JP2006217166A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレームバッファ全体が小容量であっても、従来と変わらない画像処理を可能にする。
【解決手段】画像処理装置は、フレームバッファ1とTMPバッファ3と、動き補償復号部2と、転送部4とから構成されている。動き補償復号部2は、フレームバッファ1に格納された参照画像データに基づいて復号画像データを生成し、TMPバッファ3へ順次、格納する。転送部4は、このフレームバッファ1に格納されている参照画像データのうち、動き補償復号部2による復号画像データの生成が完了し、かつ、シフト方向に延在した帯状の領域に、動きベクトル探索範囲Vpが含まれない領域に対して、TMPバッファ3に保存されている復号画像データを随時、上書きして格納するように転送する。
【選択図】図2
【解決手段】画像処理装置は、フレームバッファ1とTMPバッファ3と、動き補償復号部2と、転送部4とから構成されている。動き補償復号部2は、フレームバッファ1に格納された参照画像データに基づいて復号画像データを生成し、TMPバッファ3へ順次、格納する。転送部4は、このフレームバッファ1に格納されている参照画像データのうち、動き補償復号部2による復号画像データの生成が完了し、かつ、シフト方向に延在した帯状の領域に、動きベクトル探索範囲Vpが含まれない領域に対して、TMPバッファ3に保存されている復号画像データを随時、上書きして格納するように転送する。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に係り、特に、動き補償フレーム間予測符号化における復号用バッファの更新制御に関する。
動画像データの圧縮技術におけるMPEG(Motion Picture Experts Group)符号化方式の主な構成技術の一つとして、動きベクトルを用いた動き補償フレーム間予測符号化がある。動きベクトルとは、対象の画像が水平および垂直に移動し、次のフレームでどれだけ移動したかを示す移動量である。動き補償フレーム間予測符号化は、各フレーム間におけるこの動きベクトルの差分を符号化する技術であり、主に圧縮率向上を図る上で効果がある。
例えば、特許文献1には、動画像データのうち、随時更新する必要のない背景の画像データをフレームメモリに記憶させ、この画像データを動画像データ全体の基準値として、動画像データの動き補償フレーム間予測符号化を行っている。これにより、画像データ全体の予測効率を向上させ、効率的な動画像の符号化および復号化を実現している。
特開2003−4029号公報
ところで、動き補償フレーム間予測符号化方式によって圧縮された画像を復号化するために、メモリバッファとして、参照フレームバッファと、復号対象フレームバッファとを必要とする。参照フレームバッファには、復号元である参照画像データが格納され、復号対象フレームバッファには、復号後の画像データが一時的に格納されている。これらのフレームバッファは、それぞれ独立して設けられているため、復号化する画像データ量が大きい場合、ともに大きい容量を必要とする。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、メモリバッファのサイズに関する要求を緩和し、メモリバッファ全体が小さな容量であっても、従来と変わらない効率的な画像処理を可能にすることである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、動き補償フレーム間予測符号化方式を用いて、圧縮された動画データを復号化する画像処理装置を提供する。この画像処理装置は、圧縮された動画データとしての参照画像データが格納されている第1のバッファと、参照画像データを第1のバッファから読み出し、参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて決定される動きベクトル探索範囲を、処理サイクル毎に所定のシフト方向へ順次シフトさせながら、動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、復号画像データを生成する復号部と、復号部が生成した復号画像データを格納する第2のバッファと、復号部による復号画像データの生成が完了し、かつ、シフト方向に延在した所定の帯状領域に、動きベクトル探索範囲が含まれない参照画像データと同一の位置情報を有する復号画像データを、処理サイクル毎に第2のバッファから読み出して、第1のバッファに転送するとともに、第1のバッファに格納されている参照画像データを転送された復号画像データに更新する転送部とを有する。
