JP2006216697A - フォトレジストパターンの形成方法、回折格子の製造方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

フォトレジストパターンの形成方法、回折格子の製造方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な工程を追加することなく、突起状欠陥のみでなく溝状欠陥の発生を防止することが可能なフォトレジストパターンの形成方法を提供すること。
【解決手段】第1主面10と第2主面12とを有するとともに、第1主面10側に、第1平面16と、第2主面12との距離が第1平面16よりも大きな第2平面19と、第1および第2平面16,19の端部同士を接続する接続面18と、を有する構造20を備える基板14に、フォトレジストパターンを形成するにあたり、原フォトレジストパターン22を第1平面16上に接続面18と離間するように形成するリソグラフィー工程と、原フォトレジストパターン22を加熱して変形させることにより、第2平面19よりも低い位置で接続面18に接触する変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、段差を有する基板上にフォトレジストパターンを形成する方法に関する。また、この方法を利用した回折格子の製造方法及び半導体装置の製造方法に関する。
光ファイバ通信技術で用いられる光学素子や半導体装置を製造するにあたっては、段差を有する基板にフォトレジストパターンを形成しなければならない場合がある。以下、光ファイバ通信技術で用いられる回折格子の製造方法を例に挙げて背景技術の説明を行う。
回折格子は、波長多重方式の光ファイバ通信システムにおいて、異なる波長の光を合波した上で光ファイバに導入する合波器や、複数波長が重畳された光を波長毎に分波した上で光ファイバから取り出す分波器として用いられる。回折格子は、回折格子に入射する光が、波長により回折角度が変化することを利用して、合波や分波を行っている。
このような回折格子の1種としてバイナリ型回折格子が挙げられる。光ファイバ通信に用いられるバイナリ型回折格子とは、伝播させる光に対して透光性を有するシリコン基板等の表面に、所定幅毎に高さが所定値ずつ増加(減少)する階段状構造を有するものである。基板に階段状構造を形成する際には、リソグラフィー技術等のLSI製造技術が応用される。
バイナリ型回折格子をシリコン基板に製作するに当たっては、マスク遮蔽部の形状及び位置を変化させながら、以下に示す(I)〜(IV)の工程をn(nは正の整数)回繰り返す。これにより、最大で2nの段数を有するバイナリ型回折格子を得ることができる。
(I)シリコン基板表面にフォトレジスト膜を形成する工程、
(II)所望の遮蔽部を有するマスクを用いてフォトレジスト膜を露光して、フォトレジストパターンを形成する工程、
(III)フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、基板表面を所望の深さエッチングして段差を有する基板を得る工程、及び、
(IV)フォトレジストパターンを除去する工程、
ところで、段差を有する基板に対して、フォトレジストパターンを形成する場合、段差の上段側平面と下段側平面とでは、形成されるフォトレジスト膜の膜厚が異なることとなる。すなわち、上段側平面に形成されるフォトレジスト膜は、下段側平面に形成されるフォトレジスト膜の膜厚よりも薄くなる。
このように、フォトレジスト膜の膜厚に差が存在すると、露光光のフォトレジスト透過距離に上段側平面と下段側平面とで差が生じる。そのため、基板表面により反射された露光光によるフォトレジスト膜の露光量に、上段側平面と下段側平面とで差が生じることとなる。
また、予め定められている露光光のベストフォーカス深度が、フォトレジスト膜の厚さ方向の中点と一致した場合に、フォトレジストパターンの幅が設計値通りとなることが知られている。しかし、フォトレジスト膜の膜厚が異なると、上段側平面と下段側平面の少なくとも一方では、露光光のベストフォーカス深度とフォトレジスト膜の厚さの中点とを一致させることが難しくなる。
これらの影響により、フォトレジストパターンの幅が、設計値からずれてしまうことがある。
フォトレジストパターンの幅が設計値未満の場合(被覆不足)には、次に実施されるエッチングにおいて、本来フォトレジストパターンにより保護されているはずの基板領域がエッチングされることにより、段差部付近に溝状欠陥が発生することがある。逆に、フォトレジストパターンの幅が設計値よりも大きい場合(過剰被覆)には、次に実施されるエッチングにおいて、本来エッチングされるべき基板領域がフォトレジストパターンにより保護されることにより、段差部付近に突起状欠陥が発生することがある。
このような問題に対して、従来の方法によれば、前記工程(I)〜(IV)を繰り返す度に、マスクの遮蔽部の位置をずらして露光を行う。これにより、前の工程で加工(エッチング)された段差部の傾斜面を、後の工程で再び加工することにより突起状欠陥の発生を防止している(例えば、特許文献1参照)。
また、別の従来の方法によれば、溝状欠陥や突起状欠陥を残したまま、基板に所望の段数の階段状構造を形成する。そして、形成された階段状構造に、基板と同一材料の膜を成膜することにより、溝状欠陥や突起状欠陥を埋設してしまう(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−169011号公報(第3頁、図1) 特開2000−199813号公報(第3頁、図1)
ところで、特許文献1に開示された技術は、製造過程で発生する突起状欠陥を防止することはできるが、溝状欠陥の発生を防止できないという問題点が存在する。(特許文献1、第1図(d)の最下段の左側端部参照)。また、特許文献2に開示された技術は、溝状欠陥や突起状欠陥のない階段状構造を得ることができるが、基板と同一材料の膜を成膜する工程が追加されることとなり、工程数が増加してしまうという問題点が存在する。
この発明は、これらの問題点に鑑みなされたものであり、特別な工程を追加することなく、突起状欠陥のみでなく溝状欠陥の発生を防止することが可能なフォトレジストパターンの形成方法を提供することを課題とする。また、この発明のフォトレジストパターンの形成方法を適用した回折格子の製造方法及び半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
前述の課題を解決するために、この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法は、下記の工程を含む。すなわち、先ず、第1主面と第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板を準備する。そして、この基板の第1主面に形成されている、第1平面と、前記第2主面との距離が前記第1平面よりも大きな第2平面と、前記第1および第2平面の端部同士を接続する接続面と、を有する構造に、フォトレジストパターンを形成する。
まず、リソグラフィー工程において、原フォトレジストパターンを第1平面上に接続面と離間するように形成する。続いて行われる熱フロー工程において、原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、第2平面よりも低い位置で前記接続面に接触する変形フォトレジストパターンを形成する。
このように、接続面と離間して原フォトレジストパターンを形成し、加熱により原フォトレジストパターンを変形させて、変形フォトレジストパターンを形成する。これにより、第1平面上において、変形フォトレジストパターンを接続面の上端部を越えることなく、接続面に確実に接触させることが可能となる。
また、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法は、下記の工程を含む。
すなわち、先ず、第1主面と第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板を準備する。そして、この基板の第1主面に形成されている、第1平面と、前記第2主面との距離が前記第1平面よりも大きな第2平面と、前記第1および第2平面の端部同士を接続する接続面と、を有する構造に、フォトレジストパターンを形成する。
まず、リソグラフィー工程において、原フォトレジストパターンを第2平面上に、第2平面の端部と離間するように形成する。続いて行われる熱フロー工程において、原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、第2平面の端部よりも高い位置で第2平面の端部に接触する変形フォトレジストパターンを形成する。
このように、第2平面上に、第2平面の端部と離間して原フォトレジストパターンを形成し、加熱により原フォトレジストパターンを変形させて、変形フォトレジストパターンを形成する。これにより、第2平面上において、変形フォトレジストパターンを確実に端部に接触させることができる。尚、変形することにより端部に至った原フォトレジストパターンには、自らの表面積を最小に保つように働く表面張力が作用する。これにより原フォトレジストパターンは、第2平面の端部にとどまり続けるため、端部を越えて接続面を垂れ落ちることがない。
この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法によれば、第1平面とその端部に接続された上向きの接続面とを有する構造にフォトレジストパターンを形成する際に、まず、原フォトレジストパターンを第1平面上に接続面と離間するように形成する。そして、原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、接続面の上端部よりも低い位置で接続面に接触させるとともに、第1平面との接触幅が設計値となる変形フォトレジストパターンを形成する。これにより、第1平面の端部付近におけるフォトレジストパターンの被覆不足や、接続面の上端部(接続面の第1主面側端部)付近における過剰被覆が防止され、設計寸法通りのフォトレジストパターンが形成される。よって、次に行われるエッチングにより、突起状欠陥のみでなく溝状欠陥の発生が防止され、設計値通りの構造体を得ることができる。
また、この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法は、既存の工程を改良したものであるので、新たに工程が追加されることがない。
