JP2006224163A - 冷間鍛造用の潤滑処理方法および潤滑処理装置 - Google Patents

冷間鍛造用の潤滑処理方法および潤滑処理装置 Download PDF

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Kunio Yamauchi
邦夫 山内
Katsuyuki Iwakura
克行 岩倉
Kiyoaki Nishii
清明 西井
Tomiyuki Imai
富之 今井
Minoru Murayama
実 村山
Masayuki Watanabe
正幸 渡辺
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Abstract

【課題】ワーク表面に薄く均一な潤滑皮膜を形成すること。
【解決手段】本発明の潤滑処理は、ワーク2を水溶性潤滑剤に浸漬させることで、ワーク表面に水溶性潤滑剤を塗布する方法であり、潤滑剤塗布槽11の水溶性潤滑剤にワーク2を浸漬させた後、水溶性潤滑剤からワーク2を引き上げる際に、その引き上げ速度を20mm/sec以下に設定している。この場合、ワーク2の引き上げ速度が遅いため、潤滑剤塗布槽11に蓄えられた水溶性潤滑剤の液面の表面張力にワーク表面の水溶性潤滑剤が引っ張られることで、ワーク表面に余分な水溶性潤滑剤が塗布されることはなく、水溶性潤滑剤を薄く均一に塗布できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷間鍛造されるワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する冷間鍛造用の潤滑処理方法および潤滑処理装置に関する。
従来、冷間鍛造用の潤滑処理方法として、以下の工程1)〜8)が知られている。
1)ワーク表面に付着した油等の汚れを界面活性剤等の脱脂剤で除去する脱脂工程、
2)ワーク表面の脱脂剤を除去するために水洗いする水洗工程、
3)ワーク表面の錆等を除去するために酸洗いする酸洗工程、
4)ワーク表面の酸を除去するために湯洗いする湯洗工程、
5)ワーク表面にリン酸塩皮膜を形成する化成処理(ボンデ処理)工程、
6)ワーク表面の余分な皮膜処理剤を除去するために水洗いする水洗工程、
7)ワーク表面の水洗では除去できなかった皮膜剤成分を中和させる中和処理、
8)ワーク表面のリン酸塩皮膜と脂肪酸塩が化学反応し、金属石鹸を中間層として形成する処理(リューベ処理)。
上記の処理工程は、冷間鍛造全般に使用でき、潤滑性は高いが、以下の欠点がある。
a)処理工程が多いため、その分、設備台数が多くなる。
b)設備の設置面積が大きくなる。
c)エネルギ消費量が多くなる。
一方、ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する方法もある(特許文献1参照)。
これは、脱脂→水洗→乾燥→水溶性潤滑剤塗布→乾燥の順に行われる。この方法では、処理工程が短く、且つ化成処理を行う必要がないので、生産性が高く、設備の設置面積およびエネルギ消費量も小さくできる。
特開2002−102984号公報
ところが、ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する方法では、塗布ムラが発生することがあり、ワーク表面に均一な潤滑皮膜を形成することが困難である。このため、潤滑皮膜が形成されない部分が発生したり、搬送中に潤滑皮膜が剥離して、冷間鍛造に要する加工荷重が増大する問題がある。
また、潤滑皮膜が厚く塗られると、塗布後の乾燥時間が長くなるため、生産性が低下する上に、乾燥設備が大型化する。また、余分な潤滑皮膜が後工程の冷鍛や切削工程に持ち込まれると、搬送路にカスが堆積してワークを搬送する際の障害となる恐れがある。
さらに、ワークがSCrやSCMのような合金鋼の場合には、水溶性潤滑剤が剥がれ易いという問題もある。
また、ワーク表面に潤滑剤を塗布して乾燥した後、吸湿すると、潤滑剤が剥離しやすくなり、冷鍛工程での加工荷重が増大する問題もある。