ここで、第1の発明において、転送部は、第1のバッファに格納されている参照画像データのうち、動きベクトル探索範囲の少なくとも一部が含まれる所定の帯状領域を処理サイクル毎に読み出して、第2のバッファへ転送するとともに、第2のバッファに格納されている参照画像データを転送された参照画像データに更新し、復号部は、第1のバッファに格納されている参照画像データを探索する動きベクトル探索範囲内と、第2のバッファに格納されている転送された参照画像データを探索する動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、復号画像データを生成するとともに、第1のバッファへ格納することが好ましい。
また、第1の発明において、復号画像データを格納する第3のバッファをさらに有し、復号部は、第1のバッファに格納されている参照画像データの動きベクトル探索範囲と、第2のバッファに格納されている復号画像データの動きベクトル探索範囲とを参照して、新たな復号画像データを生成し、第3のバッファに格納することが好ましい。
第2の発明は、動き補償フレーム間予測符号化方式を用いて、圧縮された動画データとしての参照画像データが格納されているとともに、参照画像データの復号化後の画像として読み出されるバッファを有し、バッファより読み出された参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックのそれぞれを処理サイクル毎に所定のシフト方向へシフトさせながら、参照画像データの復号化をマクロブロック単位で行う画像処理方法を提供する。この画像処理方法は、参照画像データを第1のバッファから読み出し、参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて決定される動きベクトル探索範囲を、処理サイクル毎に所定のシフト方向へ順次シフトさせながら、動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、復号画像データを生成し、第2のバッファへ格納する第1のステップと、第2のステップは、復号画像データの生成が完了し、かつ、シフト方向に延在した所定の帯状領域に、動きベクトル探索範囲が含まれない参照画像データと同一の位置情報を有する復号画像データを、処理サイクル毎に第2のバッファから読み出して、第1のバッファに転送するとともに、第1のバッファに格納されている参照画像データを転送された復号画像データに更新する第2のステップとを特徴とする。
ここで、第2の発明において、第2のステップは、第1のバッファに格納されている参照画像データのうち、動きベクトル探索範囲の少なくとも一部が含まれる所定の帯状領域を処理サイクル毎に読み出して、第2のバッファへ転送するとともに、第2のバッファに格納されている参照画像データを転送された参照画像データに更新し、第1のステップは、第1のバッファに格納されている参照画像データを探索する動きベクトル探索範囲内と、第2のバッファに格納されている転送された参照画像データを探索する動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、復号画像データを生成するとともに、第1のバッファへ格納することが好ましい。
また、第2の発明において、復号画像データを格納する第3のバッファをさらに有し、第1のバッファに格納されている参照画像データの動きベクトル探索範囲と、第2のバッファに格納されている復号画像データの動きベクトル探索範囲とを参照して、新たな復号画像データを生成し、第3のバッファに格納することが好ましい。
本発明によれば、参照画像データのうち、動きベクトル探索範囲から外れ、復号化に必要としなくなった領域に復号画像データが格納される。これによって、参照画像の復号過程で算出されるフレーム全体の値を第2のバッファに保持する必要がないので、メモリバッファ全体の容量に関する要求が緩和することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の概略図である。この画像処理装置は、動き補償フレーム間予測符号化方式を用いて、圧縮された動画データを復号化する。また、この画像処理装置は、Iピクチャ(Intra-coded picture)フレームまたは、Pピクチャ(Predictive-coded picture)フレームである参照画像データから、復号画像データであるPピクチャフレームを生成する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の概略図である。この画像処理装置は、動き補償フレーム間予測符号化方式を用いて、圧縮された動画データを復号化する。また、この画像処理装置は、Iピクチャ(Intra-coded picture)フレームまたは、Pピクチャ(Predictive-coded picture)フレームである参照画像データから、復号画像データであるPピクチャフレームを生成する。
