JP2006218321A - 将棋ゲーム装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】駒の移動の選択肢が一つしかない場合におけるユーザのクリック回数を減らし、ユーザビリティの高い将棋ゲーム装置を提供する。
【解決手段】将棋ゲームサーバは利用者端末の表示部に将棋ゲームを表示する。利用者端末を利用するプレイヤの操作により、カーソル23kが移動可能な駒が存在するマス目23gを指示すると、利用者端末は、当該駒の種類、当該駒の移動ルール、将棋盤本体23B全体の駒の配置状態、当該駒の禁じ手等を調べ、将棋盤本体23B上に、当該駒が移動可能なマス目23hを色彩表示する。色彩表示されたマス目が1個の場合、当該駒が存在するマス目23gがクリックされると、色彩表示されたマス目23hに当該駒が移動される。
【選択図】図5

Description

本発明は、コンピュータの利用者同士又はコンピュータの利用者とコンピュータとが対局する将棋ゲーム、及び将棋ゲームを提供する装置に関する。
従来、コンピュータ・ゲームの一つとして、将棋盤をグラフィック画像として表示し当該グラフィック上で対局を行う将棋ゲームが広く普及している。従来、グラフィック技術の発達やネットワーク技術の発達に伴い、ゲームセンター等に設置される大型のゲーム専用機に限らず、パーソナルコンピュータ、携帯電話等においても将棋ゲームを利用する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これらの技術において、利用者の思考を助けると共に誤操作を防止するため、グラフィック表示された将棋盤上のプレイヤが移動可能な駒にカーソルを合わせると、当該駒が移動できるマス目を画像情報等によってプレイヤに知らせる技術が併用されることがある。
特開2000−5436号公報 特開2006−51250号公報
ここで、上記特許文献1、2に記載された従来の技術において駒を移動させるためには、プレイヤは、自分が移動させたい駒を特定するためのクリックと、移動先であるマス目を特定するためのクリック、即ち2回のクリックを最低限行う必要がある。しかし、将棋の場合、移動の決まり手や禁則手、あるいはマス目上に存在する他の駒の存在などにより、駒が事実上移動可能であるマス目が1箇所だけに限定されてしまう場合がある。この場合は移動先を特定する必要は本来的に生じていないが、上記特許文献1、2に記載の発明においてはこの場合においても移動先を特定するためのクリックが必要となる。そのため、ユーザのクリックの回数がいたずらに多くなり、ユーザビリティが低下するという問題がある。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、駒の移動の選択肢が一つしかない場合における利用者のクリック回数を減らし、ユーザビリティの高い将棋ゲーム装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、各種画像を表示する表示手段上に、対局が行われる将棋盤本体と持ち駒を表示する将棋盤駒台とを有する将棋盤、及び該将棋盤上の駒、及び前記将棋盤上の任意の箇所を指し示すカーソルをグラフィック表示させると共に、利用者に、各種ポインティングデバイス、キーボード等の操作手段によって前記将棋盤上における前記カーソルの位置の移動及びクリック操作を行わせることで該操作に基づいて前記将棋盤上に表示された前記駒の移動等の処理を行う将棋ゲーム装置であって、前記将棋盤において前記カーソルが指し示すマス目上に前記利用者が操作可能な駒である移動候補駒が存在するか否かを確認する存在確認手段と、該存在確認手段によって存在が確認された前記移動候補駒が移動可能な一又は複数のマス目を選択する移動先選択手段と、該移動先選択手段の選択結果に基いて、前記操作手段が前記移動候補駒を移動させるための操作方法を決定する操作方法決定手段とを備え、該操作方法決定手段は、前記移動先選択手段が前記移動候補駒が移動可能なマス目を1個のみ選択した場合、前記操作手段が1回クリック操作されることにより前記移動候補駒を前記移動可能なマス目に移動させる操作方法を決定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記移動先選択手段は、前記存在確認手段によって存在が確認された前記移動候補駒と前記将棋盤本体に存在する他の駒との位置関係等を検証し、前記他の駒との位置関係等に基づいて禁じ手となる移動を除外して前記移動可能なマス目を選択することