JP2006217741A - ロータおよびモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 製作コストを低減でき、マグネットトルクとリラクタンストルクを有効に得ることで高いトルク性能を有するロータと該ロータを備えたモータを提供する。
【解決手段】 ロータ3は、径方向の外周側部分31と内周側部分32で縁切りされており、少なくとも外周側部分31は鉄損を低減可能な磁性材料にて成形されており、外周側部分31にはその周方向に間隔を置いて複数の永久磁石4,4,…が埋め込まれており、外周側部分31のうち、ステータ側の一側面から永久磁石4までの距離をa、内周側部分32に面する他側面から永久磁石4までの距離をbとした場合に、b/aの値が1以上となるように永久磁石4が外周側部分31に埋め込まれてロータ3が構成されている。外周側部分31は、その周方向に複数に分割された分割体31a,31a,…から構成することもできる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、モータ用のロータとモータに係り、特に、インナーロータ型のモータにおいて、マグネットトルクとリラクタンストルクを有効に得ることで高いトルク性能を有するロータと該ロータを備えたモータに関するものである。
インナーロータ型のモータにおいては、該ロータに生じる鉄損の大部分が高調波磁界による鉄損であり、かかる鉄損がロータの外周部分に集中して分布することが知られている。ロータの外周部分に鉄損が集中する原因の一つは、ステータのスロット部分に高調波磁界が生じ、その影響が該スロット部分に近いロータ外周部分に及ぼされることである。したがって、永久磁石がロータコア内に埋め込まれた埋込み型ロータであっても、永久磁石がロータ外周面に露出した表面型ロータであってもその傾向は同様である。
上記するようにロータの外周部分に鉄損が集中することが周知であるにもかかわらず、従来のロータは、例えば電磁鋼板などからなる単一材料から成形されるのが一般的であった。それは、例えば所定形状(例えば円形)に打ち抜き成形された電磁鋼板を積層することでロータが製作されるといった、ロータの製作面から招来されるものである。したがって、上記するようにロータの外周部分に鉄損が集中しても、この鉄損を低減するために、ロータの全体を高調波性能に優れた材質からなる材料にて製作することとなり、結果としてロータの製作コストの高騰に繋がっていた。
ところで、特許文献1には、モータのステータを構成するティースとヨークを別体で、かつ双方が異なる材料から成形され、両者が接続されることによって構成されるステータ鉄心に関する発明が開示されている。磁性鉄粉成形体からなるティースと、溶製電磁鋼板からなるヨークを接続することによって構成されるステータ鉄心を使用することで、モータの騒音低減効果を得ることができる。
一方、特許文献2には、磁石埋込型モータのロータコアに関する発明が開示されている。このロータコアは、インナーロータとアウターロータに2分割された構造となっており、インナーロータとアウターロータの対向部はそれぞれ鋸歯状に成形されており、双方の隙間に磁石を挟着させた構成となっている。本発明によれば、インナーロータとアウターロータとの間のエアギャップを無くすことができ、したがって磁気回路の磁気抵抗を小さくすることで高トルクを得ることができるというものである。
特開2003−244873号公報 特開2003−319584号公報
特許文献1に開示のステータ鉄心を使用すれば、モータの騒音低減効果を得ることができるが、モータに発生する鉄損を低減できるか否かは不明である。また、かかる特許文献においては、経済的に鉄損を低減させるためのロータに関する記載の開示はない。また、特許文献2に開示のロータ構造によれば、2分割されたインナーロータとアウターロータ間のうち、双方が磁石と直接接している部分に関してはエアギャップを無くすことができるが、双方の間には多くの隙間(エアギャップ)が形成されており、かかるエアギャップによってリラクタンストルクの低減は否めず、結果として高トルクを得ることは極めて困難である。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、比較的低コストでロータに生じ得る鉄損を低減することのできるロータおよび該ロータを備えたモータを提供することを目的とする。また、ロータ内に埋め込まれた磁石によって発生するマグネットトルクとコア材料の磁気抵抗により発生するリラクタンストルクの双方を効果的に得ることで高いトルク性能を有するモータと該モータを構成するロータを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるロータは、モータを構成するリング状のステータの内側に配設される、平面視が円盤状のロータであって、前記ロータは、径方向の外周側部分と内周側部分で縁切りされており、少なくとも外周側部分は鉄損を低減可能な磁性材料にて成形されており、外周側部分にはその周方向に間隔を置いて複数の磁石が埋め込まれており、外周側部分のうち、ステータ側の一側面から磁石までの距離をa、内周側部分に面する他側面から磁石までの距離をbとした場合に、b/aの値が1以上となるように磁石が外周側部分に埋め込まれていることを特徴とする。