ここで、「Iピクチャフレーム」とは、他のピクチャの情報を利用せず、静止画を圧縮対象としたJPEG(Joint Photographic Experts Group)のように、それ自身のピクチャのみで符号化されるフレームである。Iピクチャフレームの圧縮率は一般的に低いが、他のピクチャフレームとは独立して復号化が可能である。また、「Pピクチャフレーム」とは、過去のIピクチャフレームまたは、Pピクチャフレームを参照して、時間軸上で前向き動き予測符号化されるフレームである。Pピクチャフレームは、Iピクチャフレームより圧縮率は高いが、その復号化には過去のIピクチャフレームが必要である。
画像処理装置は、フレームバッファ1と、動き補償復号部2と、TMPバッファ3と、転送部4と、制御部5と、イントラ復号部6と、動画像生成部7とを有する。制御部5は、フレームバッファ1からTMPバッファ3に向かうデータパス中に設けられた動き補償復号部2と、TMPバッファ3からフレームバッファ1に向かうデータパス中に設けられた転送部4との動作を制御する。
フレームバッファ1には、イントラ復号部6より復号化されたIピクチャフレームおよび、Pピクチャフレームの少なくとも一方である参照画像データが格納されている。また、フレームバッファ1には、後述する復号処理によって、Pピクチャフレームである復号画像データが上書きして格納され、この復号画像データが動画像生成部7に読み出される。動き補償復号部2は、制御部5の指示に従い、フレームバッファ1に格納された参照画像フレームに基づいて、復号画像データを生成する。TMPバッファ3には、この生成された復号画像データが、一時的に格納される。そして、転送部4は、同じく制御部5の指示に従い、TMPバッファ3に格納された復号画像データの一部をフレームバッファ1にある参照画像データを上書きするように転送する。
イントラ復号部6は、所定の記憶装置に格納されているデータを復号化し、Iピクチャフレームである参照画像データを生成する。生成された参照画像データは、フレームバッファ1へ格納される。この参照画像データは、上記画像処理を行うための元となる画像データである。また、動画像生成部7は、フレームバッファ1に格納されている参照画像データおよび復号画像データを読み出し、動画像を生成する。最終的に生成された動画像は、例えば、ディスプレイなどの表示装置などに表示される。
つぎに、制御部5の制御下における、動き補償復号部2および転送部4のより具体的な制御について説明する。図2は、本実施形態に係るフレームバッファ1とTMPバッファ3との対応関係を示す図である。
なお、後述する全ての本実施形態おいて、動き補償復号部2が行う復号化は、参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロック単位で行われる。復号対象マクロブロックBpの所定のシフト方向は、フレームによって規定される二次元的な画像平面上のフレームにおいて、左から右へ水平にシフトする方向である。ある水平ライン上の最右端のマクロブロックにおける復号化が完了すると、次の処理サイクルでは、1マクロブロック分だけ下に変位した最左端のマクロブロックの復号化が行われる。処理サイクルの移行にしたがい、最左上から最右下までの全ての処理が終了すると参照画像データの復号化が完了する。
まず、動き補償復号部2は、フレームバッファ1に格納されている参照画像データを読み出す。この参照画像データ全体を分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて、動きベクトル探索範囲Vpが決定される。動き補償復号部2は、この復号対象マクロブロックBpを中心とした動きベクトル探索範囲Vpに存在する画素値を参照する。この参照後、復号対象マクロブロックBpにおける復号画像データが順次生成される。動き補償復号部2によって生成された復号画像データは、TMPバッファ3へ格納される。
上記復号化処理を続けていくと、フレームバッファ1において、動き補償復号部2による復号画像データの生成が完了し、かつ、シフト方向に延在した所定の帯状領域に、動きベクトル探索範囲Vpが含まれない参照画像データが存在する。転送部4は、この参照画像データと同一の位置情報を有する復号画像データをTMPバッファ3から転送するとともに、この参照画像データを転送された復号画像データに更新する。
転送部4の具体的な動作を、図2を用いて説明する。斜線でハッチングされた領域は、動きベクトル探索範囲Vpであり、フレームバッファ1に格納されている参照画像データを参照する。また、グレーに塗られた領域は、動きベクトル探索範囲Vp内に囲まれた参照画像データによって生成された復号画像データであり、TMPバッファ3に格納されている。この復号画像データは、復号化される際にフレームバッファ1における参照画像データの位置情報と対応している。
処理サイクルの移行によって、復号対象マクロブロックBpが1マクロブロック分だけ下に変位されると、動きベクトル探索範囲Vpも同様に1マクロブロック分だけ下に変位される。すると、動きベクトル探索範囲Vpの上辺のさらに上方に、今後の処理サイクルにおいても利用されない(参照されない)参照画像データの領域が発生する。転送部4は、発生したこの参照画像データの領域に対して、TMPバッファ3に格納された復号画像データを転送する。
