JP2006226363A - 液封入式防振装置 - Google Patents

液封入式防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006226363A
JP2006226363A JP2005039380A JP2005039380A JP2006226363A JP 2006226363 A JP2006226363 A JP 2006226363A JP 2005039380 A JP2005039380 A JP 2005039380A JP 2005039380 A JP2005039380 A JP 2005039380A JP 2006226363 A JP2006226363 A JP 2006226363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
cylinder
liquid
axial
outer cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005039380A
Other languages
English (en)
Inventor
Noritoshi Sakuma
紀利 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2005039380A priority Critical patent/JP2006226363A/ja
Publication of JP2006226363A publication Critical patent/JP2006226363A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

【課題】 外筒にその軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工を施した場合でも、外筒と中間筒との間のシール性を確保して、安定した動的特性を得ることができる液封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】 第4軸方向リップ部54が第4背面側ゴム部44の外周面44aから突出する突出高さは、その端部で周方向リップ部55と同一に設定され、かつ、周方向リップ部55から離間するに従って増加するように設定され、外筒32の軸心O方向中間部に相当する位置Pにおいて最大となる。よって、かしめ加工で外筒32の軸芯O方向中間部が外径方向へ盛り上がるように変形した場合でも、外筒32と中間筒10との間のシール性を確保して、第2及び第3液室を周方向に確実に区画することができる。その結果、液体流動効果の低下やそのばらつきの発生を回避して、安定した動的特性を得ることができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液封入式防振装置に関し、特に、外筒にその軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工を施した場合でも、外筒と中間筒との間のシール性を確保して、安定した動的特性を得ることができる液封入式防振装置に関するものである。
例えば、自動車のデファレンシャル装置やエンジン等の振動発生体を支持固定しつつ、その振動発生体の振動を車体へ伝達させないようにする防振装置として、液封入式防振装置が知られている。
例えば、車体に連結固定される内筒と、その内筒の外周側に同軸状に配置される中間筒と、その中間筒が内嵌されると共にデファレンシャル装置に連結固定される外筒と、中間筒と内筒との間に介在するゴム状弾性体と、そのゴム状弾性体により形成される複数の液室と、それら複数の液室を連通させる一又は複数のオリフィスとを備えて構成される液封入式防振装置が知られている。
この液封入式防振装置によれば、振動の入力でゴム状弾性体が弾性変形すると、内筒と外筒とが相対変位して液室の容積が変化し、液体がオリフィスを介して液室間で流動する。この液体流動効果や、ゴム状弾性体自体の制振効果によって、振動減衰機能と振動絶縁機能とを果すことができる。
ここで、上記のような液封入式防振装置では、中間筒と外筒との間のシール性を確保して、液体のリーク(漏出)を抑制するべく、中間筒と外筒との間にシールゴムが設けられている。例えば、特開平5−248486号公報には、中間筒体(中間筒)の外周面を覆うように薄膜(シールゴム)を形成し、その薄膜の外周面に外筒体(外筒)を嵌着する技術が開示されている。
特開平5−248486号(段落[0014,0017]、図1から図4など)
ところで、上記のような液封入式防振装置では、外筒に対する中間筒の抜け対策として、中間筒が内嵌された外筒に、その軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工が施される。
しかしながら、外筒にかしめ加工を施した場合には、その加工力によって、外筒の軸方向中間位置が外径方向へ盛り上がるように変形してしまい、外筒と中間筒との間のシール性が低下するという問題点があった。
その結果、本来、隣接する液室同士を周方向に区画するべき部位に、液体の流通経路となる隙間が形成されるため、液体流動効果の低下やばらつきを招き、安定した動的特性を得ることができなくなるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、外筒にその軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工を施した場合でも、外筒と中間筒との間のシール性を確保して、安定した動的特性を得ることができる液封入式防振装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の液封入式防振装置は、内筒と、その内筒の外周側に配置される中間筒と、その中間筒が内嵌される外筒と、前記中間筒と前記内筒との間に介在し前記内筒を第1の方向から挟んで位置する一対の第1ゴム状弾性体と、前記中間筒と前記内筒との間に介在し前記内筒を前記第1の方向と直交する第2の方向から挟んで位置する一対の第2ゴム状弾性体と、前記内筒と中間筒との周方向で前記第1ゴム状弾性体の一方と前記第2ゴム状弾性体の一方との間にそれら第1ゴム状弾性体の一方と第2ゴム状弾性体の一方とを室壁として形成される第1液室と、前記周方向で前記第2ゴム状弾