JP2006225174A - ヒータ及び半導体結晶製造装置 - Google Patents

ヒータ及び半導体結晶製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006225174A
JP2006225174A JP2005037358A JP2005037358A JP2006225174A JP 2006225174 A JP2006225174 A JP 2006225174A JP 2005037358 A JP2005037358 A JP 2005037358A JP 2005037358 A JP2005037358 A JP 2005037358A JP 2006225174 A JP2006225174 A JP 2006225174A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
crystal
temperature
thermocouple
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005037358A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Suzuki
隆 鈴木
Koji Taiho
幸司 大宝
Masashi Owada
将志 大和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2005037358A priority Critical patent/JP2006225174A/ja
Publication of JP2006225174A publication Critical patent/JP2006225174A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】常温のガスが炉内に入り、一時的にヒータ内周囲に較べヒータ外周囲の雰囲気ガスが温度低下しても、これに敏感に反応しない熱電対及び半導体結晶製造装置を提供すること。
【解決手段】LEC法による半導体結晶製造装置において、耐圧容器30内に配置され原料融液を収容するルツボ54の外周に該ルツボを囲んで設けられた円筒形のヒータ38と、前記ヒータの内部に設けられた熱電対40と、前記熱電対により計測される実測温度に基づいて前記ヒータ38の温度を制御する温度制御系41とを有する構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体結晶の製造装置、例えばLEC法によるGaAsからなる化合物半導体単結晶の製造装置に用いられるヒータ及び半導体結晶製造装置に関するものである。
GaAs単結晶は、磁電変換素子、電界効果トランジスタ(FET)、IC、LSI等の高速高周波素子等の基板として非常に広い用途で使用されている。これら素子に用いられる基板材料の単結晶製造方法の一つに液体封止引上げ法(以下、LEC法)がある。
LEC法では、以下のように単結晶を製造する。図3に示すように、耐圧容器3内に設置した単結晶成長用容器たるPyrolitic Boron Nitride(略称:PBN)製のルツボ27に原料及び原料元素と反応性の低い液体封止剤6を収容して、容器内部に不活性ガス(例えばアルゴン(Ar)ガス等)を所定の圧力封入する。この後、ルツボ27の外周部に位置するヒータ11で加熱して、GaAs融液7を作る。この後、GaAs融液7に種結晶4を接触させ、徐々に引上軸2を引上げ、ヒータ11の温度を適正に制御することで所定の径に制御しながら引上げていくことにより、GaAsの単結晶5を得る。ここでヒータ11の温度は、ヒータ11の発熱帯近傍に熱電対13を設置することにより測定することが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
このLEC法による単結晶の製造では、炭素が結晶中に不純物として混入する。GaAs結晶中の炭素は浅いアクセプタとなり、その濃度の高低で結晶の電気特性は大きく変化する。GaAsウェハに求められる電気特性は、ウェハが基板として使われる素子の種類によって異なる。このため、結晶中に含まれる炭素濃度は、結晶の先端から後端にかけて希望する濃度に対してなるべくばらつきが少なく、均一であることが望ましい。また、こうした単結晶を再現性よく成長する方法が必要とされている。