転送される復号画像データの領域は、動きベクトル探索範囲Vpの位置をTMPバッファ3に反映させた際に、シフト方向(本実施形態における横方向)に、この動きベクトル探索範囲Vpが含まれていない領域である。本実施形態の場合、点線で囲われたベクトル探索範囲Vpの上辺のさらに上方に存在する帯状領域が、転送される復号画像データとなる。これらの領域に格納された復号画像データは、転送部4によって、フレームバッファ1へ転送され、同一の位置情報を有する参照画像データを更新する。なお、転送された復号画像データは、以降の処理サイクルにおいても必要とされないので、TMPバッファ3から消去される。
本実施形態では、フレームバッファ1に格納されている参照画像データのうち、復号化処理に必要のない領域に、TMPバッファ3に格納されている復号画像データを格納している。これにより、参照画像の復号過程で算出されるフレーム全体のデータをTMPバッファ3に保持する必要がないので、バッファ全体の容量に関する要求が緩和することができる。
(第2の実施形態)
図3は、本実施形態に係る画像処理装置の概略図である。画像処理装置は、IピクチャフレームおよびPピクチャフレームの少なくとも一方である参照画像データから、Pピクチャフレームである復号画像データを生成する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置の概略図である。画像処理装置は、IピクチャフレームおよびPピクチャフレームの少なくとも一方である参照画像データから、Pピクチャフレームである復号画像データを生成する。
本実施形態における画像処理装置の構成は、第1の実施形態と比べて、構成はほぼ同一であるが、動き補償復号部2および転送部4の動作が異なっている。つまり、本実施形態は、第1の実施例の変形例にあり、後述されていない部分についての構成および動作については、第1の実施形態と同様である。
つぎに、制御部5の制御下における、動き補償復号部2および転送部4のより具体的な制御について説明する。図4は、本実施形態に係るフレームバッファ1と、TMPバッファ3との対応関係を示す図である。
まず、転送部4は、フレームバッファ1に格納されている参照画像データを読み出す。そして、この参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて、動きベクトル探索範囲Vpを決定する。そして、転送部4は、この動きベクトル探索範囲Vpに応じて、フレームバッファ1に保存されている参照画像データの一部をTMPバッファ3へ随時、上書きして格納するように転送する。
つぎに、動き補償復号部2は、第1のバッファに格納されている参照画像データを探索する動きベクトル探索範囲内と、第2のバッファに格納されている参照画像データを探索する動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照する。そして、この画素値に基づいて、復号対象マクロブロックBpの復号画像データが生成され、フレームバッファ1に格納される。なお、本実施形態において、動き補償復号部2が、参照する動きベクトル探索範囲Vpは、2つの探索範囲によって構成されている。1つは、フレームバッファ1に格納されている参照画像データのうち、復号対象マクロブロックBpの下辺より、下方に存在する動きベクトル探索範囲Vp1である。もう1つは、フレームバッファ1に格納されている参照画像データのうち、復号対象マクロブロックBpの下辺より、上方に存在する動きベクトル探索範囲Vp2である。
転送部4の具体的な動作を、図4を用いて説明する。斜線でハッチングされた領域は、その中央にある復号対象マクロブロックBpを復号化するために必要となる動きベクトル探索範囲Vp1,Vp2である。また、グレーに塗られた領域は、動きベクトル探索範囲Vp内に囲まれた参照画像データによって生成された復号画像データである。
転送される参照画像データの領域は、動きベクトル探索範囲Vpの少なくとも一部が含まれる所定の帯状領域である。本実施形態の場合、動き補償復号部2の本来の動作(第1の実施形態の動作)による動きベクトル探索範囲Vpをフレームバッファ1に反映させた際に、シフト方向に、この動きベクトル探索範囲Vp2が含まれる領域である。本実施形態の場合、所定の処理サイクルにおいて、点線で示されたベクトル探索範囲Vp2の上下幅を持つ帯状領域が、転送される参照画像データである。
なお、復号化処理の処理サイクルにおいて、第1の実施形態と同様に、復号対象マクロブロックBpが1マクロブロック分だけ下に変位されると、当然動きベクトル探索範囲Vp1,Vp2も同様に1マクロブロック分だけ下に変位される。このとき、TMPバッファ3に格納されている参照画像データのうち、上方にある1マイクロブロック分の帯状領域が消去される。そして、消去された領域と同サイズの参照画像データがフレームバッファ1から転送され、TMPバッファ3に格納される。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、参照画像データの復号過程で算出されるフレーム全体のデータをTMPバッファ3に保持する必要がないので、バッファ全体のサイズに関する要求が緩和することができる。
