JP2006227451A - ズームレンズ - Google Patents

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Yohei Nagai
洋平 永井
Yasuhiko Abe
泰彦 阿部
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Abstract

【課題】デジタルカメラに適した小型、薄型で光学性能の高いズームレンズを提供する。
【解決手段】負の屈折力をもつ第1レンズ群を像面側へ移動させ途中で物体側へ反転して移動させると共に、正の屈折力をもつ第2レンズ群を物体側へ移動させて広角端から望遠端への変倍を行うズームレンズにおいて、第1レンズ群又は第2レンズ群は、少なくとも一つのプラスチックレンズを含み、光軸上における第1レンズ群の厚みDG1、光軸上における第2レンズ群の厚みDG2、広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離fw、第1レンズ群の焦点距離fG1、第2レンズ群の焦点距離fG2が、条件式(1)0.90≦(DG1+DG2)/fw≦2.30、(2)0.5≦|fG1|/fG2≦1.6、を満足するように形成されている。これにより、諸収差が良好に補正されつつ、小型化、薄型化、低コスト化、及び軽量化を達成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、CCD等の固体撮像素子を備えたデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等に適用されるズームレンズに関し、特に、3倍程度の変倍比を有し、高性能かつ小型で薄型のズームレンズに関する。
近年、デジタルカメラの普及に伴い、これに適用されるズームレンズの高性能化、低コスト化、小型化、沈胴時の薄型化が要求されている。特に、携帯時(沈胴時)の薄型化は強く望まれている。
小型、薄型のズームレンズとしては、例えば、第1レンズ群と第2レンズ群とを備え、これら第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を変化させることにより変倍を行う2群ズームレンズが挙げられる。従来の2群ズームレンズとしては、35mm版の銀塩フィルム式カメラ等に適用するべく、第1レンズ群が正の屈折力及び第2レンズ群が負の屈折力をもつように構成されたもの(テレフォトタイプ)が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、このテレフォトタイプのズームレンズを、表面にマイクロレンズが設けられたCCD等の固体撮像素子に適用すると、広角端での射出角度が大き過ぎてシェーディング現象(いわゆるケラレ現象)が発生する。そのため、CCD等の固体撮像素子を用いたデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等には好ましくない。
そこで、これらを考慮したズームレンズとして、3枚のレンズからなる第1レンズ群及び4枚のレンズからなる第2レンズ群を備え、第1レンズ群が負の屈折力及び第2レンズ群が正の屈折力をもつように構成された2群ズームレンズが知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
しかしながら、このズームレンズでは、射出角度を小さく抑えることは可能であるものの、レンズが7枚必要であり、十分な小型化、薄型化、低コスト化が困難である。
特開平9−166749号公報 特開平9−211325号公報 特開平8−254653号公報 特開平10−253882号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、3倍程度の変倍比を有し、高性能、小型、低コストを満足すると共に、沈胴時に十分な薄型化を達成でき、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等に用いるのに好適なズームレンズを提供することにある。
本発明に係るズームレンズは、物体側から像面側に向けて順に、全体として負の屈折力をもつ第1レンズ群と、全体として正の屈折力をもつ第2レンズ群とを備え、第1レンズ群を像面側へ移動させ途中で物体側へ反転して移動させると共に第2レンズ群を物体側へ移動させて広角端から望遠端への変倍を行うズームレンズであって、上記第1レンズ群又は第2レンズ群は、少なくとも一つのプラスチックレンズを含み、光軸上における第1レンズ群の厚みをDG1、光軸上における第2レンズ群の厚みをDG2、広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離をfw、第1レンズ群の焦点距離をfG1、第2レンズ群の焦点距離をfG2とするとき、下記条件式(1),(2)
(1)0.90≦(DG1+DG2)/fw≦2.30
(2)0.5≦|fG1|/fG2≦1.6
を満足する、ことを特徴としている。
