JP2006219995A - 船外機の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】船外機のコンパクト化が可能な船外機の燃料供給装置を提供するにある。
【解決手段】船外機1の外部に燃料タンクを備え、着脱可能な燃料ホースを介して燃料タンクが接続される多気筒エンジン3搭載の船外機の燃料供給装置23において、燃料ホースが接続される船外機側燃料供給コネクタ54と船外機側燃料戻しコネクタ55とを備え、少なくとも船外機側燃料供給コネクタ54と、燃料ポンプ31,32と、フューエルインジェクタ35と、プレッシャレギュレータ33と、船外機側燃料戻しコネクタ55とを直列に接続したものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、船外機の燃料供給装置に関する。
従来、船外機に用いられている燃料噴射式エンジン用の燃料供給装置は、例えば船外機外に配置された燃料タンク内の燃料が低圧燃料ポンプにより船外機内のベーパーセパレータに導かれた後、高圧燃料ポンプによって高圧燃料フィルタに圧送・濾過された後、デリバリーパイプを介してフューエルインジェクタによって吸気ポートに送られると共に、フューエルインジェクタに送られる燃料のうち、余剰分はデリバリーパイプの下流側からプレッシャレギュレータに送られ、燃圧が下げられた後ベーパーセパレータに戻されていた。(例えば特許文献1参照)。
特願平10−182619号公報
しかしながら、ベーパーセパレータはある程度の容量がないと十分にその機能を発揮できないため、必然的に大型化し、船外機のエンジンカバー内にスペースを多く必要とする。また、燃料ポンプ等もスペースを取るため、小排気量エンジンを備えた小型の船外機は燃料噴射式エンジンを採用しにくく、今なおキャブレタ式エンジンが主流となっている。
さらに、エンジンカバー内はエンジンの運転停止後高温となるため、燃料を貯留するベーパーセパレータがエンジンカバー内に配置されているとベーパーを発生しやすい。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、船外機のコンパクト化が可能な船外機の燃料供給装置を提供することを目的とする。
本発明に係る船外機の燃料供給装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、船外機の外部に燃料タンクを備え、着脱可能な燃料ホースを介して上記燃料タンクが接続される多気筒エンジン搭載の船外機の燃料供給装置において、上記燃料ホースが接続される船外機側燃料供給コネクタと船外機側燃料戻しコネクタとを備え、少なくとも上記船外機側燃料供給コネクタと、燃料ポンプと、フューエルインジェクタと、プレッシャレギュレータと、上記船外機側燃料戻しコネクタとを直列に接続したものである。
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記燃料ポンプを、上記エンジンを構成するシリンダブロックと、このシリンダブロックの側面に、上下方向に並設された複数の吸気ブランチとの間の空間の、側面視で上下の上記吸気ブランチの間に、且つ上記吸気ブランチの軸線と略並行に配置したものである。
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記燃料ポンプを、上面視で上記吸気ブランチと重なるように配置したものである。
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記プレッシャレギュレータの下流側に上記船外機側燃料戻しコネクタを設け、この船外機側燃料戻しコネクタから外部燃料戻しホースを介して上記燃料タンクに燃料を戻すと共に、上記船外機側燃料戻しコネクタに、上記外部燃料戻しホースが接続されていることを検知するコネクタ接続検知手段を設けたものである。
本発明に係る船外機の燃料供給装置によれば、従来必要であった大型のベーパーセパレータをエンジンカバー内に配置する必要がなくなるので、船外機のコンパクト化が図れる。また、エンジンカバー内の高温部ではなく、燃料タンク内の比較的低温部でベーパーの処理ができるため、ベーパーの発生量を低減させる。