LEC法によるGaAs単結晶に混入する炭素は、結晶成長中の圧力容器内の雰囲気ガス中の一酸化炭素から供給される。このため、結晶成長中の容器内の一酸化炭素濃度を所定の値に制御することで、単結晶に含まれる炭素濃度を希望する値にする方法が行われている。一酸化炭素濃度をコントロールする方法としては、図3に示すように、炉内の一酸化炭素ガス濃度をガス配管18を通してCOガス濃度計24で計測し、通信用ケーブル17を介してコンピュータ14に送ってモニターし、コンピュータ14で次のように制御する。すなわち、所定の値より濃度が高い場合には、COガスを含まない不活性ガスを、ガスバルブ20を開けて、ガスボンベ22、ガス配管19から炉内に導入し、且つ炉内のガスをバルブ25を開けて排出することにより濃度を下げる。また濃度が低い場合には、一酸化炭素ガスが混じったガスを、ガスバルブ21を開けて、ガスボンベ23等から炉内に導入し、且つ炉内のガスをバルブ25を開けてガス配管26より排出することにより、一酸化炭素ガスの濃度を上げる。
なお、図3中、12はルツボ27を受けるルツボ軸、8、9、10はグラファイト部材から成る熱シールド治具である。
特開平8−295592号公報
しかしながら、上記のように熱電対をヒータの発熱帯近傍に設置してヒータ温度を測定する方法では、ガスを炉内に封入したときに温度の低下が熱電対で検知され、ヒータの発熱量が大きくなるように温度制御され、融液の温度が高くなることがある。こうした制御の乱れは、炭素濃度の低い結晶や高い結晶を成長するときのように、ガスの置換量を大きくするときに生じやすい。こうした変動が起こると、結晶径の制御が乱れ、単結晶を成長することが困難となる。
詳述するに、上記のガス置換による結晶径の制御の乱れは、以下に起因すると考えられる。
LEC法による結晶径の制御の概略を図3を使用して説明する。
結晶を引き上げる際、結晶の重量をロードセル1で測定し、その電圧信号を通信用ケーブル16を通してデジタルボルトメータ15でモニターし、単位時間当たりに増加した重量の変化量から結晶径をコンピュータ14で算出する。その結果からヒータ11の温度を調整することでGaAs融液7の温度を制御し、結晶径が所定の径になるようにしている。すなわち、結晶重量の単位時間当たりの増加量が増大している場合は、コンピュータ14からヒータの温度を上げるように、結晶重量の単位時間当たりの増加量が減少している場合はコンピュータ14からヒータ11の温度を下げるようにそれぞれ指令が出され、実際の結晶の径が目標とする径になるようにしている。
ここでヒータの温度は、熱電対13をヒータ近傍に設置することで測定する。ガス置換のために炉内に封入されるガスの温度は、常温(20℃〜30℃)であり、炉内の雰囲気ガス温度に比べて低く、こうした常温のガスが炉内に入り雰囲気ガスと混ざることでガスの対流が生じて、一時的に雰囲気ガスの温度が下がり、これを熱電対13が感知し、ヒータ温度が低下したと制御系が判断し、ヒータ温度を上昇させようとしてヒータの通電パワーが大きくなり、結晶径の変動が起こる。
本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を解消し、常温のガスが炉内に入り、一時的にヒータ内周囲に較べ、ヒータ外周囲の雰囲気ガスが温度低下しても、これに敏感に反応しない熱電対及び半導体結晶製造装置を提供することにある。
本発明により達成しようとする半導体結晶製造装置の代表例は、例えばLEC法においてGaAs単結晶の先端から後端にかけて炭素濃度を制御しながら成長し、結晶の先端から後端にかけて、希望する炭素濃度に対してばらつきの小さい単結晶を成長する装置であって、こうした単結晶を再現性よく安定して成長するために結晶径を目標径から大きく外れることなく制御しうる製造装置である。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係るヒータは、原料融液を収容するルツボの外周を囲んで設けられる円筒形のグラファイトヒータであって、その上端および下端から縦方向に交互に入れた上部スリットおよび下部スリットによりヒータ発熱帯が形成され、該ヒータ発熱帯の肉厚内にヒータ発熱帯下端より設けた縦穴内に熱電対を挿入したことを特徴とする。
この特徴によれば、熱電対で計測される温度はグラファイトヒータ内部の温度となり、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度には直接に影響されなくなる。
請求項2の発明に係る半導体結晶製造装置は、LEC法による半導体結晶製造装置であって、耐圧容器内に配置され原料融液を収容するルツボと、該ルツボの外周を囲んで設けられた円筒形のグラファイトヒータと、前記グラファイトヒータの内部に設けられた熱電対と、前記熱電対により計測される実測温度に基づいて前記グラファイトヒータの温度を制御する温度制御系とを有することを特徴とする。
この特徴によれば、グラファイトヒータ内部の温度が熱電対で実測されるため、温度制御系は、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度のゆらぎから直接に影響を受けずにグラファイトヒータの温度を制御することができる。