この構成によれば、第1レンズ群に負の屈折力、第2レンズ群に正の屈折力をもたせることにより、広角端における最外角光線の射出角度を小さく抑えることができて、固体撮像素子に適したズームレンズとなる。また、第2レンズ群を移動させて変倍を行うと同時に第1レンズ群を移動させて補正及び合焦を行うことで、3倍程度の変倍比を得ることができと共に高解像度を得ることができる。さらに、条件式(1),(2)を満足することにより、第1レンズ群及び第2レンズ群のパワー配置が適切に設定されて、諸収差が良好に補正されつつ、小型化、薄型化が可能となり、又、少なくとも一つのプラスチックレンズを含むことにより低コスト化及び軽量化を達成できる。
上記構成において、第2レンズ群は、正の屈折力をもつ正レンズと負の屈折力をもつ負レンズを接合した接合レンズを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、接合レンズを採用することで、高解像化に影響を及ぼす色収差を良好に補正できると共に、組付け時の偏芯感度を小さくして、高精度に組付けることができる。
上記構成において、接合レンズは、正の屈折力をもつメニスカス形状の正レンズと負の屈折力をもつメニスカス形状の負レンズにより形成され、接合レンズの正レンズのアッベ数をνs、接合レンズの負レンズのアッベ数をνfとするとき、下記条件式(3)
(3)│νs−νf│≧10
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、メニスカス形状をなす正レンズ及びメニスカス形状をなす負レンズにより接合レンズを形成することで、接合面を物体側に凸に形成でき、それ故にコマ収差を良好に補正することができる。また、条件式(3)を満足することにより、高解像化に影響を及ぼす色収差を良好に補正することができる。
上記構成において、第1レンズ群及び第2レンズ群は、それぞれ少なくとも一面が非球面に形成された非球面レンズを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、開口絞りの近くでは球面収差等の軸上収差が発生し易く、開口絞りから離れた位置では非点収差、歪曲収差等の軸外収差が発生し易くなるが、各レンズ群に少なくとも一面が非球面に形成された非球面レンズを含めることで、レンズ枚数を増加させることなくこれらの諸収差を良好に補正することができる。
上記構成において、非球面レンズのうち少なくとも一つの非球面レンズは、プラスチック材料により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、非球面を形成するコストを低減でき、又、ズームレンズ全体の軽量化も達成できる。
上記構成において、第1レンズ群は、負の屈折力をもつ負レンズを含み、第2レンズ群は、正の屈折力をもつ正レンズを含み、これらの負レンズ及び正レンズは、それぞれ非球面をもつように形成され、非球面は、レンズの周辺部に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、レンズの構成枚数を抑えつつ、球面収差等の軸上収差、非点収差、歪曲収差等の軸外収差を良好に補正することができ、近年の高密度固体撮像素子に適した薄型で光学性能の高いズームレンズを得ることができる。
上記構成において、第2レンズ群は、一体的に移動する開口絞りを含み、開口絞りは、第2レンズ群の最も物体側寄りに配置されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、第2レンズ群の前面に開口絞りを配置することにより、広角端において射出瞳が像面に近づくのを防ぐことができる。また、開口絞りを第2レンズ群と一体的に移動させることで、広角端から望遠端までの第2レンズ群における光路差を小さくでき、第2レンズ群の小型化、沈胴時の薄型化が可能となる。
上記構成において、第1レンズ群は、物体側から像面側に向けて順に配列された、物体側に凸面を向けた負の屈折力をもつメニスカス形状の第1レンズ、及び物体側に凸面を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状の第2レンズを含み、第1レンズと第2レンズとの光軸上における空気間隔をD2、広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離をfw、第1レンズ群の焦点距離をfG1とするとき、下記条件式(4),(5)
(4)0.10≦D2/fw≦0.35
(5)1.5≦|fG1|/fw≦2.5
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1レンズ群の厚みについて条件式(4)のように規定することにより、十分な薄型化を達成できると共に、諸収差、特に、コマ収差を良好に補正することができる。また、第1レンズ群のパワーを条件式(5)のように規定することにより、所望の変倍比を確保しつつ、諸収差を良好に補正することができる。
