JP2006222874A - 音響エコー消去方法、装置、プログラム、記録媒体 - Google Patents

音響エコー消去方法、装置、プログラム、記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】適応フィルタのフィルタ係数を順次更新し、適応フィルタから得られる疑似エコー信号により音響エコーを消去する音響エコー消去装置において、収音信号に非線形線分が発生しても、この非線形成分により適応フィルタのフィルタ係数が誤ったフィルタ係数に更新され、これによりエコー消去機能が低下してしまうことを阻止する。
【解決手段】
受話信号を拡声する拡声手段及び送話音声を収音する収音手段と、受話信号から疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする減算手段と、受話信号と上記差信号を入力として上記適応フィルタで用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、収音信号に被線形成分が含まれているか否かを判定し、非線形成分が含まれていると判定したとき、フィルタ係数更新手段の更新動作を停止させる非線形性判定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、拡声通話システムにおいて通話の障害となり、時にはハウリングを引き起こす音響エコーを消去する方法、及び装置と、この装置をコンピュータで実現するプログラムと、このプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
拡声通話システムでは、受話音声信号がスピーカから拡声され、マイクロホンに収音されて音響エコーが生じ、その処理が問題となる。音響エコーは通話の障害や不快感などの悪影響を生じる。対地の拡声通話システムを含めて形成される閉ループのループゲインが1より大きい場合には、音響エコーはハウリングを引き起こし、通話を不可能にする。
より自然な拡声通話環境を実現するには、スピーカからマイクロホンへの音響的回り込みを消去するために、適応フィルタを備えた音響エコーキャンセラが必要となる。1チャネルの再生系と、1チャンネルの収音系とで構成される音響エコーキャンセラを図10に示す。受話端子1からの受話信号は拡声手段として作用するスピーカ2で音響信号として再生され、音響エコー経路を経て収音手段として作用するマイクロホン3に回り込む。エコーキャンセル部4では、受話信号x(k)が疑似エコー信号生成用のFIRフィルタ41に入力されて疑似エコー信号が生成される。減算手段43により収音信号y(k)から疑似エコー信号を差し引くことでエコー消去をはかる。この収音信号y(k)と疑似エコー信号との差信号および過去の受話信号x(k)に基づいて、収音信号y(k)と疑似エコー信号の差が小さくなるようにフィルタ係数更新手段42でFIRフィルタ41のフィルタ係数が更新される。このフィルタ係数更新手段42のフィルタ係数の更新方法としては、例えば特許文献1に記載の更新方法がある。このフィルタ係数が可変なFIRフィルタ41と減算手段43より、適応フィルタが構成される。
音響エコーキャンセラで通常使われる適応フィルタは、線形のFIRフィルタをベースとする。スピーカから放出された音波がマイクロホンに到達するまでの経路は、線形のFIRフィルタで良好にモデル化される。
特許第2533353号明細書
しかし適応フィルタが推定対象とするエコー経路全体がFIRフィルタで常に良好にモデル化できるとは限らず、エコー信号に非線形成分が混入するときもある。推定対象となるエコー経路には、マイクロホンやマイクロホン増幅器8、AD変換器9の特性も含めれる。例えば定格入力レベルと比較して過大レベルの信号が入力された場合には、エコー信号に非線形成分が混入してしまう。
エコー信号に非線形成分が含まれる場合、適応フィルタのフィルタ係数は誤って更新され、エコー経路の推定値が劣化してしまう。一例としてAD変換器9で過大レベルの収音信号がクリップされたとき、適応フィルタは、エコー経路全体のインパルス応答が変化したと判断して、収音信号と疑似エコー信号との差が0となるようにFIRフィルタ41の全係数を修正してしまうことになり、この結果エコー消去機能が劣化し、悪くするとハウリングの発生乃至は不快音の発生が考えられる。
本発明の目的は、エコー信号に非線形成分が含まれるとき、適応フィルタ係数が誤って更新されることを防止する音響エコー消去方法及び装置を提供することにある。
そこで本発明では、エコー信号に非線形成分が含まれるか否かをマイクロホン収音信号から判定し、適応フィルタの動作を制御する。エコー信号に非線形成分が含まれていないと判定された場合には適応フィルタのフィルタ係数を更新し、非線形成分が含まれていると判定された場合には適応フィルタのフィルタ係数を更新しないとするアルゴリズムが本発明の要旨である。
