JP2006225387A - メソゲン性化合物、液晶媒体および液晶ディスプレイ - Google Patents

メソゲン性化合物、液晶媒体および液晶ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】液晶ディスプレイにおいて動作することができ、媒体がブルー相にある温度において動作し、低い動作電圧、動作電圧の低い温度依存性および改善された信頼性を有する液晶媒体を提供する。
【解決手段】本発明は、式I
Figure 2006225387

式中、LG、MG〜MGは、明細書において特定した通りである、
で表されるメソゲン性化合物、これらの化合物の1種または2種以上を含む媒体、好ましくはブルー相を示すメソゲン性媒体、電気光学的光変調素子におけるこれらの使用、ディスプレイにおけるこれらの使用、およびかかるデバイスに関する。

Description

本発明は、メソゲン性化合物、これらの化合物を含む液晶媒体、およびこれらのメソゲン性媒体を光変調媒体として含む電気光学的ディスプレイ、特にメソゲン性変調媒体が、光学的にアイソトロピックな相、好ましくはブルー相にある温度において動作するディスプレイに関する。
ディスプレイにおいて動作させた際にアイソトロピック相にある、電気光学的ディスプレイおよびメソゲン性光変調媒体は、特許文献1に記載されている。ディスプレイにおいて動作させた際に光学的にアイソトロピックなブルー相にある、電気光学的ディスプレイおよびメソゲン性光変調媒体は、特許文献2に記載されている。
これらの参考文献に記載されているメソゲン性媒体およびディスプレイは、液晶をネマティック相において用いる、十分知られた幅広く用いられているディスプレイ、例えばねじれネマティック(TN)モード、超ねじれネマティック(STN)モード、電気制御複屈折(ECB)モードおよびその種々の変法、ならびに面内切換(IPS)モードにおいて動作する液晶ディスプレイ(LCD)と比較して、いくつかの顕著な利点を提供する。これらの利点の中で、最も顕著なのは、これらのはるかに一層迅速な切換時間および顕著に一層広い光学的視野角である。
一方、他の液晶相、例えば表面安定化強誘電性液晶ディスプレイ(SSF LCD)におけるスメクティック相にあるメソゲン性媒体を用いるディスプレイと比較して、特許文献1および特許文献2のディスプレイは、生産するのがはるかに容易である。例えば、これらは、第1に、極めて薄いセルギャップを必要とせず、また、電気光学的効果は、セルギャップの小さい変化に極めて影響を受けやすいというわけではない。
しかし、言及したこれらの特許出願に記載されている液晶媒体は、尚いくつかの用途については十分低くない動作電圧を必要とする。さらに、これらの媒体の動作電圧は、温度によって変化し、一般的に、ある温度において、電圧が温度の上昇に伴って劇的に上昇することが観察されている。これにより、ブルー相における液晶媒体の適用可能性が、ディスプレイ用途について制限される。これらの特許出願に記載されている液晶媒体の他の欠点は、信頼性が中程度であり、極めて要求の厳しい用途において不十分であることである。この中程度の信頼性は、例えば、電圧保持比パラメーター(VHR)として表現することができ、上述の液晶媒体においては90%未満であり得る。
コレステリック相とアイソトロピック相との間のブルー相を有し、通常光学顕微鏡観察により観察され得る、いくつかの化合物および組成物が報告されている。ブルー相が観察されるこれらの化合物または組成物は、典型的には、高いキラリティーを示す単一のメソゲン性化合物または混合物である。しかし、一般的に、観察されるブルー相は、極めて狭い温度範囲にわたるに過ぎず、これは、典型的には、摂氏1度よりも小さい幅であり、および/またはブルー相は、いくらか不都合な温度に位置する。
しかし、特許文献2の新規な高速切換ディスプレイモードを動作させるためには、用いる光変調媒体は、周囲温度を含む広範囲の温度にわたりブルー相でなければならない。従って、可能な限り広く、好都合に位置するブルー相を有する光変調媒体が要求されている。
ドイツ国特許出願公開第DE 102 17 273 A号明細書 国際公開第2004/046 805号パンフレット
従って、広い相範囲でブルー相を有し、メソゲン性化合物自体の適切な混合物により、または好ましくは適切なメソゲン性特性を有するホスト混合物を、広い温度範囲にわたりブルー相を安定化する単一のドーパントもしくはドーパントの混合物と混合することにより達成することができる、変調媒体についての強いニーズがある。
要約すると、液晶ディスプレイにおいて動作することができ、媒体がブルー相にある温度において動作し、以下の技術的改善:
−低い動作電圧、
−動作電圧の低い温度依存性および
−改善された信頼性、例えばVHR
を提供する液晶媒体についてのニーズがある。
驚異的なことに、今回これらの目的が、式I
Figure 2006225387
式中、
LGは、
Figure 2006225387
から選択された3価の基であり、
MG、MGおよびMGは、互いに独立して、MGであり、
MGは、各々の場合において、互いに独立して、
Figure 2006225387
であり、
ここで、
11は、H、F、Cl、CN、NCS、SF、SOCFまたは、直鎖状もしくは分枝状であり、好ましくは1〜20個のC原子を有し、非置換であるか、F、ClもしくはCNにより単置換もしくは多置換されており、ここで1つもしくは2つ以上の隣接していないCH基が、随意に、各々の場合において互いに独立して、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−NH−、−NR01、−SiR0102、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY01=CY01−もしくは−C≡C−により置換されているアルキル、好ましくはH、1〜9個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するn−アルキルもしくはn−アルコキシ、2〜9個のC原子、好ましくは2〜5個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシもしくはアルコキシアルキル、またはCN、NCS、ハロゲン、好ましくはF、Cl、ハロゲン化アルキル、アルケニルまたはアルコキシ、好ましくは一フッ素化、二フッ素化またはオリゴフッ素化アルキル、アルケニルまたはアルコキシ、特に好ましくはCF、OCFHまたはOCFであり、
Figure 2006225387
は(1つよりも多く存在する場合には、各々の場合において互いに独立して)、芳香環および/もしくは脂環式環、または2個もしくは3個以上の縮合した芳香環もしくは脂環式環を含む基であり、ここで、これらの環は、随意に、N、OおよびSから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含み、随意にRにより単置換または多置換されており、好ましくは、式Iに示す中心のC原子に隣接する
Figure 2006225387
の少なくとも1つ、一層好ましくは少なくとも2つおよび最も好ましくは3つすべてが、随意に置換された芳香環、好ましくはフェニル環であり、
Rは、R11について示した意味を有し、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
11は(1つよりも多く存在する場合には、各々の場合において互いに独立して)、−CO−O−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−S−、−CO−NR01−、−NR01−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CR01=CH−、−CY01=CY02−、−C≡C−、−(CH−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−または単結合であり、好ましくは、中心のC原子に隣接するZ11の少なくとも1つ、好ましくは中心のC原子に隣接するこれらのすべては単結合であり、
01およびY02は、互いに独立して、F、ClまたはCNであり、あるいはまたこれらの1つは、Hであってもよく、
01およびR02は、互いに独立して、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
mは、各々の場合において独立して、1、2または3、好ましくは1または2であり、これにより、好ましくは、3つすべてのメソゲン性基MG〜MGのmの合計が、3、4、5、6、7または8、好ましくは3、4または5である、
で表される1種または2種以上の化合物を含むメソゲン性媒体によって達成されることが見出された。なお、式Iで表される化合物は、式Iで表されるキラルな化合物をも包含する。
式Iで表される化合物はまた、本出願の対象である。
好ましいのは、パラメーターが、以下の意味
11は、F、Cl、CN、NCS、CF、OCF、SF、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニル、好ましくはF、Cl、CF、SF、アルキルまたはアルコキシであり、
Figure 2006225387
は、好ましくは、各々の場合において互いに独立して、
Figure 2006225387
であり、
11〜L14は、互いに独立して、HまたはFであり、好ましくは、これらの2つまたは3つ以上、最も好ましくは3つまたは4つ以上が、Fであり、
MGおよびMGは、好ましくは、互いに同一である、
を有する、式Iで表される化合物である。
好ましい態様において、MGおよびMGは、互いに同一である。
式Iで表される化合物は、好ましくは、以下の従属式I−i〜I−ivで表される化合物から選択される。
Figure 2006225387
Figure 2006225387
式中、パラメーターは、上記の式Iについて示したそれぞれの意味を有し、
12およびR13は、互いに独立して、上記の式IにおけるR11について示した意味を有し、
Figure 2006225387
は、各々の場合において互いに独立して、上記の式Iにおける
Figure 2006225387
について示した意味を有し、
12およびZ13は、互いに独立して、上記の式IにおけるZ11について示した意味を有し、
