JP2006221153A - 光増幅を用いた光ファイバ通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点を解決する。
【解決手段】 信号光波長が、伝送路ファイバのゼロ分散波長より長波長側にあり、前記信号光波長の短波長端の波長におけるラマン利得が、信号光波長の長波長端の波長におけるラマン利得より大きく、かつ、信号光波長の長波長端における信号光パワーが、信号光波長の短波長端の波長における信号光パワーより大きく、伝送後の光SNRスペクトルが平坦であるようにする。あるいは、信号光波長が、伝送路ファイバのゼロ分散波長より短波長側にあり、信号光波長の短波長端の波長におけるラマン利得が、信号光波長の長波長端の波長におけるラマン利得より小さく、かつ、信号光波長の長波長端における信号光パワーが、信号光波長の短波長端の波長における信号光パワーより小さく、伝送後の光SNRスペクトルが平坦であるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光信号を、伝送路であるところの市中に敷設した光ファイバ中で分布ラマン増幅する光ファイバ通信システムに関する。
波長多重の光ファイバ通信システムで用いられる、従来技術の分布ラマン増幅システム(DRAシステム)の構成例を図1に示す(例えば、非特許文献1参照)。本図は、信号光と励起光とが逆方向に伝播する後方励起DRAの場合を示している。本DRAシステムでは、伝送路ファイバ1として分散シフトファイバ(DSF)を用いており、DSFのゼロ分散波長(λ0)の典型値は1.54〜1.56μm(規格値はこれより若干広い波長範囲を有する)である。本波長多重(WDM)信号光の波長は、いわゆるL帯1570〜1600nm(典型的な概略値)に設定している。励起光は、線形中継器2−1、2−2(または受信端局装置)から、信号光と反対方向に、合波器3を用いて伝送路中に導入されている。
各線形中継器2−1、2−2はエルビウム添加ファイバ増幅器4(EDFA)を有する。DSFの上流側の線形中継器2−1を出て、DSFを伝播する信号光は、DSFの下流側の線形中継器2−2の近くで分布ラマン増幅を受けて、伝送路中で分布的に増幅された後、EDFAで集中定数的に増幅される。本DRAシステムでは、分布ラマン増幅により光SNR(信号対雑音比)の向上を図っている。
H.Masuda et al.,Electron.Lett.,Vol.35,pp.411−412,1999
図3は従来技術および本発明第一実施例のラマン利得スペクトルを示す図である。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(dB)をとる。細線により従来技術のラマン利得スペクトルを示す。そのスペクトルは、信号光波長域(1570nm〜1600nm)で平坦な利得スペクトルが得られるように励起光波長を配置した結果のスペクトルである。単一波長励起の場合のラマン利得ピーク信号光波長(λs_peak)と励起光波長との差(いわゆるストークスシフト)は、L帯で約105nmである。
本従来技術の励起光波長は、1455、1480、1505nmの3波長であり、それら各励起光波長に対応したλs_peakは、それぞれ1560、1585、1610nmである。図3には、上記λs_peakに対応した波長に若干のピークを有する比較的平坦な利得スペクトルが得られている。
上記のように従来技術では、信号光波長域(1570〜1600nm)で平坦な利得スペクトルを得るために概略1560〜1610nmの約50nmの利得幅で所望利得(Gflat、図中に点線で示したレベル)に近い利得が生じている。所望利得の値は、利得幅(Δλ)が大きいほど小さくなる。また、分布ラマンシステムで使用できる励起光パワーは、励起光源の性能およびシステム信頼性および安全性の観点から、ある規定値に限定される。
励起光波長1、2、3(上記例では1455、1480、1505nm)に対応した励起光パワーをそれぞれPp1、Pp2、Pp3とする。励起光パワーの総和の限界値をPp_maxとすれば、
Pp1+Pp2+Pp3=Pp_max
の関係がある。
ラマン利得は励起光パワーに応じて高くなる。信号光波長λsにおけるラマン利得をG(λs)とする。このとき、G(λs)をλsに対して積分した値はPp_maxに比例する。すなわち、比例定数をCとして
∫G(λs)dλ=CPp_max …(1)
の関係がある。
したがって、限られた励起光パワーにおいて、従来技術ではラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点があった。
上記は伝送路ファイバがDSFの場合であるが、実施例で具体的に示すように、伝送路ファイバがNZ−DSFの場合にも同様のことが言える。