なお、本実施形態では、動きベクトル探索範囲として、フレームバッファ1における復号対象マクロブロックBpの下辺より、下方に存在する動きベクトル探索範囲Vp1と、TMPバッファ3における復号対象マクロブロックBpの下辺より、上方に存在する動きベクトル探索範囲Vp2を挙げた。しかしながら、本発明における動きベクトル探索範囲の領域は、これに限定されず、動き補償復号部2による参照する動きベクトル探索範囲が、フレームバッファに格納されている参照画像データと、TMPバッファ3に一時的に保存されている参照画像データとから構成されていれば良い。
例えば、図5に示すように、参照する動きベクトル探索範囲の1つは、フレームバッファ1に格納されている参照画像データのうち、復号対象マクロブロックBpの下辺および右辺より、右下方向に存在する動きベクトル探索範囲Vp1'である。また、もう1つは、TMPバッファ3に格納されている参照画像データのうち、復号対象マクロブロックBpの上辺および左辺より、左上方向に存在する動きベクトル探索範囲Vp2'である。つまり、図5は、形態的には第2の実施形態と相違するものの、動きベクトル探索範囲から得られるデータは、第2の実施形態と同一であり、第2の実施形態と同様の効果を奏する。
(第3の実施形態)
図6は、本実施形態に係る画像処理装置の概略図である。この画像処理装置は、IピクチャフレームおよびPピクチャフレームの少なくとも一方である参照画像データに基づいて、Pピクチャフレームである復号画像データ(以下、第1の復号画像データと呼ぶ)を生成する。さらに、この画像処理装置は、この参照画像データとこの復号画像データとから、Bピクチャ(Bidirectionally predictive-coded)フレームである新たな復号画像データ(以下、第2の復号画像データと呼ぶ)を生成する。
図6は、本実施形態に係る画像処理装置の概略図である。この画像処理装置は、IピクチャフレームおよびPピクチャフレームの少なくとも一方である参照画像データに基づいて、Pピクチャフレームである復号画像データ(以下、第1の復号画像データと呼ぶ)を生成する。さらに、この画像処理装置は、この参照画像データとこの復号画像データとから、Bピクチャ(Bidirectionally predictive-coded)フレームである新たな復号画像データ(以下、第2の復号画像データと呼ぶ)を生成する。
ここで、「Bピクチャフレーム」とは、時間的に前後に位置するIピクチャフレームまたはPピクチャフレームを用いて前方向・後方向・両方向の画面から予測符号化を行うことによって複数生成されるの復号画像データである。
本実施形態は、上記2つの復号画像データを格納するために、第1の実施形態と比べて、画像処理装置の構成は、特に第1のフレームバッファ1aと、第2のフレームバッファ1bとを有する点が異なっている。第1のフレームバッファ1aは、第1の実施形態と同様に、参照画像データが格納されており、後述する処理サイクルにて、第1の復号画像データが、上書きして格納される。また、第2のフレームバッファ1bは、動き補償復号部2が、第1のフレームバッファ1aに格納されている参照画像データと、TMPバッファ3に格納されている第1の復号画像データとに基づいて生成された第2の復号画像データが格納され、動画像生成部7によって読み出される。
つぎに、制御部5の制御下における、動き補償復号部2および転送部4の具体的な制御について説明する。図7は、第1および第2のフレームバッファ1a,1bとTMPバッファ3との対応関係を示す図である。
まず、動き補償復号部2は、第1のフレームバッファ1aに格納されている参照画像データを読み出す。そして、この参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて、動きベクトル探索範囲Vpを決定する。動き補償復号部2は、復号対象マクロブロックBpを中心とした動きベクトル探索範囲Vpに存在する画素値を参照して、復号対象マクロブロックBpにおける第1の復号画像データを生成する。動き補償復号部2が生成した復号画像データは、TMPバッファ3へ一時的に格納される。
さらに、動き補償復号部2は、第1のフレームバッファ1aに格納されている参照画像データと、TMPバッファ3に格納されている第1の復号画像データとに基づいて、第2の復号画像データを生成する。動き補償復号部2が参照する動きベクトル探索範囲Vbは、第1のフレームバッファ1aおよびTMPバッファ3において、復号対象ブロックBpのシフト方向と反対の辺(図中では左辺)に、隣接するように設定されている。これにより、第1の復号画像データの生成とともに、第2の復号画像データが順次生成され、この生成された第2の復号画像データは第2のフレームバッファ1bに順次格納される。そして、転送部4は、この動きベクトル探索範囲Vpに応じて、フレームバッファ1に保存されている参照画像データの一部をTMPバッファ3へ転送する。
