JP2006219456A - 抗バベシア剤および新規ベンズオキサゾリノン誘導体 - Google Patents

抗バベシア剤および新規ベンズオキサゾリノン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】副作用の少ない化学療法薬剤として用いることができ、しかも抗バベシア活性の高いバべシアの予防及び/又は治療剤を提供すること、およびそれに有効な新規化合物の提供。
【解決手段】一般式(1)で示される化合物を有効成分として含有する抗バベシア剤。

[式中、R1およびR2は、独立に、水素、塩素、水酸基、またはメトキシ基であり、R1が塩素である場合、R2は、水酸基である。]新規ベンズオキサゾリノン誘導体。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗バベシア剤および抗バベシア剤として有用な新規ベンズオキサゾリノン誘導体に関する。特に、本発明は、ベンズオキサゾリノン誘導体を有効成分とするバベシアの予防及び/又は治療剤に関する。
イヌ、ウシなどの家畜類にバベシア症が知られている。本疾病はバベシア原虫が寄生する事により発症し、ダニを介して媒介される。最悪の場合、バベシア原虫に寄生され疾病が発症すると死に至る。また、近年ではヒトへの感染も報告され、公衆衛生上、注目されつつある寄生性原虫である。特効薬としてジミナゼン製剤(商品名:ガナゼック)が知られていたが副作用が強く、販売が中止されている。よって、現在、バベシア症に有効な市販の薬剤は無い。
より具体的には、バベシア・ギブソニ(Babesia gibsoni)は、野生及び飼育下のイヌに溶血性貧血を引き起こす赤血球寄生虫である(J. Am. Vet. Med. Assoc. 180, 507-511, 1982(非特許文献1); J. Proto zoo1. Res, 3, 111-125, 1993(非特許文献2))。バベシア・ギブソニは、イヌの赤血球に奇生し、その中で増殖し、最後には破壊する。そして、その後、バベシア・ギブソニは、新しい赤血球に寄生する。したがって、イヌがバベシア・ギブソニに感染すると、貧血を誘導する。バベシア・ギブソニのイヌヘの感染は、日本の、特に関西において、長く問題になっている。最近では、この感染の地理的分布が更に拡大している。更に、他の動物での感染の拡大やヒトヘの感染も危惧されている。
従来、バベシア・ギブソニの感染の治療のために、ジミナゼン・アセチュレート(Diminazene aceturate)(ガナゼッグニ:Ganazeg))、フェナミジン イセチアネート(phenamidine isethionate)(ロマディン:Lomadine)及びイセチオン酸ペンタミジン(phentamidine isethionate)(ロミディン:Lomidine)が開発され、バベシア・ギブソニ感染に対して効能を示してきた(Treatment of Babesia gibsoni infection with Phenamidine iset hionate. Vet. Rec. 86, 8-10, 1970(非特許文献3); J. Am. Vet. Med. Assoc. 180, 507-511, 1982(非特許文献4))。ガナゼッグニ:Ganazeg)の構造式を以下に示す。
しかしながら日本においては、ジミナゼン・アセチュレート(ガナゼッグニ:Ganazeg)のみが、バべシア・ギブソニ感染の治療に用いられてきた。ジミナゼン・アセチュレートは、バベシア・ギブソニに対して有効であるが、衰弱、過敏症、麻痺、刺激への無反応、及び中枢神経系の致命的な出血(fatal central nervous system haemorrhage)といった副作用を誘導することがある(Greene C. E. ed. B. W. Saunders Philadelphia. 796-803, 1990(非特許文献5))。しかし、この薬剤の日本国内での販売は最近になって停止された。したがって、バベシア・ギブソニに感染したイヌの治療については、代わりとなる、副作用の少ない化学療法薬剤が用意できない状況にあり、その開発が急務となっている。
近年、抗バベシア作用を有するいくつかの化合物や物質が開示されている(特開平2001−81034号公報(特許文献1)、特表平8−502646号公報(特許文献2)、特表平10−507446号公報(特許文献3)、特表平10−511345号公報(特許文献4)、特表2000−515877号公報(特許文献5)、特表平2001−517223号公報(特許文献6)、特表2003−503039号公報(特許文献7)、特表2003−505357号公報(特許文献8)、及び特表2003−534016号公報(特許文献9))。しかし、これらのものもまだ開発途中のものであり、副作用の少ない化学療法薬剤で、しかもバベシアに有効な薬剤は開発されていない。
特開平2001−81034号公報 特表平8−502646号公報 特表平10−507446号公報 特表平10−511345号公報 特表2000−515877号公報 特表2001−517223号公報 特表2003−503039号公報 特表2003−505357号公報 特表2003−534016号公報 J. Am. Vet. Med. Assoc. 180, 507-511, 1982 J. Protozoo1. Res. 3, 111-25, 1993 Treatment of Babesia gibsoni infection with Phenamidine iset hionate. Vet. Rec. 86, 8-10, 1970 J. Am. Vet, Med. Assoc. 180, 507-511, 1982 Greene C. E. ed. B. W. Saunders Philadelphia. 796-803, 1990