請求項3の発明に係る半導体結晶製造装置は、耐圧容器内に配置され原料融液を収容するルツボと、該ルツボの外周を囲んで設けられた円筒形のグラファイトヒータと、前記原料融液に接触させた種結晶を支持し、前記原料融液から成長する結晶を引き上げる引上軸とを有するLEC法による半導体結晶製造装置において、前記グラファイトヒータの内部に熱電対を設け、結晶の引き上げに際し、前記熱電対により計測される実測温度と、引き上げ量に応じて修正すべきヒータ温度との差に基づいて、グラファイトヒータの通電量を増減し、結晶径を所定の径に維持する結晶径制御系を設けたことを特徴とする。
この特徴によれば、グラファイトヒータの内部に熱電対を設けているので、熱電対により計測される実測温度に、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度のゆらぎが反映されない。従って、結晶径制御系は、結晶の引き上げに際し、この熱電対により計測される実測温度と、引き上げ量に応じて修正すべきヒータ温度との差に基づいて、グラファイトヒータの通電量(供給電力)を増減し、結晶径を所定の径に維持することができる。
請求項4の発明は、請求項2又は3記載の半導体結晶製造装置において、結晶成長中の容器内の一酸化炭素濃度の減増に応じて、一酸化炭素ガスの供給をオンオフ制御し又は供給量を増減制御し、一酸化炭素濃度を所定の値に維持する一酸化炭素濃度の制御系を設けたことを特徴とする。
この特徴によれば、一酸化炭素濃度の制御系の制御の下で結晶成長中の容器内に常温の一酸化炭素が導入され、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度が下がった場合でも、熱電対はグラファイトヒータの内部に設けてあるので、そのグラファイトヒータ周囲の雰囲気温度のゆらぎが実測温度に反映されない。従って、結晶径制御系の制御の下で、結晶径を所定の径に維持することができる。
<発明の要点>
本発明の要点は、LEC法で先端から後端にかけて、炭素濃度のばらつきの小さいGaAs単結晶を再現性よく成長する半導体結晶製造装置において、結晶径の制御を精度よくするために、原料融液を加熱するヒータの温度を測定するための熱電対を、ヒータの発熱帯の中に設置することで、結晶径の制御を精度良く行えるようにしたことにある。
本発明の典型的な形態は、次のようになる。
すなわち、耐圧容器内に配置され原料融液を収容するルツボと、ルツボを加熱すべくルツボの外周に該ルツボを囲んで設けられた円筒形のグラファイトヒータと、前記原料融液に接触させた種結晶を支持し、前記原料融液から成長する結晶を引き上げる引上軸とを有するGaAsなどの化合物半導体結晶を製造する装置において、
前記グラファイトヒータの内部に熱電対を設け、
結晶の引き上げに際し、前記熱電対により計測される実測温度と、引き上げ量に応じて修正すべき目標温度(例えば、結晶重量の単位時間当たりの増加量の増減に応じて増減すべき目標温度)とに基づいて、ヒータの通電量(供給電力)を増減し、結晶径を所定の径に維持する結晶径制御系と、
結晶成長中の容器内の一酸化炭素濃度を所定の値に維持すべく、一酸化炭素ガスの供給系を制御する一酸化炭素濃度の制御系と、を設けた半導体結晶製造装置である。
本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
本発明ヒータ又は半導体結晶製造装置によれば、熱電対で計測される温度がグラファイトヒータ内部の温度となり、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度には直接に影響されなくなる。従って、この熱電対により計測される実測温度に基づいてグラファイトヒータの温度を制御する温度制御系においては、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度のゆらぎから直接に影響を受けずにグラファイトヒータの温度を制御することができる。また、結晶径制御系は、結晶の引き上げに際し、この熱電対により計測される実測温度と、引き上げ量に応じて修正すべきヒータ温度との差に基づいて、グラファイトヒータの通電量(供給電力)を増減し、結晶径を所定の径に維持することができる。
すなわち、一酸化炭素濃度の制御系の制御の下で結晶成長中の容器内に常温の一酸化炭素等が導入され、グラファイトヒータの周囲の雰囲気温度が下がった場合でも、熱電対はグラファイトヒータの内部に設けてあるので、そのグラファイトヒータ周囲の雰囲気温度のゆらぎが実測温度に反映されない。従って、結晶径制御系の制御の下で、結晶径を所定の径に維持することができる。
よって、従来行われている結晶成長中の炉内の一酸化炭素濃度を制御してGaAs単結晶を得る方法に比べて、結晶形状に乱れのない単結晶を安定して製造が可能である。このため、電気特性のより均一なGaAs単結晶を従来法より安定して生産でき、これらを基板として使用する素子の製造コストを下げることができ、その産業的、経済的貢献は大きい。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は砒化ガリウム単結晶をLEC法により成長する製造装置の概念図である。