本発明は、このような背景に行われたものであって、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が解決できる光ファイバ通信システムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明では以下の手段および構成を用いている。
本発明は、多波長信号光を増幅する、ラマン増幅の利得媒質としての伝送路ファイバと、前記信号光と逆方向に前記伝送路ファイバ中を共伝播する励起光を送出する励起光源と、前記伝送路ファイバと前記励起光源との間に設置され、前記信号光と前記励起光とを合波する合波器とを有する光ファイバ通信システムであって、本発明の特徴とするところは、前記信号光波長が、前記伝送路ファイバのゼロ分散波長より長波長側にあり、前記信号光波長の短波長端の波長におけるラマン利得が、前記信号光波長の長波長端の波長におけるラマン利得より大きく、かつ、前記信号光波長の長波長端における信号光パワーが、前記信号光波長の短波長端の波長における信号光パワーより大きく、伝送後の光SNRスペクトルが平坦であるところにある。
例えば、前記伝送路ファイバが分散シフトファイバであり、前記信号光波長がL帯にある。あるいは、前記伝送路ファイバがノンゼロ分散シフトファイバであり、前記信号光波長がC帯にある。
あるいは、本発明の光ファイバ通信システムは、前記信号光波長が、前記伝送路ファイバのゼロ分散波長より短波長側にあり、前記信号光波長の短波長端の波長におけるラマン利得が、前記信号光波長の長波長端の波長におけるラマン利得より小さく、かつ、前記信号光波長の長波長端における信号光パワーが、前記信号光波長の短波長端の波長における信号光パワーより小さく、伝送後の光SNRスペクトルが平坦であることを特徴とする。
例えば、前記伝送路ファイバがノンゼロ分散シフトファイバであり、前記信号光波長がC帯にある。
また、前記励起光源が2波長の励起光を送出し、前記励起光の長波長の励起光の第1スペクトルピーク波長域と、前記励起光の短波長の励起光の第2スペクトルピーク波長域とが重なるように、前記長波長および短波長の励起光の波長を配置することにより、ラマン利得スペクトルの長波長域のラマン利得向上に有効である。このときに、前記励起光源が多波長の励起光を送出し、前記多波長の励起光の最長波長と最短波長との差が25〜35nmであることが望ましい。
本発明によれば、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が解決できる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
(第一実施例)
第一実施例における波長関係および分散曲線を図2に示した。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に分散(ps/nm/km)をとる。信号光波長は1570〜1600nm(L帯)にあり、ゼロ分散波長の中心は約1550nmにある。
また、本実施例におけるラマン利得スペクトルを図3の太線に示す。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(dB)をとる。第一実施例と従来技術との構成の違いは、主に用いた励起光波長にある。従来技術における励起光波長は、上記のように1455、1480、1505nmであった。一方、第一実施例における励起光波長は、1470、1490nmである。それらの各励起光波長に対応したλs_peakは、それぞれ1570、1600nmである。励起光波長1470、1490における励起光パワーをそれぞれPp1、Pp2とすると、
Pp1+Pp2=Pp_max
の関係がある。
従来技術における励起光波長の分布幅は
1505−1455=50nm
であるのに対し、本実施例では
1490−1470=20nm
となっている。このため、従来技術における利得幅が上記のように約50nmであるのに対し、本実施例では、利得幅が約20nmと狭くなっている。
ただし、信号光波長域1570〜1600nmにおいて、従来技術より本実施例の方が高い利得が得られている。特に、本実施例では、1570nmにおける利得が13dB、1600nmにおける利得が11.5dBとなっている。
一方従来技術では、1570nmおよび1600nmにおける利得はともに約10dBである。本実施例において、短波長における利得を長波長における利得より大きくした理由は後ほど述べる。
また、EDFAの利得スペクトルは、単位伝送区間(1つの伝送路とその直後の線形中継器からなる区間)の利得スペクトルが平坦になるように設定される。これは、EDFAの励起レベルの調整によるEDFAスペクトル形状変化、およびEDFA中に設置した利得等化光フィルタの調整により容易に行うことができる。
図5は光SNR改善特性を示している。横軸にラマン利得(dB)をとり、縦軸に光SNR改善量(dB)をとる。すなわち、EDFAの雑音指数(NF)が5、7、9dBの各場合につき光SNR改善量とラマン利得の関係とを示している。例えば、NF=9dBの場合には、従来技術では、ラマン利得(G)=10dBであるから、光SNR改善量(ΔOSNR)=7.5dBとなる。
