JP2006215329A - カメラのファインダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で、表示の自由度があり品質の良いカメラのファインダ装置を実現する。
【解決手段】 カメラのファインダ内表示用の透過型液晶表示板の上下の面の片面に、拡散効果を持つ拡散シートを接着し、対向するもう片面に偏光効果を持つフレネルレンズシートを接着することにより、透過型の液晶表示板自体をカメラの焦点板とすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 カメラのファインダ内表示用の透過型液晶表示板の上下の面の片面に、拡散効果を持つ拡散シートを接着し、対向するもう片面に偏光効果を持つフレネルレンズシートを接着することにより、透過型の液晶表示板自体をカメラの焦点板とすることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明はカメラのファインダ装置、更に詳しくはファインダ内表示装置に用いる透過型表示素子の改良に関する。
カメラのファインダ内表示には、大きく分けるとカメラの視野内に表示する場合と、カメラの視野外に表示する場合とが有る。カメラの視野内に表示する主な情報としては、測距点の位置や測距範囲、合焦状態、測光範囲などがある。視野内の表示では、撮影の妨げにならないよう常に表示させるものは必要最小限の情報の表示に抑え、必要に応じて追加の表示を行なうことが提案されている。例えば従来の一眼レフカメラでは、視野内の表示としてファインダ光路内に配置されている焦点板に刻線や微小なプリズムで測距表示枠を形成して表示させるものがある。また、合焦した測距点を表示させるために、前述の焦点板に形成された測距表示枠或いは、焦点板近傍に配置された、測距枠が形成された透明な板部材に対しLEDなどで照明させて測距枠を光らせる(いわゆるスーパーインポーズ表示)ものも提案されている。
また、特許文献1に記載のファインダには、視野内表示用に透過型の液晶表示板を用いており、該表示板によって、測距点の表示、合焦表示、更にアスペクト比の変更に応じて、H、C、Pの3つのサイズのファインダ表示領域の変更などを行なっている。図8は上記カメラの概略の構成図であり、図9はファインダ内表示を説明するための図である。これらの図において、1は撮影レンズ、2は撮影レンズ1から導かれた被写体光をファインダ系に導くためのメインミラーであり、測距(以下AF)系にも光束を分割するために半透過ミラーとなっている。8はメインミラー2から反射した被写体光を結像するための焦点板であり、該焦点板8の上面には拡散特性のあるマット面が、下面側には撮影レンズ1の周辺の光束を集光するために輪帯構造を有したフレネルレンズが形成されている。9はAF合焦マークや不図示のアスペクト比切換スイッチの操作に連動して、アスペクト範囲表示をファインダー視野内にスーパーインポーズ表示する透過型液晶としてのゲストホスト型液晶である。9a、9bはアスペクト範囲表示を偏光するためのマスク部、9c、9d、9eは不図示の視線検出装置を用いて撮影者の視線によって、アスペクト比を変更するための指標である。9f−1、9f−2、9f−3は測距点表示である。4は前記焦点板8上の被写体像を正立像に変換するための正立像形成用光学部材であるペンタダハプリズム、5は被写体像をアイポイント(撮影者の肉眼)に結像する接眼レンズである。
以上述べたように、視野内表示に透過型の液晶表示板などの表示素子を用いることで、表示の自由度を増やすことを比較的容易に実現することができる。
また、透過型の表示素子としては、現在液晶(以下LCD)表示板、及びエレクトロルミネッセンス(以下EL)表示素子が主流となっている。LCDの見やすさを向上する方法としては、LCDの観察面側にマイクロレンズアレイ層と偏光素子層を配置して、視野角を広げる提案がなされている(特許文献2参照)。
特開平11−218834号公報
特開平06−027453号公報
前述した従来のスーパーインポーズ表示では、LEDやLEDの光の方向を制御するプリズムなどの部品が必要で、部品を配置するスペースがカメラの小型化の妨げとなっている。また、光を焦点板や別の光学部材に設けられた刻線や微小プリズムに当てて、その反射光を撮影者が観察するので、表示する形状や位置、大きさなどに制約がある。また、LEDやプリズムの高い位置精度も要求され、こうした位置調整が必要な場合は調整のコストも掛かってしまう。
