JP2006227163A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 文字画像のボケや色滲みが軽減され、露光装置を設置後の環境影響による文字画像の輪郭の滲みの発生が抑制された画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 反射支持体を有し、かつ少なくとも1つの画像形成層(ハロゲン化銀感光層)の平均階調が3.7〜5.0であるハロゲン化銀感光材料に、同じ画素に対応する、BGRの画像データに対応して変調されたBGRの3色の光線が、同一の微細光透過孔を通過した後、該ハロゲン化銀感光材料へ露光される露光ユニットを有する露光装置を用いて露光した後、現像処理することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、画像形成方法に関し、詳しくは文字画像のボケや色滲みが軽減され、露光装置を設置後の環境影響による文字画像の輪郭の滲みの発生が抑制された画像形成方法に関する。
近年、コンピューターの演算能力の向上や、ネットワーク技術の進歩に合わせて、画像をデジタルデータとして取り扱う機会が急速に増加している。スキャナ等を用いてデジタルデータ化された画像情報は、コンピューター上で編集加工したり、さらには文字やイラスト等のデータを付加することも比較的容易に行える。このようなデジタル化された画像情報に基づいたハードコピーを作成するハードコピー材料には、例えば昇華型熱転写プリント、溶融型熱転写プリント、インクジェットプリント、静電転写型プリント、サーモオートクロームプリント、ハロゲン化銀感光材料等が挙げられるが、中でもハロゲン化銀感光材料(以下、単に感光材料ともいう)は、高感度であること、階調性に優れていること、画像保存性に優れていること等、他のプリント材料に比べて非常に優れた特性を有しているため、特に高品質なハードコピーの作成用として今日盛んに用いられている。
デジタルデータ化された画像データをハロゲン化銀写真として再生するためには、画像データに応じて露光量を変化させながら露光を行う必要がある。このデジタルデータ化された画像データには、例えば、人物、風景、静物等の写真撮影データに基づいた画像等(以下、シーン画像と称す)に加え、文字画像(特に細かくて小さな黒文字画像や白抜きの文字画像)が扱われる比率が増加している。特に細線で構成される細かな文字画像は、細線の縁が本来の文字色と異なって見える現象(以下、色滲みと称する)が生じやすい場合があった。この現象は、高照度の光ビームを短時間に露光するデジタル露光において、特に顕著であり、これを改良するためのデジタル露光に適した感光材料に関するさまざまな技術が、例えば特許文献1〜5等に開示されている。
しかし、感光材料のデジタル露光適性が向上するにつれて、露光装置の露光ユニットの調整ズレによる画質劣化が無視できなくなってきた。露光装置は通常、きちんと調整された形で出荷され、必要に応じて設置場所で最終調整が行われるが、設置後、長期間に渡り使用した場合、特に振動が生じやすい環境や、温度変動が激しい環境で使用した場合等、装置に調整ズレが生じ、その結果として文字品質が劣化してしまう場合があった。特に、デジタル露光適性が高い感光材料ほど、装置の調整ズレが画像上で認識されやすい傾向にあった。このズレは、露光装置を再調整することで解決できるが、その都度、サービスマンが出向いて調整する必要があり、コストがかさんでしまうためその改良が望まれていた。
特開2000−19696号公報 特開2000−227638号公報 特開2000−352795号公報 特開2001−324783号公報 特開2004−170949号公報
本発明の目的は、文字画像のボケや色滲みが軽減され、露光装置を設置後の環境影響による文字画像の輪郭の滲みの発生が抑制された画像形成方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
反射支持体を有し、かつ少なくとも1つの画像形成層(ハロゲン化銀感光層)の平均階調が3.7〜5.0であるハロゲン化銀感光材料に、同じ画素に対応する、BGRの画像データに対応して変調されたBGRの3色の光線が、同一の微細光透過孔を通過した後、該ハロゲン化銀感光材料へ露光される露光ユニットを有する露光装置を用いて露光した後、現像処理することを特徴とする画像形成方法。
(請求項2)
前記ハロゲン化銀感光材料が、イエロー画像形成層、マゼンタ画像形成層及びシアン画像形成層を有し、その平均階調がそれぞれ、4.5>γ(Y)>3.2、4.75>γ(M)>3.6、5.0>γ(C)>3.7であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
(請求項3)
プリント時の最大濃度が2.1〜2.8となるようにBGRの最大露光量を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
(請求項4)
前記微細光透過孔が駆動部を有し、画像データに応じてBGRの光量を調整できることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明により、文字画像のボケや色滲みが軽減され、露光装置を設置後の環境影響による文字画像の輪郭の滲みの発生が抑制された画像形成方法を提供することができる。
本発明者は、デジタル露光装置及びそれに用いる感光材料の特性について着目し、鋭意検討の結果、BGRの3色の光源を同一の微細光透過孔(スリット)を通過させて感光材料へ露光する装置と、デジタル露光で硬調な感光材料を組み合わせることで上記問題を解決できた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、反射支持体を有し、かつ少なくとも1つの画像形成層(ハロゲン化銀感光層)の平均階調が3.7〜5.0である感光材料に、同じ画素に対応する、BGRの画像データに対応して変調されたBGRの3色の光線が、同一の微細光透過孔を通過した後、該ハロゲン化銀感光材料へ露光される露光ユニットを有する露光装置を用いて露光した後、現像処理することを特徴とする。
〔露光装置〕
本発明に用いられる露光装置は、同じ画素に対応する、BGRの画像データに対応して変調されたBGRの3色の光線が、同一の微細光透過孔を通過した後、感光材料へ露光される露光ユニットを有することが特徴である。通常、画像情報をデジタル化して扱う場合、オリジナル画像を細かいマス目状に区切り、各マス目毎に濃度情報をデジタル化して取り扱う方式が一般的である。このオリジナル画像を細かいマス目状に区切って取り扱う場合の最小単位は画素と呼ばれるが、この画素はそれぞれBGRの3つの濃度情報を有している。本発明においては、同一画素に対応するBGRの濃度情報に応じて露光されるBGRの3色の光源が、同一の微細光透過孔を通過した後、感光材料へ露光される。
ここでいう微細光透過孔は、BGRの露光位置ずれを抑制するために設けられる。従って、その孔径は光が微細光透過孔を通過する前のビーム径以下であることが好ましい。微細光透過孔のサイズや形状に特に制限はないが、斜め線の入った文字画像再現性の向上といった観点から70μm以下が好ましい。
本発明においては、装置小型化の観点から、微細光透過孔が駆動部を有し、画像データに応じてBGRの光量を調整できることが好ましく、中でも高密度に集積されたPLZT(Plumb Lanthanum Zirconate Titanate)素子からなる光シャッターを用いる方法が好ましい。
PLZT素子を用いた露光ユニットを有する露光装置としては、例えば、図1に記載のような構成が挙げられる。図1において、露光装置(以下、プリンタともいう)1は、感光材料3を搬送するための搬送機構2と、ライン状に感光材料3に露光を行うための露光機構4と、画像データに基づいてBGRの各露光色(光源色)を切り替える光源色切替部5と、ドライバーIC6と、搬送駆動部7と、入力されたBGRの各露光色(光源色)の画像データに基づいて光源色切替部5、ドライバーIC6及び搬送駆動部7の制御を行う露光制御部8と、露光機構4によってライン状に露光される露光個所において感光材料3を下から支持する支持部材9から構成される。
本発明において、露光に用いる光源としては特に制限はなく、例えば、発光ダイオード(LED)、ガスレーザ、半導体レーザ(LD)、LDあるいはLDを励起光源として用いる固体レーザと第2高調波変化素子(いわゆるSHG(Second Harmonic Generation)素子)の組み合わせ、ハロゲンランプとフィルターの組み合わせ等、公知の光源を用いることができる。中でも、装置の小型化、高速制御及び発熱抑制の観点から光源としてLEDを用いた場合が特に好ましい。
デジタル化された画像情報に基づいてデジタルプリンタで露光を行う場合、最大濃度はプリンタの最大露光量によって決められる。このとき、高い最大濃度を得るために最大露光量を大きくしていくと、プリンタの機械的特性(フレア等)及び感光材料の特性(最大濃度域近傍での階調低下等)から、文字の滲みが生じやすくなる。従って、最大濃度を高く設定した場合に、BGRの3色の光源が同一の微細光透過孔を通過した後に感光材料に露光されることによる文字滲み防止の効果がより顕著となり、本発明の好ましい態様である。本発明においては、プリント時の最大濃度が2.1以上であることが好ましく、2.3以上であることがより好ましい。ここでいう最大濃度とは、画像データ上で最大濃度を表すデータ(例えば、アドビ社のPhotoshop上で加工された8ビット階調を有する画像データにおいては、(R、G、B)=(0、0、0)が最大濃度を示す画像データとなる)に基づいて露光が行われたときのプリント濃度を指す。本発明において、フレア抑制の観点から最大濃度は2.8以下とすることが好ましい。
以下、図面を参照して本発明に用いられる露光装置について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。また、限定的な表現をする場合があるが、これに限られるものではない。
図1は、本発明に用いられる400dpiの露光装置(プリンタ)1の概略構成図である。dpiとは2.54cm当たりのドット数を表す。
搬送機構2は、モーター等の動力によってX方向に直交する軸心回りに回転する駆動ローラ21(2本)を備え、駆動ローラ21と平行になってそれぞれの駆動ローラ21に圧接する圧接ローラ22(2本)を備え、一方の駆動ローラ21と圧接ローラ22がX方向の上流側に配置され、他方の駆動ローラ21及び圧接ローラ22とがX方向の下流側に設けられている。供給位置(図示省略)から搬出された感光材料3は、駆動ローラ21と圧接ローラ22との間に狭持され、駆動ローラ21、21の回転によってX方向に搬送されるようになっている。
感光材料3は各色に発色する発色層(画像形成層)が層構造を形成している。表面に近い方から赤色の光(R)が露光されることによりシアンに発色する層、緑色の光(G)が露光されることによりマゼンタに発色する層、青色の光(B)が露光されることによりイエローに発色する層を有する。感光材料3は、供給位置(図示省略)において、ロール状に巻かれている。
露光機構4は、R(赤)、G(緑)、B(青)の光源色からなる光源であるLED光源41と、二つの駆動ローラ21の間で感光材料3に対向配置した露光ヘッド42と、露光ヘッド42と感光材料3との間に設けられたセルフォックレンズアレイ43と、LED光源41から露光ヘッド42に光を導く光ファイバアレイ44と、光ファイバアレイ44の一方の端部と、LED光源41との間に介在するインテグレータ45等を備えて構成される。
感光材料3は、搬送機構2によって搬送され、露光機構4と相対的に移動することによって、画像データに応じた画像が記録される。
露光ヘッド42は、例えば、複数の記録素子としてのPLZT素子が、光出射点の画素としてY方向に沿ってアレイ状に配列されたPLZTシャッタアレイヘッドである。
具体的には、露光ヘッド42はスリット状の開口を有するセラミック製あるいはガラス製の基盤(図示省略)上に、複数のPLZT素子425からなる複数のPLZTチップ421を並べてアレイを形成し、かつ複数のPLZTチップ421の両側に駆動部としてのドライバーIC6を複数個並べたものである。
図2に示すように、PLZTチップ421は立体的な形状とされ、PLZT素子425、個別電極422、共通電極423等が設けられている。
具体的には、1画素に対応する多数のPLZT素子425が2列に配置され、各PLZT素子425が1画素ずつ千鳥状に形成されることによって、2列(odd列、even列)で主走査方向Yに1ラインの画像を形成する。
共通電極423はodd列とeven列とに共通に設けられており、個別電極422はodd列とeven列とに個別であって、かつPLZT素子425ごとに個別に設けられている。また、両電極422、423は、PLZT素子425の両側に、光路に対して互いに平行に設けられており、低い印加電圧であっても大きな光透過量を実現可能な構造となっている。
ドライバーIC6は、露光ヘッド(個別電極422及び共通電極423)に印加する印加電圧を変化させて、PLZT素子425を駆動させる、即ち、PLZT素子425に電圧を印加するための駆動回路であって、odd列のPLZT素子425とeven列のPLZT素子425を個別に駆動する。
PLZTはよく知られているように、カー定数の大きい電気光学効果を有する透光性のセラミックスであり、偏光子(図示省略)で直線変更された光は、ドライバーIC6によるPLZT素子425への電圧のオンによって偏光面の回転を生じ、検光子(図示省略)から出射される。電圧オフ時には透過光の偏光面は回転することなく、このような透過光は検光子(図示省略)でカットされる。
即ち、各PLZT素子425への印加電圧のオン/オフで透過光のオン/オフが生じ、検光子(図示省略)から出射された光はセルフォックレンズアレイ43を介して感光材料3上で結像する。PLZT素子425は、画像データに基づいて1ラインずつオン/オフ制御(主走査)され、この主走査と感光材料3のX方向への移動(副走査)とで感光材料3上に2次元の画像が形成される。
図3に露光ヘッド42の模式図を示す。露光ヘッド42には、12のPLZTチップ421a、421b、・・・、421lと、8のドライバーIC6a、6b、・・・、6h等を備えている。図3に示すように、複数のPLZTチップ421ごとにドライバーIC6が設けられている。
PLZTチップ421のオン/オフ制御は、ドライバーIC6ごとに行われる。従って、ドライバーIC6aが印加電圧の印加を行うと、PLZTチップ421a、421b、421cのOdd列側のPLZT素子425が駆動する。同時にドライバーIC6eが印加電圧の印加を行うことによって、PLZTチップ421a、421b、421cのeven列側のPLZT素子425も駆動状態となる。
PLZT素子425が光を透過させている間、露光が行われることにより、画像データに応じて露光時間が制御され、階調が表現される。例えば、より薄い濃度を表現する場合には、より短い露光時間となり、より濃い濃度を表現する場合には、より長い露光時間となる。
セルフォックレンズアレイ43は、光学的に等価な複数のセルフォックレンズを互いに平行にして集積したものであり、露光ヘッド42を透過した光を、感光材料3上に結像させる。つまり、セルフォックレンズアレイ43による物体面は露光ヘッド42に合っており、セルフォックレンズアレイ43による結像面は感光材料3に合っている。なお、露光箇所はセルフォックレンズアレイ43による結像面上で走査方向Yに沿ったライン状となっており、露光箇所の走査方向Yに沿った長さは露光ヘッド42の出射点が配列されている長さと実質的に同じである。
光ファイバアレイ44の一方の端部では複数の光ファイバの一端が束ねられており、光ファイバアレイ44の該端部は、LED光源41に指向している。光ファイバアレイ44の他方の端部では、光ファイバの端部がそれぞれ光シャッタ素子であるPLZT素子425まで繋がっている。
インテグレータ45は、LED光源41からの光を効率よく光ファイバアレイ44に導くとともに、光源の輝度ムラを分散させ、一様な照度分布を得るために設けられるものであって、例えば、いずれも図示しない、インプットレンズ、フライアイレンズ、アウトプットレンズ、フィルタ、アパーチャ等によって構成される。
光源色切替部5は、LED光源41を構成するBGRの光源色(露光色)を、例えば、露光制御部8からのON/OFFの指示によって切替え、露光する光の色を順次切替える。
搬送駆動部7は、駆動ローラ21を駆動させて、感光材料3の搬送を制御する。
露光制御部8は、光源色切替部5と、ドライバーIC6と、搬送駆動部7とを同期制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、ROM(Read Only Memory)83等を備えてなる。
CPU81は、所定のタイミング等に応じて、ROM83内に格納された各種プログラムに基づいて各種の演算や各機能部への指示やデータの転送等を行う。
RAM82は、CPU81の制御の下、CPU81で処理されたデータを記憶すると共に、記憶しているデータをCPU81に出力するために用いられる。
ROM83は、主に搬送機構2及び露光機構4で実行される各種動作を行うためのプログラムやデータ等を格納しており、具体的には、例えば、図1に示すように、光源色切替プログラム831、駆動制御プログラム832、感光材料搬送制御プログラム833等を格納する。
光源色切替プログラム831は、記録ヘッド42が副走査方向に1画素分移動する間に、光源色数(3)の倍数回、即ち、6回BGRの光源色の切替えを行うためのプログラムであって、CPU81は当該光源色切替プログラム831を実行することによって、光源色切替部5の制御を行い、光源色切替手段として機能する。
具体的には、例えば、光源色B、G、Rの切替えを6回行う、即ち、光源色BGRとしての切替えを2回行うことによって、1ラインを記録することとなる。
ここで、400dpiのプリンタ1において、例えば、1画素当たりの出力データの出力値(出力信号値の深さ)を11bit(2048階調)とすると、光源色BGRによる記録は、10bit(1024階調)の出力値の再現に要する時間で実行可能となり、制御部分のシーケンスの簡略化を実現することができる。
駆動制御プログラム832は露光ヘッドの駆動を行うためのプログラムであって、CPU81は当該駆動制御プログラム832を実行することによって、ドライバーIC6の制御を行い、駆動制御手段として機能する。
具体的には、駆動制御手段としてのCPU81は、各ドライバーIC6の駆動開始タイミングを所定の間隔ずらす制御を行う。
一般に、写真用の露光デバイスに要求される能力として、L判700枚/時間以上のスペックが要求される。L判の送り長さ89mm、ペーパー間隔20mmとすると、400dpiの1ラインの書込み時間として許されるのは、約3.0msである。副走査方向800dpiにするためには500μs以下が必須となる。
さらに、CPU81は、印加電圧の切替えが行われてから10μs経過後に、各PLZTチップ421の駆動を開始する制御を行い、駆動制御手段として機能する。
そして、CPU81は、露光ヘッド42への電圧の印加開始から所定時間、印加電圧よりも高い電圧を印加する制御を行うことによって、駆動制御手段として機能する。
ここで、「所定時間」とは、各PLZTチップ421の駆動開始時に、系のインピーダンスの影響を受けることなく適切な印加電圧の印加が可能となる時間を意味し、例えば50μsである。
また、「印加電圧よりも高い電圧」とは、各PLZTチップ421の駆動開始時に、BGR各光源色において適切な印加電圧の印加が可能となる電圧を意味し、例えば、印加電圧よりも5(V)高い電圧である。
感光材料搬送制御プログラム833は、感光材料3の搬送を行うためのプログラムであって、CPU81は、当該感光材料搬送制御プログラム833を実行することによって、搬送制御部7を制御する。
以上に説明したプリンタ1によると記録ヘッド42が、各PLZTチップ421ごとに駆動されることにより、主走査方向の画像密度が急激に変動した場合であっても、記録を行うPLZT素子の全てが同時に駆動することがなくなり、駆動開始タイミングが遅れることとなって、駆動されるPLZT素子数が急激に変動することを防止できる。従って、PLZT素子の駆動開始時に発生する負荷変動を低く抑えることができ、濃度ムラの少ない高画質な画像を形成することができる。
また、各各PLZTチップ421の駆動を開始するタイミングが1.0μs以上ずれることにより、仮にPLZT素子に負荷変動が発生したとしても、該負荷変動による画像濃度のムラが視認レベルを下回ることとなって、濃度ムラが目立たず、より高画質な画像を形成することができる。
一般的に、このような負荷変動を原因とする濃度ムラは、デザイン画等のように一定濃度の領域が多い画像で発生しやすく、細かい濃淡のある画像においては視認できない。つまり、画像ムラは、一定濃度領域が一定以上の範囲に亘る画像において問題となる。そこで、例えば、簡易的に1つのPLZTチップの幅を最低幅とした場合を基準として、視認可能な程度の濃度差のレベルを、濃度差として約0.01とした。これは、即ち、濃度1.0程度の中間調の画像において略1.0%の光量変動によって生じる濃度変動(差)を意味する。
そして、このPLZTチップ全てを発光させる場合、PLZTチップの駆動を開始するタイミングを1.0μsとすることで、1つのPLZTチップを発光させる場合に比較した濃度変動(光量変動)を1.0%以内とすることができる。ただし、さらに高画質な画像とするためには、さらにこのタイミングをずらすことが好ましい。
また、光源色BGRに応じて、印加電圧が異なることにより、印加電圧を光源色ごとに最適化することができることとなって、駆動効率の最適化が図られ、副走査方向の1ライン分の記録に要する時間を短縮することで高速化を実現することができる。
そして、光源色の切替えと、各PLZTチップ421の駆動の開始とが同時に行われることなく、10μs以上離れたタイミングで行われることとなる。これにより、印加電圧の切替え時に発生するノイズの影響による画質劣化を確実に防ぐことができる。
また、各PLZTチップ421の駆動開始前に、各PLZTチップ421に印加される電圧が所定の電圧まで高められることなる。これにより、各PLZTチップ421の駆動開始時における濃度の低下を抑え、濃度ムラをより効果的に防ぐことができる。
さらに、副走査方向に1画素分の記録が行われる範囲で、光源色が少なくとも6回切替えられるため、1画素分の記録を2度に分けて細かく行うこととなり、各PLZTチップ421の駆動開始タイミングをずらしたことにより生じる副走査方向の画像のずれを低減し、画質劣化を防ぐことができる。
