JP2006226251A - タービンロータ - Google Patents

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信也 圓島
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Abstract

【課題】締結ボルトの全長を短縮することができるタービンロータを提供する。
【解決手段】嵌合凹部11及び嵌合凹部に隣接する内周ネジ部12からなる固定部13を有する固定部付きロータ部材5と、固定部付きロータ部材5の嵌合凹部11に嵌合する拡径部4を一端に、雄ネジ部17を他端に有する締結ボルト2と、外周部に設けた外周ネジ部18及び中心部に設けた中心孔19を有しており、締結ボルト2を中心孔19に通して外周ネジ部18を固定部付きロータ部材5の内周ネジ部12に螺合し、締結ボルト2の拡径部4を嵌合凹部11内に拘束する拘束ナット1と、締結ボルト2を挿通する貫通孔9を有し、貫通孔9に締結ボルト2を通して固定部付きロータ部材5に積み重ねた貫通孔付きロータ部材6〜8と、締結ボルト2の雄ネジ部17に螺合して貫通孔付きロータ部材6〜8を固定部付きロータ部材5に締結する締結ナット3とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のロータ部材からなるガスタービンや蒸気タービン等のタービンロータに関する。
タービンロータには、複数のロータ部材を接続して締結ボルトによって固定保持し構成したものがある(特許文献1等参照)。この種の構成のタービンロータでは、各ロータ部材を接続した際に連通するボルト挿通用の貫通孔をロータ部材のそれぞれに設け、各ロータ部材を接続した後に貫通孔に締結ボルトを挿入し、締結ボルトの両端に取り付けたナットを締め付けることでロータ部材を締結するのが一般的である。
特開平5−106466号公報
しかしながら、上記従来技術のように締結ボルトが全てのロータ部材を貫通する構成とすると、締結ボルトの全長は組立後のタービンロータの全長と同等又はそれ以上になる。締結ボルトの全長が長くなると締結ボルトの固有振動数が低下するため、運転範囲に共振点が発生し易くなり軸振動に対する信頼性が低下する。また、製造面においても、長尺の締結ボルトは製作し難く、ボルトの製作精度低下による製造時のボルト曲がりや製作コスト上昇等の一因ともなる。
本発明は、以上に鑑みてなされたものであり、締結ボルトの全長を短縮することができるタービンロータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のロータ部材からなるタービンロータにおいて、嵌合凹部及びこの嵌合凹部に隣接する内周ネジ部からなる固定部を有する固定部付きロータ部材と、この固定部付きロータ部材の前記嵌合凹部に嵌合する拡径部を一端に、雄ネジ部を他端に有する締結ボルトと、外周部に設けた外周ネジ部及び中心部に設けた中心孔を有しており、前記締結ボルトを前記中心孔に通して前記外周ネジ部を前記固定部付きロータ部材の内周ネジ部に螺合し、前記締結ボルトの拡径部を前記嵌合凹部内に拘束する拘束ナットと、前記締結ボルトを挿通する貫通孔を有し、前記貫通孔に前記締結ボルトを通して前記固定部付きロータ部材に積み重ねた少なくとも1つの貫通孔付きロータ部材と、前記締結ボルトの雄ネジ部に螺合して前記貫通孔付きロータ部材を前記固定部付きロータ部材に締結する締結ナットとを備える。
本発明によれば、締結ボルトの全長を短縮することができる。これにより、締結ボルトの製造性やタービンロータの組立性を向上させることができ、製造コストの低減にも寄与する。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態のタービンロータは、締結ボルト2で複数(本例では4つ)のロータ部材5〜8を締結して構成されている。本実施の形態においては、ロータ部材5がシャフト、ロータ部材6が圧縮機インペラ、ロータ部材7が中間軸、ロータ部材8がタービンホイールをそれぞれ構成する場合を図示しているが、各ロータ部材がタービンロータのどの部位を構成するかについては特に限定されるものではない。タービンロータの分割数も4つに限定されず、2つ以上のタービンロータを備えていれば良い。図示したタービンロータは、作動流体の膨張仕事によってタービンホイール8の回転動力を得るものであり、その回転動力は同軸に連結された圧縮機インペラ6や負荷機器(発電機等)に伝達され、それらの駆動源となる。なお、本実施の形態では作動流体が図1中の矢印方向に流れるので、図1中の左側を上流側又は軸方向一方側、図1中の右側を下流側又は軸方向他方側とする。
