JP2006215695A - どんな時にどんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまう盗難対策装置及び盗難対策方法 - Google Patents

どんな時にどんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまう盗難対策装置及び盗難対策方法 Download PDF

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Abstract

【課題】どんなときに、どんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまうように機能する盗難対策装置であり、電子制御で動く対象物であれば、大は車両や船舶から小は携帯電話やICカードに至るまで、幅広い対象物に搭載することができて、対象物を盗んでも使えなくしてしまう装置であり、盗人に対象物の使用価値を渡さない盗難対策方法及び盗難対策装置を提供する。
【解決手段】対象物の電子制御回路の中枢部に遮断部を設けて、電子制御回路を正常には動かない状態にして、標準の状態が正常には動かない状態の対象物を造っておいて、盗人には使わせないようにしておく。管理者が使用するときには、所定の信号を用いて時限装置で遮断部を接続して所定の時間だけ正常に動く状態にする。このとき万一盗まれても、時限装置で自動的に正常には動かない状態になって安定するので盗人は対象物を使用できなくなる。盗んでも使えいことを告知することによって盗人に盗む意欲を損なわせる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、動作するために電子回路を必要として、かつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、と定義した対象物であれば搭載することができる広い汎用性を持つ、どんな時にどんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまう盗難対策装置及び盗難対策方法に関する。
従来の盗難対策装置及び盗難対策方法は、鍵や錠や警報装置や監視装置などであり、盗難から護る対象物を盗みにくい環境にすることを第一の目的にしたものであった。したがって、これらの装置と方法を、回避したり壊したり取り除いたりして破られてしまうと、盗まれてしまうという欠点があった。従来は、対象物がひとたび盗人の手に渡ってしまうと盗人を捕らえる以外になすすべが無かった。盗人が手にした対象物をどうやっても動かなくしてしまって、盗人から対象物の使用価値を奪ってしまう装置はこれまでには無かった。
従来は、使用するときには正常に動く状態であって盗まれたときにはあたかも壊れたかのように動かなくしてしまう機能を持った電子回路もなかったし、この機能を用いた盗難対策装置も当然無かった。
従来の盗難対策装置では乗用車用に開発されたイモビライザーと呼ばれる盗難対策装置が先進かつ厳重度の高い盗難対策装置の一つに挙げられる。これは、ICチップを装着したキーを差し込むことによって車両のコンピューターが所有者を識別して認識する方式であり、正しいキーを認識しなければエンジンが掛からない仕組みなので従来の車両盗難には有効である。しかし、今日では運転中の車両を強奪してキーと一緒に盗んでしまう手口まで現れて、このような手口にはイモビライザーのような先進の装置です役に立たないという一大欠点がある。
このように、従来の盗難対策装置は盗む技術に対抗するものであるために、盗難対策装置を厳重にして防御を高めても、盗人にとって手に入れたい価値がある限り、盗人は防御を破る手口を編み出し続けるという、いたちごっこが起きてしまい、巧妙かつ強引な手口を持った盗人によって盗まれてしまうという宿命的な欠点がある。
また、従来の盗難対策装置には体積と重さの問題がある。盗難対策装置そのものが形を成して装着場所を必要とするために、車両などの大きなものには盗難対策装置として装着することができても、ヘッドホンステレオやビデオカメラや携帯電話などの携帯型の電子機器などには、体積と重さの面で負担になり取り付けられないという欠点があった。
さらに、従来の盗難対策装置には費用の問題がある。装置の価格が高額の為に相対的に安価な対象物には取り付けられない。例えば2万円の盗難対策装置は価格が200万円の車両であれば1.0%相当であるが、価格が20万円の対象物の場合には10%に当たり、まして数万円のヘッドホンステレオや携帯電話やデジタルカメラに至っては、たとえ小さな盗難対策装置ができたとしても、費用対効果の面で取り付けることが出来ない。廉価な対象物には盗難保険料の方がずっと経済的な場合がある。高額な車両にも、廉価な携帯電話やヘッドホンステレオにも共通して使用できる費用の安い盗難対策装置は無かった。
また、従来の盗難対策装置には装置の費用のほかに取り付け費用が必要な場合もあり、場合によっては警戒監視費用などの維持費が必要な場合もある。このように従来の盗難対策装置は厳重なものほど、総費用が高額かつ割高になって盗難対策装置を装着する対象物を費用面で著しく制限するという重大な欠点があった。
さらに、従来の盗難対策装置の使いかっての悪さにも問題がある。携帯電話やデジタルカメラのような一回の使用時間が比較的短いが使用回数が多いという使用形態の対象物には、使用のたびに盗難対策装置を解除し使用が終わったらまたセットし直す一般的な錠や警報装置の概念の盗難対策装置は使いかってが悪く実用的でなく採用できない。
多様な盗難対策装置が普及している車両の場合も同様のことが言える。盗人の手口に対抗をするために、エンジンキーはもとよりハンドルロックやタイヤロック及び車両の静電変化や衝撃や傾きの変化などの車両の異常を感知して警報を発する警報器など多くの盗難対策装置が実用化している。しかし、これらの装置を二重三重にして厳重にすればするほど、車両を使用する度に装置の解除や開錠に手間が掛かり、さらに使用後のセットや施錠の手間も増えて車両を日常使用する上での使い勝手が悪くなるという大きな欠点がある。
手間が掛かったり操作が面倒であることが、盗難対策装置をセットすることを忘れたりセットを怠ったりして隙を作る原因になり、この隙を盗人に狙われるという欠点もある。
盗難は、携帯電話やビデオカメラやデジタルカメラや携帯型の情報端末機などの電子機器にも頻発して起こる。にもかかわらず、以上に列挙した様々な問題から、従来の盗難対策装置は車両以外の対象物には普及していないという問題がある。
ICカードやICカードの機能を付加した携帯品のように、ひとたび盗まれると甚大な被害を被る恐れのある決済機能付きの対象物が今後急速に普及する中で、これらICカードやICカードの機能を搭載した携帯電話などを対象にした盗難対策装置が無いことが大きな問題である。
さらに、ICカードには盗まれて使われるという盗難のほかに、携帯型の読み取り書き込み装置を持った第三者にICカードの情報を不正に読み取られたり書き込まれるといった犯罪の出現が予想されるが、電磁波を用いた犯罪に対処する手段も無い。
そのうえ、ICカードの厚さは約0.76ミリメートルしか無いのでこの中に搭載できる盗難対策装置も無い。
従来は対象物をひとたび盗まれてしまったら、探し出すかあるいは見つかるのを待つ以外に為すすべが無く盗人に罰を与える手段も無く、対象物の価値が盗人の手中になり、盗人が得をして盗人の思いのままにされてしまうという重大な欠点があった。
盗んだ対象物を使えなくしてしまうことで、盗人に得を与えず盗んだ行為を無駄にするという痛手の罰を与えることができる盗難対策装置及び盗難対策方法は無かった。
従来の盗難対策装置が盗人を牽制する効果は、主に盗難対策装置の厳重度によるところが多い。しかし、盗難対策装置や器具を用いて盗難対策をいかに厳重にしても、盗人は盗難対策装置の隙を衝いたり、防御能力を上回る巧妙な手口を次々に編み出して、鍵や警報装置を無効にしたり、破ったり、取り外したり、盗難対策装置が付いたまま車に載せたり牽引したりして盗み去ってしまう。これら巧妙あるいは強引に運び去る手口に有効な盗難対策装置は無かった。
盗人がなんとしても盗もうとする対象物は高い価値を持っている物である。強奪の手口まで使うのは車両などの対象物の価値が極めて高いからである。ひとたび視点を変えて、盗人にとって手に入れたい価値を対象物から無くしてしまえば、盗人の盗もうとする気持ちを削ぐことができて、盗む行動を挫かせてしまうことができるはずであるが、このような方法で盗む行為を起こさせない盗難対策装置及び盗難対策方法は今までにはなかった。
また、対象物を製造してから販売するまでの流通経路に於いて、効率よく機能する盗難対策装置は無かった。
流通段階の中で特に、店舗に於ける万引きは大きな社会問題にもなっている。万引きによる実害も大きいが万引き防止のための監視カメラや盗難防止器などの装置や運用の手間などの万引き対策費に多大な費用を要している現状があり問題となっている。万引きを防止装置を取り付けなくても、対象物に搭載した盗難対策装置が万引きを防止するという盗難対策装置も無かった。
従来は、前記の様な防ぎきれない盗難に対する防衛手段としては、高額な保険料を払って盗難保険で対応することが一般に行われていたる。
従来は、これらの盗難対策費や盗難保険料を効果的に軽減することができる盗難対策装置は無かった。
特開2003−168089(第4頁、第3図)
本発明は、前記した従来の盗難対策装置及び盗難対策方法の問題点及び欠点を鑑みて、以下に列挙する課題を解決する盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。
本発明は、盗人が盗んだ対象物を動かなくしてしまう装置を盗難対策装置として提供することを目的としている。
そして、盗んでも無駄であり、盗んでも使えないことを盗人に分からせることで、盗む気持ちを挫かせて、盗むことを諦めさせて、盗まなくさせる盗難対策方法を提供することを目的としている。
本発明は、前記の、盗んだ物を盗人に使用させないという本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法の基本的な動作を実現するために、盗人が盗んで対象物の電源スイッチを入れても電子回路本体が正常には動かない状態になっている、という機能を持った電子回路を提供することを目的としている。
前記の電子回路本体を正常には動かない状態にしてしまう電子回路を、対象物を製造するときに電子回路本体に組み込むことによって、電源スイッチを入れても正常には動かない対象物を作り、このとき盗んでも盗人は使用することができないようにしておいて、管理者が使用するときあるいは使用できるようにしておくときだけ対象物の電源スイッチを入れれば、対象物が正常に動く状態になる盗難対策装置を提供することを目的としている。
したがって、運転中の車両を強奪されたような場合も含めて、どんなときに、どんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまうように機能する盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。どんなときとは、使用前・使用中・使用後の全ての時間帯に於いてであり、どんな状態とは、使用中も含めて鍵が付いたままの状態などの従来であれば盗まれてしまったら対処できなかった全ての状態を言う。
ビデオカメラやデジタルカメラや携帯電話などの小さくて軽い携帯式の電子機器にも搭載できる、体積と重さの面で対象物に負担にならない小さくて軽い盗難対策装置を提供することを目的としている。
さらに、装置の価格の面でも、対象物の価格が数万円のヘッドホンステレオや携帯電話やデジタルカメラにも取り付けることが出来る程度に低価格で作ることができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
また、前記の価格のほかに取り付け費用が不要で、警戒監視費用などの維持費も不要な盗難対策装置を提供することを目的としている。
さらに、携帯電話やビデオカメラやデジタルカメラや携帯型の情報端末機などの電子機器のように一回の使用時間が比較的短いが使用回数が多いという使用形態の対象物にも適用できる、使用の度に盗難対策装置に係わる必要が無くてしかも使い勝手の良い盗難対策装置を提供することを目的としている。
本発明は広い汎用性を持った盗難対策装置を提供することを目的としている。広い汎用性とは、動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、と定義した対象物を言う。
本発明は、ICカードにも搭載できる盗難対策装置を提供することを目的としている。さらに、ICカードの機能を搭載した携帯電話などを対象にした盗難対策装置を提供することを目的としている。
また、ICカードには盗まれて使われるという盗難のほかに、携帯型の読み取り書き込み装置を持った第三者にICカードの情報を不正に読み取られたり書き込まれるといった犯罪の出現が予想されるが、電磁波を用いた犯罪に対処することができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
そして、厚さが約0.76ミリメートルのICカードに搭載することができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
盗んでも盗んだ対象物を盗人に使用させないことで、盗人に思いのままにさせないで、盗人に得を与えず盗んだ行為を無駄にするという痛手の罰を与えることができる盗難対策方法及び盗難対策装置を提供することを目的としている。
既存あるいは他の盗難対策装置の本発明と異なった方法を用いた盗難対策装置と組み合わせて搭載することができて、盗難対策の相乗効果をあげることができる盗難対策装置を提供することを目的としている。
本発明は流通経路における盗難や万引きを防止する効果がある盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。
併せて、盗難を予防する効果が大きくて保険料を安くする効果が期待できる盗難対策装置及び盗難対策方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路。
及び、車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路と、前記のスイッチ機構の制御部を構成する、前記の対象物の管理者の証である暗証番号や指紋像等の所定の信号を受けて管理者を識別する識別機構と、前記の識別機構が前記の管理者を識別した時だけ前記のスイッチ機構に対して接続を指示する信号を所定の時間だけ発する時限付きの正常状態持続機構とからなることを特徴とする盗難対策装置、あるいは、前記の盗難対策装置に前記の電子回路と前記の識別機構と前記の時限付きの正常状態持続機構の全部あるいは一部の回路をICのチップの中に組み入れるとか、あるいは多層基板の内側に配置するとか、あるいは一般の工具では開けられない筐体で護るなどの侵入防止策を施した盗難対策装置。