また、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法によれば、第2平面とその端部に接続された下向きの接続面とを有する構造にフォトレジストパターンを形成する際に、まず、原フォトレジストパターンを第2平面上に第2平面の端部と離間するように形成する。そして、原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、接続面の上端部よりも高い位置で端部に接触させるとともに、第2平面との接触幅が設計値となる変形フォトレジストパターンを形成する。これにより、第2平面の端部付近におけるフォトレジストパターンの被覆不足や、第2平面の端部を越えてフォトレジストが流れ落ちることにより生じるフォトレジストパターンの過剰被覆が防止され、設計寸法通りのフォトレジストパターンが形成される。よって、次に行われるエッチングにより、突起状欠陥のみでなく溝状欠陥の発生が防止され、設計値通りの構造体を得ることができる。
また、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法は、既存の工程を改良したものであるので、新たに工程が追加されることがない。
図1〜9を参照して、この発明の実施の形態について説明する。尚、各図は、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の組成(材質)及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。従って、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されない。
(実施の形態1)
実施の形態1は、半導体装置の製造方法に関するものである。半導体装置の製造方法は、以下で説明するように、この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法を適用したフォトレジストパターン形成工程とエッチング工程とを含んでいる。ここで、フォトレジストパターン形成工程は、フォトレジスト塗布工程、リソグラフィー工程及び熱フロー工程を含んでいる。
図1〜3を参照して実施の形態1の半導体装置の製造方法の一好適例につき説明する。図1(A)は、実施の形態1で準備する基板の要部の断面切り口を示す図である。図1(B),(C)及び図2(A),(B)は、半導体装置の製造工程段階で得られた構造体の断面切り口で、それぞれを示す工程図である。図3(A)〜(D)は、実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明するための各製造工程段階で得られた構造体の断面切り口である。これらの図面の中で、図1(B)〜図2(A)は、フォトレジストパターン形成工程に係る。尚、図1(B)〜図2(B)においては、後述する基板の第2主面(12)の符号を適宜省略している。
まず、図1(A)を参照して、実施の形態1で準備する基板について説明する。基板14は、第1主面10と第1主面10の反対側に設けられた第2主面12とを有している。基板14の第1主面10側には、第1平面(第1の面)16、接続面(第3の面)18および第2平面(第2の面)19を含む構造20が備えられている。第1平面16は、第1主面10に平行に設けられている。第1平面16の端部16aには、第2主面12から第1主面10に向かう方向(すなわち、図中上向き方向)に延びる、第1主面10に垂直な接続面18が接続されている。接続面18の第1主面10側の端部(上端部)18aには、第1主面10に平行であり、第1平面16よりも高さが高い、すなわち、第2主面12との距離が第1平面よりも大きな第2平面19が接続されている。
基板10としては、好ましくは、シリコン基板が用いられている。また、接続面18の高さは、1μm程度である。
第1主面10側に設けられた構造20は、公知の方法で形成することができる。すなわち、第1主面10に所定のフォトレジストパターンを形成し、このフォトレジストパターンをエッチング保護膜として、第1主面10側からエッチングを行うことで、第1平面16、接続面18および第2平面19とを含む構造20が形成される。
図1(B)に示すフォトレジスト塗布工程では、第1主面10の全面にフォトレジスト膜21を形成する。このフォトレジスト膜21は、第2平面19上における膜厚が、通常、1μm程度である。
すなわち、好ましくは、スピンコータ中において、第2主面12を回転治具に固定して、基板14を高速回転させながら、第1主面10にフォトレジスト溶液を滴下する。そして、遠心力により、不要なフォトレジスト溶液を飛散させることで除去するとともに、フォトレジスト溶液を第1主面10に均一な厚さに塗布する。続いて、フォトレジスト溶液が均一に塗布された基板14を90°C程度の温度でプリベークすることにより、フォトレジスト膜21を形成する。
ここで、フォトレジストとしては、好ましくは、i線(波長:365nm)で露光されるポジ型フォトレジストであるノボラック系樹脂が用いられる。
図1(C)に示すリソグラフィー工程では、遮蔽部を有するマスク(不図示)を用いてフォトレジスト膜21を露光する。これにより、原フォトレジストパターン22を第1平面16上に接続面18と離間するように形成する。
すなわち、フォトレジスト膜21が形成された基板14を露光装置中にセットする。そして、光源から、所定形状の遮蔽部を有するマスクを介して、i線を照射して露光を行うことにより、マスクの遮蔽部形状をフォトレジスト膜21に転写する。その後、好ましくは、TMAH(tetra methyl ammonium hydroxide)水溶液等により、現像を行い、フォトレジスト膜21の不要部分を除去して、原フォトレジストパターン22を形成する。ここで、好ましくは、原フォトレジストパターン22の第1平面16との接触幅W1は通常、1μm程度とする。
図1(C)中、符号24で示した領域は設計領域である。設計領域24とは、フォトレジストパターンが、後述するエッチングから第1平面16を保護すべき領域のことである。図からも解るように、原フォトレジストパターン22の幅方向のサイズは、設計領域24よりも小サイズである。設計領域24は幅(以下、設計値と言う)がW2である。設計値W2と原フォトレジストパターン22の接触幅W1との間には、W2>W1の関係が成り立つ。
従来技術に従えば、露光の際に用いられるマスクの遮蔽部は、フォトレジストパターンの幅が設計値W2となるような幅(以下、従来幅という)とされるが、実施の形態1においては、後述するような理由により、原フォトレジストパターン22の幅がW1(W2>W1)となるように、あえて、マスクの遮蔽部の幅を従来よりも狭めている。
設計領域24の右端部は、原フォトレジストパターン22の右端部よりも右側に存在しており、第1平面16の端部16a、すなわち、接続面18に一致している。また、設計領域24の左端部は、原フォトレジストパターン22の左端部よりも左側に設けられている。つまり、設計領域24は幅方向におけるサイズが、原フォトレジストパターン22よりも大きく、原フォトレジストパターン22を包含するように設けられている。
また、原フォトレジストパターン22の右端部と設計領域24の右端部との間隔DR1(以下、右側間隔DR1という)は、露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値とする。これにより、露光時にマスク合わせ誤差が発生したとしても原フォトレジストパターン22を、接続面18と確実に離間して形成することができる。また、原フォトレジストパターン22の左端部と設計領域24の左端部との間隔DL1(以下、左側間隔DL1という)は、右側間隔DR1と同程度の大きさであるが、若干(10nm程度)大きい値とする。
この実施の形態においては、右側間隔DR1は、40nmとする。左側間隔DL1は、50nmとする。左側間隔及び右側間隔DL1及びDR1は、後述する熱フロー工程の加熱条件によっても変動するが、熱フロー工程の加熱により、原フォトレジストパターン22が変形可能な大きさとすることが好ましい。
図2(A)に示す熱フロー工程では、原フォトレジストパターン22を加熱して変形させることにより、接続面18の上端部18aよりも低い位置で接続面18に接触させるとともに、第1平面16との接触幅が設計値W2となる変形フォトレジストパターン26を形成する。
すなわち、好ましくは、原フォトレジストパターン22をホットプレートにより、130°Cの温度で1分加熱する。この加熱は、露光終了後の原フォトレジストパターン22から、水分やフォトレジスト溶媒を蒸発させるポストベークを兼ねる。ただ、一般的なポストベーク温度(110°C)よりも高温で加熱を行う。この加熱により、原フォトレジストパターン22は柔軟性を帯びて変形(熱フロー)する。つまり、原フォトレジストパターン22は加熱されて柔軟性を増し、やがて、自重を支えることが難しくなり、ついには第1平面16との接触面積が増大するように変形していく。
これにより、原フォトレジストパターン22は、自重により押し潰されるように変形する。すなわち、より大きな荷重が掛かる下部に向かうほど変形量が大きくなることにより、その高さが低くなる(厚さが薄くなる)とともに断面形状が略台形状となる。そして、第1平面16との接触面の左右端部は、それぞれ設計領域24の左右端部に向かって変形していく。この変形における原フォトレジストパターン22の左右端部の移動速度はそれぞれ等しい。
図1(C)に示したように、右側間隔DR1(40nm)は、左側間隔DL1(50nm)よりも狭いために、変形の過程で原フォトレジストパターン22の右端部がまず設計領域24の右端部、つまり、接続面18に至る。そして、接続面18により原フォトレジストパターン22が堰き止められている間に、原フォトレジストパターン22の左端部が、設計領域24の左端部に至るまで変形する。この段階で加熱を終了することにより、変形フォトレジストパターン26の幅を、設計値W2とすることができる。つまり、変形フォトレジストパターン26は、その左端部が設計領域24の左端部に一致するとともに、右端部は接続面18に堰き止められることで、設計領域の24の右端部に一致する。
ここで、加熱条件(加熱温度及び加熱時間)は、変形フォトレジストパターン26が、接続面18の上端部18aよりも低い位置(第2平面19よりも低い位置)で接続面18に接触し、かつ、変形フォトレジストパターン26の幅が設計値W2となるような条件とすることが好ましい。
加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎる場合、変形フォトレジストパターン26の幅が設計値W2よりも大きくなってしまったり、変形フォトレジストパターン26が、接続面18の上端部18aを越えて、第2平面19を被覆することがあるため好ましくない。
また、加熱温度が低すぎたり、加熱時間が短すぎる場合、変形フォトレジストパターン26の幅が設計値W2に満たなかったり、変形フォトレジストパターン26と接続面18との間に隙間が空いてしまうことがあるため好ましくない。
好適な加熱条件を見いだすためには、原フォトレジストパターン22の膜厚、加熱温度及び加熱時間をパラメータとした場合の、原フォトレジストパターン22の左右端部の移動速度(変形速度)を予め実験等により求めておくことが好ましい。