なお、上記の特許文献1には、ワーク表面に付着した余分な潤滑剤を除去するために、エアブローで液切りを行う方法が示されているが、この方法では、エアブローで除去した潤滑剤が設備内に飛び散るため、他のワーク表面に付着して塗布ムラが発生したり、エアブローを発生させる工程を追加するために生産性が低下して設備が大きくなる上に、消費エネルギが増える問題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ワーク表面に薄く均一な潤滑皮膜を形成することができる冷間鍛造用の潤滑処理方法および潤滑処理装置を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、ワークを水溶性潤滑剤に浸漬して、ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程を含む冷間鍛造用の潤滑処理方法であって、潤滑剤塗布工程では、水溶性潤滑剤からワークを引き上げる時の引き上げ速度を20mm/sec以下としたことを特徴とする。
上記の方法によれば、液面の表面張力にワーク表面の水溶性潤滑剤が引っ張られることで、薄く均一に塗布できる。
(請求項2の発明)
本発明は、円筒形状のワークを水溶性潤滑剤に浸漬して、ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程を含む冷間鍛造用の潤滑処理方法であって、潤滑剤塗布工程では、水溶性潤滑剤からワークを引き上げる時の引き上げ速度を20mm/sec以下としたことを特徴とする。
上記の方法によれば、液面の表面張力にワーク表面の水溶性潤滑剤が引っ張られることで、薄く均一に塗布できる。
(請求項3の発明)
請求項2に記載した冷間鍛造用の潤滑処理方法において、ワークの表面に付着している油等の汚れを除去する第1工程と、ワークの表面を水洗いする第2工程と、ワークの表面の水滴を除去する第3工程と、ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する第4工程(請求項2に記載した潤滑剤塗布工程)と、ワークの表面に塗布された水溶性潤滑剤を乾燥させる第5工程とが実施され、第1工程〜第3工程および第5工程では、ワークの長手方向一端側を上向きにして、ワークの内径が保持された状態で各工程が実施され、第4工程では、ワークの長手方向一端側を下向きにした後、その長手方向一端側を水溶性潤滑剤に浸漬して、長手方向一端側の内外表面に水溶性潤滑剤が塗布されることを特徴とする。
本発明の潤滑処理方法が適用されるワークは、長手方向一端側の内外表面に水溶性潤滑剤が塗布される。このため、水溶性潤滑剤を塗布する第4工程を除く第1〜第3工程および第5工程では、ワークの長手方向一端側を上向きにして、ワークの内径が保持されることで、各工程(脱脂、水洗、水滴除去、乾燥)をムラ無く均等に処理できる。また、処理が容易な上方向から各工程を実施できる。
一方、第4工程では、ワークの長手方向一端側を下向きにすることで、処理が容易な上方からワークを水溶性潤滑剤に浸漬するだけで、長手方向一端側の内外表面に水溶性潤滑剤を塗布することができる。また、ワークを水溶性潤滑剤から引き上げた時に、潤滑剤が垂れても、ワークの長手方向他端側に潤滑剤が付着することはない。
(請求項4の発明)
請求項3に記載した冷間鍛造用の潤滑処理方法において、第3工程と第4工程との間に、酸洗−水洗−乾燥から成る下処理を実施することを特徴とする。
第4工程の前、つまりワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する前に、下処理を実施することで、ワークの表面に錆を発生させることができる。その後、第4工程を実施することで、ワーク表面に発生した錆によって水溶性潤滑剤の密着度が増すため、例えば、SCrやSCMのような合金鋼の場合でも、水溶性潤滑剤を剥がれにくくできる。
(請求項5の発明)
請求項3または4に記載した冷間鍛造用の潤滑処理方法において、第3工程または下処理を終了した後、ワークの向きを天地方向に反転してから第4工程に移行し、水溶性潤滑剤からワークを引き上げた後、再度、ワークの向きを天地方向に反転して、第5工程に移行することを特徴とする。
これにより、第1工程から第5工程までの処理を連続的に、且つ効率良く実施できるため、処理時間を短縮できる。
(請求項6の発明)
請求項2〜5に記載した何れかの冷間鍛造用の潤滑処理方法を実施する潤滑処理装置であって、ワークの長手方向一端側を上向きにした状態で、ワークの内径を保持するワーク受け治具と、ワークの長手方向他端側の外周面を把持して、ワークを上下方向に移動できると共に、ワークの向きを天地方向に反転させる機能を有するワーク操作ユニットとを備えることを特徴とする。