nおよびoは、互いに独立して、上記の式Iにおけるmについて示した意味を有し、好ましくは、互いに独立して、1または2であり、最も好ましくは1である。
式I−i〜I−ivで表されるキラルな化合物もまた、これに包含される。
特に好ましいのは、
−MG、MGおよびMGの少なくとも1つにおける少なくとも1つのZ11、好ましくはMGおよびMGの各々、そして最も好ましくはMG、MGおよびMGの各々におけるの少なくとも1つのZ11が、−CO−O−、−O−CO−、−CH−O−、−O−CH−、−CF−O−、−O−CF−または−CH=CH−、最も好ましくは−CF−O−、−O−CF−、−CO−O−、−O−CO−から選択されており、
−存在する1つまたは2つ以上の環A11が、それぞれ1つまたは2つ以上の基Rおよび/またはF原子により随意に置換されているフェニレンであり、および/または
−R11が、1〜12個、好ましくは1〜8個のC原子を有するアルキル、または2〜12個、好ましくは2〜7個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニルである、
式Iで表される化合物である。
MGおよびMGは、好ましくは、互いに独立して、
Figure 2006225387
から選択され、
Rは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、オキサアルキル、そして最も好ましくはアルコキシまたはアルケニルであり、
Lは、各々の場合において互いに独立して、HまたはFであり、
Xは、CN、NCS、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニルもしくはアルケニルオキシまたはSF、好ましくはF、−CFまたは−OCF、そして最も好ましくはCFであり、
MGは、好ましくは、
Figure 2006225387
から選択され、ここで、好ましくは、
Rは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、オキサアルキル、そして最も好ましくはアルキルであり、
Lは、各々の場合において互いに独立して、HまたはFである。
本発明の好ましい態様において、環A11〜A13は、互いに独立して、芳香環もしくは脂環式環、好ましくは5、6もしくは7員環であるか、または2個もしくは3個以上、好ましくは2個もしくは3個の縮合した芳香環もしくは脂環式環を含む基であり、ここで、これらの環は、随意に、N、Oおよび/またはSから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含み、随意にLで単置換または多置換されており、ここで、Lは、F、Cl、Br、CN、OH、NOおよび/または1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル基であり、ここで、1個または2個以上のH原子は、随意に、FまたはClにより置換されている。
Lは、好ましくは、F、Cl、CN、OH、NO、CH、C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHFまたはOC、特にF、Cl、CN、CH、C、OCH、COCHまたはOCF、最も好ましくはF、Cl、CH、OCHまたはCOCHである。
好ましい環A11〜A13は、例えばフラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、フェニレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、アズレン、インダン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロピラン、アントラセン、フェナントレンおよびフルオレンである。
特に好ましくは、1つまたは2つ以上のこれらの環A11〜A13は、それぞれフラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノチオフェン−2,5−ジイル、ジチエノチオフェン−2,6−ジイル、ピロール−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、アズレン−2,6−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイルまたは1,4−シクロヘキシレンから選択され、ここで、1つまたは2つの隣接していないCH基は、随意に、Oおよび/またはSにより置換されており、ここで、これらの基は、非置換であるか、前に定義したLにより単置換または多置換されている。
好ましくは、
Figure 2006225387
は、各々の場合において互いに独立して、
Figure 2006225387
式中、
RおよびR’は、互いに独立して、R、好ましくはR11について上記で定義した意味を有し、最も好ましくは、互いに独立して、1〜12個のC原子、好ましくは1〜7個のC原子を有するアルキル、または2〜12個のC原子、好ましくは2〜7個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニルであり、これらの両方において、フェニル環に隣接していない、1つもしくは2つ以上の隣接していない−CH−基は、−O−および/または−CH=CH−により置換されていてもよく、かつ/または1個もしくは2個以上のH原子は、ハロゲン、好ましくはFにより置換されていてもよく、そして好ましくはアルキル、好ましくはメチル、エチルまたはプロピル、好ましくはメチルであり、好ましい態様において、RおよびR’は、互いに同一である、
またはこれらの鏡像であり、
さらに好ましくは、これらの少なくとも1つ、特にこれらの各々の少なくとも1つは、
Figure 2006225387
であり、最も好ましくは、
Figure 2006225387
の少なくとも1つは、
Figure 2006225387
であり、かつ/または
Figure 2006225387
の少なくとも1つは、各々
Figure 2006225387
である。
本発明の好ましい態様において、基
Figure 2006225387
の各々の1つ、好ましくはこれらのすべては、単環式環A11、A12またはA13のみを含む。極めて好ましくは、これ/これらは、1つ、2つまたは3つの5および/または6員環を含む基である。
これらの基についての好ましい従属式を、以下に列挙する。単純化のために、これらの基中のPheは、1,4−フェニレンであり、PheLは、前に定義した1〜4個のL基により置換されている1,4−フェニレン基であり、Cycは、1,4−シクロヘキシレンであり、Pydは、ピリジン−2,5−ジイルであり、Pyrは、ピリミジン−2,5−ジイルである。好ましい基の以下のリストは、従属式A−1〜A−20およびこれらの鏡像を含む。
Figure 2006225387
これらの好ましい基中で、Zは、式Iに示したZ11の意味を有する。好ましくは、Zは、−CF−O−または−O−CF−または単結合である。
極めて好ましくは、基
Figure 2006225387
の少なくとも1つ、最も好ましくはこれらのすべては、以下の式Ia〜Irおよびこれらのそれぞれの鏡像
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
式中、Lは、上記で示した意味を有し、rおよびsは、互いに独立して、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2である、
から選択される。
これらの好ましい式中の
Figure 2006225387
は、極めて好ましくは、
Figure 2006225387
であり、Lは、各々独立して、前に示した意味の1つを有する。
式Iで表される特に好ましい化合物は、式
Figure 2006225387
式中、rは、1または2である、
で表される、各々環A11およびA12における少なくとも1つの基を含む。
式Iで表される他の好ましい化合物は、式
Figure 2006225387
式中、rは2である、
で表される、各々環A11、A12およびA13における少なくとも1つの基および/または各々式
Figure 2006225387
式中、rは、0、1または2である、
で表される少なくとも1つの基を含む。
極めて好ましくは、基
Figure 2006225387
の少なくとも1つ、最も好ましくはこれらのすべては、以下の式およびこれらのそれぞれの鏡像
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
式中、1,4−フェニレン環は、随意に、RまたはLにより、好ましくはアルキルにより、好ましくはメチルにより、および/またはアルコキシにより、および/またはハロゲン、好ましくはFにより置換されていてもよい、
から選択される。
さらに好ましくは、基
Figure 2006225387
の少なくとも1つ、最も好ましくはこれらのすべては、以下の式およびこれらのそれぞれの鏡像
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
から選択される。
本出願において、アルキルまたはアルコキシ基、即ち末端CH基が−O−により置換されているアルキルは、直鎖状または分枝状であってもよい。これは、好ましくは、直鎖状であり、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有し、従って、好ましくは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシまたはオクトキシ、さらにノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。
オキサアルキル、即ち1つの非末端CH基が−O−により置換されているアルキル基は、好ましくは、例えば直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−オキサブチル(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
