JP2013165340A - 画像処理装置と画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遅延が少なく復号時にエラーから復帰するまでの時間を短縮できるようにする。
【解決手段】イントラマクロブロック判定部33は、複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、ピクチャにおける全ての符号化単位が、強制イントラ領域となるように割り当て領域をピクチャ毎に水平方向に移動させる。予測誤差画像データの符号化や予測画像データの生成を行う符号化処理部は、強制イントラ領域に対してイントラ符号化を行い、強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化を符号化効率に応じて実行する。ピクチャにおける全ての符号化単位分の強制イントラ領域の復号により、エラーのない復号画像を得ることができる。強制イントラ領域を垂直方向に割り当てることで各ラインの符号量の違いを少なくすることが可能となり、復号時の遅延を少なくできる。
【選択図】図2

Description

この技術は、画像処理装置と画像処理方法に関する。詳しくは、復号時にエラーから復帰するまでの時間を短縮し得る画像処理装置および画像処理方法を提供する。
従来、離隔した位置に設けられている表示装置等に対して無線で例えばHD(High Definition)動画像データを伝送する無線伝送技術が開発されている。この無線伝送技術に用いられる伝送方式としては、60GHz帯を使用するミリ波、5GHz帯を使用するIEEE802.11n(無線LAN(Local Area Network))、UWB(Ultra Wide Band)などが利用される。また、低い周波数帯を使用してもHD動画像データの無線伝送を行うことができるように、画像データの符号化を行いデータ量を削減して伝送することが行われる。
このような動画像データの無線伝送技術において、例えば放送番組のリアルタイム表示を可能にするためには、動画像データを伝送してから表示装置に表示されるまでの遅延ができる限り小さいことが望ましい。
また、ピクチャ毎にIピクチャ,PピクチャおよびBピクチャの切り替えを行う符号化方式では、Iピクチャの符号量が他のピクチャと比して大きい。このため、この符号化方式を無線伝送技術に適用した場合、符号量が均一となるGOP(Group Of Picture)単位でのバッファリングが必要となり、遅延も大きくなる。そこで、イントラスライス方式を用いてピクチャ毎の符号量を均一にすることで遅延を小さくすることが行われている。
さらに、特許文献1では、H.264/AVC(Advanced Video Coding)と呼ばれる符号化規格にイントラスライス方式が適用されている。H.264/AVCは、動き予測に1/4画素を生成することやデブロックフィルタを用いたフィルタ処理が行われる。このため、整数精度未満での動き予測処理の際、エラーから復帰していない未復帰のマクロブロックを参照して生成される整数精度未満の画素を含有しないように、特許文献1では、参照ブロックに対する探索範囲の設定が行われている。また、復号されるときにエラーから復帰していない未復帰のマクロブロックを参照しないように、デブロックフィルタ処理の制限が行われている。
特開2011−35444号公報
ところで、イントラスライス方式では、イントラ符号化復号処理が行われるマクロブロックラインが設けられる。このマクロブロックラインは他のマクロブロックラインに比べて符号量が多くなってしまう。このため、符号量が均一となるフレーム単位でのバファリングが必要となることから、1フレーム分の遅延を生じてしまう。
そこで、この技術では遅延が少なく、復号時にエラーから復帰するまでの時間を短縮し得る画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
この技術の第1の側面は、複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、前記ピクチャにおける全ての符号化単位が、前記強制イントラ領域となるように前記強制イントラ領域の割り当て領域を水平方向に移動させる領域設定部と、前記領域設定部によって設定された前記強制イントラ領域に対してはイントラ符号化を実行し、前記強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化を実行する符号化処理部とを有する画像処理装置にある。
この技術においては、複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、ピクチャにおける全ての符号化単位が、強制イントラ領域となるように強制イントラ領域の割り当て領域が水平方向に移動される。強制イントラ領域は、ピクチャから算出した動きベクトル例えば水平方向の最大動きベクトルに応じて水平方向の幅または移動量が設定される。また、符号化処理部で用いるローカルデコード画像のフィルタ処理を行うフィルタ部、例えばデブロックフィルタやオフセット処理を行うフィルタ(SAO),適応ループフィルタが設けられて、このフィルタ部によって強制イントラ領域外の画素を用いてフィルタ演算が行われる強制イントラ領域内の画素領域の水平方向サイズを用いて、強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量が設定される。また、デコードする際のエラーが伝搬しないように、フィルタ処理の制限が行われる
この技術の第2の側面は、複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、前記ピクチャにおける全ての符号化単位が、前記強制イントラ領域となるように前記強制イントラ領域の割り当て領域を水平方向に移動させる工程と、前記強制イントラ領域に対してはイントラ符号化を実行し、前記強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化を実行する工程とを含む画像処理方法にある。
この技術によれば、複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域が垂直方向に割り当てられて、ピクチャにおける全ての符号化単位が、強制イントラ領域となるように割り当て領域がピクチャ毎に水平方向に移動される。また、強制イントラ領域に対してはイントラ符号化が実行されて、強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化が実行される。このため、ピクチャにおける全ての符号化単位分の強制イントラ領域の復号により、エラーのない復号画像を得ることができる。また、強制イントラ領域が垂直方向に割り当てられていることから、各ラインの符号量を均一とすることが可能となり、復号時の遅延を少なくできる。
無線画像データ伝送システムの構成を例示した図である。 第1の実施の形態における画像符号化部の構成を例示した図である。 リフレッシュ領域を示す図である。 動き予測によるエラーの伝搬を説明するための図である。 イントラ予測によるエラーの伝搬を説明するための図である。 デブロックフィルタによるエラーの伝搬を説明するための図である。 MVx=0の場合の参照対象ブロックを説明するための図である。 MVx≠0の場合の参照対象ブロックを説明するための図である。 符号化処理を示すフローチャートである。 マクロブロック判定処理を示すフローチャートである。 探索範囲決定処理を示すフローチャートである。 エラー復帰動作を説明するための図である。 第2の実施の形態における画像符号化部の構成を例示した図である。 quad-tree構造を説明するための図である。 エッジオフセットを説明するための図である。 エッジオフセットの規則一覧表を示す図である。 符号化処理を示すフローチャートである。 リフレッシュ領域の幅とずらし量の調整を説明するための図である。 第3の実施の形態における画像符号化部の構成を例示した図である。 リフレッシュ領域設定処理を示すフローチャートである。 エラー伝搬の範囲を例示した図である。 リフレッシュ領域の幅とずらし量の調整動作を例示した図である。
以下、本技術を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
1−1.画像処理装置の構成
1−2.画像符号化部の構成
1−3.リフレッシュ領域について
1−4.エラーの伝搬要因
1−5.エラー伝搬の回避
1−5−1.第1のエラー伝搬要因の回避
1−5−2.第2のエラー伝搬要因の回避
1−5−3.第3のエラー伝搬要因の回避
1−6.処理手順
1−7.動作および効果
2.第2の実施の形態
2−1.画像符号化部の構成
2−2.エラー伝搬の回避
2−3.処理手順
2−4.動作および効果
3.第3の実施の形態
3−1.画像符号化部の構成
3−2.リフレッシュ領域の調整動作
3−3.動作および効果
4.他の実施の形態
<1.第1の実施の形態>
[1−1.画像処理装置の構成]
図1は、無線画像データ伝送システムの構成を例示している。無線画像データ伝送システム10は、画像処理装置20と表示装置80を用いて構成されている。画像処理装置20は、例えば放送や配信された番組コンテンツ等の画像データを符号化して送信する機能を有している。表示装置80は、画像処理装置20からの符号化データを受信して復号する機能と、符号化データを復号して得られた動画像の画像データに基づいて画像表示を行う機能を有している。なお、表示装置80で音声出力を行う場合、画像処理装置20は、番組コンテンツの音声データを符号化して表示装置80に送信する。また、表示装置80は、音声符号化データの復号を行い、得られた音声データに基づいて音声出力を行う。以下の説明では、動画像の画像データの伝送について説明を行い、音声データの説明は省略する。
画像処理装置20は、放送受信部21、チューナ部22、画像符号化部30、無線通信部61を有している。
放送受信部21は、例えばアンテナに接続されており放送信号を受信する。放送受信部21は、受信した放送信号をチューナ部22に出力する。
