JP2006220459A - レンズメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 レンズメータによるレンズ素材の屈折率測定の自動化を図る。
【解決手段】 屈折率測定用部材20A等、20α等は、それぞれ、被検レンズLの表面/裏面に合わせた密着面21Aa等、21αa等を有する密着部材21A等、21α等を有する。更に、レンズ支持部13bに支持された被検レンズLに屈折率測定用部材20A等、20α等が装着されているか判断する装着判断部34と、装着されていないと判断されたときにCCD115が受光した測定光を基に被検レンズの屈折力を算出し、装着されていると判断されたときに受光された測定光を基に被検レンズL及び屈折率測定用部材20A等、20α等の合成屈折力を算出する屈折力算出部35と、算出された屈折力及び合成屈折力と密着部材21A等、21α等の屈折率とに基づいて被検レンズLの屈折率を算出する素材屈折率算出部37とを備える。
【選択図】 図8

Description

本発明は、眼鏡レンズの光学特性値を測定するレンズメータに関し、特に、レンズ素材の屈折率を測定する技術に関連するものである。
近年、眼鏡の装用感を考慮して、より薄く、より軽量な眼鏡レンズの需要が拡大している。薄く軽量な眼鏡レンズにおいては、厚いレンズと同等の屈折力を得るために屈折率の高い素材が使用される。このようなレンズ素材は、レンズメーカ毎に異なり、また製品毎にも異なっているのが一般的であり、したがってレンズ素材の屈折率も相異することとなる。
レンズ素材の屈折率は、従来、レンズメータによる測定値やレンズ厚などに基づいて推測していたが、このような様々なレンズ素材の登場により、その屈折率を高精度で推測することが困難になっていた。そのような状況に対処するために、様々なレンズ素材の屈折率を測定するための構成を備えたレンズメータが従来から各種提案されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載のレンズメータは、光学業務において眼鏡レンズを補償する目的で、レンズの屈折率を測定することにより眼鏡レンズの材料を確認するものであって、外側の面が平面平行にされておりかつ対向する内側の面が眼鏡レンズに対して圧接可能な2個のクッションを有することを特徴とするものである。各クッションは、グリセリン、浸漬オイル、シリコン弾性ゴムなど、できる限り大きな既知の屈折率を有し、柔軟かつ透明な合成物質によって形成される。また、各クッションは透明なプレート上に設けられている。
特許文献1のレンズメータによるレンズ素材の屈折率測定は、次のような2段階の測定の結果に基づく:(1)クッションを介さずに被検レンズの頂点屈折力を測定する;(2)被検レンズにクッションを取り付け、被検レンズ及びクッションの合成屈折力を測定する。これら2つの測定結果の商を算出すると、その値は被検レンズの曲率半径に依存しないため、レンズ素材の特性値として使用できる。
特許文献2に記載のレンズメータは、単一の上記クッション(同文献中では「pad」と呼ばれる。)を有し、次のような3段階の測定の結果に基づいて、レンズ素材の屈折率を測定する:(1)被検レンズの屈折力を測定する;(2)被検レンズの一方の面にクッションを取り付け、被検レンズ及びクッションの合成屈折力を測定する;(3)被検レンズの他方の面にクッションを取り付け、被検レンズ及びクッションの合成屈折力を測定する。これら3つの測定結果に基づいて被検レンズの屈折率が算出される。
また、特許文献2には、特許文献1の発明のように被検レンズの両面を一対のクッションで挟み込んだ状態で測定を行う構成を採用すると、次のような問題が生じるとの指摘がなされている。すなわち、特許文献1の発明では被検レンズを柔軟なクッションで支持しているために、被検レンズとクッションとの相対位置がずれるおそれがあり、それによってクッションの取り付け位置がレンズ中心から外れた場合や、レンズ両面のプレートが平行でなくなった場合には、収差の発生や測定精度の低下を引き起こすと指摘されている。
しかしながら、本発明者による確認検査によれば、クッションのハンドリング(操作性)を向上させることができれば、被検レンズの光学中心近傍にクッションを容易に取り付けることができる上、クッションの柔軟性や表面形状等を調整してレンズ面に対するクッションの密着性を高めることにより、被検レンズとクッションとのずれも防止できることが確認された。
更に、本発明者は、被検レンズ両面のプレートの平行性について、それによるプリズム度数が2プリズムディオプタ程度以下であれば、十分な測定精度を維持できることを確認した。また、この程度の平行性の制限であれば、クッション及びプレート(パッド)を被検レンズに手作業で取り付けても測定精度を維持できることを確認した。
以上のような背景を考慮すると、特許文献2に記載の発明には、次のような実用上の問題点があることを指摘できる。すなわち、当該文献の発明においては、被検レンズの屈折率の取得に3段階もの測定を実施しなければならないために、測定手順が煩雑となり、測定時間が長くなってしまう。特に、多数のレンズを測定する場合には、そのような煩雑な測定を長時間に亘って行うこととなるので、ユーザに多大な負担が掛かってしまう。
このような事態を回避するためには、レンズ素材の屈折率測定を自動化することが好適であると考えられるが、特許文献1や特許文献2のような従来のレンズメータにより屈折率測定を自動的に実行することはできなかった。
また、複数のレンズを検査する場合に、その内のいくつかについては通常の光学特性値の測定を行い、他のいくつかについてはレンズ素材の屈折率を測定したいことがある。このように異なる態様の測定を順不動で行う場合、測定モードが自動的に切り換われば実用上便利であるが、従来のレンズメータではそのような切り換えを自動的に行うことができなかった。
特開平1−145544号公報 米国特許第6147751号明細書
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、レンズ素材の屈折率測定の自動化が図られたレンズメータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検レンズを支持する支持手段と、前記支持された被検レンズに測定光を投射する照明光学系と、前記被検レンズを透過した前記測定光を受光する受光光学系と、前記被検レンズの一方の面の形状に合わせて形成された第1の密着面を有し透明かつ柔軟で既知の屈折率を有する第1の密着部材を含む第1の屈折率測定用部材と、前記被検レンズの他方の面の形状に合わせて形成された第2の密着面を有し透明かつ柔軟で既知の屈折率を有する第2の密着部材を含む第2の屈折率測定用部材と、前記支持手段に支持された前記被検レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されているか否かを判断する判断手段と、前記被検レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光光学系により受光された前記測定光に基づいて、前記被検レンズの屈折力を算出するとともに、前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、前記被検レンズと前記第1の屈折率測定用部材と前記第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を算出する第1の算出手段と、前記算出された前記屈折力及び前記合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の前記屈折率とに基づいて、前記被検レンズを形成する素材の屈折率を算出する第2の算出手段と、を備えることを特徴とするレンズメータである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズメータであって、前記第2の算出手段は、前記判断手段により前記被検レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると判断されたときに、その判断の直前に算出された前記被検レンズの屈折力と、当該第1及び第2の屈折率測定用部材が装着された前記被検レンズについて前記第1の算出手段により算出される合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の屈折率とに基づいて、前記素材の屈折率を算出することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のレンズメータであって、前記被検レンズは、眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズであり、前記左右の眼鏡レンズを一つずつ前記支持手段に支持させるように前記眼鏡フレームを移動させる移動手段と、前記移動手段により前記左右の眼鏡レンズのそれぞれを前記支持させたときの位置情報に基づいて左右どちらの眼鏡レンズが前記支持されているか判別する判別手段と、を更に備え、前記第1の算出手段は、前記左右の眼鏡レンズの一方が前記支持され、かつ、当該一方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光光学系により受光された前記測定光に基づいて、当該一方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、前記移動手段により前記眼鏡フレームが移動されて他方の眼鏡レンズが前記支持され、かつ、当該他方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該他方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、前記左右の眼鏡レンズのいずれかが前記支持され、かつ、当該いずれかの眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該いずれかの眼鏡レンズと前記第1及び第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を算出し、前記第2の算出手段は、前記判別手段により前記いずれかの眼鏡レンズと同一と判別される前記一方又は他方の眼鏡レンズについて前記算出された前記屈折力と、前記算出された合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の前記屈折率とに基づいて、前記素材の屈折率を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のレンズメータであって、前記被検レンズは、眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズであり、前記左右の眼鏡レンズを一つずつ前記支持手段に支持させるように前記眼鏡フレームを移動させる移動手段を更に備え、前記第1の算出手段は、前記左右の眼鏡レンズの一方が前記支持され、かつ、当該一方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光光学系により受光された前記測定光に基づいて、当該一方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、前記移動手段により前記眼鏡フレームが移動されて他方の眼鏡レンズが前記支持され、かつ、当該他方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該他方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、当該他方の眼鏡レンズが前記支持され、かつ、当該他方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該他方の眼鏡レンズと前記第1の屈折率測定用部材と前記第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を算出し、前記第2の算出手段は、前記算出された前記他方の眼鏡レンズの屈折力と、前記合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の前記屈折率とに基づいて、前記素材の屈折率を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のレンズメータであって、前記第1の密着部材の前記第1の密着面の形状が異なる複数の前記第1の屈折率測定用部材を備え、前記第2の密着部材の前記第2の密着面の形状が異なる複数の前記第2の屈折率測定用部材を備える、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のレンズメータであって、前記複数の第1及び第2の屈折率測定用部材のそれぞれには、識別情報が設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のレンズメータであって、前記第1の算出手段及び/又は前記第2の算出手段による算出結果を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする。
本発明に係るレンズメータは、支持手段に支持された被検レンズに第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されているか否かを自動的に判断し、装着されていないときには被検レンズ単体の屈折力を測定し、装着されているときには被検レンズと第1及び第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を測定する。そして、これら2つの測定結果から、被検レンズの素材の屈折率を算出する。したがって、本発明によれば、支持手段に支持された測定対象物が被検レンズ単体であるか、又は、第1及び第2の屈折率測定用部材が装着された被検レンズであるかを自動的に認識することができ、屈折率測定の自動化を図ることができる。
本発明に係るレンズメータは、通常のレンズメータとして使用できるとともに、後述の屈折率測定用部材を用いることで、レンズ素材の屈折率測定にも使用可能な構成を備えるものである。以下、本発明に係るレンズメータの好適な実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[外観構成]
図1は、本発明に係るレンズメータ1の外観構成の一例を表している。このレンズメータ1の本体2の前面上部には、液晶ディスプレイ(LCD)やCRTからなる表示部3が設けられている。表示部3の表示画面3aには、被検レンズLの光学特性値(球面度数、円柱度数、円柱軸角度、プリズム度数、プリズム基底方向等)や、被検レンズLの光学特性値の分布を表すマッピング画像などの各種画面が表示される。表示部3は、本発明にいう「表示手段」を構成している。
表示部3の下方には、被検レンズの光学特性値を測定するための各種光学部材を収納する光学部材収納部4、5が上下に配置されている。
光学部材収納部5の上端部には、被検レンズLが載置されるレンズ受け13が取り付けられたレンズ受けテーブル6が設けられている。レンズ受け13は、透明ガラスや透明樹脂等からなる平板状の透明板13aと、この透明板13aの中央部を介して上方に突設されたレンズ支持部13bとを備えている。このレンズ支持部13bは、被検レンズLを支持する本発明の「支持手段」に相当する。なお、詳細は後述するが、レンズ支持部13bの下端は、ハルトマンプレートに接続されている。レンズ支持部13bは、被検レンズLとハルトマンプレートとの間の距離を一定に保持するように作用する。
また、レンズ支持部13bの後方の本体2前面には、その位置を前後に調整可能に保持されたレンズ当て7が設けられている。このレンズ当て7は、操作レバー8を回動操作することにより前後に移動されるようになっている。
レンズ当て7の上縁部には、水平方向に移動可能に支持されたスライダ9aが設けられており、このスライダ9aの先端には鼻当て支持部材9が上下に回動可能に接続されている。
ここで、被検レンズLとしては、円形の未加工レンズや眼鏡用に研削加工されたレンズ、或いは眼鏡フレームに枠入れされたレンズ等が適用される。眼鏡に枠入れされたレンズの光学特性値を測定する場合には、当該眼鏡フレームの鼻当てを鼻当て支持部材9に係合させて配置する。そして、その状態で当該眼鏡と鼻当て支持部材9をスライダ9aとともに左右に移動させて左右方向の位置を調整しつつ下方に移動させることで、当該眼鏡のレンズをレンズ支持部13a上に配置させて光学特性値を測定する。
レンズメータ1の本体2前面には、測定モードを切り換えるためのモード切換ボタン10や、測定の開始や停止等の操作を行うための測定ボタン11など、各種操作用のボタンやスイッチが設けられている。
[光学系の構成]
図2は、レンズメータ1が備える光学特性値測定用の光学系の構成を表す。同図は、レンズ支持部13bの上端に被検レンズLが載置されて測定可能とされた状態を示している。レンズメータ1の光学系は、従来と同様の構成を有しており、本体2の光学部材収納部4、5に収納されている。
レンズメータ1の光学系は、上方の光学部材収納部4に収納された照明光学系100と、光学部材収納部5に収納された受光光学系110とを有している。
照明光学系100は、被検レンズLに対して測定光を投射する光学系であって、測定光を出射する光源としてのLED(発光ダイオード)101と、このLED101からの測定光を平行光にして被検レンズLに投射するコリメータレンズ102とを含んで構成されている。LED101から発せられる測定光は、たとえば赤色光である。
また、受光光学系110は、ハルトマンプレート111、スクリーン112、フィールドレンズ(視野レンズ)113、結像レンズ114及びCCD(Charge Coupled Devise)115を含んで構成されている。スクリーン112とCCD115とは、光学的に共役となる位置に配置されている。
ハルトマンプレート111には、図3(A)に示すように、縦横に(2次元的に)等間隔に配置された多数の円形の開口部111aが形成されている。開口部111aは、たとえば2ミリメートル間隔で縦横に配列されている。被検レンズLを透過した測定光は、ハルトマンプレート111を経由することにより、開口部111aを透過した多数の測定光に変換される。ハルトマンプレート111には、レンズ支持部13bの下端部が接合されている。
なお、ハルトマンプレート111に代えて、図3(B)に示すような4孔タイプのプレート(4孔プレート)111′を用いて測定を行うこともできる。この4孔プレート111′には、四角形の4つの頂点に相当する位置にそれぞれ開口部111a′が形成されている。