アルケニル基、即ち1つまたは2つ以上のCH基が−CH=CH−により置換されているアルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよい。これは、好ましくは、直鎖状であり、2〜10個のC原子を有し、従って好ましくはビニル、プロプ−1−またはプロプ−2−エニル、ブト−1−、2−またはブト−3−エニル、ペント−1−、2−、3−またはペント−4−エニル、ヘクス−1−、2−、3−、4−またはヘクス−5−エニル、ヘプト−1−、2−、3−、4−、5−またはヘプト−6−エニル、オクト−1−、2−、3−、4−、5−、6−またはオクト−7−エニル、ノン−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−またはノン−8−エニル、デク−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−またはデク−9−エニルである。
特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特にC〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までのC原子を有する基が、一般的に好ましい。
1つのCH基が−O−により置換されており、1つが−CO−により置換されているアルキル基において、これらの基は、好ましくは隣接している。従って、これらの基は、一緒に、カルボニルオキシ基−CO−O−またはオキシカルボニル基−O−CO−を形成する。好ましくは、このようなアルキル基は、直鎖状であり、2〜6個のC原子を有する。
従って、これは、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、4−(メトキシカルボニル)ブチルである。
2つまたは3つ以上のCH基が−O−および/または−COO−により置換されているアルキル基は、直鎖状または分枝状であってもよい。これは、好ましくは、直鎖状であり、3〜12個のC原子を有する。従って、これは、好ましくは、ビス−カルボキシ−メチル、2,2−ビス−カルボキシ−エチル、3,3−ビス−カルボキシ−プロピル、4,4−ビス−カルボキシ−ブチル、5,5−ビス−カルボキシ−ペンチル、6,6−ビス−カルボキシ−ヘキシル、7,7−ビス−カルボキシ−ヘプチル、8,8−ビス−カルボキシ−オクチル、9,9−ビス−カルボキシ−ノニル、10,10−ビス−カルボキシ−デシル、ビス−(メトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(メトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(メトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(メトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(メトキシカルボニル)−ペンチル、6,6−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘキシル、7,7−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘプチル、8,8−ビス−(メトキシカルボニル)−オクチル、ビス−(エトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(エトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(エトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(エトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(エトキシカルボニル)−ヘキシルである。
CNまたはCFにより単置換されているアルキルまたはアルケニル基は、好ましくは直鎖状である。CNまたはCFによる置換は、任意の所望の位置にすることができる。
ハロゲンにより少なくとも単置換されているアルキルまたはアルケニル基は、好ましくは直鎖状である。ハロゲンは、好ましくはFまたはClであり、多置換の場合において、好ましくはFである。得られた基はまた、パーフルオロ基を含む。単置換の場合において、FまたはCl置換基は、任意の所望の位置にあってもよいが、好ましくはω位にある。末端F置換基を有する特に好ましい直鎖状基の例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルである。しかし、他の位置のFは除外されない。
ハロゲンは、F、Cl、BrおよびIを意味し、好ましくはFまたはClであり、最も好ましくはFである。R11、R12、R13、R、R’およびR”の各々は、極性または非極性基であってもよい。極性基の場合において、これは、好ましくは、CN、SF、ハロゲン、OCH、SCN、COR、COORまたは1〜4個のC原子を有するモノ、オリゴもしくはポリフッ素化されたアルキルもしくはアルコキシ基から選択されている。Rは、1〜4個、好ましくは1〜3個のC原子を有する随意にフッ素化されたアルキルである。特に好ましい極性基は、F、Cl、CN、OCH、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、CHF、CHF、OCF、OCHF、OCHF、CおよびOC、特にF、Cl、CN、CF、OCHFおよびOCFから選択される。非極性基の場合において、これは、好ましくは、15個までのC原子を有するアルキルまたは2〜15個のC原子を有するアルコキシである。
11、R12、R13、RおよびR’の各々は、アキラルまたはキラルな基であってもよい。キラルな基の場合において、これは、好ましくは、式I
Figure 2006225387
式中、
は、1〜9個のC原子を有するアルキレンもしくはアルキレン−オキシ基または単結合であり、
は、1〜10個のC原子を有し、非置換であるか、F、Cl、BrまたはCNにより単置換または多置換されていてもよいアルキルまたはアルコキシ基であり、また、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合において互いに独立して、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−により、酸素原子が互いに直接結合しないように置換されていることが可能であり、
は、F、Cl、Br、CN、またはQについて定義されたとおりのものであるが、Qとは異なるアルキルもしくはアルコキシ基である、
で表される。
式I中のQが、アルキレン−オキシ基である場合において、O原子は、好ましくは、キラルなC原子に隣接している。
式Iで表される好ましいキラルな基は、2−アルキル、2−アルコキシ、2−メチルアルキル、2−メチルアルコキシ、2−フルオロアルキル、2−フルオロアルコキシ、2−(2−エチン)−アルキル、2−(2−エチン)−アルコキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−アルコキシである。
特に好ましいキラルな基Iは、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。極めて好ましいのは、2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシである。
さらに、アキラルな分枝状アルキル基を含む化合物が、例えば結晶化に対する傾向の低下のために、時々重要であり得る。このタイプの分枝状基は、一般的に、1個よりも多い鎖分枝を含まない。好ましいアキラルな分枝状基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチル−プロポキシおよび3−メチルブトキシである。
本発明の好ましい態様において、R11、R12、R13、RおよびR’の1つまたは2つ以上は、−SG−PGである。
特に好ましいのは、R11が、−SG−PGである式Iおよびこの従属式で表される化合物であり、さらに好ましくは、mは、同時に0である。
重合可能な、または反応性の基PGは、好ましくは、
Figure 2006225387
から選択され、Wは、H、F、Cl、CN、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、F、ClまたはCHであり、WおよびWは、互いに独立して、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にメチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、互いに独立して、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、Pheは、1,4−フェニレンであり、kおよびkは、互いに独立して0または1である。
特に好ましくは、PGは、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、オキセタン基またはエポキシ基、特に好ましくはアクリレートまたはメタクリレート基である。
スペーサー基SGについては、この目的のために当業者に知られている任意の基を用いることができる。スペーサー基SGは、好ましくは、式SG’−Xで表され、従ってPG−SG−は、PG−SG’−X−であり、ここで、
SG’は、20個までのC原子を有し、非置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNにより単置換または多置換されていてもよいアルキレンであり、また、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合において互いに独立して、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−NH−、−NR01、−SiR0102−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−もしくは−C≡C−により置換されていることが可能であり、
Xは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR01−、−NR01−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CY01=CY02−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
01、R02、Y01およびY02は、前に示したそれぞれの意味の1つを有する。