耐圧容器30内の中央に、有底無蓋の円筒状の単結晶成長用容器たるPyrolitic Boron Nitride(略称:PBN)製のルツボ54、正確にはそのサセプタが配置され、鉛直な単結晶成長用容器軸(ルツボ軸)39の上端に固定されている。ルツボ軸39の下端は、耐圧容器30の外部下側に設けられた回転昇降手段(図示せず)に連結されている。耐圧容器30内のルツボ54の上側には、ルツボ軸39と同軸に、引上軸29が設けられている。引上軸29は耐圧容器30の外部上側に設けられた回転昇降手段(図示せず)により、回転、昇降自在となっている。
耐圧容器30内のルツボ54の周囲には、ルツボ54内の原料融液及び液体封止剤を加熱すべく、ルツボ54の周囲を円筒状に取り巻く形で、加熱手段としてのグラファイト製のヒータ38が配置されている。そして、このヒータ38と耐圧容器30の側壁との間には、グラファイト部材から成る熱シールド治具35、36、37が配置されている。
上記耐圧容器30内へのガス導入手段として、Arガスボンベ49からバルブ47、配管46を介して、アルゴン(Ar)ガス供給系が設けられていると共に、COガス混合Arガスボンベ50からバルブ48、配管46を介して、COガス混合Arガスの供給系が設けられている。また、耐圧容器30内のガスを排気するための排気手段として、バルブ52及び配管53が設けられている。
図2に示すように、ヒータ38は全体として円筒形(略円筒形の場合を含む)であり、その壁に、図示するように、その円筒形ヒータの上端および下端から縦方向に上部スリット61および下部スリット62を交互に設けた形をしている。換言すれば、上部スリット61および下部スリット62により、ジグザグ状に走るヒータ発熱帯56が形づくられている。上部スリット61および下部スリット62は、円筒形ヒータの周方向に見た各スリット間の間隔dが均等となるように設けられている。この上部スリット61および下部スリット62の各スリット幅は同一である。
上記ヒータ38には、そのヒータ発熱帯56の肉厚内に、下方から上方に向けて小径の縦穴60が設けられており、該縦穴はヒータ38の上下幅の中央付近まで穿設されている。このヒータ38の縦穴60内には、熱電対本体58及びリード59をMo製の熱電対保護管57に納めて成る熱電対40が、下方から挿入されている。
41は、温度制御系、結晶径制御系及び一酸化炭素濃度制御系の制御装置の主体となるパーソナルコンピュータ(パソコン)である。このコンピュータ41には、温度制御系を構築すべく、上記ヒータ38内に設けた熱電対40からの温度信号が、ライン40aを通して入力されている。また、コンピュータ41には、結晶径制御系を構築すべく、引上軸29に設けたロードセル28からの荷重信号が、通信用ケーブル43及びデジタルボルトメータ42を介して、コンピュータ41に入力されている。更に又、耐圧容器30には、その内部のCOガス濃度を計測するためのCOガス濃度計51が設けられており、一酸化炭素濃度制御系を構築すべく、その濃度信号が通信用ケーブル44を通して、コンピュータ41に入力されている。
LEC法により砒化ガリウム単結晶を製造する場合、ルツボ54内に砒化ガリウムの原料(固体)及び封止剤(固体)を収容する。そして、不活性ガスを充填した耐圧容器30内で、ルツボ54をヒータ38により通電加熱して融解し、原料融液(GaAs融液)34及び液体封止剤33を作成し、回転昇降手段で引上軸29を回転、降下させて、原料融液34に種結晶31を接触させる。その後、例えば一方向にルツボ54を回転させると共に、例えば他方向に回転させながら種結晶31を上方向に引き上げることにより、種結晶31の下端から化合物半導体たるGaAs単結晶32を成長させる方法である。
ここでLEC法による結晶径の制御の概略を図1を使用して説明する。
結晶を引き上げる際、結晶径制御系は、結晶の重量をロードセル28で測定し、その電圧信号をデジタルボルトメータ42でモニターし、単位時間当たりに増加した重量の変化量から結晶径をコンピュータ41で算出する。その結果から、温度制御系により、ヒータ38の温度を調整することで、GaAs融液34の温度を制御し、結晶径が所定の径になるようにしている。すなわち結晶重量の単位時間当たりの増加量が増大している場合は、コンピュータ41から通電量(供給電力)を増加させてヒータの温度を上げるように、また結晶重量の単位時間当たりの増加量が減少している場合はコンピュータ41から通電量(供給電力)を減少させてヒータ38の温度を下げるように、それぞれ指令が出され、実際の結晶の径が目標とする径に一定化するようにしている。