性体の一方と前記第1ゴム状弾性体の他方との間にそれら第2ゴム状弾性体の一方と第1ゴム状弾性体の他方とを室壁として形成される第2液室と、前記周方向で前記第1ゴム状弾性体の他方と前記第2ゴム状弾性体の他方との間にそれら第1ゴム状弾性体の他方と第2ゴム状弾性体の他方とを室壁として形成される第3液室と、前記周方向で前記第2ゴム状弾性体の他方と前記第1ゴム状弾性体の一方との間にそれら第2ゴム状弾性体の他方と第1ゴム状弾性体の一方とを室壁として形成される第4液室と、前記第1液室と第2液室とを連通する第1オリフィスと、前記第3液室と第4液室とを連通する第2オリフィスと、前記第4液室と第1液室とを連通する第3オリフィスと、を備え、前記中間筒が内嵌された外筒に、その外筒の外径寸法を縮径させる絞り加工と、軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工とを施して構成されるものであり、前記中間筒を前記内筒側へ凹ませて形成される中間筒縮径部と、その中間筒縮径部の背面側に加硫成形され、前記第1から第3オリフィスが形成される第1から第3背面側ゴム部と、前記中間筒縮径部の背面側に加硫成形され、前記周方向で前記第2液室と第3液室との間に位置する第4背面側ゴム部と、前記第1から第4背面側ゴム部の各外周面から凸条状に突出されると共に、前記軸方向に沿って延び、前記第1から第4液室のうちの隣接する液室同士の連通を防止する第1から第4軸方向リップ部と、それら第1から第4軸方向リップ部がそれぞれ接続されると共に、前記中間筒の軸方向一端側及び他端側に環状に形成され、前記第1から第4液室と外部との連通を防止する凸条状の周方向リップ部と、を備え、前記軸に対する第1から第4背面側ゴム部の外周面の径寸法は、前記軸方向に沿って一定の径寸法に設定され、前記第1から第4軸方向リップ部が前記第1から第4背面側ゴム部の外周面から突出する突出高さは、その第1から第4軸方向リップ部の端部で前記周方向リップ部と同一の突出寸法に設定され、かつ、前記周方向リップ部から離間するに従って増加するように設定され、前記第1から第3軸方向リップ部は前記第1から第3オリフィス側の端部で、前記第4軸方向リップ部は前記外筒の軸方向中間位置で、それぞれ前記突出高さが最大となるように構成されている。
請求項2記載の液封入式防振装置は、請求項1記載の液封入式防振装置において、前記第1から第4軸方向リップ部のリップ幅は、前記周方向リップ部から離間するに従って拡幅するように設定され、前記第1から第3軸方向リップ部は前記第1から第3オリフィス側の端部で、前記第4軸方向リップ部は前記外筒の軸方向中間位置で、それぞれ前記リップ幅が最大となるように構成されている。
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、第1から第3オリフィスを備え、第1の方向の振動に対しては、第1及び第2オリフィスを介して液体が流動する一方、第2の振動に対しては、第3オリフィスを介して液体が流動するように構成される。よって、1個の液封入式防振装置で第1の方向と第2の方向との2方向の振動を同時に減衰させることができるという効果がある。
その結果、例えば、デファレンシャル装置を車体に連結固定する場合には、従来のマウント構造のように、第1の方向と第2の方向とのそれぞれの方向の振動減衰用に2個の液封入式防振装置を設ける必要がないので、車体フレームへの振動の入力を抑制しつつ、部品コストの削減と軽量化とを同時に達成することができるという効果がある。
また、中間筒を内筒側へ凹ませて形成される中間筒縮径部と、その中間筒縮径部の背面側に加硫成形される第1から第4背面側ゴム部とを備え、それら第1から第4背面側ゴム部のうちの第1から第3背面側ゴム部の外周面に第1から第3オリフィスを形成するので、第1から第3オリフィスの断面積を十分に確保することができるという効果がある。
第1から第4背面側ゴム部の各外周面には、第1から第4液室のうちの隣接する液室同士の連通を防止する第1から第4軸方向リップ部が軸方向に沿って延びつつ凸条状に突出され、これによって、第1から第4液室のうちの隣接する液室同士の連通が防止されている。
ところで、外筒に対する中間筒の抜け対策として、外筒にその軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工を施した場合には、その加工力によって、外筒の軸方向中間位置が外径方向へ盛り上がるように変形してしまい、外筒と中間筒との間のシール性が低下することで、隣接する液室同士が連通してしまうという問題点があった。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、第1から第4軸方向リップ部が第1から第4背面側ゴム部の外周面から突出する突出高さを、その端部で周方向リップ部と同一の突出寸法に設定し、かつ、周方向リップ部から離間するに従ってその突出寸法を増加させ、第1から第3オリフィス側の端部または外筒の軸方向中間位置において最大となるように設定した。
これにより、上記のように外筒が変形した場合であっても、外筒と中間筒との間のシール性を確保して、隣接する液室同士を周方向に確実に区画することができるので、液体流動効果の低下やそのばらつきを回避して、安定した動的特性を得ることができるという効果がある。
更に、本発明の液封入式防振装置によれば、軸に対する第1から第4背面側ゴム部の外周面の径寸法(軸から第1から第4背面側ゴム部の外周面までの距離寸法)を軸方向に沿って一定の寸法に設定した。即ち、第1から第4軸方向リップ部の突出寸法のみが軸方向に変化を有するように構成し、第1から第4背面側ゴム部の外周面は軸に対して平行なフラット面に構成した。
その結果、上記のように、外筒の軸方向中間位置が外径方向へ変形した場合には、第1から第4軸方向リップ部によって外筒と中間筒との間のシール性を確保することができる一方、外筒がほとんど変形しない場合やその変形が比較的小さい場合でも、その外筒の変形ばらつきを第1から第4軸方向リップ部が効果的に吸収して、前記シール性を確保することができるという効果がある。