一方、本実施例では、信号光波長1570nmでG=13dBであるから、ΔOSNR=9.1dBとなる。
すなわち、本実施例は従来技術に比べ、9.1−7.5=1.6dBより、1.6dB高いΔOSNRが得られている。また、同様にして、長波長端の1600nmでは、本実施例では、信号光波長1600nmでG=11.5dBであるから、ΔOSNR=8.3dBとなる。したがって、本実施例は従来技術に比べ、
8.3−7.5=0.8dB
の関係より、0.8dB高いΔOSNRが得られている。
図6はファイバ入力の信号光パワースペクトルを示している。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に信号光パワー(dBm)をとる。従来技術では、ラマン利得スペクトルが図3に示したように平坦であるため、信号光パワースペクトルも平坦とすればよかった。図7はEDFA出力の光SNRスペクトルを示している。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に光SNR(dB)をとる。従来技術では、ラマンスペクトルおよび信号光パワースペクトルがともに平坦であることから、平坦な光SNRスペクトルが得られている。ただし、上記信号光パワーの値は、伝送路ファイバであるDSF中の非線形特性で決まる最大値(非線形リミット、図6に点線で示した)以内の値であるとする。ただし、上記非線形リミットは、信号光チャネル間隔、ビットレート、変調符号などのシステムのパラメータによって決まる量である。
一方、本実施例では、信号光パワースペクトルを図6に示したように、非平坦にしている。すなわち、短波長端1570nmにおける信号光パワーは従来技術と同じとし、長波長端における信号光パワーはΔPsだけ従来技術より大きくしている。このΔPsは、上記非線形特性できまる許容値ΔPs_max以内の値とする。図6に示したように、長波長域の信号光パワーの方が、短波長域の信号光パワーより高くできる理由は、長波長域(〜1600nm)は、前記ゼロ分散波長域(概略1540〜1560nm)に近く、短波長域(〜1570nm)に比べ、ローカル分散が大きく非線形特性が小さいからである。本実施例では、上記光SNR改善特性を考慮してΔPs=0.8dBとしている。
本実施例における、単位伝送区間伝送後の光SNRスペクトルを図7に示した。短波長端1570nmにおける光SNR改善量(従来技術からの増加量)は、上記ラマン利得増加の寄与分1.6dBである。一方、長波長端1600nmにおける光SNR改善量は、上記ラマン利得増加の寄与分0.8dBと上記信号光パワー増加分0.8dBとを加えて1.6dBである。このようにして、図7に示したように、1570〜1600nmの信号光波長域にわたり、1.6dBの光SNR改善量が得られた。
すなわち、本実施例により、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が回避できた。
また、本発明は、一般的には、信号光波長域と伝送路ファイバのゼロ分散波長がある範囲内で接近している場合に有効であり、信号光波長域内の短波長端と長波長端とで分散値の絶対値(D)が大きく異なる場合に有効である。そのDの差(Dmax−Dmin)としては、Dの最大値(Dmax)に対して1/5以上である。すなわち、
(Dmax−Dmin)/Dmax>1/5
である。
(第二実施例)
本発明第二実施例におけるラマン利得スペクトルを図4に示す。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(dB)をとる。比較のため、第一実施例のラマン利得スペクトルも示した。第二実施例における励起光波長は、第一実施例と同じ、1470、1490nmである。第二実施例と第一実施例との主な違いは以下のとおりである。
本実施例での励起光波長1470、1490nmにおける励起光パワーをそれぞれPp1*、Pp2*とすると、第一実施例での励起光パワーをそれぞれPp1、Pp2として、
Pp1*+Pp2*=Pp_max、Pp1*>Pp1、Pp2*<Pp2
の関係がある。
すなわち、本実施例では、第一実施例に比べ、短波長の励起光パワーを高くし、長波長の励起光パワーを低くして、短波長域(〜1570nm)の信号光利得を向上させている。また、長波長域(〜1600nm)の信号光利得は、従来技術とほぼ同じとしている。本実施例では、1570nmにおける利得が15dB、1600nmにおける利得が10dBとなっている。
図5の光SNR改善特性に関して、本実施例ではEDFAのNFが5dBの場合につき述べる。従来技術ではラマン利得(G)=10dBであるから、光SNR改善量(ΔOSNR)=5.0dBとなる。一方、本実施例では、信号光波長1570nmでG=15dBであるから、ΔOSNR=6.8dBとなる。