本発明が解決しようとする課題は、抗バベシア剤、特に、副作用の少ない化学療法薬剤として用いることができ、しかも抗バベシア活性の高いバべシアの予防及び/又は治療剤を提供すること、およびそれに有効な新規化合物を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである
[請求項1]一般式(1)で示される化合物を有効成分として含有する抗バベシア剤。
[式中、R1およびR2は、独立に、水素、塩素、水酸基、またはメトキシ基であり、R1が塩素である場合、R2は、水酸基である。]
[請求項2]一般式(1)において、R1およびR2が、ともに水酸基である請求項1に記載の抗バベシア剤。
[請求項3]一般式(1)において、R1が水酸基であり、R2が水素である請求項1に記載の抗バベシア剤。
[請求項4]一般式(1)において、R1が塩素であり、R2が水酸基である請求項1に記載の抗バベシア剤。
[請求項5]一般式(1)において、R1がメトキシ基であり、R2が水素である請求項1に記載の抗バベシア剤。
[請求項6]以下の群から選ばれるベンズオキサゾリノン誘導体。
5,6-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (5)、
5,7-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (6)、
5-メトキシ-3-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (7)、および
5-クロロ-7-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(9)
本発明によれば、副作用の少ない化学療法薬剤として用いることができ、しかも抗バベシア活性の高いバべシアの予防及び/又は治療剤を提供することができる。さらに、本発明によれば、抗バベシア剤として有効な新規化合物を提供することができる。
[抗バベシア剤]
本発明の抗バベシア剤は、一般式(1)で示される化合物を有効成分として含有する。
式中、R1およびR2は、独立に、水素、塩素、水酸基、またはメトキシ基であり、R1が塩素である場合、R2は、水酸基である。R1およびR2の置換位置には限定はないが、例えば、5、6、7または8位のいずれかであることができる。
より具体的には、本発明の抗バベシア剤の有効成分は、一般式(1)において、R1およびR2が、ともに水酸基である化合物であることができる。R1およびR2の置換位置は、5、6または7位であることが適当であり、好ましくは5,6-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物5)、および5,7-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物6)であることができる。これら化合物5および6は新規化合物であり、合成方法については後述する。
本発明の抗バベシア剤の有効成分は、一般式(1)において、R1が水酸基であり、R2が水素である化合物であることができる。R1の置換位置は、5、6または7位であることが適当であり、好ましくは5-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物4)であることができる。化合物4は公知化合物であり、例えば、Naoki Itoh, Takeshi Sakamoto, Etsuko Miyazawa and Yasuo Kikugawa; Journal of Organic Chemistry 2002, 67, 7424-7428に記載の方法に従って、市販の2-ベンゾオキサゾリン(1)から合成できる。さらに上記化合物5および6も、上記の方法に従って化合物4の副生物として、2-ベンゾオキサゾリン(1)から合成できる。
本発明の抗バベシア剤の有効成分は、一般式(1)において、R1が塩素であり、R2が水酸基である化合物であることができる。R1およびR2の置換位置は、5、6または7位であることが適当であり、好ましくは5-クロロ-6-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(化合物8)および5-クロロ-7-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(化合物9)であることができる。化合物9は新規化合物であり、化合物8および9は、市販の5-クロロ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(クロルゾザゾン)(2)を原料として、Naoki Itoh, Takeshi Sakamoto, Etsuko Miyazawa and Yasuo Kikugawa; Journal of Organic Chemistry 2002, 67, 7424-7428に記載の方法に従って合成できる。
本発明の抗バベシア剤の有効成分は、一般式(1)において、R1がメトキシ基であり、R2が水素である化合物であることができる。R1の置換位置は、5、6または7位であることが適当であり、好ましくは7-メトキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物1)であることができる。化合物1は、公知化合物であり、例えば、トウモロコシの根の抽出物から単離することができる。化合物1の抽出および単離は、Sun Park, Yuuko Takano, Hideyuki Matsuura, and Teruhiko Yoshihara, Antifungal effect and compounds of Zea mays, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 68, 1366-1368 (2004)に記載の方法に従って行うことができる。抽出および単離方法は実施例において詳述する。