本発明のロータから構成されるモータは、インナーロータ型のモータであり、ブラシレスDCモータやリラクタンスモータなど、適宜の機構のモータを選定できる。また、本発明のロータは、ロータの内部においてその周方向に複数の磁石(例えば永久磁石など)が等間隔で埋め込まれている磁石埋め込み型ロータである。
ここで、ロータが、径方向の外周側部分と内周側部分で縁切りされているとは、外周側部分と内周側部分が別体でかつ嵌め合い構造に成形されていて、双方が嵌め合わされてロータコアが形成されたり、接着剤等によって双方が接続されることによりロータコアが形成されることを意味している。かかる実施形態は、外周側部分と内周側部分の間に隙間が形成されていない形態である。一方、外周側部分と内周側部分の間に隙間が形成されるよに双方の対向面間に繋ぎ材を介装させた実施形態であってもよい。いずれの実施形態であっても、複数の磁石は外周側部分に埋め込まれてロータが構成される。
内周側部分の形状は、例えば、中央に配設されるシャフト用の開口が穿設された円盤状であり、外周側部分の形状は、内周側部分の外郭に沿ったリング状とすることができる。このリング状の外周側部分の径方向の幅は、磁束の流れなどを勘案した適宜の幅とすることができる。
外周側部分と内周側部分は、同材料から成形されても異なる材料から成形されてもよいが、少なくとも外周側部分は鉄損を低減可能な材質を備えた材料から成形されることを要する。尤も、鉄損がロータの外周に集中することを勘案すると、外周側部分は鉄損を低減可能な材質を備えた材料から成形し、内周側部分はロータの所要強度を確保できれば、適宜の材料(安価な構造材料)にて成形するのが経済的である。
上記b/aをパラメータとしてモータのトルク性能を発明者等が鋭意検討した結果、b/aの値が1よりも小さな場合にトルク性能が大幅に低減する一方で、1以上の場合にはトルク性能が漸次向上することが判明した。ここで、埋め込まれる磁石(例えば永久磁石)は、その平面視が外周側部分の周方向に延びる細長の矩形のもの(従来一般に使用されている形状)を使用できる。上記する距離a,bは、平面視矩形の磁石の中央部分における距離(ステータ側の一側面から磁石までの距離をaとし、内周側部分に面する他側面から磁石までの距離をbとする)を採用できる。例えば、永久磁石が外周側部分と内周側部分の双方に跨るように埋め込まれ、外周側部分と内周側部分の間に隙間が形成されてなるロータを備えたモータと、本発明のロータを備えたモータのトルク性能を比較した場合に、トルク性能が向上することが分かった。前者の実施形態のモータも、発明者等が鋭意検討した結果完成したロータであり、外周側部分と内周側部分とにロータを分割するとともに、双方の間に隙間(エアギャップ)を形成させることでマグネットトルクに寄与していなかった無効磁束を有効利用できるものであるが、かかるエアギャップを設けることで、リラクタンストルクの流れが阻害され、結果として大きなトルク性能の向上が得られなかった。ここで、発明者等は、かかるエアギャップの有無に関わらず、外周側部分に磁石を埋め込ませ、上記するb/aの値を1以上とすること、すなわち、磁石と内周側部分との間に適宜の間隔を設けてあげることで、かかる間隔がリラクタンストルクの流れる通路となり、したがってリラクタンストルクの低減を防止できる。その結果、マグネットトルクとリラクタンストルクの双方からなる高いトルク値を得ることが可能となる。
また、本発明によるロータの好ましい実施形態において、前記鉄損を低減可能な磁性材料が高グレード電磁鋼板であり、該高グレード電磁鋼板が積層されることにより外周側部分が形成されていることを特徴とする。
ここでいう高グレード電磁鋼板とは、自動車用途として量産されている電磁鋼板(以下、自動車用電磁鋼板とする)に対して、相対的にモータ損失が低く、かつ電磁鋼板の厚さが0.01mm〜0.30mmの電磁鋼板を指す。自動車用電磁鋼板の厚さは、一般に0.31mm〜0.49mmの範囲にある。それに対して、自動車用途以外にも広く使用されている電磁鋼板で、相対的にモータ損失が高い電磁鋼板(以下、汎用材とする)の厚さは0.5mm以上である。電磁鋼板の仕様は材料メーカーごとに相違するものであり、モータ損失の大小は、一般に電磁鋼板の成分材料と電磁鋼板の厚さに依存する。高グレード電磁鋼板を使用すれば、自動車用電磁鋼板に比べて、例えば鉄損比を半分程度まで低減することも可能であり、高調波磁界によって発生する渦電流に起因した鉄損を効果的に低減させることが可能となる。