さらに、気筒数が少ない小型の船外機やシリンダブロックと吸気マニフォールドとの間の空間を十分に確保できない小型の船外機でも燃料ポンプをコンパクトに配置することが可能になる。そして、さらにまた、エンジン作動中に外部燃料戻しホースの接続が外れるとエンジンが作動できないように制御されるので、燃料ポンプの故障や燃料漏れ等のトラブルが発生しない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明を適用した船外機の右側面図である。図1に示すように、この船外機1はオイルパンを兼ねたエンジンホルダ2を備え、このエンジンホルダ2の上方にエンジン3が設置される。また、エンジンホルダ2にはブラケット4が取り付けられ、このブラケット4を介して船外機1が船体5のトランサム5aに装着される。
図2は、エンジン3の拡大側面図である。また、図3はエンジン3の平面図であり、その一部を断面図で示す。さらに、図4は船外機1の正面図である。図1〜図4に示すように、この船外機1に搭載されるエンジン3は複数の気筒を備えた(多気筒)、例えば水冷4サイクル二気筒エンジンであり、シリンダヘッド6、シリンダブロック7およびクランクケース8等を組み合わせて構成される。また、このエンジン3は排気ポート9aおよび吸気ポート9bがエンジン3の同じ側、本実施形態においては右舷側に、上から第一気筒の排気、吸気、第二気筒の吸気、排気の順に配置される。そして、エンジン3の周囲はエンジンカバー10により覆われると共に、エンジンカバー10の正面にはフロントパネル11が設けられる。
エンジン3の最前部、図においては右側に配置されるクランクケース8の後方(左側)にはシリンダブロック7が配置される。また、シリンダブロック7の後方にはシリンダヘッド6が配置される。さらに、シリンダヘッド6の後方にはヘッドカバー12が配置される。そして、クランクケース8とシリンダブロック7との接合部内にはクランクシャフト13が略垂直に配置される。
図1に示すように、エンジンホルダ2の下部にはドライブシャフトハウジング14が設置される。また、ドライブシャフト15の上端部がクランクシャフト13の下端部に例えばスプライン嵌合されてドライブシャフトハウジング14内を下方に向かって延び、ドライブシャフトハウジング14の下部に設けられたギヤケース16内のベベルギヤ17およびプロペラシャフト18を介してプロペラ19を駆動するように構成される。さらに、クランクシャフト13の上端には発電用のフライホイール・マグネト装置20と、ロープ・リコイル型の手動式エンジン始動装置21が設けられる。
図2および図3に示すように、エンジン3の周囲には電装品(図示せず)や吸気装置22、燃料供給装置23等が配置される。吸気装置22は主にサイレンサ24と、スロットルボディ25、サージタンク26およびこのサージタンク26から各気筒に延びる、すなわち二本の吸気ブランチ27とから成る吸気マニフォールド28とから構成され、エンジン3の一側、本実施形態においてはエンジン3の右側から前側に亘って集約して配置される。また、電装品は例えば吸気装置22の反対側に集約して配置される。
吸気装置22を構成するスロットルボディ25は、例えばクランクケース8の前方に配置され、このスロットルボディ25の上流側にサイレンサ24が、下流側にサージタンク26がそれぞれ並設される。また、二本の吸気ブランチ27がシリンダブロック7の側部に上下方向に並設され、シリンダヘッド6に形成される各吸気ポート9bとサージタンク26の内部とを連通させる。
一方、燃料供給装置23はフィルタやポンプ等の燃料系部品を有し、具体的には低圧および高圧の燃料フィルタ29,30および燃料ポンプ31,32、プレッシャレギュレータ33、デリバリーパイプ34、フューエルインジェクタ35等から構成され、各部品は低圧および高圧の燃料ホース36〜39で連結されて燃料配管を構成する。
図5は図2のV−V線に沿う断面図である。また、図6は、船外機1内における燃料供給装置23のブロック図であり、図7は船外機1外における燃料供給装置23のブロック図である。図2〜図7に示すように、本実施形態に示す船外機1は船外機1の外部、具体的には船体5内に燃料タンク40が配置され、燃料タンク40は船体5に対し固定式または可動式(ポータブル)のいずれかに設けられる。また、燃料タンク40には燃料の給油口41が設けられ、着脱自在のタンクキャップ42によって塞がれる。さらに、タンクキャップ42には燃料タンク40内で発生するベーパーをタンク外に放出するエアベント穴43が設けられる。