更に詳しくは、本発明の実施形態1で提案する音響エコー消去装置は受話信号を拡声する拡声器及び送話音声を収音する収音器と、受話信号から疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする減算手段と、受話信号と上記差信号を入力として上記適応フィルタで用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、収音信号に非線形成分が含まれているか否かを判定し、非線形成分が含まれていないと判定したとき、フィルタ係数更新手段の更新動作を実行させ、非線形成分が含まれていると判定したとき、フィルタ係数更新手段の更新動作を停止させる非線形性判定手段とを備える。
本発明の実施形態2では、実施形態1で提案した音響エコー消去装置において、収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする第1減算手段に対し、非線形処理された収音信号から同じく非線形処理された疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする第2減算手段を設け、非線形性判定手段において収音信号に非線形成分がないと判定されたとき、第1減算手段が出力する差信号を送話信号とし、非線形性判定手段において収音信号に非線形成分があると判定されたとき第2減算手段が出力する差信号を送話信号とする切換手段を備える。
本発明の実施形態3では、実施形態1又は2で提案した音響エコー消去装置の何れかにおいて、非線形性判定手段は、収音信号の絶対値を予め設定した閾値と比較し、収音信号の絶対値が閾値より大きいときに非線形成分が含まれると判定する判定手段を備える。
本発明の実施形態4では、受話信号を拡声する拡声手段及び送話音声を収音する収音手段と、受話信号を複数の周波数帯域のサブバンド受話信号に分割する受話信号周波数帯域分割手段と、収音信号を複数の周波数帯域のサブバンド収音信号に分割する収音信号周波数帯域分割手段と、これら受話信号周波数帯域分割手段と収音信号周波数帯域分割手段のそれぞれで分割されたサブバンド受話信号とサブバンド収音信号とが入力され、各サブバンド受話信号からサブバンド疑似エコー信号を生成する適応フィルタによるフィルタと、サブバンド収音信号とサブバンド疑似エコー信号とのサブバンド差信号を求める減算手段と、サブバンド受話音声信号とサブバンド差信号を入力として適応フィルタに用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、サブバンド収音信号に非線形成分が含まれるか否かを判定し、非線形成分が含まれないと判定した場合は上記フィルタ係数更新手段の動作を実行させ、非線形成分が含まれると判定した場合は上記フィルタ係数更新手段の動作を停止させる非線形性判定処理とを各サブバンド毎に実行し、それぞれからサブバンド差信号を出力するサブバンドエコーキャンセル手段と、各サブバンド毎にサブバンドエコーキャンセル処理されて出力されたサブバンド差信号を合成して送話音声信号とする周波数帯域合成手段とを備える。
本発明の実施形態5では、実施形態4記載の音響エコー消去装置において、サブバンドエコーキャンセル部に備えられた減算手段を第1減算手段とし、この第1減算手段に対し、非線形処理されたサブバンド収音信号から非線形処理されたサブバンド疑似エコー信号とのサブバンド差信号を求めて送話信号とする第2減算手段を設け、非線形性判定手段において、サブバンド収音信号に非線形成分がないと判定されたとき、第1減算手段が出力するサブバンド差信号を周波数帯域合成手段で合成して送話信号とすると共に、非線形性判定手段において、サブバンド収音信号に非線形成分があると判定されたとき、第2減算手段が出力するサブバンド差信号を上記周波数帯域合成手段で合成して送話信号とする。
本発明は、拡声通話システムにおいて、エコー信号に非線形成分が含まれるか否かを判定し、エコー信号に非線形成分が含まれていないと判定された場合には適応フィルタのフィルタ係数を更新し、非線形成分が含まれていると判定された場合には適応フィルタのフィルタ係数の更新を停止する。これによりエコー信号に非線形成分が含まれるとき、適応フィルタ係数が誤って更新されることを防止することができ、非線形成分の混入に起因するエコー消去機能の低下を制御することができる。
本発明による音響エコー消去方法及びその装置を実現するには全てをハードウェアにより構成することも可能であるが、望ましくはコンピュータに本発明で提案する音響エコー消去プログラムをインストールし、コンピュータに備えられたCPU(中央演算処理装置)によりプログラムを解読させ、コンピュータに音響エコー消去装置として機能させる実施形態が最良の実施形態である。
