JP2006215279A - 表示デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスに関し、製造工程における現像液に浸食されず、安定した生産が実現でき、透明電極との直接接合をしても低い接合抵抗を実現可能とした表示デバイスを提供する。
【解決手段】 薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスにおいて、透明電極層とアルミニウム合金膜層との間に透明金属酸化物層を設けて、電気的に接続されたものとした。また、この透明金属酸化物層は、透明電極層の含有酸素濃度よりも低い含有酸素濃度であり、ITOから構成される場合、その光吸収係数が3×10〜4×10cm−1であるものとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表示デバイスに関するものであり、特に、液晶ディスプレイのような、薄膜トランジスタと透明電極とを備える表示デバイス及びその表示デバイスの製造方法に関する。
情報機器、AV機器、家電製品等の表示デバイスとして、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略称する)を採用したディスプレイが、現在、幅広く利用されている。このようなディスプレイには、TFTを代表とするアクティブマトリックス方式による液晶表示(LCD)や自己発光型の有機EL(OELD)、或いはパッシブマトリックス方式による有機EL等、様々な制御構造が提案されており、この制御構造は薄膜により形成された薄膜回路により構成される。
上述した各種表示デバイスは、一般的に、ITO電極を代表とする透明電極、薄膜トランジスタ、配線用の導電性電極などを備える。このような表示デバイスは、表示品質、電力消費、製品コストなどに直接影響するものであり、その構造改善が日々進められている。
この表示デバイスの構造については、液晶表示(LCD)を例にすると、具体的には、次のような改善技術が進行している。
表示デバイスの中心となる傾向の液晶表示装置(LCD)では、高精細化、低コスト化は目覚ましく、その薄膜回路としてはTFTを備えた構造が広く採用されつつある。そして、その薄膜回路の配線材料としては、アルミニウム(Al)合金が用いられてきている。これは従来使用されてきたタンタル、クロム、チタンやそれら合金等の高融点材料の比抵抗が高すぎる等の改善策として、比抵抗が低く、配線加工が容易なアルミニウムが代替材料として着目された結果による。
しかしながら、このアルミニウム合金薄膜による配線電極を形成する場合、LCDにおけるITO電極などの透明電極とのコンタクト部分において次のような現象を生じることが知られている。それは、Al合金とITO(Indium Tin Oxide)電極とを直接接合すると、その両者の電気化学的特性の相違により、その接合界面において反応を生じ、接合界面の破壊や抵抗値の増加を生じるのである。そのため、液晶表示素子にAl合金を使用する場合には、MoやCrなどから形成される、いわゆるキャップ層(或いは、コンタクトバリアー層。以下、「キャップ層」という用語には、コンタクトバリアー層を含む概念として用いる)と呼ばれるものが形成される(例えば、非特許文献1参照)。
内田龍男 編著,「次世代液晶ディスプレイ技術」,初版,株式会社 工業調査会,1994年11月1日,p.36−38
つまり、このAl合金の配線電極を備えるTFTでは、Cr、Mo等を主材料としたキャップ層が設けられることが一般的であった。このようなキャップ層の存在は、表示デバイス構造を複雑とし、生産コストの増加に繋がるものであった。また、最近では、このキャップ層を構成する材料の一つであるCrの使用を排除する市場動向もあり、キャップ層を形成する技術に大きな制約が生じ始めたという事情もあった。
そのため、近年では、上述したキャップ層を省略し、ITO電極などの透明電極と直接接合させることを想定した特定組成のAl合金膜が提案されている(特許文献1、特許文献2)。また、Al合金電極層上にN、O、Si、Cのいずれかが含有されたAl合金膜を積層した積層型Al合金配線材料も提案されている(特許文献3)
特開2004−214606号公報 特開平10−183337号公報 特開平11−284195号公報
しかしながら、これら先行技術で提案されたAl合金膜では、回路形成で使用する際の現像液に接触した場合、Al合金が浸食されてしまい、従来の製造工程に対応できないという指摘がされている。即ち、この現像液の浸食によって、Al合金膜自体を溶解して回路形成を困難にしたり、或いはAl合金膜表面を酸化して、透明電極との直接接合の際の接合抵抗を増大させるという不具合を生じるのである。特許文献2のAl合金膜は、このような現像液の浸食に対して、ある程度の耐食性を向上されたものではあるが、安定した生産を実現し、透明電極と直接接合した際の接合抵抗を低下させる技術としては十分に満足できるものといえない。