即ち、第1から第4軸方向リップ部の突出高さに加え、第1から第4背面側ゴム部の外周面の径寸法も軸方向に変化を有するように構成したのでは、外筒の前記変形が比較的小さい場合などに、第1から第4背面側ゴム部が変形するためのスペースを中間筒と外筒との間に確保することができない。そのため、中間筒と外筒との間で押圧された第1から第4背面側ゴム部からの反力により、中間筒が変形したり、第1から第4軸方向リップ部等が倒れる、或いは、第1から第4背面側ゴム部の外周面等にしわが発生することで、中間筒と外筒との間のシール性の低下を招く。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、請求項1記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、第1から第4軸方向リップ部のリップ幅は、周方向リップ部から離間するに従って拡幅するように設定され、第1から第3軸方向リップ部は第1から第3オリフィス側の端部で、第4軸方向リップ部は外筒の軸方向中間位置で、それぞれリップ幅が最大となるように構成されている。
これにより、上記かしめ加工に伴う外筒の変形が小さい場合やほとんど変形しない場合でも、外筒の軸方向中間位置近傍における第1から第4軸方向リップ部を倒れさせることなく、安定した状態(形状)で圧縮変形させることができ、その結果、第1から第4軸方向リップ部を外筒の内周面に強固に密着させ、中間筒と外筒との間のシール性を確実に確保することができるという効果がある。
一方、外筒の上記変形が大きい場合には、第1から第4軸方向リップ部の圧縮率が小さくなる軸方向中間位置近傍においても、第1から第4軸方向リップ部の剛性を高め、外筒へ強固に密着させることで、前記軸方向中間位置近傍の第1から第4軸方向リップ部が液圧により変形することを防止して、中間筒と外筒との間のシール性を確実に確保することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施の形態における液封入式防振装置1の正面図であり、図1(b)は、液封入式防振装置1の側面図である。図2は、図1(b)のII−II線における液封入式防振装置1の断面図である。また、図3は、図2のIII−IIIV線における液封入式防振装置1の断面図であり、図4は、図2のIV−IV線における液封入式防振装置1の断面図である。
本実施の形態における液封入式防振装置1は、デファレンシャル装置(図示せず)をサブフレーム(図示せず)に支持固定する防振装置として構成される。具体的には、デファレンシャル装置の前半部側が2個の防振装置(図示せず)を介してサブフレームに支持され、デファレンシャル装置の後端部が1個の液封入式防振装置1を介して、サブフレームに支持される。
なお、サブフレームは、その四隅部に装着された4個のサブフレームブッシュを介して車体に支持される。液封入式防振装置1は、その外筒32がサブフレームの取付け穴内に圧入保持されると共に、内筒31がデファレンシャル装置の後端部にボルト固定される。また、液封入式防振装置1の内外筒31,32は、その軸Oが車体の前後方向に沿う姿勢となる。
内筒31は、図1から図4に示すように、やや肉厚の金属材料から軸Oを有する円筒状体に構成されている。内筒31の一端側(図3及び図4左側)には、フランジ部が内周側に張り出し形成されると共に、そのフランジ部がデファレンシャル装置の後端部にボルト固定される。
即ち、内筒31のフランジ部の軸孔31aには、デファレンシャル装置の後端部から車体後方(図3及び図4右側)へ突出する取付けボルトが挿通されると共に、その取付けボルトにナットが螺合締結され(いずれも図示せず)、これにより、液封入式防振装置1は、デファレンシャル装置の後端部にボルト固定されると共に、その軸Oが車体の前後方向(図3及び図4左右方向)に沿う姿勢に配置される。
外筒32は、図1から図4に示すように、内筒31よりも薄肉の金属材料から軸Oを有する円筒状体に構成され、内筒31の外周側に同心状に配設されている。外筒32は、上述したように、サブフレームの取付け孔内に圧入保持される。また、外筒32には、後述する中間筒10の抜け対策として、その軸方向両端部を内周側へ折り返して張り出させるかしめ加工が施されている。
外筒32と内筒31との間には、図1から図4に示すように、第1及び第2ゴム状弾性体3A〜3Dが介在されている。一対の第1ゴム状弾性体3A,3Bは、内筒31を左右方向(図2矢印LR方向)から挟んで位置する一方、一対の第2ゴム状弾性体3C,3Dは、内筒31を上下方向(図2矢印UD方向)から挟んで位置する。
なお、一対の第1ゴム状弾性体3A,3Bが配設される左右方向(図2矢印LR方向)は、車体の左右方向に対応し、これは、請求項1に記載した第1の方向に対応する。一方、一対の第2ゴム状弾性体3C,3Dが配設される上下方向(図2矢印UD方向)は、車体の上下方向に対応し、これは、請求項1に記載した第2の方向に対応する。
図2に示すように、一方の第1ゴム状弾性体3Aと一方の第2ゴム状弾性体3Cとの間には、それらを室壁とする第1液室34が、一方の第2ゴム状弾性体3Cと他方の第1ゴム状弾性体3Bの間には、それらを室壁とする第2液室35が、他方の第1ゴム状弾性体3Bと他方の第2ゴム状弾性体3Dの間には、それらを室壁とする第3液室36が、他方の第2ゴム状弾性体3Dと一方の第1ゴム状弾性体3Aの間には、それらを室壁とする第4液室37が、内外筒31,32の周方向でそれぞれ形成されている。
これら第1から第4液室34〜37には、エチレングリコール等の不凍性の液体が封入されている。なお、かかる液体は例示であり、他の液体を封入することは当然可能である。他の液体としては、例えば、シリコンオイルが例示される。
外筒32と内筒31との間には、図2から図4に示すように、金属材料から軸Oを有する筒状体に構成される中間筒10が挿通されている。
中間筒10は、軸O方向の両端部が外筒32の内周側に内嵌され、それら両端部の間に位置する中間部分には、図4又は図5に示すように、中間筒10を内筒31側へ凹ませることで、縮径部が縮径形成され、オリフィス流路が確保されると共に、第1から第4液室34〜37に対応する各部分には、図2に示すように、開口部が形成され、後述するオリフィス流路と各液室34〜37との連通が確保されている。
中間筒10の縮径部は、図2から図4に示すように、一対の第1中間筒縮径部10a,10bと、一対の第2中間筒縮径部10c,10dとを備えて構成されている。図2に示すように、一対の第1中間筒縮径部10a,10bは、内筒31を左右方向(図2矢印LR方向)で挟むように位置する一方、一対の第2中間筒縮径部10c,10dは、内筒31を上下方向(図2矢印UD方向)で挟むように位置する。