プリンタ1が400dpi以上の写真用デジタルプリンタであることにより、実質的な画像密度を、800dpi以上とすることにより、各PLZTチップ421を異なるタイミングで駆動することによって発生する画素のずれを、0.0065mm以下とすることができるため、該ずれが視認できるレベルを下回ることとなって、画質の劣化を防ぐことができる。
また、光源としてLEDを用いることによって、高速に光源色を切替えることができ、高速化を実現することができる。
さらに、BGR各光源色において、印加電圧が印加される時間が500μs以下であることによって、1ラインの書込み時間を3.0(ms)以下に抑え、感光材料3の搬送速度を22mms以上とすることができるため、高速印刷に適用することができる。
なお、CPU81(光源色切替手段)は、BGRの光源色のうち1色についてのみ、複数回光源色を切替えることとしてもよい。この場合、光源色のうち少なくとも1色の光源色については、記録素子が複数回駆動されることとなる。従って、光源色の切替えを、光源色数の倍数回行う場合と同様に、1画素分の記録を複数回に分けて細かく行うこととなって、記録素子チップの駆動開始タイミングをずらしたことにより生じる副走査方向の画像のずれを低減し、画質劣化を防ぐことができる。
〔感光材料〕
本発明に用いられる感光材料は、反射支持体上に1層以上の画像形成層(ハロゲン化銀感光層)を有し、少なくとも1層の画像形成層の平均階調が3.7以上であることが特徴である。ここで平均階調とは、特性曲線上の反射濃度0.8の点から1.8の点を結ぶ特性曲線の傾きをいう。特性曲線の作成にあたっては、R1−super(コニカミノルタフォトイメージング(株)製)を用いて、グレースケ−ル画像を露光、現像処理した後、X−Rite938反射型分光側色/濃度計(X−Rite社製)を用いてプリントの反射濃度を測定し、これを露光データに対応してプロットすることで作成することができる。また、平均階調を求めるに当たっては、自動現像機を1日12時間稼働させ、処理量0.1Rずつ、2R以上になるまでコニカミノルタQAペーパー センチュリア for デジタル(コニカミノルタフォトイメージング(株)製)を用いてランニング処理した状態で行うこととする。
本発明では、少なくとも1層の画像形成層の平均階調が3.7以上であれば、本発明の効果が得られるが、感光材料の文字滲み適性を向上させるという観点から、イエロー画像形成層、マゼンタ画像形成層及びシアン画像形成層の平均階調がそれぞれ、γ(Y)>3.2、γ(M)>3.6、γ(C)>3.7であることが好ましい。また、特に白抜き文字を際だたせるという観点からは、全ゼラチン画像形成層の平均階調が4.0以上であることが特に好ましい。本発明の目的からは平均階調の上限は特にないが、デジタル露光における走査露光スジムラ抑止の点からγ(Y)<4.5、γ(M)<4.75、γ(C)<5.0であることが好ましい。平均階調が3.7以上の感光材料はいわゆる高γの感光材料であり、本発明はこのような高γの感光材料に適用して大きな効果を発揮する。
このような高γの感光材料を作製する方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができ、例えばハロゲン化銀感光層の乳剤の付量調整により行うことができる。一般にハロゲン化銀乳剤の付量を多くすることで高γ化を達成できるが、付量を多くしすぎると、支持体に近い感光層での現像抑制や、漂白定着工程での脱銀不良が生じやすくなるので、これらの現象が生じない範囲にとどめることが好ましい。また高γの感光材料を作製する他の方法として、例えばハロゲン化銀粒子の粒径分布を調整手段として用いることができる。一般に、粒径分布が狭いハロゲン化銀乳剤を用いた方が、高γ化には有利である。また、感度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤を併用する場合には、感度の低いハロゲン化銀粒子の比率を高くした方が高γ化には有利であり、好ましくは低感度ハロゲン化銀粒子が、銀量換算で80%以上、より好ましくは90%以上となる態様が有利である。また、ハロゲン化銀粒子に、後述するイリジウムや鉄等の重金属イオンを含有させる態様も、高γ化のために有用である。同一の感色性層に粒径の異なる複数のハロゲン化銀粒子を用いる場合には、付量が多い方のハロゲン化銀粒子に含まれる単位銀量当たりの重金属イオンの量が多くなる態様が、高γ化の観点から好ましい。また、感光材料の作製に用いる支持体の平滑性が高い方が、最大濃度の向上及び高γ化の観点で有利であり、反射支持体の乳剤層塗布面側の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.1μm以下となる態様が有効である。
以下、感光材料の各構成要素について説明する。
本発明に係る画像形成層(ハロゲン化銀感光層)はハロゲン化銀乳剤を有する。ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子は、塩化銀含有率が90モル%以上であることが好ましく、塩化銀含有率が93モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましい。臭化銀含有率は、0.1〜10モル%であることが好ましく、0.5〜8モル%であることがより好ましく、2〜8モル%であることがさらに好ましい。沃化銀含有率は、0.0〜2モル%であることが好ましく、0.0〜1モル%であることがさらに好ましい。
本発明においては、臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤も好ましく用いられ、この場合、高濃度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子にエピタキシー接合していても、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよいが、ハロゲン化銀粒子が最外シェルの少なくとも一部に臭化銀局在相を有することが好ましく、頂点近傍に臭化銀局在相を有することがさらに好ましい。
本発明において臭化銀局在相とは、本発明に係るハロゲン化銀粒子の平均臭化銀含有率の2倍以上の臭化銀含有率の臭化銀を含むハロゲン化銀相であり、ハロゲン化銀粒子の平均臭化銀含有率の3倍以上の臭化銀含有率の臭化銀を含むことが好ましく、5倍以上の臭化銀含有率臭化銀を含むことが好ましい。
臭化銀局在相中には後記の8族金属化合物を含有することが好ましい。この場合用いられる8族金属化合物はイリジウム錯体であることが好ましい。
本発明においては、粒子内部に少なくとも1つの沃化銀局在相を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。本発明において粒子内部とは、ハロゲン化銀粒子において粒子表面を除いたハロゲン化銀相をいう。本発明において沃化銀局在相とは、ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率の2倍以上の沃化銀含有率の沃化銀を含むハロゲン化銀相であり、ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率の3倍以上の沃化銀含有率の沃化銀を含むことが好ましく、5倍以上の沃化銀含有率の沃化銀を含むことが好ましい。本発明において上記沃化銀局在相の位置は粒子中心からハロゲン化銀体積で60%以上外側に存在することが好ましく、70%以上外側であることがさらに好ましく、80%以上外側であることが最も好ましい。
上記沃化銀局在相における好ましい形態の一つは、ハロゲン化銀粒子内部において該沃化銀局在相が層状に存在する(以下沃化銀局在層ともいう)ことであり、該沃化銀局在層を2層以上導入することも好ましく、その場合は、主層を上記の条件で導入し最大ヨウ化物濃度未満である層(以下副層)の少なくとも一つを主層よりもさらに粒子表面近くに導入することが好ましい。主層及び副層のヨウ化物濃度は目的に応じて任意に選択することができる。潜像安定性の観点からは、主層は可能な限り高濃度が好ましく、副層は主層よりも低濃度であることが好ましい。本発明において、沃化銀局在相の他の好ましい形態はハロゲン化銀粒子の頂点近傍や稜線近傍に該沃化銀局在相が存在することであり、上記沃化銀局在層と併用することも好ましい。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤が、臭化銀及び/または沃化銀を含有する場合においては、ハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率及び/または沃化銀含有率の粒子間変動係数がそれぞれ30%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましい。なお臭化銀含有率の粒子間変動係数の下限は0.01%である。
ハロゲン化銀粒子の上記臭化銀含有率及び沃化銀含有率は、EPMA法(Electron Probe Micro Analyzer法)により求めることができる。具体的には、ハロゲン化銀粒子を互いに接触しないようによく分散させた試料を作製し、液体窒素で−100℃以下に冷却しながら電子ビームを照射し、個々のハロゲン化銀粒子から放射される銀、臭素及び沃素の特性X線強度を求めることにより、個々のハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率及び沃化銀含有率が決定できる。
上記方法により、個々のハロゲン化銀粒子について求めたハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率及び沃化銀含有率を300個以上のハロゲン化銀粒子について求め、平均したものをそれぞれ平均臭化銀含有率及び沃化銀含有率とし、ハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率及び沃化銀含有率の粒子間変動係数は、下記計算式により求めるものとする。
臭化銀含有率の粒子間変動係数=(ハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率の標準偏差)/(平均臭化銀含有率)×100(%)
沃化銀含有率の粒子間変動係数=(ハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率の標準偏差)/(平均沃化銀含有率)×100(%)
本発明においては、粒子内部に転位線を有するハロゲン化銀粒子を用いることも好ましい。
本発明において、ハロゲン化銀粒子に臭化銀あるいは沃化銀を含有させるには、種々の臭化物あるいは沃化物を使用することができる。例えば、臭化カリウム水溶液や沃化カリウムのような臭化物塩や沃化物塩の水溶液を用いる方法、特開平2−68538号等に開示されている臭化銀や沃化銀を含むハロゲン化銀微粒子あるいはハロゲン化物イオン放出剤を用いる方法等を任意に用いることができる。本発明におけるハロゲン化銀粒子中の沃化銀含有率や臭化銀含有率及び沃化銀局在相や臭化銀局在層あるいは転位線の導入等は、これら添加物の濃度及び量等で任意に調整することができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤を得るには、重金属イオンを含有させるのが有利である。このような目的に用いることのできる重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀等の第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。