これらロータ部材5〜8のうち、上流側の端部に位置するロータ部材5は、内周部に嵌合凹部11と内周ネジ部12とからなる固定部13を有している。以下の説明において、必要に応じてロータ部材5を固定部付きロータ部材と称する。内周ネジ部12は、嵌合凹部11の下流側に隣接しており、嵌合凹部11とともに固定部付きロータ部材5の軸心部(回転中心部)に設けられている。したがって、本実施の形態において、固定部付きロータ部材5は、下流側に隣接するロータ部材6側に向けて固定部13が開口し、上流側は閉塞した形状をしている。
前述した締結ボルト9は、固定部付きロータ部材5の嵌合凹部11に嵌合するように拡径した拡径部(ボルト頭部)4を軸方向一方側端部(上流側端部)に備えている。締結ボルト9の拡径部4は、その外径寸法が固定部付きロータ部材5の嵌合凹部11の内径寸法とほぼ同じであり、嵌合凹部11の内周面とともにタービンロータの軸心線にほぼ平行に形成されている。締結ボルト9の軸方向他方側端部(下流側端部)には、雄ネジ部17が設けてある。
また固定部付きロータ部材5の固定部13には、嵌合凹部11に嵌合した締結ボルト2の拡径部4を拘束する拘束ナット1が取り付けられる。この拘束ナット1は、外周部に設けた外周ネジ部18と中心部に設けた中心孔19とを有しており、締結ボルト2を中心孔19に通し、固定部付きロータ部材5の内周ネジ部12に外周ネジ部18を螺合することで固定部13に取り付けられる。これにより締結ボルト2の拡径部4が嵌合凹部11内に拘束され、締結ボルト2が固定部付きロータ部材5に固定され保持される。このとき、締結ボルト2の拡径部4の上流側端面16は固定部付きロータ部材5の嵌合凹部16の軸方向を向いた対向端面14と接触しており、拡径部4の下流側端面15は拘束ナット1と接触している。但し、軸方向を向いた嵌合凹部11と締結ボルト2の対向端面14,16間に所定寸法の間隙が介在するようにしても良い。
上述したロータ部材5〜8のうち、固定部付きロータ部材5の軸方向他方側にあるロータ部材6〜8は、締結ボルト2を挿通する貫通孔9を有している。以下の説明において、必要に応じてロータ部材6〜8を貫通孔付きロータ部材と称する。これら貫通孔付きロータ部材6〜8は、固定部付きロータ部材5に固定された締結ボルト2をそれぞれの貫通孔9に通し、固定部付きロータ部材5に軸方向に積み重ねられる。
このとき、固定部付きロータ部材5及び貫通孔付きロータ部材6〜8は、隣接するロータ部材との対向端面にトルク伝達部22を有しており、このトルク伝達部22を介して隣接するロータ部材が接続されている。本実施の形態において、これらトルク伝達部22にはいわゆるギヤカップリングが用いられており、隣接するロータ部材の両対向端面に形成されたギヤが互いに噛合することによって回転トルクが伝達されるようになっている。これらギヤカップリング22は、固定部付きロータ部材5及び貫通孔付きロータ部材6〜8の回転中心を所定の位置範囲内で一致させる芯出し機能を有している。
貫通孔付きロータ部材6〜8を固定部付きロータ部材5に積み重ねると、下流側端部に位置するロータ部材8の下流側から締結ボルト2の雄ネジ部17が所定量突出するが、この雄ネジ部17に締結ナット3を螺合することで貫通孔付きロータ部材6〜8が固定部付きロータ部材5に締結されている。
次に、本実施の形態に係るタービンロータの組立手順について説明する。
図2及び図3は本発明のタービンロータの組立手順の説明図で、図中の図1と同様の部分には同符号を付してある。
本発明のタービンロータを組み立てる際、まず、図2のように、締結ボルト2の拡径部4を固定部付きロータ部材5の嵌合凹部11に嵌合し、締結ボルト2の上流側端面16を固定部付きロータ部材5の下流側端面(対向端面)14と接触させる。
締結ボルト2を固定部付きロータ部材5に嵌合したら、図3に示したように、拘束ナット1を固定部付きロータ部材5に取り付ける。この場合、既に固定部付きロータ部材5に嵌め込まれた締結ボルト2を中心孔19に通し、固定部付きロータ部材5の内周ネジ部12に外周ネジ部18を螺合することで固定部13に拘束ナット1を取り付ける。これにより締結ボルト2の拡径部4を嵌合凹部11内に拘束し、拡径部4を固定部付きロータ部材5と拘束ナット1との間に挟み込んで締め付け、締結ボルト2を固定部付きロータ部材5に固定し保持する。
その後、固定部付きロータ部材5に固定された締結ボルト2を貫通孔9に通して貫通孔付きロータ部材6〜8を固定部付きロータ部材5に軸方向に積み重ねていく。そして最後に、貫通孔付きロータ部材8の下流側から突出した締結ボルト2の雄ネジ部17に締結ナット3を螺合し、締結ナット3を締め込むことでロータ部材5〜8を強固に締結してタービンロータの組み立てを終了する。