及び、車両や携帯電話等の対象物が内蔵している、前記の対象物が正常に動作するために不可欠な電子回路本体の中枢部に、この中枢部を遮断することで前記の電子回路本体を正常には動かない状態にするための遮断部を設けて、対象物の電源スイッチを入れても正常に動かない状態に前記の対象物を製造する方法と、前記の対象物の電源スイッチから独立させたスイッチによって機能させる、暗証番号や指紋像等の所定の信号で前記の対象物の所有者等の管理者を識別する識別方法と、前記の管理者を識別した時だけ、前記の遮断部に設けたA接点のスイッチ機構にたいして接続を指示する信号を30分とか8時間などの所定の時間だけ発して前記の対象物を所定の時間だけ正常に動く状態にする時限付きの正常状態持続方法とを組み合わせたことを特徴とする盗難対策方法、あるいは、前記の盗難対策方法に、前記の三つの方法を実施する電子回路を、対象物のIC回路の中に組み込むとか多層の電子基板の内層に配置するとかあるいは対象物の筐体を通常の工具では開けることができないようにする等で、盗人を前記の電子回路に侵入させない侵入防止方法を組み合わせたことを特徴とする、盗難対策方法。
及び、前記の盗難対策装置を搭載した車両や携帯電話等の対象物。
及び、前記の盗難対策装置を搭載していることを、マークや絵や文字や音や映像などの告知手段で自ら告知している、あるいは前記の告知手段で告知された、車両や携帯電話等の対象物。
及び、前記の盗難対策装置を搭載した車両や携帯電話等の対象物の、輸送あるいは在庫あるいは店頭に展示するなどの流通経路に於いて、製造時点あるいは出荷時点の所定の信号を、前記の対象物とは別に管理するかあるいは暗号化するなどの第三者には知られずに管理者だけが知り得る手段を講じて流通させる流通時の盗難対策方法とで、どんな時にどんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまう盗難対策装置及び盗難対策方法、を構成している。
以下の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路である。
したがって、本発明の電子回路を搭載した電子回路本体は、対象物の電源スイッチから独立したもう一つのスイッチを有したスイッチ機構の制御部を稼動させない限り、標準の状態つまり通電をしない自然な状態に於いては、対象物の電源スイッチを入れても対象物の電子回路本体に通電することができない。したがって、対象物の電源スイッチを入れても正常には動かない状態に対象物を造っておくことができる。したがって、盗んでも盗人には使用させない、という本発明の盗難対策装置の基本の動作をする電子回路ができる。
また、車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路と、前記のスイッチ機構の制御部を構成する、前記の対象物の管理者の証である暗証番号や指紋像等の所定の信号を受けて管理者を識別する識別機構と、前記の識別機構が前記の管理者を識別した時だけ前記のスイッチ機構に対して接続を指示する信号を所定の時間だけ発する時限付きの正常状態持続機構と、前記の電子回路と前記の識別機構と前記の時限付きの正常状態持続機構の全部あるいは一部の回路をICのチップの中に組み入れるとか、あるいは多層基板の内側に配置するとか、あるいは一般の工具では開けられない筐体で護るなどの侵入防止策を施した侵入防止機構とからなることを特徴とする盗難対策装置であり。
及び、車両や携帯電話等の対象物が内蔵している、前記の対象物が正常に動作するために不可欠な電子回路本体の中枢部に、この中枢部を遮断することで前記の電子回路本体を正常には動かない状態にするための遮断部を設けて、対象物の電源スイッチを入れても正常に動かない状態に前記の対象物を製造する方法と、前記の対象物の電源スイッチから独立させたスイッチによって機能させる、暗証番号や指紋像等の所定の信号で前記の対象物の所有者等の管理者を識別する識別方法と、前記の管理者を識別した時だけ、前記の遮断部に設けたA接点のスイッチ機構にたいして接続を指示する信号を30分とか8時間などの所定の時間だけ発して前記の対象物を所定の時間だけ正常に動く状態にする時限付きの正常状態持続方法と、前記の三つの方法を実施する電子回路を、対象物のIC回路の中に組み込むとか多層の電子基板の内層に配置するとかあるいは対象物の筐体を通常の工具では開けることができないようにする等で、盗人を前記の電子回路に侵入させない侵入防止方法とを組み合わせたことを特徴とする、盗難対策方法である。
したがって、本発明の盗難対策装置は、対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体に対して、対象物の電源スイッチとこの電源スイッチから独立したスイッチ系を設けたアンド回路を構成し、しかも独立したスイッチ系には管理者の識別機構と自由な使用時間を確保してかつ自動的に切断する時限装置と、さらに侵入防止機構を設けて、第三者を排除したものである。したがって、使用しないときには、対象物の電源スイッチを入れても正常には動かない状態に固定しておくことができる。したがって、この状態のときに盗人が盗んで動かそうとしても正常には動かすことはできない。さらに、管理者が対象物を使用するときあるいは使用できるようにしておくときには、暗証番号などの所定の信号を入力することによって管理者を識別して、対象物を電源スイッチを入れれば正常に動く状態に切り替えることができる。したがって、管理者は対象物を正常には動かない状態と正常に動く状態との二つの状態にいつでも自由に切り替える手段を持つことができる。したがって、管理者が使用するときあるいは使用できるようにしておくときだけ、対象物を正常に動く状態にしておくことができる仕組みの盗難対策装置ができる。
さらに、時限付きの正常状態持続機構によって、正常に動く状態は所定の時間だけ持続して、所定の時間が過ぎると自動的に元の正常には動かない状態に戻る。したがって、正常に動く状態のときあるいは動いているときに盗人が盗んだ場合でも所定の時間以降は自動的に元の正常には動かない状態に戻してしまうことができる。
本発明の盗難対策装置の主な構成要素は電子回路である。したがって、盗難対策装置の主な構成要素をIC化できる。したがって、このICをICパッケージ構造で保護することで侵入を防止できる。仮にIC本体まで侵入到達しても、IC本体の細密構造によって回路への直接の侵入を防止できる。したがって、第三者を侵入させない厳重でかつ高度な侵入防止機能を有することができる。したがって、盗人の侵入が不可能な盗難対策装置を作ることができる。
本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法は、時限付きの正常状態持続機構によって施錠に相当する行為が自動的になされる。したがって、従来の盗難対策装置では不可欠な行為であった施錠に相当する行為を行わないで施錠状態と同等の状態を得ることができる。したがって、取り扱いが簡単になるという効果に加えて、従来のような鍵の掛け忘れや盗難対策装置のセットを怠るなどによる盗難対策装置の隙が生じることがないという盗難対策装置にとって極めて大きな効果を得ることができる。
したがって、どんなときに、どんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまうように機能する盗難対策装置ができる。どんなときとは、使用前・使用中・使用後の全ての時間帯に於いてであり、どんな状態とは、使用中も含めて鍵が付いたままの状態などの従来であれば盗まれてしまったら対処できなかった全ての状態を言う。
さらに、前記の取り扱いが簡単になるという効果によって、携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどに適した盗難対策装置として、これまでに実現しなかった効果を発揮することができる。携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどは一回毎の使用時間が短いわりに使用頻度が高いという使い方に共通の特徴を持っている。したがって、一回使用する毎に解除してセットするという動作を必要とする従来の盗難対策装置は実用的でなかった。使用する毎に解除かセットのどちらか一方の動作をすることすらわずらわしく実用的でない。そこで、本発明の盗難対策装置は一度正常に動く状態にすれば3時間とか8時間などの所定の時間内は盗難対策装置にかかわることなく対象物を普通に使用することができる。しかも、所定の時間以降は元の正常には動かない状態に自動的に戻ることができる。したがって、携帯電話やデジタルカメラやビデオカメラなどの使用環境に合致した盗難対策装置としての不可欠な要素を、本発明の盗難対策装置は持っていて、設定した所定の時間内であれば対象物本来の使い勝手を全く損なわない盗難対策装置ができる。
本発明の盗難対策装置のうち、入力手段以外の主な構成要素は電子回路から成るので体積を電子回路の大きさまで小さくすることができる。したがって、この電子回路を対象物の電子回路の中に組み込んでしまうことができる。したがって、本発明の盗難対策装置は対象物に体積と重さの負担をほとんど掛けないで搭載することができる。したがって、軽くて小さな対象物にも本発明の盗難対策装置を搭載することができるという特徴を持つ。
また、本発明の盗難対策装置の主要な構成要素を対象物の電子回路の中にあらかじめ組み込んで生産をすることができることから、量産が可能になり価格を安くすることができる。したがって、製造段階で対象物に搭載済みとすることができるので、後で取り付ける手間や取り付け費用がかからないという利点もある。しかも、警戒監視費用や維持費が不要である。したがって、盗難対策装置に関わる総費用を安くすることができる。したがって、廉価な対象物にも搭載可能な盗難対策装置ができる。
さらに、本発明の盗難対策装置の識別機構の入力装置や時計装置や電源などは、搭載する対象物が既に有している場合が多い。したがって、これらの構成要素部品を共有することができる。したがって、盗難対策装置の費用を安くすることができるうえに、対象物が既に有している部品の外観や配置や構造を大きく変えることなく本発明の盗難対策装置を搭載することができる。
本発明の盗難対策装置は以上に述べたように、対象物が小さくても搭載できて、対象物が廉価なものにも搭載できて、しかも操作が簡単である。したがって、搭載する対象物を車両等と表現しているとおり、車両や船舶や航空機などの移動体はもとより、これまでには搭載する盗難対策装置がなかったヘッドホンステレオやビデオカメラやデジタルカメラや携帯電話を含む情報端末機などの携帯型の電子機器、及びテレビや映像記録装置や洗濯機などの家電機器やコンピューターや事務機器などの据え置き型の電子機器などにも搭載することができる。したがって、本発明の盗難対策装置の搭載可能な対象物の定義を、動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、とした対象物であれば本発明の盗難対策装置を搭載できるという広い汎用性を持つことができる。
ICカードも動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物である。したがって、前記の本発明の盗難対策装置を搭載することができる対象物の定義にICカードも当てはまる。したがって、薄くて軽いICカードも本発明の盗難対策装置を搭載することができる。今日、ICカードの盗難では甚大な被害が発生する場合がある。さらに、予め金額を入れておく方式のICカードの場合盗まれたら為すすべが無かった。本発明の盗難対策装置を搭載していれば、中のICそのものが動かないのだから盗んでも使用することができない。さらに、不正に使用しようとしたときに読取装置に反応させることもできる。したがって盗人を特定する手がかりを得ることも可能になるし、使うことを牽制する効果もある。したがって、ICカードは盗んでも使えない、使おうとすれば発覚するかもしれないと盗人が思うようにして、盗んでも無駄、盗まない、という盗む動機を挫く方法で盗難を防止することができる。したがって、もし財布などと一緒に盗まれても、盗人が投棄する可能性が増える。したがって回収の可能性を高める効果も期待できる。
しかし、ICカードは薄いので本発明の盗難対策装置の全てをICカード内に搭載することは、現在の技術では難しい。但し、本発明の盗難対策装置は識別機構の入力装置を盗難対策装置本体から分離することができる。したがって、ICカード側には盗難対策装置の電子回路部分を搭載して、分離した入力装置を入力板や携帯電話などに内蔵して電磁波などを介して所定の信号をICカードに入力する方法を用いれば約0.76ミリメートルという薄い構造のICカードにも本発明の盗難対策装置を搭載することができる。
将来、厚さ約0.76ミリメートルというICカードの規格が緩和された場合には、ICカードに本発明の盗難対策装置を一体化することが可能である。
また、将来、入力装置の薄型実装技術が進歩した時には、本発明の盗難対策装置の全てを厚さが約0.76ミリメートルのICカードに搭載することができる。
さらに、携帯電話や携帯型の情報端末機などにICカードの機能を搭載した機器が普及する中で、携帯電話や携帯型の情報端末機と、ICカードの両方あるいはICカードに本発明の盗難対策装置を搭載することができる。
さらに、新たな形態の盗難がICカードには発生することが予想される。それは、カードそのものを盗まれなくても、盗人が携帯型のカード読取書き込み装置を持って近づいてくれば、ICカードの情報を読み盗られたり書き込まれる危険が生ずる。本発明の盗難対策装置はICカードの電子回路本体を動かなくしてしまうことができるので、このようなICカードに対する電磁波を用いた犯罪にも対処することができる。
請求項6は、本発明の盗難対策装置を搭載した車両や携帯電話等の対象物を表している。従来は、盗人が物を盗んで手中にすれば、盗人の思いのままにされてしまい、盗人が得をして、一方の、管理者には為すすべが無かった。しかし、本発明の盗難対策装置を搭載した対象物は盗人の手に渡った場合には、盗人がどうやっても動かすことができないようにしてしまうことができる。したがって、盗んでも使用させないことができるので、盗人に得をさせないことができる。つまり、盗人に盗んでも得を与えないという罰を与えることができる。
なお、本発明の盗難対策装置を搭載した対象物は、既存あるいは他の方法の盗難対策装置を搭載することができる。したがって、本発明の盗難対策装置を含む複数の盗難対策装置を併用することで、既存あるいは他の方法の盗難対策装置の盗めない盗難対策効果と本発明の盗難対策装置の盗まない盗難対策効果から相乗効果を得ることができる。
請求項7は、本発明の盗難対策装置を搭載していることを、マークや絵や文字や音や映像などの告知手段で自ら告知している、あるいは前記の告知手段で告知された、車両や携帯電話等の対象物を表している。本発明の盗難対策装置を搭載している対象物は盗んでも使えない。したがって、盗んでも無駄である。したがって、盗難対策装置の効果と盗難対策装置を搭載している対象物であることを盗人に分からせることによって、盗む気持ちそのものを削ぐ効果を持つものである。したがって、盗人の盗む動機そのものに作用して盗む行動に至らせない効果を持つ。したがって、盗む行為を防御する従来の盗難対策装置が陥っていた、盗人の巧妙な手口を常に上回る盗難対策装置を開発し続けなければならないいたちごっこから一部開放される。したがって、盗人の盗もうとする気持ちを削ぐことができて、盗むことを躊躇わせることができる。さらに、強引に運び去ってしまう手口や強奪などのこれまでの盗難対策装置では対処できなかった種類の盗難の発生までも抑制することができる。