本発明においては、ハロゲン化銀粒子が8族金属錯体を1種類以上含有することが好ましく、水配位子及び/または有機配位子を1つ以上有する8族金属錯体錯体の1種類以上を含有することがさらに好ましい。
本発明において用いられる8族金属錯体は、鉄、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト、白金の金属錯体であることが好ましい。金属錯体は、6配位錯体、5配位錯体、4配位錯体、2配位錯体等を用いることができるが、6配位錯体、4配位錯体が好ましい。上記水配位子及び/または有機配位子を1つ以上有する8族金属錯体はイリジウムの金属錯体であることがより好ましい。
8族金属錯体を構成する配位子は、カルボニル配位子、フルミネート配位子、チオシアネート配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子、シアノ配位子、水配位子、ハロゲン配位子、あるいはアンモニア、水酸化物、亜硝酸、亜硫酸、過酸化物の配位子及び有機配位子等、任意のものを用いることができるが、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子、シアノ配位子、水配位子、ハロゲン配位子及び有機配位子から選ばれる1つ以上の配位子を含有することが好ましい。
有機配位子とは、1つ以上のH−C、C−CあるいはC−N−H結合を含み、金属イオンに配位可能な化合物をいう。本発明に用いられる有機配位子は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラン、ピリダジン、イミダゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピラゾール、フラン、フラザン、オキサゾール、イソオキサゾール、チオフェン、フェナントロリン、ビピリジン、エチレンジアミンから選ばれる化合物、イオン、あるいはこれらの化合物に置換基を導入した化合物であることが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては、下記一般式(A)で表される8族金属錯体も好ましく用いることができる。
一般式(A) Rn[MXm6-m
式中、Mは周期表8族元素から選択される金属を表し、鉄、コバルト、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、白金であり、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムであることがより好ましい。Rはアルカリ金属を表し好ましくはセシウム、ナトリウムまたはカリウムである。mは0〜6、nは0〜4の整数を表す。X及びYは配位子を表し、カルボニル配位子、フルミネート配位子、チオシアネート配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子、シアノ配位子、ハロゲン配位子、あるいはアンモニア、水酸化物、亜硝酸、亜硫酸、過酸化物の配位子を表す。
これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。金属イオンが錯体を形成する場合、カウンターカチオンはカリウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン等、任意のものを用いることができる。また、金属錯体が陽イオンである場合に、対陰イオンとして、硝酸イオン、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン等、当業界で公知のものを用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるためには、重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るには、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することができる。
前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9〜1×10-2モルが好ましく、1×10-8〜5×10-5モルがより好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用いることができるが、好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許第4,183,756号、同第4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21巻,39頁(1973年)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、二十四面体、十二面体等の形状を有する粒子を作り、これを用いることもできる。さらに、正常晶以外の双晶面を有する粒子や平板状粒子を用いてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加することもできる。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径は、特に制限はないが、迅速処理性及び感度等、他の写真性能等を考慮すると好ましくは0.1〜5.0μm、さらに好ましくは0.2〜3.0μmの範囲である。特に立方体粒子を用いる場合は、好ましくは、0.1〜1.2μm、さらに好ましくは、0.15〜1.0μmの範囲である。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、さらに好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
式中、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。
ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合はその直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を表す。
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せ等、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。さらに同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許第2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置等を用いてもよい。
さらに必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤は、粒子形成後に脱塩を行うことが好ましい。脱塩は、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌17643号II項の方法により行うことができる。さらに詳しくは、沈殿生成物あるいは物理熟成後の乳剤から不要な可溶性塩類を除去するためには、ゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えば、ポリスチレンスルホン酸)を用いることができるが、ゼラチン誘導体及び化学修飾ゼラチン(例えば、アシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチン)を利用した沈殿法または、膜分離を利用した限外濾過脱塩であることが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤の製造において用いられる分散媒は、ハロゲン化銀粒子に対する保護コロイド性を有する化合物を任意に用いることができる。本発明で好ましく用いることができる分散媒には、ゼラチンや親水性コロイド等があり、ゼラチンとしては、通常分子量10万程度のアルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン、或いは酸化処理したゼラチンや酵素処理ゼラチン等を好ましく用いることができる。ハロゲン化銀粒子の核生成時のゼラチンの平均分子量は1万〜7万であることがが好ましく、1万〜5万であることがさらに好ましい。また、核生成時にメチオニン含有量が少ないゼラチンを用いることも好ましく、分散媒単位質量(グラム)当たりのメチオニン含有量としては50μモル以下が好ましく、20μモル以下がより好ましい。親水性コロイドとしては、例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾールのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質等を用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤等を用いることができるが、イオウ増感剤及び/またはセレン増感剤が好ましい。
イオウ増感剤としては、1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素等のチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチカルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合物、チオ硫酸塩、硫黄単体等が好ましい。なお、硫黄単体としては、斜方晶系に属するα−硫黄が好ましい。その他、米国特許第1,574,944号、同第2,410,689号、同第2,278,947号、同第2,728,668号、同第3,501,313号、同第3,656,955号等の各明細書、西独出願公開(OLS)1,422,869号、特開昭56−24937号、同55−45016号等に記載されている硫黄増感剤を用いることができる。
セレン増感剤としては、特に水溶液中で硝酸銀と反応して銀セレニドの沈殿を形成しうる不安定セレン化合物が好ましく用いられる。例えば、米国特許第1,574,944号、同第1,602,592号、同第1,623,499号、特開昭60−150046号、特開平4−25832号、同4−109240号、同4−147250号等に記載されている。有用なセレン増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレニド類(例えば、ジメチルセレニド、トリフェニルフォスフィンセレニド、ペンタフルオロフェニル−ジフェニルフォスフィンセレニド、トリフリルフォスフィンセレニド、トリピリジルフォスフィンセレニド等)が挙げられる。特に好ましいセレン増感剤はセレノ尿素、セレノアミド類、セレニド類である。
本発明において、さらにリサーチ・ディスクロージャー誌307巻307105号等に記載されている金、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることが好ましく、中でも特に金増感剤を併用することが好ましい。有用な金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等の他に、米国特許第2,597,856号、同第5,049,485号、特公昭44−15748号、特開平1−147537号、同4−70650号等に開示されている有機金化合物、あるいは硫化金、硫化金銀等が挙げられる。また金錯塩を用いた増感法を行う場合には、補助剤として、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル等の金のリガンドを併用することが好ましく、特に、チオシアン酸塩を用いるのが好ましい。