本実施の形態によれば、固定部付きロータ部材5の内部に固定部15を設け拘束ナット1を締め込んで締結ボルト2の拡径部4を拘束し固定する構成としている。つまり、固定部付きロータ部材5に締結ボルト2を貫通しないので、固定部付きロータ部材5の軸方向長さに応じて締結ボルト2の全長を短縮することができる。
そして、このように締結ボルト2の全長を短縮することができるので、締結ボルト2の固有振動数を高め、締結ボルト2の共振点がロータ運転範囲外の値となるようにタービンロータを設計し易くなり、軸振動に対する信頼性を向上させることができる。また、締結ボルト2の全長を短縮することができるので、締結ボルト2の製作を容易化することができ、併せて製造コストを低減することもできる。
また、本実施の形態において、締結ボルト9の拡径部4は、その外径寸法が固定部付きロータ部材5の嵌合凹部11の内径寸法とほぼ同じであり、嵌合凹部11の内周面とともにタービンロータの軸心線にほぼ平行に形成されている。つまり、嵌合凹部11に拡径部4を嵌合することで、必然的に締結ボルト9の軸心をタービンロータの回転軸に精度良く一致させることができ、タービンロータのアンバランス量を小さくすることができる。これにより、運転時の過大な振動の発生を抑制することができ、タービンロータの信頼性を向上させることができる。
また、締結ボルト2の中心軸とタービンロータの中心軸が高精度に一致するので、組立時に締結ボルト2がタービンロータの中心軸から外れてロータ中心孔(貫通孔9)と干渉・接触し難くなり、タービンロータの組立性も向上する。
ここで、単に締結ボルトの全長を短縮する限りでは、例えば本実施の形態においてロータ部材15に固定部13の代わりに単なるネジ穴を設け、さらに締結ボルト2の一端側を拡径部4ではなく雄ネジとし、貫通孔付きロータ部材6〜8の貫通孔9を通した締結ボルト2をロータ部材5のネジ穴にねじ込む構成とすることでも効果を得ることができる。しかしこの場合、ロータ部材5のネジ穴と締結ボルト2の雄ネジとの間にガタが生じるため、締結ボルトの中心軸とタービンロータの中心軸との平行度を精度良く保つことは困難である。
さらには、本実施の形態では、隣接するロータ部材同士を接続しているトルク伝達部22にギヤカップリングを用いているので、その芯出し機能によって各ロータ部材の中心軸を一致させることができる。このこともタービンロータのアンバランスの抑制に寄与する。
なお、拡径部4の端面16と締結ボルト2の中心軸との直角度、及び嵌合凹部11の拡径部4の端面16との対向端面14と固定部付きロータ部材5の中心軸との直角度を精度良く製作することで、固定部付きロータ部材5と締結ボルト2の互いの対向端面14,16が接触するように組み立てた際、固定部付きロータ部材5の中心軸と締結ボルト2の中心軸との平行度を精度良く保つことも可能である。JIS規格に基づけば、一般に前述した直角度を0.005程度に仕上げれば、固定部付きロータ部材5と締結ボルト2の中心軸の平行度を高精度に維持することができると言える。但し、対向端面14,16の直径や締結ボルト2の全長によっては例示した値より直角度の精度が低くても、中心軸の平行度を十分に確保することができる場合もある。
図4は本発明の第2の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。この図において図1と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態が前述した第1の実施の形態と相違する点は、隣接するロータ部材同士の接続構成にある。
すなわち、図4において、本実施の形態におけるトルク伝達部22’は、ギヤカップリングではなく所定の摩擦係数を有する摩擦面(接触面)により構成されている。本実施の形態における摩擦面は平滑な面であるが、その形状は特に限定されない。締結ボルト2及び締結ナット3を締付けることによって摩擦面に接触面圧を発生させ、摩擦面に作用する摩擦力によって回転トルクを伝達する構成である。
また、このトルク伝達部(摩擦面)22’には、隣接するロータ部材の対向端面に位置決め手段(芯出し手段)としてインロー結合部20が設けられている。本例では、各ロータ部材5〜8の軸心部にロータ部材と同心円状に凹部及び凸部からなるインロー結合部20を設けてあるが、各ロータ部材を同心状に接続することができれば、ロータ部材と同心状に設ける必要はない。また、インロー結合部20の形状も必ずしも円形にする必要はなく、例えばスリット状にすることも考えられる。