スクリーン112には、ハルトマンプレート111の開口部111aを透過した多数の測定光が投影される。多数の測定光のそれぞれは、被検レンズLの光学特性値に応じてスクリーン112における投影位置や投影像の形状が変化する。それにより、この多数の測定光のスクリーン112上における投影パターンが縮小/拡大されたり歪んだりすることとなる。
スクリーン112に投影された多数の測定光は、スクリーン112を透過し、フィールドレンズ113と結像レンズ114とを介して、スクリーン112に対して光学的に共役な位置に設けられたCCD115の受光面上に結像される。
CCD115は、この多数の測定光を受光し、電気信号に変換して(つまり光電変換して)出力する。CCD115から出力される画像信号(画像信号)には、受光された多数の測定光のそれぞれについての受光位置及び受光像の形状を示す情報が含まれている。この情報は、CCD115の各画素の位置(座標)として表現される。レンズメータ1は、CCD115から出力される画像信号を解析することで、被検レンズLの光学特性値を求める。
[屈折率測定用部材の構成]
図4は、被検レンズLを形成する素材の屈折率を測定するときに使用される部材(屈折率測定用部材と呼ぶ。)の構成の一例を表す。図4(A)は屈折率測定用部材の側面図を示し、図4(B)はその上面図を示している。
図4に示す屈折率測定用部材20は、たとえばシリコンゲル等の透明かつ柔軟な素材からなる密着部材21と、ガラスやプラスティック等の透明な素材からなる平板状の保持部材22とを含んで構成される。
密着部材21は、保持部材22の一方の面(保持面22a)に密着され、たとえば密着部材21の粘着性によって保持部材22に保持されている。なお、接着剤等の透明な接着部材を介して密着部材21と保持部材22とを接合させてもよい。この密着部材21は、空気と比較して十分に大きな屈折率(既知)を有する。
図4(B)に示すように、保持部材22は円板状に形成されている。また、密着部材21は、保持部材22よりも径の小さな略円筒形状に形成されている。
密着部材21において保持部材22に対向する面は、被検レンズLのレンズ面に後述のようにして密着される密着面21aを構成する。
本実施形態では、被検レンズLのレンズ面の各種形状に対応して、このような屈折率測定用部材20を複数個使用する。図5、6は、そのような複数の屈折率測定用部材20の構成の概略を表している(なお、説明を分かり易くするために、密着部材の密着面の形状を誇張してある)。
ところで、被検レンズLとしては、様々な屈折力を有する眼鏡レンズが適用される。図7は、屈折力の相異に応じた各種被検レンズLの一般的な形状の一例を表す概略側面図である。
図7(A)に示す被検レンズL1は、球面度数Sと乱視度数Cとの和S+C(強主経線方向の度数)が−5D以下のレンズであり、比較的度数の強いマイナスレンズである。その表面(おもてめん)L1aは、ほぼ平面状に形成されており、裏面L1bは、凹面状に形成されている。
また、図7(B)に示す被検レンズL2は、強主経線方向の度数S+Cが−5Dより大きく0Dより小さいレンズであり、比較的度数の弱いマイナスレンズである。その表面L2aは、凸面状に形成されており、裏面L2bは、曲率の絶対値が表面L2aよりも大きな凹面状に形成されている。
また、図7(C)に示す被検レンズL3は、強主経線方向の度数S+Cが0Dより大きく+5Dより小さいレンズであり、比較的度数の弱いプラスレンズである。その表面L3aは、凸面状に形成されており、裏面L3bは、曲率の絶対値が表面L3aよりも小さな凹面状に形成されている。
また、図7(D)に示す被検レンズL4は、強主経線方向の度数S+Cが+5D以上のレンズであり、比較的度数の強いプラスレンズである。その表面L4aは、凸面状に形成されており、裏面L4bは、ほぼ平面状に形成されている。
ここで、表面L1a〜L4aとは、当該被検レンズL1〜L4を装用したときに前方に配置される面を意味し、裏面L1b〜L4bは、装用者の眼の側に配置される面を意味するものとする。
さて、図5(A)〜(D)に示す各屈折率測定用部材20A〜20Dは、被検レンズLの表面に密着するようにして装着され、図6(A)〜(D)に示す各屈折率測定用部材20α〜20δは、被検レンズLの裏面に密着するようにして装着される。
なお、図5の屈折率測定用部材20A〜20D及び図6の屈折率測定用部材20α〜20δは、本発明にいう「第1の屈折率測定用部材」及び「第2の屈折率測定用部材」に相当する(順不同)。また、第1の屈折率測定用部材の密着部材及び第2の屈折率測定用部材の密着部材は、本発明の「第1の密着部材」及び「第2の密着部材」に相当する。ここで、「第1の密着部材」の密着面は、本発明の「第1の密着面」に相当し、「第2の密着部材」の密着面は、本発明の「第2の密着面」に相当する。また、屈折率測定用部材20A〜20Dの保持部材22A〜22Dと、屈折率測定用部材20α〜20δの保持部材22α〜22δとの内、第1の密着部材を保持するものは「第1の保持部材」に相当し、第2の密着部材を保持するものは「第2の密着部材」に相当する。以下、各屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δについて説明する。
(被検レンズの表面側に装着される屈折率測定用部材;図5)
図5(A)に示す屈折率測定用部材20Aは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが−5以下の場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの表面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20Aの密着面21Aaは、図7(A)の被検レンズL1の表面L1aの形状(略平面状)に合わせて、略平面状に形成されている。すなわち、密着面21Aaは、被検レンズL1と同等の度数のレンズの典型的な表面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
また、図5(B)に示す屈折率測定用部材20Bは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが−5Dより大きく0Dより小さい場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの表面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20Bの密着面21Baは、図7(B)の被検レンズL2の表面L2aの形状(凸面形状)に合わせた曲率を有する凹曲面状に形成されている。すなわち、密着面21Baは、被検レンズL2と同等の度数のレンズの典型的な表面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
また、図5(C)に示す屈折率測定用部材20Cは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが0Dより大きく+5Dより小さい場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの表面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20Cの密着面21Caは、図7(C)の被検レンズL3の表面L3aの形状(凸面形状)に合わせた曲率を有する凹曲面状に形成されている。すなわち、密着面21Caは、被検レンズL3と同等の度数のレンズの典型的な表面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
また、図5(D)に示す屈折率測定用部材20Dは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが+5D以上である場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの表面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20Dの密着面21Daは、図7(D)の被検レンズL4の表面L4aの形状(凸面形状)に合わせた曲率を有する凹曲面状に形成されている。すなわち、密着面21Daは、被検レンズL4と同等の度数のレンズの典型的な表面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
(被検レンズの表面側に装着される屈折率測定用部材;図6)
図6(A)に示す屈折率測定用部材20αは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが−5以下の場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの裏面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20αの密着面21αaは、図7(A)の被検レンズL1の裏面L1bの形状(凹面形状)に合わせた曲率を有する凸曲面状に形成されている。すなわち、密着面21αaは、被検レンズL1と同等の度数のレンズの典型的な裏面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