第1中間筒縮径部10a,10bと第2中間筒縮径部10c,10dとの間には、上述した開口部がそれぞれ形成されているので、図3に示すように、第1中間筒縮径部10a,10bと第2中間筒縮径部10c,10dは、周方向で間隔を空けて位置する。なお、第2中間筒縮径部10c,10dは、第1中間筒縮径部10a,10bよりも周方向の長さが長くされ、その分、後述するオリフィス流路が長くされている。
また、図2に示すように、軸Oに直交する断面視において、第1ゴム状弾性体3A,3Bは、第1中間筒縮径部10a,10bの内周部とこれに対向する内筒31の外周部との間にそれぞれ加硫接着され、第2ゴム状弾性体3C,3Dは、第2中間筒縮径部10c,10dの内周部とこれに対向する内筒31の外周部との間にそれぞれ加硫接着されている。
一対の第2ゴム状弾性体3C,3Dには、図2及び図3に示すように、軸O方向に伸びるすぐり穴61が貫通形成されている。これにより、図2に示すように、一対の第2ゴム状弾性体3C,3Dの周方向における各側壁62がそれぞれ第1から第4液室34〜37の薄肉の室壁に形成されている。
図2に示すように、第1から第4液室34〜37の室壁を構成する一対の第1ゴム状弾性体3A,3Bの各側壁63は、軸Oに直交する断面視で、左右方向(図2矢印LR方向)に沿って配設されており、第1から第4液室34〜37の前記薄肉の室壁を構成する一対の第2ゴム状弾性体3C,3Dの各側壁62は、軸Oに直交する断面視で、軸Oに対して放射直線状に並んで配設されている。
第1から第4液室34〜37の端部壁(内外筒31,32の軸O方向両端における壁)は、図1に示すように、中間筒10の両端部と内筒31とにわたって加硫成形したゴム膜64から構成されている。
また、すぐり穴61の内周部には、図2又は図3に示すように、中間筒10の第2中間筒縮径部10c、10d側から内筒31側へ向けて膨出するストッパ部65が形成されており、上下方向(図2矢印UD方向)における内筒31と外筒32との相対変位を所定の範囲内に抑えるように構成されている。
図2から図4に示すように、中間筒10(各中間筒縮径部10a〜10d)の背面10a1〜10d1側には、第1から第4背面側ゴム部41〜44が加硫成形され、第1から第3背面側ゴム部41〜43には、第1から第3オリフィス91〜93が形成されている。
詳細には、図2及び図3に示すように、一方の第2中間筒縮径部10cの背面10c1側には、第1背面側ゴム部41が加硫成形され、この第1背面側ゴム部41と外筒32との間には、第1液室34と第2液室35とを連通する第1オリフィス91が設けられている。また、他方の第2中間筒縮径部10dの背面10d1側には、第2背面側ゴム部42が加硫成形され、この第2背面側ゴム42と外筒32との間には、第3液室36と第4液室37とを連通する第2オリフィス92が設けられている。
一方、図2及び図4に示すように、一方の第1中間筒縮径部10aの背面10a1側には、第3背面側ゴム部43が加硫成形され、この第3背面側ゴム部43と外筒32との間には、第4液室37と第1液室34とを連通する第3オリフィス93が設けられている。また、他方の第1中間筒縮径部10bの背面10b1側には、第4背面側ゴム部44が加硫成形され、この第4背面側ゴム部44によって、第2液室35と第3液室36とが周方向に区画されている。
第1から第3オリフィス91〜93の流路高さ(図3及び図4上下方向寸法)は、それぞれ略同一に設定される一方、第1及び第2オリフィス91,92の流路幅(図3左右方向寸法)は、第3オリフィス93よりも幅広(本実施の形態では略3倍)に形成されている。
なお、第1オリフィス91と第2オリフィス92とは、略同一の流路幅(即ち、流路断面積)に設定されている。但し、これら各オリフィス91〜94の流路断面積や流路長さが各オリフィス毎にそれぞれ異なるように構成することは当然可能である。これにより、各オリフィスにそれぞれ異なる流体流動効果を発揮させることもできるので、異なる周波数の振動をも減衰させることができる。
以上のように構成された液封入式防振装置1によれば、内外筒31,32が上下方向(図2矢印UD方向)に相対変位すると、その相対変位に伴って、第1液室34と第4液室37との間、及び、第2液室35と第3液室36との間に容積変化が生じる。その結果、液体が第3及び第4オリフィス93を介して流動し、その流体流動効果(液体の共振現象)により上下方向の振動が減衰される。
同様に、内外筒31,32が左右方向(図2矢印LR方向)に相対変位すると、その相対変位に伴って、第1液室34と第2液室35との間、及び、第4液室37と第3液室36との間に容積変化が生じる。その結果、液体が第1及び第2オリフィス91,92を介して流動し、その流体流動効果(液体の共振現象)により左右方向の振動が減衰される。
なお、内外筒31,32の上下方向の相対変位が所定の長さに達すると、ストッパ部65の頂部が内筒31の外周部に突き当たることで、それを越える上下方向の相対変位が阻止される。
また、液封入式防振装置1の製造は、まず、第1及び第2ゴム状弾性体3A〜3Dや第1から第3背面側ゴム部41〜44等を内筒31及び中間筒10に加硫成形した後、その成形品(中間筒10)を外筒32に対して液中で内嵌圧入する。次いで、成形体が内嵌された外筒32に、その外径寸法を縮径させる絞り加工と、外筒32の軸O方向両端部を内周側に折り返すかしめ加工とを施すことにより行われる。これにより、液封入式防振装置1は、液封入式の防振装置として構成される。
なお、前記絞り加工は、第1及び第2ゴム状弾性体3A〜3D等に与圧縮を付与して、耐久性の向上を図るために行われるものであり、前記かしめ加工は、外筒32に対する中間筒10の抜け対策として行われるものである。
次いで、図5及び図6を参照して、第4背面側ゴム部44の詳細構成について説明する。図5(a)は、液封入式防振装置1の部分拡大断面図であり、図2中にVaで示した部位の分解図に対応する。また、図5(b)は、図5(a)の矢印Vb方向から見た第4背面側ゴム部44の正面図であり、図6は、図5(b)のVI−VI線における第4背面側ゴム部44の断面図である。
第4背面側ゴム部44には、図5及び図6に示すように、その外周面44aから第4軸方向リップ部54が凸条状に突出して形成されている。この第4軸方向リップ部54は、外筒32の内周面側に密着して、かかる外筒32と中間筒10との間をシールすることで、第2液室35と第3液室36とを周方向に区画し(図2参照)、その連通を防止するためのシールリップであり、軸O方向に沿って延びている。