既に述べたように、LEC法によるGaAs単結晶に混入する炭素は、結晶成長中の圧力容器内雰囲気ガス中の一酸化炭素から供給される。そこで、単結晶に含まれる炭素濃度を希望する値にする目的で、結晶成長中の容器内の一酸化炭素濃度を所定の値に制御することが行われている。すなわち、炉内の一酸化炭素ガス濃度をガス配管45を通してCOガス濃度計51で計測し、計測したガス濃度信号を通信用ケーブル44を通してコンピュータ41に送る。一酸化炭素濃度制御系の主体をなすコンピュータ41は、ガス濃度が所定の値より高い場合には、COガスを含まない不活性ガス(Arガス)をバルブ47を開けてArガスボンベ49から炉内に導入し、且つ炉内のガスをバルブ52を開けて排出することにより濃度を下げる。また、濃度が低い場合には、一酸化炭素ガスが混じったArガスをバルブ48を開けてCOガス混合Arガスボンベ50から炉内に導入し、且つ炉内のガスをバルブ52を開けて排出することにより一酸化炭素ガスの濃度を上げる。
このガス置換のために炉内に封入されるガスの温度は、常温(20℃〜30℃)であり、炉内の雰囲気ガス温度に比べて低い。この常温のガスが炉内に入り雰囲気ガスと混ざると、ガスの対流が生じて、一時的に雰囲気ガスの温度が下がる。従来の熱電対13の如く、熱電対をヒータ近傍に設置している場合には、この温度低下を熱電対13(図3参照)が感知し、ヒータ温度が低下したと制御系が判断し、ヒータ温度を上昇させようとしてヒータの通電量(供給電力)が大きくなる。このため温度のゆらぎが発生し、結晶径の変動が起こる。
しかし、本実施例の場合には、熱電対40はヒータ38の中に納められている。このため、ガス置換のために一時的に炉内雰囲気ガスの温度が下がっても、熱電対40は、その温度変化を敏感には感知しない。すなわち、炉内雰囲気ガスの少しの温度変化では、制御系がヒータ温度が低下したと判断しなくなる。このため融液温度のゆらぎが発生しなくなり、結晶径の変動が抑えられる。
<試作例>
本発明の効果を確認するため、図1に示す結晶引上げ装置(実施例の半導体結晶製造装置)と、図3に示す結晶引上げ装置(比較例の半導体結晶製造装置)を用いて、GaAs単結晶の成長を試みた。
(実施例装置での試作)
図1に示す実施例の結晶引上げ装置を用いて、GaAs単結晶を10本成長した。ガスボンベ50には、アルゴン(Ar)ガスに一酸化炭素ガスが5%混入したガスが入っている。2MPaの圧力下で、ルツボ54に砒素が過剰組成となるようなGaAs融液34を20kg作成した後、バルブ47、48の開閉により、結晶が引上げられる空間の一酸化炭素ガス濃度が500ppmになるようにした。
この後、GaAs融液34に種結晶31を付け、これを回転させながら結晶径110mmの引上げ単結晶を成長した。成長中、炉内の圧力を2MPaに保持した。
この試作例では、炉内の一酸化炭素濃度が500ppmになるよう保持して、引上げられる単結晶の炭素濃度を2.0×1015/cm3とするために、成長中は炉内の一酸化炭素濃度をCOガス濃度計51で測定し、一酸化炭素濃度が500ppmより高い場合には純Arガスをボンベ49から、また、低い場合には、Arガスに5%一酸化炭素ガスを混入したArガスボンベ50から、それぞれガスを配管46を通して炉内に封入した。
ここでヒータの温度は、図2に示すように、熱電対保護管57内に熱電対本体58を挿入して成る熱電対40を、ヒータ発熱帯56の中に入るように、予め発熱帯56に縦穴60をあけたヒータ38を用意して、この縦穴60に熱電対40を設置することで測定した。
このようにして直径110mm、長さの350mmのGaAs結晶32を10本引上げた。この結果を表1に示す。10本とも単結晶であり、結晶径の目標径からのズレの最大値は、全て3mm以内であり、結晶径の変動が小さく収まった。
(比較例装置での試作)
図3に示す比較例の結晶引上げ装置を用いて、GaAs単結晶を10本成長した。ガスボンベ23には、アルゴン(Ar)ガスに一酸化炭素ガスが5%混入したガスが入っている。2MPaの圧力下で、ルツボ27に砒素が過剰組成となるようなGaAs融液7を20kg作成した後、バルブ20、21の開閉により、結晶が引上げられる空間の一酸化炭素ガス濃度が500ppmになるようにした。
この後、GaAs融液7に種結晶4を付け、これを回転させながら結晶径110mmの引上げ単結晶を成長した。成長中、炉内の圧力を2MPaに保持した。
本試作例では、炉内の一酸化炭素濃度が500ppmになるよう保持して、引上げられる単結晶の炭素濃度を2.0×1015/cm3とするために、成長中は炉内の一酸化炭素濃度をCOガス濃度計24で測定し、一酸化炭素濃度が500ppmより高い場合には純Arガスをボンベ22から、また低い場合には5%一酸化炭素ガスの混入したArガスボンベ23から、それぞれガスを配管19を通して炉内に封入した。
ここでヒータの温度は、図3に示すように、保護管内に挿入した熱電対13を、ヒータ発熱帯の近傍に沿わせるように設置することで測定した。