発明者らは、原フォトレジストパターン22として、i線レジスト(ノボラック系樹脂)を用い、原フォトレジストパターン22の幅W1を0.1μm刻みで、0.7〜1.2μmと変化させるとともに、膜厚を640nm,960nm,1080nmおよび1200nmと変化させて、種々の温度で加熱実験を行い、好適な加熱条件の調査を行った。
この実験によれば、加熱時間を1分に固定した場合、加熱温度を120〜160°Cとすることが好ましいことが明らかとなった。加熱温度が120°C未満であると、原フォトレジストパターン22が充分に変形しないため好ましくない。また、加熱温度が160°Cより高いと、原フォトレジストパターン22が変形しすぎてしまい、原フォトレジストパターン22の幅が設計値W2よりも大きくなってしまったり、原フォトレジストパターン22が過剰に変形してしまいエッジ部が丸まってしまうために好ましくない。特に、加熱温度を130°Cとすることが最も好ましい。加熱温度を130°Cとすると、原フォトレジストパターン22の膜厚によらず、実用上充分な変形速度が得られる。
図2(B)に示すエッチング工程では、変形フォトレジストパターン26をエッチング保護膜として、基板14の第1主面10側からエッチングを行う。
ここで、エッチング法としては、好ましくは、高いエッチング異方性が得られる反応性イオンエッチング法が用いられる。エッチングガスは、好ましくは、CF4を含んでいる。
これにより、変形フォトレジストパターン26で保護されている設計領域24以外の部分が所定の厚さだけエッチングされる。図示はしないが、エッチング工程の後に、変形フォトレジストパターン26を灰化処理等により除去することにより所望の構造を有する半導体装置を得ることができる。
尚、実施の形態1においては、接続面18の高さは1μm程度であったが、接続面18の高さには特に制限はない。
また、原フォトレジストパターン22の第1平面16との接触幅W1、つまり、原フォトレジストパターン22の幅は1μm程度であったが、接触幅W1にも特に制限はない。
また、実施の形態1においては、第1および第2平面16,19が、基板14の第1主面10に平行な場合を例示した。これは、第1および第2平面16,19が、第1主面10に対して完全に平行な場合のみに、この発明を限定する趣旨ではなく、基板14を加工する際に生じる誤差の範囲内で、第1および第2平面16,19と第1主面10との平行性がずれている場合も、この発明の技術的範囲に含まれる。さらに、第1および第2平面16,19は、完全に平坦な平面のみに限定される趣旨ではなく、基板14を加工する際に生じる誤差の範囲内で湾曲していたり、凹凸を有していてもよい。
同様に、接続面18に関しても、基板14を加工する際に生じる誤差の範囲内で、接続面18と第1主面10との垂直性がずれている場合も、この発明の技術的範囲に含まれる。さらに、接続面18は、完全に平坦な面のみに限定される趣旨ではなく、基板14を加工する際に生じる誤差の範囲内で湾曲していたり、凹凸を有していてもよい。
このように、実施の形態1の半導体装置の製造方法は、この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法を適用することにより、第1平面16及び接続面18で形成される段差部付近で発生するフォトレジストパターンの被覆不足や過剰被覆に由来する突起状欠陥や溝状欠陥の発生を防止することができる。
すなわち、背景技術の欄で説明した理由により、段差部を有する基板にフォトレジストパターンを形成する場合には、段差部付近で被覆不足(図3(A))や、過剰被覆(図3(B))が発生する場合がある。
被覆不足とは、本来段差部100の垂直面102までを被覆しなければならないフォトレジストパターン104の幅が足りずに、垂直面102とフォトレジストパターン104の側面とが離間してしまうことを言う。被覆不足の状態でエッチング工程を行うと、図3(C)に示すように、段差部100の下段側平面106に溝状欠陥110が発生してしまう。
同様に、過剰被覆とは、フォトレジストパターン104の幅が大きくなりすぎて、フォトレジストパターン104が段差部100の上段側平面108までを被覆してしまうことを言う。過剰被覆の状態でエッチング工程を行うと、図3(D)に示すように、段差部100の上段側平面108に突起状欠陥112が発生してしまう。
このように、実施の形態1の半導体装置の製造方法は、この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法を適用している。この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法によれば、リソグラフィー工程で、接続面18と離間して原フォトレジストパターン22を形成する。そして、熱フロー工程で、加熱により原フォトレジストパターン22を変形させて変形フォトレジストパターン26とする。この変形により、変形フォトレジストパターン26は、接続面18の上端部18aを越えることなく、接続面18に接触するとともに、第1平面16との接触幅が設計値W2となる。これにより、第1平面16の端部16a付近における被覆不足や、垂直面の上端部18a付近における過剰被覆が防止される。よって、半導体装置を製造する際の次工程であるエッチング工程で、突起状欠陥や溝状欠陥の発生が防止され、設計寸法通りの半導体装置を得ることができる。
また、この発明のフォトレジストパターンの第1の形成方法では、(i)露光時にマスクの遮蔽部の幅を狭くし、(ii)ポストベークを兼ねて熱フローを行うことで、設計寸法通りの変形フォトレジストパターン26を形成する。これら(i)、(ii)は、どちらも既存の工程を改良したものである。よって、この発明のフォトレジストパターンの形成方法には何ら新しい工程が追加されることがない。
(実施の形態2)
図4を参照して実施の形態2の半導体装置の製造方法の一好適例につき説明する。実施の形態2は、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法を適用した、半導体装置の製造方法に関するものであり、実施の形態1における第2平面19に原フォトレジストパターン28を形成するものである。そこで、この欄では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行う。
図4(A)〜(D)は、半導体装置の製造工程段階で得られた構造体の断面切り口で、それぞれを示す工程図である。尚、図4において、図1,2と共通する構造には同符号を付し、その説明を省略する。
図4(A)に示すフォトレジスト塗布工程により、第1主面10の全面にフォトレジスト膜21を形成する。このフォトレジスト膜21は、第2平面19上における膜厚が、1μm程度である。尚、フォトレジスト膜21を形成する具体的な手順は実施の形態1と同様である。
図4(B)に示すリソグラフィー工程では、遮蔽部を有するマスク(不図示)を用いてフォトレジスト膜21を露光することにより、原フォトレジストパターン28を第2平面19上に第2平面19の端部19aと離間するように形成する。ここで、原フォトレジストパターン28の第2平面19との接触幅W3は1μm程度である。尚、原フォトレジストパターン28を形成する具体的な手順は実施の形態1と同様である。
図4(B)中、符号30で示した領域は、設計領域である。図からも解るように、原フォトレジストパターン28の幅方向のサイズは、設計領域30よりも小サイズである。設計領域30は、幅(以下、設計値という)がW4とされており、原フォトレジストパターン28の第2平面19との接触幅W3と設計値W4との間には、W4>W3の関係が成り立つ。尚、「設計領域」という用語は、実施の形態1と同様の意味を示すものとする。
設計領域30の右端部は、原フォトレジストパターン28の右端部よりも右側に存在している。また、設計領域30の左端部は、原フォトレジストパターン22の左端部よりも左側に設けられており、第2平面19の端部19a、すなわち、接続面18に一致している。つまり、設計領域30は、原フォトレジストパターン28を包含するように設けられている。
また、原フォトレジストパターン28の左端部と設計領域30の左端部との間隔DL2(以下、左側間隔DL2という)は、実施の形態1で述べたのと同様の理由により、露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値に設定され、ここでは35nmである。また、原フォトレジストパターン28の右端部と設計領域30の右端部との間隔DR2(以下、右側間隔DR2という)は、左側間隔DL2と同程度の大きさであるが、若干(5nm程度)大きい値に設定され、ここでは、40nmである。
ここで、左右間隔DL2,DR2は、後述する熱フロー工程の加熱条件によっても変動するが、熱フロー工程の加熱により、原フォトレジストパターン28が変形可能な大きさとすることが好ましい。
図4(C)に示す熱フロー工程では、原フォトレジストパターン28を加熱して変形させる。これにより、接続面18の上端部18aよりも高い位置(第2平面19の端部19aよりも高い位置)で第2平面19の端部19aに接触するともに、第2平面19との接触幅が設計値W4となる変形フォトレジストパターン32を形成する。尚、「接続面18の上端部18aよりも高い位置で第2平面19の端部19aに接触する」とは、変形フォトレジストパターン32が、第2平面19の端部19aにとどまり、接続面18を垂れ落ちることがないことを意味している。
熱フロー工程は、具体的には、原フォトレジストパターン28を130°Cの温度で1分加熱することで行われる。これにより、原フォトレジストパターン28は、自重により押し潰されるように変形する。すなわち、より大きな荷重が掛かる下部に向かうほど変形量が大きくなることにより、その高さが低くなる(厚さが薄くなる)とともに断面形状が略台形状となる。そして、第2平面19との接触面の左右端部は、それぞれ設計領域30の左右端部に向かって変形していく。この変形における原フォトレジストパターン28の左右端部の移動速度はそれぞれ等しい。
ここで、左側間隔DL2(35nm)は、右側間隔DR2(40nm)よりも狭いために、変形の過程で原フォトレジストパターン28の左端部が、まず、設計領域30の左端部、つまり、第2平面19の端部19aに至る。端部19aに至った原フォトレジストパターン28には、自らの表面積を最小に保つように働く表面張力が作用する。この表面張力により、原フォトレジストパターン28は、端部19aにとどまり、接続面18を垂れ落ちることがない。このようにして、原フォトレジストパターン28の左端部が端部19aにとどまっている間に、原フォトレジストパターン28の右端部が設計領域30の右端部に至るまで変形する。この段階で加熱を終了することにより、得られる変形フォトレジストパターン32の幅を、設計値W4とすることができる。つまり、変形フォトレジストパターン32は、その左端部が第2平面19の端部19aにとどまることで、設計領域30の左端部に一致するとともに、右端部は設計領域の30の右端部に一致する。