本発明の有効成分である化合物を医薬等として用いる場合には、本発明の有効成分である化合物を薬理学的に許容される塩の形で用いることができる。かかる薬理学上許容される塩としては、薬理学上公知のものを用いることができるが、例えば、薬理学上許容される金属塩、アンモニウム塩、含有アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を適宜用いることができる。金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、有機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジン等の付加塩、アミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン等の付加塩が挙げられる。
本発明の有効成分を医薬として投与するには、該有効成分を、製薬上用いられる適宜の形態に製剤化して、全身又は局所的に、経口又は非経口の形で投与することができる。製剤形態としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏等適宜の形態を挙げることができる。該製剤化に際しては、例えば、各種の賦形剤、潤沢剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、乳化剤等の補助剤を用いることができる。本発明の有効成分を、動物用医薬として用いる場合には、本発明の有効成分を適宜の投与形態に製剤化して用いることができる。また、本発明の有効成分を飼料等に混合した形で投与することができる。
さらに本発明は、以下の群から選ばれる新規ベンズオキサゾリノン誘導体に関する。
5,6-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物5)、
5,7-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物6)、
5-メトキシ-3-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (化合物7)、および
5-クロロ-7-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(化合物9)
これらの化合物の合成方法は実施例において詳述する。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
化合物1
化合物1はトウモロコシの根の抽出物より単離、構造決定したものである。操作は、前出のSun Parkらの文献に記載の方法に従った。詳細は、以下の通りである。
(1) トウモロコシの根のアルコール抽出
農場で2〜3ヶ月育てたトウモロコシの根60 kgをポリ容器に入れ、EtOH 90 Lで約3週間抽出した。その後、減圧下で濃縮して抽出物を得た。
(2) 抽出物の分画、精製
上述により得られた抽出物をヘキサン、EtOAc、H2Oで液々分配した。それぞれの1/10,000を吸器形成試験に供した(図1)。活性の高かったEtOAcの分液部 (24.1 g) をSiO2 (600 g) カラムに供し、EtOAcで200 mlずつ溶出し、最後に50 % MeOH/EtOAcで溶出した。得られた14のフラクションの1/1,000を吸器形成試験に供した(図2)。特に活性の高かった7〜10のフラクション(2.97 g) をSiO2 (300 g) カラムに供し、5 % MeOH/CHCl3で溶出し、最後に50 % MeOH/CHCl3で溶出した。TLCを指標に得られた8つのフラクションの1/1,000を吸器形成試験に供した(図3)。活性の高かった、2 (EA2) と6 (EA6) のフラクションを分画、精製した。
EA2の分画、精製
EA2 (346.5 mg) をSephadex LH-20 (100 g) に供し、70 % MeOH/CHCl3で溶出した。TLCを指標に得られた7つのフラクションの1/500を吸器形成試験に供した(図4)。6のフラクション (41.3 mg) がTLCにより単一ピークであることが確認できたため、FD-MS、EI-MS、各種NMRを用いて構造決定を行い、6-メトキシ-2-ベンゾオキサゾリン (化合物1) と決定した。
構造決定
EI-HR-MS : m/z 165.0438 ; C8H7NO3. EI-MS : m/z 165 (100), 150 (50), 122 (9), 106 (20). 1H-NMR (CDCl3): δ3.80 (3H, s, OMe), 6.72 (1H, dd, J = 2.43, 8.51 Hz, 5-H), 6.84 (1H, d, J = 2.43, 7-H), 6.98 (1H, d, J = 8.51, 4-H), 9.33 (1H, brs,NH). 13C-NMR (CDCl3): δ56.0 (8), 97.5 (7), 109.7 (4 or 5), 110.1 (4 or 5), 122.8(3a), 144.6 (7a), 156.2 (2or 6), 156.3 (2 or 6).