第4軸方向リップ部54の両端部(図5(b)左右方向端部)は、図5及び図6に示すように、周方向リップ部55に接続されている。なお、周方向リップ部55は、外筒32の内周面側に密着して、かかる外筒32と中間筒10との間をシールすることで、第1から第4液室34〜37と外部との連通を防止するための凸条状のシールリップであり、軸方向一端側及び他端側に各2本ずつが環状に形成されている。
ここで、上述したように、外筒32には、その軸心O方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工が施される。この場合、外筒32は、かしめ加工時の加工力によって、軸O方向中間位置(例えば、図3又は図4左右方向中間位置)が外径方向へ盛り上がるように変形しまう。そのため、従来品では、外筒32と中間筒10との間のシール性が低下して、隣接する液室同士(例えば、第2液室35と第3液室36)が連通してしまうという問題点があった。
これに対し、本発明の液封入式防振装置1によれば、図6に示すように、第4軸方向リップ部54が第4背面側ゴム部44の外周面44aから突出する突出高さh(図6上下方向寸法)を、その端部(即ち、周方向リップ部55との接続部)で周方向リップ部55と同一の突出寸法に設定し、かつ、周方向リップ部55から離間するに従ってその突出寸法を増加させ、中間筒10(即ち、外筒32)の軸心O方向中間位置に相当する位置P1において最大となるように設定した。
これにより、上記のように外筒32が変形した場合であっても、外筒32と中間筒10との間のシール性を確保して、第2液室35と第3液室36とを周方向に確実に区画することができるので(図2参照)、液体流動効果の低下やそのばらつきを回避して、安定した動的特性を得ることができる。
また、本発明の液封入式防振装置1によれば、図6に示すように、軸心Oに対する第4背面側ゴム部44の外周面44aの径寸法(軸心Oから第4背面側ゴム部44の外周面44aまでの距離寸法であり、図6上下方向寸法)を軸心O方向(図6左右方向)に沿って一定の寸法に設定した。即ち、第4軸方向リップ部54の突出寸法のみが軸心O方向に変化を有するように構成し、第4背面側ゴム部44の外周面44aは軸心Oに対して平行なフラット面に構成した。
その結果、外筒32をかしめ加工した際、上記のように、外筒32の軸方向中間位置が外径方向へ盛り上がるように変形した場合には、第4軸方向リップ部54の突出寸法が位置P1で最大とされていることにより、外筒32と中間筒10との間のシール性を確保することができる一方、外筒32の前記変形が、外筒32の寸法公差やかしめ加工の加工ばらつき等に起因して、ほとんど生じない場合や比較的小さい場合でも、その外筒32の変形ばらつきを第4軸方向リップ部54が効果的に吸収して、前記シール性を確保することができる。
即ち、第4軸方向リップ部54の突出高さhに加え、第4背面側ゴム部44の外周面44aの径寸法も軸O方向に変化を有するように構成したのでは、外筒32の前記変形がほとんど生じない場合や比較的小さい場合に、第4背面側ゴム部44が変形するためのスペースを中間筒10と外筒32との間に確保することができない。
そのため、中間筒10と外筒32との間で押圧された第4背面側ゴム部44からの反力により、中間筒10が変形したり、第2軸方向リップ部54が倒れる、或いは、第4背面側ゴム部44の外周面44aや第4軸方向リップ部54にしわが発生し、中間筒10と外筒32との間のシール性の低下を招いてしまうという問題点がある。本発明の液封入式防振装置1によれば、この問題点を解消することができる。
次いで、図7及び図8を参照して、第3背面側ゴム部43の詳細構成について説明する。図7(a)は、液封入式防振装置1の部分拡大断面図であり、図2中にVIIaで示した部位の分解図に対応する。また、図7(b)は、図7(a)の矢印VIIb方向から見た第3背面側ゴム部43の正面図であり、図8は、図7(b)のVIII−VIII線における第3背面側ゴム部43の断面図である。
第3背面側ゴム部43には、図7及び図8に示すように、その外周面43aから第3軸方向リップ部53が凸条状に突出して形成されている。この第3軸方向リップ部54は、第1液室34と第4液室37とを周方向に区画し(図2参照)、その連通を防止するためのシールリップであり、軸O方向に沿って延びている。
また、第3背面側ゴム部43には、図7及び図8に示すように、その外周面43aから第3オリフィス用リップ部56が凸条状に突出して形成されている。この第3オリフィス用リップ部56は、第3オリフィス93の延設方向(図7矢印XY方向)に沿って延び、その延設方向中間位置P2には、上述した第3軸方向リップ部53が接続されている。
第3オリフィス用リップ部53は、図7及び図8に示すように、第3背面側ゴム部43の外周面43a上であって、その第3背面側ゴム部43の外周面43aと第3オリフィス93のオリフィス壁93aとが交差する稜線P5側の最縁部に形成されている。また、第3オリフィス用リップ部53は、図7に示すように、第3オリフィス93の始端部P3から終端P4まで連続して形成されている。
ここで、従来品では、第3オリフィス用リップ56に相当するシールリップが設けられていないか、第3オリフィス93のオリフィス壁93aから離間した位置に形成されていた。しかし、このような従来品では、オリフィス壁93a近傍において、第3背面側ゴム部43の外周面43aと外筒32の内周面との間に隙間が生じ、オリフィス壁93aを中間筒10と外筒32との間で強固に固定することができない。
その結果、オリフィス壁93aが倒れる方向(又はその逆方向、即ち、図8左右方向)へ変形し易くなり、第3オリフィス93の幅(断面積)にばらつきが発生するため、安定した動的特性を得ることができないという問題点があった。
これに対し、本発明の液封入式防振装置1では、上記のように、第3オリフィス用リップ部56を第3オリフィス93側の最縁部に形成したので、オリフィス壁93a近傍において、中間筒10と外筒32との間に隙間が形成されることを回避することができ、その分、オリフィス壁93aを中間筒10と外筒32との間で強固に固定することができる。よって、従来品と比較して、オリフィス壁93aの倒れ方向(又はその逆方向)への変形を確実に抑制することができる。その結果、オリフィスの幅(断面積)がばらつくことを抑制して、安定した動的特性を得ることができる。