このようにして直径110mm、長さの350mmのGaAs結晶5を10本引上げた。この結果を表2に示す。10本のうち2本のみ単結晶であり、結晶径の目標径からのズレの最大値は、3mmのものが2本のみで、他は全てこれを超えて4〜7mmとなっており、結晶径の変動が大きかった。
Figure 2006225174
Figure 2006225174
表1に実施例の、表2に比較例の各装置により引上げた計20本の結晶の多結晶の発生位置、および結晶の形状の乱れを調べた結果(目標径である110mmからの実際に成長した結晶径との差の最大値)を示す。両者を比較すると、実施例の装置で成長した結晶の場合は全て単結晶であり、比較例の装置の場合に比べ、結晶形状の乱れのない単結晶を安定して成長できることがわかる。
本発明の半導体結晶製造装置の一実施例を示したもので、GaAs結晶を引き上げるのに用いた結晶成長炉の構成を示した図である。 本発明の一実施例に係るヒータの構造を示す図である。 従来の半導体結晶製造装置の一例を示したもので、GaAs結晶を引き上げるのに用いた結晶成長炉の構成を示した図である。
符号の説明
28 ロードセル
29 引上軸
30 耐圧容器
31 種結晶
32 GaAs単結晶
33 液体封止剤
34 原料融液(GaAs融液)
38 ヒータ
39 ルツボ軸
40 熱電対
41 コンピュータ(温度制御系)
42 デジタルボルトメータ
45、46 配管
47、48 バルブ
49 Arガスボンベ
50 COガス混合Arガスボンベ
51 COガス濃度計
52 バルブ
53 配管
54 ルツボ
56 ヒータ発熱帯
57 熱電対保護管
58 熱電対本体
59 リード
60 縦穴
61 上部スリット
62 下部スリット

Claims (4)

  1. 原料融液を収容するルツボの外周を囲んで設けられる円筒形のグラファイトヒータであって、その上端および下端から縦方向に交互に入れた上部スリットおよび下部スリットによりヒータ発熱帯が形成され、該ヒータ発熱帯の肉厚内にヒータ発熱帯下端より設けた縦穴内に熱電対を挿入したことを特徴とするヒータ。
  2. LEC法による半導体結晶製造装置であって、耐圧容器内に配置され原料融液を収容するルツボと、該ルツボの外周を囲んで設けられた円筒形のグラファイトヒータと、
    前記グラファイトヒータの内部に設けられた熱電対と、
    前記熱電対により計測される実測温度に基づいて前記グラファイトヒータの温度を制御する温度制御系と
    を有することを特徴とする半導体結晶製造装置。
  3. 耐圧容器内に配置され原料融液を収容するルツボと、該ルツボの外周を囲んで設けられた円筒形のグラファイトヒータと、前記原料融液に接触させた種結晶を支持し、前記原料融液から成長する結晶を引き上げる引上軸とを有するLEC法による半導体結晶製造装置において、
    前記グラファイトヒータの内部に熱電対を設け、
    結晶の引き上げに際し、前記熱電対により計測される実測温度と、引き上げ量に応じて修正すべきヒータ温度との差に基づいて、グラファイトヒータの通電量を増減し、結晶径を所定の径に維持する結晶径制御系を設けた
    ことを特徴とする半導体結晶製造装置。
  4. 請求項2又は3記載の半導体結晶製造装置において、
    結晶成長中の容器内の一酸化炭素濃度の減増に応じて、一酸化炭素ガスの供給をオンオフ制御し又は供給量を増減制御し、一酸化炭素濃度を所定の値に維持する一酸化炭素濃度の制御系を設けたことを特徴とする半導体結晶製造装置。
JP2005037358A 2005-02-15 2005-02-15 ヒータ及び半導体結晶製造装置 Pending JP2006225174A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005037358A JP2006225174A (ja) 2005-02-15 2005-02-15 ヒータ及び半導体結晶製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005037358A JP2006225174A (ja) 2005-02-15 2005-02-15 ヒータ及び半導体結晶製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006225174A true JP2006225174A (ja) 2006-08-31

Family

ID=36986867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005037358A Pending JP2006225174A (ja) 2005-02-15 2005-02-15 ヒータ及び半導体結晶製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006225174A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115233306A (zh) * 2022-09-25 2022-10-25 杭州中欣晶圆半导体股份有限公司 能够有效降低硅片中碳杂质含量的加热装置及方法