ここで、熱フロー工程における加熱(加熱温度及び加熱時間)の好適条件は、実施の形態1と同様である。
図4(D)に示すエッチング工程では、変形フォトレジストパターン32をエッチング保護膜として、基板14の第1主面10側から実施の形態1と同様のエッチングを行う。図示はしないが、エッチング工程の後に、変形フォトレジストパターン32を灰化処理等により除去することにより所望の構造を有する半導体装置を得ることができる。
尚、実施の形態2において、原フォトレジストパターン28の第2平面19との接触幅W3には特に制限はない。
このように、実施の形態2の半導体装置の製造方法は、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法を適用することにより、第2平面19及び接続面18で形成される段差部付近で発生するフォトレジストパターンの被覆不足や過剰被覆に由来する突起状欠陥や溝状欠陥の発生を防止することができる。つまり、リソグラフィー工程で、第2平面19の端部19aと離間して原フォトレジストパターン28を形成する。そして、熱フロー工程で、加熱により原フォトレジストパターン28を変形させて、変形フォトレジストパターン32とする。この変形により、変形フォトレジストパターン32は、接続面18の上端部18aよりも高い位置で、第2平面19の端部19aに接触するとともに、第2平面19との接触幅が設計値W4となる。これにより、第2平面19の端部19a付近における被覆不足や、接続面18の上端部18aを越えての過剰被覆が防止される。よって、半導体装置を製造する際の次工程であるエッチング工程で、突起状欠陥や溝状欠陥の発生が防止され、設計寸法通りの半導体装置を得ることができる。
また、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法では、(i)露光時にマスクの遮蔽部の幅を狭くし、(ii)ポストベークを兼ねて熱フローを行うことで、設計寸法通りの変形フォトレジストパターン32を形成する。これら(i)、(ii)は、どちらも既存の工程を改良したものである。よって、この発明のフォトレジストパターンの第2の形成方法には何ら新しい工程が追加されることがない。
尚、熱フロー工程において、変形することにより第2平面19の端部19aに至った原フォトレジストパターン28には、自らの表面積を最小に保つように働く表面張力が作用する。この表面張力により、原フォトレジストパターン28は、端部19aにとどまるので、端部19aを越えて接続面18を垂れ落ちることがない。
(実施の形態3)
実施の形態3において、半導体装置の製造方法の一好適例につき説明する。実施の形態3の半導体装置の製造方法は、以下で説明するように、フォトレジストパターン形成工程とエッチング工程とを含んでいる。ここで、このフォトレジストパターン形成工程はさらに、フォトレジスト塗布工程、リソグラフィー工程及び熱フロー工程を含んでいる。
実施の形態3は、いわば実施の形態1又は実施の形態2における第1平面16及び第2平面19の両方に同時に原フォトレジストパターンを形成するものである。
図5〜6を参照して実施の形態3の半導体装置の製造方法を説明する。図5(A)は、実施の形態3で準備する基板の要部を示す断面切り口を示す図である。図5(B),(C)及び図6(A),(B)は、半導体装置の製造工程段階で得られた構造体の断面切り口で、それぞれを示す工程図である。これらの図面の中で、図5(B)〜図6(A)は、フォトレジストパターン形成工程に係る。尚、図5(B)〜図6(B)においては、後述する基板の第2主面(12)の符号を適宜を省略している。
まず、図5(A)を参照して、実施の形態3で準備する基板について説明する。基板34は、第1主面10と第1主面10の反対側に設けられた第2主面12とを有している。
基板34の第1主面10側には、第1平面36と第1傾斜面38とを含む構造40、及び、第2平面42と第2傾斜面44とを含む構造41が備えられている。
構造40においては、第1平面36は、第1主面10に平行に設けられている。第1平面の端部36aには、第2主面12から第1主面10に向かう方向(すなわち、図中上向き方向)に延びる第1主面10に垂直な第1傾斜面38が接続されている。ここで、第1傾斜面38の高さは、1μm程度である。
そして、第1傾斜面38は、第1傾斜面38の第1主面10側端部(上端部)38aにおいて別の平面(第2平面42)に接続されている。
構造41においては、第2平面42は、第1主面10に平行に設けられている。第2平面の端部42aには、第1主面10から第2主面12に向かう方向(すなわち、図中下向き方向)に延びる第1主面10に垂直な第2傾斜面44が接続されている。ここで、第2平面42の端部42aは、第2傾斜面44の第1主面10側端部(上端部)44aと一致している。ここで、第2平面42は第1平面36よりも1μm程度高さが高く形成されている。
そして、第2傾斜面44は、基板34の第2主面12に至るか、または、第1傾斜面44の第2主面12側端部(下端部)において別の平面(不図示)に接続されている。
尚、図5(A)における構造40と構造41との位置関係は便宜的なものである。つまり、第1主面10側に、構造40と、構造40よりも高さが高い構造41とが設けられていれば、構造40と構造41との高さ方向や水平方向の位置関係には、特に制限はない。
基板34としては、好ましくは、シリコン基板が用いられている。
図5(B)に示すフォトレジスト塗布工程では、第1主面10の全面にフォトレジスト膜48を形成する。このフォトレジスト膜48は、第1主面10側に存在する最も高い平面からの膜厚が、1μm程度である。尚、フォトレジスト膜48を形成する具体的な手順は実施の形態1と同様である。
図5(C)に示すリソグラフィー工程では、遮蔽部を有するマスク(不図示)を用いてフォトレジスト膜48を露光する。これにより、第1原フォトレジストパターン50を、第1平面36上に第1傾斜面38と離間するように形成する。同時に、第2原フォトレジストパターン52を第2平面42上に第2平面42の端部42aと離間するように形成する。
ここで、第1原フォトレジストパターン50の第1平面36との接触幅W5、及び、第2原フォトレジストパターン52の第2平面42との接触幅W6は、ともに1μm程度である。尚、第1及び第2原フォトレジストパターン50,52を形成する具体的な手順は実施の形態1と同様である。
図5(C)中、符号54で示した領域は、第1設計領域である。図からも解るように、第1原フォトレジストパターン50の幅方向のサイズは、第1設計領域54よりも小サイズである。第1設計領域54は、幅(以下、設計値という)がW7であり、第1原フォトレジストパターン50の第1平面36との接触幅W5と設計値W7との間には、W7>W5の関係が成り立つ。
第1設計領域54の右端部は、第1原フォトレジストパターン50の右端部よりも右側に存在しており、第1平面36の端部36a、すなわち、第1傾斜面38に一致している。また、第1設計領域54の左端部は、第1原フォトレジストパターン50の左端部よりも左側に設けられている。つまり、第1設計領域54は第1原フォトレジストパターン50を包含するように設けられている。
また、第1原フォトレジストパターン50の右端部と第1設計領域54の右端部との間隔DR3(以下、右側間隔DR3という)は、実施の形態1で述べたのと同様の理由により、露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値とされ、ここでは40nmである。また、第1原フォトレジストパターン50の左端部と第1設計領域54の左端部との間隔DL3(以下、左側間隔DL3という)は、右側間隔DR3と同程度の大きさであるが、若干(10nm程度)大きい値に設定され、ここでは、50nmである。
図5(C)中、符号56で示した領域は、第2設計領域である。図からも解るように、第2原フォトレジストパターン52の幅方向のサイズは、第2設計領域56よりも小サイズである。第2設計領域56は、幅(以下、設計値という)がW8とされており、第2原フォトレジストパターン52の第2平面42との接触幅W6と設計値W8との間には、W8>W6の関係が成り立つ。
第2設計領域56の右端部は、第2原フォトレジストパターン52の右端部よりも右側に存在しており、第2平面42の端部42a、すなわち、第2傾斜面44に一致している。また、第2設計領域56の左端部は、第2原フォトレジストパターン52の左端部よりも左側に設けられている。つまり、第2設計領域56は第2原フォトレジストパターン52を包含するように設けられている。
また、第2原フォトレジストパターン52の右端部と第2設計領域56の右端部との間隔DR4(以下、右側間隔DR4という)は、実施の形態1で述べたのと同様の理由により、露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値であり、ここでは35nmである。また、第2原フォトレジストパターン52の左端部と第2設計領域56の左端部との間隔DL4(以下、左側間隔DL4という)は、右側間隔DR4と同程度の大きさであるが、若干(5nm程度)大きい値とされ、ここでは、40nmである。
尚、ここで、「設計領域」という用語は、実施の形態1と同様の意味を示すものとする。
このように、右側間隔DR3(40nm)を露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値とすることにより、第1原フォトレジストパターン50と第1傾斜面38とを確実に離間させることができる。同様の理由により、右側間隔DR4を35nmとしたので、第2原フォトレジストパターン52と第2平面42の端部42aとを確実に離間させることができる。
ここで、右側間隔DR3,DR4同士を比較すると、DR3>DR4であり、左側間隔DL3,DL4同士を比較すると、DL3>DL4となっている。この理由は、後述する熱フロー工程において、第1原フォトレジストパターン50の方が第2原フォトレジストパターン52よりも変形速度、つまり、左右端部の移動速度が大きいからである。これは、第1原フォトレジストパターン50は、第2原フォトレジストパターン52よりも膜厚が厚いので、第1平面36との接触面において、単位面積あたりにより大きな荷重が掛かる。そのため、第1原フォトレジストパターン50は第2原フォトレジストパターン52よりも変形しやすいからである。
図6(A)に示す熱フロー工程では、第1原フォトレジストパターン50を加熱して変形させることにより、第1傾斜面38の第1主面側端部(上端部)38aよりも低い位置で第1傾斜面38に接触させるとともに、第1平面36との接触幅が設計値W7となる第1変形フォトレジストパターン58を形成する。同時に、第2原フォトレジストパターン52を加熱して変形させることにより、第2傾斜面44の第1主面10側端部(上端部)44aよりも高い位置で第2平面42の端部42aに接触させるとともに、第2平面42との接触幅が設計値W8となる第2変形フォトレジストパターン60を形成する。