上記の潤滑処理装置を用いることにより、第1工程〜第3工程および第5工程では、ワーク受け治具によってワークの長手方向一端側を上向きにした状態で、ワークの内径を保持することができ、第3工程を終了した後、ワーク操作ユニットによってワークの向きを天地方向に反転することで、連続的に第4工程へ移行でき、さらに、ワークを水溶性潤滑剤から引き上げた後、再度、ワークの向きを天地方向に反転することで、連続的に第5工程へ移行できる。
(請求項7の発明)
請求項6に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、ワーク受け治具は、ワークの内側に挿入されるポール状の挿入部と、ワークの長手方向端面を支持する台座部とを有し、挿入部と台座部には、ワークの内側に入り込んだ水分や異物等を排出できる排出通路が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ワークがワーク受け治具に保持された状態で、第1工程〜第3工程および第5工程を実施する際に、ワークの内側に入り込んだ水分や異物等をワーク受け治具に形成された排出通路からワークの外側へ排出できるので、ワークの内側に水分や異物が滞留することを防止できる。
(請求項8の発明)
請求項7に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、挿入部には、ワークの内径方向に対応する径方向両側に二面幅が形成され、台座部には、ワークの長手方向端面を受ける支持面より低く凹設され、二面幅に繋がる逃げ溝が形成され、この逃げ溝と二面幅とで排出通路が形成されていることを特徴とする。
この場合、二面幅を必要最小限の大きさに形成することで、挿入部に二面幅を形成したことによってワークがぐらつくことはなく、安定した姿勢でワークを保持できる。
(請求項9の発明)
請求項6〜8に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、請求項3に記載した第5工程を終了した後、ワークを冷間鍛造工程まで搬送する搬送経路を有し、この搬送経路が乾燥状態に保たれていることを特徴とする。
ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布して乾燥した後、吸湿すると、潤滑剤が剥離しやすくなる。これに対し、請求項9に記載した発明では、第5工程(乾燥工程)を終了した後、冷間鍛造工程までの搬送経路が乾燥状態に保たれるので、乾燥後に吸湿することはなく、潤滑剤の剥離を防止できる。
(請求項10の発明)
請求項9に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、搬送経路を覆うカバーと、請求項3に記載した第1工程から第5工程までの間で発生する排熱をカバーの内部に導入する排風ダクトとが設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、潤滑処理に伴って発生する排熱、例えば、第3工程でワークの表面を乾燥させる際に生じる排熱を利用して搬送経路を乾燥状態に保つことができる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1は冷間鍛造用の潤滑処理装置1の全体正面図、図2は潤滑処理装置1を上方から見た平面図である。
実施例1に係るワーク2は、例えば、自動車用スタータの一部品である円筒形状のスプラインチューブ(図6参照)であり、長手方向一端側(図6の上側)の内周面にヘリカルスプラインが冷間鍛造によって形成される。この冷間鍛造では、ワーク2が非常に大きな圧力で金型に押し付けられながら塑性変形するため、ワーク2の潤滑処理が重要である。
実施例1に示すワーク2の潤滑処理は、ワーク2の表面(以下ワーク表面と呼ぶ)に水溶性潤滑剤を塗布する方法であり、以下に説明する潤滑処理装置1を用いて行われ、図7に示す工程に従って処理される。
まず、潤滑処理の工程を説明する。
脱脂工程…ワーク表面に付着している油等の汚れを界面活性剤等の脱脂剤で除去する(本発明の第1工程)。
水洗工程…ワーク表面の脱脂剤を除去するために水洗い(例えばシャワー洗浄)する(本発明の第2工程)。
水滴除去工程…例えば、高圧エアーをワーク表面に吹き付けるエアブローによってワーク表面の水滴を除去する。あるいは、ワーク表面に温風を当てて乾燥させても良い(本発明の第3工程)。
潤滑剤塗布工程…ワーク表面に水溶性潤滑剤を塗布する(本発明の第4工程)。