転送部4の具体的な動作を、図7を用いて説明する。斜線でハッチングされた領域は、その中央にある復号対象マクロブロックBpを復号化するために必要となる動きベクトル探索範囲Vpであり、フレームバッファ1に格納されている参照画像データを参照する。また、グレーに塗られた領域は、動きベクトル探索範囲Vp内に囲まれた参照画像データによって生成された第1の復号画像データであり、生成されたデータはTMPバッファ3に格納されている。また、点状に塗られた領域は、動きベクトル探索範囲Vb内に囲まれた第1の復号画像データによって新たに生成された第2の復号画像データである。これら復号画像データは、復号化される際にフレームバッファ1における参照画像データの位置情報と対応している。
処理サイクルの移行によって、復号対象マクロブロックBpが1マクロブロック分だけ下に変位されると、動きベクトル探索範囲Vpも同様に1マクロブロック分だけ下に変位される。すると、動きベクトル探索範囲Vpの上辺のさらに上方に、今後の処理サイクルにおいても利用されない(参照されない)参照画像データの領域が発生する。転送部4は、発生したこの参照画像データの領域に対して、TMPバッファ3に格納された復号画像データを転送する。
転送される復号画像データの領域は、第1の実施形態と同様、動きベクトル探索範囲Vpの位置をTMPバッファ3に反映させた際に、シフト方向に、この動きベクトル探索範囲Vpが含まれていない領域である。本実施形態の場合、点線で囲われたベクトル探索範囲Vpの上辺のさらに上方に存在する帯状領域が、転送される復号画像データとなる。これらの領域に格納された復号画像データは、転送部4によって、フレームバッファ1へ転送され、同一の位置情報を有する参照画像データを更新する。なお、転送された復号画像データは、以降の処理サイクルにおいても必要とされないので、TMPバッファ3から消去される。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、このような格納を繰り返すことで、参照画像の復号過程で算出されるフレーム全体の値をTMPバッファ3に保持する必要がないので、バッファ全体の容量に関する要求が緩和することができる。また、Bピクチャフレームの生成を行うことで、復号された動画像データの画質の向上を図ることができる。
なお、本実施形態において、Bピクチャフレーム用である第2のフレームバッファ1bは1つであったが、Bピクチャフレームは、そもそもIピクチャフレームおよびPピクチャフレームとの間に複数存在する。したがって、本発明は、これに限定されるものではなく、第2のフレームバッファが複数存在した場合でも、本発明を適用することができる。
1 フレームバッファ
1a 第1のフレームバッファ
1b 第2のフレームバッファ
2 動き補償復号部
3 TMPバッファ
4 転送部
5 制御部
6 イントラ復号部
7 動画像生成部
1a 第1のフレームバッファ
1b 第2のフレームバッファ
2 動き補償復号部
3 TMPバッファ
4 転送部
5 制御部
6 イントラ復号部
7 動画像生成部
Claims (6)
- 動き補償フレーム間予測符号化方式を用いて、圧縮された動画データを復号化する画像処理装置において、
前記圧縮された動画データとしての参照画像データが格納されている第1のバッファと、
前記参照画像データを前記第1のバッファから読み出し、前記参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて決定される動きベクトル探索範囲を、処理サイクル毎に所定のシフト方向へ順次シフトさせながら、前記動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、復号画像データを生成する復号部と、
前記復号部が生成した前記復号画像データを格納する第2のバッファと、
前記復号部による前記復号画像データの生成が完了し、かつ、前記シフト方向に延在した所定の帯状領域に、前記動きベクトル探索範囲が含まれない前記参照画像データと同一の位置情報を有する前記復号画像データを、前記処理サイクル毎に前記第2のバッファから読み出して、前記第1のバッファに転送するとともに、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データを前記転送された復号画像データに更新する転送部と
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記転送部は、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データのうち、前記動きベクトル探索範囲の少なくとも一部が含まれる前記所定の帯状領域を前記処理サイクル毎に読み出して、第2のバッファへ転送するとともに、前記第2のバッファに格納されている前記参照画像データを前記転送された参照画像データに更新し、