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記移動先選択手段が選択した前記移動可能なマス目を前記将棋盤本体において視覚的に認識可能な色彩により表示する移動先表示手段を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記移動先表示手段は、前記移動可能なマス目が1個の場合と、前記移動可能なマス目が複数の場合とで、それぞれ異なる色彩により前記移動可能なマス目であることを表示することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5に記載の構成に加え、前記移動先表示手段は、前記カーソルが移動候補駒が存在するマス目を指し示すことのみにより前記将棋盤本体に前記移動可能なマス目を表示することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを請求項1乃至6の何れかに記載の将棋ゲーム装置として機能させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、将棋盤においてカーソルが指し示すマス目上に利用者が操作可能な駒である移動候補駒が存在するか否かを確認する存在確認手段と、存在確認手段によって存在が確認された移動候補駒が移動可能な一又は複数のマス目を選択する移動先選択手段と、移動先選択手段の選択結果に基いて、操作手段が移動候補駒を移動させるための操作方法を決定する操作方法決定手段とを備え、操作方法決定手段は、移動先選択手段が移動候補駒が移動可能なマス目を1個のみ選択した場合、操作手段が1回クリック操作されることにより移動候補駒を移動可能なマス目に移動させる操作方法を決定することにより、駒の移動できるマス目が一つしかなく、本来的に移動先が決まってしまう場合にも移動元のマス目と移動先のマス目を双方クリックするような動作の無駄がなくなる。これにより、駒の移動の選択肢が一つしかない場合の利用者のクリック回数を減らすことができ、ユーザビリティの高い将棋ゲームを提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、移動先選択手段は、存在確認手段によって存在が確認された移動候補駒と将棋盤本体に存在する他の駒との位置関係等を検証し、他の駒との位置関係等に基づいて禁じ手となる移動を除外して移動可能なマス目を選択することにより、禁じ手を考慮すれば事実上駒の移動できるマス目が一つしかない場合にも利用者が複数回クリックするような事態や、事実上駒の移動できるマス目が存在しない場合にも利用者のクリックを認めてしまうような事態を防止できる。これにより、駒の移動の選択肢が一つしかない場合、及び駒の移動の選択肢が事実上ない場合の利用者のクリック回数を一層減らすことができ、一層ユーザビリティの高い将棋ゲームを提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、移動先選択手段が選択した移動可能なマス目を将棋盤上において視覚的に認識可能な色彩により表示する移動先表示手段を備えたことにより、利用者に対し、将棋盤本体における移動可能なマス目の位置や移動可能なマス目の数を視覚的判り易く表示することができる。これにより、1回のクリック操作で駒を移動できる際に複数回クリック操作してしまうような利用者の誤操作や、本来移動できないマス目に移動させようとするような利用者の誤操作を防止でき、駒の移動の選択肢が一つしかない場合等の利用者のクリック回数を一層減らすことができ、一層ユーザビリティの高い将棋ゲームを提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、前記移動先表示手段は、前記移動可能なマス目が1個の場合と、前記移動可能なマス目が複数の場合とで、それぞれ異なる色彩により移動可能なマス目であることを表示することにより、視覚的な表示によって、1回のクリック操作で駒を操作できる際に複数回クリック操作してしまうような利用者の誤操作を防止できる。これにより、駒の移動の選択肢が一つしかない場合の利用者のクリック回数を一層減らすことができ、一層ユーザビリティの高い将棋ゲームを提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、移動先表示手段は、カーソルが移動候補駒が存在するマス目を指し示すことのみにより将棋盤本体に移動可能なマス目を表示することにより、利用者は、マス目ごとにクリックするような動作を行うことなく、単に操作手段でカーソルを連続的に移動させながら各駒の移動可能なマス目を視覚的に認識することができる。