チューナ部22は、放送信号から所望のチャンネルの信号を選局して復号を行い、視聴する番組コンテンツ等の画像データを画像符号化部30に出力する。なお、画像処理装置20は、インターネット等のネットワークを介して取得した動画像の画像データを画像符号化部30に出力する構成であってもよい。
画像符号化部30は、例えばH.264/AVCや後述するHEVC等の動画像符号化方式を用いて画像データを符号化してビットストリームを生成する。画像符号化部30は、生成したビットストリームを無線通信部61に出力する。
無線通信部61は、画像符号化部30から供給されたビットストリームを表示装置80に伝送する。例えば、無線通信部61は、IEEE 802.11nなどの無線伝送方式を用いてビットストリームを送信する。
表示装置80は、無線通信部81、復号部82、表示部83を有している。無線通信部81は、画像処理装置20の無線通信部61から送信された無線信号を受信する。無線通信部81は、無線信号を受信して得られたビットストリームを復号部82に出力する。復号部82は、ビットストリームを復号して、得られた画像データを表示部83に出力する。表示部83は、復号部82から供給された画像データに基づいて動画像表示を行う。
[1−2.画像符号化部の構成]
図2は、第1の実施の形態における画像符号化部の構成を例示している。画像符号化部30は、バッファ31、ピクチャヘッダ生成部32、イントラマクロブロック判定部33、を有している。また、画像符号化部30は、演算部34、直交変換部35、量子化部36、可逆符号化部37、蓄積バッファ38、レート制御部39を有している。また、画像符号化部30は、逆量子化部41、逆直交変換部42、演算部43、デブロックフィルタ部44、フレームメモリ48、セレクタ51、イントラ予測部52、動き予測・補償部53、画像選択部54を有しており、これらによって符号化処理を行う。すなわち、これらは、請求項の符号化処理部に相当する。
バッファ31は、チューナ部22から供給された画像データを一時保持する。また、バッファ31は保持している画像データを、ピクチャヘッダ生成部32に出力する。
ピクチャヘッダ生成部32は、ピクチャヘッダを生成してイントラマクロブロック判定部33とイントラ予測部52および画像選択部54にそれぞれ出力する。ピクチャヘッダ生成部32は、ピクチャヘッダにconstrained_intra_pred_flag(詳しくは後述する)などのフラグを設ける。また、ピクチャヘッダ生成部32は、バッファ31から供給された画像データにピクチャヘッダを付加してイントラマクロブロック判定部33に出力する。
イントラマクロブロック判定部33は、マクロブロック毎に、強制的にイントラ符号化されるマクロブロックとするか、符号化効率に応じてイントラ符号化またはインター符号化するマクロブロックとするかを決定する。すなわち、イントラマクロブロック判定部33は、請求項の領域設定部に相当する。以下、強制的にイントラ符号化されるマクロブロックを強制イントラマクロブロックという。また、符号化効率に応じてイントラ符号化またはインター符号化するマクロブロックを非強制マクロブロックという。イントラマクロブロック判定部33は、決定結果を画像選択部54に供給する。また、イントラマクロブロック判定部33は、ピクチャヘッダ生成部32から供給された画像データを演算部34に出力する。
演算部34は、イントラマクロブロック判定部33から供給された画像データと画像選択部54で選択された予測画像データとの差分を算出して、算出結果である予測誤差データを直交変換部35に出力する。演算部34は、例えばイントラ符号化の場合には、イントラ予測部52で生成される予測画像データを用いて減算を行い予測誤差データを生成する。また、演算部34は、例えばインター符号化の場合には、動き予測・補償部53で生成される予測画像データを用いて減算を行い予測誤差データを生成する。
直交変換部35は、DCT(Discrete Cosine Transform)変換およびカルーネン・レーベ変換などの直交変換処理により、予測誤差データを直交変換し、直交変換係数を量子化部36に供給する。量子化部36は、レート制御部39の制御によって決定された量子化パラメータを用いて直交変換係数を量子化し、量子化係数を可逆符号化部37と逆量子化部41に出力する。
可逆符号化部37は、CAVLC(Context-based Adaptive Variable Length Code)およびCABAC(Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)などのエントロピー符号化方式に従って量子化係数の可逆符号化を行い、得られた可逆符号化データを蓄積バッファ38に出力する。
また、可逆符号化部37は、イントラ符号化およびインター符号化に関する情報をイントラ予測部52および動き予測・補償部53から取得して、これらの情報を可逆符号化データのヘッダ情報に設定する。
蓄積バッファ38は、可逆符号化データを蓄積すると共に、当該可逆符号化データを所定の伝送速度でビットストリームとして出力する。
レート制御部39は、蓄積バッファ38を監視し、可逆符号化データの発生符号量が所定の制御単位(例えばフレームやGOPなど)毎に一定の符号量に近づくよう、量子化パラメータQPを決定する。
逆量子化部41は、量子化係数を逆量子化して再生直交変換係数を生成する。逆量子化部41は、生成した再生直交変換係数を逆直交変換部42に出力する。逆直交変換部42は、再生直交変換係数を逆直交変換して再生予測誤差データを生成する。また、逆直交変換部42は、生成した予測誤差データを演算部43に出力する。
演算部43は、逆直交変換部42から供給された予測誤差データと画像選択部54で選択された予測画像データを加算してローカルデコード画像を生成する。演算部43は、生成したローカルデコード画像をデブロックフィルタ部44とフレームメモリ48に出力する。
デブロックフィルタ部44は、処理対象ブロックに対してデブロックフィルタ処理を実行し、これをフレームメモリ48に供給する。
フレームメモリ48は、演算部43から供給されたローカルデコード画像と、デブロックフィルタ部44から供給されたデブロックフィルタ処理後のローカルデコード画像を記憶する。
セレクタ51は、演算部43から供給されてフレームメモリ48に記憶されているローカルデコード画像をイントラ予測部52に出力する。また、セレクタ51は、デブロックフィルタ部44から供給されてフレームメモリ48に記憶されているデブロックフィルタ処理後のローカルデコード画像を動き予測・補償部53に出力する。
イントラ予測部52は、ローカルデコード画像を参照してイントラ予測により処理対象ブロックの予測画像データを生成して、画像選択部54に出力する。また、イントラ予測部52は、強制イントラマクロブロックの領域における左端のマクロブロックについて、後述するインターマクロブロック領域を参照することなくイントラ符号化を実行する。
動き予測・補償部53は、ローカルデコード画像を参照して動き予測を行い、処理対象ブロックの予測画像データを生成して、画像選択部54に出力する。
画像選択部54は、後述する強制イントラ領域の符号化処理において、イントラ予測部52で生成された予測画像データを選択して、演算部34,43に出力する。また、画像選択部54は、強制イントラ領域ではない領域の符号化処理では、イントラ予測部52で生成された予測画像データと動き予測・補償部53で生成された予測画像データの何れか符号化効率の高い画像データを選択して、演算部34,43に出力する。
このようにして、画像符号化部30は、画像データを符号化してビットストリームを生成する。
[1−3.リフレッシュ領域について]
従来のイントラスライス方式では、イントラ符号化復号処理が行われるマクロブロックラインを設けることで、エラーから復帰することが可能となる。しかし、イントラ符号化復号処理が行われるマクロブロックラインは、他のマクロブロックラインに比べて符号量が多くなってしまう。このため、符号量が均一となるフレーム単位でのバファリングが必要となることから、1フレーム分の遅延を生じてしまう。そこで、イントラマクロブロック判定部33は、図3に示すように、垂直方向に並ぶマクロブロックを、強制イントラマクロブロックとして強制イントラ領域(以下「リフレッシュ領域」という)RLを設ける。すなわち、リフレッシュ領域RLは、イントラスライス方式におけるイントラマクロブロックラインを垂直方向に設けた場合に相当する。また、イントラマクロブロック判定部33は、リフレッシュ領域RLを予め設定された幅(例えば複数マクロブロック分の幅)とする。また、イントラマクロブロック判定部33は、ピクチャにおける全ての符号化単位がリフレッシュ領域RLとなるように、リフレッシュ領域RLとして割り当てる領域を、ピクチャ毎に順次水平方向に移動させる。イントラマクロブロック判定部33は、リフレッシュ領域RLの幅と移動量を一定とする場合、例えばピクチャ数のカウントを行い、カウント値に基づき、リフレッシュ領域RLとして割り当てる領域を判定して、リフレッシュ領域RLの設定を行う。なお、リフレッシュ領域RLの幅と移動量を一定とする場合、一定周期でピクチャにおける全ての符号化単位がリフレッシュ領域RLとなる。このようにリフレッシュ領域RLを設けて、上述のイントラスライス方式と同様に、このリフレッシュ領域RLを利用して次のピクチャで未復帰領域URのエラーからの復帰を行う。このように、イントラマクロブロック判定部33は、垂直方向にリフレッシュ領域RLを設けることで、各ラインの符号量を均一として、遅延を1フレーム分よりも少なくする。
[1−4.エラーの伝搬要因]
以下、H.246/AVCを用いた場合のエラー伝搬要因として、第1〜第3の伝搬要因について順次説明する。第1の伝搬要因は、動きベクトルの検出時における探索範囲である。
H.264/AVCでは、1/4画素精度で動きベクトルの検出をしている。このため、H.264/AVCに従って符号化処理を行う画像処理装置は、1/2画素および1/4画素を生成するために、隣接する6画素を用いて6タップのFIRフィルタ処理を行う。