その他の構成については第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、締結ボルト2がタービンロータ全体を貫通しない構成であるため、締結ボルト2の全長を短縮することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態においては、単なる摩擦面からなるトルク伝達部22’を介して隣接するロータ部材同士を接続している。摩擦面そのものにはギヤカップリングのような芯出し機能はないが、インロー結合部20を設けたことにより、隣接するロータ部材同士を同心状に接続することができる。また、本構成の場合、ギヤカップリングを用いた場合よりも構成を簡素化することができる。
図5は本発明の第3の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。この図において図1又は図4と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態が前述した第1の実施の形態と相違する点は、締結ボルト2そのものを利用して各ロータ部材5〜8の軸心を一致させる構成としたことにある。 図5に示したように、本実施の形態において、貫通孔付きロータ部材6〜8の貫通孔9には、その内径寸法が締結ボルト2の外径にほぼ等しい(同等かそれよりも僅かに小さい程度)拘束部21が設けてある。図5ではロータ部材6〜8の貫通孔9の一部(中央部付近一箇所)に拘束部21が形成されている例を図示しているが、拘束部21の軸方向位置や設置数は図示した態様に限定されず、またその軸方向長さについても、図示した態様に限らず例えば貫通孔9の全長に亘って拘束部21を設けることも考えられる。
すなわち、本実施の形態は、各貫通孔付きロータ部材6〜8の拘束部21が締結ボルト2の外周部に接触し、締結ボルト2によって貫通孔付きロータ部材6〜8の径方向への動きが拘束される構成であり、貫通孔付きロータ部材6〜8の軸心位置は締結ボルト2との接触によって決定されている。また本実施の形態では、拘束部21と締結ボルト2の外周側が接触するため、組立時、例えば、貫通孔付きロータ部材6〜8の温度を上昇させ、拘束部21の内径を熱膨張によって大きくした状態で締結ボルト2を組み入れる焼き嵌め方式や、大きな外力を発生させて締結ボルト2を拘束部21内に押し込む圧入方式を利用して組み立てる。
その他の構成については第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、締結ボルト2がタービンロータ全体を貫通しない構成であるため、締結ボルト2の全長を短縮することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、単なる摩擦面からなるトルク伝達部22’を介して隣接するロータ部材同士を接続している。摩擦面そのものにはギヤカップリングのような芯出し機能はないが、拘束部21を締結ボルト2の外周部に接触させることにより、隣接するロータ部材同士を同心状に接続することができる。また、本実施の形態の場合、締結ボルト2に曲がりが生じている場合には、各ロータ部材の軸心がずれてしまう恐れがあるが、締結ボルト2の全長が短く締結ボルト2に曲がりが生じ難いため、ロータ部材同士の軸心位置のずれも生じ難い。
以上においては、いわゆる1軸式のタービンロータに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、2軸式ガスタービンにも勿論適用可能である。2軸式ガスタービンは、互いに独立して回転する高圧タービンと低圧タービンを備えており、高圧タービンと低圧タービンを異なる回転数で駆動することが可能である。高圧タービンは圧縮機と同軸に連結され、その回転動力は圧縮機の駆動源として用いられる。対して低圧タービンは、一般に、発電機やポンプ(或いは圧縮機)等といった負荷機器に接続され、その回転動力は負荷機器の駆動源として用いられる。以下に、前述した第1〜3の実施の形態を2軸式ガスタービンの低圧タービン(パワータービン)に適用した実施の形態を説明する。なお、特に図示して説明はしないが、高圧タービン側のタービンロータに対しても前述した各実施の形態と同様にして本発明は適用可能である。
図6は本発明の第4の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。この図において図1と同様の部分及び同様の役割を果たす部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態は、2軸式ガスタービンの低圧タービン(パワータービン)ロータに前述した第1の実施の形態を適用した例である。