なお、高グレード電磁鋼板は自動車用電磁鋼板に比べて高価であるため、ロータの外周側部分を高グレード電磁鋼板から成形し、内周側部分を自動車用電磁鋼板や汎用材、冷延鋼板、熱延鋼板、炭素鋼などから成形することが経済的である。
また、本発明によるロータの他の実施形態において、前記外周側部分は、周方向にわたって複数の分割体に縁切りされていることを特徴とする。
本発明のロータコアは、内周側部分と外周側部分が縁切りされるとともに、この外周側部分も複数の分割体に縁切りされ、この内周側部分と各分割体が嵌め合いもしくは接着等されることによりロータコアが形成されている。ここで、各分割体にはそれぞれ磁石(例えば永久磁石)が埋め込まれた構成となっている。
本発明の効果は、特に、外周側部分を形成する際の電磁鋼板の有効利用にある。例えば、外周側部分を複数の分割体とせずにリング状に一体成形する場合、外周側部分を成形する際に生じる内部の円形部分は、結果的に内周側部分の製作に使用することとなり、外周側部分と内周側部分とに縁切りすることで双方の使用材料を変更させ、製作コストの低減を図るという方策を取ることができなくなる。外周側部分を分割体とすることで、電磁鋼板を有効に利用することが可能となり、外周側部分と内周側部分を別材料にて製作することもできることとなる。
なお、外周側部分を複数の分割体から形成する場合、隣接する分割体同士の間には隙間が形成される実施形態であっても隙間のない実施形態であってもよい。また、隣接する分割体同士を隙間なく当接させながら、かかる当接箇所のうち、ステータに面する部分(外周側部分の側面部)には、適宜の凹部を設けた実施形態であってもよい。
また、本発明によるモータは、前記ロータを備えたことを特徴とする。
本発明のロータを備えたモータとすることで、従来に比べて経済的で、かつ、トルク性能に優れたモータを製作することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のロータおよびモータによれば、ロータを外周側部分と内周側部分に分割し、それぞれの構成材料を適宜変更することでロータおよびロータの製作コストを低減することができる。また、本発明のロータおよびモータによれば、外周側部分のうち、ステータ側の一側面から磁石までの距離をa、内周側部分に面する他側面から磁石までの距離をbとした場合に、b/aの値が1以上となるように磁石を外周側部分に埋め込ませた構成とすることで、リラクタンストルクとマグネットトルクを有効に得ることが可能となり、トルク性能の向上を図ることができる。さらに、本発明のロータおよびモータによれば、外周側部分をさらに複数の分割体に分割した構成とすることで、電磁鋼板の有効利用を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のモータの一実施形態を示した斜視図であって、ステータの一部を破断してロータを可視化した図であり、図2は、図1のII−II矢視図であって、ロータを示した図である。図3は、図2のロータにおいて、マグネットトルクとリラクタンストルクの流れを示した模式図である。図4〜6は、ロータの他の実施形態を示した平面図をそれぞれ示したものである。図7は、外周側部分と内周側部分との間に隙間を設け、この隙間に磁石を嵌め込んでなるロータを備えたモータと、図1に示すロータを備えたモータにおいて、モータ回転数に応じたトルクを比較した解析結果を示したグラフである。図8は、外周側部分に埋め込まれる磁石のb/aに応じたモータトルクに関する解析結果を示したグラフである。図9は、外周側部分と内周側部分との間に隙間が形成されているロータを備えたモータと、隙間が形成されていないロータを備えたモータにおいて、モータ回転数に応じたトルクを比較した解析結果を示したグラフである。
図1は、本発明のモータ1を示している。モータ1は、平面視がリング状のステータ2と、ステータ2を構成するティース21,21,…の内側に配設された平面視が円盤状のロータ3から構成されている。
ロータ3は、中央に配設されたシャフト5のまわりに、鋼板を積層してなる内周側部分32が設けられており、内周側部分32の外側には、外周側部分31が設けられている。ここで、図示する実施形態においては、外周側部分31の中央貫通孔の輪郭と、内周側部分32の外側の輪郭を一致させるとともに、双方の形状を多角形状に成形し、外周側部分31の中央貫通孔に内周側部分32を圧入することによりロータ3が形成される。また、双方が当接する側面は接着剤等で強固に接続するのが好ましい。なお、上記する多角形状は、例えば円形であってもよい。
外周側部分31には、複数の永久磁石4,4,…が、外周側部分31の周方向にわたって所定の間隔を置いて埋め込まれている。