すなわち、第1及び第2原フォトレジストパターン50,52を130°Cの温度で1分加熱する。
これにより、第1原及び第2フォトレジストパターン50,52は、自重により押し潰されるように変形する。すなわち、より大きな荷重が掛かる下部に向かうほど変形量が大きくなることにより、その高さが低くなる(厚さが薄くなる)とともに断面形状が略台形状となる。そして、第1および第2平面36,42との接触面の左右端部は、それぞれ第1及び第2設計領域54,56の左右端部に向かって変形していく。
第1原フォトレジストパターン50は、実施の形態1で述べたものと同様の変形を受ける。すなわち、第1原フォトレジストパターン50の右端部がまず第1設計領域54の右端部、つまり、第1傾斜面38に至る。そして、第1傾斜面38により第1原フォトレジストパターン50が堰き止められている間に、第1原フォトレジストパターン50の左端部が、第1設計領域54の左端部に至るまで変形する。
第2原フォトレジストパターン52は、実施の形態2で述べたものと同様の変形を受ける。すなわち、第2原フォトレジストパターン52の右端部が、まず、第2設計領域56の右端部、つまり、第2平面42の端部42aに至る。端部42aに至った第2原フォトレジストパターン52は第2傾斜面44を垂れ落ちることなく、表面張力により端部42aにとどまる。第2原フォトレジストパターン52の右端部が端部42aにとどまっている間に、第2原フォトレジストパターン52の左端部が第2設計領域56の左端部に至るまで変形する。
前述した理由により、第1原フォトレジストパターン50の加熱による変形速度は、第2原フォトレジストパターン52よりも速い。ところで、右側間隔DR3,DR4間には、DR3>DR4なる関係があり、左側間隔DL3,DL4間には、DL3>DL4なる関係が存在する。よって、第1原フォトレジストパターン50が設計領域54を被覆するまで変形するに要する時間と、第2原フォトレジストパターン52が設計領域56を被覆する間で変形するに要する時間とは略等しくなる。
この段階で加熱を終了することにより、第1変形フォトレジストパターン58の幅を設計値W7とし、第2変形フォトレジストパターン60の幅を設計値W8とすることができる。つまり、第1傾斜面38に接触する第1変形フォトレジストパターン58、及び、第2平面42の端部42aに接触する第2変形フォトレジストパターン60が得られる。
尚、熱フロー工程における加熱(加熱温度及び加熱時間)の好適な条件は、実施の形態1と同様である。
図6(B)に示すエッチング工程では、第1及び第2変形フォトレジストパターン58,60をエッチング保護膜として、基板34の第1主面10側から実施の形態1と同様のエッチングを行う。図示はしないが、エッチング工程の後に、第1及び第2変形フォトレジストパターン58,60を灰化処理等により除去することにより所望の構造を有する半導体装置を得ることができる。
尚、実施の形態3においては、第1傾斜面38の高さは1μm程度であるが、第1傾斜面38の高さには特に制限はない。
また、第1及び第2原フォトレジストパターン50,52の第1及び第2平面36,42との接触幅W5,W6は1μm程度であるが、接触幅W5,W6にも特に制限はない。
また、実施の形態3においては、第1および第2平面36,42が、基板34の第1主面10に平行な場合を例示した。これは、第1および第2平面36,42が、第1主面10に対して完全に平行な場合のみに、この発明を限定する趣旨ではなく、基板34を加工する際に生じる誤差の範囲内で、第1および第2平面36,42と第1主面10との平行性がずれている場合も、この発明の技術的範囲に含まれる。さらに、第1および第2平面36,42は、完全に平坦な平面のみに限定される趣旨ではなく、基板34を加工する際に生じる誤差の範囲内で湾曲していたり、凹凸を有していてもよい。
同様に、第1および第2傾斜面38,44に関しても、基板34を加工する際に生じる誤差の範囲内で、第1および第2傾斜面38,44と第1主面10との垂直性がずれている場合も、この発明の技術的範囲に含まれる。さらに、第1および第2傾斜面38,44は、完全に平坦な面のみに限定される趣旨ではなく、基板34を加工する際に生じる誤差の範囲内で湾曲していたり、凹凸を有していてもよい。
このように、実施の形態3の半導体装置の製造方法では、この発明のフォトレジストパターンの第3の形成方法を適用している。これにより、第1平面36及び第1傾斜面38で形成される段差部付近や第2平面42及び第2傾斜面44で形成される段差部付近で発生するフォトレジストパターンの被覆不足や過剰被覆に由来する突起状欠陥や溝状欠陥の発生を防止することができる。つまり、リソグラフィー工程で、第1傾斜面38と離間して第1原フォトレジストパターン50を形成すると同時に、第2平面42の端部42aと離間して第2原フォトレジストパターン52を形成する。そして、熱フロー工程で、加熱により第1及び第2原フォトレジストパターン50,52を変形させて変形フォトレジストパターン58,60とする。変形により、第1変形フォトレジストパターン58は、第1傾斜面38の上端部38aを越えることなく、第1傾斜面38に接触するとともに、第1平面36との接触幅が設計値W7となる。また、変形により第2変形フォトレジストパターン60は、第2傾斜面44の上端部44aよりも高い位置で、第2平面42の端部42aに接触するとともに、第2平面との接触幅が設計値W8となる。これにより、被覆不足や過剰被覆が防止される。よって、半導体装置を製造する際の次工程であるエッチング工程で、突起状欠陥や溝状欠陥の発生が防止され、設計寸法通りの半導体装置を得ることができる。
また、この発明のフォトレジストパターンの第3の形成方法では、(i)露光時にマスクの遮蔽部の幅を狭くし、(ii)ポストベークを兼ねて熱フローを行うことで、設計寸法通りの第1及び第2変形フォトレジストパターン58,60を形成する。これら(i)、(ii)は、どちらも既存の工程を改良したものである。よって、この発明のフォトレジストパターンの第3の形成方法には何ら新しい工程が追加されることがない。
(実施の形態4)
実施の形態4において、回折格子の製造方法の一好適例につき説明する。ここでは、特にバイナリ型回折格子の製造方法について説明する。バイナリ型回折格子とは、基板の第1主面に平行であり高さが異なる2以上の平面が、それぞれの端部において基板の第1主面に垂直な垂直面により接続された階段状構造を有するものである。換言すれば、バイナリ型回折格子とは、基板に形成された、所定幅毎に高さが所定値ずつ変化する階段状構造である、と言うこともできる。
バイナリ型回折格子は、以下で説明するように、複数の工程からなる工程単位を1回以上繰り返すことで製造される。一つの工程単位は、以下に示す3つの工程からなる。
(1)遮蔽部を有するマスクを用いて基板の第1主面側に形成されたフォトレジスト膜を露光して、フォトレジストパターンを形成する工程(フォトレジストパターン形成工程)、
(2)フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、基板を第1主面側からエッチングする工程(エッチング工程)、及び、
(3)第1主面側に残るフォトレジストパターンを除去する工程(灰化工程)
ここで、フォトレジストパターン形成工程は、さらに(1−1)フォトレジスト塗布工程、(1−2)リソグラフィー工程、及び、(1−3)熱フロー工程とを含んでいる。
実施の形態4においては、マスクの遮蔽部の形状及び位置を変化させながら工程単位を3回繰り返すことにより、7段の階段状構造からなるバイナリ型回折格子を形成する場合を例に挙げて説明を行う。
図7〜9は、実施の形態4の回折格子の製造方法を説明するための図面である。図7(A)〜(C)、図8(A)〜(C)及び図9(A),(B)は回折格子の製造工程段階で得られた構造体の断面切り口で、それぞれを示す工程図である。ここで、図7(A),(B)が第1工程単位に対応する構造体の断面切り口を示す工程図であり、図7(C)及び図8(A),(B)が第2工程単位に対応する構造体の断面切り口を示す工程図であり、図8(C)及び図9(A),(B)が第3工程単位に対応する構造体の断面切り口を示す工程図である。
まず、図7(A)を参照して、実施の形態4で用いる基板について説明する。基板62は、第1主面64と第1主面64の反対側に設けられた第2主面66とを有している。そして、第1主面64上に互いに隣接する7つの領域である第1領域〜第7領域が設定されている。尚、以下では、第1領域を領域aと、第2領域を領域bと、第3領域を領域cと第4領域を領域dと、第5領域を領域eと、第6領域を領域fと、第7領域を領域gとそれぞれ称することとする。7つの領域a〜gは、それぞれ等しい幅Wを有している。この7つの領域a〜gにより一つの単位構造Tが構成されている。
単位構造Tは、第1主面64上において、幅方向に隣接して繰り返されている。ここで、単位構造Tの左側に位置する単位構造をTLnと表し、単位構造Tの右側に位置する単位構造をTRnと表す(ここでnは、単位構造Tの幅で計った、単位構造Tからの距離である)。この表現を用いて、第1主面64上で単位構造の並びを表すと、図面左側から、…,TLn,…,TL1,T,TR1,…,TLn,…のように、幅方向に隣接して繰り返された並びとなっている。この単位構造…,TLn,…,TL1,T,TR1,…,TLn,…の繰り返しにより、第1主面64上に周期構造が設定されている。
ここで、単位構造Tに注目すると、単位構造Tの領域aの左側には、隣接する単位構造TL1の領域gL1が隣接することとなる。また、単位構造Tの領域gの右側には、隣接する単位構造TR1の領域aR1が隣接することとなる。
尚、実施の形態4で製造するバイナリ型回折格子においては、幅Wは1μmとされている。また、1つの垂直面を挟んで隣接する2平面間の高さの差hは0.2μmとされている。
また、後述する回折格子の製造方法の工程を追った記述では、周期構造…,TLn,…,TL1,T,TR1,…,TLn,…中の単位構造Tに注目して説明を行っているが、同様の製造工程は、単位構造T以外の単位構造についても同時に行われている。
続いて、図7(A)〜図9(B)を参照して回折格子の製造方法について説明する。
(1)第1工程単位
(1−1)フォトレジストパターン形成工程
図7(A)を参照してフォトレジストパターン形成工程について説明する。
(1−1−1)フォトレジスト塗布工程
実施の形態1で述べた「フォトレジスト塗布工程」の手順と同様にして、基板62の第1主面64側の全面に、約1μmのフォトレジスト膜を形成する。
(1−1−2)リソグラフィー工程