Xは、好ましくは、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CY01=CY02−、−C≡C−または単結合、特に−O−、−S−、−C≡C−、−CY01=CY02−または単結合、極めて好ましくは、共役系を形成することができる基、例えば−C≡C−もしくは−CY01=CY02−、または単結合である。
典型的な基SG’は、例えば、−(CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−または−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR00−O)−であり、pは、2〜12の整数であり、qは、1〜3の整数であり、RおよびR00は、R01について示した意味を有し、他のパラメーターは、前に示した意味を有する。
好ましい基SG’は、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
他の好ましい態様において、SG’は、式I*’
Figure 2006225387
式中、
およびQは、式Iにおいて示した意味を有し、
は、1〜10個のC原子を有するアルキレンもしくはアルキレン−オキシ基または単結合であり、Qとは異なる、
で表されるキラルな基であり、Qは、重合可能な基PGに結合している。
さらに好ましいのは、1つまたは2つの基PG−SG−を有する化合物であり、ここでSGは、単結合である。
2つの基PG−SGを有する化合物の場合において、2つの重合可能な基PGおよび2つのスペーサー基SGの各々は、同一であるかまたは異なっていてもよい。
本発明の式I−iで表される好ましい化合物は、式I−i−1〜I−i−3で表される以下の群の化合物から選択される。
Figure 2006225387
Figure 2006225387
式中、パラメーターは、前に示したそれぞれの意味を有し、好ましくは、
Figure 2006225387
は、
Figure 2006225387
から選択される。
本発明の式I−iiiで表される好ましい化合物は、式I−iii−1〜I−iii−3で表される以下の群の化合物から選択される。
Figure 2006225387
Figure 2006225387
式中、パラメーターは、前に示したそれぞれの意味を有し、好ましくは、
Figure 2006225387
は、単結合、
Figure 2006225387
から選択される。
本発明の好ましい化合物は、以下の典型的な化合物である。
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
好ましくは、本発明の液晶媒体は、式Iで表される化合物を含み、好ましくは主にこれからなり、最も好ましくは完全にこれからなる成分Aを含む。
式Iで表される化合物は、当業者に知られている通常の方法により入手可能である。
式Iで表される化合物は、例えば以下の2種の例示的な反応スキーム(スキームIおよびII)並びに同様の合成経路の1種により、良好に調製される。
スキームI(1,3−ジオール類の環状ケトン類との反応)
Figure 2006225387
式中、好ましくは、
RおよびR1は(R1は、各々の場合において互いに独立して)、上記の式IにおけるR11について示した意味を有し、好ましくはアルキルであり、
フェニル環は、各々随意に1個または2個以上のF原子により置換されていてもよい。
スキームII(1,3−ジオールのベンズアルデヒド類との反応)
Figure 2006225387
式中、好ましくは、
RおよびR1は(R1は、各々の場合において互いに独立して)、上記の式IにおけるR11について示した意味を有し、好ましくはアルキルまたはCFであり、
フェニル環は、各々随意に1個または2個以上のF原子により置換されていてもよい。
本出願において、含むは、組成物の状況において、言及されている実体、例えば媒体または成分が、当該1種または2種以上の化合物を、好ましくは10%またはこれ以上、そして最も好ましくは20%またはこれ以上の合計濃度で含むことを意味する。
主に〜からなるは、この状況において、言及されている実体が、80%またはこれ以上、好ましくは90%またはこれ以上、そして最も好ましくは95%またはこれ以上の当該1種または2種以上の化合物を含むことを意味する。
完全に〜からなるは、この状況において、言及されている実体が、98%またはこれ以上、好ましくは99%またはこれ以上および最も好ましくは100.0%の当該1種または2種以上の化合物を含むことを意味する。
本出願の媒体中に含まれる本出願の化合物の濃度は、好ましくは0.5%またはこれ以上から30%またはこれ以下までの範囲内、一層好ましくは1%またはこれ以上から20%またはこれ以下までの範囲内、そして最も好ましくは5%またはこれ以上から12%またはこれ以下までの範囲内である。
好ましい態様において、本発明のメソゲン性変調媒体は、以下のものを含む。
−上記に示した式Iで表される1種の化合物または2種以上の化合物を含み、好ましくは主にこれからなり、最も好ましくは完全にこれからなる、好ましくは1重量%〜25重量%の濃度での成分A、および
−随意に、式II
Figure 2006225387
式中、
は、R11について式Iにおいて示した意味を有し、
21、A22およびA23は、各々、互いに独立して、
Figure 2006225387
であり、A21およびA22の各々は、2回存在する場合には同一の、または異なる意味を有することができ、
21およびZ22は、各々、互いに独立して、単結合、−(CH−、−CHCH−、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−または−O−CO−であり、各々のZ21およびZ22は、2回存在する場合には同一の、または異なる意味を有することができ、
は、ハロゲン、−CN、−NCS、−SF、−SOCF、各々CNおよび/またはハロゲンにより単置換または多置換されているアルキル、アルケニル、アルケニルオキシまたはアルキルアルコキシまたはアルコキシ基であり、
21およびL22は、各々、互いに独立して、HまたはFであり、
mは、0、1または2であり、
nは、0、1、2または3であり、
oは、0、1または2、好ましくは0または1であり、
m+n+oは、3または2以下、好ましくは2または1以下である、
で表される1種の化合物または2種以上の化合物を含み、好ましくは主にこれからなり、最も好ましくは完全にこれからなる、誘電的に正の成分B、
−随意に、式III
Figure 2006225387
式中、
a、b、cおよびdは、各々、互いに独立して、0、1または2であり、
a+b+c+dは、4または3以下であり、
31、A32、A33およびA34は、各々、互いに独立して、
Figure 2006225387
であり、A31、A32、A33およびA34の各々は、2回存在する場合には同一の、または異なる意味を有することができ、
31、Z32、Z33およびZ34は、各々、互いに独立して、単結合、−(CH−、−CHCH−、−CF−CF−、−CF−CH−、−CH−CF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CF−、−C≡C−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CO−O−または−O−CO−であり、各々のZ31、Z32、Z33およびZ34は、2回存在する場合には同一の、または異なる意味を有することができ、
は、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−により置換されていてもよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、非置換であるか、または−CN基で単置換されているか、またはハロゲンで単置換もしくは多置換されており、好ましくは、Rは、10個までの炭素原子を有する直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシまたは−O−アルキレン−O−アルキル基であり、該基は、非置換であるか、またはハロゲンで単置換もしくは多置換されており、
31、L32、L33およびL34は、各々、互いに独立して、水素、ハロゲン、CN基、1〜15個の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、ここで、前記アルキルまたはアルコキシ基の1つまたは2つ以上のメチレン基は、酸素および/または硫黄原子が互いに直接結合しないように、互いに独立して、−O−、−S−、−SiR−、−CH=CH−、−C≡C−、−CO−O−および/または−O−CO−により置換されていてもよく、前記アルキルまたはアルコキシ基は、非置換であるか、または−CN基で単置換されているか、またはハロゲンで単置換もしくは多置換されており、ただし、L31、L32、L33およびL34の少なくとも1つは水素ではなく、
は、F、Cl、CF、OCF、CN、NCS、−SF、−SO−R、OCHF、OCH=CF、OCF=CFまたはOCF−CFHであり、
およびRは、互いに独立して、水素または1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、好ましくは、RおよびRは、共にメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、
は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル基であり、前記アルキル基は、非置換であるか、またはハロゲンで単置換もしくは多置換されており、好ましくは、Rは、CF、Cまたはn−Cである、
で表される1種の化合物または2種以上の化合物を含み、好ましくは主にこれからなり、最も好ましくは完全にこれからなる、好ましくは1重量%〜25重量%の濃度での成分C、および
−≧20μmのHTPを有する1種のキラルな化合物または2種以上のキラルな化合物を含む、1〜20重量%の成分D。
本発明の混合物は、1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、そして最も好ましくは3〜15重量%の成分Aを含む。
