部とを有してなる筐体の内部を、前記カバーの不正な開放から保護する耐タンパ方法であって、
前記カバーと前記収納部のいずれか一方に設けられた磁束発生手段によって発生する磁束の変化を、前記カバーと前記収納部のいずれか他方の、前記磁束発生手段と対向する位置に設けられた磁束検知手段によって検知する磁束検知ステップと、
前記磁束検知ステップで磁束の変化が検知された場合、前記筐体内部の所定の機能を変更する機能変更ステップとを有する耐タンパ方法。
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