上記構成において、第2レンズ群は、物体側から像面側に向けて順に配列された、光量を調整する開口絞り、正の屈折力をもつ第3レンズ、正の屈折力をもつ第4レンズ、第4レンズに接合され負の屈折力をもつ第5レンズ、及び正の屈折力をもつ第6レンズを含み、第2レンズ群の焦点距離をfG2、広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離をfwとするとき、条件式(6)
(6)1.2≦fG2/fw≦3.5
を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、第2レンズ群のパワーを条件式(6)のように規定することにより、所望の変倍比を確保しつつ、諸収差を良好に補正することができる。
上記構成の本発明によれば、3倍程度の変倍比を有し、小型化、沈胴時の薄型化、低コスト化等が達成された光学性能の高いズームレンズが得られ、特にデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等に好適なズームレンズが得られる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、本発明に係るズームレンズの一実施形態を示すものであり、図1は基本構成図、図2は広角端、中間位置、望遠端にある状態図である。
このズームレンズにおいては、図1に示すように、物体側から像面側に向けて、全体として負の屈折力をもつ第1レンズ群(I)と、全体として正の屈折力をもつ第2レンズ群(II)とが、順次に配列されている。このように、第1レンズ群(I)に負の屈折力、第2レンズ群(II)に正の屈折力をもたせることにより、広角端における最外角光線の射出角度を小さく抑えることができ、マイクロレンズを備えた固体撮像素子に適したズームレンズが得られる。
そして、広角端から望遠端への変倍(ズーミング)に際しては、図2(a),(b),(c)に示すように、第1レンズ群(I)を像面側へ移動させて途中で物体側へ反転して移動させると共に、第2レンズ群(II)を物体側へ単調に移動させる。すなわち、各レンズ群(I),(II)の相対的な間隔を変化させることで、3倍程度の変倍比を確保すると共に、第2レンズ群(II)の移動により変倍を行うと同時に第1レンズ群(I)の移動により変倍に伴う補正及び合焦点(フォーカシング)を行って高解像度を得ている。
第1レンズ群(I)は、図1に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、第1レンズ1及び第2レンズ2により形成されている。
第2レンズ群(II)は、図1に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、第3レンズ3、第4レンズ4、第4レンズ4に接合された第5レンズ5、第6レンズ6により形成されている。すなわち、第4レンズ4と第5レンズ5により、接合レンズが形成されている。
尚、第2レンズ群(II)には、第3レンズ3の前面側(物体側の面)すなわち最も物体側寄りにおいて、所定の口径を規定して光量を調整する開口絞りSDが配置されて、第2レンズ群(II)と一体的に移動するようになっている。
そして、第2レンズ群(II)の第6レンズ6よりも像面側寄りには、赤外線カットフィルタ、ローパスフィルタ、CCDのカバーガラス等のガラスフィルタ7,8が配置され、その後方にCCD等の結像面Pが配置されている。
ここで、第1レンズ群(I)の焦点距離はfG1、第2レンズ群(II)の焦点距離はfG2、広角端におけるレンズ系(第1レンズ群(I)の前面(第1レンズ1の前面)から像面Pまで)の焦点距離はfw、光軸上における第1レンズ群(I)の厚みはDG1、光軸上における第2レンズ群(II)の厚みはDG2で表す。
また、第2レンズ群(II)の接合レンズにおいて、正の屈折力をもつ正レンズ(ここでは第4レンズ4)のアッベ数をνs、負の屈折力をもつ負レンズ(ここでは第5レンズ5)のアッベ数をνfで表す。
また、第1レンズ1〜第6レンズ6、及びガラスフィルタ7,8においては、図1に示すように、面をSi(i=1〜16)、それぞれの面Siの曲率半径をRi(i=1〜16)、d線に対する屈折率をNi及びアッベ数をνi(i=1〜8)で表す。
さらに、第1レンズ1からガラスフィルタ8までのそれぞれの光軸L上における間隔(厚さ、空気間隔)は、Di(i=1〜15)で表し、ガラスフィルタ8から像面Pまでの間隔はBFで表す。
したがって、第1レンズ群(I)の光軸上の厚みDG1は、DG1=D1+D2+D3、第2レンズ群(II)の光軸上の厚みDG2は、DG2=D6+D7+D8+D9+D10+D11、となり、接合レンズのアッベ数は、νs=ν4、νf=ν5となる。
第1レンズ1は、物体側に凸面S1及び像面側に凹面S2を向けた負の屈折力をもつメニスカス形状の負レンズである。
第2レンズ2は、物体側に凸面S3及び像面側に凹面S4を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状の正レンズである。
第3レンズ3は、物体側に凸面S6及び像面側に凹面S7を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状の正レンズである。