このため、図4に示すように、リフレッシュ領域RLおよび未復帰領域URの境界BDから3画素より外側(未復帰領域UR側)に位置する1/2画素(斜線で示す画素)および1/4画素(小さい円で示す画素)は、未復帰領域URを参照することになる。また、図4では、画素間においてx方向にのみ1/2画素および1/4画素が生成されているが、実際にはy方向にも1/2画素および1/4画素が生成される。なお、リフレッシュ領域RLおよび未復帰領域URの境界BDを、以下「リフレッシュ境界」と呼ぶ。
この結果、リフレッシュ領域RLの内部であっても、リフレッシュ境界BDから3画素より外側(未復帰領域UR側)に位置する1/2画素および1/4画素には、エラーが伝搬してしまう。以下、リフレッシュ領域RLにおいてエラーが伝搬してしまうこれらの画素を、エラー伝搬画素と呼ぶ。従って、符号化時の動きベクトルの探索範囲でエラー伝搬画素が含まれると、復号時にエラー伝搬画素を参照してしまう可能性があり、復帰済領域ARにおいてエラーを伝搬させることになる。これが第1のエラー伝搬要因である。
H.264/AVCでは、イントラ符号化に、画面内予測符号化を用いる。第2のエラー伝搬要因は、画面内予測符号化に起因するものである。
この画面内予測符号化では、図5に示すように、符号化対象のマクロブロックに隣接し、上または左隣若しくはその両方の画素を参照する。符号化対象のマクロブロックがその上または左をリフレッシュ境界BDに隣接させて位置する場合、未復帰領域URを参照することになり、エラーを伝搬させることになる。これが第2のエラー伝搬要因である。
H.264/AVCでは、ブロックノイズを抑制するため、デブロックフィルタを使用する。第3のエラー伝搬要因は、デブロックフィルタに起因するものである。
デブロックフィルタは、ブロック境界から隣接する3画素ずつを参照することにより、デブロックフィルタ処理を実行する。従って、図6に示すように、リフレッシュ領域RLにおけるリフレッシュ境界BDから3画素(二重丸で示す画素)では、エラーを伝搬させてしまう。これが、第3のエラー伝搬要因である。
本技術では、これら第1〜第3のエラー伝搬要因を回避し、エラーの伝搬を防止し得るようになされている。
[1−5.エラー伝搬の回避]
[1−5−1.第1のエラー伝搬要因の回避]
画像符号化部30は、エラーの伝搬が生じないよう探索範囲を設定する。リフレッシュ領域RLが1マクロブロックの幅であった場合、16×16画素の検索ブロックがx方向に1/4画素でも移動すると、リフレッシュ領域RLからはみ出ることになるため、未復帰領域URを参照することになる。この場合、動き予測・補償部53は、動きベクトルの探索範囲をy方向にのみ設定する。
具体的に、動き予測・補償部53は、ピクチャヘッダから符号化単位におけるマクロブロックサイズを確認する。動き予測・補償部53は、マクロブロックサイズが1マクロブロックであった場合、x方向の動きベクトルMVx=0とし、y方向の探索範囲を制限なし(y方向に規格上許容される最大値)に設定し、この探索範囲内において整数精度で動きベクトルを検出する。
次に、動き予測・補償部53、整数精度で検出された動きベクトルの周辺画素について、6タップのFIRフィルタを用いて例えば図7に示すように、y方向にのみ1/2画素および1/4画素を生成して、y方向について1/4精度で動きベクトルを検出する。
これにより、画像符号化部30は、探索範囲にy方向の1/2画素および1/4画素を含有させないため、リフレッシュ境界BDに隣接する2画素分の1/2画素および1/4画素を含有させずに済む。この結果、画像符号化部30は、復号時においてエラー伝搬画素を参照させずに済むため、復帰済領域ARにおけるエラーの伝搬を防止することができ、第1のエラー伝搬要因を回避することができる。
また、動き予測・補償部53は、リフレッシュ領域RLが2マクロブロック以上であった場合、復号時においてエラー伝搬画素を参照しないように動きベクトルの探索範囲を設定する。
ここで、画像符号化部30は、ピクチャ間においてリフレッシュ領域RLを例えば右側にずらすように変動させてエラーから復帰させる。このため、エラー伝搬画素画が発生するのは、未復帰領域URと隣接するリフレッシュ領域RLの右側のみとなる。そこで、画像符号化部30は、リフレッシュ領域RLの右側について、エラー伝搬画素を参照しないように探索範囲を設定する。
具体的に、動き予測・補償部53は、探索範囲をリフレッシュ領域RLの範囲内に設定し、この探索範囲内において整数精度で動きベクトルを検出する。動き予測・補償部53は、整数精度で検出した動きベクトルの周辺画素について、6タップのFIRフィルタを用いて例えば図8に示すように、1/2画素および1/4画素を生成する。このとき、動き予測・補償部53は、リフレッシュ境界BDから3画素よりも外側(リフレッシュ境界BD側)の領域について、x方向に1/2画素および1/4画素を生成しないようにして参照対象ブロックを生成し、これを動き予測・補償部53に供給する。
動き予測・補償部53は、xおよびy方向について原則的に1/4精度で動きベクトルを検出する。動き予測・補償部53は、リフレッシュ境界BDから3画素よりも外側については、x方向において1/2画素および1/4画素が存在しないため、整数精度で動きベクトルを検出することになる。
これにより、画像符号化部30は、復号時にリフレッシュ境界BDから3画素よりも外側(リフレッシュ境界BD側)についての1/2画素および1/4画素を参照させないようにでき、エラー伝搬画素の参照によるエラーの伝搬を防止することができる。
このように、画像符号化部30は、動きベクトルの検出時において、エラー伝搬画素に対応する画素(リフレッシュ境界BDから3画素よりも外側についての1/2画素および1/4画素)を参照しないようにした。これにより、復号部82は、インター符号化により符号化された復帰済領域ARを復号する際に、エラー伝搬画素を参照せずに復号できるため、エラー伝搬を防止することができ、第1のエラー伝搬要因を回避できる。
[1−5−2.第2のエラー伝搬要因の回避]
画像符号化部30は、リフレッシュ領域RLにおける画面内予測符号化において、当該リフレッシュ領域RL以外の画素を参照しないようにして、未復帰領域URからのエラーの伝搬を防止することができる。これにより、復号部82は、リフレッシュ領域RLを復号する際に、未復帰領域URを参照せずに復号できるため、エラー伝搬を防止することができる。
具体的に、イントラマクロブロック判定部33は、処理対象となるマクロブロックがイントラ符号化すべき強制イントラマクロブロックか、符号化効率に応じてイントラ符号化またはインター符号化を行う非強制マクロブロックかを判別する。
イントラマクロブロック判定部33は、所定マクロブロック数ずつ変動するリフレッシュ領域RLに該当するマクロブロックを強制的にイントラ符号化される強制イントラマクロブロックと判定する。なお、以下、リフレッシュ領域RLに属するマクロブロックを、リフレッシュマクロブロック(=強制イントラマクロブロック)と呼ぶ。また、リフレッシュ領域RL以外のマクロブロックが構成する領域をインターマクロブロック領域と呼び、インターマクロブロック領域に属するマクロブロックを、他マクロブロック(=非強制マクロブロック)と呼ぶ。
イントラマクロブロック判定部33は、強制イントラマクロブロックおよび非強制マクロブロックの発生符号量を予測し、符号化効率のよい符号化方式を判定する。この判定結果は、画像選択部54に供給される。
これにより、復号部82は、リフレッシュ領域RLの復号時に未復帰領域URを参照せずに済むため、エラーの伝搬を防止することができる。
このように、画像符号化部30は、リフレッシュ領域RLにおいてインターマクロブロック領域を参照しない。このため、復号部82は、リフレッシュ領域RLを復号する際に、未復帰領域URを参照せずに済むため、エラーの伝搬を防止することができ、第2のエラー伝搬要因を回避できる。
また、H.264/AVCでは、constrained_intra_pred_flagというフラグが用意されている。このフラグを「1」にすることにより、イントラ符号においてインター符号化された画素を参照しないことを規定することができる。ただし、このフラグが「1」に設定されていると、強制イントラマクロブロック以外のイントラマクロブロックでもインター符号化された画素を参照しないため、符号化効率が低下するという欠点を有する。
具体的に、画像符号化部30のピクチャヘッダ生成部32は、ピクチャヘッダにおけるPPS(Picture Parameter set)におけるconstrained_intra_pred_flag=1とする。このフラグが「1」であることは、イントラ符号においてインター符号化された画素を参照しないことを表している。
イントラ予測部52は、constrained_intra_pred_flag=1であることを確認すると、イントラ符号化された画素のみを参照して画面内予測処理を実行する。この結果、復号部82は、イントラ符号化された画素のみを参照して画像データを復号することができるため、未復帰領域URからのエラーの伝搬を防止できる。
このように、画像符号化部30は、constrained_intra_pred_flag=1とすることにより、未復帰領域URからのエラーの伝搬を防止し、第2のエラー伝搬要因を回避し得るようになされている。
[1−5−3.第3のエラー伝搬要因の回避]
上述したように、デブロックフィルタを用いると、リフレッシュ領域RLを復号する際、リフレッシュ境界BDから3画素(以下、これを境界画素と呼ぶ)に未復帰領域URの画素が影響を与えるため、当該境界画素が壊れてしまう。従って、画像符号化部30は、復号の際にエラーが伝搬しないようフィルタ処理を制限する制御部を設けて、デブロックフィルタを使用しないようにする。
具体的に、画像符号化部30はフラグによって、リフレッシュ境界BDに対してデブロックフィルタ処理を実行しないようにして、リフレッシュ境界以外ではデブロックフィルタ処理を実行して、デブロックノイズを低減させる。
このため、復号部82は、リフレッシュ領域RLを復号する際に、リフレッシュ領域RLにデブロックフィルタ処理を実行せずに済むため、エラーの伝搬を防止することができる。
このように、画像符号化部30は、デブロックフィルタを用いないことにより、未復帰領域URの画素の影響によってリフレッシュ領域RLの境界画素が壊れることを防止でき、第3のエラー伝搬要因を回避できる。