コンピュータに音響エコー消去装置として機能させる場合、コンピュータには少なくとも受話信号から疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする減算手段と、受話信号と差信号を入力して適応フィルタに用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、収音信号に非線形成分が含まれているか否かを判定し、非線形成分が含まれていないと判定した場合はフィルタ係数更新手段のフィルタ係数の更新動作を実行させ、非線形成分が含まれていると判定したときは、フィルタ係数更新手段の更新動作を停止させる非線形性判定手段を構築し、これらの各構成要素が相互に作用して音響エコー消去装置として機能する。
以下に図1を用いて本発明による音響エコー消去装置の実施例1を説明する。図10に示した従来技術の構成と対応する部分には同一符号を付し、その重複説明は省略するが、図1に示す実施例では1チャネル再生器と1チャネル収音器からなる拡声通話装置に本発明を適用した場合を示す。本発明の特徴とする構成はエコーキャンセル部4に非線形性判定部45を設けた構造とした点である。
受話端子1からの受話信号はスピーカ2で音響信号として再生され、音響エコー経路を経てマイクロホン3に回り込む。エコーキャンセル部4において、受話信号x(k)が疑似エコー信号生成用のFIRフィルタ41に入力されて疑似エコー信号が生成される。減算手段43により収音信号から疑似エコー信号を差し引くことでエコー消去をはかり、送話端子5から対地へ送信される。
非線形性判定部45には、マイクロホンアンプ8およびAD変換器9を経た収音信号y(k)が入力され、収音信号y(k)に非線形エコー成分が含まれているかを判定する。この判定方法の一つとして、収音信号y(k)の絶対値を、あらかじめ設定した閾値と比較する方法が考えられる。例えば、この閾値をAD変換の上限値付近に設定すれば、収音信号y(k)がAD変換器9によりクリップされているか否かを判定できる。また図8のようにマイクロホンアンプ8の入出力特性Aがリニアでなくなるレベルani_p1をあらかじめ測定しておき、閾値をこのレベルani_p1に設定すれば、収音信号y(k)にマイクロホンアンプ8による非線形エコー成分が混入しているか否かを判定できる。
非線形性判定部45において、非線形成分がエコー信号に含まれていると判定されたとき、フィルタ係数更新手段42の更新動作を停止させ、FIRフィルタ41のフィルタ係数を更新しない。また非線形成分がエコー信号に含まれていないと判定されたとき、フィルタ係数更新手段42の更新動作を維持させFIRフィルタ41のフィルタ係数を、収音信号と疑似エコー信号の差が小さくなるように更新する。この更新方法としては、非特許文献1(大賀、山崎、金田:音響システムとディジタル処理、電子情報通信学会1995)で紹介されているNLMSアルゴリズム、射影アルゴリズム、ESアルゴリズム等を使用できる。
非線形エコー成分がエコー信号に含まれていると判定されたときにFIRフィルタ41のフィルタ係数の更新を停止することにより、非線形エコーによって適応フィルタのフィルタ係数が誤って更新されることが防止される。図2にこの実施例をコンピュータで実現する場合の音響エコー消去プログラムの概要を説明するためのフローチャートを示す。
ステップSP1では受話信号を疑似エコー信号生成用のFIRフィルタに入力し、疑似エコー信号を生成。
ステップSP2では収音信号から疑似エコー信号を差し引き、対地へ送信。
ステップSP3ではマイクロホンで収音した収音信号に、非線形エコー成分が含まれているかを判定。
ステップSP4で非線形エコー成分有りの場合はステップSP5に分岐し、フィルタ係数の更新動作を停止させる。非線形エコー成分が無い場合はステップSP6に分岐し、フィルタ係数の更新動作を継続させる。ステップSP5又はSP6を実行すると、再びステップSP1に戻り、ステップSP1〜SP5又はSP6の動作を繰り返す。
次に本発明の実施例2を図3に示す。この実施例では、図1で説明したエコーキャンセル部4に示した減算手段43を第1減算手段とし、この第1減算手段43に対して第2減算手段47を追加し、第1減算手段43と第2減算手段47を用いて2通りのエコー消去方法を用意した場合を示す。非線形性判定部45においてエコー信号に非線形成分が含まれていないと判定されたとき、図1の場合と同様に第1減算手段43によりエコー消去処理が行われる。またエコー信号に非線形成分が含まれていると判定されたとき、第2減算手段47により疑似エコー信号と収音信号と同様の非線形処理を施し、エコーが消去される。48A、48Bは2通りのエコー消去方法を切り替える切換手段を構成する。