そして、領域e〜gに対応する位置に遮蔽部を有するマスクを用いて、実施の形態1で述べた「リソグラフィー工程」の手順と同様にして、露光及び現像を行う。現像終了後、基板62を110°Cで1分間加熱することによりポストベークを行う。これにより、領域e〜gを被覆するフォトレジストパターン68を形成する。
尚、マスクとしては、領域e〜gの幅3Wに等しい幅の遮蔽部を有するものを用いる。
(1−2)エッチング工程
フォトレジストパターン68をエッチング保護膜として、領域a〜dを深さ3h(0.6μm)だけエッチングする。エッチングの具体的手順は実施の形態1の「エッチング工程」で述べたものと同様である。
これにより、領域d,eの境界に第1主面64に垂直であり、上端部70aを有する第1垂直面70を、領域gと隣接する単位構造TR1の領域aR1との境界に第1主面64に垂直であり、上端部72aを有する第2垂直面72を形成する。
(1−3)灰化工程
図7(B)を参照して灰化工程について説明する。フォトレジストパターン68を、O2プラズマを用いた灰化処理により除去する。
これにより、領域a〜dが深さ3hだけ低くなり、領域d,e境界に第1垂直面70を有し、領域gと隣接する単位構造TR1の領域aR1との境界に第2垂直面72を有する構造が得られる。
(2)第2工程単位
第1工程単位では、段差部を有さない水平面状の単位構造Tに対してフォトレジストパターン形成工程を実施した。そのため、マスクの遮蔽部の幅やポストベークについては特別な配慮をする必要がなかった。しかし、第2工程単位以降の工程単位では、第1主面64側に段差部を有する単位構造Tに対してフォトレジストパターン形成工程を実施することになる。そのため、第2工程単位以降のフォトレジストパターン形成工程は、マスクの遮蔽部の幅を設計値よりも狭くして露光を行うリソグラフィー工程と、ポストベークを兼ねて原フォトレジストパターンを加熱することにより変形させる熱フロー工程とを含むこととなる。
(2−1)フォトレジストパターン形成工程
(2−1−1)フォトレジスト塗布工程
実施の形態1で述べた「フォトレジスト塗布工程」の手順と同様にして、基板62の第1主面64側の全面に、フォトレジスト膜を形成する。このときのフォトレジスト膜の厚さは、第2主面66から第1主面64に向かう方向の高さが最も高い領域e〜g上において約1μmである。
(2−1−2)リソグラフィー工程
図7(C)を参照してリソグラフィー工程について説明する。
領域c,d及び領域f,gに対応する位置に遮蔽部を有するマスクを用いて、実施の形態1で述べたと同様の露光を行う。ここで、マスクとしては、領域c,dの幅2Wよりも若干小さく、かつ、領域f,gの幅2Wよりも若干小さい遮蔽部を有するものが用いられる。露光終了後、実施の形態1で述べたと同様にして現像を行う。
このようにして、領域c,dを被覆する第1原フォトレジストパターン74と、領域f,gを被覆する第2原フォトレジストパターン76とを形成する。
前述のようにマスクの遮蔽部幅を領域c,dの幅2Wよりも小さくしているので、第1原フォトレジストパターン74の幅は、設計値2Wよりも小さくなる。つまり、第1原フォトレジストパターン74の領域a側端部(左端部)74Lは、領域b,cの境界と、間隔SL1だけ離間しており、領域g側端部(右端部)74Rは、第1垂直面70と、間隔SR1だけ離間している。ここで、SR1=40nmであり、SL1=50nmである。
同様の理由により、第2原フォトレジストパターン76の幅も設計値2Wよりも小さくなる。つまり、第2原フォトレジストパターン76の領域a側端部(左端部)76Lは、領域e,f境界と、間隔SL2だけ離間しており、領域g側端部(右端部)76Rは、領域gと隣接する単位構造TR1の領域aR1との境界(第2垂直面72)と、間隔SR2だけ離間している。ここで、SL2=40nmであり、SR2=35nmである。
実施の形態1で述べたのと同様の理由により、SR1,SR2,SL1,SL2は、露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値とされる。
ここで、右側間隔SR1,SR2同士を比較すると、SR1>SR2であり、左側間隔SL1,SL2同士を比較すると、SL1>SL2となっている。この理由は、実施の形態3で述べたように、第1原フォトレジストパターン74の方が第2原フォトレジストパターン76よりも厚さが厚く、熱フロー工程における変形速度に関して、(第1原フォトレジストパターン74>第2原フォトレジストパターン76)という関係が成り立つからである。
(2−1−3)熱フロー工程
図8(A)を参照して熱フロー工程について説明する。
実施の形態1で述べた「熱フロー工程」の手順と同様にして、基板62を加熱することにより、第1及び第2原フォトレジストパターン74,76を変形させることで第1及び第2変形フォトレジストパターン78,80を形成する。
第1原フォトレジストパターン74は、実施の形態1で述べたと同様に変形し、これにより、領域a側端部(左端部)78Lが領域b,cの境界に接触するともに、領域g側端部(右端部)78Rが第1垂直面70の上端部70aよりも低い位置で第1垂直面70に接触する、第1変形フォトレジストパターン78が得られる。
また、第2原フォトレジストパターン76は、実施の形態2で述べたと同様に変形し、これにより、領域a側端部(左端部)80Lが領域e,fの境界に接触するとともに、領域g側端部(右端部)80Rが第2垂直面72の上端部72aよりも高い位置で、領域gと、隣接する単位構造TR1の領域aR1との境界に接触する第2変形フォトレジストパターン80が得られる。
熱フロー工程において、第1原フォトレジストパターン74の左右端部は、第2原フォトレジストパターン76の左右端部よりも長い距離を変形により移動しなければならない(SL1>SL2、SR1>SR2)。しかし、前述したように、熱フロー工程における変形速度には、(第1原フォトレジストパターン74>第2原フォトレジストパターン76)という関係が成り立つので、第1原フォトレジストパターン74が領域c,dを被覆するのに要する時間と、第2原フォトレジストパターン76が領域f,gを被覆するのに要する時間とは略等しくなる。
(2−2)エッチング工程
第1及び第2変形フォトレジストパターン78,80をエッチング保護膜として、領域a,b,eを深さ2h(0.4μm)だけエッチングする。エッチングの具体的手順は実施の形態1の「エッチング工程」で述べたものと同様である。
これにより、領域b,cの境界に第1主面64に垂直であり、上端部82aを有する第3垂直面82を、領域e,fの境界に第1主面64に垂直であり、上端部84aを有する第4垂直面84を形成する。
(2−3)灰化工程
図8(B)を参照して灰化工程について説明する。第1及び第2変形フォトレジストパターン78,80を、O2プラズマを用いた灰化処理により除去する。
これにより、領域a,bが深さ5hだけ低くなり、領域c,dが深さ3hだけ低くなり、領域eが深さ2hだけ低くなるとともに、領域b,c境界に第3垂直面82を有し、領域e,f境界に第4垂直面84を有する構造が得られる。
(3)第3工程単位
(3−1)フォトレジストパターン形成工程
(3−1−1)フォトレジスト塗布工程
実施の形態1で述べた「フォトレジスト塗布工程」の手順と同様にして、基板62の第1主面64側の全面に、フォトレジスト膜を形成する。このときのフォトレジスト膜の厚さは、第2主面66から第1主面64に向かう方向の高さが最も高い領域f,g上において約1μmである。
(3−1−2)リソグラフィー工程
図8(C)を参照してリソグラフィー工程について説明する。
領域b、領域d,e及び領域gに対応する位置に遮蔽部を有するマスクを用いて、実施の形態1で述べたと同様の露光を行う。ここで、マスクとしては、領域b及び領域gの幅Wよりも若干狭く、領域d,eの幅2Wよりも若干狭い遮蔽部を有するものが用いられる。露光終了後、実施の形態1で述べたと同様にして現像を行う。
このようにして、領域bを被覆する第3原フォトレジストパターン86、領域d,eを被覆する第4原フォトレジストパターン88及び領域gを被覆する第5原フォトレジストパターン90を形成する。
前述のようにマスクの遮蔽部幅を、領域bの幅Wよりも若干狭くしているので、第3原フォトレジストパターン86の幅は、設計値Wよりも小さくなる。つまり、第3原フォトレジストパターン86の領域a側端部(左端部)86Lは、領域a,bの境界と、間隔SL3だけ離間しており、領域g側端部(右端部)86Rは、第3垂直面82と、間隔SR3だけ離間している。ここで、SR3=50nmであり、SL3=65nmである。
同様の理由により、第4原フォトレジストパターン88の幅も設計値2Wよりも小さくなる。つまり、第4原フォトレジストパターン88の領域a側端部(左端部)88Lは、領域c,d境界と、間隔SL4だけ離間しており、領域g側端部(右端部)88Rは、第4垂直面84と、間隔SR4だけ離間している。ここで、SR4=40nmであり、SL4=50nmである。
同様の理由により、第5原フォトレジストパターン90の幅も設計値Wよりも小さくなる。つまり、第5原フォトレジストパターン90の領域a側端部(左端部)90Lは、領域f,g境界と、間隔SL5だけ離間しており、領域g側端部(右端部)90Rは、領域gと隣接する単位構造TR1の領域aR1との境界(第2垂直面72)と、間隔SR5だけ離間している。ここで、SL5=40nmであり、SR5=35nmである。
実施の形態1で述べたのと同様の理由により、SR3,SR4,SR5,SL3,SL4,SL5は、露光時のマスク合わせの際に発生する位置誤差(30nm程度)よりも大きな値とされる。
ここで、右側間隔SR3,SR4及びSR5を比較すると、SR3>SR4>SR5であり、左側間隔SL3,SL4及びSL5を比較すると、SL3>SL4>SL5となっている。この理由は、(2−1−2)で述べたものと同様であり、第3〜第5原フォトレジストパターン86,88,90の厚さの違いに起因して、第3〜第5原フォトレジストパターン86,88,90の熱フロー工程における変形速度に(第3原フォトレジストパターン86>第4原フォトレジストパターン88>第5原フォトレジストパターン90)という関係が成り立つからである。
(3−1−3)熱フロー工程
図9(A)を参照して熱フロー工程について説明する。
実施の形態1で述べた「熱フロー工程」の手順と同様にして、基板62を加熱することにより、第3〜第5原フォトレジストパターン86,88,90を変形させることで第3〜第5変形フォトレジストパターン92,94,96を形成する。
第3原フォトレジストパターン86は、実施の形態1で述べたと同様に変形し、これにより、領域a側端部(左端部)92Lが領域a,bの境界に接触するともに、領域g側端部(右端部)92Rが第3垂直面82の上端部82aよりも低い位置で第3垂直面82に接触する、第3変形フォトレジストパターン92が得られる。