また、第3オリフィス用リップ部56は、図7に示すように、第3オリフィス93側の最縁部において、第3オリフィス93の始端部P3から終端部P4まで連続して形成されているので、その分、オリフィス壁93aの全体を中間筒10と外筒32との間でより強固に固定して、オリフィス壁93aの倒れ方向(又はその逆方向)への変形をより効果的に抑制することができる。
ところで、上記の通り、外筒32にかしめ加工を施した場合には、外筒32の軸方向中間位置が外径方向へ盛り上がるように変形してしまうが、この変形も、オリフィス壁93a近傍における中間筒10と外筒32との間の隙間を大きくして、オリフィス93aの倒れを招く要因であった。なお、第3オリフィス93は、軸心O方向中間位置(図7左右方向中間位置)に形成される。これは、成型品が軸心O方向に方向性を有することを防止して、その成形品を外筒32に内嵌圧入する際の組み立て作業性の向上を図るためである。
この外筒32の変形に対し、本発明の液封入式防振装置1によれば、上記したように、第3オリフィス用リップ部56が、前記オリフィス壁93a側の最縁部(即ち、軸O方向中間位置)に形成されているので、中間筒10と外筒32との間の隙間を最小とすることができる。その結果、上記と同様に、オリフィスの幅(断面積)がばらつくことを抑制して、安定した動的特性を得ることができる。
また、第3オリフィス用リップ部56には、上記したように、第3軸方向リップ部53が接続されている。よって、第3軸方向リップ部53による保持力により、オリフィス壁93aの倒れ方向(又はその逆方向)への変形をより確実に抑制することができるので、オリフィスの幅(断面積)がばらつくことを効果的に抑制して、安定した動的特性をより確実に得ることができる。
更に、第3軸方向リップ部53は、上記のように、第3オリフィス用リップ部56の延設方向中間位置P2に接続されているので、第3オリフィス用リップ部56の倒れ方向(又はその逆方向)への変形をより少ない本数で効果的に防止することができる。その結果、ゴム材料の使用量を低減して、材料コストの削減を図ることができる。
なお、本発明の液封入式防振装置1では、図8に示すように、第3軸方向リップ部53が第3背面側ゴム部43の外周面43aから突出する突出高さh(図8上下方向寸法)を、上記した第4軸方向リップ部54の場合と同様に、その端部(即ち、周方向リップ部55との接続部)で周方向リップ部55と同一の突出寸法に設定し、かつ、周方向リップ部55から離間するに従ってその突出寸法を増加させ、第3オリフィス用リップ部56との接続部P2において最大となるように設定した。
これにより、上記の通り、かしめ加工により外筒32が変形した場合であっても、外筒32と中間筒10との間のシール性を確保して、第1液室34と第4液室37とを周方向に確実に区画することができるので(図2参照)、液体流動効果の低下やそのばらつきを回避して、安定した動的特性を得ることができる。
また、本発明の液封入式防振装置1では、図8に示すように、軸心Oに対する第3背面側ゴム部43の外周面43aの径寸法(軸心Oから第3背面側ゴム部43の外周面43aまでの距離寸法であり、図8上下方向寸法)を、上記した第4背面側ゴム部44の外周面44aの倍と同様に、軸心O方向(図8左右方向)に沿って一定の寸法に設定した。即ち、第3軸方向リップ部53の突出寸法のみが軸心O方向に変化を有するように構成し、第3背面側ゴム部43の外周面43aは軸心Oに対して平行なフラット面に構成した。
その結果、上記の通り、外筒32をかしめ加工した際、外筒32の軸方向中間位置が外径方向へ盛り上がるように変形した場合には、第3軸方向リップ部53の突出寸法が第3オリフィス用リップ56側ほど高くされていることにより、外筒32と中間筒10との間のシール性を確保することができる一方、外筒32の前記変形が、外筒32の寸法公差やかしめ加工の加工ばらつき等に起因して、ほとんど生じない場合や比較的小さい場合でも、その外筒32の変形ばらつきを第3軸方向リップ部53が効果的に吸収して、前記シール性を確保することができる。
即ち、上記した通り、中間筒10と外筒32との間で押圧された第3背面側ゴム部43からの反力により、中間筒10が変形したり、第3オリフィス用リップ部56や第3軸方向リップ部53が倒れる、或いは、第3背面側ゴム部43の外周面43aや第3軸方向リップ部53、第3オリフィス用リップ部56にしわが発生し、中間筒10と外筒32との間のシール性の低下を招いてしまうという問題を解消することができる。
なお、第1及び第2背面側ゴム部41,42の構成は、上記したように、第3背面側ゴム部43に対し、オリフィス流路の流路幅及び流路長さが異なるのみである。即ち、かかる第1及び第2背面側ゴム部41,42に形成される各シールリップ(第1及び第2軸方向リップ部、第1及び第2オリフィス用リップ部)の構成も、上記説明した第3背面側ゴム部43の各シールリップ(第3軸方向リップ部53、第3葉オリフィス用リップ部56)と同様の技術的思想に基づいて構成されるものであるので、その説明は省略する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、第3背面側ゴム部43の外周面43aに第3軸方向リップ部53を設ける場合を説明したが、これに加え、第3補助リップ部57を更に備えるように構成しても良い。この変形例について、図9を参照して説明する。なお、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図9に示すように、第3背面側ゴム部43には、その外周面43aから一対の第3補助リップ部57が凸条状に突出されており、この一対の第3補助リップ部57は、互いに平行を保ちつつ、軸O方向に沿って延び、第3オリフィス用リップ部56と周方向リップ部55とを接続している。第3補助リップ部57は、第3軸方向リップ部53に対して、配設位置が異なるのみであり、その他の構成は同じである。
なお、一対の第3補助リップ部57は、その一方が第3オリフィス用リップ部56の始端部P3に接続され、他方が第3オリフィス用リップ部56の終端部P4に接続されている。そのため、オリフィス壁93が最も変形し易い部位、即ち、第1又は第4液室54,57と第3オリフィス93とがそれぞれ連結される各コーナー部(即ち、第3オリフィス93の始端及び終端部P3,P4)の変形を、かかる第3補助リップ部57によって、効果的に抑制することができる。