本発明に係る上記各種の化学増感剤や後記抑制剤、酸化剤等においては、特開2001−318443号、同2003−29472号、同2004−37554号、同2004−4144号、同2004−4446号、同2004−4452号、同2004−4456号、同2004−4458号、同2004−4656号、同2004−4672号、同2003−307803号、同2003−287841号、同2003−287842号、同2003−233146号、同2003−172990号、同2003−172991号、同2003−113193号、同2003−113194号、同2003−114489号、同2002−372765号、同2002−296721号、同2002−278011号、同2002−268169号、同2002−244241号、同2002−250982号、同2002−258427号、同2002−268168号、同2002−268170号、同2000−193942号、同2001−75214号、同2001−75215号、同2001−75216号、同2001−75217号、同2001−75218号、同2001−100352号、同2004−70363号、同2004−67695号、同2002−131858号、同2001−166412号等の公報、欧州特許第1,094,360号明細書、同第1,388,752号明細書、米国特許第6,686,143号明細書、同第6,322,961号明細書等に記載の化合物及びその使用技術も好ましく用いることができる。
上記カルコゲン増感剤及び金増感剤の添加量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件によって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-5モルであることが好ましい。さらに好ましくは1×10-8モル〜1×10-4モルである。前記の各種増感剤の添加方法は、用いる増感剤の性質に応じて、水またはメタノール等の有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法でも、あるいはゼラチン溶液と予め混合して添加する方法でも、特開平4−140739号に開示されている方法、すなわち有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
本発明においては、還元増感法を用いてもよく、リサーチ・ディスクロージャー誌307巻307105号や特開平7−78685号等に記載されている還元性化合物を用いることもできる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤には、感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、酸化剤、抑制剤、安定剤等を用いることができる。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号公報7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等の化合物、特開平8−6201記載の一般式(S)化合物、チオスルフォン酸化合物、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物等が好ましく、特開2004−240182、同2004−226434、同2004−145202等に記載の化合物を好ましく用いることができる。
これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程等の工程で添加される。これらの化合物の好ましい添加量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8〜1×10-1モル、さらに好ましくは1×10-7〜1×10-2モルである。これら化合物の添加には、当業界で写真乳剤あるいは塗布液、調製液等に添加剤を加える場合に通常用いられる方法を適用できる。例えば、水溶性の化合物である場合は、適当な濃度の水溶液とし、水に不溶または難溶性の化合物の場合は、水と混合しうる任意の有機溶媒、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等の写真特性に悪影響を与えない溶媒に溶解し、溶液として添加することができる。
本発明に係る感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−252840号公報30頁に記載のAI−1〜11の染料及び特開平6−37706号公報記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料としては、特開平1−280750号公報2頁左下欄に記載の一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好ましい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性への影響もなく、また残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5頁左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることができる。
これらの染料を添加する量として、鮮鋭性を改良する目的には感光材料の未処理試料の680nmにおける分光反射濃度が0.7〜3.0にする量が好ましくさらには0.8〜3.0にすることがより好ましい。
本発明に係る感光材料中に、蛍光増白剤を添加することが白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合物としては、特開平2−232652号公報記載の一般式(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明に係る感光材料には、イエローカプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号公報28頁に記載のBS−1〜BS−8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28頁に記載のGS−1〜GS−5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29頁に記載のRS−1〜RS−8が好ましく用いられる。また、半導体レーザを用いる等して赤外光により画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開平4−285950号公報6〜8頁に記載のIRS−1〜IRS11の色素が好ましく用いられる。また、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平4−285950号公報8〜9頁に記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515号公報15〜17頁に記載の化合物S−1〜S−17を組み合わせて用いるのが好ましい。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から塗布液調製までの任意の時期でよい。
増感色素の添加方法としては、メタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加してもよい。
本発明に係る感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得る如何なる化合物をも用いることができるが、特に代表的なカプラーとしては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが挙げられる。
本発明に係る感光材料に好ましく用いることのできるシアン色素形成カプラーとしては、特開平4−114154号公報5頁左下欄に記載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物は、同公報5頁右下欄〜6頁左下欄にCC−1〜CC−9として記載されているものを挙げることができる。
本発明に係る感光材料に好ましく用いることのできるマゼンタ色素形成カプラーとしては、特開平4−114154号公報4頁右上欄に記載の一般式(M−I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物は、同公報4頁左下欄〜5頁右上欄にMC−1〜MC−11として記載されているものを挙げることができる。上記マゼンタ色素形成カプラーの内より好ましいのは、同号公報4頁右上欄に記載の一般式(M−I)で表されるカプラーであり、その内、上記一般式(M−I)のRMが3級アルキル基であるカプラーが耐光性に優れ特に好ましい。同公報5頁上欄に記載されている MC−8〜MC−11は青から紫、赤に到る色の再現に優れ、さらにディテールの描写力にも優れており好ましい。
上記一般式(M−I)で表される好ましいカプラーの例としては、特開昭63−253943号公報の5〜9頁に記載の例示化合物1〜64、特開平2−100048号公報の5頁〜6頁に記載の例示化合物M−1〜M−29、特開平7−175186号公報の5頁〜12頁に記載の例示化合物(1)〜(36)、特開平7−219170号公報の14頁〜22頁に記載の例示化合物M−1〜M−33、特開平8−304972号公報の5頁〜9頁に記載の例示化合物M−1〜M−16、特開平10−207024号公報の5頁〜10頁に記載の例示化合物M−1〜M−26、特開平10−207025号公報の5頁〜22頁に記載の例示化合物M−1〜M−36、米国特許第5,576,150号明細書の3頁〜6頁に記載の例示化合物M−1〜M−24、米国特許第5,609,996号明細書の3頁〜9頁に記載の例示化合物M−1〜M−48、米国特許第5,667,952号明細書の3頁〜5頁に記載の例示化合物M−1〜M−23、米国特許第5,698,386号明細書の3頁〜6頁に記載の例示化合物M−1〜M−26等を挙げることができる。
好ましく用いることのできるイエロー色素形成カプラーとしては、特開平4−114154号公報3頁右上欄に記載の一般式(Y−I)で表されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物は、同公報3頁左下欄以降にYC−1〜YC−9として記載されているものを挙げることができる。中でも一般式[Y−1]のRY1がアルコキシ基であるカプラー、または特開平6−67388号公報記載の一般式[I]で示されるカプラーは好ましい色調の黄色を再現でき好ましい。このうち特に好ましい化合物例として特開平4−114154号公報明細書4頁左上欄に記載されているYC−8、YC−9及び特開平6−67388号公報13〜14頁に記載のNo(1)〜(47)で示される化合物を挙げることができる。さらに最も好ましい化合物は特開平4−81847号公報明細書1頁及び11〜17頁に記載の一般式[Y−1]で示される化合物である。