図6に示すように、本実施の形態のタービンロータも、複数(本例では3つ)のロータ部材101〜103を締結して構成されている。ロータ部材101はタービンホイール、ロータ部材102は中間軸、ロータ部材103はシャフトをそれぞれ構成し、特に図示していないが、タービンホイール103の下流側には負荷機器(発電機やポンプ等)が接続され、作動流体の膨張仕事によって得られたタービンホイール103の回転動力が伝達されて負荷機器が駆動する。図6では作動流体の流れ方向(矢印方向)に対応し、図中の左側を上流側又は軸方向一方側、図中の右側を下流側又は軸方向他方側としている。
本実施の形態においては、ロータ部材102が貫通孔付きロータ部材、ロータ部材103が固定部付きロータ部材を構成している。ロータ部材103は、ジャーナル軸受111,112及びスラスト軸受113で支持されている。これら軸受111〜113には、例えば、すべり軸受、ころがり軸受、磁気軸受等が用いられる。
本実施の形態では、締結ボルト2の拡径部4は固定部付きロータ部材103の嵌合凹部11に嵌合し、固定部付きロータ部材103に嵌合した締結ボルト2を通して拘束ナット1が固定部付きロータ部材103の外周ネジ部18に取り付けられている。これにより、固定部付きロータ部材103に締結ボルト2が固定され保持されている。貫通孔付きロータ部材102は固定部付きロータ部材103に固定された締結ボルト2を通して固定部付きロータ部材103に軸方向に積み重ねられている。そして、貫通孔付きロータ部材102の上流側から突出した締結ボルト2の雄ネジ部17に締結ナット3を螺合し、締結ナット3を締め込むことでロータ部材102,103が強固に締結されている。ロータ部材(中間軸)102の上流側に隣接するロータ部材(タービンホイール)101は、スタッキングボルト104によってロータ部材102に締結されている。
その他の構成については第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、締結ボルト2がタービンロータ全体を貫通しない構成であるため、締結ボルト2の全長を短縮することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図7は本発明の第5の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。この図において図4、図6と同様の部分及び同様の役割を果たす部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態は、2軸式ガスタービンの低圧タービン(パワータービン)ロータに前述した第2の実施の形態を適用した例である。すなわち、第2の実施の形態と同様、ギヤカップリングの代わりにロータ部材102,103間のトルク伝達部22’に摩擦面(接触面)を採用し、トルク伝達部(摩擦面)22’にインロー結合部20を設けた実施の形態である。その他の構成は第4の実施の形態と同様の構成であり、本実施の形態においては第2及び第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図8は本発明の第6の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。この図において図5、図6と同様の部分及び同様の役割を果たす部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態は、2軸式ガスタービンの低圧タービン(パワータービン)ロータに前述した第3の実施の形態を適用した例である。すなわち、第3の実施の形態と同様、ギヤカップリングの代わりにロータ部材102,103間のトルク伝達部22’に摩擦面(接触面)を採用し、貫通孔付きロータ部材102の貫通孔9の内周部に締結ボルト2の外周部に接触する拘束部21を設けた実施の形態である。その他の構成は第4の実施の形態と同様の構成であり、本実施の形態においては第3及び第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の各実施の形態においては、固定部付きロータ部材の固定部と締結ボルトの中心線がタービンロータの回転中心に一致するように構成した場合を例に挙げて説明したが、タービンロータの回転中心から固定部及び締結ボルトの中心線が径方向に外れるような場合にも本発明は適用可能である。例えば、図6〜図8でロータ部材101,102をスタッキングボルト104で締結しているが、このような箇所に本発明を適用することもできるし、例えば圧縮機ディスクやタービンディスクを周方向複数箇所で締結してロータを構成するような場合にも本発明は適用可能である。さらには、タービン設備以外の機器であっても、例えばモータや発電機といったようなロータを有するものに対し、そのロータに本発明を適用することも可能である。これらの場合も上記と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。 本発明のタービンロータの組立手順の説明図である。 本発明のタービンロータの組立手順の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係るタービンロータの全体構成を表す断面図である。