第4原フォトレジストパターン88は、実施の形態1で述べたと同様に変形し、これにより、領域a側端部(左端部)94Lが領域c,dの境界に接触するとともに、領域g側端部(右端部)94Rが第4垂直面84の上端部84aよりも低い位置で、第4垂直面84に接触する、第4変形フォトレジストパターン94が得られる。
第5原フォトレジストパターン90は、実施の形態2で述べたと同様に変形し、これにより、領域a側端部(左端部)96Lが領域f,gの境界に接触するとともに、領域g側端部(右端部)96Rが、第2垂直面72の上端部72aよりも高い位置で、領域gと隣接する単位構造TR1の領域aR1との境界に接触する第5変形フォトレジストパターン96が得られる。
熱フロー工程において、第3〜第5原フォトレジストパターン86,88,90の左右端部の移動すべき距離は、この順序で短くなっている(SR3>SR4>SR5、SL3>SL4>SL5)。しかし、前述したように、熱フロー工程における変形速度には、(第3原フォトレジストパターン86>第4原フォトレジストパターン88>第5原フォトレジストパターン90)という関係が成り立つので、第3原フォトレジストパターン86が領域bを被覆するのに要する時間、第4原フォトレジストパターン88が領域d,eを被覆するのに要する時間、及び、第5原フォトレジストパターン90が領域gを被覆するのに要する時間は略等しくなる。
(3−2)エッチング工程
第3〜第5変形フォトレジストパターン92,94,96をエッチング保護膜として、領域a,c,fを深さh(0.2μm)だけエッチングする。エッチングの具体的手順は実施の形態1の「エッチング工程」で述べたものと同様である。
(3−3)灰化工程
図9(B)を参照して灰化工程について説明する。第3〜第5変形フォトレジストパターン92,94,96をO2プラズマを用いた灰化処理により除去する。
これにより、領域aが深さ6hだけ低くなり、領域bが深さ5hだけ低くなり、領域cが深さ4hだけ低くなり、領域dが深さ3hだけ低くなり、領域eが深さ2hだけ低くなり、領域fが深さhだけ低くなり、領域gの高さが変化しない構造体が形成される。つまり、領域aから領域gにかけて、高さがhずつ高くなる7つの平面からなるバイナリ型回折格子が形成される。
なお、実施の形態4においては、第1〜第4垂直面70,72,82,84は、第1主面64に対して、垂直な場合を例示したが、これは、第1〜第4垂直面70,72,82,84が、第1主面64に対して完全に垂直な場合のみに、この発明を限定する趣旨ではなく、基板62を加工する際に生じる誤差の範囲内で、第1〜第4垂直面70,72,82,84と第1主面64との垂直性がずれている場合も、この発明の技術的範囲に含まれる。
また、第1工程単位で形成される、領域a〜dに亘る平面(図7(B)参照)、ならびに第2工程単位で形成される、領域a,bに亘る平面および領域eに亘る平面(図8(B)参照)は、第1主面64に対して、基板62の加工誤差の範囲内で平行となっている。
このように、実施の形態4によれば、第1〜第3工程単位を経ることにより、基板に7段のバイナリ型回折格子を形成する。この場合において、工程(2−1−2)のリソグラフィー工程において、第1及び第2原フォトレジストパターン74,76を形成する。続いて、工程(2−1−3)の熱フロー工程において、第1及び第2原フォトレジストパターン74,76を加熱により変形させることで設計寸法通りの第1及び第2変形フォトレジストパターン78,80を得る。これにより、領域d,e付近の段差部及び領域g,aR1付近の段差部においてフォトレジストパターンの被覆不足や過剰被覆が防止される。よって、工程(2−2)のエッチング工程において、突起状欠陥や溝状欠陥が発生することを防止できる。
さらに、工程(3−1−2)のリソグラフィー工程において、第3〜第5原フォトレジストパターン86,88,90を形成する。続いて、工程(3−1−3)の熱フロー工程において、第3〜第5原フォトレジストパターン86,88,90を加熱により変形させることで設計寸法通りの第3〜第5変形フォトレジストパターン92,94,96を得る。これにより、領域b,c付近の段差部、領域e,f付近の段差部及び領域g,aR1付近の段差部において、フォトレジストパターンの被覆不足や過剰被覆が防止される。よって、工程(3−2)のエッチング工程において、バイナリ型回折格子に突起状欠陥や溝状欠陥が発生することを防止できる。これにより、7段全体にわたって、突起状欠陥や溝状欠陥を有さないバイナリ型回折格子が製造できる。
また、フォトレジストパターン形成工程では、露光時にマスクの遮蔽部の幅を狭くし、ポストベークを兼ねて熱フローを行うことで、設計寸法通りの第1〜第5変形フォトレジストパターン78,80,92,94,96を形成する。つまり、フォトレジストパターン形成工程は既存の工程を改良したものである。よって、この発明の回折格子の製造方法には何ら新しい工程が追加されることがない。
実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明する図(その1)である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明する図(その2)である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明する図(その3)である。 実施の形態2の半導体装置の製造方法を説明する図である。 実施の形態3の半導体装置の製造方法を説明する図(その1)である。 実施の形態3の半導体装置の製造方法を説明する図(その2)である。 実施の形態4の回折格子の製造方法を説明するための図(その1)である。 実施の形態4の回折格子の製造方法を説明するための図(その2)である。 実施の形態4の回折格子の製造方法を説明するための図(その3)である。
符号の説明
10,64 第1主面
12,66 第2主面
14,34,62 基板
16 第1平面
19 第2平面
18 接続面
20,40,41 構造
21,48 フォトレジスト膜
22,28 原フォトレジストパターン
24,30 設計領域
26,32 変形フォトレジストパターン
36 第1平面
38 第1傾斜面
42 第2平面
44 第2傾斜面
50,74 第1原フォトレジストパターン
52,76 第2原フォトレジストパターン
54 第1設計領域
56 第2設計領域
58,78 第1変形フォトレジストパターン
60,80 第2変形フォトレジストパターン
68 フォトレジストパターン
70 第1垂直面
72 第2垂直面
82 第3垂直面
84 第4垂直面
86 第3原フォトレジストパターン
88 第4原フォトレジストパターン
90 第5原フォトレジストパターン
92 第3変形フォトレジストパターン
94 第4変形フォトレジストパターン
96 第5変形フォトレジストパターン
100 段差部
104 フォトレジストパターン
102 垂直面
106 下段側平面
108 上段側平面
110 溝状欠陥
112 突起状欠陥
16a,19a,36a,42a 端部
18a,38a,44a,70a,72a,82a,84a 上端部
74L,76L,78L,80L,86L,88L,90L,92L,94L,96L 左端部
74R,76R,78R,80R,86R,88R,90R,92R,94R,96R 右端部
W 幅
W1,W3,W5,W6 接触幅
W2,W4,W7,W8 設計値
DR1,DR2,DR3,DR4 右側間隔
DL1,DL2,DL3,DL4 左側間隔
a〜g 第1領域〜第7領域
T,TRn,TLn 単位構造
h 高さの差
SR1〜SR5,SL1〜SL5 間隔

Claims (14)

  1. 第1主面と該第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板において、
    前記第1主面に形成されている第1平面と、前記第2主面との距離が前記第1平面よりも大きな第2平面と、前記第1および第2平面の端部同士を接続する接続面と、を有する構造に、フォトレジストパターンを形成するにあたり、
    原フォトレジストパターンを前記第1平面上に、前記接続面と離間するように形成するリソグラフィー工程と、
    前記原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、前記第2平面よりも低い位置で前記接続面に接触する変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程と、
    を含むことを特徴とするフォトレジストパターンの形成方法。
  2. 前記熱フロー工程において、前記変形フォトレジストパターンの前記第1平面との接触幅が設計値となるように、前記原フォトレジストパターンを変形させることを特徴とする請求項1に記載のフォトレジストパターンの形成方法。
  3. 第1主面と該第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板において、
    前記第1主面に形成されている第1平面と、前記第2主面との距離が前記第1平面よりも大きな第2平面と、前記第1および第2平面の端部同士を接続する接続面と、を有する構造に、フォトレジストパターンを形成するにあたり、
    原フォトレジストパターンを前記第2平面上に、該第2平面の端部と離間するように形成するリソグラフィー工程と、
    前記原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、前記第2平面の前記端部よりも高い位置で前記第2平面の前記端部に接触する変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程と、
    を含むことを特徴とするフォトレジストパターンの形成方法。
  4. 前記熱フロー工程において、前記変形フォトレジストパターンの前記第2平面との接触幅が設計値となるように、前記原フォトレジストパターンを変形させることを特徴とする請求項3に記載のフォトレジストパターンの形成方法。
  5. 前記第1および第2平面が前記第1主面と平行であり、かつ、前記接続面が前記第1主面と垂直であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフォトレジストパターンの形成方法。
  6. 第1主面と第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板において、
    第1平面と、該第1平面の端部に接続された前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びる第1傾斜面とからなる構造、及び、
    第2平面と、該第2平面の端部に接続された前記第1主面から前記第2主面に向かう方向に延びる第2傾斜面とからなる構造、
    が形成されている前記第1主面の前記第1平面及び前記第2平面に同時にフォトレジストパターンを形成するにあたり、