視野内表示用に透過型のLCDなどの表示素子を用いた場合には、表示の自由度は増すが、被写体像を結像させる焦点板と表示素子が、ファインダ光軸上で前後して配置されるために、焦点板上に結像される被写体像と表示素子の表示の視度が異なり、被写体像と同等の見えにするのは困難である。また、最低焦点板と透過型の表示素子の2部品が必要となる。
本発明の目的は、部品スペースを取らず、表示の自由度が有り、表示の見えの品位も良いファインダ内表示用の透過型表示素子を提供することにある。
本発明は、上記課題を解消するために、表示層を少なくとも2枚の透明板にて挟持する構造の透過型表示素子で、ファインダ視野内に表示するカメラのファインダ装置において、
前記透過型表示素子はカメラの撮影レンズから入射した被写体像をファインダに導くための反射部材と、被写体像を正立像に形成し接眼レンズに導く正立像形成用光学部材との間の光路内に配置され、前記2枚の透明板の内一方の表示層に面していない面に拡散効果のあるシートを接着し、対向するもう一方の透明板の表示層に面していない面にフレネルレンズを形成したシートを接着したことを特徴とする。
前記透過型表示素子はカメラの撮影レンズから入射した被写体像をファインダに導くための反射部材と、被写体像を正立像に形成し接眼レンズに導く正立像形成用光学部材との間の光路内に配置され、前記2枚の透明板の内一方の表示層に面していない面に拡散効果のあるシートを接着し、対向するもう一方の透明板の表示層に面していない面にフレネルレンズを形成したシートを接着したことを特徴とする。
本発明によれば、透過型の表示素子の表示層を挟む2枚の透明板のそれぞれに、拡散効果のある形状を成形したシートとフレネルレンズを成形したシートを接着若しくは、2枚の透明板の一方に拡散効果のある形状を形成し、対向するもう一方の透明板にフレネルレンズ形状を形成することにより、透過型の表示素子自体を焦点板として機能させることが可能となる。これにより、LED等の照明によるスーパーインポーズ表示よりも、設計自由度のある表示が可能で部品点数も減り、LEDの位置調整なども必要なくなる。
また、透過型の表示素子自体が焦点板となるため、従来の視野内表示用に透過型のLCD等の表示素子を用いた場合よりも、被写体結像面と表示面とのファインダ光軸上の距離を短くすることが可能となり、従って被写体像と表示の像との視度差が少なくてすむため、ファインダを覗いた時に違和感のない品位の良いファインダ内表示が可能となる。さらに、部品も2部品が1部品となり、スペース効率が良くなる。
(実施例1)
本発明の一実施例を図1乃至図6を用いて説明する。図1は本実施例の一眼レフカメラの要部を示す構成図である。同図において、1は撮影レンズ、2は撮影レンズ1から導かれた被写体光をファインダ系に導くためのメインミラーであり、AF系にも光束を分割するために半透過ミラーとなっている。3はメインミラー2から反射した被写体光を結像するための焦点板であるが、従来例と異なるのは、焦点板自体が表示素子の機能を有することであり詳細は後述する。4は焦点板3上の被写体像を正立像にするための正立像形成用光学部材であるペンタダハプリズム、5は被写体像をアイポイントに結像させる接眼レンズである。6はメインミラー2を通過した光束を後述のAF装置へ導くための全反射ミラーであるサブミラー、7は被写体像のデフォーカス量に応じて撮影レンズ1を合焦させるためのAF装置である。
本発明の一実施例を図1乃至図6を用いて説明する。図1は本実施例の一眼レフカメラの要部を示す構成図である。同図において、1は撮影レンズ、2は撮影レンズ1から導かれた被写体光をファインダ系に導くためのメインミラーであり、AF系にも光束を分割するために半透過ミラーとなっている。3はメインミラー2から反射した被写体光を結像するための焦点板であるが、従来例と異なるのは、焦点板自体が表示素子の機能を有することであり詳細は後述する。4は焦点板3上の被写体像を正立像にするための正立像形成用光学部材であるペンタダハプリズム、5は被写体像をアイポイントに結像させる接眼レンズである。6はメインミラー2を通過した光束を後述のAF装置へ導くための全反射ミラーであるサブミラー、7は被写体像のデフォーカス量に応じて撮影レンズ1を合焦させるためのAF装置である。