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスに関し、製造工程における現像液に浸食されず、安定した生産が実現でき、透明電極と直接接合しても低い接合抵抗を実現可能とした表示デバイス及びその製造技術を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明は、薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層(以下Al合金膜層と略する場合がある)とを備える表示デバイスにおいて、透明電極層とAl合金膜層との間に透明金属酸化物層を設けて、電気的に接続された表示デバイスとした。即ち、本発明に係る表示デバイスは、透明電極層と接合するAl合金膜層との間に、透明金属酸化物層を介在させた三層構造となっていることを特徴とするものである。以上及び以下において、本発明における透明金属酸化物層とは、ITOを代表とするインジウム系酸化物や、錫酸化物、亜鉛酸化物を含む酸化物層のことをいい、いわゆるITOやIZOのような透明電極として採用されている材料であって、光透過性を備え、現像液に対する耐食性を有する材料をいう。
このような三層構造によれば、Al合金膜層が透明金属酸化物層により保護されているため、回路形成における現像液、特に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液による浸食を有効に防止することが可能となる。Al合金膜層がアルカリ現像液に浸食される場合としては、先にAl合金膜層を下地として形成し、その上に透明電極層を形成するという順序で直接接合の積層構造を実現する場合が代表的な工程として考えられる。本発明のように、Al合金膜層の上に透明金属酸化物層を設けておくことで、回路形成の際に使用されるアルカリ現像液によるAl合金膜層の浸食が透明金属酸化物層でブロックされる。そして、本発明では、この透明金属酸化物層の上に透明電極層を形成するのである。
本発明における透明金属酸化物層は、透明電極層と同一材料或いは、同様な特性を有する材料で形成されているので、透明金属酸化物層と透明電極層との接合では接合抵抗や光透過性などに支障は生じない。また、Al合金膜層と透明金属酸化物層との接合は、Al合金膜層と透明電極層とを直接接合している場合と等価な接合状態となり、すなわち、本発明では三層構造となっているものの、透明金属酸化物層を介して透明電極層とAl合金膜層とが電気的に接続され、実質的に透明電極層とAl合金膜層との直接接合を形成した構造といえる。
このような本発明に係る表示デバイスの三層構造は、薄膜トランジスタ、透明電極層、Al合金膜層を備えた表示素子部分のみならず、表示パネルの周囲に形成される駆動ドライバ端子との接続部分などに適用が可能である。要は、Al合金膜層と透明電極層とを直接接合する構造が形成される部分に対して、本発明は適用できるものである。
本発明に係る表示デバイスでは、透明金属酸化物層が透明電極層の含有酸素濃度よりも低い含有酸素濃度であることが望ましい。本発明に係る表示デバイスにおいては、Al合金膜層表面に透明金属酸化物層を形成することになるが、Al合金膜層の表面が酸化されると、Al合金膜層と透明金属酸化物層との接合抵抗が増大すること判ったのである。通常、透明電極層をスパッタリング法などの乾式法によって形成する場合、スパッタ雰囲気中には酸素が導入されるが、この酸素はAl合金膜層表面を酸化させ、接合界面に酸化皮膜を形成して接合抵抗を増大させることが知られている。そこで、透明金属酸化物層を形成する際には酸素の使用を抑制し、透明金属酸化物層の含有酸素濃度を低くすると、Al合金膜層の酸化が抑制され、接合抵抗の上昇が防止できることを見出した。
本発明の表示デバイスについては、透明金属酸化物層がITOからなることが好ましい。そして、この場合の透明金属酸化物層は、3×10〜4×10cm−1であることが望ましい。ITOは透明電極材料として広く使用されているので、従来の製造工程においても容易に本発明の適用が可能となる。そして、透明金属酸化物層の含有酸素量により、透明金属酸化物層の光吸収係数も変化するが、光吸収係数は4×10cm−1を超えると、酸素含有量は低くなるものの、光反射を行う反射電極の部位に使用する場合には好適でなくなる。また、3×10cm−1未満である場合においては、ITO自体と同じ光透過能力を有するものとなるが、Al合金膜層と透明金属酸化物層との接合抵抗が増大する傾向となる。尚、本発明における透明金属酸化物層の光吸収係数は、波長550nm(可視光領域)の光線により測定して得られた値であり、また、透明金属酸化物層には熱処理を行わない状態で測定されたものである。透明金属酸化物層を熱処理した場合、その熱処理温度や時間により、光吸収係数が変化するため、熱処理を行わない状態により光吸収係を特定したものである。