本発明に係る感光材料に用いられるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液等の親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または分散と同時に、低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。
カプラーを溶解して分散するために用いることのできる高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレート、ジ−i−デシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等の燐酸エステル類、が好ましく用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0であることが好ましい。また2種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代えて、または高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液等の親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散する方法をとることもできる。この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号公報記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基にフッ素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は、通常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加される迄の時間、及び塗布液に添加後塗布迄の時間は短い方がよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
上記各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することが好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平2−66541号公報明細書3頁記載の一般式[I]及び[II]で示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−1741503号公報記載の一般式[IIIB]で示されるフェノール系化合物、特開平64−90445号公報記載の一般式[A]で示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号公報記載の一般式[XII]、[XIII]、[XIV]、[XV]で示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。また、特開平1−196049号公報記載の一般式[I]で示される化合物及び特開平5−11417号公報記載の一般式[II]で示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
発色色素の吸収波長をシフトさせる目的で、特開平4−114154号公報9頁左下欄に記載の化合物(d−11)、同10頁左下欄に記載の化合物(A′−1)等の化合物を用いることができる。また、これ以外にも米国特許第4,774,187号明細書に記載の蛍光色素放出化合物を用いることもできる。
本発明に係る感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さらに好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4−133056号公報記載の一般式[II]で示される化合物であり、同号13〜14頁に記載の化合物II−1〜II−14及び17頁記載の化合物−1が挙げられる。
本発明に係る感光材料には、紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物として特開平1−250944号公報記載の一般式[III−3]で示される化合物、特開昭64−66646号公報記載の一般式[III]で示される化合物、特開昭63−187240号公報記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号公報記載の一般式[I]で示される化合物、特開平5−165144号公報記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明に係る感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。ゼラチン中のカルシウム含有量は100ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、30ppm以下がさらに好ましい。また、ゼラチン中の亜鉛、銅、マンガン、鉄等の重金属の含有量は10ppm以下が好ましく、5ppm以下がより好ましく、3ppm以下がさらに好ましい。
これらバインダーの硬膜剤としては、ビニルスルホン型硬膜剤、クロロトリアジン型硬膜剤、カルボキシル基活性型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号記載の化合物を使用することが好ましい。また、写真性能や画像保存性に悪影響する黴や細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−157646号記載のような防腐剤及び抗黴剤を添加することが好ましい。また、感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため、保護層に特開平6−118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
本発明に係る感光材料においては、構成層中の総塗設ゼラチン量は3〜6g/m2であることが好ましく、3〜5g/m2であることがさらに好ましい。また、超迅速処理した場合でも、現像進行性、及び定着漂白性、残色を満足するために、構成層全体の膜厚が3〜7.5μmであることが好ましく、さらに3〜6.5μmであることが好ましい。乾燥膜厚の評価方法は、乾燥膜剥離前後の膜厚の変化、あるいは断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察により測定することができる。本発明において、現像進行性と乾燥速度を上げることを両立するために、膨潤膜厚が8〜19μmであることが好ましく、さらに9〜18μmであることが好ましい。膨潤膜厚の測定としては、35℃の水溶液中に乾燥した感光材料を浸し、膨潤して十分平衡に達した状態で打点方法にて測定することができる。本発明における塗布銀量は0.3〜0.6g/m2である。
また、写真性能や画像保存性に悪影響する黴や細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号公報記載のような防腐剤及び抗黴剤を添加することが好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため、保護層に特開平6−118543号公報や特開平2−73250号公報に記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。また感光材料の皮膜pHは4.0〜7.0が好ましく、4.0〜6.5がより好ましい。
本発明に係る感光材料においては、イエロー画像形成層、マゼンタ画像形成層、シアン画像形成層をそれぞれ少なくとも1層有していればよいが、必要に応じて複数の色画像形成層でユニットを形成してもよい。
本発明に係る感光材料に用いる反射支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙等を用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する反射支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
反射支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
反射支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する上で13質量%以上が好ましく、さらには15質量%が好ましい。
本発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号公報に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
また反射支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.12μm以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られより好ましい。また反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布された親水性コロイド層中に処理後の白地部の分光反射濃度バランスを調整し白色性を改良するため群青、油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加することが好ましい。
本発明に係る感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
ハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することのできるエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。塗布装置としては、スライドコーター、カーテンコーターあるいは押し出しコーター等を用いることができる。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されない。なお、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を表す。
実施例1
(ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製)
40℃に保温した両イオン交換処理オセインゼラチン(カルシウム含有量10ppm)2%ゼラチン水溶液1.5リットルを、特開昭62−160128号に記載の混合撹拌装置を用いて激しく撹拌しながら、ダブルジェット法を用いて、下記(A1液)及び(B1液)を、pAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ17分かけて同時添加した。続いて、下記(A2液)及び(B2液)を、pAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ90分かけて同時添加した。さらに、下記(A3液)及び(B3液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ15分かけて同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号に記載の方法により行い、これらpHの制御及び調整は硫酸または水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A1液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.021g