図2(a)は前述の構成のカメラに具備される焦点板3の断面図である。本実施例で使用する透過型の表示素子はLCD表示板を例に挙げて説明するが、他の透過型の表示素子、例えばEL素子などに置き換えてもかまわない。中央の表示層3cは液晶層であり、該表示層3cをサンドイッチするようにそれぞれ一対の透明電極3d−1、3d−2及び偏光フィルム3eそして透明ガラス基板3fが配置される。ここまでの構成が一般的な透過型のLCD表示板の構成であるが、本実施例では更に観察面側の透明透明ガラス基板3f表面に、拡散効果のあるシート板3aを透明接着剤で接着すると共に、入射光側の透明透明ガラス基板3fの表面に、撮影レンズを通過した周辺光束を集光するためのフレネルレンズを形成したシート板3bを透明接着剤で接着している。該透明接着剤としては、現時点では屈折率1.5程度の紫外線硬化型の接着剤を用いるのが好適である。
本実施例の焦点板3では、シート板3aとシート板3bを上下の透明ガラス基板3f上に接着しているが、本発明では透明ガラス基板3fは必須の構成要素ではなく、焦点板3を構成するための強度を持たせるため、及び電極のコネクタ部(図示せず)を構成するために透明ガラス基板3fを用いている。従って、例えば実施例では上下2枚の透明ガラス基板を用いているが、下側の透明ガラス基板を取り除いて、偏光板3eに直接シート板3bを接着したり、逆に上側の透明ガラス基板を取り除いて、偏光板3eに直接シート板3aを貼り付けても良い。更には、上下2枚の透明ガラス基板3fを取り除いても、偏光板3eのみで強度的に問題なく、コネクタも構成できる場合は、透明ガラス基板無しで、直接偏光板3eにシート板3a、3bを貼り付けてもかまわない。
(実施例2)
図2(b)は表示素子を有機EL表示素子にした場合の構成の一例を断面図にしたものである。発光層(表示層)31hはポリパラフェニレンビニレン(PPV)やポリアルキルチオフェン(PAT)などの高分子有機材料、31kはカソード(陰極)、31iは電子輸送層、31jは正孔輸送層、31lはアノード(陽極)、これらの各層を透明材料で形成し、上下方向に透明ガラス基板31fで挟み込んで、透明ガラス基板31f表面にそれぞれシート板31a、及びシート板31bを接着して、カメラの焦点板としたものである。また、最近では発光層に無機物を用いた無機ELも開発されているので、この無機ELを用いてもかまわない。
図2(b)は表示素子を有機EL表示素子にした場合の構成の一例を断面図にしたものである。発光層(表示層)31hはポリパラフェニレンビニレン(PPV)やポリアルキルチオフェン(PAT)などの高分子有機材料、31kはカソード(陰極)、31iは電子輸送層、31jは正孔輸送層、31lはアノード(陽極)、これらの各層を透明材料で形成し、上下方向に透明ガラス基板31fで挟み込んで、透明ガラス基板31f表面にそれぞれシート板31a、及びシート板31bを接着して、カメラの焦点板としたものである。また、最近では発光層に無機物を用いた無機ELも開発されているので、この無機ELを用いてもかまわない。
図3、図4はシート板31aの構造の一例を示す図で、図3は平面図、図4は断面図である。本実施例のシート板31aは多数のマイクロレンズ31a−1を規則的に配列しており、通常カメラの焦点板に用いる場合には拡散特性と透過特性(明るさ)のバランスを取って、このマイクロレンズ31a−1の半径を決めており一般的には20〜60μm程度である。また、シート板31aの表面形状は拡散特性があれば特に限定は無く、前記マイクロレンズ31a−1の配列をランダムに配列しても良く、マイクロレンズの代わりに別の形状で形成してもかまわない。
図5、図6はシート板31bの構造の一例を示す図で、図5は平面図、図6は断面図である。図5、図6のように輪帯状にプリズムが構成されており、外周部に近いほど偏光を強くして周辺の光束を集光している。シート板31a及びシート板31bの製造方法は特に限定しないが、現時点では、金型にマットやフレネル形状を形成し、透明な合成樹脂シート(例えばポリカーボネートやアクリルなど)に押付けて形状を転写するいわゆるコンプレッション成形が一般的である。シートの厚さも特に限定はしないが、あまり厚くすると本発明の目的の1つである部品スペースを取らないというメリットが少なくなってしまうため、極力薄くする方が望ましい。
以上のように、透明表示素子の上下の面に、拡散機能を有するシートとフレネルレンズを形成したシートを貼り付けることにより、透明表示素子自体をカメラの焦点板とすることが可能となり、ファインダ内表示と被写体像の視度差を極力少なくすることが可能で、表示品質が良く従来のLED照明などによるスーパーインポーズ表示と比較して、表示の自由度が高く、部品点数、調整工数も削減可能である。