第4レンズ4は、物体側に凸面S8及び像面側に凹面S9を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状の正レンズである。
第5レンズ5は、物体側に凸面S9及び像面側に凹面S10を向けた負の屈折力をもつメニスカス形状の負レンズである。
第6レンズ6は、物体側に凸面S11及び像面側に凸面S12を向けた正の屈折力をもつ両凸形状の正レンズである。
そして、これら第1レンズ1〜第6レンズ6のうち、少なくとも一つのレンズは(プラスチック材料により形成された)プラスチックレンズであり、その他のレンズは(ガラス材料により形成された)ガラスレンズである。このように、プラスチックレンズを採用することにより、低コスト化及び軽量化を達成できる。
また、メニスカス形状をなす正レンズとしての第4レンズ4とメニスカス形状をなす負レンズとしての第5レンズ5により接合レンズを形成することで、接合面を物体側に凸に形成でき、それ故にコマ収差を良好に補正することができる。
上記構成のズームレンズにおいては、図2に示すように、物体から発せられた光線(被写体光)は、負の屈折力をもつ第1レンズ1を通過するときにその前面S1(凸面)により収斂する方向に及び後面S2(凹面)により発散する方向に屈折し、正の屈折力をもつ第2レンズ2を通過するときにその前面S3(凸面)により収斂する方向及び後面S4(凹面)により発散する方向に屈折して、第1レンズ群(I)の全体では発散する方向に屈折し、正の屈折力をもつ第3レンズ3を通過するときにその前面S6(凸面)及び後面S7(凸面)により収斂する方向に屈折し、正の屈折力をもつ第4レンズ4及び負の屈折力をもつ第5レンズ5からなる接合レンズを通過するときにその前面S8(凸面)により収斂する方向及び後面S10(凹面)により発散する方向に屈折し、正の屈折力を有する第6レンズ6を通過するときにその前面S11(凸面)及び後面S12(凸面)により収斂する方向に屈折して、第2レンズ群(II)の全体では収斂する方向に屈折したのち、ガラスフィルタ7,8を通過してCCDの像面Pに到達する。
ここで、開口絞りSDは、第2レンズ群(II)において、最も物体側寄りに位置する第3レンズ3の前面S6の位置に配置されると共に、第2レンズ群(II)と一体的に移動する。これにより、広角端において射出瞳位置が像面Pに近づくのを防ぐことができる。また、開口絞りSDを第2レンズ群(II)と一緒に動かすことで広角端から望遠端までの第2レンズ群(II)における光路差を小さくでき、第2レンズ群(II)の小型化、沈胴時の薄型化が可能となる。
ここで、第1レンズ群(I)及び第2レンズ群(II)には、それぞれ少なくとも一面が非球面に形成された非球面レンズが含まれるのが好ましい。一般に、開口絞りSDの近くでは球面収差等の軸上収差が発生し易く、開口絞りSDから離れた位置では非点収差、歪曲収差等の軸外収差が発生し易くなる。これらの収差を球面レンズで補正しようとすると、レンズの構成枚数が増加して本来の目的に沿わない。
そこで、各レンズ群(I),(II)に少なくとも一面が非球面に形成された非球面レンズを含めることで、レンズ枚数を増加させることなくこれらの諸収差を良好に補正することができる。
特に、第1レンズ群(I)の最も物体側にある負の屈折力をもつ第1レンズ1の物体側の面S1又は像面側の面S2と、第2レンズ群(II)の開口絞りSDの近くにある正の屈折力をもつ第3レンズ3の物体側の面S6又は像面側の面S7とを非球面とし、又、この非球面をレンズの周辺部に向うに連れて屈折力が弱くなる形状にすることにより、レンズの構成枚数を抑えつつ、非点収差、歪曲収差等の軸外収差、球面収差等の軸上収差を良好に補正することができる。
また、非球面を形成するレンズ(非球面レンズ)は、プラスチック材料により形成することで、非球面を形成するコストを低減でき、又、ズームレンズ全体の軽量化も達成することができる。
ここで、非球面を表す式としては、次式で規定される。
Z=Cy/〔1+(1−εC1/2〕+Dy+Ey+Fy+Gy10+Hy12
、但し、Z:非球面の頂点における接平面から、光軸Lからの高さがyの非球面上の点までの距離、y:光軸からの高さ、C:非球面の頂点における曲率(1/R)、ε:円錐定数、D,E,F,G,H:非球面係数である。
また、上記構成においては、光軸L上における第1レンズ群(I)の厚みDG1、光軸L上における第2レンズ群(II)の厚みDG2、広角端におけるレンズ系(第1レンズ1の前面S1から像面Pまで)の焦点距離fw、第1レンズ群(I)の焦点距離fG1、及び第2レンズ群(II)の焦点距離fG2が、次の条件式(1),(2)
(1)0.90≦(DG1+DG2)/fw≦2.30
(2)0.5≦|fG1|/fG2≦1.6
を満足するように形成されている。
条件式(1)は、第1レンズ群(I)及び第2レンズ群(II)の厚みと広角端での焦点距離との関係を規定し、条件式(2)は第1レンズ群(I)の焦点距離と第2レンズ群(II)の焦点距離の関係を規定したものであり、全体として各レンズ群のパワーを適切に配置するための適切な範囲を規定したものである。