燃料タンク40からは例えば船外機1の正面に配置されたフロントパネル11に向かって外部燃料供給ホース44が延びる。また、この外部燃料供給ホース44の途中にはプライミングポンプ45が設けられる。
一方、船外機1の内部において、フロントパネル11からは内部燃料供給ホース46がエンジン3の例えば左舷側を通って後方に延び、例えばシリンダヘッド6の左側方に配置された低圧燃料フィルタ29に接続される。また、エンジン3の最後部に位置する前記ヘッドカバー12にはエンジン3の動弁装置を構成するカムシャフト47により駆動される燃料供給用ポンプとしての機械式(メカニカル)低圧燃料ポンプ31が配置され、この低圧燃料ポンプ31と低圧燃料フィルタ29とが低圧燃料ホース36で接続される。
エンジン3を構成するシリンダブロック7と、このシリンダブロック7の側面に配置される吸気装置22を構成する吸気ブランチ27との間の空間には燃料加圧用ポンプとしての高圧燃料ポンプ32が配置される。高圧燃料ポンプ32は、側面視で上下の吸気ブランチ27の間に、上面視で吸気ブランチ27と重なるように、且つ吸気ブランチ27の軸線と略並行に配置されて例えば吸気ブランチ27側に固定され、この高圧燃料ポンプ32に他の低圧燃料ホース37を介して低圧燃料ポンプ31からの燃料が導かれる。なお、吸気ブランチ27の断面形状は、図5に示すように、高圧燃料ポンプ32の外形に沿った凹み形状48に形成される。
上下方向に並設された吸気ブランチ27のうち、最上部に配置された吸気ブランチ27の上方には高圧燃料フィルタ30が配置され、高圧燃料フィルタ30に、高圧燃料ポンプ32によって所定の圧力まで昇圧された燃料が高圧燃料ホース38を介して圧送される。
シリンダヘッド6に形成される各吸気ポート9bには外方からフューエルインジェクタ35が装着され、これらのフューエルインジェクタ35は上下方向に延びる一本のデリバリーパイプ34に接続されると共に、デリバリーパイプ34の上流端である上端には他の高圧燃料ホース39を介して高圧燃料フィルタ30が接続され、このデリバリーパイプ34に高圧の燃料が導かれる。そして、フューエルインジェクタ35が吸気ポート9b内に高圧の燃料を噴射する。
デリバリーパイプ34の下流端である下端にはフューエルインジェクタ35に加圧される燃料圧力を一定に保つプレッシャレギュレータ33が配置される。すなわちプレッシャレギュレータ33はデリバリーパイプ34内の燃料圧力が所定の圧力以上に高まるとその内部の図示しないバルブを開いて燃料を外部に逃がすことにより燃料圧力を下げるものであり、プレッシャレギュレータ33の燃料出口には内部燃料戻しホース49が接続され、フロントパネル11に向かって延びる。そして、船外機1の外部において、フロントパネル11から燃料タンク40に向かって外部燃料戻しホース50が延びる。なお、各燃料供給装置23を制御する制御装置51(ECU)は例えばシリンダヘッド6の上方に配置された前記エンジン3始動装置21のカバー21a上に固定される。
船外機1内の燃料供給装置23と船体5内の燃料タンク40とを繋ぐ外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50はそれぞれ船外機1および燃料タンク40に着脱自在に設けられる。本実施形態においては燃料タンク40の例えば上面にタンク側燃料供給コネクタ52およびタンク側燃料戻しコネクタ53が設けられると共に、船外機1のフロントパネル11外側には船外機側燃料供給コネクタ54および船外機側燃料戻しコネクタ55が設けられる。
船外機側燃料供給コネクタ54にはフロントパネル11の内側において前記内部燃料供給ホース46の上流端が接続されると共に、船外機側燃料戻しコネクタ55にはフロントパネル11の内側において前記内部燃料戻しホース49の下流端が接続される。また、タンク側燃料供給コネクタ52およびタンク側燃料戻しコネクタ53は、燃料タンク40の内部においてそれぞれタンク内燃料供給ホース56およびタンク内燃料戻しホース57が接続され、例えばタンク内燃料供給ホース56の上流端にはストレイナ58が取り付けられる。