また、図6(B)に示す屈折率測定用部材20βは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが−5Dより大きく0Dより小さい場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの裏面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20βの密着面21βaは、図7(B)の被検レンズL2の裏面L2bの形状(凹面形状)に合わせた曲率を有する凸曲面状に形成されている。すなわち、密着面21βaは、被検レンズL2と同等の度数のレンズの典型的な裏面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
また、図6(C)に示す屈折率測定用部材20γは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが0Dより大きく+5Dより小さい場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの裏面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20γの密着面21γaは、図7(C)の被検レンズL3の裏面L3bの形状(凹面形状)に合わせた曲率を有する凸曲面状に形成されている。すなわち、密着面21γaは、被検レンズL3と同等の度数のレンズの典型的な裏面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
また、図6(D)に示す屈折率測定用部材20δは、被検レンズLの強主経線方向の度数S+Cが+5D以上である場合に選択的に適用され、当該被検レンズLの裏面に密着するようにして装着される。屈折率測定用部材20δの密着面21δaは、図7(D)の被検レンズL4の裏面L4bの形状(凹面形状)に合わせた曲率を有する凸曲面状に形成されている。すなわち、密着面21δaは、被検レンズL4と同等の度数のレンズの典型的な裏面の形状(曲率)に合致するような形状に形成されている。
(複数の屈折率測定用部材の識別について)
本実施形態のレンズメータ1によるレンズ素材の屈折率測定は、上述の複数の屈折率測定用部材20A〜D、20α〜20δを、被検レンズLの屈折力(S+C)に応じて選択的に用いて行う。そこで、その選択を容易に行えるように、各屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δを識別可能にすることが望ましいと考えられる。そのため、本実施形態においては、以下に示すような識別情報を各屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δに設ける。
さて、図5に示す屈折率測定用部材20A〜20Dは、それぞれ被検レンズLの表面に装着されるものである。そこで、次のような識別情報を設けることにより、これらを装着するレンズ面は表面であることを表すとともに、これらを互いに識別可能とする。同様に、図6に示す屈折率測定用部材20α〜20δについても、次のような識別情報によって、これらを装着するレンズ面が裏面であることを表すとともに、これらを互いに識別可能とする。
被検レンズLの表面に装着される屈折率測定用部材20A〜20Dについては、図5(A)の屈折率測定用部材20Aの保持部材22Aの側面や保持面22Aa上に赤い字の「F」を形成し、図5(B)の屈折率測定用部材20Bの保持部材22Bの側面や保持面22Ba上に青い字の「F」を形成し、図5(C)の屈折率測定用部材20Cの保持部材22Cの側面や保持面22Ca上に緑の字の「F」を形成し、図5(D)の屈折率測定用部材20Dの保持部材22Dの側面や保持面22Da上に黄色い字の「F」を形成する。ここで、「F」は、表面を示す「Front」のイニシャルである。
また、被検レンズLの裏面に装着される屈折率測定用部材20α〜20δについては、図6(A)の屈折率測定用部材20αの保持部材22αの側面や保持面22αa上に赤い字の「B」を形成し、図6(B)の屈折率測定用部材20βの保持部材22βの側面や保持面22βa上に青い字の「B」を形成し、図6(C)の屈折率測定用部材20γの保持部材22γの側面や保持面22γa上に緑の字の「B」を形成し、図6(D)の屈折率測定用部材20δの保持部材22δの側面や保持面22δa上に黄色い字の「B」を形成する。ここで、「B」は、裏面を示す「Back」のイニシャルである。
なお、識別情報は、上記のものには限定されず、各屈折率測定用部材20を互いに識別可能とするものであれば十分である。たとえば、任意の色、任意の文字、任意の図形もしくは任意の記号、又はそれらの内の任意の2つ以上の結合などを識別情報として用いることが可能である。
また、上記の例では、たとえば屈折率測定用部材20A及び屈折率測定用部材20αの識別情報を同じ色(赤色)にすることにより、この2つの屈折率測定用部材20A、20αを関連付けるようになっている。このように、同時に使用される一対の屈折率測定用部材20を互いに関連付けるような識別情報を採用することが望ましい。なお、当該関連付けは、このような色による手法以外にも、文字、図形、記号などによって行うことができる。
また、識別情報が設けられる位置は、屈折率測定用部材20の任意の位置でよい。ただし、測定光に影響を与えるような位置、たとえば密着部材21の密着面21a上の領域や、保持面22a上における密着部材21との密着領域や、保持面22aの反対の面上における当該密着部分に対向する領域など、測定に支障を与える位置に識別情報を設けることは避けるべきである。
また、密着部材21と保持部材22の双方に識別情報を個別に設けるようにしてもよい。その場合には、双方に同一の識別情報を設けることが望ましい。それにより、複数の屈折率測定用部材20の保持部材22の構成が異なる場合において、たとえば密着部材21が保持部材22から剥がれてしまったときなどに、どの密着部材21をどの保持部材22に装着すべきかが一目瞭然となる。
[制御系の構成]
次に、本実施形態に係るレンズメータ1の制御系の構成について説明する。図8のブロック図は、このレンズメータ1の制御系の構成の一例を表している。
レンズメータ1は、上述のように、ハルトマンプレート111により生成された多数の測定光のスクリーン112上での投影パターンに基づいて、換言すればCCD115の受光面上における当該多数の測定光の配置状態に基づいて、被検レンズLの光学特性値を求める装置である。また、このレンズメータ1は、前述の屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δを使用することにより、被検レンズLを形成する素材の屈折率を求めるようになっている。以下、このような処理を好適に実行するための構成を説明する。
レンズメータ1の制御系は、CPU(Central Processing Unit)30等の演算制御回路と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性記憶装置からなるプログラム記憶部40とを有する。
プログラム記憶部40には、レンズメータ1に各種動作を実行させるための制御プログラム41と、関連情報42を含む各種データとがあらかじめ記憶されている。関連情報42は、被検レンズLの屈折力(強主経線方向の屈折力S+C)と、屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δとを関連付けるデータである。すなわち、関連情報42は、(1)S+C≦−5Dと屈折率測定用部材20A、20αとを関連付け、(2)−5D<S+C<0Dと屈折率測定用部材20B、20βとを関連付け、(3)0D<S+C<5Dと屈折率測定用部材20C、20γとを関連付け、(4)5D≦S+Cと屈折率測定用部材20D、20δとを関連付けるテーブルなどからなる情報である。なお、S+C=0Dには、屈折率測定用部材20B、20βもしくは屈折率測定用部材20C、20γが関連付けられている。
CPU30は、プログラム記憶部40に格納された制御プログラム41や各種データをRAM(Random Access Memory:図示省略)上に展開することにより、装置各部の動作制御や光学特性値の算出処理などを実行する。
このCPU30には、レンズメータ1の各部を制御する制御部31と、表示部3による表示処理を制御する表示制御部32と、被検レンズLの光学特性値の測定に関わる各種算出処理を行う測定処理部33とが設けられている。
測定処理部33は、装着判断部34、屈折力算出部35、算出結果保存部36及び素材屈折率算出部37を含んで構成される。
装着判断部34は、レンズ支持部13bに支持された被検レンズLに屈折率測定用部材20が装着されているか否かを判断する本発明の「判断手段」に相当する。この装着判断部34は、たとえば次のようにして屈折率測定用部材の有無を判断する。制御部31は、LED101を制御して、測定光を継続的に出力させているものとする。
装着判断部34は、CCD115からの電気信号の強度を継続的にモニタして、被検レンズLがレンズ支持部13b上に配置されるときの電気信号の強度変化を検出する。被検レンズLのみが配置される場合は、被検レンズLのエッジ部分が測定光を横切るときにのみ、電気信号の強度が不連続的に変化する。