これにより、駒の移動の選択肢が一つしかない場合等の利用者のクリック回数を一層減らすことができ、また駒の移動できるマス目の検証効率を高め、一層ユーザビリティの高い将棋ゲームを提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、本発明をプログラム化し、多様なコンピュータハードウェア上で実現させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図8に本発明の一の実施形態を示す。
図1は、本発明の一の実施形態としての将棋ゲームシステムの全体構成図である。同図に示す通り、将棋ゲームシステム1Aは、将棋ゲームサーバ1、利用者端末2、2、・・・、2(n≧1)を備えており、将棋ゲームサーバ1と利用者端末2、2、・・・、2とはインターネット3を介して交信可能である。将棋ゲームサーバ1はサーバ機能を有するコンピュータ端末であり、利用者端末2、2、・・・、2において将棋ゲームを行わせるために必要な機能を有する。利用者端末2、2、・・・、2は、インターネット3を介したデータ通信機能を有するパーソナルコンピュータ、携帯電話端末等、個人が所有し携帯できる端末であるが、データ通信機能を有するものであれば何でもよく、例えばゲームセンター等に設置される大型のゲーム機、個人が所有し携帯することが事実上できないものであってもよい。なお、以後は説明の簡単のため、特に区別の必要がある場合を除いて利用者端末2、2、・・・、2は利用者端末2と記載する。
図2は、本実施形態の将棋ゲームシステム1Aを構成する将棋ゲームサーバ1、及び利用者端末2の機能ブロック図である。
同図に示す通り、将棋ゲームサーバは制御部11、記憶部12、通信インターフェース(I/F)部13を有する。
制御部11はCPU(中央演算装置)を備え、記憶部12に記録されたOS(Operating System)プログラムや各種アプリケーションプログラム等の演算処理を行い、将棋ゲームサーバ1全体を制御する。
制御部11には、記憶部12に記録されたプログラム(後述)をCPUにて演算処理した結果としての機能手段として、対局管理部14が形成されている。対局管理部14は、利用者端末2において行われた将棋ゲームの対局に関する処理情報を受信し、対局の進行に必要な情報の管理及び利用者端末2への伝達を行う。
記憶部12は、ローディングプログラム等が予め格納されたROM、プログラムやデータを一時的に記憶し制御部11(のCPU)の作業領域として機能するRAM、書き換えの必要なデータを格納するEEPROM、各種ファイルデータ等を記憶するハードディスク等から構成されている。ハードディスクには、OSプログラムや、制御部11(のCPU)において演算処理されることでコンピュータを将棋ゲームサーバ1として機能させるプログラム121、将棋ゲームの実行に必要なデータの記録されたテーブル122等が記録される。プログラム121が実現させる機能には、対局管理部14の機能、及び利用者端末2における存在確認部、移動先選択部、操作方法決定部、移動先表示部の機能(後述)も含まれる。
通信インターフェース部13はUTPケーブルポート、光ケーブルポート、各種デバイスドライバ、あるいは無線通信デバイス等であり、LANケーブル、光ケーブル等の接続を行い、あるいはデータの無線交信を行うと共に、将棋ゲームサーバ1との間でデータ通信を行うために必要な処理を行う。
利用者端末2は制御部21、操作部22、表示部23、通信インターフェース部24、記憶部25を有する。制御部21、通信インターフェース部24、記憶部25の構成及び機能は将棋ゲームサーバ1の構成及び機能と同様である。
制御部21には、(Java(登録商標)等によって)将棋ゲームサーバ1から送られたプログラム121をCPUにて演算処理した結果としての機能手段として、存在確認部(存在確認手段)26、移動先選択部(移動先選択手段)27、操作方法決定部(操作方法決定手段)28、移動先表示部(移動先表示手段)29が形成されている。