このように2通りのエコー消去処理を備え、非線形性の判定結果によりエコー消去処理を切り替えることによって、非線形エコー成分による適応フィルタの誤更新を防止すると同時に、非線形エコー成分も消去することが可能になる。
つまり、第2減算手段47の前段に非線形処理手段44を備え、FIRフィルタ41と第2減算手段47との間に非線形処理手段46を備えることにより、マイクロホン増幅器8やAD変換部9の特性のバラつきによらず、非線形エコー成分を確実に消去することが可能となる。マイクロホン増幅器8への入力からAD変換部9の出力までの入力特性として、例えば図8のような特性Aが考えられる。入力がain_p1より小さい範囲ではリニアであり(線形)、ain_p1より大きい範囲では飽和する(非線形)。非線形特性を決める飽和カーブの形やain_p1の値は、実際に電子回路で使用される素子に依存し、装置ごとにバラつきが生じる。そこでAD変換後のデジタル信号に非線形処理手段44で非線形処理することで、装置ごとの非線形特性のバラつきを抑えつつ、マイクロホン増幅器8への入力から非線形処理手段44の出力までの特性を、例えば図8のようなリミッター特性Bにすることができる。同時に、非線形処理手段46の特性をマイクロホン増幅器8への入力から非線形処理手段44までの特性と一致するように設定することで、リミッター特性Bに掛かる信号は互いに近似し、非線形エコー成分を確実に消去することが可能となる。
またマイクロホン増幅器8への入力から非線形処理手段46の出力までの特性及び非線形処理手段46の特性を、例えば図9に曲線Cで示すようなソフトリミッターに設定することで、リミット処理による音声品質の劣化を小さくすることができる。
次に本発明の第3の実施例を図4に示す。この実施例3では、受話信号x(k)が受話信号帯域分割部10でD帯域に分割され、収音信号y(k)が収音信号帯域分割部11でD帯域に分割される。そして帯域ごとにサブバンドエコーキャンセル部41〜4Dにより、エコーキャンセル処理が行われる。サブバンドエコーキャンセル部41〜4Dの内部処理には、実施例1の処理もしくは実施例2の処理をもちいる。エコーキャンセル処理を経たサブバンド収音信号は、送話信号帯域合成部12により合成されて送話端5から送話音声として送信される。
受話信号x(k)および収音信号y(k)を帯域分割して帯域ごとにエコーキャンセル処理を行うことによって、音声信号のような有色信号が入力された場合でもエコー経路を迅速に推定してエコーを迅速に消去することが可能になる。
次に本発明の実施例4を図5に示す。この実施例4では、Mチャネル信号がM個の再生器、つまりスピーカ21〜2Mにより再生され、N個の収音器、つまりマイクロホン31〜3NによりNチャネル信号が収音される。マイクロホン31〜3Nの各後段には、それぞれMチャネルエコーキャンセル部41〜4Nが配置されており、Mチャネル再生1チャネル収音系がN個並列に並べられた構成になっている。
このMチャネルエコーキャンセル部41〜4Nの構成の一例を図6に示す。図6ではスピーカ21〜2Mとマイクロホン3の間に各エコー経路に対応するFIRフィルタ411〜41Mの出力の送話を加算手段49で求め、その総和を減算手段43で収音信号から差し引くことにより、エコー消去をはかる。
非線形性判定部45において、エコー信号に非線形成分が含まれていないと判定されたとき、各フィルタ係数更新部421〜42Mではフィルタ係数の更新動作を継続し、FIRフィルタ411〜41Mのフィルタ係数を、収音信号と疑似エコー信号の差が小さくなるように更新する。この更新方法としては、特許文献2に記載の適応アルゴリズムを使用できる。またエコー信号に非線形成分が含まれていると判定されたとき、フィルタ係数更新手段421〜42Mのフィルタ係数の更新動作を停止させ、FIRフィルタ411〜41Mのフィルタ係数を更新しない。なお図6の構成は、特許文献3に記載の適応アルゴリズムとも容易に組合せ可能である。(特許文献2 特許第3397269号明細書)(特許文献3 特開2002−223182号公報)。
このように各Mチャネルエコーキャンセル部41〜4Nに非線形性判定部45を備えることにより、多チャネルエコーキャンセラについても、エコー信号に非線形成分が含まれるときに適応フィルタ係数が誤って更新されることを防止することができる。
次にMチャネルエコーキャンセル部の41〜4Nの他の構成例を実施例5として図7に示す。この実施例5では実施例4と同様にMチャネル信号がM個のスピーカ21〜2Mにより再生され、N個のマイクロホン31〜3NによりNチャネル信号が収音され、マイクロホン31〜3Nの後段に、それぞれMチャネルエコーキャンセル部41〜4Nが配置される。
この実施例5では、図6に示したエコーキャンセル部41〜4Nに第2減算手段47を追加し、エコー消去方法を2通り用意している。非線形性判定部45においてエコー信号に非線形成分が含まれていないと判定されたとき、第1減算手段43によりエコー消去処理が行われる。またエコー信号に非線形成分が含まれていると判定されたとき、疑似エコー信号に収音信号と同様の非線形処理手段46が適用され、第2減算手段47の減算動作によりエコーが消去される。