すなわち、本実施例は従来技術に比べ、
6.8−5.0=1.8dB
の関係より、1.8dB高いΔOSNRが得られている。また、長波長端の1600nmでは、本実施例と従来技術でともに同じラマン利得(G=10dB)であるから、光SNR改善量は同じ(ΔOSNR=5.0dB)である。
図6のファイバ入力の信号光パワースペクトルに関して、本実施例では、長波長端における信号光パワーはΔPs=1.8dBだけ従来技術より大きくしている。
本実施例における光SNRスペクトルは、図7に示した形状であり、短波長端1570nmにおける光SNR改善量(従来技術からの増加量)は、上記ラマン利得増加の寄与分1.8dBである。一方、長波長端1600nmにおける光SNR改善量は、上記信号光パワー増加分1.8dBである。したがって、1570〜1600nm(L帯)の信号光波長域にわたり、1.8dBの光SNR改善量が得られた。
すなわち、本実施例により、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が回避できた。
(第三実施例)
本発明第三実施例の構成例を図8に示した。伝送路ファイバ1はノンゼロDSF(NZ−DSF)であり、エルビウム添加ファイバ増幅器4はC帯のEDFAである。本実施例における波長関係および分散曲線を図9に示した。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に分散(ps/nm/km)をとる。信号光波長は1530〜1560nm(C帯)にあり、ゼロ分散波長の中心は約1500nmにある。
また、本実施例におけるラマン利得スペクトルを図10に示す。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(dB)をとる。第三実施例は第一実施例と類似しているが、下記の点が主に異なる。
第三実施例における信号光波長域は1530〜1560nmであり、それに応じた励起光波長は、1430、1450nmである。ファイバ入力の信号光パワースペクトルは図11に示したとおりである。図11は従来技術および第三実施例における信号光パワースペクトルを示す図である。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に信号光パワー(dBm)をとる。また、本実施例における光SNRスペクトルは、図7において、信号光波長を40nm短波長側にずらしたものとなる。
第一実施例の場合と同様にして、短波長端1530nmにおける光SNR改善量(従来技術からの増加量)は、上記ラマン利得増加の寄与分1.6dBである。一方、長波長端1560nmにおける光SNR改善量は、上記ラマン利得増加の寄与分0.8dBと、上記信号光パワー増加分0.8dBとを加えて1.6dBである。このようにして、1530〜1560nmの信号光波長にわたり、1.6dBの光SNR改善量が得られた。
すなわち、本実施例により、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が回避できた。
(第四実施例)
第四実施例の構成例を図12に示した。伝送路ファイバ1はノンゼロDSF(NZ−DSF)であり、エルビウム添加ファイバ増幅器4はC帯のEDFAである。本実施例における波長関係および分散曲線を図13に示した。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に分散(ps/nm/km)をとる。信号光波長は1530〜1560nm(C帯)にあり、ゼロ分散波長の中心は約1590nmにある。
本実施例におけるラマン利得スペクトルを図14に示す。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(dB)をとる。なお、比較のために、従来技術におけるラマン利得スペクトルも併せて示した。第三実施例は第一実施例と類似しているが、下記の点が主に異なる。
本実施例における信号光波長域は1530〜1560nmであり、それに応じた励起光波長は、1430、1450nmである。
本実施例では、ゼロ分散波長が信号光波長の長波長側にあり、第一実施例の場合と反対である。したがって、本実施例では、ゼロ分散波長に近い長波長域(〜1560nm)におけるラマン利得を短波長域(〜1530nm)におけるラマン利得より大きくしている。また、ファイバ入力の信号光パワースペクトルは図15に示したとおりであり、ゼロ分散波長から遠い短波長域(〜1530nm)における信号光パワーを従来技術のレベルより大きくしている。図15は横軸に波長(nm)をとり、縦軸に信号光パワー(dBm)をとる。また、本実施例における光SNRスペクトルは、図7において、信号光波長を40nm短波長側にずらしたものとなる。