成分Dの好適なキラルな化合物は、20μmまたはこれ以上、好ましくは40μmまたはこれ以上、そして最も好ましくは60μmまたはこれ以上のらせんねじれ力(HTP:helical twisting power)の絶対値を有するものである。HTPは、MLC−6260において、20℃の温度において測定される。
好ましくは、キラルな成分Dは、メソゲン性構造を有し、好ましくは、それ自体で1または2以上の中間相、特に少なくとも1つのコレステリック相を示す、1種または2種以上のキラルな化合物を含む。キラルな成分D中に含まれる好ましいキラルな化合物は、特に、十分知られているキラルなドーパント、例えばコレステリル−ノナノエート(CN)、R/S−811、R/S−1011、R/S−2011、R/S−3011、R/S−4011、R/S−5011、CB−15(Merck KGaA, Darmstadt, Germany)などである。
好ましいのは、1つもしくは2つ以上のキラルな部分および1つもしくは2つ以上のメソゲン性基を有する、または、キラルな部分と一緒に、メソゲン性基を形成する、1つもしくは2つ以上の芳香族もしくは脂環式部分を有するキラルなドーパントである。さらに好ましいのは、DE 34 25 503、DE 35 34 777、DE 35 34 778、DE 35 34 779、DE 35 34 780、DE 43 42 280、EP 01 038 941およびDE 195 41 820中に開示されている、キラルな部分およびメソゲン性のキラルな化合物であり、当該開示を、参照により本出願内に組み込む。特に好ましいのは、EP 01 111 954.2に開示されているキラルなビナフチル誘導体、WO 02/34739に開示されているキラルなビナフトール誘導体、WO 02/06265に開示されているキラルなTADDOL誘導体並びにWO 02/06196およびWO 02/06195に開示されている、少なくとも1つのフッ素化リンカーおよび1つの末端キラル部分または1つの中心キラル部分を有するキラルなドーパントである。
本発明の制御媒体は、約−30℃〜約80℃の範囲内、特に約55℃までの特性温度、好ましくは透明点を有する。
本発明の混合物は、1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲の1種または2種以上(2種、3種、4種または5種以上)のキラルな化合物を含む。特に好ましいのは、3〜15重量%のキラルな化合物を含む混合物である。
好ましい態様を、以下に示す。
−媒体は、1種、2種または3種以上の式Iで表される化合物を含む。
−成分Bは、好ましくは、式IIで表される1種の化合物または2種以上の化合物に加えて、式Z
Figure 2006225387
式中、Rは、R11について式Iにおいて示した意味を有し、
Figure 2006225387
は、
Figure 2006225387
であり、
は、F、Cl、CN、NCS、OCF、CFまたはSFである、
で表される1種のエステル化合物または2種以上のエステル化合物を含む。
特に好ましいのは、5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%および特に好ましくは10〜20重量%の式Zで表される化合物を含む混合物である。
−成分Bは、好ましくは、さらに、式N
Figure 2006225387
式中、
Rは、R11について式Iにおいて示した意味を有し、好ましくは、アルキルまたはAlkyl−C≡Cであり、
「Alkyl」は、1〜7個のC原子を有するアルキル、好ましくはn−アルキルであり、
nは、0または1である、
で表される1種または2種以上の化合物を含む。
−成分Bは、好ましくは、さらに、式E
Figure 2006225387
式中、Rは、R11について式Iにおいて示した意味を有し、好ましくはアルキルであり、
Figure 2006225387
は、
Figure 2006225387
である、
で表されるエステル化合物の群から選択された1種または2種以上の化合物を含む。
−式Eで表される化合物の割合は、好ましくは10〜30重量%、特に15%〜25%である。
−媒体は、好ましくは、式Q−1およびQ−2
Figure 2006225387
式中、Rは、R11について式Iにおいて示した意味を有し、Yは、HまたはFであり、Xは、F、ClまたはOCFであり、nおよびmは、互いに独立して0または1である、
の群から選択された1種の化合物または2種以上の化合物を含む。
−媒体は、好ましくは、Rがメチルである式IIで表される化合物の群から選択された1種の化合物または2種以上の化合物を含む。
−媒体は、好ましくは、式Dx−1およびDx−2
Figure 2006225387
式中、Rは、R11について式Iにおいて示した意味を有する、
の群から選択された1種のジオキサン化合物、2種または3種以上のジオキサン化合物、好ましくは1種のジオキサン化合物または2種のジオキサン化合物を含む。
慣用の液晶材料、しかし特に式IIおよびIIIで表される1種または2種以上の化合物と混合された、式Iで表される化合物の比較的小さい比率さえも、より低い動作電圧およびより広い動作温度範囲をもたらすことが見出された。好ましいのは、特に、式Iで表される1種または2種以上の化合物に加えて、式IIで表される1種または2種以上の化合物、特にXがF、Cl、CN、NCS、CFまたはOCFである、式IIで表される化合物を含む混合物である。式I〜IIIで表される化合物は、無色であり、安定であり、互いに、および他の液晶材料と容易に混和可能である。
式IおよびIIおよびIIIで表される化合物の最適な混合比率は、実質的に、所望の特性、式I、IIおよび/またはIIIで表される成分の選択、並びに存在し得るすべての他の成分の選択に依存する。上記に示した範囲内の好適な混合比は、場合毎に容易に決定することができる。
本発明の混合物中の式I〜IIIで表される化合物の合計量は、決定的ではない。従って、混合物は、種々の特性の最適化のために、1種または2種以上の他の成分を含むことができる。しかし、動作電圧および動作温度範囲に対する観察された効果は、一般的に、式I〜IIIで表される化合物の合計の濃度が高くなる程大きい。
特に好ましい態様において、本発明の媒体は、XがF、OCF、OCHF、OCH=CF、OCF=CFまたはOCF−CFHである、式IIIで表される化合物を含む。式Iで表される化合物との好ましい相乗効果の結果、特に有利な特性がもたらされる。特に、式Iで表される化合物および式IIで表される化合物および式IIIで表される化合物を含む混合物は、これらの低い動作電圧により区別される。
本発明の媒体において用いることができる、式II〜IIIで表される個別の化合物は、知られているか、または既知の化合物と同様にして調製することができる。
本発明のMLCディスプレイの、偏光子、電極基板および表面処理した電極からの構成は、このタイプのディスプレイについての慣用の構成と同様である。慣用の構成の用語は、本明細書中では広く解釈され、また特にポリ−Si TFTまたはMIMに基づくマトリックスディスプレイ素子を含む、MLCディスプレイのすべての派生物および改変物を包含するが、特に好ましいのは、基板の1つのみの上に、電極、即ち、IPSディスプレイ、好ましくは確立された構造のものにおいて用いられているような、いわゆる櫛形電極(interdigital electrode)を有するディスプレイである。
しかし、本発明のディスプレイと、ねじれネマティックセルに基づく慣用のディスプレイとの間の顕著な差異は、液晶層の液晶パラメーターの選択にある。
本発明の媒体は、自体慣用の方法において製造される。一般的に、成分を、互いに、有利には高温において溶解する。好適な添加剤により、本発明の液晶相を、これまでに開示されているすべてのタイプの液晶ディスプレイ素子においてこれらを用いることができるように、改変することができる。このタイプの添加剤は、当業者に知られており、文献(H. Kelker and R. Hatz, Handbook of Liquid Crystals, Verlag Chemie, Weinheim, 1980)中に詳細に記載されている。例えば、多色性染料を、着色されたゲスト−ホスト系の製造のために加えることができ、または、物質を加えて、誘電異方性、粘度および/またはネマティック相の配向を改変することができる。さらに、安定剤および酸化防止剤を、加えることができる。
本発明の混合物は、TN、STN、ECBおよびIPS用途並びにアイソトロピックスイッチングモード(ISM)用途に適する。従って、電気光学的デバイスおけるこれらの使用、および本発明の少なくとも1種の化合物を含む液晶媒体を含む電気光学的デバイスは、本発明の主題である。
本発明の混合物は、光学的にアイソトロピックな状態において動作するデバイスに極めて適する。本発明の混合物は、驚異的なことに、それぞれの使用に極めて適することが見出されている。
光学的にアイソトロピックな状態において動作するかまたは動作可能な電気光学的デバイスは、最近、ビデオ、TVおよびマルチメディア用途に関して関心が高まっている。これは、液晶の物理的特性に基づく電気光学的効果を用いる慣用の液晶ディスプレイが、上記の用途に不所望ないくらか高い切換時間を示すからである。さらに、慣用のディスプレイのほとんどは、コントラストの顕著な視野角依存性を示すため、この不所望な特性を補償するために手段を講じる必要がある。
アイソトロピックな状態において電気光学的効果を用いるデバイスに関して、ドイツ国特許出願DE 102 17 273 A1には、例えば、変調のためのメソゲン性制御媒体が動作温度においてアイソトロピックな相にある光制御(光変調)素子が開示されている。これらの光制御素子は、極めて短い切換時間およびコントラストの良好な視野角依存性を有する。しかし、前記素子の駆動または動作電圧は、一部の用途にとっては不適切に高いことが極めて多い。
未公開のドイツ国特許出願DE 102 41 301には、駆動電圧の顕著な低下を可能にする電極の特定の構造が記載されている。しかし、これらの電極により、光制御素子を製造するプロセスは、一層複雑になる。