[1−6.処理手順]
図9は、符号化処理を示すフローチャートである。画像符号化部30は、符号化処理RT1を開始すると、ステップSP1へ移り、処理対象となるマクロブロックがピクチャの先頭か否かを判別し、肯定結果が得られるとステップSP2へ移る一方、否定結果が得られた場合、ステップSP3へ移る。
ステップSP2において、画像符号化部30は、マクロブロックの先頭にピクチャヘッダを付加すると、次のステップSP3へ移る。このとき画像符号化部30は、constrained_intra_pred_flagを付加する。
ステップSP3において、画像符号化部30は、サブルーチンSRT11へ移り、マクロブロック判定処理を実行する。画像符号化部30は、マクロブロック判定処理として、処理対象となるマクロブロックをインター符号化すべきかイントラ符号化すべきかを判定すると、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において、画像符号化部30は、処理対象となるマクロブロックがイントラ符号化すべきマクロブロック(強制イントラマクロブロックおよびイントラマクロブロック)であるか否かについて判別する。
ここで肯定結果が得られると、画像符号化部30は、画面内予測処理を実行すべきであるため、次のステップSP5へ移る。ステップSP5において、画像符号化部30は、リフレッシュ領域RLにおいて、インター符号化されたマクロブロックを参照しないように画面内予測処理を実行する。また、画像符号化部30は、符号化対象画像データと画面内予測処理で得られた予測画像データとの差分である予測誤差データを生成して、次のステップSP8へ移る。
これに対してステップSP4において否定結果が得られると、画像符号化部30は、動き予測処理を実行すべきであるため、次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において、画像符号化部30は、サブルーチンSRT12へ移り、探索範囲判定処理を実行する。画像符号化部30は、探索範囲判定処理として、リフレッシュ領域RLの右側について、エラー伝搬画素を参照しないよう探索範囲を設定して、次のステップSP7へ移る。なお、エラー伝搬画素は、当該リフレッシュ領域RLにおけるリフレッシュ境界BDから3画素よりも外側の1/2画素および1/4画素である。
ステップSP7において、画像符号化部30は、ステップSP6において設定された探索範囲において動きベクトルを検出し、動き予測処理を実行し、符号化対象画像データと予測画像データとの差分である予測誤差データを生成して、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において、画像符号化部30は、予測誤差データに対し、直交変換処理および量子化処理を実行し、量子化係数を生成すると、次のステップSP9およびSP10へ移り、同時並行して当該ステップSP9およびSP10を実行する。ステップSP9において、画像符号化部30は、量子化係数に対し、可逆符号化処理を実行し、可逆符号化データを生成すると、これをビットストリームとして無線通信部61に出力し、符号化処理RT1を終了する。
ステップSP10において、画像符号化部30は、逆量子化処理、逆直交変換処理を実行し、ローカルデコード画像を生成すると、次のステップSP11へ移る。
ステップSP11において、画像符号化部30は、disable_deblocking_filter_idcを確認し、デブロックフィルタ処理を実行すべきか否かを判別する。
ここで肯定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP12へ移り、デブロックフィルタ処理を実行すると、終了ステップへ移って符号化処理RT1を終了する。
これに対してステップSP11において否定結果が得られた場合、画像符号化部30は、終了ステップへ移って符号化処理RT1を終了する。
画像符号化部30は、符号化処理RT1のステップSP3から、図10に示すマクロブロック判定処理であるサブルーチンSRT11のステップSP21へ移る。
ステップSP21において、画像符号化部30は、処理対象となる現在のマクロブロックがリフレッシュマクロブロックか否かを判別する。ここで肯定結果が得られた場合、このことは、処理対象のマクロブロックがリフレッシュ領域RLに属していることを表している。このとき、画像符号化部30は、ステップSP22へ移り、処理対象のマクロブロックを強制イントラマクロブロックとしてイントラ符号化することを選択し、次のステップSP24へ移る。
これに対してステップSP22において否定結果が得られた場合、このことは処理対象のマクロブロックが他マクロブロックであることを表している。このとき、画像符号化部30は、次のステップSP23へ移る。
ステップSP23において、画像符号化部30は、処理対象のマクロブロックのインター符号化およびイントラ符号化による発生符号量を予測する。画像符号化部4は、符号化効率のよい方の符号化方式を実際に処理対象のマクロブロックを符号化する符号化方式として選択すると、次のステップSP24へ移る。
ステップSP24において、画像符号化部30は、処理対象のマクロブロックがピクチャにおける最後のマクロブロックか否かについて判別する。ここで否定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP21へ戻り、ピクチャ内の全てのマクロブロックに対する処理が終了するまで、ステップSP21〜SP24までの処理を継続する。
これに対して、ステップSP24において肯定結果が得られた場合、画像符号化部30は、次のステップSP25へ移る。
ステップSP25において、画像符号化部30は、ピクチャの数をカウントするピクチャカウンタを「+1」すると、次のステップSP26へ移る。
ステップSP26において、画像符号化部30は、全てのピクチャに対する処理を終了したか否かについて判別し、否定結果が得られると、ステップSP21へ戻り、全てのピクチャに対する処理を終了するまで、ステップSP21〜SP26の処理を継続する。
符号化処理RT1のステップSP6において、画像符号化部30は、図11に示す探索範囲決定処理であるサブルーチンSRT12のステップSP31へ移る。画像符号化部30は、エラーの伝搬しない範囲を設定すると、図9に示す符号化処理RT1のステップSP7へ移る。例えば、画像符号化部30は、復号時にエラー伝搬画素を参照しないように、リフレッシュ領域RLの右側について、リフレッシュ境界BDから3画素より外側の1/2画素および1/4画素を除く範囲をx方向の動きベクトルMVxの探索範囲に設定する。また、リフレッシュ境界BDから3画素より外側の1/2画素および1/4画素を除く領域は、x方向の動きベクトルMVxの探索範囲を「0」(すなわち動きベクトルMVx=「0」)に設定する。
[1−7.動作および効果]
画像符号化部30は、ピクチャ毎に垂直方向に設けたリフレッシュ領域RLをピクチャ毎に移動するように符号化を行う。従って、仮に復号時において1枚のピクチャにエラーが生じた場合、図12の(A)に示すように、次にピクチャにおいてリフレッシュ領域がRLのみが復帰し、残りのインターマクロブロック領域は未復帰領域URとなる。また、次のピクチャの復号時は、図12の(B)に示すようにリフレッシュ領域RLのみを参照して復号化することができ、未復帰領域URを参照せずに済む。このため、参照する直前のピクチャのリフレッシュ領域RLに対応する部分を復帰済領域ARとして復帰させることが可能となる。以下同様に処理を行うことで、図12の(C)や図12の(D)に示すように、復帰済領域ARは、リフレッシュ領域RLの出現に伴って徐々に増大してピクチャ内の全ての位置において画像を復帰させることができる。
また、画像符号化部30は、強制イントラマクロブロックに対するイントラ符号化を実行する。画像符号化部30は、参照対象となる参照ピクチャ(ローカルデコード画像)における参照符号化単位(参照対象ブロック)に対し、隣接画素を用いたフィルタ処理によって整数精度未満となる1/2画素および1/4画素の画素を生成する。
画像符号化部30は、参照対象ブロックの1/2画素および1/4画素の画素を参照して実行される整数精度未満での動き予測処理の際、参照ブロックに対する探索範囲を設定する。画像符号化部30は、探索範囲として、強制イントラマクロブロックおよび他マクロブロックの境界であるリフレッシュ境界BDから、隣接画素の数に対応する1/2画素および1/4画素の画素(すなわちリフレッシュ境界BDから3画素より外側に存在する1/2画素および1/4画素)を含有しない範囲を設定する。画像符号化部30は、設定された探索範囲で動きベクトルを検出し、動き予測処理を実行する。
これにより、画像符号化部30は、復号時にエラーが伝搬する可能性のあるエラー伝搬画素を参照せずに処理対象となるマクロブロックを符号化できる。このため、復号部82は、エラーが生じた場合でも、エラー伝搬画素を参照せずに復号化できるため、動きベクトルの検出時に生じるエラーの伝搬を防止することができる。
画像符号化部30は、ピクチャにおける全ての符号化単位であるマクロブロックが、イントラ符号化される強制イントラブロックとなるように、リフレッシュ領域RLの割り当ておよびリフレッシュ領域RLとして割り当てる領域を水平方向に移動させる。
画像符号化部30は、フィルタ設定情報としてのdisable_deblocking_filter_idcを設定することにより、デブロックフィルタ処理に対する制限を設定する。画像符号化部30は、イントラ予測部52および動き予測・補償部53によって符号化されたマクロブロックのローカルデコード画像に対し、設定されたdisable_deblocking_filter_idcに従って、デブロックフィルタ処理を実行する。
これにより、画像符号化部30は、エラー伝搬の原因となるデブロックフィルタの処理を制限することができ、復号時におけるエラーの伝搬を防止できる。
このように、画像符号化部30は、復号時におけるエラーの伝搬を防止するよう、符号化を実行する。これにより、復号部82は、復号時にエラーが生じた場合であっても、エラーの伝搬を防止することができるため、エラーから復帰するまでに要する時間を短縮することができる。