第一実施例の場合と同様にして、短波長端1530nmにおける光SNR改善量(従来技術からの増加量)は、上記ラマン利得増加の寄与分1.6dBである。一方、長波長端1560nmにおける光SNR改善量は、上記ラマン利得増加の寄与分0.8dBと、上記信号光パワー増加分0.8dBとを加えて1.6dBである。このようにして、1530〜1560nmの信号光波長域にわたり、1.6dBの光SNR改善量が得られた。
すなわち、本実施例により、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が回避できた。
(第五実施例)
本実施例は、第一実施例と同じ基本構成を有するが、多波長の励起光波長の具体的範囲を明らかにしている点で第一実施例と異なる。本実施例の伝送路ファイバはDSFであり、EDFAは拡張L帯EDFAであり、信号光波長域はDSFの非線形性を考慮して1575〜1620nmとした。ただし、その短波長端1575nmは主にDSFの非線形性で決まり、その長波長端1620nmは拡張L帯EDFAの利得帯域で決まっている。
ただし、拡張L帯EDFAとして、リン共添加EDFAを用いた場合には、EDFAの利得帯域は約1620nmまでであるが、ビスマスEDFAを用いた場合には、EDFAの利得帯域は1615nmまでである。また、通常のシリカEDFAを用いた場合には、EDFAの利得帯域は約1605nmまでである。しかしながら、本実施例の特徴および効果は上記EDFAの種別および信号光波長域には依存しない。また、励起光パワーのトータルはシステム制約条件によって決まる規定値である。
図16は、本実施例におけるラマン利得スペクトル例を示している。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(dB)をとる。励起光波長数が1〜3の場合を示している。励起光波長数が1の場合の励起光波長は1493nm(波長配置1)である。また、励起光波長数が2の場合の励起光波長は、1476nmおよび1501nm(波長配置2)、最長波長と最短波長との差(Δλp)は25nm、さらに、1475nmおよび1505nm(波長配置3、Δλp=30nm)および1470nmおよび1505nm(波長配置4、Δλp=35nm)である。また、励起光波長数が3の場合の励起光波長は、1455nm、1478nm、1510nm(波長配置5、Δλp=55nm)である。各波長配置について、前記信号光波長域の短波長端1575nmにおける利得を、前記信号光波長域内の最小利得(Gmin)より1dB大きくなるように励起光波長および各励起光波長のパワーを調整している。
波長配置1〜5について、波長差Δλpが大きくなると、ラマン利得スペクトルは広帯域となるが、前記信号光波長域における平均ラマン利得は低下している。また、波長差Δλpが大きくなると、ラマン利得の偏差、すなわち、前記信号光波長域内の最大利得(Gmax)と最小利得Gminの差(ΔG)は減少している。
図17は、Gmin(1620nmないし1600nm以上の波長域に存在している)およびΔGの波長差Δλp依存性を示している。横軸に波長差(nm)をとり、縦軸に最小利得(dB)をとる。Gminは、Δλp=25〜30nm近辺で最大値を示し、Δλpが約20nmより小さい場合および約40nmより大きい波長域で顕著な低下を示している。
一方、ΔGはΔλpと共に低減し、Δλpが約20nmより大きい領域で、小さな値(約3dB以下)に収まっている。この小さなΔGは、本光ファイバ通信システムにおける利得スペクトル等化を容易ならしめ、前記システムの高性能化および低コスト化をもたらす。上記GminおよびΔGの観点から、Δλpは約25〜35nmとすることが望ましい。すなわち、Δλp=約25〜35nmが許容波長差であることがわかった。
以下に上記特性の要因を示す。図18は、前記波長配置3(励起光波長=1475nmおよび1505nm)におけるラマン利得スペクトル成分を示している。横軸に波長(nm)をとり、縦軸に利得(規格化値)をとる。ただし、各成分(1475nmおよび1505nm励起光の成分)のdB単位利得のピーク値を100に規格化している。図18によれば、1505nm成分の第1スペクトルピーク波長域は約1605〜1625nmであり、一方、1475nm成分の第1スペクトルピーク波長域は約1570〜1590nmの約20nm、また、第2スペクトルピーク波長域は約1610〜1625の約15nmである。
すなわち、前記波長配置3では、励起光の長波長成分の第1スペクトルピーク波長域と、励起光の短波長成分の第2スペクトルピーク波長域とが重なっており、図16に示した、各成分が合成されたラマン利得スペクトルの長波長域のラマン利得向上に有効であることがわかった。また、上記の動作は、波長配置2および4においても同様であることがわかった。