一方、外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50は、詳細には図示しないが、それらの外筒がそれぞれ異なる色彩、例えば赤と青、とされると共に、これらのホースの両端にはタンク側および船外機側の燃料供給コネクタ52,54および燃料戻しコネクタ53,55にそれぞれ連結可能なホース側燃料供給コネクタ59,60およびホース側燃料戻しコネクタ61,62が設けられる。
燃料タンク40の上面および船外機1のフロントパネル11にそれぞれ設けられたタンク側燃料供給コネクタ52とタンク側燃料戻しコネクタ53および船外機側燃料供給コネクタ54と船外機側燃料戻しコネクタ55は一体化(例えばタンク側燃料供給コネクタ52とタンク側燃料戻しコネクタ53とを燃料タンク40上面に)または隣接した位置に並設(例えば船外機側燃料供給コネクタ54と船外機側燃料戻しコネクタ55とをフロントパネル11前面の左舷側に左右に並設)される。なお、コネクタは船外機1側を一体化、燃料タンク40側を並設にしてもよく、また、両方を一体化および両方を並設するようにしてもよい。
一体化または並設される燃料供給用および燃料戻し用のコネクタ52〜55,59〜62は、例えば一方が凸形状、他方が凹形状とされると共に、各コネクタ52〜55,59〜62は例えばボールジョイント63等の逆流防止弁を備える。さらに、各コネクタ52〜55,59〜62には係脱自在のロック装置64が備えられる。そして、燃料タンク40の上面および船外機1のフロントパネル11に設けられるコネクタ52〜55のうち、少なくとも船外機側燃料戻しコネクタ55には外部燃料戻しホース50のホース側燃料戻しコネクタ62が接続されていることを検知するコネクタ接続検知手段65が設けられ、このコネクタ接続検知手段65は例えば前記ECU51に接続される。このECU51は、船外機側燃料戻しコネクタ55に外部燃料戻しホース50のホース側燃料戻しコネクタ62が接続されていることを検知しない限りエンジン3が作動できないように制御する。
一方、外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50はそれらの外筒の少なくとも一部が保護外筒66によって覆われると共に、図8に示すように、それぞれの保護外筒66には連結手段67が設けられ、この連結手段67により外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50は接近した並列状態で連結されて一体化される。なお、本実施形態において、保護外筒66は一ヶ所のみに設けられているが、保護外筒66はホースの複数個所を覆うようにしてもよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
船外機1外に配置された燃料タンク40内の燃料は、外部燃料供給ホース44および内部燃料供給ホース46を介して、その途中で低圧燃料フィルタ29によって濾過された後、船外機1内に配置された低圧燃料ポンプ31によって汲み上げられる。汲み上げられた燃料は次に高圧燃料ポンプ32によって、途中で高圧燃料フィルタ30によって濾過された後、デリバリーパイプ34に圧送され、このデリバリーパイプ34からフューエルインジェクタ35によって吸気ポート9bに噴射される。
デリバリーパイプ34内の燃料圧力が所定の圧力以上に高まると、燃料圧力を下げるため、デリバリーパイプ34の下流端に配置されたプレッシャレギュレータ33内部の図示しないバルブが開き、燃料が外部に逃がされるように構成される。外部に逃がされた燃料、いわゆる余剰燃料は、内部燃料戻しホース49および外部燃料戻しホース50を介して燃料タンク40に戻される。
船外機1のエンジン3を覆うエンジンカバー10に、燃料をこのエンジンカバー10内に導く外部燃料供給ホース44と、燃料をこのエンジンカバー10外に導く外部燃料戻しホース50とを接続する船外機側燃料供給コネクタ54および船外機側燃料戻しコネクタ55を設けると共に、少なくとも船外機側燃料供給コネクタ54と、(低圧または高圧の少なくとも一方の)燃料ポンプ31,32と、フューエルインジェクタ35と、プレッシャレギュレータ33と、船外機側燃料戻しコネクタ55とを直列に接続したことにより、従来必要であった大型のベーパーセパレータをエンジンカバー10内に配置する必要がなくなる。その結果、船外機1のコンパクト化を図ることができる。