また、外周側部分31は、鉄損を低減可能な材質を備えた材料から形成される。かかる材料としては、自動車用電磁鋼板や、高グレード電磁鋼板が使用できる。また、モータの製作コストの低減を重視する場合には汎用材を使用してもよい。
一方、内周側部分32は、自動車用電磁鋼板のほか、汎用材、冷延鋼板、熱延鋼板、炭素鋼などの材料から製作できる。
外周側部分31と内周側部分32を、それぞれ上記する材料にて製作してなるロータ3のバリエーションは多様である。したがって、モータの製作コストを考慮せずにモータのトルク性能の向上を図ろうとする場合には外周側部分31を高グレード電磁鋼板から成形するのが好ましい。一方、モータの製作コストの低減を重視する場合には、外周側部分31は汎用材にて製作し、内周側部分32は熱延鋼板、炭素鋼などにて製作するのが好ましい。
以下に、発明者等によるモータの鉄損を比較した解析結果をコスト比較とあわせて説明する。
表1は、各材料で製作されたロータからなるモータごとの鉄損比とコスト比を示している。また、表2は、材料を変えて製作されたロータの外周側部分と内周側部分の組み合わせごとに鉄損とコストを算出し、双方の材料が自動車用電磁鋼板からなるモータの鉄損およびコストに対する比率で表したものである。なお、鉄損の算出に際しては、モータベンチにて回転数ごとの引きずりトルクを測定し、該引きずりトルクと角速度の積をもってモータの鉄損としている。各モータに使用されるステータは同等品を使用しているため、算出された結果(鉄損の差)はロータ鉄損によるものとすることができる。したがって、表1,2で示された鉄損比はロータの鉄損比とすることができる。
Figure 2006217741
Figure 2006217741
表2より、モータのトルク性能の向上を図ろうとする場合には、鉄損比が少なくなるNo.6〜9の組み合わせの中から採用するのが好ましい。
一方、モータの製作コストの低減を図ろうとする場合には、No.2〜5、11〜15の組み合わせの中から採用するのが好ましい。
図2は、図1の実施形態の平面図のうち、ロータ3を取り出した図である。外周側部分31に永久磁石4,4,…を埋め込むに際し、外周側部分31における永久磁石4の埋め込み位置を特定するものである。ここで、aは、ステータ側の一側面から磁石までの距離であり、bは、内周側部分に面する他側面から磁石までの距離である。なお、このa,bは、永久磁石4の中央部分を基点とすればよい。本発明においては、b/aの値が1以上となるように永久磁石4を外周側部分31内に埋め込む構成とする。すなわち、永久磁石4の中央部分において、永久磁石4が外周側部分31の厚さの中央か、それよりも外側(ステータ側)に配設された構成である。なお、永久磁石4の隅角部と外周側部分31のステータ側の外郭ラインとの離隔は、モータごとに設計仕様等による制約がある。したがって、永久磁石4を外周側部分のより外側に配設するといってもかかる制約を満足する範囲となる。
b/aを1以上として永久磁石4を外周側部分31に埋め込むことにより、モータトルクを構成するリラクタンストルクの流れる通路を確保することが可能となる。これを模式的に示したものが図3であり、マグネットトルクの流れが矢印Xで、リラクタンストルクの流れが矢印Yでそれぞれ示されており、かかるトルクによってロータ3が回転するものである。図3からも明らかなように、bの距離を十分に確保することで(b/aを1以上とすることで)、リラクタンストルクが外周側部分31内を効率よく通過することができ、トルクの流れがスムーズとなって全体のトルク値の向上に繋がっていく。
図4は、ロータの他の実施形態を示した平面図である。図4に示すロータ3aは、外周側部分31をその周方向にわたって複数の分割体31a,31a,…に分割し、隣接する分割体31a同士、および、分割体31aと内周側部分32とをそれぞれ接着剤にて接続することによって構成されている。
外周側部分31を複数の分割体31a,31a,…に分割することにより、外周側部分31を製作する際に使用される電磁鋼板を有効に利用することが可能となり、リング状の一体物として外周側部分を製作する場合に比べて、処分材料を格段に低減することが可能となる。
図5、6もロータの他の実施形態を示した平面図である。図5に示すロータ3bでは、分割体31bと内周側部分32の双方が係合可能なフック31b1、32aをそれぞれ備えておき、かかるフック31b1、32a同士を係合させながら分割体31bと内周側部分32とを嵌め合わせることによってロータ3bが構成されるものである。
一方、図6に示すロータ3cでは、外周側部分31を複数の分割体31c、31c、…を接着させながら成形するとともに、外周側部分31と内周側部分32との間に隙間6(エアギャップ)を形成させ、外周側部分31と内周側部分32は複数の繋ぎ材7にて繋いだ構成のロータである。