請求項8は、本発明の盗難対策装置を搭載した車両や携帯電話等の対象物の、輸送中あるいは倉庫の中あるいは店頭に展示するなどの流通経路に於いて、製造時点あるいは出荷時点の所定の信号を、前記の対象物とは別に管理するかあるいは暗号化するなどの第三者には知られずに管理者だけが知り得る手段を講じて流通させる、流通時の盗難対策方法である。本発明の盗難対策装置を搭載した対象物を正常に動く状態にするには暗証番号などの所定の信号が不可欠である。したがって、所定の信号を秘密にしておけば流通段階であっても効果があるので盗んでも使えない。したがって、流通経路における盗難や万引きを防止することができる。したがって、万引で盗まれる実害と万引き防止のための監視カメラや盗難防止器などの装置や運用などの多大な費用を軽減することができるし、盗難保険料を軽減することもできる。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
本発明の盗難対策装置は、対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体に対して、対象物の電源スイッチとこの電源スイッチから独立したスイッチ系の二つのスイッチでアンド回路を構成したものである。そして独立したスイッチ系には管理者の識別機構と自由な使用時間を確保してかつ自動的に切断の状態にする時限装置と、さらに侵入防止機構を設けて、第三者を排除したものである。
図1から図31までで本発明の原理及び盗難対策装置と盗難対策方法について説明して、図32以降で実施例を説明する。
図1から図4は、請求項1を説明する図である。なお、図1から図4では、電気回路が休止している状態で説明する。
図1は、車両や携帯電話等を対象物8として点線で抽象的に表現している。対象物8の電子回路本体3を実線の太枠で表現し、電子回路本体の中枢部4を一本のリード線で表現して、対象物とこの対象物の電子回路本体とこの電子回路本体の中枢部を模式図にしたものである。本明細書で言う電子回路本体3とは、対象物が車両であればエンジン制御回路であるとか、携帯電話であれば受発信回路や画面表示回路であり、デジタルカメラであればモニター駆動用の電子回路などの、対象物8自身の主要な機能を正常に動作させるために不可欠な電子回路を言う。中枢部4とは電子回路本体3の主要な信号が通る回路部分であり、遮断するとこの電子回路本体3が正常には動かない状態になってしまう部分を言う。対象物の電源スイッチ9は対象物が車両であればエンジンキーが相当するし携帯電話であれば電源キーであり、一般に言う電源スイッチである。
図2は、図1の中枢部4に中枢部4を遮断する遮断部5を設けた図である。電子回路本体3の中枢部4に遮断部5を設ければ電子回路本体3は正常には動かない状態になり、対象物8も正常には動かない状態となる。この状態のとき対象物の電源スイッチ9を入れても対象物8は正常には動かない。
この、対象物8の電子回路本体3の中枢部4に遮断部5を設けることが、本発明の盗難対策装置の対象物を動かなくさせる基本原理である。
ただし、遮断の目的は電子回路本体の中枢部を通る信号を正常に通さなくして電子回路を正常には動かない状態で安定させておくことであるので、中枢部を流れる信号を止めるか減衰させるなどの方法でも良く、図2のように切り欠いて遮断しなければならないということではない。かえって、信号を電気的に遮断したり減衰させたりする回路が実際的である。したがって、本明細書の図では遮断部を機械的な切り欠き状に表現しているが、あくまでも遮断部の概念を強調して説明するための表現である。
遮断部5を中枢部4に設けるのは、電子回路本体が対象物の中にあって、その中枢部が迂回や強引な接続などの侵入行為を避けるのに有利な場所に有るという利点を持っているからでもある。
図3は、遮断部5に設けるスイッチ機構6の模式図である。対象物を管理者が使用するときには対象物は正常に動く状態になっていなければならない。そのためには前記の遮断部5を接続状態にする必要がある。接続状態にする手段が遮断部5にスイッチ7を設けたスイッチ機構6である。スイッチ機構6にはスイッチ7の駆動回路などが含まれる。中枢部4をリード線で表して、遮断部5をA接点のスイッチ7にしている。本明細書で用いるA接点のスイッチとは、通常は開の状態つまり遮断部を遮断している状態で、接続を指示する信号が発せられたときだけ閉の状態つまり遮断部を接続した状態にするスイッチと定義する。接続状態のときのスイッチ7の遮断は時限装置に負う。したがって、要素が時間であるので便宜上記号表示をTで表現する。
図4は、請求項1の電子回路の原理図を模式的に表した図である。電子回路本体3の中枢部4の遮断部5を図3のスイッチ機構6で構成している。スイッチ機構6は、対象物の電源スイッチ9から独立しているスイッチ22に属するスイッチ機構の制御部22によって制御される。しかもA接点として機能するスイッチ機構6であるからスイッチ機構6に通電していない標準状態では遮断部5はスイッチ7によって遮断された状態で安定状態になっている。したがって、電子回路本体は正常には動かない状態になっている。したがって、このとき対象物の電源スイッチ9を入れても電子回路本体3には通電しないので対象物8を正常に動かすことができない。
図5は、図4のスイッチ7が接続状態になって電子回路本体3が正常に動く状態になっているときの図である。対象物の電源スイッチ9から独立したスイッチ22が入ってスイッチ機構の制御部23が稼働してスイッチ機構6に向けて接続を指示する信号24が発せられると、スイッチ機構6のスイッチ7が遮断部5を接続させる。したがって、電子回路本体3が正常に動く状態になる。したがって、このとき対象物の電源スイッチ9を入れれば対象物8を正常に動かすことができる。
図4と図5が、対象物8を動かなくしてしまって対象物の使用価値を無くしてしまうという本発明の盗難対策装置の基盤の動作の原理図である。
なお、図4と図5で説明に用いた、独立したスイッチ22とスイッチ機構の制御部23と接続を指示する信号24は、スイッチ機構の動作を説明するために便宜的に用いたものである。したがって、図9以降の盗難対策装置の説明図では、スイッチ機構に同様の動作をさせるためのそれぞれの構成要素の正式な名称を使用する。
ここで、本明細書で用いる、正常には動かない状態、と、正常に動く状態、の言葉について以下のように定義する。移動体であればモーターやエンジンが回らないとか、デジカメやビデオカメラであればモニターが写らないとか画像を記録しないとか、発信しない携帯電話など、商品として正しく機能しない状態である。一般的かつ客観的に観て、壊れているかあるいは修理が必要と思わせるような状態を言う。鍵を抜いたり電源が外れているとか燃料が切れるなどして動かない状態は、鍵を差し込んだり、電源を繋いだり、燃料を補給したりすれば動くので、取扱説明書に故障と定義していない日常的に起こるこれらの動かない状態は、本明細書に用いている正常に動く状態、に含まれる現象であり、本明細書に用いている正常には動かない状態、と明確に区別する。
次に、図6から図9でスイッチ機構の実施例について説明する。
図6は、スイッチ機構6のスイッチ部分にpnp型のトランジスタ35を使用して無接点の電子的なスイッチ機能を持たせた例である。本発明の盗難対策装置は大部分を電子回路にして対象物の電子回路本体と一体化することができる。電子回路本体3がICであれば本発明の盗難対策装置の電子回路の大部分をICにして電子回路本体に一体化できる。IC化によって、侵入防止にもなるし、量産効果で廉価な盗難対策装置にすることができるので、対象物が量産品の場合はかえってIC化することが望ましい。その場合には、機械構造のスイッチ機構に代わる無接点のスイッチ機構が必要になる。図6から図7はその例である。
図7は図6のpnp型のトランジスタ35の代わりにnpn型のトランジスタ36を用いた例である。
図8はサイリスタ型のトランジスタ37を用いた例である。ただし、サイリスタを使用した場合には、正常な状態を持続させる信号を発する他にもう一つ遮断手段を設ける必要がある、さらにサイリスタの場合は接続状態を自己で維持できる構造であるので、盗人に進入の隙を与えかねない。よって、厳重な侵入防止機構を設ける場合には、遮断手段も侵入防止機構で守る必要があるなど、スイッチ機構の回路が複雑になる欠点がある。
また、近年に実用化が見込まれる原子スイッチは微細である上に回路の遮断ができるので、IC回路上のスイッチ機構6のスイッチに用いると好都合である。
図9は、中枢部4の二箇所に遮断部5を設けた例である。電子回路を正常には動かない状態に保つ為には中枢部の一箇所を遮断すれば十分であるが、侵入防止をより厳重にする場合の一手段として2箇所以上の中枢部に遮断部を設ける方法がある。高額な車両を盗むような組織的な侵入手口を持った盗人に対抗する手段として有効である。
なお、遮断する場所を電子回路本体の主要な信号が通る中枢部としているが、遮断の目的が電子回路本体の主要な機能を停止させることであるので、前記のような単純な遮断手段で遮断できる要所を選択するほうが効率が良い。例えば、電源やバイアス電流などの直流電流が流れる場所であればその信号に適応したトランジスタで遮断回路が作れるが、交流の場合であれば複数のトランジスタが必要になるとか、高い周波数であれば専用のトランジスタが必要になるなどである。
さらに、スイッチ機構の遮断の目的が電子回路本体の機能を正常には動かない状態に安定させることであるから、半導体や抵抗体やフィルターなど物理的に該当の電子回路の信号を遮断あるいは減衰あるいは乱すなど正常でない状態にする手段も遮断の手段に含む。主要な信号が光の場合もあり得るので、光を遮断する方法も含む。
前記のようにスイッチ機構は多様であるがA接点として動くスイッチ機能を持つことが必要である。したがって、本明細書の図に用いるスイッチ機構は図3の表現に統一して表す。
図10から図14で請求項2及び請求項3の盗難対策装置を模式図で説明する。
図10は、本発明の盗難対策装置の基本の形を模式的に現している。図10は、図4及び図5の電子回路2と、独立したスイッチ22及びスイッチ機構の制御部23と表現した部分に該当する、識別機構10と、時限付きの正常状態持続機構30と、侵入防止機構とからなる本発明の盗難対策装置1の図である。図の破線で囲った侵入防止の範囲38については、後の侵入防止機構の項で詳しく説明する。図10は、標準状態つまり電気回路に通電していない状態の遮断状態を表している。したがって、対象物8を使用しないときの盗難対策装置1の状態を表している。このときスイッチ機構6は遮断の状態を保っている。したがって、対象物の電源スイッチ9を入れても、対象物8は正常には動かない。
なお、本発明の盗難対策装置は装置の大部分を電子回路で構成する。しかも、対象物の主要な電子回路に一体化して搭載される場合が多い。したがって、盗難対策装置として一定の形状を成さない。したがって、図10から図14は、主要な構成要素を、識別機構10と、時限付きの正常状態持続機構30と、電子回路2と、侵入防止機構の侵入防止の範囲38の、4つに分けて表現しているが、あくまでも構成要素の機能を説明するために区分したものであり、実際には、スイッチ7の駆動回路が時限付きの正常状態持続機構側にある場合やスイッチ機構と時限付きの正常状態持続機構が一体になっている場合や識別機構と時限付きの正常状態持続機構とスイッチ機構が一体になっている場合や対象物が元々備えている装置や部品と混在している場合があるなどで構成要素の回路がお互いに入り組んだり、電子基板上に分散したり、一部あるいは全部が車両等の電子回路に組み込まれるなどするので、図10から図14が夫々の構成要素の回路の位置や形状や場所を限定するものではない。
さらに、入力装置11は、識別機構に含まれる装置であるが、その形状が入力ボタンであったりセンサーであったり管理者に相対する部分であるので、対象物の点線の外に表示している
なお、本発明の盗難対策装置の電子回路には電源装置と時計装置が必要であるが、電源装置も時計装置も盗難対策装置を搭載する対象物が既に持っているものとして、図には表していない。但し、後に述べる、本発明の盗難対策装置を搭載するICカードに対する実施例ではICカードが電源装置も時計装置も持っていないのでその様な場合にのみ図に表す。
図11は、対象物を使用しないときの図10の状態から、管理者が対象物を使用するとき、あるいは使用できる状態に切り替える操作をしているときの説明図である。太枠で表示している構成要素がこのときに稼動している構成要素である。
まず、管理者は操作(1)の識別機構の起動ボタンを押して盗難対策装置1の識別機構10を起動する。次に(2)の所定の信号を入力する。なお、識別機構を常時待機状態にしておく方法の場合は、(1)の操作は必要ないので直接(2)の操作をする。
入力装置11で入力した所定の信号14が識別機構10で識別される。識別機構は管理者を認識すると認識信号15を発する。認識信号15を受けた時限付きの正常状態持続機構30は、起動して正常な状態を持続させる信号31を発する。と同時に時限装置が所定の時間の計時を始める。正常な状態を持続させる信号31を受けた電子回路2のスイッチ機構6はスイッチ7で遮断部を接続状態に切り替える。以上の動作によって、対象物の電子回路本体3は正常に動く状態に切り替わって安定する。この状態の対象物8は正常に動く状態であるので、対象物の電源スイッチ9を入れれば普通に使用することができる。
本明細書で言う管理者とは、対象物を購入して使用する本人をはじめ、本人が使用を認めた本人の家族など、さらに、販売前の製造時に遡って流通段階で管理責任を持つ者、保守、修理の技術者など、その時どきの管理者を言う。
本明細書で言う所定の信号14とは、暗証番号や暗証記号などの暗号や、指紋や虹彩の像や顔かたちや皮下の血管の形などの像や、声紋やDNAなど管理者を識別する管理者固有の信号を言う。
なお、所定の信号そのものが盗まれる可能性のあるICチップやICタグや記憶した暗証番号を発信する装置などは、本発明の主旨に反するので、所定の信号はあくまでも管理者だけが所有するものが望ましい。
したがって、所定の信号14の入力装置11は所定の信号が、暗証番号や暗証記号であれば文字入力ボタンであり、指紋であれば指紋センサーであり、手の血管の像であれば血管センサーであり、虹彩パターンであれば撮像素子であるなど、所定の信号に対応した入力装置となる。また、今後開発される認識手段の入力装置も含む。
本明細書で言う所定の時間とは、本発明の盗難対策装置によって対象物が正常に動く状態を持続する時間の長さであり、30秒とか60秒などの秒単位、3分・10分・30分などの分単位、3時間・12時間などの時間単位、7日・30日などの日単位、週単位、月単位、年単位などである。さらに、正常状態になる日時を指定する場合も定義の中に含む。長さや日時は予め設定する場合や予め設定した幾つかの中から選択する場合や管理者が任意に設定する場合などがある。