画像符号化部30は、インターマクロブロック領域を参照しないよう、強制イントラマクロブロックに対する参照対象を制限し、当該制限に従って、画面内予測処理を実行する。
これにより、画像符号化部30は、リフレッシュ境界BDの左側が未復帰であった場合であっても、インターマクロブロック領域を参照せずに済むため、リフレッシュ領域RLにエラーを伝搬させずに済む。このため、画像符号化部30は、無線伝送によるエラーが生じた際に、エラーから復帰するまでに要する時間を短縮させることができる。
画像符号化部30は、単数のマクロブロックが垂直方向に並ぶことによりリフレッシュ領域RLが構成されていた場合には、水平方向の探索範囲を「0」に設定する。
これにより、画像符号化部30は、リフレッシュ境界BDから3画素より外側に位置する1/2画素および1/4画素を参照せずに済む。これにより、復号部82は、エラー伝搬画素を参照せずに済むため、エラーの伝搬を防止することができる。
画像符号化部30は、強制イントラマクロブロックで構成されるリフレッシュ領域RLが、ピクチャ間において変動方向であるx方向右側に移動するように、強制イントラマクロブロックを割り当てる。そして画像符号化部30は、disable_deblocking_filter_idcを「2」に設定する。
これにより、画像符号化部30は、リフレッシュ領域RLをピクチャ間において連続的に変動させることができるため、復帰済領域ARの右側を、常にリフレッシュ領域RLまたは復帰済領域ARに隣接させることができる。このため、復号部82は、復帰済領域ARの右側において、エラー伝搬画素を発生させない。
この結果、画像符号化部30は、x方向右側の動きベクトルの探索範囲をリフレッシュ境界BDまでに設定することができ、探索範囲を拡大することができる。
画像符号化部30は、リフレッシュ領域RLの1マクロブロック目において、左側のインターマクロブロック領域を参照しないようにすることで、復号部82は、リフレッシュ領域RLを復号する際、未復帰領域URを参照せずに済むため、リフレッシュ領域RLを確実に復帰させることができる。
画像符号化部30は、constrained_intra_pred_flagを「1」に設定する。画像符号化部30は、当該constrained_intra_pred_flagに従って、他マクロブロックを参照することなく強制イントラマクロブロックに対する画面内予測処理を実行する。
これにより画像符号化部30は、他マクロブロックを参照せずに画面内予測処理を実行することができる。このため、復号部82は、画面内予測処理において、未復帰領域URを参照することがないため、リフレッシュ領域RLを確実に復帰させることができる。
画像符号化部30は、他マクロブロックに割り当てたマクロブロックを、インター符号化されるインターマクロブロックと、イントラ符号化されるイントラマクロブロックとに割り当てる。
これにより、画像符号化部30は、強制イントラマクロブロックでないイントラ符号化の際、他マクロブロックを参照できる。一方、constrained_intra_pred_flagが「1」に設定されると、全てのIマクロブロック(強制イントラマクロブロックおよびイントラマクロブロック)に対してPマクロブロックが参照されない。このため、画像符号化部4は、constrained_intra_pred_flagを用いる場合と比較して、符号化効率を向上させることができる。
画像符号化部30は、復号されるときにエラーから復帰していない未復帰のマクロブロックを参照して生成される整数精度未満の画素を含有しないよう、参照ブロックに対する探索範囲を設定する。また、画像符号化部30は、復号されるときにエラーから復帰していない未復帰のマクロブロックを参照しないよう、デブロックフィルタ処理を制限する。
これにより、画像符号化部30は、復号されるときのエラーの伝搬を適切に防止できるため、エラーから復帰するまでに要する時間を短縮できる。
さらに、画像符号化部30は、垂直方向にリフレッシュ領域RLを設けて符号化を行う。これにより、各ラインの符号量が均一とされて、遅延を1フレーム分よりも少なくできる。例えば遅延を1ライン分程度とすることができる。
<2.第2の実施の形態>
ところで、符号化方式では、H.246/AVCより更なる符号化効率の向上を目的として、ITU―Tと、ISO/IECの共同の標準化団体であるJCTVC(Joint Collaboration Team - Video Coding)により、HEVC(High Efficiency Video Coding)と呼ばれる符号化方式の標準化が進められている。
HEVCにおいては、H.246/AVCにおけるマクロブロックと同様の役割を果たすCoding Unit(CU)が規定されている。また、CUは、最大の大きさを持つLCU(Largest Coding Unit)と最小の大きさを持つSCU(Smallest Coding Unit)の範囲内のサイズとされている。なお、CUは、イントラ若しくはインター予測の単位であるPrediction Unit(PU)に分割され、また、直交変換の単位である、Transform Unit(TU)に分割される。
また、HEVCにおいては、インループフィルタ処理としてデブロックフィルタ処理だけでなく、SAO(Sample Adaptive Offset)処理や適応ループフィルタ(Adaptive Loop Filter)処理が設けられている。
次に、第2の実施の形態では、HEVCを用いる場合について説明する。なお、以下の説明では、主にH.264/AVCと相違する部分について説明を行う。
[2−1.画像符号化部の構成]
図13は、第2の実施の形態における画像処理装置の構成を例示している。HEVCを用いた画像符号化部30では、SAO処理を行うSAO部45や適応ループフィルタ処理を行う適応ループフィルタ部46が設けられている。
SAO部45は、画像をquad-treeに分割し、それぞれの領域にどのようなオフセットを適用して符号化するかを選択する。SAO部45はデブロックフィルタ部44から供給された画像データに対してSAO処理すなわち選択したオフセット処理を行い適応ループフィルタ部46に出力する。
ここで、SAO処理について説明する。SAO部のオフセットの種類としては、バンドオフセットと呼ばれるものが2種類、エッジオフセットと呼ばれるものが6種類あり、さらに、オフセットを適応しないことも可能である。そして、画像をquad-treeに分割し、それぞれの領域に、上述したどのオフセットの種類により符号化するかを選択することができる。
次に、図14を参照して、quad-tree構造について説明する。例えば、画像符号化部30では、図14の(A)に示されるように、領域0が分割されていない状態を示すLevel-0(分割深度0)のコスト関数値J0が計算される。また、領域0が4つの領域1乃至4に分割された状態を示すLevel-1(分割深度0)のコスト関数値J1,J2,J3,J4が計算される。
そして、図14の(B)に示されるように、コスト関数値が比較され、J0>(J1+J2+J3+J4)により、コスト関数値が小さいLevel-1の分割領域(Partitions)が選択される。
同様にして、図14の(C)に示されるように、領域0が16個の領域5乃至20に分割された状態を示すLevel-2(分割深度2)のコスト関数値J5乃至J20が計算される。
そして、図14の(D)に示されるように、コスト関数値がそれぞれ比較され、J1<(J5+J6+J9+J10)により、領域1においては、Level-1の分割領域(Partitions)が選択される。J2>(J7+J8+J11+J12)により、領域2においては、Level-2の分割領域が選択される。J3>(J13+J14+J17+J18)により、領域3においては、Level-2の分割領域が選択される。J4>(J15+J16+J19+J20)により、領域4においては、Level-1の分割領域が選択される。
その結果、quad-tree構造における図14の(D)に示される最終的なquad-tree領域(Partitions)が決定される。そして、quad-tree構造の決定された領域毎に、2種類のバンドオフセット、6種類のエッジオフセット、およびオフセットなしの全てについてコスト関数値が算出され、どのオフセットにより符号化されるのかが決定される。
例えば、図14の(E)に示すように、領域1に対しては、EO(4)、すなわち、エッジオフセットのうちの4種類目が決定されている。領域7に対しては、OFF、すなわち、オフセットなしが決定されており、領域8に対しては、EO(2)、すなわち、エッジオフセットのうちの2種類目が決定されている。領域11および12に対しては、OFF、すなわち、オフセットなしが決定されている。
また、領域13に対しては、BO(1)、すなわち、バンドオフセットのうちの1種類目が決定されており、領域14に対しては、EO(2)、すなわち、エッジオフセットのうちの2種類目が決定されている。領域17に対しては、BO(2)、すなわち、バンドオフセットのうちの2種類目が決定されており、領域18に対しては、BO(1)、すなわち、バンドオフセットのうちの1種類目が決定されている。領域4に対しては、EO(1)、すなわち、エッジオフセットのうちの1種類目が決定されている。
次に、図15を参照して、エッジオフセットの詳細について説明する。エッジオフセットにおいては、当該画素値と、当該画素値に隣接する隣接画素値の比較が行われ、これに対応したカテゴリに対して、オフセット値が伝送されることになる。
エッジオフセットには、図15の(A)乃至(D)に示される4つの1次元パターンと、図15の(E)および(F)に示される2つの2次元パターンが存在し、それぞれ、図16に示されるカテゴリでオフセットが伝送される。
図15の(A)は、当該画素Cに対して、隣接画素が左右の1次元に配置されている、すなわち、図15の(A)のパターンに対して0度をなしている1-D,0-degreeパターンを表している。図15の(B)は、当該画素Cに対して、隣接画素が上下の1次元に配置されている、すなわち、図15の(A)のパターンに対して90度をなしている1-D,90-degreeパターンを表している。