仮に、条件式(1),(2)を満たさないと、レンズ系の薄型化が困難になり、又、3倍程度の変倍比の確保が困難になり、諸収差も良好に補正することが困難になる。したがって、条件式(1),(2)を満たすことにより、第1レンズ群(I)及び第2レンズ群(II)のパワー配置が適切に設定されて、3倍程度の変倍を確保しつつ、レンズ系の小型化、薄型化を達成でき、諸収差を良好に補正して光学性能の高いズームレンズを得ることができる。
また、上記構成においては、第2レンズ群(II)に含まれる接合レンズ、すなわち、正の屈折力をもつメニスカス形状の第4レンズ4と負の屈折力をもつメニスカス形状の第5レンズ5において、第4レンズ4のアッベ数νs(ここではν4)、第5レンズ5のアッベ数νf(ここではν5)が、好ましくは、次の条件式(3)
(3)│νs−νf│≧10
を満足するように形成される。
条件式(3)は、接合レンズを形成する各レンズのアッベ数を規定したものであり、条件式(3)を満たすことにより、高解像化に影響を及ぼす色収差を良好に補正することができる。
また、上記構成においては、第1レンズ群(I)を形成する第1レンズ1と第2レンズ2との光軸L上における空気間隔D2、広角端におけるレンズ系の焦点距離fw、第1レンズ群(I)の焦点距離fG1が、好ましくは、次の条件式(4),(5)
(4)0.10≦D2/fw≦0.35
(5)1.5≦|fG1|/fw≦2.5
を満足するように形成される。
条件式(4)は、第1レンズ群(I)に関して、レンズ同士の間隔と広角端での焦点距離との関係を規定したものである。仮に、条件式(4)を満たさないと、レンズ系全長の短縮化が十分ではなく、又、諸収差特にコマ収差を良好に補正するのが困難になる。したがって、条件式(4)を満たすことにより、レンズ系をさらに薄型化及び小型化でき、コマ収差等を良好に補正してより優れた光学性能を得ることができる。
条件式(5)は、第1レンズ群(I)の焦点距離と広角端でのレンズ系の焦点距離との関係、すなわち、第1レンズ群(I)のパワーを規定したものである。仮に、条件式(5)を満たさないと、所望の変倍比を確保するのが困難になり、諸収差を良好に補正するのが困難になる。したがって、条件式(5)を満たすことにより、所望の変倍比を確実に確保できると共に、諸収差を良好に補正して優れた光学性能を得ることができる。
さらに、上記構成においては、第2レンズ群(II)の焦点距離fG2、広角端におけるレンズ系の焦点距離fwが、好ましくは、次の条件式(6)
(6)1.2≦fG2/fw≦3.5
を満足するように形成される。
条件式(6)は、第2レンズ群(II)の焦点距離と広角端でのレンズ系の焦点距離との関係、すなわち、第2レンズ群(II)のパワーを規定したものである。仮に、条件式(6)を満たさないと、所望の変倍比を確保するのが困難になり、諸収差を良好に補正するのが困難になる。したがって、条件式(6)を満たすことにより、所望の変倍比を確実に確保できると共に、諸収差を良好に補正して優れた光学性能を得ることができる。
次に、図1及び図2に示した構成からなるズームレンズの具体的な数値による実施例を実施例1、実施例2として以下に示す。
実施例1では、第1レンズ1の像面側の凹面S2と第3レンズ3の物体側の凸面S6及び像面側の凹面S7が非球面に形成され、第3レンズ3が、プラスチックレンズとして形成されている。
実施例2では、第1レンズ1の像面側の凹面S2と第3レンズ3の物体側の凸面S6及び像面側の凹面S7が非球面に形成され、第3レンズ3及び第6レンズ6が、プラスチックレンズとして形成されている。
実施例1における主な仕様諸元は表1に、種々の数値データ(設定値)は表2に、非球面に関する数値データは表3に、広角端,中間位置,望遠端におけるそれぞれのレンズ系の焦点距離(広角端fw、中間位置fm、望遠端ft)、及び光軸L上の間隔D4,D12に関する数値データは表4に示される。この実施例において、条件式(1)ないし(6)の数値データは、
(1)(DG1+DG2)/fw=1.449
(2)|fG1|/fG2=1.239
(3)νs−νf=33.040
(4)D2/fw=0.231
(5)|fG1|/fw=1.940
(6)fG2/fw=1.565
となる。尚、表1における空気換算のバックフォーカスは、第6レンズ6の後面S12から像面Pまでの距離である。
また、広角端、中間位置、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差に関する収差線図は、図3、図4、図5に示されるような結果となる。尚、図3ないし図5において、FはF線による収差、dはd線による収差、CはC線による収差をそれぞれ示し、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
Figure 2006227451
Figure 2006227451
Figure 2006227451
Figure 2006227451