実施例2
化合物4, 5,6(2-Benzoxazolinone類縁体)の合成
2-ベンゾオキサゾリン(化合物2(市販品),100 mg,0.74 mmol)とフェニルアイオジン(III)ビス(トリフルオロアセテート)[phenyliodine(III) bis(trifluoroacetate)](PIFA) (382 mg, 0.89 mmol)をトリフルオロ酢酸(TFA) 6 mlに混合し、80℃の湯浴中で3分間還流させた。反応溶液を飽和NaHCO3水溶液200 mlに加え、pH試験紙にて反応溶液が塩基性になったのを確認した後、EtOAc 200 mlで2回液液分配を行った。さらにEtOAc層を生理食塩水100 mlで2回洗浄した後、濃縮し、シリカゲルカラム 50 gに供した。フラクションコレクターにより50 % EtOAc / Hexaneで溶出し、これにより化合物(4) (60 mg, 54 %)と化合物(5) : (6) = 2 : 1の混合物(4.9 mg, 4.0 %)を得た。
5-Hydroxy-3H-benzooxazol-2-one (化合物4)
白色粉末; 1H NMR (MeOH-d4, 270 MHz) δ6.98 (1H, dd, J = 0.6, 8.4 Hz, H-7), 6.52 (1H, dd, J = 0.6, 3.0 Hz, H-4), 6.49 (1H, dd, J = 3.0, 8.4 Hz, H-6); EIMS m/z (rel int) 151 ([M]+, 100), 95 (25), 43 (36)
5,6-Dihydroxy-3H-benzooxazol-2-one (化合物5) : 5,7-Dihydroxy-3H-benz ooxazol-2-one (化合物6) = 2 : 1の混合物
紫色粉末; 1H NMR (MeOH-d4, 270 MHz) δ6.70 (1H, s, H-7 (5)), 6.55 (1H, s, H-4 (5)), 6.08 (1H, d, J = 2.2 Hz, H-4 (6)), 6.04 (1H, d, J = 2.2 Hz, H-6 (6)); EIMS m/z (rel int) 167 ([M]+, 38), 111 (70), 68 (100), 53 (90), 42 (70); EIHRMS anal, m/z 167.0202, calc for C7H5NO4, m/z 167.0219.
実施例3
化合物7の合成
化合物4 (13.2 mg, 0.09 mmol)をMeOH 2 mlに溶解させ、氷冷下でCH2N2を5 ml加え、36時間反応させた。酢酸を1, 2滴加え反応を終了させ、反応溶液が無色透明になったのを確認したのち、濃縮し、HPLCに供した。カラムはInertsil-SIL φ 6.0×250 mmを用い、溶媒系は50 % EtOAc / Hexane、流速は1.5 ml / min、吸光度は254 nmの条件下で行った。結果、化合物7 (tR; 12.5 min, 5.8 mg, 38 %)を得た。
5-Methoxy-3-methyl-3H-benzooxazol-2-one (化合物7)
白色粉末White powder; 1H NMR (MeOH-d4, 270 MHz) δ7.01 (1H, d, J = 8.6 Hz, H-7), 6.55 (1H, dd, J = 2.7, 8.6 Hz, H-6), 6.46 (1H, d, J = 2.7 Hz, H-4), 3.75 (3H, s, N-Me), 3.31 (3H, s, O-Me); EIMS m/z (rel int) 179 ([M]+, 100), 164 (50), 136 (38), 122 (25), 82 (30).
実施例4
化合物8, 9の合成
クロルゾザゾン(化合物3(市販品),100 mg, 0.54 mmol)とフェニルアイオジン(III)ビス(トリフルオロアセテート) (PIFA) (279 mg, 0.65 mmol) (Aldrich)をトリフルオロ酢酸(TFA) 6 mlに混合し、80℃の湯浴中で3分間還流させた。反応溶液を飽和NaHCO3水溶液200 mlに加え、pH試験紙にて反応溶液が塩基性になったのを確認した後、EtOAc 200 mlで2回液液分配を行った。さらにEtOAc層をMilli-Q 200 mlで2回洗浄した後、濃縮し、シリカゲルカラム 50 gに供した。フラクションコレクターにより50 % EtOAc / ヘキサンで溶出し、これにより化合物(4) (25 mg, 35 %)と化合物(8) : (9) = 2 : 1の混合物(13 mg, 12.0 %)を得た。化合物(8) : (9) = 2 : 1の混合物については濃縮した後、HPLCに供した。カラムはInertsil PREP-ODS φ 20.0×250 mmを用い、溶媒系は70 % MeOH / H2O、流速は5.0 ml / min、吸光度は254 nmの条件下で行った。結果、化合物(8) (tR; 10.8 min, 7.4 mg, 6.8 %)、化合物(9) (tR; 13.2 min, 3.9 mg, 3.6 %)を得た。
5-Chloro-6-hydroxy-3H-benzooxazol-2-one (化合物8)
White powder; 1H NMR (MeOH-d4, 270 MHz) δ7.01 (1H, s, H-7), 6.82 (1H, s, H-4); EIMS m/z (rel int) 185 ([M]+, 100), 129 (25), 94 (22).
5-Chloro-7-hydroxy-3H-benzooxazol-2-one (化合物9)
Pink powder; 1H NMR (MeOH-d4, 270 MHz) δ6.60 (1H, d, J = 2.2 Hz, H-4), 6.57 (1H, d, J = 2.2 Hz, H-6); EIMS m/z (rel int) 185 ([M]+, 100), 129 (25), 94 (22).