図15の(C)は、当該画素Cに対して、隣接画素が左上と右下の1次元に配置されている、すなわち、図15の(A)のパターンに対して135度をなしている1-D,135-degreeパターンを表している。図15の(D)は、当該画素Cに対して、隣接画素が右上と左下の1次元に配置されている、すなわち、図15の(A)のパターンに対して45度をなしている1-D,135-degreeパターンを表している。
図15の(E)は、当該画素Cに対して、隣接画素が上下左右2次元に配置されている、すなわち、当該画素Cに対して交差している2-D,crossパターンを表している。図15の(F)は、当該画素Cに対して、隣接画素が右上左下、左上右下の2次元に配置されている、すなわち、当該画素Cに対して斜めに交差している2-D,diagonalパターンを表している。
図16の(A)は、1次元パターンの規則一覧表(Classification rule for 1-D patterns)を示している。図15の(A)乃至(D)のパターンは、図16の(A)に示されるような5種類のカテゴリに分類され、そのカテゴリによりオフセットが算出されて、復号部に送られる。
当該画素Cの画素値が2つの隣接画素の画素値より小さい場合、カテゴリ1に分類される。当該画素Cの画素値が一方の隣接画素の画素値より小さくて、他方の隣接画素の画素値と一致する場合、カテゴリ2に分類される。当該画素Cの画素値が一方の隣接画素の画素値より大きくて、他方の隣接画素の画素値と一致する場合、カテゴリ3に分類される。当該画素Cの画素値が2つの隣接画素の画素値より大きい場合、カテゴリ4に分類される。以上のどれでもない場合、カテゴリ0に分類される。
図16の(B)は、2次元パターンの規則一覧表(Classification rule for 2-D patterns)を示している。図15の(E)および(F)のパターンは、図16の(B)に示されるような7種類のカテゴリに分類され、そのカテゴリによりオフセットが復号部に送られる。
当該画素Cの画素値が4つの隣接画素の画素値より小さい場合、カテゴリ1に分類される。当該画素Cの画素値が3つの隣接画素の画素値より小さくて、4番目の隣接画素の画素値と一致する場合、カテゴリ2に分類される。当該画素Cの画素値が3つの隣接画素の画素値より小さくて、4番目の隣接画素の画素値より大きい場合、カテゴリ3に分類される。
当該画素Cの画素値が3つの隣接画素の画素値より大きくて、4番目の隣接画素の画素値より小さい場合、カテゴリ4に分類される。当該画素Cの画素値が3つの隣接画素の画素値より大きくて、4番目の隣接画素の画素値と一致する場合、カテゴリ5に分類される。当該画素Cの画素値が4つの隣接画素の画素値より大きい場合、カテゴリ6に分類される。以上のどれでもない場合、カテゴリ0に分類される。
適応ループフィルタ部46は、係数メモリ47から供給された係数とSAO部45から供給された画像データを用いて、適応ループフィルタ処理を行う。適応ループフィルタ部46は、フィルタとして例えばウィナーフィルタ(Wiener Filter)が用いる。もちろんウィナーフィルタ以外のフィルタを用いてもよい。適応ループフィルタ部46は、タップサイズの異なる複数のフィルタを有している。適応ループフィルタ部46は、フィルタ処理結果をフレームメモリ48に供給し、参照画像の画像データとして記憶させる。また、適応ループフィルタ部46は、符号化効率が良好となる適応ループフィルタ処理で用いたフィルタサイズや係数セット等を示す情報を可逆符号化部37に供給してビットストリームに含めるようにする。
[2−2.エラー伝搬の回避]
上述のように、SAO処理においては、3×3画素の判定処理が行われる。また、適応ループフィルタ処理では、例えば水平方向が5タップあるいは9タップ等でフィルタ処理が行われる。従って、第2の実施の形態の画像符号化部30では、復号の際にエラーが伝搬しないようフィルタ処理を制限する制御部を設けて、SAO処理や適応ループフィルタ処理の制限を行う。
画像符号化部30は、フィルタ設定情報として、例えばsample_adaptive_offset_enabled_flagを設定することによりSAO処理に対する制限を設定する。画像符号化部30は、設定されたsample_adaptive_offset_enabled_flagに従って、ローカルデコード画像のSAO処理を実行する。
画像符号化部30は、フィルタ設定情報として、例えばadaptive_loop_filter_enabled_flagを設定することにより適応ループフィルタ処理に対する制限を設定する。画像符号化部30は、設定されたadaptive_loop_filter_enabled_flagに従って、ローカルデコード画像の適応ループフィルタ処理を実行する。
これにより、画像符号化部30は、エラー伝搬の原因となるデブロックフィルタ処理だけでなく、SAO処理や適応ループフィルタ処理を制限することができ、復号時におけるエラーの伝搬を防止できる。
また、動き予測・補償部53は、探索範囲をリフレッシュ領域RLの範囲内に設定し、この探索範囲内において整数精度で動きベクトルを検出する。HEVCにおいては、動き予測・補償部53は、整数精度で検出した動きベクトルの周辺画素について、8タップのFIRフィルタを用いて1/2画素および1/4画素を生成する。このとき、動き予測・補償部53は、リフレッシュ境界BDから4画素よりも外側(リフレッシュ境界BD側)の領域について、x方向に1/2画素および1/4画素を生成しないようにして参照対象ブロックを生成する。
[2−3.処理手順]
図17は、符号化処理を示すフローチャートである。画像符号化部30は、符号化処理RT1を開始すると、ステップSP1へ移り、処理対象となるマクロブロックがピクチャの先頭か否かを判別し、肯定結果が得られるとステップSP2へ移る一方、否定結果が得られた場合、ステップSP3へ移る。
ステップSP2において、画像符号化部30は、マクロブロックの先頭にピクチャヘッダを付加すると、次のステップSP3へ移る。このとき画像符号化部30は、constrained_intra_pred_flagを付加する。
ステップSP3において、画像符号化部30は、サブルーチンSRT11へ移り、マクロブロック判定処理を実行する。画像符号化部30は、マクロブロック判定処理として、処理対象となるマクロブロックをインター符号化すべきかイントラ符号化すべきかを判定すると、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4において、画像符号化部30は、処理対象となるマクロブロックがイントラ符号化すべきマクロブロック(強制イントラマクロブロックおよびイントラマクロブロック)であるか否かについて判別する。
ここで肯定結果が得られると、画像符号化部30は、画面内予測処理を実行すべきであるため、次のステップSP5へ移る。ステップSP5において、画像符号化部30は、リフレッシュマクロブロックにおいて、インター符号化されたマクロブロックを参照しないように画面内予測処理を実行する。また、符号化対象画像データと画面内予測処理によって得られた予測画像データとの差分である予測誤差データを生成して、次のステップSP8へ移る。
これに対してステップSP4において否定結果が得られると、画像符号化部30は、動き予測処理を実行すべきであるため、次のステップSP6へ移る。
ステップSP6において、画像符号化部30は、サブルーチンSRT12へ移り、探索範囲判定処理を実行する。画像符号化部30は、探索範囲判定処理として、リフレッシュ領域RLの右側について、エラー伝搬画素を参照しないよう探索範囲を設定して、次のステップSP7へ移る。
ステップSP7において、画像符号化部30は、ステップSP6において設定された探索範囲において動きベクトルを検出し、動き予測処理を実行し、符号化対象画像データと予測画像データとの差分である予測誤差データを生成して、次のステップSP8へ移る。
ステップSP8において、画像符号化部30は、予測誤差データに対し、直交変換処理および量子化処理を実行し、量子化係数を生成すると、次のステップSP9およびSP10へ移り、同時並行して当該ステップSP9およびSP10を実行する。ステップSP9において、画像符号化部30は、量子化係数に対し、可逆符号化処理を実行し、可逆符号化データを生成すると、これをビットストリームとして無線通信部61に出力し、ステップSP13に移る。
ステップSP10において、画像符号化部30は、逆量子化処理、逆直交変換処理を実行し、ローカルデコード画像を生成すると、次のステップSP11へ移る。
ステップSP11において、画像符号化部30は、disable_deblocking_filter_idcを確認し、デブロックフィルタ処理を実行すべきか否かを判別する。
ここで肯定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP12へ移り、デブロックフィルタ処理を実行すると、ステップSP13に移る。これに対してステップSP11において否定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP13に移る。
ステップSP13において、画像符号化部30は、sample_adaptive_offset_enabled_flagを確認し、SAO処理を実行すべきか否かを判別する。
ここで肯定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP14へ移り、SAO処理を実行すると、ステップSP15に移る。これに対してステップSP13において否定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP15に移る。
ステップSP15において、画像符号化部30は、adaptive_loop_filter_enabled_flagを確認し、適応ループフィルタ処理を実行すべきか否かを判別する。
ここで肯定結果が得られた場合、画像符号化部30は、ステップSP16へ移り、適応ループフィルタ処理を実行して符号化処理RT1を終了する。これに対してステップSP15において否定結果が得られた場合、画像符号化部30は、終了ステップへ移って符号化処理RT1を終了する。