以上の実施例1では、広角端〜中間〜望遠端のそれぞれの位置において、レンズ全長(第1レンズ1〜第6レンズ6まで)が、23.48mm〜14.29mm〜10.55mm、レンズ系全長(第1レンズ1〜像面Pまでの空気換算距離)が34.90mm〜30.29mm〜31.96mm、変倍比が2.91、Fナンバーが3.37〜4.38〜5.59、画角(2ω)が63.18°〜36.34°〜23.84°、最外角光線の射出角度が13.5°〜11.4°〜8.9°となり、3倍程度の変倍比を確保できると共に、小型、薄型で、光学性能の高いズームレンズが得られる。
実施例2における主な仕様諸元は表5に、種々の数値データ(設定値)は表6に、非球面に関する数値データは表7に、広角端,中間位置,望遠端におけるそれぞれのレンズ系の焦点距離(広角端fw、中間位置fm、望遠端ft)、及び光軸L上の間隔D4,D12に関する数値データは表8に示される。この実施例において、条件式(1)ないし(6)の数値データは、
(1)(DG1+DG2)/fw=1.447
(2)|fG1|/fG2=1.240
(3)νs−νf=36.800
(4)D2/fw=0.231
(5)|fG1|/fw=1.914
(6)fG2/fw=1.543
となる。尚、表1における空気換算のバックフォーカスは、第6レンズ6の後面S12から像面Pまでの距離である。
また、広角端、中間位置、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差に関する収差線図は、図6、図7、図8に示されるような結果となる。尚、図6ないし図8において、FはF線による収差、dはd線による収差、CはC線による収差をそれぞれ示し、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
Figure 2006227451
Figure 2006227451
Figure 2006227451
Figure 2006227451
以上の実施例2では、広角端〜中間〜望遠端のそれぞれの位置において、レンズ全長(第1レンズ1〜第6レンズ6まで)が、29.03mm〜14.31mm〜10.34mm、レンズ系全長(第1レンズ1〜像面Pまでの空気換算距離)が34.34mm〜30.16mm〜32.32mm、変倍比が3.04、Fナンバーが3.34〜4.34〜5.71、画角(2ω)が63.1°〜36.42°〜22.84°、最外角光線の射出角度が13.8°〜11.5°〜8.7°となり、3倍程度の変倍比を確保できると共に、小型、薄型で、光学性能の高いズームレンズが得られる。
以上述べたように、本発明のズームレンズは、小型化、薄型化、軽量化、低コスト化等が達成されるため、小型化が要求されるデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等に好適であるのは勿論のこと、ズーミング撮影を行うその他のレンズ光学系においても有用である。
本発明に係るズームレンズの一実施形態を示す基本構成図である。 図1に示すズームレンズの状態図を示すものであり、(a)は広角端にある状態図、(b)は中間位置にある状態図、(c)は望遠端にある状態図である。 実施例1に係るズームレンズにおいて、広角端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例1に係るズームレンズにおいて、中間位置における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例1に係るズームレンズにおいて、望遠端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例2に係るズームレンズにおいて、広角端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例2に係るズームレンズにおいて、中間位置における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例2に係るズームレンズにおいて、望遠端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。
符号の説明
I 第1レンズ群
II 第2レンズ群
1 第1レンズ(第1レンズ群、負レンズ)
2 第2レンズ(第1レンズ群、正レンズ)
3 第3レンズ(第2レンズ群、正レンズ)
4 第4レンズ(第2レンズ群、正レンズ、接合レンズ)
5 第5レンズ(第2レンズ群、負レンズ、接合レンズ)
6 第6レンズ(第2レンズ群)
7,8 ガラスフィルタ
SD 開口絞り
L 光軸
D1〜D15 光軸上の間隔
R1〜R16 曲率半径
S1〜S16 面
DG1 光軸上の第1レンズ群の厚み
DG2 光軸上の第2レンズ群の厚み
fw 広角端におけるレンズ系の焦点距離
fG1 第1レンズ群の焦点距離
fG2 第2レンズ群の焦点距離

Claims (9)

  1. 物体側から像面側に向けて順に、全体として負の屈折力をもつ第1レンズ群と、全体として正の屈折力をもつ第2レンズ群とを備え、前記第1レンズ群を像面側へ移動させ途中で物体側へ反転して移動させると共に前記第2レンズ群を物体側へ移動させて広角端から望遠端への変倍を行うズームレンズであって、