本発明の表示デバイスは三層構造を特徴とするものであるが、これは従来から行われている表示デバイスの製造工程を配慮した結果に基づく。透明電極層とAl合金膜層との理想的な直接接合、即ち低接合抵抗となる直接接合を実現するには、上記したように接合界面に酸化皮膜が存在しないような状態であればよい。そのため、低い接合抵抗となる直接接合構造を有する表示デバイスとしては、アルミニウム合金膜層と接合される透明電極層には、その接合界面近傍に酸素欠乏領域を備えるようにすればよい。つまり、本発明のように三層構造を採用しなくとも、例えば、Al合金膜層と透明電極層との二層構造であっても、透明電極層の接合界面近傍に酸素含有量が低い領域を形成することで、Al合金膜層の酸化を防止し、接合界面における酸化皮膜の形成を抑制すればよいものである。
さらに、本発明に係る表示デバイスは、透明金属酸化物層が酸化インジウム又は酸化錫、或いは酸化亜鉛を主成分とする酸化物からなるものでも好適である。いわゆるIZO(Indium Zinc Oxide)と呼ばれる酸化インジウム系材料や酸化錫、酸化亜鉛を主成分とする酸化物からなる材料などであっても、アルカリ現像液の浸食を防止できるからである。
本発明の表示デバイスにおけるアルミニウム合金膜層は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液(濃度2.38%、液温23℃)中での溶解速度が5〜50Å/秒であることが望ましい。濃度2.38%、液温23℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液(以下、TMAH現像液と略する場合がある)は、表示デバイスの製造において広く使用されている現像液であるが、このTMAH現像液に溶解する速度が5〜50Å/秒であるAl合金膜層に対して本発明は特に有効なものとなる。5Å/秒未満の溶解速度であれば、現像液による浸食があまり進行しないものと考えられる。また、50Å/秒を超える溶解速度のAl合金膜層は現状使用されていないため上限値として規定しているが、50Å/秒を超える溶解速度を有するAl合金膜層に対して、本発明の適用を排除する意味ではない。
そして、本発明に係る表示デバイスでは、アルミニウム合金膜層が透明金属酸化物層との接合界面に、前記アルミニウム合金膜層を構成する合金成分の一部または全部が析出物もしくは濃化層として存在していることが望ましい。このような析出物や濃化層が存在すると、Al合金膜層と透明金属酸化物層との接合抵抗を低く維持できることになるからである。この場合、析出物の大きさ(平均粒径)は0.01μm〜0.2μmであることが望ましい。この範囲の大きさである析出物であると接合抵抗を低い状態にできる。
また、本発明の表示デバイスにおけるアルミニウム合金膜層は、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種以上の元素を0.5at%〜7at%含有し、残部がアルミニウムからなることが好ましい。このようなAl合金膜層であれば、上記した析出物としてAlを含む金属間化合物がAl合金電極層中に存在することになり、接合界面の反応が抑制され、透明金属酸化物層と確実な直接接合が実現できる。ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種以上の元素が0.5at%未満の含有量であると、接合界面反応の抑制作用が不十分となり、7at%を超えるとAl合金膜層自体の抵抗値が大きくなり実用的でなくなる。
そして、炭素、シリコン、ネオジウム、イットリウムのうち少なくとも1種以上の元素を0.1at%〜6.0at%含有するAl合金膜層であっても好適なものとなる。これらの元素を含有したAl合金膜層であると、熱処理によって生じるヒロックやディンプルの発生が抑制され、好適な接合状態が実現できるものとなる。このヒロックとは、熱処理後のAl合金膜層表面に形成される突起であり、ディンプルとは、ヒロックのような突起とは逆に、体積収縮によって生じる窪み状の欠陥をいう。炭素、シリコン、ネオジウム、イットリウムのうち少なくとも1種以上の元素を含有する場合、その含有量が0.1at〜6.0at%の範囲を外れると、ヒロックやディンプルの発生が生じやすくなる傾向となる。
上記した本発明の表示デバイスにおけるアルミニウム合金膜層は、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種以上の元素を含有する場合、その酸化還元電位が−1.2V〜−0.7Vであることが望ましい。酸化還元電位が−1.2Vよりも卑な電位値であると、アルカリ現像液の使用の際に、電池化学反応が発生して透明電極層の変色等の不具合を生じやすくなる。また、−0.7Vよりも貴な電位値になると、Al合金膜層中における金属間化合物などの析出物量が増加し、Al合金膜層中に貴な電位の部分と、卑な電位の部分を生じ、いわゆる回路形成工程におけるエッチング処理においてAl自体が溶解してしまい、回路形成が困難になる傾向となる。尚、この「酸化還元電位」とは、ある反応物の酸化還元反応において、その酸化速度と還元速度とが等しくなり平衡する際の電位、いわゆる平衡電位のことをいう。