[2−4.動作および効果]
画像符号化部30は、フィルタ設定情報としてのdisable_deblocking_filter_idc,sample_adaptive_offset_enabled_flag,adaptive_loop_filter_enabled_flagを設定することにより、デブロックフィルタ処理やSAO処理および適応ループフィルタ処理に対する制限を設定する。画像符号化部30は、演算部43で生成されたローカルデコード画像に対し、設定されたdisable_deblocking_filter_idc,disable_deblocking_filter_idc,sample_adaptive_offset_enabled_flag,adaptive_loop_filter_enabled_flagに従って、デブロックフィルタ処理やSAO処理および適応ループフィルタ処理を実行する。
これにより、画像符号化部30は、エラー伝搬の原因となるデブロックフィルタ処理やSAO処理および適応ループフィルタ処理を制限することができ、復号時におけるエラーの伝搬を防止できる。
このように、画像符号化部30は、復号時におけるエラーの伝搬を防止するよう、符号化を実行する。これにより、復号部82は、復号時にエラーが生じた場合であっても、エラーの伝搬を防止することができるため、エラーから復帰するまでに要する時間を短縮することができる。また、垂直方向にリフレッシュ領域RLを設けることで、遅延を少なくする。
<3.第3の実施の形態>
上述の第1および第2の実施の形態では、予め設定された幅のリフレッシュ領域RLをピクチャ毎に水平方向にずらして設定した。しかし、リフレッシュ領域RLの幅は、画像に応じて適応的に設定するようにしてもよい。次に、第3の実施の形態として、リフレッシュ領域RLの幅とずらし量を、変更可能とする場合について説明する。
図18の(A)は、リフレッシュ領域RLの幅を例えば2マクロブロック、ずらし量を例えば右方向に1マクロブロックとした場合を例示している。この場合、(n+1)フレームの動き予測可能ブロックの探索範囲は、(n)フレームのイントラマクロブロックすなわち水平方向の2マクロブロックの範囲となる。
図18の(B)は、リフレッシュ領域RLの幅を例えば右方向に1マクロブロック増やした場合を例示している。この場合、(n+1)フレームの動き予測可能ブロックの探索範囲は、(n)フレームのイントラマクロブロックすなわち水平方向が3マクロブロックの範囲となる。すなわち、探索範囲を2マクロブロックの範囲から1マクロブロック右方向に広げて3マクロブロックの範囲とすることが可能となる。
図18の(C)は、リフレッシュ領域RLの幅を例えば右方向に1マクロブロック増やして、さらにずらし量を1マクロブロック増やした場合を例示している。この場合、(n+1)フレームの動き予測可能ブロックの探索範囲は、(n)フレームのイントラマクロブロックすなわち水平方向の3マクロブロックの範囲となる。また、探索範囲を図18の(A)に比べて左方向に増やすことができる。すなわち、探索範囲を2マクロブロックの範囲から1マクロブロック左方向に広げて3マクロブロックの範囲とすることが可能となる。
従って、画像符号化部30は、探索範囲が最適となるように画像に応じて適応的にリフレッシュ領域RLの幅とずらし量を調整することで、符号化効率が高くなるようにする。
[3−1.画像符号化部の構成]
図19は、第3の実施の形態における画像処理装置の構成を例示している。なお、第1の実施の形態と対応する部分については、同一符号を付している。
第3の実施の形態の画像符号化部30は、動きベクトル算出部55とリフレッシュ領域調整部56をさらに有している。なお、請求項の領域設定部は、リフレッシュ領域調整部56が含まれる。
動きベクトル算出部55は、符号化対象のピクチャの動きベクトルを算出する。例えば、動きベクトル算出部55は、符号化対象ピクチャの画面全体の動きベクトルを算出する。画面全体の動きベクトルの算出では、縮小画像を用いることで動きベクトルの算出を容易とする。また、動きベクトル算出部55は、符号化対象のピクチャの符号化処理前に行われた符号化処理において、動き予測・補償部53で算出されている動きベクトルを利用してもよい。この場合、場面の切り替わり等が生じると、符号化済みのピクチャの動きベクトルと符号化対象ピクチャの動きベクトルの相違が大きくなる場合がある。従って、動きベクトル算出部55は、シーンチェンジ等が検出されていない場合に符号化済みのピクチャの動きベクトルを利用してもよい。動きベクトル算出部55は、算出した動きベクトルをリフレッシュ領域調整部56に出力する。
リフレッシュ領域調整部56は、動きベクトル算出部55で算出された動きベクトルに基づきリフレッシュ領域RLの幅および水平方向のずらし量を調整する。リフレッシュ領域調整部56は、調整後のリフレッシュ領域RLの幅および水平方向のずらし量をイントラマクロブロック判定部33に出力する。なお、リフレッシュ領域RLの幅および水平方向のずらし量の調整については後述する。
イントラマクロブロック判定部33は、調整後のリフレッシュ領域RLの幅および水平方向のずらし量に基づき、各ピクチャのマクロブロック毎に、強制イントラマクロブロックとするか、非強制マクロブロックとするかを決定する。イントラマクロブロック判定部33は、決定結果を画像選択部54に供給する。また、イントラマクロブロック判定部33は、ピクチャヘッダ生成部32から供給された画像データを演算部34に出力する。
[3−2.リフレッシュ領域の調整動作]
図20は、リフレッシュ領域調整部56で行われるリフレッシュ領域の調整処理RT13を示すフローチャートである。ステップSP41でリフレッシュ領域調整部56は、水平方向の動きベクトルを取得する。リフレッシュ領域調整部56は、動きベクトル算出部55で算出された動きベクトルから水平方向の動きベクトルを取得してステップSP42へ移る。
ステップSP42でリフレッシュ領域調整部56は、左側付加量を決定する。リフレッシュ領域調整部56は、式(1)の演算を行い左側付加量LeftMBNumを算出してステップSP43へ移る。なお、式(1)において、「LeftMV」は、ステップSP41で取得した水平方向の動きベクトルにおいて、左方向のベクトル量を示している。また、「AddPix」はエラーの伝搬を生じさせないための設定値、「BLS」はブロックサイズである。
LeftMBNum=ceil((abs(LeftMV)+AddPix)/BLS) ・・・(1)
ステップSP43でリフレッシュ領域調整部56は、右側付加量を決定する。リフレッシュ領域調整部56は、式(2)の演算を行い右側付加量RightMBNumを算出してステップSP44へ移る。なお、式(2)において、「RightMV」は、ステップSP41で取得した水平方向の動きベクトルにおいて、右方向のベクトル量を示している。また、「AddPix」はエラーの伝搬を生じさせないための設定値、「BLS」はブロックサイズである。
RightMBNum=ceil((abs(RightMV)+AddPix)/BLS) ・・・(2)
ステップSP44でリフレッシュ領域調整部56は、リフレッシュ領域RLの幅とずらし量を決定する。リフレッシュ領域調整部56は、式(3)の演算を行い、領域幅IntraMBLineを決定する。また、リフレッシュ領域調整部56は、式(4)の演算を行い、ずらし量ShiftNumを決定する。
IntraMBLine=LeftMBNum+RightMBNum+1 ・・・(3)
ShiftNum =LeftMBNum+1 ・・・(4)
なお、動きベクトルLeftMV,RightMVは、画面全体の動きベクトルに限らず、画面内のブロック毎に算出された動きベクトルの最大値を用いるようにしてもよい。
ブロックサイズ「BLS」は、例えばH.264/AVCの場合、マクロブロックの水平方向の画素数が16画素であるとき「16」とする。また、HEVCの場合、ブロック「BLS」は例えばCUのサイズとする。
図21は、デブロックフィルタ処理とSAO処理と適応ループフィルタ処理および1/4画素精度で動きベクトルの検出を行う際のエラーの伝搬を示している。
デブロックフィルタ部44は、上述のように6タップでフィルタ処理を行う。従って、画素位置P1〜P3で未復帰領域URのエラーの影響を受ける。また、SAO処理では上述のように3×3画素で判定処理が行われる。従って、画素位置P1で未復帰領域URのエラーの影響を受ける。適応ループフィルタ処理で例えば5タップのフィルタ処理を行う場合、画素位置P1,P2で未復帰領域URのエラーの影響を受ける。さらに、適応ループフィルタ処理で例えば9タップのフィルタ処理を行う場合、画素位置P1〜P4で未復帰領域URのエラーの影響を受ける。
その後、フィルタ処理後の画素を用いて1/4画素精度で動きベクトルの検出を行う場合、8タップのFIRフィルタを用いると、適応ループフィルタ処理で例えば9タップのフィルタ処理を行う場合、画素位置P4でエラーが伝搬する。また、画素位置P4でエラーが伝搬することから、画素位置P8よりも外側では、1/2画素精度および1/4画素精度の画素についてエラーが伝搬してしまう。従って、HEVCを用いる場合、インループフィルタ処理において9タップの適応ループフィルタ処理を考慮して、「AddPix」を「8」として付加量を算出する。なお、図21で示しているエラー伝搬画素は、リフレッシュ領域RL内のフィルタ処理後の画素を用いた場合のエラー伝搬画素である。
また、H.264/AVCのように、デブロックフィルタ処理後の画素を用いて1/4画素精度で動きベクトルの検出を行う場合、6タップのFIRフィルタを用いると、デブロックフィルタ処理によって画素位置P3でエラーが伝搬する。また、画素位置P3でエラーが伝搬することから、図示せずも画素位置P6よりも外側では、1/2画素精度および1/4画素精度の画素についてエラーが伝搬する。従って、H.264/AVCを用いる場合、デブロックフィルタ処理を考慮して、「AddPix」を「6」として付加量を算出する。
[3−3.動作および効果]