ここで、所定の時間を短く設定する場合と長く設定する場合について説明する。
30秒とか3分などの短い時間の設定は、ICカードの決済時に用いる。ICカードの場合は決済する一瞬間だけ正常に動く状態であれば良いし、正常に動く状態を必要以上に長く持続させるのは不正に使用される原因となる。
また、30秒とか3分などの短い時間の設定は、車両等の始動用に用いる場合もある。始動するときだけ正常に動く状態にして、正常に動く状態の終了はエンジンキーでエンジンを停止したときと設定しておく方法である。この利点は、エンジンを切ったその時から正常には動かない状態にすることができることである。
3時間などの例は、ビデオカメラやデジタルカメラなどに便利な時間設定である。一度正常に動く状態にすれば使用する時間帯は盗難対策装置を気にすることなく、普通に使用することができるのが本発明の盗難対策装置の特筆する特長である。
長時間の設定にする例について述べる。所定の信号を一度入力するだけで一ヶ月とか3ヶ月とか180日とかなどの長時間にする方法がある。家電商品や事務機器などの場合に使用の都度あるいは数日毎に所定の信号を入力するのは面倒である。室外に持ち出す携帯品に比べて盗難に遭う危険が極端に小さく、しかし、盗難対策装置を搭載していることがが安心感を生む対象物には、所定の時間を長時間に設定する方法が便利な場合がある。家電商品や事務機器や卓上型コンピューターなどには所定の時間の長時間設定が盗難対策になる。なお、盗んでも盗人には所定の時間の終了が何時なのか分からないので何時使用できなくなるか不安である、盗難対策装置が搭載されていることを表示しておくことで高い盗難防止効果を得ることができる。
また、所定の時間の応用として、正常に動く状態になるための接続と遮断の両方を予約時間で動かす方法を採る事ができる。通勤用の車両やICカード機能の定期券機能などで使用時間が決まっている対象物に朝の予約の一時間と夜の予約の一時間だけは予約機能が働いて自動的に繰り返し使用可能な状態にすることができるなどである。このことによって、定期的に使用する場合に限って対象となる時間帯だけは何もしなくても使用できる状態にすることができる。
図12は、図11の操作が済んで、対象物が正常に動く状態に切り替わって安定しているときの盗難対策装置と対象物を説明している図である。太枠部分が稼動している構成要素である。時限付きの正常状態持続機構30の時限装置が所定の時間を計時中であり、この間は正常な状態を持続させる信号31を発信し続けている。したがって、電子回路2のスイッチ機構6も接続の状態を維持している。この状態が対象物を通常通りに使用することができる状態であり、対象物の電源スイッチ9を入れれば電子回路本体3が動いて対象物を普通に使用することができる。
時限付きの正常状態持続機構30が所定の時間の計時を終わって正常な状態を持続させる信号の発信を自動的に停止すると、電子回路2が元の正常には動かない状態に戻って安定し、このときの状態は図10と同じ状態になる。
ここで、正常な状態を持続させる信号のその他の方法について触れる。正常な状態を持続させる信号31は、連続した信号の他に持続開始信号と持続終了信号を用いる方法や、正常な状態を持続させる開始信号だけを用いて時限装置をスイッチ機構側に設けてスイッチ機構側で所定の時間後に自らスイッチを遮断する方法もある。しかし、この場合は、遮断信号が伝わらなかったり遮断信号の受信装置や受信側の装置が機能しなかったりすると正常な状態のままになるなど盗難対策に隙ができるのでその場合の補完装置が必要である。よって、正常な状態を持続させる信号31は連続信号あるいは断続信号などの継続的な信号を用いる方が簡素な装置ができる。
図13は、図10から図12の原型からの派生型であり、識別機構が所定の信号から管理者を認識した時点で、識別機構10自信が直接制御するスイッチ機構32を接続状態にするものである。このとき時限付きの正常状態持続機構30は時限装置でスイッチ機構6を制御する。所定の時間が過ぎればスイッチ機構6を遮断して、併せて識別機構10に所定の時間が過ぎた信号を送って識別機構が制御するスイッチ機構32を元の遮断状態に戻す。
図13は、仕組みは複雑になるが、電子回路本体を遮断する異なる実施例である。また、図9で説明したように、二箇所以上の遮断部を設けて厳重度の高い侵入防止機構にする場合の異なった実施例として有効な手段である。
図14は、侵入防止機構を説明する図である。
本発明の盗難対策装置1に於ける侵入とは、本発明の盗難対策装置1を無効にすることを目的にして、機械的あるいは電気的に対象物1の内に入り込むことであり、入り込ませない、あるいは入り込んでも目的を遂げさせないことを目的にした装置が侵入防止機構である。本発明の盗難対策装置が電子回路の中枢部に遮断部を持つのも、盗まれたときに中枢部故に到達できない、あるいは到達しにくいという、盗難対策装置に侵入させない為の構造であり識別機構の一環である。
本発明の盗難対策装置は高額な車両にも搭載される。また、盗まれると大きな被害に発展する可能性のあるICカードにも搭載する。今日、盗人は、高額な車両やICカードには組織的に高い技術を持って侵入し盗難対策装置を破る手口を編み出すと思われる。本発明の盗難対策装置が持つ侵入防止機構は前記のような高い技術の手口にも十分な耐侵入防止能力を持つ必要がある。
図14の破線で囲んだ中は、本発明の盗難対策装置が万一侵入されると盗難対策装置の基本機能を犯される可能性のある範囲を示したものである。その範囲は、識別機構10以降、認識信号15及び認識信号15の伝達部分、時限付きの正常状態持続機構30、正常な状態を持続させる信号31及び正常な状態を持続させる信号31の伝達部分、電子回路2までである。特に認識信号15の伝達部分と正常な状態を持続させる信号31の伝達部に擬似信号で侵入する手口が本発明の盗難対策装置の弱点の一つとなるので重要な侵入防止拠点になる。
また、本発明の重要な要素である時限付きの正常状態持続機構30の時限装置に係わる時計機能も侵入を防止する対象である。使用可能な状態のときに盗まれて時計の設定を変えられたり、所定の時間の設定を変えて使用可能な時間を延長されるなどの侵入があるので、所定の信号を入力しなければ時計機能に入れないとか、時計機能が止まったらスイッチ機構を遮断するとか、時を刻む信号だけを受けて盗難対策装置内で計時するなどの侵入防止機構で守る必要がある。時限付きの正常状態持続機構内に時計機能あるいはタイマー機能を内蔵する方法もある。
図15は、侵入防止機構の厳重度について、説明したものである。侵入防止機構の厳重度は、軽い侵入防止機構から極めて厳重な侵入防止機構まで、対象物の使用価値に合わせて段階的に設けたほうが効率が良い場合がある。つまり、廉価な対象物には軽度の侵入防止機構で対処し、乗用車のような高額な対象物には前記に説明した厳重度の高い侵入防止機構で対処したほうが効率が良い。その理由は、次に述べる例の通りである。
まず、軽度の侵入防止機構でも盗難対策装置が有効に機能する対象物の例を説明する。例えば携帯電話とか普及型のデジタルカメラとかヘッドホンステレオなどの場合がこれに当たる。これらの、比較的廉価な対象物を手に入れた盗人は盗品が使用できない状態であれば、使用できないことを知った段階で諦めるし、盗もうとするときに対象物が使用不能の状態であることを知れば盗むことも諦めるのが普通である。仮に盗んでも、筐体を開けて中の電子回路基板を見つけ出して盗難対策装置に侵入して盗難対策装置を無効にして使用できるようにするなど、盗人が対象物の価格に見合わないほどの時間と費用と技術などを投下することは一般的には無い。したがって、携帯電話などで既に実施されている様に特殊なドライバーでなければ開けることができない筐体構造を設けるだけでも、電子回路に到達させない効果があるのでこのことも侵入防止機構の範疇に入る。もし筐体を開けた後でも盗難対策装置が搭載されている電子基板をわかりにくい配置をするとか、盗難対策装置の電子回路を多層基板の内層に配置するなど、到達しにくくすることも効果があるので、これら筐体の構造や電子基板の構造も本発明の盗難対策装置の侵入防止機構の範疇に入れる。
したがって、廉価な対象物に搭載する本発明の盗難対策装置の軽度の侵入防止機構の場合は、スイッチ機構の遮断部の場所を必ずしも電子回路本体の深部に設けなくても良い場合もある。
次に、中度の侵入防止機構の例を説明する。中度の侵入防止機構で有効な対象物の例では、ビデオカメラとやオートバイや一般の車両や家電製品や事務機器やなどである。盗んだ後に侵入して動かせるようにしようとする盗人に対しては、特殊な工具を用いなければ盗難対策装置の載った電子基板に到達できなくするとか、盗難対策装置の載った電子基板を多層基板の内層に配置するなど、盗難対策装置の電子回路に侵入するのに手間や時間が掛かるようにするとか、電子基板上の回路に目印や記号を書き込まないようにして、盗人が仮に基板に到達しても高度な電気の専門知識が無い限り回路を読めないようにするなどの対策を侵入防止機構とすることができる。盗人が侵入に時間と手間が掛かりすぎて割に合わないと判断して盗むのを諦める程度以上の侵入防止機構にしておけば良い。
しかしながら、高額な乗用車や、高額なオートバイや、高額な電子機器や、ICカードや、ICカードの機能を搭載した携帯型の電子機器などの使用価値が極めて高い対象物には、盗人が組織的に侵入の方法を編み出す場合も考えられる。侵入するための道具や装置が用いられる場合もある。その場合でも侵入させない範囲が図15の侵入防止機構の点線で囲った部分であり、万一侵入されると本発明の盗難対策装置の基本機能そのものが犯される可能性のある範囲であることを表している。
本発明の盗難対策装置の侵入防止機構は、盗難対策装置の電子回路をIC化することで厳重度の高い侵入防止機構を作ることができる。本発明の盗難対策装置の主要部分は電子回路であるので、対象物の電子回路に一体化することが可能であることは前に述べたが、ICに一体化すると、ICパッケージがIC本体を堅牢に守る構造である上に、もし、ICパッケージを破壊してIC本体に到達したとしてもICそのものが細密であるために侵入できない。高度な電気的知識があったとしても構造的に侵入できない。ただし、このような侵入が想定される盗人は高級な乗用車を狙う組織的な窃盗団や、ICカードの窃盗団などであると思われる。IC一体化はこのような窃盗団に対抗するものである。
図14に破線で示した侵入防止の範囲38は、万一侵入されると本発明の盗難対策装置の基本機能そのものが犯される可能性のある範囲であるが、侵入防止策をどのように施しているかを公表する必要は無いので厳重度は設計次第である。したがって、個々の対象物で実施する場合に、侵入防止の対象範囲を図の破線の範囲に規定するものではない。
次に図16から図32を用いて、本発明の盗難対策方法が従来の方法と異なる着眼点とその盗難対策方法について説明する。
まず、図16を用いて、物が盗まれるときの二つの条件に付いて説明する。
物がどんな条件下にあるときに盗まれるのかということに着目すると、次の二つの条件を併せ持ったとき盗まれることがわかる。第一の条件は、盗人が盗んでまでも手に入れたいと思う価値を持っていることである。第二の条件は、盗まれる環境にあることである。盗まれる環境とは、鍵が掛けてないとか、盗難対策装置が無いとか、見張りがいないなどであり、この二つの条件を併せ持った物が盗まれる。
図の物Aは、第一の条件の盗人が盗んでまでも手に入れたいと思う価値と、第二の条件の鍵が掛けてなくて見張りもいないなどの盗める環境にある、という二つの条件下にあることを表している。このとき、盗人は、物Aを盗むし盗める。
どちらか一方の条件を持たない物Bと物Cのうち、物Bは、第一の条件を持って第二の条件を持たない。つまり、価値を持っていているが盗める環境には無い、つまり鍵を掛けてあったり、見張っている人がいるということである。したがって盗人は、物Bを盗みたくても盗めない。
従来から用いられている盗難対策方法は、物Bの方法である。しかし、この方法には、鍵の掛け忘れなどの隙が生じる危険がある。また、装置を破る手口を持った盗人には盗まれてしまう。強奪には対処出来ない。費用や手間がかかる。などの欠点及び問題点があり、盗難が後を絶たない現状からも、高い効果を得ているとは言えない。高い効果を得られないもう一つの理由が、移動することである。盗まれない環境に置かれていても、移動してしまえば環境が変化して盗まれてしまう。
物Cは、第二の条件下にあるが、第一の条件を持っていない、つまり、鍵が掛けてなくて見張りもいないという盗まれる条件下に有るが、価値が無い状態である。価値が無ければそもそも盗む対象にならない。盗もうと思っても価値が無いことを知れば盗む行為に至る気持ちが消失する。したがって、盗人は、物Cを盗む気を起こさないので、盗まない。
二つの条件を持たない物Dは、盗まれることは無い。
本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法に於いて着目したのは物Cの条件であり、価値を持たない物は盗まれないということである。このことが本発明の盗難対策方法の根幹になっている。
つまり、盗んだ対象物をどうやっても動かすことができなければ盗人から使用価値を奪ったことになる。使用価値が無ければ盗む目的が無くなってしまう。対象物の使用価値を無くしてある、という情報を盗人にあらかじめ伝えることで、盗んでも使えない、ということを盗人に分からせて盗む行動に至らせない盗難対策方法ができる、ということである。
とは言え、持ち主には物の価値を保ったまま、盗人に対しては物から価値を無くしてしまうという方法は今までに無かった。あえて近似した方法を挙げれば、消せないように名前を書く方法である。名前を書いたものが盗まれにくいのは、盗人にとっては甚だ使いにくい物、つまり使用価値が損なわれた物になってしまうからである。
対象物の使用価値を無くしてしまう方法の本発明の盗難対策方法を図16から図31で詳しく説明する。
図17は、本発明の盗難対策装置を搭載した対象物の状態の変化を単純化して説明をしている。本発明の盗難対策装置を搭載した対象物は、通電していない標準の状態つまり使用していない状態のときは、正常には動かない状態である。なにもしなければ使用できない状態のままである。管理者が対象物を使用するときは、暗証番号などの所定の信号を用いて正常に動く状態に切り替えて使用する。このとき対象物は対象物本来の正常に動く状態になる。管理者が対象物の使用を終えた頃、対象物は時限装置で自動的に元の正常には動かない状態に戻る。管理者が対象物を使用する時間の長さは所定の時間として別に設定しておけば良い。これによって、盗人がどの時点で盗んだとしても対象物は必ず正常には動かない状態に戻ってしまい、その後第三者が使用することはできない。
図18は、本発明の盗難対策方法の概念図である。図17で説明した対象物の状態の変化を対象物に係わる管理者・対象物・盗人の関係で説明する。
上段には、管理者が対象物を使用しないときと、使用できる状態にしておくとき、あるいは使用しているときと、使用しないときの三つの状態に分けて左から右に時間が経過するものとして説明し、中段には、本発明の盗難対策装置を搭載した対象物の状態が変化する様子を表している。下段には盗人の行動を付記している。