乾燥工程…ワーク表面に塗布された水溶性潤滑剤を乾燥させる(本発明の第5工程)。
続いて、潤滑処理装置1の構成について図1〜図5を基に説明する。
潤滑処理装置1は、大別すると、図1および図2に示す様に、前処理室3と、潤滑剤塗布部4と、乾燥炉5とで構成される。
前処理室3は、上記の脱脂工程を実施する脱脂部6と、水洗工程を実施する水洗部7と、水滴除去工程を実施するエアブロー部8とが連続的に設けられると共に、ワーク2を搬送するための搬送コンベア9が配設されている。この搬送コンベア9は、前処理室3の内部を脱脂部6→水洗部7→エアブロー部8の順にワーク2を搬送する。なお、搬送コンベア9によって搬送されるワーク2は、以下に説明するワーク受け治具10によって保持されている。
ワーク受け治具10は、図3に示す様に、ワーク2の内側に挿入されるポール状の挿入部10aと、ワーク2の長手方向端面を支持する台座部10bと、この台座部10bの下側に突設された螺子部10cとを有し、この螺子部10cを搬送コンベア9に螺着して取り付けられている。
挿入部10aと台座部10bには、ワーク2の内側に入り込んだ水分や異物等を排出できる排出通路が形成されている。この排出通路は、挿入部10aに形成された二面幅10dと、台座部10bに形成された逃げ溝10eとで構成される。
挿入部10aの二面幅10dは、ワーク2の内径方向に対応する挿入部10aの径方向両側に形成され、挿入部10aにワーク2が保持された状態で、ワーク2の内周面と二面幅10dとの間に、水分や異物等を排出できる程度に、隙間が確保されている。但し、二面幅10dを必要以上に大きくすると、ワーク2の内径を保持する挿入部10aの外周面が小さく(狭く)なって、ワーク2がぐらつく恐れがある。従って、水分や異物等を排出でき、且つワーク2を安定した姿勢で保持できる様に、二面幅10dの大きさを必要最小限に設定することが望ましい。
一方、台座部10bの逃げ溝10eは、図3(b)に示す様に、ワーク2の長手方向端面を受ける台座部10bの支持面10fより図示下方に凹設されて、ワーク2の長手方向端面との間に隙間が設けられている。この隙間、つまり逃げ溝10eは、挿入部10aの二面幅10dに繋がって形成されている。これにより、脱脂工程から水滴除去工程の間で、ワーク2の内側に入り込んだ水分や異物等は、図3(b)に矢印で示す様に、排出通路(二面幅10dと逃げ溝10e)を通ってワーク2の外部へ排出される。
潤滑剤塗布部4は、図4および図5に示す様に、水溶性潤滑剤で満たされた潤滑剤塗布槽11と、水溶性潤滑剤を貯留する潤滑剤タンク12と、この潤滑剤タンク12に貯留された水溶性潤滑剤を潤滑剤塗布槽11に供給する潤滑剤ポンプ13と、潤滑剤塗布槽11に満たされた水溶性潤滑剤にワーク2を浸漬させるためのワーク操作ユニット(下述する)と、このワーク操作ユニットを搬送する搬送ローダ14等より構成される。
潤滑剤塗布槽11には、潤滑剤タンク12に貯留された水溶性潤滑剤が潤滑剤ポンプ13によって供給されることで、例えば、潤滑剤塗布槽11の上端面まで水溶性潤滑剤が蓄えられている。
ワーク操作ユニットは、搬送コンベア9によって潤滑剤塗布部4まで搬送されたワーク2を把持するワーククランプ15と、このワーククランプ15によって把持されたワーク2の向きを天地方向に反転できるワーク反転ユニット16と、ワーククランプ15によって把持されたワーク2を上下方向に移動できるワーク上下ユニット17とで構成される。 ワーククランプ15は、ワーク受け治具10に直立した姿勢で保持されているワーク2の下側外周面を径方向両側から挟み込んで把持する。
ワーク反転ユニット16は、ワーククランプ15を180度反転させる機能を有し、ワーク2を潤滑剤塗布槽11に満たされた水溶性潤滑剤に浸漬させる前と、潤滑剤塗布槽11から引き上げた後に、それぞれワーククランプ15を180度反転させる。
乾燥炉5には、前処理室3と同様に、ワーク受け治具10が取り付けられた搬送コンベア18が配設され、この搬送コンベア18によって搬送されるワーク2を、高温雰囲気に保たれた乾燥炉5の中に通すことで、ワーク表面に塗布された水溶性潤滑剤を乾燥させる。あるいは、ワーク2に温風を当てて乾燥させることもできる。
乾燥炉5で乾燥されたワーク2は、図2に示す様に、別の搬送コンベア19によって部品供給装置20に搬送され、この部品供給装置20から冷鍛加工部21(プレス部)に供給される。