次に、図7〜9に基づいて、発明者等がおこなった解析結果について説明する。図7は、外周側部分と内周側部分との間に隙間を設け、この隙間に磁石を嵌め込んでなるロータを備えたモータ(以下、比較対象モータとする)と、図1に示すロータを備えたモータ(以下、本発明のモータとする)において、モータ回転数に応じたトルクを比較した解析結果を示したものである。ここで、比較対象モータのトルク値はグラフXで、本発明のモータはグラフYで示している。なお、本発明のモータは、上記するb/aが1となるようにロータが形成されている。
グラフから明らかなように、本発明のモータとすることでトルク値の向上を図ることができ、特に、モータ回転数が3000rpmで最大20%のトルク値の向上が得られた。
一方、図8は、外周側部分に埋め込まれる磁石のb/aに応じたモータトルクに関する解析結果を示したものである。ここで、b/aの値が1の場合を基準とし、b/aを0〜2まで変化させた場合の各トルクを、b/aの値が1の場合のトルクとの比を取ることでグラフ化している。
グラフからも分かるように、b/aの値が1よりも小さくなるにしたがい、モータトルクの低下が顕著となる一方で、b/aの値が1よりも大きくなるにつれて、モータトルクの値が徐々に向上することとなる。これは、上記するように、外周側部分においてリラクタンストルクの流れる通路幅が大きくなるにつれて得られるリラクタンストルクも大きくなり、結果として全体のトルク性能が向上することによるものである。
また、図9には、外周側部分と内周側部分との間に隙間が形成されているロータを備えたモータと、隙間が形成されていないロータを備えたモータにおいて、モータ回転数に応じたトルクを比較した解析結果が示されている。ここで、解析対象となるモータを構成するロータは、図5に示す実施形態と、図5に示す実施形態において外周側部分を構成する分割体と内周側部分との間に隙間(エアギャップ)が形成されている実施形態である。本解析は、外周側部分と内周側部分との間のエアギャップの有無により、モータのトルク性能に差異が生じるか否かを検討するためにおこなったものである。
図中、グラフXはエアギャップがない実施形態、グラフYはエアギャップがある実施形態を示している。低速回転(1000rpm)、高速回転(9000rpm)ともに、双方のモータのトルクにほとんど差異は生じないことが理解できる。この結果、外周側部分と内周側部分との間のエアギャップの有無はモータのトルク性能にほとんど影響を与えないこととなる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のモータの一実施形態を示した斜視図であって、ステータの一部を破断してロータを可視化した図。 図1のII−II矢視図であって、ロータを示した図。 図2のロータにおいて、マグネットトルクとリラクタンストルクの流れを示した模式図。 ロータの他の実施形態を示した平面図。 ロータの他の実施形態を示した平面図。 ロータの他の実施形態を示した平面図。 外周側部分と内周側部分との間に隙間を設け、この隙間に磁石を嵌め込んでなるロータを備えたモータと、図1に示すロータを備えたモータにおいて、モータ回転数に応じたトルクを比較した解析結果を示したグラフ。 外周側部分に埋め込まれる磁石のb/aに応じたモータトルクに関する解析結果を示したグラフ。 外周側部分と内周側部分との間に隙間が形成されているロータを備えたモータと、隙間が形成されていないロータを備えたモータにおいて、モータ回転数に応じたトルクを比較した解析結果を示したグラフ。
符号の説明
1…モータ、2…ステータ、3,3a,3b,3c…ロータ、4…永久磁石、5…シャフト、6…隙間(エアギャップ)、31…外周側部分、31a…分割体、32…内周側部分

Claims (4)

  1. モータを構成するリング状のステータの内側に配設される、平面視が円盤状のロータであって、
    前記ロータは、径方向の外周側部分と内周側部分で縁切りされており、少なくとも外周側部分は鉄損を低減可能な磁性材料にて成形されており、外周側部分にはその周方向に間隔を置いて複数の磁石が埋め込まれており、外周側部分のうち、ステータ側の一側面から磁石までの距離をa、内周側部分に面する他側面から磁石までの距離をbとした場合に、b/aの値が1以上となるように磁石が外周側部分に埋め込まれていることを特徴とするロータ。
  2. 前記鉄損を低減可能な磁性材料が高グレード電磁鋼板であり、該高グレード電磁鋼板が積層されることにより外周側部分が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記外周側部分は、周方向にわたって複数の分割体に縁切りされていることを特徴とする請求項1または2に記載のロータ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
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