このように2通りのエコー消去処理を備えて非線形性の判定結果により切り替えることによって、非線形エコー成分による適応フィルタの誤更新を防止すると同時に、非線形エコー成分も消去することが可能となる。尚、図5乃至図7では再生系に設けられるDA変換器6とアンプ7及び収音系に設けられるアンプ8とAD変換器9は省略して示している。
以上説明した本発明による音響エコー消去装置はハードウェアによって構成することも可能であるが、それよりもコンピュータに音響エコー消去プログラムをインストールし、コンピュータに音響エコー消去装置として機能させる実施形態が最も簡素な実現方法である。この発明ではコンピュータにインストールする音響エコー消去プログラムも請求するものである。この発明の音響エコー消去プログラムはコンピュータが解読可能なプログラム言語によって記述され、プログラム言語によって記述された動作手順をコンピュータに備えたCPUに解読させ、コンピュータに図1を用いて説明した音響エコー消去装置、図3乃至図7を用いて説明した音響エコー消去装置として機能させる。音響エコー消去プログラムはコンピュータが読み取り可能な例えば磁気ディスク或はCD-ROMのような記録媒体に記録され、これら記録媒体からコンピュータにインストールするか、又は通信回線を通じてコンピュータにインストールされる。
本発明による音響エコー消去方法及び装置は拡声通話システムの分野で活用される。
本発明の実施例1を説明するためのブロック図。 図1に示した実施例1の動作手順を説明するためのフローチャート。 本発明の実施例2を説明するためのブロック図。 本発明の実施例3を説明するためのブロック図。 本発明の実施例4を説明するためのブロック図。 図5に示したMチャネルエコーキャンセル部の構成を説明するためのブロック図。 図5に示したMチャネルエコーキャンセル部の他の構成を説明するためのブロック図。 本発明の要部となる非線形性判定部の動作を説明するためのグラフ。 図8に示したグラフの他の例を説明するためのグラフ。 従来の技術を説明するためのブロック図。
符号の説明
2,21〜2M スピーカ 41,411〜41N FIRフィルタ
3,31〜3N マイクロホン 42 フィルタ係数更新手段
4,41〜4N エコーキャンセル部 43 第1減算手段
5,51〜5N 送話端子 44,46 非線形処理手段
6 DA変換器 47 第2減算手段
7,8 アンプ 49 加算手段
9 AD変換器

Claims (9)

  1. 受話信号を拡声する拡声処理及び送話音声を収音する収音処理と、
    受話信号から疑似エコー信号を生成する適応フィルタによるフィルタリング処理と、
    収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする減算処理と、
    受話信号と上記差信号を入力として上記フィルタリング処理に用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新処理と、
    上記収音信号に非線形成分が含まれているか否かを判定し、非線形成分が含まれていないと判定したとき、上記フィルタ係数更新処理を実行させ、非線形成分が含まれていると判定したとき、上記フィルタ係数更新処理の更新動作を停止させる非線形性判定処理と、
    を含むことを特徴とする音響エコー消去方法。
  2. 受話信号を拡声する拡声処理及び送話音声を収音する収音処理と、
    受話信号を複数の周波数帯域のサブバンド受話信号に分割する受話信号周波数帯域分割処理と、
    収音信号を複数の周波数帯域のサブバンド収音信号に分割する収音信号周波数帯域分割処理と、
    これら受話信号周波数帯域分割処理と収音信号周波数帯域分割処理のそれぞれで分割されたサブバンド受話信号とサブバンド収音信号とが入力され、各サブバンド受話信号からサブバンド疑似エコー信号を生成する適応フィルタによるフィルタリング処理と、サブバンド収音信号とサブバンド疑似エコー信号とのサブバンド差信号を求める減算処理と、サブバンド受話音声信号とサブバンド差信号を入力として上記フィルタリング処理に用いる適応フィルタ係数を更新するフィルタ係数更新処理と、上記サブバンド収音信号に非線形成分が含まれるか否かを判定し、非線形成分が含まれないと判定した場合は上記フィルタ係数更新処理を実行させ、非線形成分が含まれると判定した場合は上記フィルタ係数更新処理を停止させる非線形性判定処理とを各サブバンド毎に実行し、それぞれから上記サブバンド差信号を出力するサブバンドエコーキャンセル処理と、