さらに、例えばDE 102 17 273 A1とDE 102 41 301との両方に開示されている光制御素子は、顕著な温度依存性を示す。光学的にアイソトロピックな状態にある制御媒体における電界により誘発され得る電気光学的効果は、制御媒体の透明点に近接した温度において最も顕著である。この範囲において、光制御素子は、これらの特性電圧の最も低い値を有し、従って最低の動作電圧を必要とする。温度上昇により特性電圧が上昇するため、従って動作電圧が顕著に上昇する。温度依存性の典型的な値は、1℃あたり約数ボルトから1℃あたり約10ボルトまたはこれ以上までの範囲内である。DE 102 41 301には、アイソトロピック状態において動作可能であるかまたは動作するデバイスのための電極の種々の構造が記載されている一方、DE 102 17 273 A1には、アイソトロピック状態において動作可能であるかまたは動作する光制御素子において有用な種々の組成のアイソトロピックな媒体が開示されている。
これらの光制御素子におけるしきい値電圧の相対的な温度依存性は、透明点よりも1℃高い温度において、約50%/℃程度である。当該温度依存性は、温度が上昇するに伴って低下し、すなわちこれは、透明点よりも5℃高い温度においては、約10%/℃である。しかし、上記の光制御素子を用いるディスプレイの多くの実際的な用途について、電気光学的効果の温度依存性は過度に高い。対照的に、実際的な使用について、動作電圧は、少なくとも数℃、好ましくは約5℃またはこれ以上、尚一層好ましくは約10℃またはこれ以上、そして特に約20℃またはこれ以上の温度範囲にわたり、動作温度から独立であることが望ましい。
本発明の混合物を用いることが、上記並びにDE 102 17 273 A1、DE 102 41 301およびDE 102 536 06に記載されている光制御素子における制御媒体として極めて好適であり、上記の電気光学的効果の動作電圧が動作する温度範囲を拡大することが今回見出された。この場合において、光学的なアイソトロピック状態またはブルー相は、動作温度からほとんど完全に、または完全に独立である。
この効果は、メソゲン性制御媒体が、WO 2004/046 805に記載されているように、少なくとも1つのいわゆる「ブルー相」を示す場合に、尚一層明確である。極度に高いキラルなねじれを有する液晶は、1つまたは2つ以上の光学的にアイソトロピックな相を有し得る。これらが、それぞれのコレステリックピッチを有する場合には、これらの相は、十分に大きいセルギャップを有するセル中で、ブルーの外見を呈し得る。従って、当該相はまた、「ブルー相」と呼ばれる(Gray and Goodby, "Smectic Liquid Crystals, Textures and Structures", Leonhard Hill, USA, Canada (1984))。ブルー相で存在する液晶に対する電界の効果並びに、無電界液晶において観察され得る、これまでに確認されている3つのタイプのブルー相、即ちBPI、BPIIおよびBPIIIは、例えば、H.S. Kitzerow, "The Effect of Electric Fields on Blue Phases", Mol. Cryst. Liq. Cryst. (1991), Vol. 202, p. 51-83に記載されている。1つのブルー相または2つ以上のブルー相を示す液晶に、電界を施した場合には、さらなるブルー相またはブルー相I、IIおよびIIIとは異なる他の相が出現し得ることは、注目すべきである。
本発明の混合物は、
−1つまたは2つ以上、特に2つの基板;
−電極の組立体;
−光を偏光させるための1つまたは2つ以上の素子;および
−上記の制御媒体;
を含む電気光学的光制御素子において用いることができ、これにより、非駆動状態にある制御媒体が光学的にアイソトロピックな相にある温度において、上記の光制御素子が動作する(または動作可能である)。
本発明の制御媒体は、約−30℃〜約80℃の範囲、特に約55℃までの特性温度、好ましくは透明点を有する。
光制御素子の動作温度は、好ましくは、制御媒体の特性温度よりも高く、上記の温度は、通常、制御媒体のブルー相への転移温度である。一般的に、動作温度は、上記特性温度よりも約0.1℃〜約50℃程度、好ましくは約0.1℃〜約10℃程度高い。動作温度が、制御媒体のブルー相への転移温度から、透明点である、制御媒体のアイソトロピック相への転移温度までの範囲内にあるのが、極めて好ましい。しかし、光制御素子はまた、制御媒体がアイソトロピック相にある温度において動作し得る。
(本発明に関して、用語「特性温度」を、以下のように定義する:
−温度の関数としての特性電圧が、最小値を有する場合には、この最小値における温度を、特性温度とする。
−温度の関数としての特性電圧が、最小値を有しない場合、および制御媒体が、1つまたは2つ以上のブルー相を有する場合には、ブルー相への転移温度を、特性温度とする。1つよりも多いブルー相がある場合には、ブルー相への最も低い転移温度を、特性温度とする。
−温度の関数としての特性電圧が、最小値を有しない場合、および制御媒体が、ブルー相を有しない場合には、アイソトロピック相への転移温度を、特性温度とする。)
本発明の文脈において、用語「アルキル」は、これが、本明細書中または特許請求の範囲中の他の箇所において異なる方式で定義されていない限りは、1〜15個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状炭化水素(脂肪族)基を意味する。炭化水素基は、非置換であるか、または独立してF、Cl、Br、IもしくはCNからなる群から選択された1つもしくは2つ以上の置換基で置換されていてもよい。
誘電体はまた、当業者に知られており、文献に記載されている他の添加剤を含むことができる。例えば、0〜5%の多色性染料、酸化防止剤または安定剤を加えることができる。
Cは、結晶相を示し、Sは、スメクティック相を示し、Sは、スメクティックC相を示し、Nは、ネマティック相を示し、Iは、アイソトロピック相を示し、BPは、ブルー相を示す。
は、X%の透過率についての電圧を示す。従って、例えば、V10は、10%の透過率についての電圧を示し、V100は、100%の透過率についての電圧を示す(板の表面に垂直な視野角)。tonまたはτonは、それぞれV100またはVmaxの値に相当する動作電圧におけるスイッチオン時間を示し、toffまたはτoffは、それぞれV100またはVmaxの値に相当する動作電圧におけるスイッチオフ時間を示す。
Δnは、光学異方性を示す。Δεは、誘電異方性を示す(Δε=ε−ε、式中、εは、分子の長軸に平行な誘電定数を示し、εは、これに垂直な誘電定数を示す)。電気光学的データは、他に明記されていない限り、TNセル中で、透過率の第一極小値において(即ち0.5μmの(d・Δn)値において)20℃で測定される。光学的データは、他に明記されていない限り、20℃で測定される。
随意に、本発明の光変調媒体は、物理的特性を調整するための他の液晶化合物を含むことができる。このような化合物は、当業者に知られている。本発明の媒体中のこれらの濃度は、好ましくは0%〜30%、一層好ましくは0%〜20%および最も好ましくは5%〜15%である。
好ましくは、本発明の媒体は、9℃またはこれ以上、好ましくは10℃またはこれ以上、一層好ましくは15℃またはこれ以上および最も好ましくは20℃またはこれ以上の幅を有する、ブルー相の範囲または、1つよりも多いブルー相が存在する場合においては、ブルー相の組み合わされた範囲を有する。
好ましい態様において、この相は、少なくとも10℃〜30℃、最も好ましくは少なくとも10℃〜40℃および最も好ましくは少なくとも0℃〜50℃の範囲であり、ここで、「少なくとも」は、好ましくは相が下限よりも低い温度までに至り、同時にこれが上限よりも高い温度までに至ることを意味する。
他の好ましい態様において、この相は、少なくとも20℃〜40℃、最も好ましくは少なくとも30℃〜80℃および最も好ましくは少なくとも30℃〜90℃の範囲である。この態様は、特に、強力なバックライトを有し、エネルギーを放散し、従ってディスプレイを加熱するディスプレイに適する。
本出願において、誘電的に正の化合物の用語は、Δε>1.5を有する化合物を表わし、誘電的に中性の化合物は、−1.5≦Δε≦1.5を有する化合物であり、誘電的に負の化合物は、Δε<−1.5を有する化合物である。同一のことが、成分に該当する。Δεは、1kHzおよび20℃において決定する。化合物の誘電異方性は、10%の個別の化合物をネマティックホスト混合物に溶解した溶液の結果から決定する。これらの試験混合物の容量を、ホメオトロピック配向およびホモジニアス配向を有するセルの両方において決定する。両方のタイプのセルのセルギャップは、約20μmである。印加される電圧は、1kHzの周波数および典型的には0.5V〜1.0Vの平均二乗根値を有する矩形波であるが、これは、常に、それぞれの試験混合物の容量性しきい値(capacitive threshold)よりも低く選択される。
誘電的に正の化合物として混合物ZLI−4792を、並びに誘電的に中性の、および誘電的に負の化合物として混合物ZLI−3086を、それぞれホスト混合物として用いる(共にMerck KGaA, Germany製)。化合物の誘電率は、関連する化合物添加時のホスト混合物のそれぞれの値の変化から決定し、関連する化合物の100%の濃度に外挿する。
20℃の測定温度においてネマティック相を有する成分はこれ自体を測定し、それ以外のものは全て化合物と同様に処理する。
共に他に明記されていない場合には、しきい値電圧の用語は、本出願において、光学的しきい値を意味し、10%相対的コントラスト(relative contrast)(V10)について示し、飽和電圧の用語は、光学的飽和を意味し、90%相対的コントラスト(V90)について示す。容量性しきい値電圧(V、またフレデリクスしきい値VFrとも呼ぶ)は、明記した場合にのみ用いる。
本出願において示すパラメーターの範囲は、他に明記されていない限り、すべて限界値を含む。
本出願を通して、他に明記されていない限り、すべての濃度は、質量パーセントで示し、それぞれの完全な混合物に関し、すべての温度は摂氏度(摂氏)で示し、すべての温度の差は摂氏度で示す。すべての物理的特性は、"Merck Liquid Crystals, Physical Properties of Liquid Crystals", Status Nov. 1997, Merck KGaA, Germanyに従って決定されているかまたは決定され、他に明記されていない限りは、20℃の温度について示す。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長において決定する。誘電異方性(Δε)は、1kHzの周波数において決定する。しきい値電圧およびすべての他の電気光学的特性は、Merck KGaA, Germanyにおいて製造された試験セルを用いて決定した。