存在確認部26は、表示部23に表示される将棋盤(後述)上においてカーソルが指し示すマス目上に利用者が操作可能な駒(以下「移動候補駒」と称する)が存在するか否かを確認する。移動先選択部27は、存在確認部26によって存在が確認された移動候補駒が移動可能な一又は複数の将棋盤上のマス目を選択する。操作方法決定部28は移動先選択部27の選択結果に基いて、操作部22が移動候補駒を移動させるための操作方法を決定する。移動先表示部29は、移動先選択部27が選択した移動可能なマス目を将棋盤上において視覚的に認識可能な態様で表示する。存在確認部26、移動先選択部27、操作方法決定部28、移動先表示部29の機能を利用者端末2側にて実現することにより、利用者端末2におけるプレイヤの操作に対する表示のレスポンスを向上させ、プレイヤの操作のリアルタイム表示を実現できる。
操作部22は、マウス、キーボード等であり、各種指示を入力するために用いられる。表示部23はLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、操作部22から入力された各種指示等や各種画像を表示する。
このような構成を有する将棋ゲームシステム1Aにおいては、利用者端末2の所有者又は利用者は、利用者端末2の表示部23に将棋ゲームを表示し、ゲームをプレイする。ゲームの態様は、将棋ゲームサーバ1にアクセスした利用者端末2の利用者同士が対戦する形態でもよいし、将棋ゲームサーバ1の記憶部12に記録されたプログラム121に基づいて将棋ゲームサーバ1と利用者端末2とが対戦する形態でもよい。
図3は、本実施形態の将棋ゲームシステム1Aにおける処理手順を示すフローチャートである。以下、同フローチャートに基づいて具体的処理手順について説明する。
まず、利用者端末2の利用者であるプレイヤ(以下単に「プレイヤ」と称する)は、自らの所有又は利用する利用者端末2を用いて将棋ゲームサーバ1にアクセスし、将棋ゲームを開始する。
図4に、利用者端末2の表示部23に表示される将棋ゲームのイメージ図を示す。同図に示す通り、表示部23には将棋盤23Aがグラフィック表示される。将棋盤23Aは、9×九のマス目を有する将棋盤本体23B、プレイヤの手駒を表示する将棋盤駒台23C、相手の手駒を表示する将棋盤駒台23Dからなり、将棋盤本体23B、将棋盤駒台23C,23Dには敵味方の駒がグラフィック表示される。なお、この将棋盤本体23Bにおいては最後の指手において移動した駒が存在するマス目は赤色にグラフィック表示され、最後の指手がプレイヤに視覚的に判り易く表示されている。図4においては相手方が7七馬を指した直後の状態を示しており、7七のマス目23bが赤色(同図において横線群で表示。他の図面においても同じ)に表示されている。
将棋盤23A上にはカーソル23kがグラフィック表示される。プレイヤは操作部22(即ちマウスやカーソルキー等)を用いてこのカーソル23kを移動させ、カーソル23kの指示先(即ち矢印の先端部)を将棋盤23Aの特定箇所に合わせ、操作部22を用いてクリックすることで利用者端末2に操作命令を入力し、将棋ゲームを進行させる。
プレイヤは、操作部22を用いて将棋盤23A上のカーソル23kを移動させる(ステップS1)。例えば、図5の(1−1)は、プレイヤの操作部22の操作によってカーソル23kが将棋盤本体23B上を移動中の状態を示すイメージ図であり、同図においてはカーソル23kが5六歩の方向に移動している。
そして、カーソル23kの指示先が、マス目上にプレイヤが移動可能な駒が存在するマス目上、あるいはプレイヤの将棋盤駒台23C上に存在するプレイヤの手駒上まで移動した場合(ステップS2の“Yes”)、利用者端末2においては、表示部23の将棋盤本体23Bに、駒の移動できるマス目をグラフィック表示させることを決定する(ステップS3)。
具体的には、利用者端末2に形成された存在確認部26は、カーソル23kの指示先が表示部23のどのポイントに存在するか(カーソル23kの指示先が、表示部23を形成するドットマトリックスのどのポイント上に存在するか)を短時間(例えば1/60秒)ごとに検出し、検出されたポイント上にどのようなグラフィックが表示されているかを確認する。もし当該ポイント上のグラフィック表示がプレイヤが移動可能な駒が存在する将棋盤本体23Bのマス目上、あるいはプレイヤの将棋盤駒台23C上に存在するプレイヤの手駒上であるならば、存在確認部26は、カーソル23kの指示するマス目に存在する駒又は将棋盤駒台23C上に存在する手駒を移動候補駒とし、当該移動候補駒の移動できるマス目をグラフィック表示させる旨を決定する。