    第1原フォトレジストパターンを、前記第1平面上に前記第1傾斜面と離間するように形成し、かつ、第2原フォトレジストパターンを前記第2平面上に前記第2平面の前記端部と離間するように形成するリソグラフィー工程と、
    前記基板を加熱することにより、前記第1原フォトレジストパターンと前記第2原レジストパターンを同時に変形させて、それぞれ、第1変形フォトレジストパターンと第2変形フォトレジストパターンとを形成することで、
    前記第1変形フォトレジストパターンを、前記第1傾斜面の第1主面側端部よりも低い位置で前記第1傾斜面に接触させ、かつ、
    前記第2変形フォトレジストパターンを、前記第2傾斜面の第1主面側端部よりも高い位置で前記第2平面の端部に接触させる
    熱フロー工程と、
    を含むことを特徴とするフォトレジストパターンの形成方法。
  7. 前記第1および第2平面が前記第1主面と平行であり、前記第1および第2傾斜面が前記第1主面と垂直であることを特徴とする請求項6記載のフォトレジストパターンの形成方法。
  8. 第2主面、および、
    該第2主面の反対側に設けられ、かつ、該第2主面とは第1の距離を有する第1の面と、該第2主面とは前記第1の距離よりも長い第2の距離を有する第2の面と、前記第1の面および前記第2の面の間に位置する第3の面とを有する第1主面、
    を備えた基板を準備する工程と、
    前記第3の面と離間するように前記第1の面上に原レジストパターンを形成する工程と、
    前記原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、前記第3の面に接触する変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程と、
    を含むことを特徴とするフォトレジストパターンの形成方法。
  9. 第2主面、および、
    該第2主面の反対側に設けられ、かつ、該第2主面とは第1の距離を有する第1の面と、該第2主面とは前記第1の距離よりも長い第2の距離を有する第2の面と、前記第1の面および前記第2の面の間に位置する第3の面とを有する第1主面、
    を備えた基板を準備する工程と、
    前記第2の面の端部と離間するように前記第2の面上に原レジストパターンを形成する工程と、
    前記原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、前記第2の面の端部に接触する変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程と、
    を含むことを特徴とするフォトレジストパターンの形成方法。
  10. 第1主面と該第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板を準備し、
    (1)遮蔽部を有するマスクを用いて前記基板の前記第1主面側に形成されたフォトレジスト膜を露光して、フォトレジストパターンを形成する工程と、
    (2)前記フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、前記基板を前記第1主面側からエッチングする工程と、
    (3)前記フォトレジストパターンを除去する工程と、
    からなる工程単位を1回以上含み、
    前記工程単位毎に前記マスクの前記遮蔽部の形状及び位置を変更することにより、前記第1主面に平行であり高さが異なる2以上の平面が、それぞれの端部において前記第1主面に垂直な垂直面により接続された階段状構造を有する回折格子を製造するにあたり、
    2回目以降の工程単位における工程(1)において、下記の第1及び第2フォトレジストパターン形成方法の双方またはいずれか一方を実施することを特徴とする回折格子の製造方法。
    (a)前記2以上の平面のいずれかであって、該平面の端部に接続され、前記第2主面から前記第1主面に向かう方向に延びる前記第1主面に垂直な垂直面を有する構造の前記平面にフォトレジストパターンを形成する場合に、原フォトレジストパターンを前記平面上に前記垂直面と離間するように形成するリソグラフィー工程と、該原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、前記垂直面の前記第1主面側端部よりも低い位置で前記垂直面に接触させるとともに、前記平面との接触幅が設計値となる変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程とを含む第1フォトレジストパターン形成方法、及び、
    (b)前記2以上の平面のいずれかであって、該平面の端部に接続され、前記第1主面から前記第2主面に向かう方向に延びる前記第1主面に垂直な垂直面を有する構造の前記平面にフォトレジストパターンを形成する場合に、原フォトレジストパターンを前記平面上に前記平面の端部と離間するように形成するリソグラフィー工程と、該原フォトレジストパターンを加熱して変形させることにより、前記垂直面の前記第1主面側端部よりも高い位置で前記端部に接触させるとともに、前記平面との接触幅が設計値となる変形フォトレジストパターンを形成する熱フロー工程とを含む第2フォトレジストパターン形成方法
  11. 高さがh(h>0)ずつ高くなる7つの平面からなる階段状構造を有する回折格子を製造するにあたり、
    第1主面と該第1主面の反対側に設けられた第2主面とを有する基板を準備し、
    前記第1主面上に、同一幅を有し互いに隣接する第1領域〜第7領域からなる単位構造が、幅方向に隣接して繰り返される周期構造を設定し、
    個々の前記単位構造において、
    (1)第5領域〜第7領域を被覆するフォトレジストパターンを形成する工程と、
    (2)フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、第1領域〜第4領域を深さ3hだけエッチングすることにより、第4及び第5領域の境界に第1主面に垂直な第1垂直面を、第7領域と隣接する単位構造の第1領域との境界に第1主面に垂直な第2垂直面を形成する工程と、
    (3)フォトレジストパターンを除去する工程と、
    (4)第3及び第4領域を被覆する第1原フォトレジストパターンを、該第1原フォトレジストパターンの第1領域側端部が第2及び第3領域の境界と離間するとともに、第7領域側端部が第1垂直面と離間するように形成し、かつ、
    第6及び第7領域を被覆する第2原フォトレジストパターンを、該第2原フォトレジストパターンの第1領域側端部が第5及び第6領域の境界と離間するとともに、第7領域側端部が、第7領域と隣接する単位構造の第1領域との境界と離間するように、形成する工程と、
    (5)前記基板を加熱することで、前記第1及び第2原フォトレジストパターンを変形させることで第1及び第2変形フォトレジストパターンを形成し、
    前記第1変形フォトレジストパターンの第1領域側端部を第2及び第3領域の境界に接触させるとともに、第7領域側端部を第1垂直面の上端部よりも低い位置で第1垂直面に接触させ、かつ、
    前記第2変形フォトレジストパターンの第1領域側端部を第5及び第6領域の境界に接触させるとともに、第7領域側端部を第2垂直面の上端部よりも高い位置で、第7領域と隣接する単位構造の第1領域との境界に接触させる工程と、
    (6)前記第1及び第2変形フォトレジストパターンをエッチング保護膜として第1,第2及び第5領域を深さ2hだけエッチングすることにより、第2及び第3領域の境界に第1主面に垂直な第3垂直面を、第5及び第6領域の境界に第1主面に垂直な第4垂直面を、形成する工程と、
    (7)前記第1及び第2変形フォトレジストパターンを除去する工程と、
    (8)第2領域を被覆する第3原フォトレジストパターンを、該第3原フォトレジストパターンの第1領域側端部が第1及び第2領域の境界と離間するとともに、第7領域側端部が、第3垂直面と離間するように形成し、かつ、
    第4及び第5領域を被覆する第4原フォトレジストパターンを、該第4原フォトレジストパターンの第1領域側端部が、第3及び第4領域の境界と離間するとともに、第7領域側端部が、第4垂直面と離間するように形成し、かつ、
    第7領域を被覆する第5原フォトレジストパターンを、該第5原フォトレジストパターンの第1領域側端部が、第6及び第7領域の境界と離間するとともに、第7領域側端部が、第7領域と隣接する単位構造の第1領域との境界と離間するように、形成する工程と、
    (9)基板を加熱することで、前記第3〜第5原フォトレジストパターンを変形させることで第3〜第5変形フォトレジストパターンを形成し、
    前記第3変形フォトレジストパターンの第1領域側端部を第1及び第2領域の境界に接触させるとともに、第7領域側端部を第3垂直面の上端部よりも低い位置で第3垂直面に接触させ、かつ、
    前記第4変形フォトレジストパターンの第1領域側端部を第3及び第4領域の境界に接触させるとともに、第7領域側端部を第4垂直面の上端部よりも低い位置で第4垂直面に接触させ、かつ、
    前記第5変形フォトレジストパターンの第1領域側端部を第6及び第7領域の境界に接触させるとともに、第7領域側端部を第2垂直面の上端部よりも高い位置で、第7領域と隣接する単位構造の第1領域との境界に接触させる工程と、
    (10)前記第3〜第5変形フォトレジストパターンをエッチング保護膜として、第1,第3及び第6領域を深さhだけエッチングすることにより、第1領域から第7領域にかけて高さがhずつ高くなる7つの平面からなる階段状構造を形成する工程と、
    (11)前記第3〜第5変形フォトレジストパターンを除去する工程と、
    を含むことを特徴とする回折格子の製造方法。
  12. 請求項1又は2に記載のフォトレジストパターンの形成方法を用いて半導体装置を製造するにあたり、熱フロー工程の後に、前記変形フォトレジストパターンをエッチング保護膜としてエッチングを行うエッチング工程を有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項3又は4記載のフォトレジストパターンの形成方法を用いて半導体装置を製造するにあたり、熱フロー工程の後に、前記変形フォトレジストパターンをエッチング保護膜としてエッチングを行うエッチング工程を有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項6記載のフォトレジストパターンの形成方法を用いて半導体装置を製造するにあたり、熱フロー工程の後に、前記第1及び第2のフォトレジストパターンをエッチング保護膜としてエッチングを行うエッチング工程を有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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