また、余剰燃料を燃料タンク40に戻すようにしたことにより、燃料タンク40を従来のベーパーセパレータとして使用可能となる。その結果、同目的を達成させるための追加部品が不要となり、コストの削減を図ることができる。さらにまた、エンジンカバー10内の高温部ではなく、燃料タンク40内の比較的低温部でベーパーの処理ができるため、ベーパーの発生量を低減させる。
さらに、高圧燃料ポンプ32を、シリンダブロック7と、このシリンダブロック7の側面に配置された吸気ブランチ27との間の空間の、側面視で上下の吸気ブランチ27の間に、上面視で吸気ブランチ27と重なるように、且つ吸気ブランチ27の軸線と略並行に配置したことにより、気筒数が少ない小型の船外機1でも高圧燃料ポンプ32をコンパクトに配置することが可能になる。さらにまた、シリンダブロック7と吸気マニフォールド28との間の空間を十分に確保できない小型の船外機1についても同様に高圧燃料ポンプ32をコンパクトに配置することが可能になる。
ところで、ベーパーセパレータを備えないエンジン3の場合、余剰燃料を循環させるためには船外機1外に配置される燃料タンク40に燃料を戻す必要があるが、仮に外部燃料戻しホース50が接続されていない状態でエンジン3を始動したり、エンジン3作動中に外部燃料戻しホース50の接続が外れたりすると余剰燃料の出口がない状態となって燃料ポンプ31,32の故障や燃料漏れ等のトラブルの原因になる。
そこで、燃料タンク40の上面および船外機1のフロントパネル11に設けられるコネクタ52〜55のうち、少なくとも船外機側燃料戻しコネクタ55に外部燃料戻しホース50のホース側燃料戻しコネクタ62が接続されていることを検知するコネクタ接続検知手段65を設け、船外機側燃料戻しコネクタ55に外部燃料戻しホース50のホース側燃料戻しコネクタ62が接続されていることを検知しない限りエンジン3が作動できないように制御したことにより、上述したトラブルが防止でき、船外機1の信頼性が向上する。
また、船外機1内の燃料供給装置23と船体5内の燃料タンク40とを繋ぐ外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50をそれぞれ船外機1および燃料タンク40にコネクタ52〜55,59〜62を介して着脱自在に設けたことにより、船外機1や燃料タンク40に汎用性を持たせることができ、商品性が向上する。さらに、燃料タンク40が可動式(ポータブル)であれば、燃料タンク40のみを自由に移動させることができるので、運搬上のメリットが大きくなる。
さらにまた、上記各コネクタ52〜55,59〜62を例えばボールジョイント63等の逆流防止弁を備えたものとし、さらに、各コネクタ52〜55,59〜62に係脱自在のロック装置64を装備したことにより、コネクタ52〜55,59〜62の付け忘れや脱落が防止でき、燃料の流出を防ぐことが可能になる。
一方、外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50を接近した並列状態で配索したことによりホース44,50の船内での引っ掛かり等が防止されて船外機1のリギングが容易になる。また、その状態で連結手段67を用いて連結すれば、船外機1と燃料タンク40との間の配管が容易になる。さらにまた、外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50の外筒の少なくとも一部を保護外筒66で覆うことによりホースの44,50損傷を予防できる。
さらに、タンク側燃料供給コネクタ52とタンク側燃料戻しコネクタ53および船外機側燃料供給コネクタ54と船外機側燃料戻しコネクタ55をそれぞれ隣接並設または一体化すれば、船外機1と燃料タンク40との間の配管やコネクタの操作性、着脱作業性が向上する。また、一体化または並設される燃料供給用および燃料戻し用のコネクタコネクタ52〜55,59〜62を、例えば一方を凸形状、他方を凹形状とすれば、二本のホース44,50の誤接続を防止できる。そして、外部燃料供給ホース44および外部燃料戻しホース50の外筒をそれぞれ異なる色彩とすることにより、両ホース44,50の識別を容易にする。