一方、屈折率測定用部材20が装着された被検レンズLが配置される場合においては、まず、被検レンズLのエッジ部分が測定光を横切るときに電気信号の強度が不連続的に変化し、更に、屈折率測定用部材20の保持部材22及び密着部材21のエッジ部分が測定光を横切るときにも電気信号の強度が不連続的に変化する。
このようなことを考慮して、装着判断部34は、被検レンズLがレンズ支持部13b上の位置に挿入されるときにCCD115から出力される電気信号の強度の不連続的変化が1回だけ検出された場合には、被検レンズLが単独で配置されていると判断し、電気信号の強度の不連続的変化が複数回連続して検出された場合には、屈折率測定用部材20が装着された状態の被検レンズLが配置されていると判断する。
屈折力算出部35は、CCD115から出力される信号に基づいて、被検レンズL(又は屈折率測定用部材20が装着された状態の被検レンズL)の球面度数S、円柱度数C、円柱軸角度A、プリズム度数P、強主経線方向の屈折力S+C等の光学特性値を算出する処理を行う。この算出処理は、従来のレンズメータと同様にして実行される。なお、屈折力算出部35は、本発明にいう「第1の算出手段」に相当する。なお、屈折率測定用部材20が装着された状態の被検レンズLについて得られる光学特性値は、被検レンズLと屈折率測定用部材20とが合成された状態における屈折力であるから、「合成屈折力」と呼ぶこととする。
算出結果保存部36は、屈折力算出部35により算出された被検レンズLの屈折力や合成屈折力、更には素材屈折率算出部37により算出されたレンズ素材の屈折率(後述)を、算出結果記憶部50に保存する処理を行う。特に、被検レンズLのみがレンズ支持部13bに支持されていると判断された場合には、その状態で測定された被検レンズL単体の屈折力の算出結果にフラグを立てて算出結果記憶部50に保存する。また、算出結果保存部36は、新たに被検レンズLのみが支持されていると判断された場合、既に立てられているフラグを消去し、この新たに支持された被検レンズLの測定結果にフラグを立てる。したがって、算出結果記憶部50に保存された算出結果の内、被検レンズLのみが支持された状態における最新の算出結果のみにフラグが立っていることとなる。なお、算出結果記憶部50は書き込み可能なRAM等の記憶装置により構成される。
素材屈折率算出部37は、本発明の「第2の算出手段」に相当し、屈折力算出部35により算出された(1)被検レンズL単体の屈折力(強主経線方向の屈折力)と、(2)一対の屈折率測定用部材20が装着された状態の被検レンズLを測定したときに得られる合成屈折力(強主経線方向の合成屈折力)と、(3)装着された屈折率測定用部材20の密着部材21の屈折率と、に基づいて、被検レンズLの素材の屈折率を算出する。その演算式としては、たとえば次式が適用される。
Figure 2006220459
:レンズ素材の屈折率
:密着部材の屈折率
:被検レンズの強主経線方向の屈折力
:被検レンズ及び屈折率測定用部材の合成屈折力
また、測定処理部33は、プログラム記憶部40内の関連情報42を参照して、屈折力算出部35が算出した被検レンズLの強主経線方向の屈折力S+Cに関連付けられた一対の屈折率測定用部材20を選択する処理を行う。たとえば、算出結果S+C=−4.0Dの場合には、屈折率測定用部材20B、20βの組が選択される。
モード切換ボタン10(図1参照)は、前述のように、レンズメータ1による測定モードをユーザに対して選択可能に提示するボタンであり、被検レンズLの屈折力(のみ)を測定する通常測定モードや、被検レンズLを形成する素材の屈折率を自動測定するオート屈折率測定モードなどの複数の測定モードを選択的に設定することができる。なお、測定モードの切り換えは、表示部3に表示される画面上に設けられた「MODE」キー(後述)によって行うこともできる。
[処理手順]
以上のような構成のレンズメータ1が実行する処理について説明する。図9、図10に示すフローチャートは、被検レンズLを形成する素材の屈折力を測定するための処理の一例を表している。
モード切換ボタン10を操作して「オート屈折率測定モード」に設定すると(S1)、表示制御部32は、図11に示す画面Gを表示部3に表示させる(S2)。なお、画面Gが表示されているところから処理を開始する場合には、「MODE」キー210(後述)を操作してオート屈折率測定モードに設定することができる。
ここで、画面Gについて説明する。画面Gの上部には、被検レンズLの種別を示すレンズ種別表示部201が設けられている。このレンズ種別表示部201には、被検レンズLが単レンズの場合は「S」が、右眼用レンズの場合は「R」が、左眼用レンズの場合は「L」がそれぞれ表示される。
また、画面G上には、従来と同様に、被検レンズLの光学中心を中心とする同心円状のスケール202が表示される(たとえば本出願人による特開平11−132905号公報参照)。各同心円(点線)はプリズム度数を表し、内側から順に、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0プリズムディオプタに相当する(なお、1.0プリズムディオプタに対応するスケールは、太枠リングスケールの内周近傍にある)。
被検レンズLの光学特性値の測定結果は、屈折力表示部203に表示される。この屈折力表示部203には、特に、球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度A及び強主経線方向の屈折力S+Cが表示される。また、屈折率測定用部材20を装着した状態で測定したときの測定結果は、合成屈折力表示部204に表示される。この合成屈折力表示部204には、特に、合成球面度数(S)及び合成乱視度数(C)が表示される。なお、強主経線方向の屈折力(S+C)を更に表示してもよい。屈折率表示部205(IND;refractive INDex:屈折率)には、被検レンズLのレンズ素材の屈折率の測定結果が表示される。なお、ステップS2で表示された段階においては、測定前であるので、各表示部203〜205はゼロとなっている(ただし乱視軸角度は180)。
更に、画面G上には、屈折力表示部203、合成屈折力表示部204及び屈折率表示部205に表示される数値のステップの設定値を表示するステップ表示部207と、各種メッセージ等が表示されるメッセージ表示部208と、各種グラフィックメッセージ等が表示されるグラフィック表示部209とが設けられている。
画面G下部には、モード切換用の「MODE」キー210、レンズ処方値の表示方法を切り換える「TRANS」キー211、データをクリアする「CLEAR」キー212、及び、測定結果等を印刷するための「PRINT」キー213などのソフトキーが設けられている。
以上のような画像Gが表示されると、制御部31は、LED101を点灯させて測定光を出力させる(S3)。装着判断部34は、この測定光を検出するCCD115から出力される電気信号の強度をモニタする(S4)。ユーザが測定対象物(被検レンズLのみ、又は、屈折率測定用部材20が装着された被検レンズL)をレンズ支持部13b上の位置に挿入すると(S5)、装着判断部34は、この測定対象物の挿入時における信号強度の不連続変化の回数を検出する(S6)。
その回数が1回だった場合(S7;「1回」)、被検レンズLが単独で挿入されたと判断する。そして、その状態で屈折力の測定を行って、被検レンズL単体の球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度A、プリズム度数P、強主経線方向の屈折力S+C等の光学特性値を算出し(S8)、その算出結果にフラグを立てて算出結果記憶部50に保存するとともに(S9)、その算出結果を表示部3に表示させる(S10)。ここで、この被検レンズLの屈折力S+Cに応じた一対の屈折率測定用部材20を選択し、その識別情報を表すメッセージやグラフィック(図12参照)を表示するようにしてもよい。
一方、測定対象物の挿入時における信号強度の不連続変化の回数が2回以上だった場合(S7;「複数」)、測定処理部33は、フラグが立てられた算出結果が算出結果記憶部50に保存されているか検索する(S11)。なお、この段階では、1個目の被検レンズLの測定であるので、フラグの立てられた算出結果は保存されていない(S12;N)。
さて、レンズ支持部13bに現にセットされている測定対象物が退避されて、次の測定対象物が挿入されると(S5)、装着判断部34が、この測定対象物の挿入時における信号強度の不連続変化の回数を検出する(S6)。
その回数が1回だった場合(S7;「1回」)、被検レンズLが単独で挿入されたと判断する。そして、その状態で屈折力の測定を行って、被検レンズL単体の球面度数S、乱視度数C、乱視軸角度A、プリズム度数P、強主経線方向の屈折力S+C等の光学特性値を算出し(S8)、その算出結果にフラグを立てて算出結果記憶部50に保存する(S9)。すなわち、このケースは、1枚目の被検レンズについてはレンズ素材の屈折率測定は行わず、2枚目の被検レンズの測定に移行した場合に相当する。
一方、新たな測定対象物の挿入時における信号強度の不連続変化の回数が2回以上だった場合(S7;「複数」)、屈折率測定用部材20が装着された状態の被検レンズLが挿入されたと判断する。測定処理部33は、フラグが立てられた算出結果が算出結果記憶部50に保存されているか検索する(S11)。このケースにおいては、ステップS9にて保存された算出結果が検索される(S12;Y)。