符号の説明
1 拘束ナット
2 締結ボルト
3 締結ナット
4 拡径部
5 固定部付きロータ部材
6〜8 貫通孔付きロータ部材
9 貫通孔
11 嵌合凹部
12 内周ネジ部
13 固定部
17 雄ネジ部
18 外周ネジ部
19 中心孔
20 インロー結合部
21 拘束部
22,22’ トルク伝達部
102 貫通孔付きロータ部材
103 固定部付きロータ部材

Claims (8)

  1. 複数のロータ部材からなるタービンロータにおいて、
    嵌合凹部及びこの嵌合凹部に隣接する内周ネジ部からなる固定部を有する固定部付きロータ部材と、
    この固定部付きロータ部材の前記嵌合凹部に嵌合する拡径部を一端に、雄ネジ部を他端に有する締結ボルトと、
    外周部に設けた外周ネジ部及び中心部に設けた中心孔を有しており、前記締結ボルトを前記中心孔に通して前記外周ネジ部を前記固定部付きロータ部材の内周ネジ部に螺合し、前記締結ボルトの拡径部を前記嵌合凹部内に拘束する拘束ナットと、
    前記締結ボルトを挿通する貫通孔を有し、前記貫通孔に前記締結ボルトを通して前記固定部付きロータ部材に積み重ねた少なくとも1つの貫通孔付きロータ部材と、
    前記締結ボルトの雄ネジ部に螺合して前記貫通孔付きロータ部材を前記固定部付きロータ部材に締結する締結ナットと
    を備えたことを特徴とするタービンロータ。
  2. 複数のロータ部材からなるタービンロータにおいて、
    軸心部に嵌合凹部及びこの嵌合凹部に隣接する内周ネジ部からなる固定部を有する固定部付きロータ部材と、
    この固定部付きロータ部材の前記嵌合凹部に嵌合する拡径部を一端に、雄ネジ部を他端に有する締結ボルトと、
    外周部に設けた外周ネジ部及び中心部に設けた中心孔を有しており、前記締結ボルトを前記中心孔に通して前記外周ネジ部を前記固定部付きロータ部材の内周ネジ部に螺合し、前記締結ボルトの拡径部を前記嵌合凹部内に拘束する拘束ナットと、
    前記締結ボルトを挿通する貫通孔を有し、前記貫通孔に前記締結ボルトを通して前記固定部付きロータ部材に積み重ねた少なくとも1つの貫通孔付きロータ部材と、
    前記締結ボルトの雄ネジ部に螺合して前記貫通孔付きロータ部材を前記固定部付きロータ部材に締結する締結ナットと
    を備えたことを特徴とするタービンロータ。
  3. 請求項1又は2に記載のタービンロータにおいて、前記拡径部は、その外径寸法が前記固定部付きロータ部材の嵌合凹部の内径寸法とほぼ同じであり、前記嵌合凹部の内周面とともに前記固定部付きロータ部材の軸心線にほぼ平行に形成されていることを特徴とするタービンロータ。
  4. 請求項1又は2に記載のタービンロータにおいて、前記固定部付きロータ部材及び貫通孔付きロータ部材は、隣接するロータ部材との対向端面にトルク伝達部を有しており、このトルク伝達部を介して隣接するロータ部材が接続していることを特徴とするタービンロータ。
  5. 請求項4に記載のタービンロータにおいて、前記トルク伝達部は、ギヤカップリングであることを特徴とするタービンロータ。
  6. 請求項4に記載のタービンロータにおいて、前記トルク伝達部は、摩擦面であることを特徴とするタービンロータ。
  7. 請求項6に記載のタービンロータにおいて、前記摩擦面は、インロー結合部を備えていることを特徴とするタービンロータ。
  8. 請求項1又は2に記載のタービンロータにおいて、前記貫通孔付きロータ部材の貫通孔には、その内径寸法が前記締結ボルトの外径にほぼ等しく、前記貫通孔付きロータ部材の径方向への動きを拘束する拘束部が設けられていることを特徴とするタービンロータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011188612A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Honda Motor Co Ltd 遠心型圧縮機
WO2024043269A1 (ja) * 2022-08-23 2024-02-29 三菱重工コンプレッサ株式会社 ロータ及び圧縮機

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