さらにまた、外部燃料供給ホース44の途中にプライミングポンプ45を設ければ、例えば低圧燃料ポンプ31の能率が低下しても燃料を確実に高圧燃料ポンプ32に送ることができ、エンジン3始動性の向上を図ることができると共に、両ホース44,50の識別を容易にする。
また、燃料の供給および加圧手段である低圧燃料ポンプ31および高圧燃料ポンプ32、そして余剰燃料を戻す手段であるプレッシャレギュレータ33を船外機側に設けたことにより、燃料供給装置23の高圧部分をエンジンカバー10内のみとすることができ、安全性が向上する。
そして、船外機1を長時間使用しない場合は燃料の劣化および変質を防ぐためエンジン3内に配置された燃料ホース36〜39内の燃料を抜き取る必要があるが、プライミングポンプ45を有する外部燃料供給ホース44を船外機側燃料戻しコネクタ55に接続してプライミングポンプ45を作動させれば、容易に燃料ホース36〜39内の燃料を抜き取ることができる。
なお、上述した実施形態においては排気ポート9aおよび吸気ポート9bがエンジン3の同じ側(右舷側)に配置された例を示したが、例えばDOHCエンジンのように排気ポートおよび吸気ポートがそれぞれエンジンの異なる側に配置されたものでもよい。
また、上述した実施形態においては吸気ブランチ27の断面形状を、高圧燃料ポンプ32の外形に沿った凹み形状48とした例を示したが、スペースに余裕があれば必ずしも吸気ブランチ27に凹み形状48を設ける必要はなく、円形の断面でもよい。
さらに、上述した実施形態においては、燃料ポンプ31,32として燃料供給用の低圧燃料ポンプ31と加圧用の高圧燃料ポンプ32とを備えた例を示したが、低圧燃料ポンプ31を廃止して高圧燃料ポンプ32で代用してシステムの簡略化を図ることもできる。但し、エンジン3の始動性を考慮した場合、低圧燃料ポンプ31を備えることが望ましい。
本発明に係る船外機の燃料供給装置の一実施形態を示す船外機の右側面図。 エンジンの拡大側面図。 エンジンの平面図。 船外機の正面図。 図2のV−V線に沿う断面図。 船外機内における燃料供給装置のブロック図。 船外機外における燃料供給装置のブロック図。 保護外筒には連結手段の拡大斜視図。
符号の説明
1 船外機
3 多気筒エンジン
7 シリンダブロック
23 燃料供給装置
27 吸気ブランチ
31 低圧燃料ポンプ
32 高圧燃料ポンプ
33 プレッシャレギュレータ
35 フューエルインジェクタ
40 燃料タンク
44 外部燃料供給ホース
50 外部燃料戻しホース
54 船外機側燃料供給コネクタ
55 外機側燃料戻しコネクタ

Claims (4)

  1. 船外機の外部に燃料タンクを備え、着脱可能な燃料ホースを介して上記燃料タンクが接続される多気筒エンジン搭載の船外機の燃料供給装置において、上記燃料ホースが接続される船外機側燃料供給コネクタと船外機側燃料戻しコネクタとを備え、少なくとも上記船外機側燃料供給コネクタと、燃料ポンプと、フューエルインジェクタと、プレッシャレギュレータと、上記船外機側燃料戻しコネクタとを直列に接続したことを特徴とする船外機の燃料供給装置。
  2. 上記燃料ポンプを、上記エンジンを構成するシリンダブロックと、このシリンダブロックの側面に、上下方向に並設された複数の吸気ブランチとの間の空間の、側面視で上下の上記吸気ブランチの間に、且つ上記吸気ブランチの軸線と略並行に配置した請求項1記載の船外機の燃料供給装置。
  3. 上記燃料ポンプを、上面視で上記吸気ブランチと重なるように配置した請求項2記載の船外機の燃料供給装置。
  4. 上記プレッシャレギュレータの下流側に上記船外機側燃料戻しコネクタを設け、この船外機側燃料戻しコネクタから外部燃料戻しホースを介して上記燃料タンクに燃料を戻すと共に、上記船外機側燃料戻しコネクタに、上記外部燃料戻しホースが接続されていることを検知するコネクタ接続検知手段を設けた請求項1、2または3記載の船外機の燃料供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009274545A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Suzuki Motor Corp 燃料供給装置
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