CN115608273A (zh) * 2022-09-19 2023-01-17 昆明云天墨睿科技有限公司 一种氧化石墨烯生产装置及生产方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115608273A (zh) * 2022-09-19 2023-01-17 昆明云天墨睿科技有限公司 一种氧化石墨烯生产装置及生产方法
CN115608273B (zh) * 2022-09-19 2023-07-28 昆明云天墨睿科技有限公司 一种氧化石墨烯生产装置及生产方法
CN115233306A (zh) * 2022-09-25 2022-10-25 杭州中欣晶圆半导体股份有限公司 能够有效降低硅片中碳杂质含量的加热装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003277197A (ja) CdTe単結晶およびCdTe多結晶並びにその製造方法
KR20180101586A (ko) 실리콘 단결정의 제조 방법
US7374614B2 (en) Method for manufacturing single crystal semiconductor
WO2018186150A1 (ja) 熱遮蔽部材、単結晶引き上げ装置および単結晶シリコンインゴットの製造方法
US5935326A (en) Apparatus for manufacturing semiconductor single crystals
KR20090021144A (ko) 단결정 SiC 및 그 제조 방법과 단결정 SiC의 제조 장치
US20230340691A1 (en) Production method for silicon monocrystal
US10557213B2 (en) Crystal growing systems and methods including a transparent crucible
US7235128B2 (en) Process for producing single-crystal semiconductor and apparatus for producing single-crystal semiconductor
EP1722014A1 (en) Method for manufacturing nitrogen-doped silicon single crystal
US20210071314A1 (en) Semiconductor crystal growth apparatus
JP2006225174A (ja) ヒータ及び半導体結晶製造装置
US20040173140A1 (en) Apparatus and method for balanced pressure growth of Group III-V monocrystalline semiconductor compounds
EP1614774A1 (en) Process for producing single crystal
JP5181171B2 (ja) 半導体単結晶製造方法
US10844513B2 (en) Method for producing a semiconductor wafer of monocrystalline silicon, device for producing a semiconductor wafer of monocrystalline silicon and semiconductor wafer of monocrystalline
KR101186751B1 (ko) 멜트갭 제어장치, 이를 포함하는 단결정 성장장치
JP2008050174A (ja) 単結晶SiC及びその製造方法
JPS627695A (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法
JP2755452B2 (ja) シリコン単結晶の引上げ装置
JP4399631B2 (ja) 化合物半導体単結晶の製造方法、及びその製造装置
JP7420046B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
US20230279580A1 (en) Silicon carbide single crystal and manufacturing method of silicon carbide single crystal
EP4174220A1 (en) Single crystal growth apparatus
JP5077299B2 (ja) 単結晶製造装置及び単結晶製造方法