上記実施の形態では、第3及び第4軸方向リップ部53,54が周方向リップ部55から第3オリフィス用リップ部56又は位置P1へ向けて直線状に上昇傾斜するように構成される場合を説明したが(図6及び図8参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、第3及び第4軸方向リップ部53,54が外方(図6及び図8上方)に凸の曲線状に湾曲しつつ上昇傾斜するように構成することは当然可能である。また、直線と曲線とを組み合わせた形状にて上昇傾斜するように構成しても良い。
上記実施の形態では、第3及び第4軸方向リップ部53,54のリップ幅W1,W2(図5及び図7参照)が軸O方向に沿って一定寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかるリップ幅W1,W2が軸O方向に沿って変化を有するように構成することは当然可能である。
なお、この場合には、第3及び第4軸方向リップ部53,54が第3及び第4背面側ゴム部43,44の外周面43a,44aから突出する突出高さhが高くなるに従って、前記リップ幅W1,W2を拡幅させ、第3軸方向リップ部53は第3オリフィス用リップ部56との接続部P2で、第4軸方向リップ部54は軸O方向中間位置(位置P1)で、それぞれ最大幅となるように構成することが好ましい。
これにより、上記かしめ加工に伴う外筒32の上記変形が小さい場合には、軸O方向中間位置の近傍における第3及び第4軸方向リップ部53,54を倒れさせることなく、安定した状態(形状)で圧縮変形させることができ、その結果、第3及び第4軸方向リップ部53,54を外筒32の内周面に強固に密着させ、中間筒10と外筒32との間のシール性を確実に確保することができる。
一方、外筒32の上記変形が大きい場合には、第3及び第4軸方向リップ部53,54の圧縮率が小さくなる軸O方向中間位置の近傍においても、かかる範囲の第3及び第4軸方向リップ部53,54が液圧により変形することを防止して、中間筒10と外筒32との間のシール性を確実に確保することができる。
上記実施の形態を説明する各図では、理解を容易とするために、各リップ部を模式的に図示している。即ち、リップ幅に対するリップ高さ(突出寸法)が大きく図示されているが、必ずしもこの比率に限られるものではなく、かかる比率を適宜変更することは当然可能である。
(a)は、本発明の一実施の形態における液封入式防振装置の正面図であり、(b)は、液封入式防振装置の側面図である。 図1(b)のII−II線における液封入式防振装置の断面図である。 図2のIII−IIIV線における液封入式防振装置の断面図である。 図2のIV−IV線における液封入式防振装置の断面図である。 (a)は、液封入式防振装置の部分拡大断面図であり、(b)は、図5(a)の矢印Vb方向から見た第4背面側ゴム部の正面図である。 図5(b)のVI−VI線における第4背面側ゴム部の断面図である。 (a)は、液封入式防振装置1の部分拡大断面図であり、(b)は、図7(a)の矢印VIIb方向から見た第3背面側ゴム部の正面図である。 図7(b)のVIII−VIII線における第3背面側ゴム部の断面図である。 変形例を示す図であり、第3背面側ゴム部の正面図である。
符号の説明
1 液封入式防振装置
10 中間筒
10a,10b 第1中間筒縮径部(中間筒縮径部)
10c,10d 第2中間筒縮径部(中間筒縮径部)
10a1〜10d1 背面
31 内筒
32 外筒
3A,3B 第1ゴム状弾性体
3C,3D 第2ゴム状弾性体
34 第1液室
35 第2液室
36 第3液室
37 第4液室
41 第1背面側ゴム部
42 第2背面側ゴム部
43 第3背面側ゴム部
44 第4背面側ゴム部
43a,44a 外周面
53 第3軸方向リップ部
54 第4軸方向リップ部
55 周方向リップ部
56 第3オリフィス用リップ部
57 第3補助リップ部
62 側壁(室壁)
63 側壁(室壁)
91 第1オリフィス
92 第2オリフィス
93 第3オリフィス
93a オリフィス壁
O 軸
h 突出高さ(第1から第4軸方向リップ部の突出高さ)
P1 位置(外筒の軸方向中間位置)
P2 接続部(第1から第3オリフィス側の端部、第1から第3オリフィス用リップ部の延設方向中間位置)
P3 始端部(第1から第3オリフィスの始端部、第1から第3オリフィス用リップ部の始端部)
P4 終端部(第1から第3オリフィスの終端部、第1から第3オリフィス用リップ部の終端部)
P5 稜線
W1,W2 リップ幅
L−R 左右方向(第1の方向)
U−D 上下方向(第2の方向)
X−Y 延設方向(第1から第3オリフィスの延設方向)

Claims (2)

  1. 内筒と、その内筒の外周側に配置される中間筒と、その中間筒が内嵌される外筒と、前記中間筒と前記内筒との間に介在し前記内筒を第1の方向から挟んで位置する一対の第1ゴム状弾性体と、前記中間筒と前記内筒との間に介在し前記内筒を前記第1の方向と直交する第2の方向から挟んで位置する一対の第2ゴム状弾性体と、
    前記内筒と中間筒との周方向で前記第1ゴム状弾性体の一方と前記第2ゴム状弾性体の一方との間にそれら第1ゴム状弾性体の一方と第2ゴム状弾性体の一方とを室壁として形成される第1液室と、前記周方向で前記第2ゴム状弾性体の一方と前記第1ゴム状弾性体の他方との間にそれら第2ゴム状弾性体の一方と第1ゴム状弾性体の他方とを室壁として形成される第2液室と、前記周方向で前記第1ゴム状弾性体の他方と前記第2ゴム状弾性体の他方との間にそれら第1ゴム状弾性体の他方と第2ゴム状弾性体の他方とを室壁として形成される第3液室と、前記周方向で前記第2ゴム状弾性体の他方と前記第1ゴム状弾性体の一方との間にそれら第2ゴム状弾性体の他方と第1ゴム状弾性体の一方とを室壁として形成される第4液室と、
    前記第1液室と第2液室とを連通する第1オリフィスと、前記第3液室と第4液室とを連通する第2オリフィスと、前記第4液室と第1液室とを連通する第3オリフィスと、を備え、
    前記中間筒が内嵌された外筒に、その外筒の外径寸法を縮径させる絞り加工と、軸方向両端部を内周側へ折り返すかしめ加工とを施して構成される液封入式防振装置において、
    前記中間筒を前記内筒側へ凹ませて形成される中間筒縮径部と、