左行の、管理者が対象物を使用しないときには、盗難対策装置は通電していない状態で停止中である。対象物は正常には動かない状態でともに安定している。このとき対象物そのものを使用不能つまり正常には動かない状態にしておくことが本発明の盗難対策方法の特徴である。対象物そのものが動かないのだから、盗人がたとえ盗んでも動かない。
中行の、管理者が対象物を使用するとき、あるいは使用できる状態にしておくときには、盗難対策装置に暗証番号や暗証記号などの所定の信号を入力する操作だけを行う。盗難対策装置は所定の信号を識別したときだけ稼動して対象物を正常に動く状態に切り替える。つまり、所定の信号を持つ管理者だけが対象物を使用できる状態に切り替えることができる。
右行の、使用しないときは、管理者が使用を終わったときであり、所定の時間が経過して時限装置が働いて盗難対策装置の稼動が自動的に停止した状態である。したがって、対象物も自動的に使用不能の状態に戻る。
盗人は使用可能の状態のときに盗んだ場合だけ対象物を使用することができるが、所定の時間が過ぎると使用できなくなる。
つまり、管理者が使用するときには普通に使用することができて、しかも、何時、どんな状態のときに盗まれたとしても対象物は正常には動かない状態に戻ってしまうのが本発明の盗難対策方法の特徴である。しかも、管理者の盗難対策装置の操作方法は所定の信号を入れるという一回の操作だけであり、使用後の施錠に相当する操作は不要である。
図19は、従来から盗難対策方法が普及している乗用車を例に従来の盗難対策方法について説明している。図18と比較して、従来の盗難対策方法の問題点を明確にして、本発明の盗難対策方法の優れた点を明らかにする。
既存の盗難対策方法は、盗まれない為に収納する収納場所、施錠する錠と鍵、警報を鳴らす警報装置、見張る監視装置など盗人の盗む行動を阻止するとか盗む行動を起こさないように見張るなどの盗み難い環境を作って第二の条件を無くす、つまり盗ませない環境を作るものである。したがって、図19の管理者が車両を使用しないときは、キーを含む盗難対策装置などの状態は、施錠中・警報稼動中である。施錠が厳重であり警報装置や監視装置が厳重であればあるほど、盗人は盗み難いし盗めない。
対象物を使用できる状態にしておくとき、あるいは使用しているときには、管理者はまず、開錠するとか、警報装置を解除するなどの行為(1)を行う。
行為(1)によってキーを含む盗難対策装置は役割を停止して、車両を使用できる状態にする。
対象物の使用が終わったら盗難対策装置を施錠するとか警報装置を入れるなどの行為(2)が必須であり、元の使用しないときと同じ状態に戻す。
しかし、この従来の方法が十分な盗難防止効果を挙げていないのは、以下に挙げる問題があるからである。
従来の盗難対策方法の問題点は、使用できる状態のときに盗まれれば盗難対策装置は全く機能しない。鍵を掛け忘れたり警報装置をセットし忘れれば、盗難対策装置は役に立たない。使用後に施錠行為が必須である。
しかも、車両は常に正常に動く状態であり高い使用価値を持ち続けていて、盗難対策装置を破れば盗人は高い使用価値を手に入れることができるので常に狙われ続ける。盗難防止策を厳重にすればするほど、費用が掛かる。などである。
以上から、従来の盗難対策方法は、盗まれない環境作りを徹底すればするほど装置が複雑になり、費用が掛かってしまい、しかも、対象物が移動してしまえば環境も変わるので効果が及ばないなどの問題があって、従来の盗難対策方法で盗ませないための環境を完璧に作ることが困難であることがわかる。
そして、盗難が後を絶たない根本的な要因は、対象物の使用価値が変化することなくそのままであることにある。盗人にたいして常に魅力的な獲物が存在し、その使用価値が高ければ高いほど盗人は厳重な盗難対策装置にも挑んでくる。そして、ひとたび盗んでしまえば、時間と技術を費やしてでも盗難対策装置を破って、高い使用価値を手に入れてしまう。イモビライザーのような鍵が無ければ動かせない方法も有るが、鍵と一緒に盗まれれば役に立たない。盗みに費やした以上に高い使用価値が手に入るなら、盗人は限りなく盗みを続ける。このことから、対象物の使用価値を目的として盗む盗人に対して、対象物の使用価値を無くしてしまう方法の方が、従来の盗難対策方法よりも効率が良いと言うことに着目して、対象物の使用価値を無くしてしまう方法を盗難対策方法としたのが本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法である。
図20は、本発明の盗難対策装置の動作を説明するものであり、車両等の対象物に搭載した本発明の盗難対策装置の主要な構成要素の基本的な動作を説明している図である。本発明の盗難対策装置の主要な構成要素を示して、図18の盗難対策方法の説明に重ねてその動作を矢印に添って詳細に説明するものであり、図10から図14の本発明の盗難対策装置の模式図と対照して読むと本発明の盗難対策装置の動作をより正しく理解することができる。
まず、図20の左列の、管理者が対象物を使用しないとき、の盗難対策装置の状態を説明する。装置の模式図は図10に当たる。
このとき盗難対策装置は通電が無く、電気的に停止している。したがって識別機構も停止中であり、時限付きの正常状態持続機構も停止中で安定している。したがって、電子回路のスイッチ機構も通電が無く中枢部の遮断部のオン回路のスイッチも遮断の状態である。したがって、対象物は正常には動かない状態であり使用不能の状態である。
次に、図20の中列の、管理者が車両等を使用するとき、あるいは使用できる状態にしておくときの、盗難対策装置の主要な構成要素の働きと状態を説明する。模式図は図11に当たる。
使用するとき、あるいは使用できる状態にするときに管理者が行う手順を(1)と(2)で示す。(1)最初に識別機構のスイッチつまり盗難対策装置のスイッチを入れて識別機構を起動する。次に(2)識別機構の入力装置で所定の信号を入力する。ただし、識別機構を常時待機の状態にしておく場合には(1)の操作は不要である。
識別機構が、管理者の所定の信号を受けて管理者を認識すると、認識信号を時限付きの正常状態持続機構に向けて発する。なお、認識できなければ何もしないか、別に設ける警報装置などに情報を発する方法もある。
識別機構が発する認識信号によって時限付きの正常状態持続機構が起動する。時限付きの正常状態持続機構は、起動して稼動状態になると、正常な状態を持続させる信号を、電子回路のスイッチ機構にむけて発する。
同時に、時限付きの正常状態持続機構の時限装置が所定の時間の計時を始める。
正常な状態を持続させる信号を受けたスイッチ機構は、電子回路の中枢部の遮断部に設けた標準の状態が遮断の状態であるオン回路のスイッチを接続状態に切り替える。以上の動作によって、対象物の電子回路本体は正常に動く状態になる。したがって、対象物が使用可能な状態になる。
このときには、識別機構は既に停止している。したがって、認識信号も役割を終わって停止している。この状態は、時限付きの正常状態持続機構が正常な状態を持続させる信号を発していてスイッチ機構が遮断部を接続状態に持続させている。
この状態のときに、盗難対策装置の操作にかかわることなく車両等の対象物を通常通り何度でも使用できる。つまり、対象物の電源スイッチを入れれば使用できるし何度でも使用できる。模式図は図12の状態である。
盗人はこの間に限って、盗めば対象物を使用できる。しかし、所定の時間が過ぎると、以下に説明する動作によって自動的に使用できなくなる。
次に、図20の右列の、車両等の使用が終わったときの動作を説明する。模式図は図13に当たる。
管理者は、車両等の対象物の使用が終わったら、そのままにして置けば良く、盗難対策装置に関わる操作は必要が無い。対象物が車両の場合なら一般的には駐車してキーを抜いておくし、携帯電話やデジタルカメラなどの携帯品も使い終わって置いておくあるいは手元に持っているという状態である。
時限付きの正常状態持続機構の時限装置が計時していた所定の時間が終わると、稼動していた時限付きの正常状態持続機構が自動的に停止する。したがって正常な状態を持続させる信号が止まり、電子回路のスイッチ機構のスイッチが元の切断の状態に戻る。したがって、電子回路本体は正常には動かない状態に戻って安定する。したがって対象物は正常には動かない状態つまり使用不能の状態に戻る。
このときに盗んでも盗人は車両等の対象物を使用することができない。
このように、所定の時間以降の動作は自動的に成される。したがって、施錠を忘れるとか怠ることで隙が生じるということが無い。したがって、盗人がどんな時にどんな状態で盗んでも、対象物は必ず使用できない状態に戻る。
実用上の問題としては、使用を継続したいときに所定の時間が終了する場合は所定の信号を再入力する方法が分かりやすい。反対に、使用が終わっても所定の時間が長く残っている場合に対象物を直ちに使用できなくするロックボタンを設ける場合もある。また、車両とかコンピューターなどのように使用中に所定の時間が終わって自動的に停止してしまうのが危険であったり好ましくない対象物については、使用が終わってから停止するなどの安全停止装置を備えればよい。車両の場合の安全停止装置の例は、走行中に所定の時間が過ぎた場合には、そのときに遮断部を遮断せずに、エンジンキーを切ったときに遮断することで危険を防止できる。
盗んだものが例えば壊れているのと同様に使えない状態であって、しかも、どうやっても使える状態に直すことができなければ、盗人にとっての使用価値は無い。このこと、つまり使用価値が無いことを盗人に分からせれば盗んでも無駄だと納得させることが可能であり、盗人の盗もうとする気持ちそのものを挫かせかつ削いで盗む行為を起こさせないという、盗人の心理面に作用して盗難防止の効果を得ることができる。
以上説明した様に、本発明の盗難対策方法及び盗難対策装置は盗人の盗もうとする気持ちを削いでしまうかあるいは盗むことを躊躇わせることで盗人が盗む行為に至る前の段階で盗難を抑止し防止するものである。この点が従来の盗難対策装置及び盗難対策方法と大きく異なる。
本発明の盗難対策装置は持ち去らせないための物理的な手段を持たない。したがって、本発明の盗難対策装置と既存あるいは今後実用化される他の方法の盗難対策装置と組み合わせて搭載すると相乗効果が得られる。例えばイモビライザーを搭載した車両では、エンジンが動いている状態やキーと一緒に盗まれたら盗難対策効果がなくなるというイモビライザーの欠点があるが、本発明の盗難対策装置と組み合わせることで、所定の時間が過ぎれば自動的かつ強制的に動かなくすることができる。従来の車両のキーは勿論のことハンドルロックやタイヤロック及び車両の静電変化や衝撃や傾きの変化などの車両の異常を感知して警報を発する警報器などの従来の盗難対策装置と本発明の盗難対策装置を組み合わせることで盗難対策をより厳重にすることができる。
視点を変えて、盗人側から本発明の盗難対策装置を搭載した車両等の対象物を見た場合を想定すると、管理者が使用するときあるいは使用できる状態にしておくときに盗んで、しかも所定の時間が終わるまでの間しか対象物を使用することができない。その後は、対象物の電源スイッチ系をいじっても動かないし、識別機構は所定の信号が無いので動かせないし、侵入しようとしても侵入防止機構で侵入できない。つまり、どうやっても動かすことができない。
以上に説明した本発明の盗難対策方法及び盗難対策装置によって、どんなときに、どんな状態で盗まれても対象物を動かなくしてしまうように機能する盗難対策装置ができる。
そして、動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、と定義した対象物であれば本発明の盗難対策装置を搭載できるという広い汎用性を持つことができる。
したがって、本明細書で表現している車両等や、車両や携帯電話等の対象物、の言葉の定義は車両や携帯電話に限らず、動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、と定義した対象物であれば全てを搭載の対象にすることができる。
図21は、本発明の盗難対策装置を搭載できる対象物の一覧表である。
したがって、前記から、本発明の盗難対策装置は、ICカードにも搭載することができる。これは、前項で説明した通り、ICカードも動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性がある物、だからである。本発明の盗難対策装置をICカードに搭載する説明は、別項のICカードの実施例の項で詳しく説明する。
図22から図32は、本発明の盗難対策方法について説明する。
盗人が人手や道具や時間を掛けて盗み去ったとしても、盗んだ車両の盗難対策装置をどうやっても破ることができなければ、車両を動かすことができない。したがって次に盗む意欲も挫ける。本発明の盗難対策方法は盗まれることでその効果を盗人に照明する。したがって、盗ませない為には、盗人が本発明の盗難対策装置の効果を知って、本発明の盗難対策装置が搭載されている対象物は盗んでも使用することができない、盗んでも無駄だ、ということを学んで納得する必要がある。つまり本発明の盗難対策装置を搭載していることを知らせて盗人の盗む行動に対して阻止効果を働かせて、盗人に盗むことを諦めさせる方法が本発明の盗難対策方法の目的である。
上記の通り、本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法は、盗まれたとき使わせない装置であるが、目的とする本来の効果は、盗難対策装置を搭載していれば盗まれないという効果であり、このことによって盗難を防止するものである。
この盗難対策方法は馴染みが無いために、世間一般、特に盗人には当然のことながら当初は認知されていない。盗んでも動かせないということを盗人が体験しないと効果の事実が伝わりにくいという欠点がある。したがって、認知されるまでの間は、盗難対策装置の盗難防止効果は薄いのはやむを得ないことである。
本発明の盗難対策装置が搭載されていたら盗んでも無駄だという情報が盗人たちに認知されればされるほど盗難が減少する。本発明の盗難対策方法が広く認知された後には、本発明の盗難対策装置を搭載していることを告知するだけで、本発明の盗難対策装置及び盗難対策方法が目的とする本来の効果をあげることができる。
したがって本発明の盗難対策装置を搭載していることをマークや絵や文字や音や映像などの告知手段で盗人に知らせることが本発明の盗難対策方法で盗難を防止するための必須条件になる。
図22から図30で、告知の実施例を説明する。
図22は、錠をイメージした告知マークの例である。
図23は、鍵をイメージした告知マークの例である。
図24は、警告シール調の告知マークの例である。
図25は、本発明の盗難対策装置を搭載した携帯電話に図22の錠をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図26は、本発明の盗難対策装置を搭載したICカードに図23の鍵をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図27は、本発明の盗難対策装置を搭載したデジタルカメラに図23の鍵をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図28は、本発明の盗難対策装置を搭載した商品の梱包箱に図22の錠をイメージした告知マークを付けた実施例である。