    各サブバンド毎にサブバンドエコーキャンセル処理されて出力されたサブバンド差信号を合成して送話音声信号とする周波数帯域合成処理と、
    を含むことを特徴とする音響エコー消去方法。
  3. 受話信号を拡声する拡声手段及び送話音声を収音する収音手段と、
    受話信号から疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、
    収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする減算手段と、
    受話信号と上記差信号を入力として上記適応フィルタで用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、
    上記収音信号に被線形成分が含まれているか否かを判定し、非線形成分が含まれていないと判定したとき、上記フィルタ係数更新手段の更新動作を実行させ、非線形成分が含まれていると判定したとき、上記フィルタ係数更新手段の更新動作を停止させる非線形性判定手段と、
    を備えることを特徴とする音響エコー消去装置。
  4. 請求項3記載の音響エコー消去装置において、
    上記収音信号から疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする第1減算手段に対し、非線形処理された収音信号から非線形処理された疑似エコー信号との差信号を求めて送話信号とする第2減算手段を設け、上記非線形性判定手段において収音信号に非線形成分がないと判定されたとき、上記第1減算手段が出力する差信号を送話信号とし、上記非線形性判定手段において収音信号に非線形成分があると判定されたとき上記第2減算手段が出力する差信号を送話信号とする切換手段を備える構成としたことを特徴とする音響エコー消去装置。
  5. 請求項3又は4記載の音響エコー消去装置の何れかにおいて、
    上記非線形性判定手段は、収音信号の絶対値を予め設定した閾値と比較し、収音信号の絶対値が閾値より大きいときに非線形成分が含まれると判定する手段を備えることを特徴とする音響エコー消去装置。
  6. 受話信号を拡声する拡声手段及び送話音声を収音する収音手段と、
    受話信号を複数の周波数帯域のサブバンド受話信号に分割する受話信号周波数帯域分割手段と、
    収音信号を複数の周波数帯域のサブバンド収音信号に分割する収音信号周波数帯域分割手段と、
    これら受話信号周波数帯域分割手段と収音信号周波数帯域分割手段のそれぞれで分割されたサブバンド受話信号とサブバンド収音信号とが入力され、各サブバンド受話信号からサブバンド疑似エコー信号を生成する適応フィルタによるフィルタと、サブバンド収音信号とサブバンド疑似エコー信号とのサブバンド差信号を求める減算手段と、サブバンド受話音声信号とサブバンド差信号を入力として上記適応フィルタに用いるフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、上記サブバンド収音信号に非線形成分が含まれるか否かを判定し、非線形成分が含まれないと判定した場合は上記フィルタ係数更新手段の動作を実行させ、非線形成分が含まれると判定した場合は上記フィルタ係数更新手段の動作を停止させる非線形性判定処理とを各サブバンド毎に実行し、それぞれから上記サブバンド差信号を出力するサブバンドエコーキャンセル手段と、
    各サブバンド毎にサブバンドエコーキャンセル処理されて出力されたサブバンド差信号を合成して送話音声信号とする周波数帯域合成手段と、
    を備えることを特徴とする音響エコー消去装置。
  7. 請求項6記載の音響エコー消去装置において、
    上記サブバンドエコーキャンセル部に備えられた減算手段を第1減算手段とし、この第1減算手段に対し、非線形処理されたサブバンド収音信号から非線形処理されたサブバンド疑似エコー信号とのサブバンド差信号を求めて送話信号とする第2減算手段を設け、上記非線形性判定手段において、サブバンド収音信号に非線形成分がない判定をされたとき、上記第1減算手段が出力するサブバンド差信号を上記周波数帯域合成手段で合成して送話信号とすると共に、上記非線形性判定手段において、サブバンド収音信号に非線形成分があると判定されたとき、上記第2減算手段が出力するサブバンド差信号を上記周波数帯域合成手段で合成して送話信号とすることを特徴とする音響エコー消去装置。
  8. コンピュータが解読可能なプログラム言語によって記述され、コンピュータに請求項3乃至7の何れかに記載の音響エコー消去装置として機能させる音響エコー消去プログラム。
  9. コンピュータが読み取り可能な記録媒体によって構成され、この記録媒体に上記音響エコー消去プログラムを記録した記録媒体。
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