図7は、透明ガラス基板の代わりに、直接偏光シート10d上に拡散シート板10b、フレネルレンズシート板10cを貼り付けたタイプの焦点板の断面図である。通常の透過型の液晶表示板では、前述のように表示層10aの上下面に透明電極(図示せず)、その外側に偏光層10d(偏光フィルム)を配置し、更にその外側にガラスやプラスチックでできた透明な板材を貼り付けている。これに対し、図7では前記透明な板材の代わりに、射出成形若しくはコンプレッション成形された拡散シート板10b及びフレネルレンズシート板10cを偏光層10dにそれぞれ貼り付けている。通常、表示層や電極層及び偏光層は非常に薄く、剛性が無いために、ガラス板やプラスチック板で、部品形状を保っている。そこでガラス板やプラスチック板の代わりに、成形された拡散板10b及びフレネルレンズ10cを接着することで、部品点数を削減することが可能となる。
また、変形例として、表示層の片側は強度を確保するために成形された拡散シート板又はフレネルレンズシート板を接着し、対向するもう片側には、拡散シート又はフレネルレンズシートを貼り付けることで、より薄い表示機能付きの焦点板を得ることができる。
1 撮影レンズ
3、10、31 焦点板
3a、31a シート板
3b、31b シート板
10b 拡散シート板
10c フレネルレンズシート板
3、10、31 焦点板
3a、31a シート板
3b、31b シート板
10b 拡散シート板
10c フレネルレンズシート板
Claims (4)
- 表示層を少なくとも2枚の透明板にて挟持する構造の透過型表示素子で、ファインダ視野内に表示するカメラのファインダ装置において、
前記透過型表示素子はカメラの撮影レンズから入射した被写体像をファインダに導くための反射部材と、被写体像を正立像に形成し接眼レンズに導く正立像形成用光学部材との間の光路内に配置され、前記2枚の透明板の内一方の表示層に面していない面に拡散効果のあるシートを接着し、対向するもう一方の透明板の表示層に面していない面にフレネルレンズを形成したシートを接着したことを特徴とするカメラのファインダ装置。 - 表示層を少なくとも2枚の透明板にて挟持する構造の透過型表示素子で、ファインダ視野内に表示するカメラのファインダ装置において、
該透過型表示素子はカメラの撮影レンズから入射した被写体像をファインダに導くための反射部材と、被写体像を正立像に形成し接眼レンズに導く正立像形成用光学部材との間の光路内に配置され、前記2枚の透明板の内一方の表示層に面していない面に拡散効果のある形状を形成し、対向するもう一方の透明板の表示層に面していない面にフレネルレンズを形成したことを特徴とするカメラのファインダ装置。 - 前記透過型表示素子は、液晶表示素子であることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラのファインダ装置。
- 前記透過型表示素子は、EL表示素子であることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラのファインダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005028932A JP2006215329A (ja) | 2005-02-04 | 2005-02-04 | カメラのファインダ装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008010317A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Pentax Corp | 有機エレクトロルミネセンス素子、及びこれを備えたファインダー装置 |
JP2008233690A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Nikon Corp | 表示装置および光学装置 |
-
2005
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Legal Events
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