その状態で屈折力測定を行い、屈折率測定用部材20が装着された状態の被検レンズLの合成球面度数(S)、合成乱視度数(C)、合成乱視軸角度(A)、合成プリズム度数(P)、強主経線方向の合成屈折力(S+C)等の光学特性値を算出する(S13)。表示制御部32は、この算出結果、特に(S)、(C)を画面Gの合成屈折力表示部204に表示させる(S14)。なお、当該算出結果は、RAM等の図示しない記憶装置に保存される。この測定結果は、必要に応じて、印刷出力したり、アーカイブに保存したりできる。
測定終了であるか判断する(S15)。当該判断は、測定ボタン11による測定終了要求などを受けて行う。測定終了とならずに(S15;N)、新たな測定対象物が挿入されたら、測定を継続する。また、測定終了が要求されたら(S15;Y)、処理を終了する。
[作用効果]
以上のような本実施形態のレンズメータ1によれば、次のような作用効果を得ることができる。
まず、レンズメータ1は、レンズ支持部13bに支持された被検レンズLに屈折率測定用部材20が装着されているか否かを自動的に判断し、装着されていないときには被検レンズL単体の屈折力を測定し、装着されているときには被検レンズLと屈折率測定用部材20との合成屈折力を測定する。そして、これら2つの測定結果から、被検レンズLの素材の屈折率を算出する。したがって、レンズメータ1によれば、レンズ支持部13bに配置された測定対象物が被検レンズL単体であるか、又は、屈折率測定用部材20が装着された被検レンズLであるかを自動的に認識することができ、屈折率測定の自動化を図ることができる。
また、被検レンズ単体の屈折力の測定値の内の最新のものにフラグを立てて識別をするとともに、屈折率測定用部材20が装着された被検レンズがセットされると、その状態で測定される合成屈折力と、フラグで識別された屈折力とに基づいて、レンズ素材の屈折率を求めるように構成されている。換言すれば、被検レンズに屈折率測定用部材20が装着されていると判断されたときに、その直前に算出された被検レンズの屈折力と、当該屈折率測定用部材20が装着された被検レンズについて算出される合成屈折力と、密着部材21の屈折率とに基づいて、レンズ素材の屈折率を算出するように構成されている。それにより、屈折率測定の自動化が促進されるとともに、レンズ屈折力のみの測定と、素材の屈折率の測定とが混在している場合であっても、双方の測定を自動判別してスムーズに行うことができる。
なお、レンズ素材の屈折率を測定する場合には、まず被検レンズ単体の屈折力を測定するとともに、その直後に、当該被検レンズに屈折率測定用部材20を装着して合成屈折率を測定するのが通常と考えられる。本実施形態の処理は、このような通常の測定手順に準じたものである。
また、透明なプレート状の保持部材22により密着部材21を保持するとともに、保持部材22の径を密着部材21よりも意図的に大きく形成されているので、保持部材22を持って装着作業を行うことにより、屈折率測定用部材20のハンドリングが向上し、被検レンズLのレンズ中心近傍に容易かつ迅速に装着できる。なお、本発明者による確認検査によれば、このような構成としたことにより、装着作業を手作業で行っても、レンズ両面側の保持部材22の平行性を所定のプリズム値(たとえば2プリズムディオプタ)以下とすることができ、十分な精度で測定を実施できることが確認された。
また、密着面の形状の異なる複数の屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δを設けているので、被検レンズLのレンズ面の形状(曲率)に応じて適当なものを選択的に使用することができ、測定精度の向上が図られている。
また、複数の屈折率測定用部材20A〜20D、20α〜20δには、それぞれ識別情報が設けられているので、それらを混同するおそれが回避され、目的の屈折率測定用部材20を的確に選択して使用できる。それにより、測定精度の劣化が防止される。
[変形例]
以上で詳述した構成は、本発明を好適に実施するための一具体例に過ぎないものである。したがって、本発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜施すことが可能である。そのような変形が施されたレンズメータの一例を以下に説明する。
(変形例1)
第1の変形例は、眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズの測定に適した構成を備える。眼鏡フレームに枠入れされたレンズは、その眼鏡フレームの鼻当てを鼻当て支持部材9に係合させた状態で配置される(図1参照)。図13のブロック図は、当該変形例の制御系の構成の一例を表す。
当該変形例のレンズメータ1′には、上記実施形態の構成(図8参照)に加えて、左右の眼鏡レンズ(被検レンズ)Lを一つずつレンズ支持部13b上に配置させるように眼鏡フレームを移動させる移動機構部60(移動手段)が設けられている。この移動機構部60は、たとえばパルスモータ等を含んで構成され、制御部31の制御に基づいて眼鏡フレームを移動させる。鼻当てを鼻当て支持部材9に係合させて配置される眼鏡フレームは、その状態で鼻当て支持部材9及びスライダ9aとともに左右に移動される(図1参照)。
また、移動機構部60には、ポテンショメータ等の位置検出器(センサ)を含んで構成される検出部が設けられている。
眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズをセットするとき、装着判断部34は、そのレンズに屈折率測定用部材20が装着されているか否か判断する。装着されていないと判断された場合、移動機構部60により眼鏡フレームを左右に移動させて、一方のレンズ(たとえば右レンズ)をレンズ支持部13bに支持させる。移動機構部60の検出部は、このときの眼鏡フレームの位置を検出する。その検出結果は、位置情報として制御部31に送られる。そしてその状態で測定を行うとともに、屈折力算出部35が右レンズの屈折力を算出する。この算出結果は、眼鏡フレームの位置の検出結果と関連付けられて、算出結果記憶部50に保存される。
なお、鼻当て支持部材9上に支持された眼鏡フレームを移動させてレンズ支持部13b上に挿入させるときに、屈折率測定用部材20の有無を判断するようにしてもよい。
制御部31は、ユーザの操作に応じて、あるいは、右レンズの測定が終了したことに対応して自動的に、移動機構部60を制御して、レンズ支持部13b上に左レンズ(他方のレンズ)を配置させるように眼鏡フレームを移動させる。このとき、装着判断部34は、そのレンズに屈折率測定用部材20が装着されているか否か判断する。移動機構部60の検出部は、移動後の眼鏡フレームの位置を検出する。その検出結果は、位置情報として制御部31に送られる。屈折率測定用部材20が装着されていないと判断された場合、その状態で測定を行うとともに、屈折力算出部35が左レンズの屈折力を算出する。この算出結果は、眼鏡フレームの位置の検出結果と関連付けられて、算出結果記憶部50に保存される。
続いて、ユーザは、左右の眼鏡レンズのいずれか(たとえば右レンズとする)に屈折率測定用部材20を装着し、眼鏡フレームを鼻当て支持部材9に支持させる。移動機構部60により眼鏡フレームを移動させて、屈折率測定用部材20が装着された右レンズがレンズ支持部13b上に配置される。このとき、装着判断部34は、そのレンズに屈折率測定用部材20が装着されているか否か判断する。また、移動機構部60の検出部は、移動後の眼鏡フレームの位置を検出する。当該検出結果は、最初に右レンズについて検出された位置と(ほぼ)等しい値となる。この検出結果は、位置情報として制御部31に送られる。右レンズに屈折率測定用部材20が装着されていると判断されると、その状態で測定を行うとともに、屈折力算出部35が右レンズ及び屈折率測定用部材20の合成屈折力を算出する。この算出結果は、眼鏡フレームの位置の検出結果と関連付けられて、算出結果記憶部50に保存される。
測定処理部33(判別手段)は、合成屈折力が算出されたときの眼鏡フレームの位置の検出結果と、左レンズ及び右レンズの屈折力が算出されたときのそれぞれの位置の検出結果とを比較して、左右どちらのレンズにより合成屈折力が測定されたか判別する。本変形例では、合成屈折力算出時における位置検出結果は、右レンズの位置検出結果とほぼ等しくなるので、右レンズが選択される。
素材屈折率算出部37は、測定処理部33により判別された右レンズの屈折力と、右レンズの合成屈折力と、密着部材21の既知の屈折率とに基づいて、右レンズのレンズ素材の屈折率を算出する。
なお、本変形例では、一方のレンズの屈折率しか測定していないが、左右のレンズは同じ素材で形成されるのが通常であるから、特殊な眼鏡を除いては十分である。
また、眼鏡レンズに枠入れされた左右の眼鏡レンズを測定する場合には、最初に右レンズを測定し、次に左レンズを測定するのが通例である。したがって、右レンズ、左レンズの単体の屈折力測定後、左レンズに屈折率測定用部材20を装着して測定を行うことが多いと考えられる。すなわち、左レンズ単体の屈折力を測定したときの位置でそのまま合成屈折力を測定する方が、眼鏡フレームを移動させる手間が省けるからである。上記の処理では、本変形例の特徴をより明確にするために、右レンズ、左レンズ単体での測定後、敢えて右レンズに屈折率測定用部材20を装着する場合を説明した。