図29は、本発明の盗難対策装置を搭載した商品の梱包箱に図24の警告シール調の告知マークを付けた実施例である。
図30は、本発明の盗難対策装置の告知例である。印刷物や映像や音声などの告知媒体で用いる。
本発明の盗難対策装置を搭載する方法は製造段階で組み込んでしまう方法が最も効率の良い搭載方法である。したがって、製造した時点から本発明の盗難対策装置は効果を発揮する。したがって、所定の信号を盗人に知られないようにする手段を講じておけば、図30の告知例などの告知や警告を告知板や館内放送やチラシやPOPなどの告知媒体を用いて対告知することで、輸送中や在庫中や店頭に至る全ての流通段階の盗難対策方法として効果がある。
特に店頭における万引きに大きな効果を発揮する。店頭に展示する商品を正常に動く状態に保つのは所定の信号を入力して所定の時間を展示期間内に設定しておく。または都度所定の信号を入力する。対象物に盗難対策装置を搭載していることを本体や店内の告知や店内放送などで告知する。
図31と図32は所定の信号の管理例を表したものである。
図31は、製造者や販売者が販売後もマスターとしての所定の信号を管理する管理方法の例である。マスター保存型aは、所定の信号のメモリー機能は二以上であり製造者や販売者は販売後も所定の信号Aを管理する。お客は自分の所定の信号Bを盗難対策装置の識別機構のメモリーに登録して管理する。この方法は定期点検や修理など顧客管理が不可欠な車両の場合や家電商品や携帯電話など一般的に広く使用できる。マスター保存型bは、お客が登録した所定の信号Bを製造者あるいは販売者も管理する方法である。車両や金融機関のICカードの例など何れの場合も盗難対策装置を搭載する対象物の価値が高いものに適した管理方法である。この方法は製造者や販売者や窓口が所定の信号を管理しなければならないという負担があるが、万が一お客が所定の信号を忘れてしまっても対処可能であるし、車両や船舶などの場合であれば定期点検などのときに製造者や販売者側のサービス部門に所定の信号が伝わるので効率を損なわない。金融機関のICカードの所定の信号にも使用できる。
また、指紋や虹彩や血管の形など管理者だけが有する像を所定の信号にする場合も、登録や更新や変更に対処するために販売する側がマスターの所定の信号を有している必要がある。
図32は、製造者や販売者は販売後には所定の信号を管理しない方法であり、所定の信号を管理する負担がないという利点がある。盗難対策装置を搭載する対象物が廉価な場合とか売り切りの販売方法に適した方法である。完全切り替え型は販売時点で所定の信号の設定責任はお客の側に移る型である。店頭販売型は、店舗で販売した時点で顧客管理の一環としてお客の所定の信号を販売者が自己管理して、サービスするような、余地を残した場合の例であり、盗難対策装置そのものは所定の信号を一つだけ登録するものである。したがって、修理のときや、もし、管理者が所定の信号を忘れてしまった場合の支援策を、販売者が別に講じておく必要がある。
流通段階における所定の信号の管理例は本発明の盗難対策装置の搭載可能な対象物の流通形態が多様であるために、図31と図32に示した例はその一角に過ぎない。
これまでに、本発明の盗難対策装置の原理を説明した。次に実施例を説明する。なお、これらの本発明を実施する実施例を説明するにあたって、前記の原理で説明した同一の構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図33から図39は本発明の盗難対策装置を車両に搭載した実施例を説明するものである。
図33は本発明の盗難対策装置を乗用車50に搭載した実施例である。本発明の盗難対策装置の電子回路部分の搭載場所は、エンジン制御装置55のICチップ64の一角の円Bの部分に挿入してある。ICチップ64は、ICパッケージ63で保護されている。ICパッケージ63は電子回路の基板62に搭載され、電子回路の基板62は、エンジン制御装置55の一部であり、エンジン制御装置55はエンジン制御装置収納箱54で保護され乗用車50の所定の場所に固定されている。
このような配置そのものが、侵入防止機構となる。エンジン制御装置収納箱54を封印してブラックボックス化すれば厳重度の高い侵入防止機構となる。侵入者が仮にICに到達してもICチップの構造の微細故に侵入できないという侵入防止機構となっている。本発明の盗難対策装置の特徴は侵入行為を防ぐことよりも、侵入を試みても無駄であることを告知して侵入を諦めさせること、つまり盗むことを諦めさせることにある。そのためにも侵入できない盗難対策装置が条件になる。
本発明の盗難対策装置のうち、識別機構の入力装置はダッシュボードの円Aの位置に取り付けてある。
図34は33図の入力装置11Aを取り付けたダッシュボード52周辺の拡大図である。入力装置11Aは、所定の信号を入力するときに見やすくかつ運転の邪魔にならない場所としてエンジン始動スイッチ51の近くに設置してある。エンジン始動スイッチ51近くには盗難対策装置搭載の告知マーク錠40が付いている。
図35は、図34の入力装置11Aの拡大図である。暗証番号あるいは暗証記号からなる所定の信号14Aが表示装置13に表示されている。操作方法は、識別機構の起動ボタン12Aで入力装置11Aを起動させて、所定の信号入力ボタン16で所定の信号14Aを入力して、実行ボタン17を押すだけである。
機能選択ボタン19は、所定の信号の登録・変更や所定の時間の設定変更などに用いる。
ロックボタン18は所定の時間の残りにかかわり無く正常な状態を持続させる信号を停止する場合に用いる。但し運転中に押した場合はロックボタン18を機能しないようにするとかエンジンキーを切ってから機能するなどの安全停止装置を有する。なお、走行中に所定の時間が過ぎて突然止まってしまうのは危険であるから、この場合にも前記の安全停止装置が働くようにする。
図35では所定の信号14Aが正しく入っていることの確認ができる表示装置13や実行ボタン17を設けているが、表示装置や実行ボタンは必ずしも必須のものではない。
入力した所定の信号を盗難対策装置の識別機構に伝達する方法は有線で行っているが、電磁波を用いても良く、その場合は入力装置に電磁波の受発信装置を設けて車両側にも受発信装置を設け識別機構に所定の信号を伝える。但し、その場合は電磁波を読み取られないようにするなど、所定の信号の漏洩対策が必要である。
また、車両にカーオーディオやカーナビゲーションが標準装備されている場合には、それらの入力ボタンやリモコンなどの入力手段を本発明の盗難対策装置の識別機構の入力装置に兼用する方法もある。
また、車両が既に備えている速度や走行距離や気温などのデジタル表示装置や表示切替ボタンなどと、本発明の盗難対策装置の識別機構の入力装置を兼用させる方法もある。
図36は、オートバイに本発明の盗難対策装置を搭載した実施例である。本発明の盗難対策装置の電子回路部分をエンジン制御装置の中に搭載するのは乗用車の実施例と同じであり、入力装置11Bを従来のオートバイの計器パネル53Aに追加装着した図である。
図37は、図36の計器パネル53Aの部分を拡大した図である。入力装置11Bの表示装置13Aは計器パネル53Aの表示装置を兼用している。
エンジン始動スイッチ51Aの近くに、盗難対策装置を搭載している告知マーク鍵41を入れて、盗んでも使用できないことを告知する。
図38は、図37の入力装置11Bの拡大図である。実施例では入力装置11Bにテンキー型を用いているが、オートバイの場合は場所が狭いので、送りキーや戻しキーや実行キーを組み合わせて入力キーを少なくする方法もある。
入力装置11Bの通常の使用方法は、識別機構の起動ボタン12Bを押して、所定の信号入力ボタン16Aで所定の信号を入力して実行ボタン17Aを押す。この操作でオートバイは正常に動く状態になる。
図39は、図33の円Bの拡大図である。乗用車50のエンジン制御装置55に搭載した本発明の盗難対策装置の電子回路の模式図であり、電気回路が休止している状態のときつまり正常には動かない状態を表している。識別機構10Aに所定の信号を入れない限りスイッチ機構6Aが遮断部5Aを接続状態にしないので、エンジン始動スイッチ51を入れても車両は正常には動かない。オートバイも同様である。
車両に搭載した場合でも盗難対策装置の使用方法は簡単である。まず、識別機構10Aの起動ボタン12Aで識別機構を起動する。次に所定の信号を入れれば、車両は正常に動く状態になる。識別機構10Aを常時待機の状態にしておけば、直接所定の信号を入力するだけで良い。
所定の信号が正しければ、車両のエンジン制御装置は直ちに正常な状態になり、正常な状態は所定の時間持続する。したがって、所定の時間内であれば、盗難対策装置に全くかかわり無く、キーでエンジンを掛けて車両を自由に使用できる。キーレスシステムの場合も同様である。例えば所定の時間を12時間として朝所定の信号を入力しておけば日中は家族が誰でも従来の使用方法で普通に使用することができる。最後の使用者がそのままにしておけば、12時間が過ぎると、車両は自動的に使用不能の状態に戻る。所定の時間内であってもロックボタン18によって直ちに使用不能の状態にできる。
所定の信号でない信号が入力装置I入力された場合は、何もしない方法と、所定の回数以上入力されたら、入力を一定時間拒否するとか、別に設ける警報装置に警報信号を発するなどの付加機能も取り付けることができる。
所定の信号や所定の時間の設定を変更する場合は、所定の信号で設定変更機能を呼び出す方法を用いるのが一般的である。
本発明の盗難対策装置はエンジンの制御に電子回路を用いている物であれば、スノーモービルや水上バイクや船舶や航空機や野外発電機などにこの実施例に準じた方法を用いることができる。
図40から図42は、本発明の盗難対策装置をデジタルカメラに搭載した実施例である。
図40は、デジタルカメラ60Aが既に備えている操作ボタンや表示装置を本発明の盗難対策装置の識別機構の入力装置に兼用する場合の説明図である。識別機構の起動ボタン12Cはデジタルカメラである対象物の電源スイッチ9Bを兼用する。所定の信号の入力ボタン16Bはデジタルカメラ60Aの操作ボタンを用いる。所定の信号の入力確認のための表示装置13Aにはデジタルカメラのモニター画面を用いる。以上のように兼用できる操作ボタンや表示装置を既に有している電子機器は、これらを兼用することで電子機器本来の外観を損なうことなく本発明の盗難対策装置を搭載することができる。
図41は、デジタルカメラ60Aの電子回路に本発明の盗難対策装置を一体化した実施例である。盗難対策装置の電子回路は、デジタルカメラ60Aの電子回路の基板62AのICパッケージ63Aに護られたICチップ64Aの一角の円C内に一体化している。
図42は、図41の円Cの拡大図である。デジタルカメラ60Aの電子回路に搭載した本発明の盗難対策装置の電子回路の模式図であり、電気回路が休止している状態のときつまり正常には動かない状態を表している。識別機構10Bに所定の信号を入れない限りスイッチ機構6Bが遮断部5Bを接続状態にしないので、デジタルカメラは正常には動かない。しかも、電子回路がICの中に有るので侵入できないという仕組みを図41と併せることで説明している。
デジタルカメラの盗難対策装置の使用方法は簡単である。まず、識別機構の起動ボタン12を入れる。次に所定の信号の入力ボタン16Bと表示装置13Aで所定の信号を入れればよい。識別機構の起動スイッチ12が対象物の電源スイッチ2であり、正常に動く状態になったらデジタルカメラの電源スイッチは本来の役目に戻る。なお、切替え装置は図から省略してある。
所定の信号が正しければ、デジタルカメラは直ちに正常な状態になり、正常な状態は所定の時間持続する。したがって、所定の時間内であれば、盗難対策装置に全くかかわり無く、デジタルカメラを自由に使用できる。例えば所定の時間を8時間として朝所定の信号を入力しておけば日中は従来の使用方法で普通に使用することができる。また、所定の時間を短時間にしておいて使用したいときに都度所定の信号をいれる方法もある。いずれの場合も使用が終わったらそのままにしておけば、自動的に使用不能の状態に戻る。所定の時間内であっても動かなくしてしまいたい場合の為にロック機能を設ける方法もある。
なお、デジタルカメラの盗難対策装置の電子回路をIC化するのは、侵入防止機構を厳重にする効果の他に量産効果と搭載費用を安くするためにより効果がある。デジタルカメラやヘッドホンステレオなどの低価格の対象物の場合は、盗んだ盗人が手間と費用をかけて組織的に盗難対策装置の電子回路に侵入するなどということはまず無いので、侵入防止を厳重度を高度にする必要は必ずしも無い。盗難対策装置をICチップの中に隠さなくても、電子基板の内層に隠すとか、電子基板に到達しにくい配置をするとか、筐体の止めネジを通常の工具では回せないようにするなどでも十分な侵入防止機構とすることができるためである。
本発明の盗難対策装置は、デジタルカメラやビデオカメラやヘッドホンステレオや携帯電話などに特に便利な盗難対策装置である。それは、使う度に盗難対策装置にかかわる必要が無いことである。これらの対象物の使われ方の共通の特徴は、使用時間が短いわりに使用頻度が高いということである。したがって、使用する度に解除したりセットしなければ機能しない盗難対策装置は実用的でない。本発明の盗難対策装置は一度使用できる状態にすれば所定の時間内は盗難対策装置にかかわることなく対象物を普通に使用することができる。しかも、所定の時間以降は自動的に使用できない状態になる。このように、使用時間が短いわりに使用頻度が高い傾向にある携帯型の電子機器の使用環境に合致した盗難対策装置としての不可欠な要素を、本発明の盗難対策装置は持っている。
図43から図52はICカードに本発明の盗難対策装置を搭載した実施例を説明するものである。
この実施例は、厚さが約0.76ミリメートルしか無いICカードに、本発明の盗難対策装置のうちの入力装置を除いた盗難対策装置を搭載した分離型である。入力装置を分離することによって、ICカードにICカードの薄さを維持しながら本発明の盗難対策装置の機能を搭載することができる。
本発明の盗難対策装置の全てを厚さ約0.76ミリメートルのICカードに搭載して、しかも普及価格で製造するには今後の薄型化技術に負う必要がある。既に説明したように、本発明の盗難対策装置で嵩張るのは入力装置だけであり、入力装置以外の識別機構以降の電子回路はIC化することができる。したがって、入力装置以外の識別機構以降を約0.76ミリメートルの薄さのICカードに搭載することは現在の技術で可能である。これによって、本発明の盗難対策装置の基本機能を搭載したICカードができるし、かつ普及価格で製造することができる。
一方入力装置の部分だけは、ICカードと重ねて使用する入力板の形状や、携帯電話に入力装置の機能を搭載して、携帯電話を入力装置とする例や、金融機関のICカードの場合であれば決済装置の近くに入力板あるいは入力板の機能の入力装置を置いて、決済直前にICカードを正常に動く状態にするなどが有る。