    前記第1レンズ群又は第2レンズ群は、少なくとも一つのプラスチックレンズを含み、
    次の条件式(1),(2)を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1)0.90≦(DG1+DG2)/fw≦2.30
    (2)0.5≦|fG1|/fG2≦1.6
    但し、DG1:光軸上における第1レンズ群の厚み
    DG2:光軸上における第2レンズ群の厚み
    fw:広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離
    fG1:第1レンズ群の焦点距離
    fG2:第2レンズ群の焦点距離
  2. 前記第2レンズ群は、正の屈折力をもつ正レンズと負の屈折力をもつ負レンズを接合した接合レンズを含む、
    ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  3. 前記接合レンズは、正の屈折力をもつメニスカス形状の正レンズと負の屈折力をもつメニスカス形状の負レンズにより形成され、
    次の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項2記載のズームレンズ。
    (3)│νs−νf│≧10
    但し、νs:接合レンズの正レンズのアッベ数
    νf:接合レンズの負レンズのアッベ数
  4. 前記第1レンズ群及び第2レンズ群は、それぞれ少なくとも一面が非球面に形成された非球面レンズを含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のズームレンズ。
  5. 前記非球面レンズのうち少なくとも一つの非球面レンズは、プラスチック材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項4記載のズームレンズ。
  6. 前記第1レンズ群は、負の屈折力をもつ負レンズを含み、
    前記第2レンズ群は、正の屈折力をもつ正レンズを含み、
    前記負レンズ及び正レンズは、それぞれ非球面をもつように形成され、
    前記非球面は、レンズの周辺部に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のズームレンズ。
  7. 前記第2レンズ群は、一体的に移動する開口絞りを含み、
    前記開口絞りは、前記第2レンズ群の最も物体側寄りに配置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のズームレンズ。
  8. 前記第1レンズ群は、物体側から像面側に向けて順に配列された、物体側に凸面を向けた負の屈折力をもつメニスカス形状の第1レンズ、及び物体側に凸面を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状の第2レンズを含み、次の条件式(4),(5)を満足することを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載のズームレンズ。
    (4)0.10≦D2/fw≦0.35
    (5)1.5≦|fG1|/fw≦2.5
    但し、D2:第1レンズと第2レンズとの光軸上における空気間隔
    fw:広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離
    fG1:第1レンズ群の焦点距離
  9. 前記第2レンズ群は、物体側から像面側に向けて順に配列された、光量を調整する開口絞り、正の屈折力をもつ第3レンズ、正の屈折力をもつ第4レンズ、前記第4レンズに接合され負の屈折力をもつ第5レンズ、及び正の屈折力をもつ第6レンズを含み、
    次の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
    (6)1.2≦fG2/fw≦3.5
    但し、fG2:第2レンズ群の焦点距離
    fw:広角端における第1レンズ群から像面までのレンズ系の焦点距離

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008129608A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Lg Innotek Co Ltd ズームレンズ
JP2009204699A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Tamron Co Ltd ズームレンズ
US9122041B2 (en) 2011-09-02 2015-09-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Zoom lens and photographing apparatus including the same

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