移動候補駒の移動できるマス目をグラフィック表示させることが決定されると、移動先選択部27は、プログラム121やテーブル122等を参照し、当該移動候補駒の種類(A)、当該移動候補駒の移動ルール(B)、将棋盤本体23B全体の駒の配置状態と当該移動候補駒との位置関係(C)、当該位置関係等に基づく当該移動候補駒の禁じ手(D)等を検証する。そして、当該検証に基づいて、駒の種類(A)に基づく当該駒の移動ルール(B)から将棋盤本体23B全体の駒の配置状態や移動候補駒との位置関係(C)に基づく当該駒の移動制限箇所を除外し、さらに当該位置関係等に基づく移動候補駒の禁じ手に基づく当該駒の移動制限箇所を除外したものを、当該駒の移動可能なマス目として列挙する(即ち、(B)−(C)−(D)=(移動可能なマス目)、の意。以下当該処理を単に「列挙」と称する。)。
移動先選択部27が移動候補駒と将棋盤本体23B上に存在する他の駒との位置関係等を検証し、他の駒との位置関係等に基づいて禁じ手となる移動を除外して移動可能なマス目を選択することにより、禁じ手を考慮すれば事実上駒の移動できるマス目が一つしかない場合にも利用者が複数回クリックするような事態や、事実上駒の移動できるマス目が存在しない場合にも利用者のクリックを認めてしまうような事態を防止できる。
移動先選択部27は、上述の列挙による移動可能なマス目の数を算出する。列挙された移動可能なマス目の数が0個である場合(ステップS4の「0個」)、移動先表示部29は、表示部23の将棋盤本体23B上に移動ガイドとして何の表示も行わない(ステップS5)。
図8に、ステップS5における状態のイメージ図を示す。同図(4−1)のイメージ図は、プレイヤの操作部22の操作によってカーソル23kが将棋盤本体23B上の6八のマス目23dを指示した状態を示している。6八のマス目23dには移動候補駒として「飛車」駒が存在するため、本来は縦方向、横方向に移動可能であることを示す移動ガイドが表示される(同図(4−2)参照)が、5九のマス目23eにプレイヤ側の「王将」駒が存在し、かつ7七のマス目23bに相手方の「馬」駒が存在するため、6八のマス目23dの「飛車」駒を移動させるのは禁じ手となる(6八のマス目23dの「飛車」駒を移動させたらプレイヤ側の「王将」駒は相手方の「馬」駒に取られてしまうため)。そのため、同図(4−1)においては、上記(D)の移動制限に基づいて全ての移動条件が除外され、その結果、将棋盤本体23B上に移動ガイドは全く表示されていない。
このように、移動ガイドを表示する際に禁じ手となるマス目への移動を除外して表示することにより、事実上駒の移動できるマス目が存在しない場合に利用者が誤ってクリック操作をしてしまうような事態を防止できる。
なお、同図(4−2)に示すイメージ図には、(4−1)と違い7七のマス目23bに「馬」駒が存在しないので、6八のマス目23dの「飛車」駒を移動させてもプレイヤ側の「王将」駒は相手方の駒に取られてしまうことはなく、従って、移動ガイドとして、「飛車」駒が移動可能なマス目に移動ガイドの色彩(同図において縦線群で表示)が表示される。但し、8八のマス目23fに「銀」駒が存在し「飛車」駒は8八のマス目23f以上左方向に移動できないため、上記(C)の移動制限に基づいて8八のマス目23f以上左方向の移動条件が除外され、その結果、同図においては8八のマス目23f以上左方向のマス目には色彩が表示されない。
また、移動先選択部27により列挙されたマス目の数が1個である場合(ステップS4の「1個」)、移動先表示部29は、表示部23の将棋盤本体23B上の当該駒が移動可能なマス目に、移動ガイドとして緑色の色彩を表示する(ステップS6)。
図5の(1−2)にステップS6における状態のイメージ図を示す。同図においては、(1−1)に示す移動操作によってカーソル23kが5六のマス目23gを指示した結果、移動候補駒である「歩」駒の移動可能なマス目である5五のマス目23hに、移動ガイドとして緑色の色彩が表示されている。
このように、移動可能なマス目中に色彩を表示することにより、移動可能なマス目を視覚的に認識し易い態様で将棋盤本体23Bに表示できる。
また、このように、カーソル23kが移動候補駒が存在するマス目を指し示すことのみによって将棋盤本体23B上に移動可能なマス目を表示することにより、プレイヤは、マス目ごとにクリックするような動作を行うことなく、単に操作部22でカーソル23kを連続的に移動させながら各駒の移動可能なマス目を視覚的に認識できる。
列挙された移動可能なマス目の数が1個であることにより、操作方法決定部28は、操作部22が1回クリック操作されることにより当該「歩」駒を5五のマス目23hに移動させる操作方法とすることを決定する。そして、プレイヤが、操作部22により、カーソル23kが指示したマス目をクリックすると(ステップS7)、移動候補駒は緑色の色彩が表示されたマス目に移動する(ステップS8)。