上記した本発明に係る表示デバイスは、薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスの製造方法において、アルミニウム合金膜層を現像液により配線用のパターニングを行う前に、該アルミニウム合金膜層の表面に透明金属酸化物層を形成することにより製造することができる。
そして、前記透明金属酸化物層のスパッタリング法による形成は、透明電極層の形成条件におけるスパッタリング時の酸素ガス導入量割合(O/O+Ar)に対し、30〜100%減少させた酸素ガス導入を行うとともに、該透明金属酸化物層の厚みを100Å以上形成することが好ましい。
このように透明金属酸化物層形成におけるスパッタリング時の酸素ガス導入量を、透明電極層の形成時の導入量よりも減少させることで、Al合金膜層の酸化を抑制することが可能となり、低接合抵抗が実現できる。また、形成する透明金属酸化物層は、その厚みを100Å以上にすることが望ましく、100Å未満であると、下地にあるAl合金膜層をアルカリ現像液、特にTMAH現像液の浸食から十分に保護できなくなる。この透明金属酸化物層の厚みは、その上限に特に制限はないが、耐現像液特性を備え、且つ、現状の透明電極層の厚みを考慮すると、100Åから1000Åであることが望ましく、より望ましくは100Åから300Åであるものと考えられる。
このような本発明の製造方法によれば、例えば、ITOにより透明金属酸化物層と透明電極層とを形成するようにすると、従来の製造工程においても、製造設備や工程手順等を大幅に変更することなく、キャプ層を省略した、Al合金膜層と透明電極層との直接的な接合状態を実現した本発明に係る表示デバイスを製造することができる。
さらに、本発明に係る表示デバイスの製造方法においては、透明金属酸化物層の形成前に予めAl合金膜層に対して熱処理を行っておくことが好ましいと考えられる。このAl合金膜層の予備的な熱処理を行うと、Al合金膜層中に金属間化合物が析出し、Al合金膜層と透明金属酸化物層との接合抵抗を低く維持できることが判明したからである。このAl合金膜層に対する熱処理のタイミングは、表示デバイスの製造工程にも左右されるが、透明金属酸化物層或いはその後の透明電極層を形成する前の時点で、Al合金膜層を構成する合金成分の一部または全部が析出物もしくは濃化層がAl合金膜層中に存在するようにすればよいと考えられる。
以上のように、本発明によれば、薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスに関し、キャップ層を省略してもTMAHを含むようなアルカリ現像液にAl合金膜層が浸食されることなく、安定した生産が可能となり、透明電極層とも低い接合抵抗状態の表示デバイスを提供できる。
以下、本発明における最良の実施形態について説明する。
第一実施形態:この第一実施形態では、Al合金膜層としてAl−0.3at%C−3.0at%NiのAl合金を用い、透明金属酸化物層及び透明電極層としてITOを採用して、本発明の三層構造を形成し、TMAH現像液への耐食性を調べた結果について説明する。
そして、この第一実施形態で評価した三層構造は、次の手順により形成した。ガラス基板上に、所定組成のAl合金ターゲットを用いて、スパッタリング条件、投入電力3.0Watt/cm、アルゴンガス流量100ccm、アルゴン圧力0.5Paとしてマグネトロン・スパッタリング装置に厚み2000ÅのAl合金膜層を形成した。続いて、ITOターゲット(組成In−10wt%SnO)を用いて、スパッタリング(基板温度70℃、投入電力1.8Watt/cm、アルゴンガス流量100ccm(酸素ガス流量0ccm)、圧力0.35Pa)を行い、Al合金膜層上に所定厚みの透明金属酸化物層を形成した。その後、透明金属酸化物層表面にレジスト(東京応化工業(株)社製OFPR800)を約1μm厚塗布し、パターンフィルムを配置して露光処理をし、濃度2.38%、液温23℃のTMAH現像液(三菱ガス化学(株)社製)で40秒間の現像処理をした。現像処理後、リン酸系混酸エッチング液(関東化学(株)社製)により回路形成を行い、剥離液(東京応化工業(株)社製ST106)によりレジストの除去を行って、10μm幅の回路を形成した。そして、この形成した回路上に、ITOターゲット(組成In−10wt%SnO)を用いて、スパッタリング(基板温度70℃、投入電力1.8Watt/cm、アルゴンガス流量100ccm−酸素ガス流量0.7ccm)、圧力0.35Pa)を行い、3500Åの透明電極層を形成した。この透明電極層を、先に形成した、Al合金膜層と透明金属酸化物層徒で形成された回路と直交するように10μm幅の透明電極層回路を形成した。尚、この透明電極層の回路形成は、透明電極層表面にレジスト(東京応化工業(株)社製OFPR800)を約1μm厚塗布し、パターンフィルムを配置して露光処理をし、濃度2.38%、液温23℃のTMAH現像液(三菱ガス化学(株)社製)で40秒間の現像処理をし、現像処理後、しゅう酸系混酸エッチング液(関東化学(株)社製ITO05N)により回路形成を行い、剥離液(東京応化工業(株)社製ST106)によりレジストを除去したものである。