ICカードに所定の信号を送信する方法、つまりICカードと入力装置の間の交信は電波や電磁誘導や光などの電磁波を用いるか接点を設けて有線で行うなどがある。ただし、信号を盗まれないようにする必要があるので、電磁波を用いる場合は、微弱な電磁波で交信できるようにICカードと入力装置を近接させて使用するとか、信号を暗号化するなどの漏洩防止策を講じる必要がある。
図43から図50はICカード本体に入力装置を除いた盗難対策装置を搭載して、入力装置を入力板としたものである。識別機構の入力装置部分を除いた本発明の盗難対策装置の電子回路の全部をICカード本体の方に搭載してICカードの約0.76ミリメートルの薄さを遵守して、入力装置は厚さの制限が緩い入力板の方に搭載するものである。ICカードと入力板は重ねて携帯する使用方法となる。
図43は、入力装置以外の盗難対策装置の電子回路を搭載した実施例3のICカード本体70である。入力装置から所定の信号を受ける手段は、ICカードのアンテナとは別に設けたカード側の誘導コイル71と入力板側の誘導コイルの間で電磁誘導で行う。図の誘導コイル71は内装されているので実際には見えないため位置を示す点線で表している。誘導コイルを用いる利点は密着して使用すれば漏洩が少なく構造が簡単であること、入力板からICカード側に電力供給が楽にできることなどである。
図44は、図43のICカード本体70の電子回路と盗難対策装置の電子回路の概念図である。本発明の盗難対策装置1Cは電子回路の形でICカード本体70に搭載する。ICカードの電子回路本体3Cの中の電子回路2Cの中枢部4Cに遮断部5Cを設けて、この遮断部5Cにオン回路のスイッチ7Cを設けてスイッチ機構6Cとする。スイッチ機構6Cには時限付きの正常状態持続機構30Cが繋がり、前記の時限付きの正常状態持続機構30Cには識別機構10Cがつながる。前記の識別機構10Cにはカードの受発信機構73を介してカード側の誘導コイル71が繋がる。さらに、ICカード本体70にはもともと電源装置と時計装置が無いのでカードの電源機構74と時計装置75が加わる。
時計装置75については、ICカードの場合は決済のときだけ正常に動く状態になっていれば良いので所定の時間は3分とか5分などの短時間に設定するほうがより安全で良い。したがってタイマー機構は秒単位の精度を必ずしも必要としない。したがって、時限付きの正常状態持続機構30Cに必要な時計装置75は時計機能を持たなくてもタイマー機構でも良い。但し所定の時間を短時間にする利点はICカードで決済するときのことであって、別の機能、例えば交通機関の定期として使用するような場合には異なった所定の時間の利用例がある。このことは後の項で述べる。
カードの電源機構74は、コイルやアンテナからの電力を受ける二次電池あるいは太陽光発電あるいはシート型などの電池寿命の長い一次電池を用いる。
図45は、入力板側の電子回路の主な構成要素の模式図であり、図44と対になる。したがってICカード側のカードの誘導コイル71に相対して入力板の誘導コイル81がある。入力板は前記の入力板の誘導コイル81と入力板の受発信機構82と入力板の電源装置83と入力装置11Dを主な構成要素とする。特に電源装置は、ICカード本体側に電力を供給する方法を用いる場合は容量の大きな電源が必要である。
図46は、図45の入力板の図である。入力板80の縦横の形状はICカード本体と同じ形であり入力板の裏側にICカードを重ねて保持すると便利である。入力板80の入力板表面86に入力板のスイッチを兼ねた識別機構の起動ボタン12Dと所定の信号入力ボタン16Cと機能選択ボタン19Aを備えている。所定の信号14Cの確認の為の表示装置13Cも備える。この入力板の薄型化の搭載技術はカード型電卓とかカード型のリモコン操作部などの既存の生産技術でできる。なお、操作ボタンの数や配置などは図が制限するものではない。
図47は、図46の47―47線に沿った断面図である。入力板80はICカードと重ねて財布やカード入れに収納することが多いので、電源スイッチが誤って押される誤動作を防止するために入力板の凹み部分84を作って入力板表面の位置88より低い位置に、入力板のスイッチを兼ねた識別機構の起動スイッチ12Dを設けている。その他にカバーをつけるとか、複数箇所のボタンを同時に押したときにスイッチが入るようにするなどの誤動作防止方法がある。
図48は、図46の入力板80の裏面である。入力板の誘導コイル81の位置を点線で示している。ICカード本体と重ねて使用する際に、ICカード本体の向きや裏表にかかわり無く所定の信号の送信ができるように中心部分に互いの誘導コイルを配置する。したがって、所定の信号を送信する電磁波72は入力板の中心位置に生じる。
図49は、図48の49―49線に沿った断面図である。誘導コイルからの電磁波が中心から出ていることを表している。
図50は、図49の入力板80にICカード本体70を重ねて所定の信号を送信している状態を表している。この図が実際に使用するときの状態であり、使用方法は、識別機構の起動ボタン12Dを押して、所定の信号入力ボタン16Cで所定の信号を入力するだけである。ICカード本体70は所定の信号の入力後に重ねたままで使用する方法と、入力板から離してICカード単体で使用する方法がある。いずれの場合もICカードとしての機能は変わらない。図50では入力板80とICカード本体70の間に隙間があって電磁波72を表現しているが、実際の使用状態では入力板80とICカード本体70は隙間無く密着している。密着することで強い電磁波を発しなくても所定の信号を送信できる。しかも強い電磁波は所定の信号の情報漏洩の元になるので、洩れを防ぐ為にも弱い電磁波で送信できる構造にする。入力板とICカード本体は重ねた状態でカード入れなどに入れて持ち運びできるようにする。
入力板80の厚さに規定はないが、約4ミリメートル未満であることが望ましい。ICカード本体70と重ねても5ミリメートル未満になり、携帯時の負担が軽くなる。
図51は、入力装置搭載の携帯電話89である。ICカード本体70に対する入力板80の機能を、携帯電話に搭載した例であり、入力板が必ずしも板の形状である必要は無い例である。携帯電話は文字入力装置や電源などを既に持っているので入力装置と兼用できて搭載効率が良いし、携帯電話は常に持ち歩くのでICカード70の入力装置として便利である。
所定の信号をICカードに送信する方法は、識別機構の起動ボタン12Fを押して入力装置を起動させて所定の信号の入力ボタン16Eで所定の信号を入力して、ICカードに近づけて識別機構の起動ボタン12Fを押す。なお、図では識別機構の起動ボタン12Fを設けているが、携帯電話の機能の中に所定の信号をICカードに伝える機能をいれておいて実行時に機能選択する方法でも良い。
図52は、図51の入力装置搭載の携帯電話89で所定の信号をICカード70に使用状態の図である。入力装置搭載の携帯電話89側で入力した所定の信号を電磁波72を介してICカード本体70に送信する。図では入力装置搭載の携帯電話89とICカード本体70との間が離れているが、電磁波72の説明のためであり、密着して入力する方が認識信号の電磁波の漏洩を防げる。使用方法は図50の入力板80と同じである。
さらに、ICカード70側の盗難対策装置の所定の信号の受信規格を統一すれば、所定の信号の入力機能が付いている携帯電話あるいは入力板を一つ持っていれば、複数のICカードに対応できる。
入力板あるいは入力板の機能を持った入力装置を、ICカード決済装置に、あるいはICカード決済装置の近くに配置しておけば、決済のときにそこに有る入力板で所持しているICカードに所定の信号を送信できるので個人が入力板を持つ必要が無く、公共的に便利である。
入力板の機能選択ボタンは、ICカードが多機能になった場合に効果がある。ICカードの多機能化が進むと、一枚のカードで定期乗車券の機能や現金決済機能や金融機関のカード機能や各種の鍵の機能や証明書などの多機能型のICカードが出現する。その場合は、そのとき使用する機能を選択する機能を設けて、所定の時間を機能ごとに設定しておくと良い。例えば定期乗車券の機能のときには所定の時間の長さを60分とか12時間などの長時間に設定するとかあるいは、朝8時から一時間、夕方6時から一時間、定期乗車券の機能だけ正常に動く状態になるようにしておいて、現金決済機能や金融機関のカード機能には3分とか10分の短時間の設定をしておくなどである。これによって、定期乗車券として使用している間に盗難に遭っても決済機能を悪用されることを防止できる。しかも、定期乗車券の機能の場合は発行者側にも盗難対策手段がある。
これらの機能別の所定の時間の管理は、入力板の時計機能で行う方法とICカード本体に時計機能まで搭載してICカード側で行う方法、あるいは、入力板側とICカードで分担して行う方法などがある。
さらに、現金の引き出しや金融機関の決済の場合には一度決済行為が成されたら二度目は使用できない機能を加えて決済後に残った所定の時間における不正な読み取りや書き込みを防止する機能を組み込むと盗難対策装置としての効果をより厳重にすることができる。
さらに、非接触方式のICカードには盗まれて使われるという盗難のほかに、携帯型の読み取り書き込み装置を持った第三者に非接触方式のICカードの情報を不正に読み取られたり書き込まれるといった犯罪の出現が予想されるが、このような、非接触方式のICカードに対する電磁波を用いた犯罪に対処する手段として、ICカードの電子回路そのものを遮断しておく本発明の盗難対策装置は高い効果を発揮する。
図53から図57は、ICカードの機能を搭載した携帯電話に本発明の盗難対策装置を搭載した実施例を説明するものである。
図53は、ICカード機能付き携帯電話90からICカードの電波94と携帯電話の電波96の二つの電波が出ている図である。このような異なった機能を併せ持った対象物でも、携帯電話の機能を正常に動かすために不可欠な携帯電話の電子回路と、ICカードの機能を正常に動かすために不可欠なICカードの電子回路92をそれぞれに持っているので、二つの系統に盗難対策装置を設けることができる。また、ICカード側だけあるいは携帯電話側だけに盗難対策装置を設けることもできる。なお、図に表しているICカードの電子回路92とICカードのアンテナ93は携帯電話の筐体の中にあるので実際には見えない。
ICカード機能付き携帯電話90に盗難対策装置を搭載していることを告知する為に筐体に告知マーク鍵41を印してある。
図54は、図53のICカード機能付き携帯電話90を使用状態に開いた図である。携帯電話本来の操作部分にICカードの識別機構起動ボタン98を加えてある。ICカードの盗難対策装置を操作するときに、はじめにICカードの識別機構起動ボタン98を押せば入力装置がICカード専用になるようにしておけば、ICカードと携帯電話のそれぞれの盗難対策装置の明確な使い分けが誤りなくできる。但し、ICカードの識別機構起動ボタン98を設けないでICカード機能付き携帯電話90の機能の中にICカードの機能を入れて機能選択できるようにする方法もある。
図55は、図54の操作部分の拡大図であり、ICカードの盗難対策装置の入力装置として携帯電話の操作部分を共用することができることを説明している。ICカードの識別機構起動ボタン98を押せば携帯電話の操作部分がICカードの盗難対策装置の所定の信号の入力ボタン91になる。
携帯電話側の盗難対策装置は携帯電話の識別機構起動ボタン97つまり電源ボタンを押してから所定の信号を入力すれば良い。
このように、電源も入力装置も表示装置も無いICカードを携帯電話と組み合わせて本発明の盗難対策装置を搭載すると、共用できる部分があって組み合わせる利点が大きい。
図56は、ICカード機能付き携帯電話90のICカード機能と携帯電話機能のそれぞれに機能する本発明の盗難対策装置を搭載した場合の主な構成要素の概念図である。入力装置と表示装置は元々携帯電話が有しているので共有できる。図には表していないが、電源や時計装置は携帯電話のものを用いる。なお、図56は携帯電話側の盗難対策装置とICカード側の盗難対策装置をまとめて表示しているが入力装置以降を分割しても差し支えない。
図57は、図53から図56で説明したICカード機能付き携帯電話の操作手順の例である。携帯電話は12時間使用できるようにしておいて、ICカードの決済機能は使用できないようにしておくことや、ICカードが多機能になったら、交通機関の乗車券機能を朝と晩だけ働くようにするなどの決済機能は動かない状態にしておいて定期券機能は常時働かせるなども可能になる。
上記のように本発明の盗難対策装置は対象物の複数の機能に別々の所定の時間を設定することができる。携帯電話の通常の使用に支障なくして、決済機能を決済するときだけ3分間とか5分間などの短時間だけ使用可能にすることで、第三者に不正に使用する隙を与えなくして、甚大な被害を被る危険を少なくすることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図58から図67では、本発明の盗難対策装置を搭載したICカードの異なる形態について説明する。
図58から図64は、カードの厚さが0.76ミリメートルの規格が緩和された場合を仮定して、本発明の盗難対策装置を搭載することによって0.76ミリメートルよりも厚みがある盗難対策装置付きICカードを、異なる形態として説明する。
図58は、入力装置を含む本発明の盗難対策装置の全てを搭載したICカードである。ICカードに盗難対策装置を搭載する技術はカード型電卓やリモコンなどの既存の薄型化技術で対応できる。ICカード本体100Aのカード表面101には識別機構起動ボタン107、識別機構起動ボタンの誤動作防止のための凹み部分106、ICカード機能の多機能化が進んだ場合に対応するカード機能選択ボタン109、所定の信号の入力ボタン108、表示装置110を設ける。なお、識別機構起動ボタン107は後の図63と図64で説明するように誤動作防止のためにカード側面に設ける場合もある。また、本発明の盗難対策装置を搭載していることを告知する告知マーク鍵41を印す。内部には本発明の盗難対策装置の電子回路を搭載する。その際に、ICカードにはもともと内蔵していない電源装置と計時装置も併せて搭載する。電源装置には光発電装置111を設ける場合もある。
入力キーは送りキー戻しキー実行キーなどに省略すればボタンの数を減らすことができる。
図59は、図58の59-59線に沿った断面図である。識別機構の起動ボタン107に誤動作防止策を講じてある。カード入れや財布の中に入れておいて押されることで、意図せずにスイッチが入ってしまうことを防止するために、凹み部分106を設けてICカード表面の位置104より窪んだところにスイッチの高さを設けておく。
図60は、ICカードの電子回路に本発明の盗難対策装置の電子回路を一体化した電子回路の概念図である。図60のICカードのアンテナ113AとICカードの電子回路112はICカードの構成要素である。本発明の盗難対策装置の電子回路は以下のように搭載する。ICカードの電子回路112の中の電子回路本体3Eの中枢部4Eの遮断部5Eに、オン回路のスイッチ7Eを主な構成要素にするスイッチ機構6Eを設け、時限付きの正常状態持続機構30D、識別機構10D、識別機構の入力装置11Eを設ける。さらに、ICカードが本来持っていない電源機構115と時計機構116も設ける。