試験例
活性化合物の探索は、バベシア・ギブソニ(Babesia gibsoni)を用いたin vitro抗バベシア活性試験を指標として行った。B. gibsoniは、Levy and Ristic法を応用した方法で培養した。(Levy M.G. and Ristic M,. Science 1980, 207, 1218-1220.) 犬の血液は静脈注射により採取し、抗凝結剤としてEDTAを含む滅菌チューブに注入した。血球は遠心(4000 rpm、5 ℃、for 5 min)し、血清と赤血球(RBCs)に分配した。赤血球は、mVYM液(modified Vega Y Martinez phosphate-bufferd saline solution) (Vega C.A., Buening G.M., Green T.I., and Carson C.A., Am. J. Vet. Res. 1985, 46, 416-420.) を入れて懸濁・遠心(4000 rpm、5 ℃、for 5 min)を3回繰り返して洗浄した。結果、血漿、赤血球から白血球が除かれる。その後、赤血球にRPMI 1640培地を入れて懸濁・遠心(4000 rpm、5 ℃、for 5 min)を2回繰り返した。最後に赤血球の量が全体の5 %、犬血清が40 %になるようにRPMI 1640培地と犬血清で調整した。B. gibsoni培養用赤血球に、B. gibsoniが感染している赤血球培養液を25 %加えた。
サンプルは、分画から適量とりマイクロチューブにいれて乾固させた後、RPMI 1640培地に溶解し、0.45μmのメンブランフィルターに供したものを用意しておく。
B. gibsoniを含む懸濁液25μlと、サンプル25μl を合わせて、96-well flat-bottom microculture platesに供し、1サンプルあたり、2ヶ所で培養する。37 ℃、二酸化炭素5 %、酸素5 %、窒素90 %の条件下で3日間インキュベートした。
培養液20μlと、Cytospin solution 80μlを混合し、遠心(450 rpm、for 5 min)でスライドグラスに塗布した。ギムザ染色液で1時間染色し、顕微鏡で観察した後、赤血球500個あたりの寄生率を計算し、これを1スライドあたり3回繰り返してその平均から寄生率(Parasitemia)を求めた。
IC50は1000μlのRPMI 1640培地に10μlのDMSOを混合し、サンプルの濃度が100, 50, 25, 12.5, 6.25, 3.13, 1.56, 0.78, 0.39, 0.20μg / mlになるように調整したのち、それぞれについて上記の生物検定試験を行った。各濃度の寄生率をControl (0μg / ml)と比較することによって、各サンプルのB. gibsoniに対するIC50を算出した。結果を表1に示す。
表 1に示す結果が得られた。抗バベシア活性に関してはガナゼックのIC50に匹敵する効果が化合物4ならびに化合物5、6の混合物に観察された。また、天然由来の化合物である1に関してはガナゼックと比較し1/10の活性であるが天然物由来で安全面で有利である。なお、化合物5、6に関しては分離が困難であったため混合物として活性を評価した。化合物5、6,7,9に関しては文献未記載の化合物である。
本発明は、畜産業等の抗バベシア剤を必要とする分野に有用である。
吸器形成試験の結果である。 吸器形成試験の結果である。 吸器形成試験の結果である。 吸器形成試験の結果である。

Claims (6)

  1. 一般式(1)で示される化合物を有効成分として含有する抗バベシア剤。
    [式中、R1およびR2は、独立に、水素、塩素、水酸基、またはメトキシ基であり、R1が塩素である場合、R2は、水酸基である。]
  2. 一般式(1)において、R1およびR2が、ともに水酸基である請求項1に記載の抗バベシア剤。
  3. 一般式(1)において、R1が水酸基であり、R2が水素である請求項1に記載の抗バベシア剤。
  4. 一般式(1)において、R1が塩素であり、R2が水酸基である請求項1に記載の抗バベシア剤。
  5. 一般式(1)において、R1がメトキシ基であり、R2が水素である請求項1に記載の抗バベシア剤。
  6. 以下の群から選ばれるベンズオキサゾリノン誘導体。
    5,6-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (5)、
    5,7-ジヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (6)、
    5-メトキシ-3-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン (7)、および
    5-クロロ-7-ヒドロキシ-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン(9)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61178918A (ja) * 1984-11-13 1986-08-11 サノフイ チオスルフオネ−ト誘導体を含有する薬理又は獣医組成物
US20010053789A1 (en) * 2000-04-13 2001-12-20 Rosenfeld Mark J. Novel compounds for use as antidepressants, aphrodisiacs and adjunctive therapies in humans

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