水を加えて200mlに仕上げた。
(A2液)
塩化ナトリウム 72.0g
2[IrCl6] 4.8×10-9モル/モルAgX
2[IrBr6] 3.2×10-9モル/モルAgX
2[IrCl5(H2O)] 2.9×10-7モル/モルAgX
2[IrCl5(チアゾール)] 1.6×10-8モル/モルAgX
4Fe(CN)6 8.0×10-6モル/モルAgX
臭化カリウム 0.44g
水を加えて420mlに仕上げた。
(A3液)
塩化ナトリウム 30.7g
臭化カリウム 0.63g
水を加えて180mlに仕上げた。
(B1液)
硝酸銀 10g
水を加えて200mlに仕上げた。
(B2液)
硝酸銀 210g
水を加えて420mlに仕上げた。
(B3液)
硝酸銀 90g
水を加えて180mlに仕上げた。
添加終了後、特開平5−72658号に記載の方法を用いアミノ基をフェニルカルバモイル化した化学修飾ゼラチン(修飾率95%)30gを含む15%水溶液を添加して脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して、平均粒径0.59μmのハロゲン化銀乳剤(B−1)を調製した。
(ハロゲン化銀乳剤(BB−1)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製において、(A2液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々2.5倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.55μmのハロゲン化銀乳剤(BB−1)を調製した。
(ハロゲン化銀乳剤(G−1)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製において、(A2液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々2.0倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.55μmのハロゲン化銀乳剤(G−1)を調製した。
(ハロゲン化銀乳剤(GG−1)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製において、(A2液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々3.8倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.43μmのハロゲン化銀乳剤(GG−1)を調製した。
(ハロゲン化銀乳剤(R−1)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製において、(A2液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々4.5倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.43μmのハロゲン化銀乳剤(R−1)を調製した。
(ハロゲン化銀乳剤(RR−1)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製において、(A2液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々8.0倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.40μmのハロゲン化銀乳剤(RR−1)を調製した。
以上のようにして調製した各ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子個数で99%以上を立方体ハロゲン化銀粒子が占めていた。
(青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)の調製)
前記調製したハロゲン化銀乳剤(B−1)に対し、60℃、pH5.8、pAg7.5にて下記増感色素BS−1及びBS−2を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム、トリフリルホスフィンセレニド及び塩化金酸を順次添加し、分光増感及び化学増感を施した。化学増感剤の添加後、最適に熟成した後、化合物(S−1)、(S−2)、(S−3)を順次添加し、熟成を停止させ、青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 3.9×10-6モル/モルAgX
トリフリルホスフィンセレニド 2.6×10-6モル/モルAgX
塩化金酸 1.9×10-5モル/モルAgX
化合物(S−1) 2.0×10-4モル/モルAgX
化合物(S−2) 2.0×10-4モル/モルAgX
化合物(S−3) 2.0×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 5.2×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1.3×10-4モル/モルAgX
(青感性ハロゲン化銀乳剤(BB−1a)の調製)
前記青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(B−1)に代えて、前記調製したハロゲン化銀乳剤(BB−1)に変更し、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(BS−1)、(BS−2)の添加量を、ハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.59μmから0.55μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積当たりの添加量が同じとなるよう、各々変更すること以外は同様にして、青感性ハロゲン化銀乳剤(BB−1a)を調製した。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(G−1)に対し、60℃、pH5.8、pAg7.5にて下記増感色素(GS−1)を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム、トリフリルホスフィンセレニド及び塩化金酸を順次添加し、分光増感及び化学増感を施した。化学増感剤の添加後、最適に熟成した後、化合物(S−1)を添加し、熟成を停止させ、緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)を得た。
増感色素:GS−1 5.3×10-4モル/モルAgX
チオ硫酸ナトリウム 3.3×10-6モル/モルAgX
トリフリルホスフィンセレニド 2.2×10-6モル/モルAgX
塩化金酸 1.5×10-5モル/モルAgX
化合物(S−1) 1.5×10-4モル/モルAgX
(緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1a)の調製)
前記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(G−1)に代えて、前記調製したハロゲン化銀乳剤(GG−1)に変更し、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(GS−1)の添加量を、ハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.55μmから0.43μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積当たりの添加量が同じとなるよう、各々変更すること以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1a)を調製した。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)の調製)
前記ハロゲン化銀乳剤(R−1)に対し、60℃、pH5.0、pAg7.1にて下記増感色素(RS−1)及び(RS−2)を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム、トリフリルホスフィンセレニド及び塩化金酸を順次添加し、分光増感及び化学増感を施した。化学増感剤の添加後、最適に熟成した後、化合物(S−1)を添加し、熟成を停止させ、赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)を調製した。
チオ硫酸ナトリウム 7.2×10-6モル/モルAgX
トリフリルホスフィンセレニド 4.8×10-6モル/モルAgX
塩化金酸 1.5×10-5モル/モルAgX
化合物(S−1) 1.2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1.0×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1.0×10-4モル/モルAgX
(赤感性ハロゲン化銀乳剤(RR−1a)の調製)
上記赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(R−1)に代えて、前記調製したハロゲン化銀乳剤(RR−1)を用い、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(RS−1)及び増感色素(RS−2)の添加量をハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.43μmから0.40μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積当たりの添加量が同じとなるよう、各々の添加量を変更した以外は同様にして、赤感性ハロゲン化銀乳剤(RR−1a)を調製した。
なお、各赤感光性ハロゲン化銀乳剤の調製では、調製終了時にSS−1を2.0×10-3モル/モルAgX添加した。
Figure 2006227163
Figure 2006227163
(感光材料101の作製)
坪量180g/m2の紙パルプの感光層塗布面に、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む高密度溶融ポリエチレンをラミネートし、裏面には高密度ポリエチレンをラミネートした反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を設け、さらに表1、表2に記載の構成からなる各構成層を塗設して、感光材料101を作製した。なお、表中に記載のハロゲン化銀乳剤は、銀に換算した値で示した。
また、各層のカプラー分散液の調製には界面活性剤(SU−2)を、また各構成層の表面張力調整用の塗布助剤として、界面活性剤(SU−1)、(SU−3)を添加した。また、各層に防黴剤(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。その他に、硬膜剤(H−1)、(H−2)、染料(AI−1)、(AI−2)、(AI−3)及び添加剤−1を適宜添加した。