上記のように、Δλpを約25〜35nmとすることにより、高い最小利得Gminと、小さな利得偏差ΔGが得られる。上記励起光波長配置法は、第一実施例のみならず、第二〜第四実施例にも適用できる。すなわち、伝送路ファイバは、NZ−DSFでもよく、信号光波長域はC帯でもよい。ただし、ラマン利得をC帯に用いる第三および第四実施例では、ラマン利得スペクトルの形状はL帯の場合とほぼ同じである。すなわち、波長依存性はC帯とL帯程度の波長差では小さい。
以上のように、本実施例により、従来技術で問題であって、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が回避できた。
本発明によれば、従来技術で問題であった、ラマン利得が限られており、光SNR向上量が限定されているという欠点が解決できるので、従来と比較してSNRがさらに改善された光ファイバ通信システムを実現することができる。
後方励起DRAシステムの構成例(DSFの場合)を示す図。 波長関係(DSFの場合)を示す図。 従来技術および第一実施例におけるラマン利得スペクトルを示す図。 第二実施例におけるラマン利得スペクトルを示す図。 光SNR改善特性を示す図。 従来技術および第一、第二実施例における信号光パワースペクトルを示す図。 従来技術および第一、第二実施例における光SNRスペクトルを示す図。 後方励起DRAシステムの構成例(NZ−DSFの場合−1)を示す図。 波長関係(NZ−FDSの場合−1)を示す図。 従来技術および第三実施例におけるラマン利得スペクトルを示す図。 従来技術および第三実施例における信号光パワースペクトルを示す図。 後方励起DRAシステムの構成例(NZ−DSFの場合−2)を示す図。 波長関係(NZ−FSDの場合−2)を示す図。 従来技術および第四実施例におけるラマン利得スペクトルを示す図。 従来技術および第四実施例における信号光パワースペクトルを示す図。 第五実施例のラマン利得スペクトルを示す図。 第五実施例のラマン利得スペクトルにおける最小利得および利得差を示す図。 第五実施例におけるラマン利得スペクトル成分を示す図。
符号の説明
1 伝送路ファイバ
2−1、2−2 線形中継器
3 合波器
4 エルビウム添加ファイバ増幅器

Claims (7)

  1. 多波長信号光を増幅する、ラマン増幅の利得媒質としての伝送路ファイバと、前記信号光と逆方向に前記伝送路ファイバ中を共伝播する励起光を送出する励起光源と、前記伝送路ファイバと前記励起光源との間に設置され、前記信号光と前記励起光とを合波する合波器とを有する光ファイバ通信システムであって、
    前記信号光波長が、前記伝送路ファイバのゼロ分散波長より長波長側にあり、前記信号光波長の短波長端の波長におけるラマン利得が、前記信号光波長の長波長端の波長におけるラマン利得より大きく、
    かつ、前記信号光波長の長波長端における信号光パワーが、前記信号光波長の短波長端の波長における信号光パワーより大きく、伝送後の光SNRスペクトルが平坦である
    ことを特徴とする光ファイバ通信システム。
  2. 多波長信号光を増幅する、ラマン増幅の利得媒質としての伝送路ファイバと、前記信号光と逆方向に前記伝送路ファイバ中を共伝播する励起光を送出する励起光源と、前記伝送路ファイバと前記励起光源との間に設置した信号光と励起光とを合波する合波器とを有する光ファイバ通信システムであって、
    前記信号光波長が、前記伝送路ファイバのゼロ分散波長より短波長側にあり、前記信号光波長の短波長端の波長におけるラマン利得が、前記信号光波長の長波長端の波長におけるラマン利得より小さく、
    かつ、前記信号光波長の長波長端における信号光パワーが、前記信号光波長の短波長端の波長における信号光パワーより小さく、伝送後の光SNRスペクトルが平坦である
    ことを特徴とする光ファイバ通信システム。
  3. 前記伝送路ファイバが分散シフトファイバであり、前記信号光波長がL帯にあることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ通信システム。
  4. 前記伝送路ファイバがノンゼロ分散シフトファイバであり、前記信号光波長がC帯にあることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ通信システム。
  5. 前記伝送路ファイバがノンゼロ分散シフトファイバであり、前記信号光波長がC帯にあることを特徴とする請求項2記載の光ファイバ通信システム。
  6. 前記励起光源が2波長の励起光を送出し、前記励起光の長波長の励起光の第1スペクトルピーク波長域と、前記励起光の短波長の励起光の第2スペクトルピーク波長域とが重なるように、前記長波長および短波長の励起光の波長を配置した請求項1記載の光ファイバ通信システム。
  7. 前記励起光源が多波長の励起光を送出し、前記多波長の励起光の最長波長と最短波長との差が25〜35nmである請求項1記載の光ファイバ通信システム。
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