なお、乾燥炉5から部品供給装置20までの搬送経路は、例えば、カバー22によってトンネル状に覆われると共に、乾燥炉5で発生する排熱が排風ダクト23を介してカバー22の内部に導入されている。これにより、搬送経路は、乾燥状態に保たれている。
続いて、上記の潤滑処理装置1により実施される潤滑処理方法について説明する。
搬送コンベア9に取り付けられたワーク受け治具10にワーク2をセットする。この時、ワーク2は、冷鍛加工によってヘリカルスプラインが形成される長手方向一端側を上向きにしてワーク受け治具10にセットする(図3参照)。
搬送コンベア9を作動させてワーク2を前処理室3に搬送する。
前処理室3に搬送されるワーク2は、脱脂部6→水洗部7→エアブロー部8の順に処理される。
脱脂部6では、ワーク表面に付着している油等の汚れが脱脂剤で除去される。
水洗部7では、例えばシャワー洗浄により、ワーク表面の脱脂剤が除去される。
エアブロー部8では、ワーク2に高圧エアーを吹き付けることにより、ワーク表面の水滴が除去される。
エアブロー部8で処理されたワーク2は、潤滑剤塗布部4まで搬送された後、ワーク操作ユニットに設けられたワーククランプ15に把持され、ワーク上下ユニット17によって上方へ引き上げられる。この時、ワーククランプ15は、ワーク2の長手方向他端側の外周面、つまりワーク受け治具10に保持されているワーク2の下側外周面をワーク2の径方向両側から挟み込むことで、ワーク2を安定した状態で確実に把持することができる。
ワーク操作ユニットは、ワーク2を上方に引き上げた状態で、搬送ローダ14によって所定位置(図4のA位置)まで移動した後、ワーク反転ユニット16により、ワーククランプ15の向き、つまりワーク2の向きを天地方向に180度反転する。これにより、ワーククランプ15に把持されているワーク2は、長手方向一端側が下向きとなり、潤滑剤塗布槽11の上部に位置している。
続いて、ワーク上下ユニット17によりワーク2を降下させて、潤滑剤塗布槽11に満たされている水溶性潤滑剤にワーク2を浸漬させる。但し、ワーク2全体を水溶性潤滑剤に浸漬させるのではなく、ヘリカルスプラインが設けられる長手方向一端側のみ水溶性潤滑剤に浸漬させる。これにより、ワーク2の長手方向一端側の内外表面および長手方向端面(図6に一点鎖線で示す範囲)に水溶性潤滑剤が塗布される。
なお、潤滑剤塗布槽11には、上端まで水溶性潤滑剤が満たされているので、水溶性潤滑剤にワーク2を浸漬させると、潤滑剤塗布槽11から水溶性潤滑剤が溢れ出るが、その溢れ出た水溶性潤滑剤は、潤滑剤タンク12に戻って貯留される。また、潤滑剤塗布槽11には、潤滑剤ポンプ13によって潤滑剤タンク12から水溶性潤滑剤が供給されることで、再び上端まで水溶性潤滑剤が満たされる。
続いて、ワーク上下ユニット17により、水溶性潤滑剤からワーク2が引き上げられる。この時、ワーク2の引き上げ速度が20mm/sec以下に設定されている。
この後、ワーク操作ユニットは、ワーク2を上方に引き上げた状態で、搬送ローダ14によって所定位置(図4のB位置)まで移動した後、ワーク反転ユニット16により、再度、ワーク2の向きを天地方向に180度反転する。これにより、ワーククランプ15に把持されているワーク2は、長手方向一端側が上向きとなる。
続いて、ワーク上下ユニット17によりワーク2を降下させて、乾燥炉5の搬送コンベア18に取り付けられているワーク受け治具10に保持させる。
乾燥炉5に搬送されたワーク2は、高温雰囲気の中を通過する際に、ワーク表面に塗布された水溶性潤滑剤が乾燥される。
乾燥炉5を出たワーク2は、別の搬送コンベア19に移されて、乾燥状態に保たれた搬送経路を通って部品供給装置20に搬送され、この部品供給装置20から冷鍛加工部21に供給されて、所望の形状に冷鍛加工される。
(実施例1の効果)
上述した潤滑処理方法では、潤滑剤塗布槽11の水溶性潤滑剤にワーク2を浸漬させた後、水溶性潤滑剤からワーク2を引き上げる際に、その引き上げ速度を20mm/sec以下に設定している。この場合、ワーク2の引き上げ速度が遅いため、潤滑剤塗布槽11に蓄えられた水溶性潤滑剤の液面の表面張力にワーク表面の水溶性潤滑剤が引っ張られることで、ワーク表面に余分な水溶性潤滑剤が塗布されることはなく、水溶性潤滑剤を薄く均一に塗布できる。
実施例1に記載した潤滑処理装置1では、前処理室3(脱脂部6、水洗部7、エアブロー部8)および乾燥炉5において、ワーク2の長手方向一端側を上向きにした状態で、ワーク2の内径がワーク受け治具10によって保持されているので、各工程(脱脂、水洗、水滴除去、乾燥)をムラ無く均等に処理できる。