試料101の作製に用いた各添加剤の詳細は、以下の通りである。
Sol−1:トリクレジルホスフェート
マット剤1:SiO2(平均粒径3.0μm)
Figure 2006227163
Figure 2006227163
Figure 2006227163
Figure 2006227163
Figure 2006227163
Figure 2006227163
Figure 2006227163
(感光材料102〜105の作製)
感光材料101の作製において、ハロゲン化銀乳剤層(第1層、第3層、第5層)の付量を下記表3に示すように調整した以外は同様にして、感光材料102〜105を作製した。
Figure 2006227163
(平均階調の測定)
作製した感光材料101〜105について、デジタルプリンタプロセッサ“R2 SUPER1000”(コニカミノルタフォトイメージング(株)製)を用いて、グレースケール画像を露光後、コニカミノルタフォトイメージング(株)製自動現像機を改造し、下記に示す処理条件となる現像処理(1)を用いて現像処理を行った。その後、X−Rite938 反射型分光測色/濃度計(X−Rite社製)を用いて得られたプリントのステータスA反射濃度を測定し、これを露光量データに対応させてプロットし、反射濃度0.8〜1.8の平均階調を算出した。結果を表4に合わせて示す。
現像処理(1)
処理温度 処理時間 タンク容量 補充量
発色現像 38.0℃ 30秒 10.2L 50ml/m2
漂白定着 38.0℃ 30秒 10.0L 37ml/m2
安定化−(1) 38.0℃ 24秒 8.0L
安定化−(2) 38.0℃ 24秒 8.3L
安定化−(3) 38.0℃ 24秒 8.6L
安定化−(4) 38.0℃ 24秒 9.0L 150ml/m2
乾燥 60〜80℃ 30秒
安定化は(4)、(3)、(2)、(1)への向流方式である。
タンク液及び補充液について以下に示す。
発色現像液:1L当たり
タンク液 補充液
ジエチレングリコール 10.0g 10.0g
ポリエチレングリコール(平均分子量4000) 6.0g 6.0g
p−トルエンスルホン酸 10.0g 10.0g
塩化カリウム 4.0g −
ジエチレントリアミン五酢酸 6.0g 6.0g
ビス(トリアジニルアミノ)スチルベン系蛍光増白剤
1.0g 1.0g
N,N−ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミン 5.0g 11.0g
水酸化リチウム − 3.5g
炭酸カリウム 14.0g 14.0g
炭酸ナトリウム 10.0g 10.0g
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン・2/3硫酸塩 6.0g 12.0g
1−オクタンスルホン酸ナトリウム 1.0g 1.0g
pH 10.00 12.10
水を加えて1Lとし、pHは水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液または硫酸により調整した。
漂白定着液:1L当たり
タンク液 補充液
エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム 0.20mol 0.37mol
チオ硫酸アンモニウム 0.54mol 1.0mol
亜硫酸アンモニウム 0.15mol 0.25mol
コハク酸 10.0g 18.0g
N−ラウロイルサルコシンナトリウム 1.5g 1.5g
硝酸(67%) 10.0g 16.0g
pH 6.0 4.8
水を加えて1Lとし、pHはアンモニア水または硫酸を用いて調整した。
安定化液:1L当たり
タンク液=補充液
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸4ナトリウム 2.0g
エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム 2.0g
o−フェニルフェノール 0.1g
ビス(トリアジニルアミノ)スチルベン系蛍光増白剤 1.0g
亜硫酸ナトリウム 0.2g
ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(例示化合物) 0.8g
1−オクタンスルホン酸ナトリウム 0.2g
pH 7.5
水を加えて1Lとし、pHはアンモニア水溶液または硫酸を用いて調整した。
(文字再現性・色滲みの評価)
作製した感光材料101〜105について、下記の露光装置E1及びE2を用いて、1画素おきに白と黒の細線が繰り返される画像パターンの露光を行った。E1、E2での露光は、画像データと露光量制御値を対応づける制御用変換テーブル(LUT)を作成し、(R,G,B)=(0,0,0)の画像データが、プリント上で、(Y,M,C)=(2.25,2.50,2.30)となるように調整して実施した。
(露光装置E1)
図4は露光装置E1の露光ユニットの概略図を示したものである。露光ユニット70は、赤色半導体レーザユニット(発振波長650nm)71R、緑色SHGレーザユニット(発振波長532nm)、青色SHGレーザユニット(発振波長473nm)を露光光源として有し、ここから出射されたレーザ光は、それぞれ音響光学変調素子(AOM:Acousto−Optic Modulator)73B、73G、73Rで、画像データに応じて変調される。その後、調光部74B、74G、74Rを通過後、ダイクロイックミラー75B、75Gまたはミラー75Rによって合成された後、反射ミラー76で反射され、シリンドリカルレンズ77を通過した後、ポリゴンミラー78に向かう。ポリゴンミラー78は、感光材料3の搬送速度と同期を取って回転しており、ここで反射されたレーザ光は、fθレンズ79を透過したのち、感光材料3上に露光される。
(露光装置E2)
露光装置E2は前記図1に示したものである。
なお、露光光源として、R(赤)、G(緑)、B(青)の光源色からなる光源であるLED光源を用いた。
露光装置E1及びE2での露光後、コニカミノルタフォトイメージング(株)製自動現像機を改造し、前述の現像処理(1)を用いて現像処理を行った。
次に、露光装置E1、E2の設置されている環境を、8℃、20%RHで8時間、30℃、20%RHで8時間を1サイクルとし、これを10サイクル繰り返して変化させた後、23℃、50%RHの環境に戻して、感光材料101〜105について同様に露光・現像処理を実施した。
このようにして得られたプリントについて、マイクロデンシトメーター(PDM−5AR:コニカ(株)製)とB、G、Rのラッテンフィルター(Kodak No.47B、No.99、No.29)を組み合わせて、総合倍率50倍、アパチャーサイズを400×4μmとし、4μm間隔で、細線と垂直方向にスキャンしながら濃度測定することでイエロー、マゼンタ及びシアン成分の濃度プロファイルを求めた。この細線画像の濃度プロファイルから、細線の最大濃度の1/2濃度を与える位置を各色の細線エッジ位置とし、細線エッジ位置が最も離れている組合せにおける細線エッジ位置ずれ量を、色滲みの尺度として求めた。また、細線のマゼンタ成分の半値幅(プロファイル中の最大濃度の1/2濃度を与える2点間の距離)を文字再現性の尺度として求めた。このようにして得られた色ズレ量と細線の半値幅を、感光材料101について、露光装置の設置環境を変更する前に露光装置E2を用いて作成したプリントの値をそれぞれ1とした場合の相対値として表4に合わせて示す。文字再現性については、相対値が小さいほど、文字がシャープに再現され好ましい。また色ズレ量に関しては、相対値が小さいほど色ズレが小さく好ましい。
Figure 2006227163
表4の結果より、少なくとも1層の平均階調が3.7以上である感光材料に、同じ画素に対応するBGRの画像データに対応したBGRの3色の光線が、同一の微細光透過孔を通過した後、感光材料上へ露光される露光ユニットを有する露光装置を用いて画像形成する本発明の構成からなる画像形成方法107〜110は、平均階調が本発明の構成から外れる画像形成方法106に比べて、文字再現性、及び色ズレ量が小さく、優れていることが分かる。さらに画像形成方法107〜110は、本発明の構成をとらない露光装置E1を用いた画像形成方法101〜105に比べて、露光装置の設置環境を変化させた後でも、文字再現性及び色ズレ量の劣化がほとんどなく、優れていることが分かる。
実施例2
実施例1で作製した感光材料105を用い、実施例1の露光装置E1、E2での露光に際し、画像データと露光量制御値を対応づける制御用変換テーブル(LUT)を作成し、(R,G,B)=(0,0,0)の画像データのプリント上での濃度が、表5に示す値となるように調整した以外は実施例1と同様の露光、現像、評価を実施した。その結果を合わせて表5に示す。
Figure 2006227163
本発明の構成をとらない露光装置E1を用いた画像形成方法201〜203の結果より、プリント時の最大濃度を高く設定するほど、露光装置の設置環境の変化に対する文字再現性や色ズレ量の劣化が大きくなってしまうことが分かる。しかし、本発明の構成からなる画像形成方法204〜206は、露光装置の設置環境の変化に対する文字再現性や色ズレ量の劣化が、プリント時の最大濃度の設定値に依らず、ほとんどないことが分かる。すなわち、本発明の画像形成方法は、プリント時の最大濃度の設定値を高く設定した場合ほどその改良効果が顕著であり、本発明の特に好ましい態様であることが分かる。
本発明に用いられる露光装置の概略構成図である。 PLZTチップの斜視図である。 露光ヘッドの概略構成図である。 比較用の露光ユニットの概略構成図である。
符号の説明
1 露光装置
2 搬送機構
3 感光材料
4 露光機構
42 露光ヘッド
421 PLZTチップ
422 個別電極
423 共通電極
425 PLZT素子
5 光源色切替部
6 ドライバーIC
7 搬送駆動部
8 露光制御部
81 CPU
82 RAM
83 ROM
831 光源色切替プログラム
832 駆動制御プログラム
833 感光材料搬送制御プログラム
9 支持部材

Claims (4)

  1. 反射支持体を有し、かつ少なくとも1つの画像形成層(ハロゲン化銀感光層)の平均階調が3.7〜5.0であるハロゲン化銀感光材料に、同じ画素に対応する、BGRの画像データに対応して変調されたBGRの3色の光線が、同一の微細光透過孔を通過した後、該ハロゲン化銀感光材料へ露光される露光ユニットを有する露光装置を用いて露光した後、現像処理することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記ハロゲン化銀感光材料が、イエロー画像形成層、マゼンタ画像形成層及びシアン画像形成層を有し、その平均階調がそれぞれ、4.5>γ(Y)>3.2、4.75>γ(M)>3.6、5.0>γ(C)>3.7であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. プリント時の最大濃度が2.1〜2.8となるようにBGRの最大露光量を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記微細光透過孔が駆動部を有し、画像データに応じてBGRの光量を調整できることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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