Δεの決定のための試験セルは、22μmのセルギャップを有していた。電極は、1.13cmの面積および保護環を有する円形ITO電極であった。配向層は、ホメオトロピック配向(ε)についてはレシチンであり、ホモジニアス配向(ε)についてはJSR社製のポリイミドAL−1054であった。容量は、0.3または0.1Vrmsの電圧を有する正弦波を用いて、周波数特性分析器Solatron 1260で決定した。電気光学的測定において用いた光は、白色光であった。用いた設備は、大塚電子社製の商業的に入手できる装置であった。特性電圧は、垂直観察の下で決定した。しきい値電圧(V10)、ミッドグレー(mid-grey)電圧(V50)および飽和電圧(V90)は、それぞれ10%、50%および90%相対的コントラストについて決定した。
メソゲン性変調材料を、Merck KGaAの各設備において製造した電気光学的試験セル中に充填した。試験セルは、1つの基板側面上に櫛形電極を有していた。電極幅は10μmであり、隣接する電極間の距離は10μmであり、セルギャップもまた10μmであった。この試験セルを、交差した偏光子の間で、電気光学的に評価した。
充填したセルは、低い温度において、電圧を印加しない交差した偏光子の間を光学的に透過する、キラルなネマティック混合物の典型的なテクスチャを示した。加熱すると、第1の温度(T)において、混合物は、光学的にアイソトロピックとなり、交差した偏光子の間で暗くなった。このことは、当該温度でのキラルなネマティック相からブルー相への転移を示している。第2の温度(T)まで、セルは、電圧、典型的には数十ボルトの電圧を印加した状態で電気光学的効果を示し、この範囲内のある電圧の下で、光透過の極大が得られた。典型的には、一層高い温度において、可視的な電気光学的効果に必要な電圧は強力に増大し、このことは、第2の温度(T)においてブルー相からアイソトロピック相へ転移することを示している。
混合物をブルー相において電気光学的に用いることができる温度範囲(ΔT(BP))は、最も有益には、TからTまでの範囲内であることが確認された。この温度範囲(ΔT(BP))は、本出願の例に示す温度範囲である。電気光学的ディスプレイはまた、この範囲を超える温度、即ちTより高い温度において動作させることができるが、顕著に上昇した動作電圧においてのみである。
本発明の液晶媒体は、他の添加剤およびキラルなドーパントを通常の濃度で含むことができる。これらの他の構成成分の合計濃度は、混合物全体に基づいて、0%〜10%、好ましくは0.1%〜6%の範囲内である。用いられる個別の化合物の濃度は、各々、好ましくは、0.1〜3%の範囲内である。これらの添加剤および同様の添加剤の濃度は、本出願における液晶媒体の液晶成分および化合物の濃度の値および範囲については考慮に入れない。
本発明の液晶媒体は、複数種の化合物、好ましくは3〜30種、一層好ましくは5〜20種、そして最も好ましくは6〜14種の化合物からなる。これらの化合物は、慣用の方法で混合する。原則として、より少量で用いられる化合物の所要量を、より大量で用いられる化合物中に溶解する。温度が、より高い濃度で用いられる化合物の透明点よりも高い場合には、溶解プロセスの完了を観察するのは特に容易である。しかし、また、媒体を、他の慣用の方法により、例えばいわゆる前混合物(pre-mixture)(例えば化合物の同族(homologous)混合物もしくは共融混合物であってもよい)を用いて、または、構成成分がそれ自体そのまま使用可能な(ready to use)混合物である、いわゆるマルチボトル系を用いて製造することも可能である。
好適な添加剤を加えることにより、本発明の液晶媒体を、これらが、すべての既知のタイプの液晶ディスプレイ、例えば液晶媒体をそのまま用いるもの、例えばTN−LCD、TN−AMD、ECB−LCD、VAN−AMD並びに特に複合系、例えばPDLD−LCD、NCAP−LCDおよびPN−LCD並びに特にHPDLCにおいて使用可能であるように改変することができる。
液晶の融点T(C,N)、スメクティック(S)からネマティック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)は、摂氏度で示す。
本出願において、そして特に以下の例において、液晶化合物の構造は、頭文字とも呼ぶ略語により表す。略語は、以下の2つの表AおよびBに従って容易に対応する構造へ変換される。すべての基C2n+1およびC2m+1は、それぞれn個およびm個のC原子を有する直鎖状アルキル基である。表Bの解釈は自明である。表Aは、構造のコアについての略語のみを列挙している。個別の化合物は、コアの略語と、それに続くハイフンおよび置換基R、R、LおよびLを特定するコードにより表示される。
Figure 2006225387
表A:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
表B:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
特に好ましいのは、式Iで表される化合物に加えて、表Bからの少なくとも1種、2種、3種または4種の化合物を含む液晶混合物である。
表C:
表Cは、本発明において一般的に単独でまたは組み合わせて(2種、3種もしくは4種以上を)混合物に加えられる成分Dに関する可能なドーパントを示す。
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
本発明の液晶媒体は、好ましくは、
−表AおよびBの化合物の群から選択された4種もしくは5種以上の化合物および/または
−表Bの化合物の群から選択された5種もしくは6種以上の化合物および/または
−表Aの化合物の群から選択された2種もしくは3種以上の化合物
を含む。
以下に示す例は、本発明を例示するが、決してこれを限定するものではない。
しかし、物理的データ、特に化合物のものは、どのような特性が、どのような範囲において達成され得るかを当業者に説明するものである。従って、特に、好ましく達成することができる種々の特性の組み合わせは、十分に規定されている。
例1:アキシアル−アキシアル−4−ベンジルオキシ−4−(1−フェニル−プロポキシ)−4’−トランス,トランス−プロピル−ビシクロヘキシルの調製
Figure 2006225387
工程1.1:1,3−ジフェニルプロパン−1,3−ジオールの調製
Figure 2006225387
水素化ホウ素ナトリウムを、複数回に分けて、ジベンゾイルメタンを無水エタノール(50ml)に溶解した溶液に0℃で加えた。反応混合物を、一晩放置して室温に加温した。過剰の水素化ホウ素ナトリウムを10%塩酸水溶液および水でクエンチし、粗製の混合物をジエチルエーテル(2×100ml)中に抽出した。合わせた抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮して、白色固体を得た。構造をH NMR分光法により確認し、I.R.分光法では、OHピークが示された。
工程1.2:生成物の調製
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(0.05g、0.23mmol)を、トランス,トランス−4’−プロピルシクロヘキシルシクロヘキサノン(4.0g、18mmol)、1,3−ジフェニルプロパン−1,3−ジオール(5.0g、21.9mmol)およびエトキシトリメチルシラン(8.0g、67.7mmol)の無水ジクロロメタン(50ml)中の混合物に、−20℃で窒素雰囲気下に加えた。反応混合物を、一晩放置して室温に加温し、ピリジン(0.5ml)で処理し、蒸発させて、淡黄色の油状物を得た。HPLCおよびGCMSにより、2種の異性体(同一の質量)の存在が示された。溶離剤としてアセトニトリルおよび水を用いた分取HPLCにより、異性体を精製・分離した。主要な異性体(predominant isomer)を、適切な画分の蒸発により単離し、工業的な変性アルコール(methylated spirits)からの再結晶によりさらに精製して、白色固体を得た。構造をH NMR分光法により確認し、GCMSにおけるモル(M)ピークは、432においてであった。相範囲は、C 110.0℃ Iであった。
例2:アキシアル−アキシアル2,4−ジフェニル−9−トランス−プロピル−1,5−ジオキサ−スピロ[5.5]ウンデカンの調製:
Figure 2006225387
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(0.07g、0.31mmol)を、トランス−4’−プロピルシクロヘキシルシクロヘキサノン(4.0g、28.5mmol)、1,3−ジフェニルプロパン−1,3−ジオール(7.0g、33mmol)およびエトキシトリメチルシラン(12.0g、101mmol)の無水ジクロロメタン(50ml)中の混合物に、−20℃で窒素雰囲気下に加えた。反応混合物を、一晩放置して室温に加温し、ピリジン(0.5ml)で処理し、蒸発させて、淡黄色の液状物を得た。HPLCおよびGCMSにより、1種の主要な異性体および第2のマイナーな異性体(同一の質量)の存在が示された。溶離剤としてアセトニトリルおよび水を用いた分取HPLCを用いて、異性体を精製、分離した。主要な異性体を、適切な画分の蒸発により単離して、無色油状物を得た。構造を、H NMR分光法により確認し、GCMSにおけるMピークは、350であった。
例3〜85
例1と同様にして、以下の化合物を調製した:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
例86〜169
例2と同様にして、以下の化合物を調製した:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
例170〜254
例2と同様にして、以下の化合物を調製した:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
例255〜338
例2と同様にして、以下の化合物を調製した:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
例339〜422
例2と同様にして、以下の化合物を調製した:
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
Figure 2006225387