潤滑剤塗布部4では、ワーク2の向きを天地方向に180度反転してから水溶性潤滑剤に浸漬するので、処理が容易な上方からワーク2を降下するだけで、ワーク2の表面に水溶性潤滑剤を塗布できる。また、ワーク2の長手方向一端側を下向きにして水溶性潤滑剤に浸漬させるので、ワーク2を水溶性潤滑剤から引き上げた時に、潤滑剤が垂れても、ワーク2の長手方向他端側に潤滑剤が付着することはない。
ワーク受け治具10には、挿入部10aに形成された二面幅10dと、台座部10bに凹設された逃げ溝10eとで排出通路が形成されているので、脱脂工程から水滴除去工程の間で、ワーク2の内側に入り込んだ水分や異物等を、排出通路(二面幅10dと逃げ溝10e)からワーク2の外部へ排出することができる。これにより、ワーク2の表面に水分や異物等が付着することはなく、潤滑剤塗布部4では、水溶性潤滑剤をワーク2の表面に薄く均一に塗布できる。
乾燥炉5から部品供給装置20までの搬送経路は、乾燥炉5で発生する排熱が供給されて、乾燥状態に保たれているため、乾燥炉5から部品供給装置20へワーク2を搬送する際に、ワーク表面に塗布された水溶性潤滑剤が吸湿することはなく、潤滑剤の剥離を防止できる。
図8は実施例2に係る潤滑処理の手順を示す工程図である。
この実施例2では、実施例1に記載した水滴除去工程と潤滑剤塗布工程との間に、以下に説明する下処理を実施する一例である。
下処理は、図8に示す様に、ワーク表面を酸洗いする酸洗工程と、ワーク表面の酸を水洗いする水洗工程と、ワーク表面の水滴を除去する乾燥(水滴除去)工程から成る。
この下処理を実施すると、ワーク2の表面に錆を発生させることができるため、この後、潤滑剤塗布工程を実施することにより、ワーク表面に発生した錆によって水溶性潤滑剤の密着度が増大する。このため、SCrやSCMのような合金鋼の場合でも、水溶性潤滑剤を剥がれにくくできる。
なお、実施例1および実施例2では、円筒形状を有するワーク2の表面に水溶性潤滑剤を塗布する例を記載したが、水溶性潤滑剤からワーク2を引き上げる時の引き上げ速度を20mm/sec以下に設定することは、円筒形状に限らず、例えば、棒状や角柱形状等のワークにも適用できる。
冷間鍛造用の潤滑処理装置の全体正面図である。 冷間鍛造用の潤滑処理装置を上方から見た平面図である。 ワーク受け治具の(a)正面図と(b)側面図である。 潤滑剤塗布部の正面図である。 潤滑剤塗布部の平面図である。 ワークの断面図である。 潤滑処理の手順を示す工程図である(実施例1)。 潤滑処理の手順を示す工程図である(実施例2)。
符号の説明
1 潤滑処理装置
2 ワーク
3 前処理室(第1工程、第2工程、第3工程)
4 潤滑剤塗布部(第4工程)
5 乾燥炉(第5工程)
10 ワーク受け治具
10a 挿入部
10b 台座部
10d 二面幅(排出通路)
10e 逃げ溝(排出通路)
15 ワーククランプ(ワーク操作ユニット)
16 ワーク反転ユニット(ワーク操作ユニット)
17 ワーク上下ユニット(ワーク操作ユニット)
21 冷鍛加工部(冷間鍛造工程)
22 カバー
23 排風ダクト

Claims (10)

  1. ワークを水溶性潤滑剤に浸漬して、前記ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程を含む冷間鍛造用の潤滑処理方法であって、
    前記潤滑剤塗布工程では、前記水溶性潤滑剤から前記ワークを引き上げる時の引き上げ速度を20mm/sec以下としたことを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理方法。
  2. 円筒形状のワークを水溶性潤滑剤に浸漬して、前記ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程を含む冷間鍛造用の潤滑処理方法であって、
    前記潤滑剤塗布工程では、前記水溶性潤滑剤から前記ワークを引き上げる時の引き上げ速度を20mm/sec以下としたことを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理方法。
  3. 請求項2に記載した冷間鍛造用の潤滑処理方法において、
    前記ワークの表面に付着している油等の汚れを除去する第1工程と、
    前記ワークの表面を水洗いする第2工程と、