(変形例2)
第2の変形例も、上記第1の変形例と同様に、眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズの測定に適した構成を備える。この第2の変形例は、前述した通常の測定態様、すなわち最初に右レンズを測定し次に左レンズを測定するという通常の測定順序、が適用される環境下にて好適に使用されるものである。第2の変形例は、第1の変形例と同様の制御系の構成を有する。以下、第1の変形例に関する図13のブロック図を参照して説明をする。
眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズをセットするとき、装着判断部34は、そのレンズに屈折率測定用部材20が装着されているか否か判断する。装着されていないと判断された場合、移動機構部60が眼鏡フレームを左右に移動させて右レンズをレンズ支持部13bに支持させる。その状態で測定を行うとともに、屈折力算出部35が右レンズの屈折力を算出する。この算出結果は、フラグが立てられて算出結果記憶部50に保存される。
制御部31は、ユーザの操作に応じて、あるいは、右レンズの測定が終了したことに対応して自動的に、移動機構部60を制御して、レンズ支持部13b上に左レンズ(他方のレンズ)を配置させるように眼鏡フレームを移動させる。このとき、装着判断部34は、そのレンズに屈折率測定用部材20が装着されているか否か判断する。屈折率測定用部材20が装着されていないと判断された場合、その状態で測定を行うとともに、屈折力算出部35が左レンズの屈折力を算出する。この算出結果は、フラグが立てられて算出結果記憶部50に保存される。このとき、右レンズに関する算出結果に立てられていたフラグは削除される。
鼻当て支持部材9の位置は、左レンズの屈折力測定時から不変とされている。ユーザは、左レンズに屈折率測定用部材20を装着し、眼鏡フレームを鼻当て支持部材9に支持させる。このとき、装着判断部34は、そのレンズに屈折率測定用部材20が装着されているか否か判断する。装着されていると判断されると、その状態で測定を行うとともに、屈折力算出部35が右レンズ及び屈折率測定用部材20の合成屈折力を算出する。
素材屈折率算出部37は、フラグにより識別された左レンズの屈折力と、左レンズの合成屈折力と、密着部材21の既知の屈折率とに基づいて、左レンズのレンズ素材の屈折率を算出する。
なお、本変形例における右レンズと左レンズの測定順序を逆にして測定を実施する場合には、上記処理手順における左右を逆にして処理を行えばよい。
また、フラグを用いる代わりに、第1の変形例と同様に、左右のレンズの各屈折力測定時における眼鏡フレームの位置を検出し、合成屈折率測定時と同等の位置における屈折力測定の結果を選択して屈折率を算出するようにしてもよい。
(その他変形例)
レンズ素材の屈折率測定では、被検レンズ単体の屈折力測定(第1段階)と、屈折率測定用部材を装着した被検レンズの合成屈折力測定(第2段階)の双方を、被検レンズ上の概ね同一の測定点で実施する必要がある。そのために、次のような第1、2の構成の一方又はそれらを組み合わせた構成を適用することが可能である。
第1の構成として、ハルトマンプレート111(図3(A)参照)の中心近傍に開口部を形成しない領域(欠損領域と呼ぶこととする。)を設ける。この欠損領域は、たとえば、被検レンズを支持するレンズ支持部113bの下部に設けられる。それにより、ハルトマンプレート111の多数の開口部111aを通過してCCD115に投影される多数の測定光の分布には、当該欠損領域に対応する測定光の無い領域が形成される。そこで、第1段階及び第2段階のそれぞれの測定において、この欠損領域の位置を測定点を特定するマーカとして使用することにより、第1、2段階における測定点を概ね同じ位置にすることができる。
第2の構成は、眼鏡フレームに枠入れされた被検レンズの屈折率を測定するときに適用可能なものである。すなわち、上記実施形態のレンズメータ1には、眼鏡の鼻当てを支持する鼻当て支持部材9と、眼鏡及び鼻当て支持部材9とを左右に移動させるスライダ9aとが設けられている。眼鏡は、鼻当て支持部材9に係合されることにより、常にほぼ同じ位置にて支持される。それにより、スライダ9aの位置を固定して第1、2段階の測定を実施すれば、概ね同一の測定点にて測定を行うことができる。また、左右に移動するスライダ9aの位置を検出するセンサ(たとえばポテンショメータ等)を設けるなどすることにより、スライダ9aを所望の位置に移動できるように構成することにより、枠入れされた左右の眼鏡レンズのそれぞれについて、第1、2段階の測定を同じ測定点にて実施することが可能となる。
その他の変形例として、被検レンズの屈折率の分布(屈折率マップ)を求める構成を採用することができる。そのために、たとえば、被検レンズの複数の測定点について上記実施形態や変形例の手法により屈折率を取得するとともに、取得した各屈折率とその測定点の座標とを関連付けることにより、屈折率マップを作成することができる。作成された屈折率マップは、表示部3に表示したり、印刷出力したりすることができる。それにより、被検レンズ上における屈折率の分布状態を容易に把握することが可能となる。当該変形例は、素材の異なる複数のレンズを貼り合わせるなどして合成して形成された被検レンズの屈折率を取得するためなどの用途に好適である。
本発明に係るレンズメータの実施形態の外観構成の一例を表す概略斜視図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態が備える光学系の構成の一例を表す概略図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態が備える光学系の構成の一例を表す概略図である。図3(A)は、ハルトマンプレートの構成の一例を表す概略図である。図3(B)は、4孔タイプのプレートの一例を表す概略図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態において使用される屈折率測定用部材の構成の一例を表す概略図である。図4(A)は屈折率測定用部材の概略側面図であり、図4(B)はその概略上面図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態において、被検レンズの表面に装着される屈折率測定用部材の構成の一例を表す概略図である。図5(A)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が−5ディオプタ以下の場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。図5(B)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が−5ディオプタより大きく0ディオプタより小さい場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。図5(C)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が0ディオプタより大きく5ディオプタより小さい場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。図5(D)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が5ディオプタ以上の場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。 本発明に係るレンズメータの実施形態において、被検レンズの裏面に装着される屈折率測定用部材の構成の一例を表す概略図である。図6(A)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が−5ディオプタ以下の場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。図6(B)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が−5ディオプタより大きく0ディオプタより小さい場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。図6(C)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が0ディオプタより大きく5ディオプタより小さい場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。図6(D)は、被検レンズの強主経線方向の屈折力が5ディオプタ以上の場合に使用される屈折率測定用部材の構成を表す。 本発明に係るレンズメータの実施形態による測定に供される被検レンズの構成の一例を表す概略側面図である。図7(A)は、強主経線方向の屈折力が−5ディオプタ以下の被検レンズの構成を表す。図7(B)は、強主経線方向の屈折力が−5ディオプタより大きく0ディオプタより小さい被検レンズの構成を表す。図7(C)は、強主経線方向の屈折力が0ディオプタより大きく5ディオプタより小さい被検レンズの構成を表す。図7(D)は、強主経線方向の屈折力が5ディオプタ以上の被検レンズの構成を表す。 本発明に係るレンズメータの実施形態が備える制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 本発明に係るレンズメータの実施形態が実行する処理の一例を表すフローチャートである。 本発明に係るレンズメータの実施形態が表示する画面の一例を表す概略図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態が表示する画面の一例を表す概略図である。 本発明に係るレンズメータの実施形態の変形例が備える制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。