前記復号部は、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データを探索する前記動きベクトル探索範囲内と、前記第2のバッファに格納されている前記転送された参照画像データを探索する前記動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、前記復号画像データを生成するとともに、前記第1のバッファへ格納することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。 - 復号画像データを格納する第3のバッファをさらに有し、
前記復号部は、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データの前記動きベクトル探索範囲と、前記第2のバッファに格納されている前記復号画像データの前記動きベクトル探索範囲とを参照して、新たな復号画像データを生成し、前記第3のバッファに格納することを特徴とする請求項1または2に記載された画像処理装置。 - 動き補償フレーム間予測符号化方式を用いて、圧縮された動画データとしての参照画像データが格納されているとともに、前記参照画像データの復号化後の画像として読み出されるバッファを有し、前記バッファより読み出された前記参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックのそれぞれを処理サイクル毎に所定のシフト方向へシフトさせながら、前記参照画像データの復号化をマクロブロック単位で行う画像処理方法において、
前記参照画像データを前記第1のバッファから読み出し、前記参照画像データを分割することによって得られる複数のマクロブロックに与えられている動きベクトルの最大値に応じて決定される動きベクトル探索範囲を、処理サイクル毎に所定のシフト方向へ順次シフトさせながら、前記動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、復号画像データを生成し、第2のバッファへ格納する第1のステップと、
前記第2のステップは、前記復号画像データの生成が完了し、かつ、前記シフト方向に延在した所定の帯状領域に、前記動きベクトル探索範囲が含まれない前記参照画像データと同一の位置情報を有する前記復号画像データを、前記処理サイクル毎に前記第2のバッファから読み出して、前記第1のバッファに転送するとともに、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データを前記転送された復号画像データに更新する第2のステップと
を特徴とする画像処理方法。 - 第2のステップは、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データのうち、前記動きベクトル探索範囲の少なくとも一部が含まれる前記所定の帯状領域を前記処理サイクル毎に読み出して、第2のバッファへ転送するとともに、前記第2のバッファに格納されている前記参照画像データを前記転送された参照画像データに更新し、
第1のステップは、前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データを探索する前記動きベクトル探索範囲内と、前記第2のバッファに格納されている前記転送された参照画像データを探索する前記動きベクトル探索範囲内に存在する画素値を参照して、前記復号画像データを生成するとともに、前記第1のバッファへ格納することを特徴とする請求項4に記載された画像処理方法。 - 復号画像データを格納する第3のバッファをさらに有し、
前記第1のバッファに格納されている前記参照画像データの前記動きベクトル探索範囲と、前記第2のバッファに格納されている前記復号画像データの前記動きベクトル探索範囲とを参照して、新たな復号画像データを生成し、前記第3のバッファに格納することを特徴とするた画像処理方法。
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JP2005026635A JP2006217166A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 画像処理装置および画像処理方法 |
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JP2013165340A (ja) * | 2012-02-09 | 2013-08-22 | Sony Corp | 画像処理装置と画像処理方法 |
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