図5の(1−3)に、ステップS7、S8における状態のイメージ図を示す。同図(1−3)においては、(1−2)に示す、5五のマス目23hに緑色の色彩が表示された状態においてプレイヤが操作部22の操作によってカーソル23kをクリックした結果、5六のマス目23gから5五のマス目23hに移動候補駒の「歩」駒が移動した状態が示されている。なお、「歩」駒が移動した5五のマス目23hは、最後に移動した駒の存在を示す赤色の色彩が表示される。
利用者端末2は、ステップS8における移動候補駒の移動を表示部23に表示させた後、ないしは移動候補駒の移動を表示部23に表示すると同時に、当該移動候補駒が移動した旨の情報を将棋ゲームサーバ1に送信する。将棋ゲームサーバ1の対局管理部14は移動候補駒が移動した旨の情報を記録すると共に、対局相手の利用者端末2や対局を観戦している利用者端末2、・・・2に送信し、これらの利用者端末2の表示部に表示された将棋盤本体(図示せず)上の表示を変更させる。プレイヤの利用者端末2の表示部23には、移動候補駒が移動した旨の情報がプレイヤの利用者端末2から将棋ゲームサーバ1に送信される前、ないしは当該情報がプレイヤの利用者端末2から将棋ゲームサーバ1に送信されると同時に、ステップS8の情報が既に表示されているため、将棋ゲームサーバ1と利用者端末2との間に介在するインターネット3の通信品質に影響されることなく、見かけ上良好なレスポンスタイムが得られる。
また、移動先選択部27により列挙されたマス目の数が2個以上である場合(ステップS4の「2個以上」)、移動先表示部29は、表示部23の将棋盤本体23B上の当該移動候補駒が移動可能なマス目に、移動ガイドとして白色の色彩の表示する(ステップS9)。
図6の(2−1)(2−2)にステップS6における状態のイメージ図を示す。同図(2−1)は、プレイヤの操作部22の操作によってカーソル23kが将棋盤本体23B上を移動中の状態を示すイメージ図であり、(2−2)は、上記操作の結果カーソル23kが4九のマス目23iを指示した状態を示している。同図(2−2)においては、4九のマス目23iの周囲に存在する移動候補駒としての「金」駒が移動可能な4つのマス目に、移動ガイドとして白色の色彩(同図において横線郡で表示)が表示されている(但し、上記(C)の移動制限に基づいて5九のマス目23eには色彩は表示されない)。
列挙された移動可能なマス目の数が複数個であることにより、操作方法決定部28は、操作部22が2回クリック操作されることにより当該「金」駒を移動させる操作方法とすることを決定する。そして、プレイヤが、操作部22により、当該移動候補駒が存在するマス目をクリックし、さらに色彩が表示されたマス目のうち当該移動候補駒を移動させたいマス目をクリックすると(ステップS10)、当該駒は後にクリックされたマス目に移動する(ステップS11)。
図6の(2−3)(2−4)に、ステップS10、S11における状態のイメージ図を示す。同図(2−3)においては、(2−2)に示す、4九のマス目23iの周囲の4つのマス目に緑色の色彩が表示された状態において、プレイヤが操作部22の操作によってカーソル23kを5八のマス目23jに移動させた状態を示すイメージ図である。この状態でプレイヤがカーソル23kを固定してクリックすると、(2−4)に示す通り、4九のマス目23iから5八のマス目23jに移動候補駒の「金」駒が移動する。「金」駒が移動した5八のマス目23jは、最後に移動した駒の存在を示す赤色の色彩が表示される。
この場合も、利用者端末2はステップS8と同様に、ステップS11における移動候補駒が移動した旨の情報を将棋ゲームサーバ1に送信し、将棋ゲームサーバ1の対局管理部14は、移動候補駒が移動した旨の情報を記録すると共に、対局相手の利用者端末2や対局を観戦している利用者端末2、・・・2に送信し、表示部に表示された将棋盤本体(図示せず)上の表示を変更させる。
このように、移動可能なマス目が1個の場合と、前記移動可能なマス目が複数の場合とで、それぞれ異なる色彩によって移動可能なマス目であることを表示することにより、視覚的な表示によって、1回のクリック操作で駒を操作できる際に複数回クリック操作してしまうようなプレイヤの誤操作を防止できる。
なお、本実施形態においては、最後に移動した駒の存在するマス目がステップS6、S9で示される移動ガイドが示す移動可能場所と重なる場合、最後に移動した駒を示す色彩表示と移動ガイドとしての色彩表示が重複して表示される。