比較使用例
5%のキラルな剤R−5011を、以下の表1に示す組成および特性を有するアキラルな液晶混合物H−0に溶解した。
表1:ホスト混合物H−0の組成および特性
Figure 2006225387
得られた混合物CM−0を、1つの基板側面上に櫛形電極を有する電気光学試験セル中に充填した。電極幅は10μmであり、隣接する電極間の距離は10μmであり、セルギャップもまた10μmである。この試験セルを、交差した偏光子の間で、電気光学的に評価した。
低い温度において、充填したセルは、電圧を印加することなく、交差した偏光子の間で光透過性を有する、キラルなネマティック混合物の典型的なテクスチャを示した。加熱すると、36℃の温度において、混合物は、光学的にアイソトロピックであり、交差した偏光子の間で暗かった。このことは、36℃でキラルなネマティック相からブルー相へ転移したことを示している。この温度を、TまたはTtransと呼ぶ。
43℃の温度まで、セルは、印加された電圧の下で明瞭な電気光学的効果を示し、例えば38℃においては、46Vの電圧を印加することにより、光透過の極大がもたらされた。この温度を、Tと呼び、この電圧を、VmaxまたはV100と呼ぶ。43℃の温度において、可視的な電気光学的効果に必要な電圧は強力に増大しはじめたが、このことは、この温度でブルー相からアイソトロピック相へ転移したことを示している。
混合物をブルー相において電気光学的に用いることができる温度範囲(ΔT(BP))は、約36℃から約43℃までの範囲内、即ち7℃の幅(=T−T=43℃−36℃)であることが確認された。この結果を、以下の表2に示す。さらに、スイッチオン(τon)およびスイッチオフ(τoff)のための応答時間を決定した。この応答時間は、温度がTを超えて上昇するに伴って低下した。両方の応答時間が各々5msを下回った温度をTと呼ぶ。これは、この比較使用例においては、約39.3℃またはわずかに高い温度であった。従って、この比較使用例において、使用可能な平坦な挙動の範囲、即ちT≧Tの場合はΔT(FR)=T−Tとして、T<Tの場合はΔT(FR)=0として定義される、使用可能な平坦範囲(ΔT(FR))は、(43.0℃−39.3℃)=3.7℃である。
使用例1
この使用例において、代替的にそれぞれ10%の例1および2の化合物を、5%のキラルな剤R−5011と共に、上記した比較使用例において用いたアキラルな液晶混合物H−0中に各々溶解した。得られた混合物H−1およびH−2は、表2に示す組成および特性を有した。
表2:結果
Figure 2006225387
注:n.d.:決定せず。
得られた混合物H−1およびH−2を、比較使用例において用いたものと同様のそれぞれの電気光学的試験セル中に充填し、そこに記載したとおりに検査した。
低い温度において、混合物H−1を充填したセルは、電圧を印加することなく交差した偏光子の間で光透過性を有する、キラルなネマティック混合物の典型的なテクスチャを示した。加熱すると、6.7℃の温度において、混合物は、光学的にアイソトロピックとなり、交差した偏光子の間で暗かった。このことは、6.7℃でキラルなネマティック相からブルー相へ転移したことを示している。15.9℃の温度まで、セルは、印加された電圧の下で、明瞭な電気光学的効果を示した。例えば、9.7℃において、40.5ボルトを印加することにより、光透過の極大がもたらされた。15.9℃の温度において、可視的な電気光学的効果に必要な電圧は強力に増大し、このことは、15.9℃でブルー相からアイソトロピック相へ転移したことを示している。
従って、混合物を、ブルー相において電気光学的に用いることができる範囲は、15.9℃−6.7℃=9.2℃であることが確認される。
これは、5%のR−5011のみを含む比較使用例1の混合物CM−0において見出された7℃の範囲よりも、顕著に大きい。
結果を、表2に示す。
混合物H−2を、混合物H−1と同様にして検査した。結果は、同様に表2に示す。検査したすべての使用例は、比較使用例と比較して大きい温度範囲を示し、同時に特性電圧も低下した。
使用例2
この使用例において、10%の例1の化合物を含むネマティック液晶混合物(Aと呼ぶ)を調製し、以下の表に示すように、この物理的特性について評価した。
表3:混合物Aの組成および特性
Figure 2006225387
使用例3
この使用例において、10%の例2の化合物を含むネマティック液晶混合物(Bと呼ぶ)を調製し、以下の表に示すように、この物理的特性について評価した。
表4:混合物Bの組成および特性
Figure 2006225387
注:n.d.:決定せず。

Claims (12)

  1. 式I
    Figure 2006225387
    式中、
    LGは、
    Figure 2006225387
    から選択された3価の基であり、
    MG、MGおよびMGは、互いに独立して、MGであり、
    MGは、各々の場合において、互いに独立して、
    Figure 2006225387
    であり、
    ここで、
    11は、H、F、Cl、CN、NCS、SF、SOCFまたは、直鎖状もしくは分枝状であり、非置換であるか、F、ClもしくはCNにより単置換もしくは多置換されており、かつ1つもしくは2つ以上の隣接していないCH基が、随意に、各々の場合において互いに独立して、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−NH−、−NR01、−SiR0102、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY01=CY01−もしくは−C≡C−により置換されているアルキルであり、
    Figure 2006225387
    は(1つよりも多く存在する場合には、各々の場合において互いに独立して)、芳香環および/または脂環式環、または2個もしくは3個以上の縮合した芳香環もしくは脂環式環を含む基であり、ここで、これらの環は、随意に、N、OおよびSから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含み、随意にRにより単置換または多置換されており、
    Rは、R11について示した意味を有し、
    11は(1つよりも多く存在する場合には、各々の場合において互いに独立して)、−CO−O−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−S−、−CO−NR01−、−NR01−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR01−、−CR01=CH−、−CY01=CY02−、−C≡C−、−(CH−、−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−または単結合であり、
    01およびY02は、互いに独立して、F、ClまたはCNであり、あるいはまたこれらの1つは、Hであってもよく、
    01およびR02は、互いに独立して、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、
    mは、各々の場合において独立して、1、2または3である、
    で表される化合物。
  2. Rが1〜12個のC原子を有するアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 式I−i〜I−iv
    Figure 2006225387
    Figure 2006225387
    式中、R11
    Figure 2006225387
    11およびmは、請求項1に示したそれぞれの意味を有し、
    12およびR13は、互いに独立して、請求項1におけるR11について示した意味を有し、
    Figure 2006225387
    は、各々の場合において互いに独立して、請求項1における
    Figure 2006225387
    について示した意味を有し、
    12およびZ13は、互いに独立して、請求項1におけるZ11について示した意味を有し、
    nおよびoは、互いに独立して、請求項1におけるmについて示した意味を有する、
    から選択される式で表されることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。

  4. Figure 2006225387
    の少なくとも1つが、以下の式Ia〜Irおよびこれらのそれぞれの鏡像
    Figure 2006225387
    Figure 2006225387
    Figure 2006225387
    式中、Lは(1つよりも多く存在する場合には、各々の場合において互いに独立して)、H、F、Cl、Br、CN、OH、NO、または1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル基であり、ここで、1個または2個以上のH原子は、随意に、FまたはClにより置換されており、rおよびsは、互いに独立して、0、1、2、3または4である、
    から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。

  5. Figure 2006225387
    のすべてが、請求項4に記載の式Ia〜Irおよびこれらのそれぞれの鏡像から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
  6. 互いに同一である2つのメソゲン性基MGおよびMGを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含むことを特徴とする、媒体。
  8. 光変調媒体であり、ブルー相を有することを特徴とする、請求項7に記載の媒体。
  9. 請求項7または8に記載の媒体を含むことを特徴とする、光変調素子。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物の、メソゲン性媒体における使用。
  11. 請求項7または8に記載の媒体の、光変調素子における使用。
  12. 請求項7または8に記載の媒体を含むことを特徴とする、電気光学的ディスプレイ。
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