    その中間筒縮径部の背面側に加硫成形され、前記第1から第3オリフィスが形成される第1から第3背面側ゴム部と、
    前記中間筒縮径部の背面側に加硫成形され、前記周方向で前記第2液室と第3液室との間に位置する第4背面側ゴム部と、
    前記第1から第4背面側ゴム部の各外周面から凸条状に突出されると共に、前記軸方向に沿って延び、前記第1から第4液室のうちの隣接する液室同士の連通を防止する第1から第4軸方向リップ部と、
    それら第1から第4軸方向リップ部がそれぞれ接続されると共に、前記中間筒の軸方向一端側及び他端側に環状に形成され、前記第1から第4液室と外部との連通を防止する凸条状の周方向リップ部と、を備え、
    前記軸に対する第1から第4背面側ゴム部の外周面の径寸法は、前記軸方向に沿って一定の径寸法に設定され、
    前記第1から第4軸方向リップ部が前記第1から第4背面側ゴム部の外周面から突出する突出高さは、その第1から第4軸方向リップ部の端部で前記周方向リップ部と同一の突出寸法に設定され、かつ、前記周方向リップ部から離間するに従って増加するように設定され、
    前記第1から第3軸方向リップ部は前記第1から第3オリフィス側の端部で、前記第4軸方向リップ部は前記外筒の軸方向中間位置で、それぞれ前記突出高さが最大となるように構成されていることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記第1から第4軸方向リップ部のリップ幅は、前記周方向リップ部から離間するに従って拡幅するように設定され、前記第1から第3軸方向リップ部は前記第1から第3オリフィス側の端部で、前記第4軸方向リップ部は前記外筒の軸方向中間位置で、それぞれ前記リップ幅が最大となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
JP2005039380A 2005-02-16 2005-02-16 液封入式防振装置 Withdrawn JP2006226363A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005039380A JP2006226363A (ja) 2005-02-16 2005-02-16 液封入式防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005039380A JP2006226363A (ja) 2005-02-16 2005-02-16 液封入式防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006226363A true JP2006226363A (ja) 2006-08-31

Family

ID=36987910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005039380A Withdrawn JP2006226363A (ja) 2005-02-16 2005-02-16 液封入式防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006226363A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014024789A1 (ja) * 2012-08-07 2014-02-13 山下ゴム株式会社 液封ブッシュ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014024789A1 (ja) * 2012-08-07 2014-02-13 山下ゴム株式会社 液封ブッシュ
JP2014034999A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Yamashita Rubber Co Ltd 液封ブッシュ
US9377078B2 (en) 2012-08-07 2016-06-28 Yamashita Rubber Kabushiki Kaisha Liquid sealed bushing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5209339B2 (ja) ブラケット付きエンジンマウント
JP5535958B2 (ja) 液封入式防振装置
US11446999B2 (en) Vibration-damping device
JP5919129B2 (ja) 防振装置
JP4922871B2 (ja) 流体封入式防振装置
CN113494556A (zh) 充液式防振装置
JP4340911B2 (ja) 防振装置
JP2006226363A (ja) 液封入式防振装置
JP5512403B2 (ja) 防振装置、及び、防振装置用ブラケット
JP2008163970A (ja) 流体封入式防振装置
JP6231761B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2006226364A (ja) 液封入式防振装置
JP5702250B2 (ja) 液封入式防振装置
WO2019216048A1 (ja) 防振装置
CN107763133B (zh) 发动机悬置的喷嘴板
JP4891295B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2007032745A (ja) 流体封入式防振装置
JP3676025B2 (ja) 液体封入式防振マウント
JP2002227912A (ja) 流体封入式防振マウント
JP5616825B2 (ja) 液封入式防振装置
JP4187147B2 (ja) 液封入式防振装置
JP3774817B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP4697459B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置
JP4227138B2 (ja) 液体封入式防振装置
JP4333877B2 (ja) 液封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061207

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080513