図7の(3−1)(3−2)に、色彩表示が重複する場合のイメージ図を示す。同図(3−1)は、プレイヤの操作部22の操作によってカーソル23kが移動している途中の状態を示すイメージ図であり、(3−2)は、上記移動の結果カーソル23kが8八のマス目23fを指示した状態を示すイメージ図である。同図(3−2)においては、8八のマス目23fに存在する銀が移動可能な4つのマス目に、移動ガイドとして白色の色彩が表示されている。但し、7七のマス目23bは最後に移動した駒を表示する赤色の色彩表示があるため、白色と赤色が加法混色された明るい赤色が表示される。これにより、最後に移動した駒の表示とカーソル23kが指示するマス目の駒が移動可能なマス目が重複した場合でも、双方の条件を視覚的に判り易く表示することができる。
なお、本実施形態において移動ガイドとしての色彩の表示(ステップS6、S9)はリアルタイム処理で行われるので、プレイヤに不要な待ち時間を与えることがなく、高いユーザビリティを得ることができる。
以上、本実施形態の将棋ゲームシステム1Aにおいて、利用者端末2は、将棋盤本体23B上においてカーソル23kが指し示すマス目上に利用者が操作可能な駒である移動候補駒が存在するか否かを確認する存在確認部26と、存在確認部26によって存在が確認された移動候補駒が移動可能な一又は複数のマス目を選択する移動先選択部27と、移動先選択部27の選択結果に基いて、操作部22が移動候補駒を移動させるための操作方法を決定する操作方法決定部28とを備え、操作方法決定部28は、移動先選択部27が移動候補駒が移動可能なマス目を1個のみ選択した場合、操作部22が1回クリック操作されることにより移動候補駒を移動可能なマス目に移動させる操作方法を決定することにより、駒の移動できるマス目が一つしかなく、本来的に移動先が決まってしまう場合にも移動元のマス目と移動先のマス目を双方クリックするような動作の無駄がなくなる。
なお、上記実施形態においては、最後に移動した駒が存在するマス目を赤色に表示し、カーソル23kが指示するマス目に存在する駒及び駒盤23Cに存在する手駒が移動可能なマス目が1個の場合は緑色に表示し、移動可能なマス目が2個以上のときは白色に表示したが、これに限定されず、いずれの表示においてもどのような色彩を用いてもよい。但し、最後に移動した駒が存在するマス目の色彩と、移動可能なマス目を表示する色彩とは、加法混色した場合に両方の色彩が混色していることが一目でわかる色彩であることが望ましい。
また、上記実施形態においては、カーソル23kが指示するマス目に存在する駒及び駒盤23Cに存在する手駒が移動可能なマス目を色彩で表示したが、これに限定されず、例えば当該移動可能なマス目上に「×」印を表示する、更に、当該移動可能なマス目が1個の場合は「×」印を表示し2個以上の場合は「××」印を表示して双方の場合を視覚的に識別可能にする等、色彩以外の表示態様によって当該移動可能なマス目を視覚的に表示することも可能である。
また、上記実施形態においては、将棋ゲームサーバ1に将棋ゲームをプレイするために必要なプログラム121を記録し、利用者端末2が将棋ゲームサーバ1にインターネット3を介してアクセスし、利用者端末2側で将棋ゲームをプレイする態様としたが、これに限定されず、利用者端末2側に将棋ゲームをプレイするために必要なプログラムを記録し当該利用者端末2をスタンドアロンで使用する際に本発明を適用することや、複数の利用者端末2、2、・・・同士を直接接続して対局する際に本発明を適用することもできる。なお、スタンドアロンの利用者端末2に本発明を適用する場合、当該利用者端末2はパーソナルコンピュータや携帯電話に限らず、携帯式ゲーム機等であってもよい。
上記実施形態においては、将棋ゲームサーバ1に記録したプログラムによって、コンピュータを将棋ゲームサーバ1及び利用者端末2として機能させたが、これに限定されず、将棋ゲームサーバ1及び利用者端末2としての機能の一部または全部をハードウェアロジックによって構成し、処理の安定化と高速化を図ることもできる。
なお、上記実施形態においては、将棋ゲームシステム1Aにおいて本発明を適用したが、将棋ゲームのみに限定されることはなく、コンピュータの画面上で行われる同種のボードゲーム、例えばチェス、象棋(シャンチー)、マークルック、等にも本発明を適用できる(但し象棋の場合、ゲームの特質上、移動可能な格子点を表示することになる)。
上記実施形態は例示であり、本発明がこれらの実施形態に限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