図22は、リフレッシュ領域の調整動作を例示した図である。例えばH.246/AVCを用いる場合であって(「AddPix=6」,「BLS=16」)、左方向の動きベクトル量が「LeftMV=12」、右方向の動きベクトル量が「RightMV=28」とする。この場合、左側付加量は「LeftMBNum=2」となり、右側付加量は「RightMBNum=3」となる。従って、リフレッシュ領域RLの幅は「IntraMBLine=6」とする。また、ずらし量は「ShiftNum=3」とする。このようにリフレッシュ領域RLの幅とずらし量を設定して、ピクチャ毎に位置をずらしてリフレッシュ領域RLを設定する。なお、リフレッシュ領域RLの幅とずらし量は、ピクチャ単位で設定してもよくピクチャ内で幅とずらし量を画像に応じて変更できる構成としてもよい。
このような処理を行うと、水平方向の動きベクトルに応じて探索範囲を設定することが可能となり、固定された幅およびずらし量でリフレッシュ領域を設定する場合に比べて符号化効率を高めることができるようになる。
<4.他の実施の形態>
他の実施の形態としては、例えばリフレッシュ領域RLの左側境界でスライス分割を行い、スライスの先頭をリフレッシュ領域RLの開始としてもよい。この場合、画面内予測符号化する際、スライスを跨ぐ画素を参照しない場合、リフレッシュ領域RLをスライスの先頭にすることにより、未復帰領域URを参照せずに画面内符号化を容易に実行できる。また、ピクチャをタイル単位で分割可能とされる場合、リフレッシュ領域RLの開始をタイルの境界の位置とすることもできる。
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させる。または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことができる。あるいは、プログラムはフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリカード等のリムーバブル記録媒体に、一時的または永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、プログラムは、リムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトからLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、コンピュータに無線または有線で転送してもよい。コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
なお、本技術は、上述した技術の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この技術の実施の形態は、例示という形態で本技術を開示しており、本技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
また、本技術の画像処理装置は以下のような構成も取ることができる。
(1) 複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、前記ピクチャにおける全ての符号化単位が、前記強制イントラ領域となるように前記強制イントラ領域の割り当て領域を水平方向に移動させる領域設定部と、
前記領域設定部によって設定された前記強制イントラ領域に対してはイントラ符号化を実行し、前記強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化を実行する符号化処理部と
を有する画像処理装置。
(2) 前記ピクチャの動きベクトルを算出する動きベクトル算出部を有し、
前記領域設定部は、前記動きベクトル算出部で算出された動きベクトルに応じて前記強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量を設定する(1)記載の画像処理装置。
(3) 前記領域設定部は、前記動きベクトル検出部で検出された動きベクトルの水平方向の最大動きベクトルに応じて前記強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量を設定する(2)記載の画像処理装置。
(4) 前記符号化処理部で用いるローカルデコード画像のフィルタ処理を行うフィルタ部を有し、
前記イントラ領域設定部は、前記強制イントラ領域外の画素を用いてフィルタ演算が行われる前記強制イントラ領域内の画素領域の水平方向サイズを用いて、前記強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量を設定する(1)乃至(3)の何れかに記載の画像処理装置。
(5) 前記符号化処理部で用いるローカルデコード画像のフィルタ処理を行うフィルタ部と、
デコードする際のエラーが伝搬しないように、フィルタ処理を制限する制御部とを更に有する(1)乃至(4)の何れかに記載の画像処理装置。
(6) 前記符号化処理部は、H.264/AVC規格に従って符号化し、
前記フィルタ部は、H.264/AVC規格で規定されたデブロックフィルタである(5)に記載の画像処理装置。
(7) 前記フィルタ部は、オフセット処理を行うフィルタ又は適応ループフィルタである(5)記載の画像処理装置。
この技術の画像処理装置と画像処理方法では、複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域が垂直方向に割り当てられて、ピクチャにおける全ての符号化単位が、強制イントラ領域となるように割り当て領域がピクチャ毎に水平方向に移動される。また、強制イントラ領域に対してはイントラ符号化が実行されて、強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化が実行される。このため、ピクチャにおける全ての符号化単位分の強制イントラ領域の復号により、エラーのない復号画像を得ることができる。また、強制イントラ領域が垂直方向に割り当てられていることから、各ラインの符号量を均一とすることが可能となり、復号時の遅延を少なくできる。従って、例えば公に配信されるコンテンツを録画する機能を有する各種電子機器等に利用することができる。
10・・・無線画像データ伝送システム、20・・・画像処理装置、21・・・放送受信部、22・・・チューナ部、30・・・画像符号化部、31・・・バッファ、32・・・ピクチャヘッダ生成部、33・・・イントラマクロブロック判定部、34,43・・・演算部、35・・・直交変換部、36・・・量子化部、37・・・可逆符号化部、38・・・蓄積バッファ、39・・・レート制御部、41・・・逆量子化部、42・・・逆直交変換部、44・・・デブロックフィルタ部、45・・・SAO部、46・・・適応ループフィルタ部、47・・・係数メモリ、48・・・フレームメモリ、51・・・セレクタ、52・・・イントラ予測部、53・・・動き予測・補償部、54・・・画像選択部、55・・・動きベクトル算出部、56・・・リフレッシュ領域調整部、61・・・無線通信部、80・・・表示装置、81・・・無線通信部、82・・・復号部、83・・・表示部

Claims (8)

  1. 複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、前記ピクチャにおける全ての符号化単位が、前記強制イントラ領域となるように前記強制イントラ領域の割り当て領域を水平方向に移動させる領域設定部と、
    前記領域設定部によって設定された前記強制イントラ領域に対してはイントラ符号化を実行し、前記強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化を実行する符号化処理部と
    を有する画像処理装置。
  2. 前記ピクチャの動きベクトルを算出する動きベクトル算出部を有し、
    前記領域設定部は、前記動きベクトル算出部で算出された動きベクトルに応じて前記強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量を設定する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記領域設定部は、前記動きベクトル検出部で検出された動きベクトルの水平方向の最大動きベクトルに応じて前記強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量を設定する請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記符号化処理部で用いるローカルデコード画像のフィルタ処理を行うフィルタ部を有し、
    前記イントラ領域設定部は、前記強制イントラ領域外の画素を用いてフィルタ演算が行われる前記強制イントラ領域内の画素領域の水平方向サイズを用いて、前記強制イントラ領域の水平方向の幅または移動量を設定する請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記符号化処理部で用いるローカルデコード画像のフィルタ処理を行うフィルタ部と、
    デコードする際のエラーが伝搬しないように、フィルタ処理を制限する制御部とを更に有する請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記符号化処理部は、H.264/AVC規格に従って符号化し、
    前記フィルタ部は、H.264/AVC規格で規定されたデブロックフィルタである請求項5記載の画像処理装置。
  7. 前記フィルタ部は、オフセット処理を行うフィルタ又は適応ループフィルタである請求項5記載の画像処理装置。
  8. 複数のピクチャの画像データを符号化する際、イントラ符号化される強制イントラ領域を垂直方向に割り当てて、前記ピクチャにおける全ての符号化単位が、前記強制イントラ領域となるように前記強制イントラ領域の割り当て領域を水平方向に移動させる工程と、
    前記強制イントラ領域に対してはイントラ符号化を実行し、前記強制イントラ領域と異なる領域に対してはイントラ符号化またはインター符号化を実行する工程と
    を含む画像処理方法。
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