    前記ワークの表面の水滴を除去する第3工程と、
    前記ワークの表面に水溶性潤滑剤を塗布する第4工程(請求項2に記載した潤滑剤塗布工程)と、
    前記ワークの表面に塗布された水溶性潤滑剤を乾燥させる第5工程とが実施され、
    前記第1工程〜前記第3工程および前記第5工程では、前記ワークの長手方向一端側を上向きにして、前記ワークの内径が保持された状態で各工程が実施され、
    前記第4工程では、前記ワークの長手方向一端側を下向きにした後、その長手方向一端側を前記水溶性潤滑剤に浸漬して、前記長手方向一端側の内外表面に水溶性潤滑剤が塗布されることを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理方法。
  4. 請求項3に記載した冷間鍛造用の潤滑処理方法において、
    前記第3工程と前記第4工程との間に、酸洗−水洗−乾燥から成る下処理を実施することを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理方法。
  5. 請求項3または4に記載した冷間鍛造用の潤滑処理方法において、
    前記第3工程または前記下処理を終了した後、前記ワークの向きを天地方向に反転してから前記第4工程に移行し、前記水溶性潤滑剤から前記ワークを引き上げた後、再度、前記ワークの向きを天地方向に反転して、前記第5工程に移行することを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理方法。
  6. 請求項2〜5に記載した何れかの冷間鍛造用の潤滑処理方法を実施する潤滑処理装置であって、
    前記ワークの長手方向一端側を上向きにした状態で、前記ワークの内径を保持するワーク受け治具と、
    前記ワークの長手方向他端側の外周面を把持して、前記ワークを上下方向に移動できると共に、前記ワークの向きを天地方向に反転させる機能を有するワーク操作ユニットとを備えることを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理装置。
  7. 請求項6に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、
    前記ワーク受け治具は、
    前記ワークの内側に挿入されるポール状の挿入部と、
    前記ワークの長手方向端面を支持する台座部とを有し、
    前記挿入部と前記台座部には、前記ワークの内側に入り込んだ水分や異物等を排出できる排出通路が形成されていることを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理装置。
  8. 請求項7に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、
    前記挿入部には、前記ワークの内径方向に対応する径方向両側に二面幅が形成され、
    前記台座部には、前記ワークの長手方向端面を受ける支持面より低く凹設され、前記二面幅に繋がる逃げ溝が形成され、この逃げ溝と前記二面幅とで前記排出通路が形成されていることを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理装置。
  9. 請求項6〜8に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、
    請求項3に記載した第5工程を終了した後、前記ワークを冷間鍛造工程まで搬送する搬送経路を有し、この搬送経路が乾燥状態に保たれていることを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理装置。
  10. 請求項9に記載した冷間鍛造用の潤滑処理装置において、
    前記搬送経路を覆うカバーと、
    請求項3に記載した第1工程から第5工程までの間で発生する排熱を前記カバーの内部に導入する排風ダクトとが設けられていることを特徴とする冷間鍛造用の潤滑処理装置。
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KR101034095B1 (ko) * 2008-11-10 2011-05-13 최용준 냉간단조용 수용성 윤활처리장치

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