本発明の一の実施形態としての将棋ゲームシステムの全体構成図である。 本実施形態の将棋ゲームシステムを構成する将棋ゲームサーバ、及び利用者端末の機能ブロック図である。 同上将棋ゲームシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。 利用者端末の表示部に表示される将棋ゲームのイメージ図である。 (1−1)プレイヤの操作部の操作によってカーソルが将棋盤本体上を移動中の状態を示すイメージ図、(1−2)移動ガイドとしての色彩が表示された状態を示すイメージ図、(1−3)操作部をクリックすることにより駒が移動した状態を示すイメージ図である。 (2−1)プレイヤが操作部を操作によってカーソルが将棋盤本体上を移動中の状態を示すイメージ図、(2−2)移動ガイドとしての色彩が表示された状態を示すイメージ図、(2−3)移動対象の駒が存在するマス目をクリックしたのち、駒を移動させたいマス目にカーソルを移動させた状態を示すイメージ図、(2−4)操作部をクリックすることにより駒が移動した状態を示すイメージ図である。 (3−1)プレイヤの操作部の操作によってカーソルが移動している途中の状態を示すイメージ図、(3−2)移動の結果カーソルが8八のマス目を指示した状態を示すイメージ図である。 (4−1)移動が禁じ手とされている駒が存在するマス目が指示された状態を示すイメージ図、(4−2)移動が禁じ手とされていない駒が存在するマス目が指示された状態を示すイメージ図である。
符号の説明
2、2、2、・・・、2・・・利用者端末(将棋ゲーム装置)
22・・・操作部(操作手段)
23・・・表示部(表示手段)
23A・・・将棋盤
23B・・・将棋盤本体
23C、23D・・・将棋盤駒台
23k・・・カーソル
26・・・存在確認部(存在確認手段)
27・・・移動先選択部(移動先選択手段)
28・・・操作方法決定部(操作方法決定手段)
29・・・移動先表示部(移動先表示手段)

Claims (6)

  1. 各種画像を表示する表示手段上に、対局が行われる将棋盤本体と持ち駒を表示する将棋盤駒台とを有する将棋盤、及び該将棋盤上の駒、及び前記将棋盤上の任意の箇所を指し示すカーソルをグラフィック表示させると共に、利用者に、各種ポインティングデバイス、キーボード等の操作手段によって前記将棋盤上における前記カーソルの位置の移動及びクリック操作を行わせることで該操作に基づいて前記将棋盤上に表示された前記駒の移動等の処理を行う将棋ゲーム装置であって、
    前記将棋盤において前記カーソルが指し示すマス目上に前記利用者が操作可能な駒である移動候補駒が存在するか否かを確認する存在確認手段と、
    該存在確認手段によって存在が確認された前記移動候補駒が移動可能な一又は複数のマス目を選択する移動先選択手段と、
    該移動先選択手段の選択結果に基いて、前記操作手段が前記移動候補駒を移動させるための操作方法を決定する操作方法決定手段とを備え、
    該操作方法決定手段は、前記移動先選択手段が前記移動候補駒が移動可能なマス目を1個のみ選択した場合、前記操作手段が1回クリック操作されることにより前記移動候補駒を前記移動可能なマス目に移動させる操作方法を決定することを特徴とする将棋ゲーム装置。
  2. 前記移動先選択手段は、前記存在確認手段によって存在が確認された前記移動候補駒と前記将棋盤本体に存在する他の駒との位置関係等を検証し、前記他の駒との位置関係等に基づいて禁じ手となる移動を除外して前記移動可能なマス目を選択することを特徴とする請求項1に記載の将棋ゲーム装置。
  3. 前記移動先選択手段が選択した前記移動可能なマス目を前記将棋盤本体において視覚的に認識可能な色彩により表示する移動先表示手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の将棋ゲーム装置。
  4. 前記移動先表示手段は、前記移動可能なマス目が1個の場合と、前記移動可能なマス目が複数の場合とで、それぞれ異なる色彩により前記移動可能なマス目であることを表示することを特徴とする請求項3に記載の将棋ゲーム装置。
  5. 前記移動先表示手段は、前記カーソルが移動候補駒が存在するマス目を指し示すことのみにより前記将棋盤本体に前記移動可能なマス目を表示することを特徴とする請求項3又は4に記載の将棋ゲーム装置。
  6. コンピュータを請求項1乃至5の何れかに記載の将棋ゲーム装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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