図61は、図60のICカード機能を正常に動く状態にするときの動作を説明するものである。カード表面101に設けた入力装置11Eで所定の信号を入力する。入力装置から所定の信号14Dが識別機構10Dに伝わる。識別機構10Dが所定の信号14Dを識別して認識すると認識信号15Aを時限付きの正常状態持続機構30Dに向けて発する。認識信号15Aを受けて起動した時限付きの正常状態持続機構30Dは正常な状態を持続させる信号31Aをスイッチ機構6Eに向けて発する。と同時に所定の時間の計時を始める。スイッチ機構6Eは正常な状態を持続させる信号31Aを受けてオン回路のスイッチ7Eを遮断状態から接続状態に切り変える。電子回路本体3Eの中枢部4Eの遮断部5Eが接続されたことでICカードの電子回路112は正常に動く状態になり、ICカードのアンテナ113がICカードの電波114を発して読み取り書き込み装置との送受信を行うことができる状態になる。
図62は、識別機構の入力装置に指紋センサー117を設けた場合の異なる形態の実施例である。ICカード表面には、指紋センサー117と、指紋センサーつまり識別機構の起動ボタン107A、動作確認ランプ118を設ける。所定の信号が指紋であったり、虹彩の像であったり、血管の形などになることも予測されることであり、センサーの実用化と小型化が進めば、本発明の盗難対策装置に用いる所定の信号と入力装置は多様化する。そして、多様化はICカードの盗難対策装置だけに限らず全ての対象物の盗難対策装置の所定の信号の入力装置として使用できる。
所定の信号に指紋や虹彩の像を用いる場合は、管理者の初期設定の段階で識別機構のメモリーに登録する手続きが必要な場合が生じるので、金融機関の窓口で発行するカードとか会社社員証とか車両等の対応する窓口が明確な対象物の盗難対策装置に適する。
図63は、図62の、指紋センサーつまり識別機構起動ボタン107Bをカード側面位置105より窪んだ側面の凹み部分119に横押し型に設けた場合の例である。ICカードはカード入れや財布の中で押され易いので、前記のような誤動作防止は有効である。
図64は、図63の64-64線に沿った断面図である。誤動作防止の横押し型のスイッチ部分を説明している。
図65は、薄型実装技術が進歩して、0.76ミリメートルの厚さに本発明の盗難対策装置のすべてを搭載することができたときのICカード本体100Dの実施例である。
ICカードは電源を持たないので、盗難対策装置用の電源が必要である。図65では光発電装置111Aを装備している。また時計機能も必要であるので内蔵する。ICカード本体100Dのカード表面101Cに、表示装置110Aを設けて所定の信号14Eの入力確認ができるようにする。所定の信号は識別機構起動ボタン107Cを押してから所定の信号入力ボタン108Aで入力する。ICカード100Dの電子回路の概念図はICカード100Aの電子回路の概念図である図60と同じである。
図66は、図65の66−66線に沿った断面図である。ICカード表面に凹凸を作らずに、薄型実装技術で厚さ0.76ミリメートルの厚さのICカードに本発明の盗難対策装置を搭載した実施例である。
本発明の盗難対策装置の機能と組み合わせたICカードの機能はさらに、カード型電卓や携帯型の電子辞書などの携帯型の電子機器と組み合わせたり、財布や定期入れや腕時計や腕輪やブローチなどの身の回り品と組み合わせることができる。図67は本発明の盗難対策装置の機能とICカードの機能と電卓を組み合わせた例である。
本発明は、大は車両や船舶から、小は携帯電話やICカードに至る、動作するために電子回路を必要としてかつ移動可能であるために盗まれる可能性があるすべての対象物と定義した対象物の盗難対策装置として利用することができる。
対象物の模式図原型。 遮断部。 スイッチ機構。 請求項1の電子回路の遮断状態。 請求項1の電子回路の接続状態。 PNPトランジスタを使用したスイッチ機構。 NPNトランジスタを使用したスイッチ機構。 サイリスタを使用したスイッチ機構。 複数の遮断部を持つスイッチ機構。 請求項2及び3の盗難対策装置の模式図原型。 対象物を正常に動く状態にするとき。 対象物が正常に動く状態。 対象物が正常には動かない状態。 侵入防止の範囲。 侵入防止機構の厳重度の段階。 物が盗まれるときの不可欠な二つの条件。 本発明の盗難対策装置を搭載した対象物の状態の変化。 盗難対策方法の概念図と説明。 従来の、車両の盗難対策方法の概念図。 本発明の盗難対策装置の主要な構成要素の動作関係説明図。 本発明の盗難対策装置を搭載可能な対象物。 錠を模った告知マーク。 鍵を模った告知マーク。 シールを模った告知マーク。 携帯電話の告知例。 ICカードの告知例。 デジタルカメラの告知例。 商品梱包箱の告知例。 商品梱包箱にシールを貼った例。 盗難対策装置を搭載していることを伝える例。 流通段階における所定の信号の管理例1。 流通段階における所定の信号の管理例2。 乗用車の実施例。 図33の円Aの拡大図。 入力装置。 オートバイの実施例。 オートバイの計器パネル付近の拡大図。 オートバイに搭載した入力装置。 車両に搭載した盗難対策装置の模式図。 デジタルカメラの実施例。 ICチップに搭載しているイメージ図。 デジタルカメラに搭載した盗難対策装置の模式図。 ICカードの実施例。 図43のICカード内の電子回路の模式図。 入力板の電子回路の模式図。 図45の入力板。 図46の47−47線に沿った断面図。 入力板裏面。 図48の49−49線に沿った断面図。 入力板からICカードに送信する図。 入力装置搭載の携帯電話。 入力装置搭載の携帯電話からICカードに送信する図。 盗難対策装置を搭載したICカード機能付き携帯電話。 ICカード機能付き携帯電話。 ICカード機能付き携帯電話の操作ボタン。 ICカード機能付き携帯電話に搭載した盗難対策装置の模式図。 ICカード機能付き携帯電話の操作手順の例。 盗難対策装置搭載のICカード。 図58の59−59線に沿った断面図。 ICカードの電子回路が正常には動かない状態の模式図。 ICカードの電子回路が正常に動く状態の模式図。 指紋センサー搭載のICカード。 側面に識別機構起動ボタンを設けたICカード。 図63の64−64線に沿った断面図。 盗難対策装置搭載の0.76ミリメートル厚のICカード。 図65の66−66線に沿った断面図。 盗難対策装置搭載のICカード機能付きカード型電卓。
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D、1E:盗難対策装置、
2、2A、2B、2C、2D、2E:電子回路、
3、3A、3B、3C、3D、3E:電子回路本体、
4、4A、4B、4C、4D、4E:中枢部、
5、5A、5B、5C、5D、5E:遮断部、
6、6A、6B、6C、6D、6F、6G、6H、6I:スイッチ機構、
7、7A、7B、7C、7D:スイッチ、
8、8A、8B:対象物、
9、9A、9B:対象物の電源スイッチ、
10、10A、10B、10C、10D、10E:識別機構、
11、11A、11B、11C、11D、11E:入力装置、
12、12A、12B、12C、12D、12E:識別機構の起動ボタン、
13、13A、13B、13C:表示装置、
14、14A、14B、14C、14D、14E、14F:所定の信号、
15、15A:認識信号、
16、16A、16B、16C、16D:所定の信号入力ボタン、
17、17A:実行ボタン、 18、18A:ロックボタン、
19、19A:機能選択ボタン、 20:入力装置表面、
30、30A、30B、30C、30D:時限付きの正常状態持続機構、
31、31A:正常な状態を持続させる信号、
35:PNP型トランジスタ、 36:NPN型トランジスタ、
37:サイリスタ、 38:侵入防止の範囲、
40:錠を模った告知マーク、 41:鍵を模った告知マーク、
42:シールを模った告知マーク 43:商品梱包箱、
50:乗用車、
51、51A:エンジン始動スイッチ、
52:ダッシュボード、 53、53A:計器パネル、
54:エンジン制御装置収納箱、 55:エンジン制御装置、
56:風防、 57:バックミラーアーム、
58:ハンドル、 60、60A:デジタルカメラ、
61:携帯電話、 62、62A:電子回路の基板、
63、63A:ICパッケージ、 64、64A:ICチップ、
70:ICカード本体、 71:カードの誘導コイル、
72:電磁波、 73:カードの受発信機、
74:カードの電源機構、 75:時計装置、
76:カード表面、 80:入力板、
81:入力板の誘導コイル、 82:入力板の受発信機、
83:入力板の電源装置、 84:入力板の凹み部分、
85、85A、85B:押す方向、 86:入力板表面、
87:入力板裏面、 88:入力板表面の位置、
89:入力装置搭載の携帯電話、
90:ICカード機能付き携帯電話、
91:所定の信号の入力ボタン、 92:ICカードの電子回路、
93:ICカードのアンテナ、 94:ICカードの電波、
95:携帯電話のアンテナ 96:携帯電話の電波、
97:携帯電話の識別機構起動ボタン、
98:ICカードの識別機構起動ボタン、
100、100A、100B、100C、100D:ICカード本体、
101、101A、101B、101C:カード表面、
102、102A:カード裏面、 103:カード側面、
104:カード表面の位置、 105:カード側面の位置、
106、106A:凹み部分、
107、107A、107B、107C、107D:識別機構起動ボタン、
108、108A、108B:所定の信号入力ボタン、
109、109A、109B:カード機能選択ボタン、
110、110A、110B:表示装置、
111、111A、111B:光発電装置、
112:ICカードの電子回路、
113、113A:ICカードのアンテナ、
114、114A:ICカードの電波、
115:電源機構、 116:時計装置、
117、117A:指紋センサー、
118、118A:動作確認ランプ、
119:側面の凹み部分、
120:ICカード機能付きカード型電卓、 121:電卓機能のスイッチ。

Claims (8)

  1. 車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路。
  2. 車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路と、前記のスイッチ機構の制御部を構成する、前記の対象物の管理者の証である暗証番号や指紋像等の所定の信号を受けて管理者を識別する識別機構と、前記の識別機構が前記の管理者を識別した時だけ前記のスイッチ機構に対して接続を指示する信号を所定の時間だけ発する時限付きの正常状態持続機構とからなることを特徴とする盗難対策装置。
  3. 車両や携帯電話等の対象物が内蔵する、前記の対象物が正常に機能するために不可欠な電子回路本体と、この電子回路本体の中枢部に設けた、この中枢部を通る信号を遮断する遮断部と、この遮断部に設けた、前記の対象物の電源スイッチから独立したスイッチを有したスイッチ機構の制御部から接続を指示する信号を受けているときだけ前記の遮断部を接続の状態に切り変えるA接点のスイッチ機構とからなることを特徴とする電子回路と、前記のスイッチ機構の制御部を構成する、前記の対象物の管理者の証である暗証番号や指紋像等の所定の信号を受けて管理者を識別する識別機構と、前記の識別機構が前記の管理者を識別した時だけ前記のスイッチ機構に対して接続を指示する信号を所定の時間だけ発する時限付きの正常状態持続機構と、前記の電子回路と前記の識別機構と前記の時限付きの正常状態持続機構の全部あるいは一部の回路をICのチップの中に組み入れるとか、あるいは多層基板の内側に配置するとか、あるいは一般の工具では開けられない筐体で護るなどの侵入防止策を施した侵入防止機構とからなることを特徴とする盗難対策装置。
  4. 車両や携帯電話等の対象物が内蔵している、前記の対象物が正常に動作するために不可欠な電子回路本体の中枢部に、この中枢部を遮断することで前記の電子回路本体を正常には動かない状態にするための遮断部を設けて、対象物の電源スイッチを入れても正常に動かない状態に前記の対象物を製造する方法と、前記の対象物の電源スイッチから独立させたスイッチによって機能させる、暗証番号や指紋像等の所定の信号で前記の対象物の所有者等の管理者を識別する識別方法と、前記の管理者を識別した時だけ、前記の遮断部に設けたA接点のスイッチ機構にたいして接続を指示する信号を30分とか8時間などの所定の時間だけ発して前記の対象物を所定の時間だけ正常に動く状態にする時限付きの正常状態持続方法とを組み合わせたことを特徴とする盗難対策方法。
  5. 車両や携帯電話等の対象物が内蔵している、前記の対象物が正常に動作するために不可欠な電子回路本体の中枢部に、この中枢部を遮断することで前記の電子回路本体を正常には動かない状態にするための遮断部を設けて、対象物の電源スイッチを入れても正常に動かない状態に前記の対象物を製造する方法と、前記の対象物の電源スイッチから独立させたスイッチによって機能させる、暗証番号や指紋像等の所定の信号で前記の対象物の所有者等の管理者を識別する識別方法と、前記の管理者を識別した時だけ、前記の遮断部に設けたA接点のスイッチ機構にたいして接続を指示する信号を30分とか8時間などの所定の時間だけ発して前記の対象物を所定の時間だけ正常に動く状態にする時限付きの正常状態持続方法と、前記の三つの方法を実施する電子回路を、対象物のIC回路の中に組み込むとか多層の電子基板の内層に配置するとかあるいは対象物の筐体を通常の工具では開けることができないようにする等で、盗人を前記の電子回路に侵入させない侵入防止方法とを組み合わせたことを特徴とする、盗難対策方法。
  6. 請求項2あるいは請求項3記載の盗難対策装置を搭載した車両や携帯電話等の対象物。
  7. 請求項2あるいは請求項3記載の盗難対策装置を搭載していることを、マークや絵や文字や音や映像などの告知手段で自ら告知している、あるいは前記の告知手段で告知された、車両や携帯電話等の対象物。
  8. 請求項2あるいは請求項3記載の盗難対策装置を搭載した車両や携帯電話等の対象物の、輸送あるいは在庫あるいは店頭に展示するなどの流通経路に於いて、製造時点あるいは出荷時点の所定の信号を、前記の対象物とは別に管理するかあるいは暗号化するなどの第三者には知られずに管理者だけが知り得る手段を講じて流通させる、流通時の盗難対策方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009107531A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Sanyo Electric Co Ltd 車載用電子機器
JP2013133768A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Bosch Corp 車両用エンジン制御装置
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