符号の説明
1、1′ レンズメータ
2 本体
3 表示部
3a 表示画面
4、5 光学部材収納部
6 レンズ受けテーブル
7 レンズ当て
8 操作レバー
9 鼻当て支持部材
9a スライダ
10 モード切換ボタン
11 測定ボタン
13 レンズ受け
13a 透明板
13b レンズ支持部
20、20A〜20D、20α〜20δ 屈折率測定用部材
21、21A〜21D、21α〜21δ 密着部材
21a、21Aa〜21Da、21αa〜21δa 密着面
22、22A〜22D、22α〜22δ 保持部材
22a、22Aa〜22Da、22αa〜22δa 保持面
30 CPU
31 制御部
32 表示制御部
33 測定処理部
34 装着判断部
35 屈折力算出部
36 算出結果保存部
37 素材屈折率算出部
40 プログラム記憶部
41 制御プログラム
42 関連情報
50 算出結果記憶部
60 移動機構部
100 照明光学系
101 LED
102 コリメータレンズ
110 受光光学系
111 ハルトマンプレート
111a 開口部
111′ 4孔プレート
111a′ 開口部
112 スクリーン
113 フィールドレンズ
114 結像レンズ
115 CCD
201 レンズ種別表示部
202 スケール
203 屈折力表示部
204 合成屈折力表示部
205 屈折率表示部
207 ステップ表示部
208 メッセージ表示部
209 グラフィック表示部
L、L1〜L4 被検レンズ
L1a〜L4a 表面
L1b〜L4b 裏面
G 画面

Claims (7)

  1. 被検レンズを支持する支持手段と、
    前記支持された被検レンズに測定光を投射する照明光学系と、
    前記被検レンズを透過した前記測定光を受光する受光光学系と、
    前記被検レンズの一方の面の形状に合わせて形成された第1の密着面を有し透明かつ柔軟で既知の屈折率を有する第1の密着部材を含む第1の屈折率測定用部材と、
    前記被検レンズの他方の面の形状に合わせて形成された第2の密着面を有し透明かつ柔軟で既知の屈折率を有する第2の密着部材を含む第2の屈折率測定用部材と、
    前記支持手段に支持された前記被検レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されているか否かを判断する判断手段と、
    前記被検レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光光学系により受光された前記測定光に基づいて、前記被検レンズの屈折力を算出するとともに、前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、前記被検レンズと前記第1の屈折率測定用部材と前記第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を算出する第1の算出手段と、
    前記算出された前記屈折力及び前記合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の前記屈折率とに基づいて、前記被検レンズを形成する素材の屈折率を算出する第2の算出手段と、
    を備えることを特徴とするレンズメータ。
  2. 前記第2の算出手段は、前記判断手段により前記被検レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると判断されたときに、その判断の直前に算出された前記被検レンズの屈折力と、当該第1及び第2の屈折率測定用部材が装着された前記被検レンズについて前記第1の算出手段により算出される合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の屈折率とに基づいて、前記素材の屈折率を算出することを特徴とする請求項1に記載のレンズメータ。
  3. 前記被検レンズは、眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズであり、
    前記左右の眼鏡レンズを一つずつ前記支持手段に支持させるように前記眼鏡フレームを移動させる移動手段と、
    前記移動手段により前記左右の眼鏡レンズのそれぞれを前記支持させたときの位置情報に基づいて左右どちらの眼鏡レンズが前記支持されているか判別する判別手段と、
    を更に備え、
    前記第1の算出手段は、
    前記左右の眼鏡レンズの一方が前記支持され、かつ、当該一方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光光学系により受光された前記測定光に基づいて、当該一方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、
    前記移動手段により前記眼鏡フレームが移動されて他方の眼鏡レンズが前記支持され、かつ、当該他方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該他方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、
    前記左右の眼鏡レンズのいずれかが前記支持され、かつ、当該いずれかの眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該いずれかの眼鏡レンズと前記第1及び第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を算出し、
    前記第2の算出手段は、前記判別手段により前記いずれかの眼鏡レンズと同一と判別される前記一方又は他方の眼鏡レンズについて前記算出された前記屈折力と、前記算出された合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の前記屈折率とに基づいて、前記素材の屈折率を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズメータ。
  4. 前記被検レンズは、眼鏡フレームに枠入れされた左右の眼鏡レンズであり、
    前記左右の眼鏡レンズを一つずつ前記支持手段に支持させるように前記眼鏡フレームを移動させる移動手段を更に備え、
    前記第1の算出手段は、
    前記左右の眼鏡レンズの一方が前記支持され、かつ、当該一方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光光学系により受光された前記測定光に基づいて、当該一方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、
    前記移動手段により前記眼鏡フレームが移動されて他方の眼鏡レンズが前記支持され、かつ、当該他方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていないと前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該他方の眼鏡レンズの屈折力を算出し、
    当該他方の眼鏡レンズが前記支持され、かつ、当該他方の眼鏡レンズに前記第1及び第2の屈折率測定用部材が装着されていると前記判断されたときに前記受光された前記測定光に基づいて、当該他方の眼鏡レンズと前記第1の屈折率測定用部材と前記第2の屈折率測定用部材との合成屈折力を算出し、
    前記第2の算出手段は、前記算出された前記他方の眼鏡レンズの屈折力と、前記合成屈折力と、前記第1及び第2の密着部材の前記屈折率とに基づいて、前記素材の屈折率を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズメータ。
  5. 前記第1の密着部材の前記第1の密着面の形状が異なる複数の前記第1の屈折率測定用部材を備え、
    前記第2の密着部材の前記第2の密着面の形状が異なる複数の前記第2の屈折率測定用部材を備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のレンズメータ。
  6. 前記複数の第1及び第2の屈折率測定用部材のそれぞれには、識別情報が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のレンズメータ。
  7. 前記第1の算出手段及び/又は前記第2の算出手段による算出結果を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のレンズメータ。
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