耐現像液特性:ここでは、上記の三層構造の形成におけるTMAH現像液への耐食性を調べた結果について説明する。この耐食性調査は、上記三層構造のうち、Al合金膜層と透明金属酸化物層とを積層した状態のサンプルを形成し、そのサンプル一部にTMAH現像液に溶解しない保護テープを貼付して、濃度2.38%TMAH現像液(液温23℃)に浸漬することにより行った。また、透明金属酸化物層は、表1に示す各厚みで形成した。溶解状態は各サンプルをTMAH現像液により浸漬し、目視にて確認した。また、変化の生じないサンプルは最大10分間浸漬をした。
そして、下地のAl合金膜層の溶解レートは、目視によりサンプルが溶解しているものについて、その浸漬時間と、保護テープを貼付した部分との段差を測定することによって算出したものである。この結果を表1に示す。
Figure 2006215279
表1を見ると判るように、透明金属酸化物層の厚みが100Å未満であると、下地のAl合金膜層が溶解されてしまった。透明金属酸化物層の厚みが100Åの場合、透明金属酸化物層の表面にいくつかのピンホールが確認されたものの、下地のAl合金膜層は浸食されなかった。また100Åを超える厚みの透明金属酸化物層であれば、透明金属酸化物層も下地のAl合金膜層のどちらも、現像液による浸食は見受けられなかった。また、透明金属酸化物層を被覆しない状態(表1中、透明金属酸化物層が0Åの場合)では、Al−0.3at%C−3.0at%NiのAl合金膜層は、22.7Å/secの溶解速度であることが判った。
第二実施形態:この第二実施形態では、上記した三層構造の透明金属酸化物層の光吸収係数を調べた結果について説明する。光吸収係数の測定は、ガラス基板上に下地のAl合金膜層を形成することなく、ガラス基板上に直接1000Å厚みの透明金属酸化物層を形成し、市販の光吸収係数測定装置(日本分光(株)社製 UV−visible spectrometer:測定波長550nm)を用いて行った。また、透明金属酸化物層の形成は、上記した三層構造形成の場合と同じ条件とし、スパッタリング時のガス導入量を0(酸素導入無し),0.35(ITO形成時の50%導入量),0.70(ITO形成時の導入量)sccmとした3種類の透明金属酸化物層を形成して行った。そして、熱処理なし、250℃、300℃、350℃の各熱処理(各温度で30min)を行ったものについて光吸収係数の測定を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2006215279
表2に示すように、透明金属酸化物層の形成における酸素導入量を減少させると、光吸収係数の値が大きくなる傾向があることが判った。また、形成した透明金属酸化物層に熱処理を行うと、その光吸収係数が小さくなることも判明した。
第三実施形態:この第三実施形態では、表示デバイスの素子構造を形成する製造工程条件を検討した結果について説明する。ここでは、各層の形成条件は、上記第一実施形態と同様とし、図1に示す各製造工程フローに従って三層構造を形成し、その接合抵抗を測定した。
図1に示す製造工程条件1〜5において、Al合金膜層、透明金属酸化物層、透明電極層の成膜条件は、上記第一実施形態の条件と同様である。また、回路形成の際に用いたレジスト、現像液、エッチング液等の条件も同様である。但し、製造工程条件5においては、絶縁層形成、コンタクトホールの作製をしているが、この絶縁層の成膜は、市販のCVD装置により、厚み4200ÅのSiNxの絶縁層を形成したものである。そして、コンタクトホールの形成は、フッ素系ガスによるドライエッチングで行ったものである。
各製造工程条件の相違は、該工程条件1〜4については、Al合金膜層に対する予備熱処理有無及びそのタインミングを変えたものである。また製造工程条件5は、実際に多く採用されている素子の製造工程を想定したもので、絶縁層の形成及びコンタクトホールの形成をする工程を含むものである。また、比較として透明金属酸化物層を設けずに4000Åの透明電極層を設けたサンプルも、各製造工程条件において作製し、その接合抵抗を測定した。接合抵抗の測定は、上記第一実施形態で説明したように、10μm幅回路をクロスさせたサンプル(図2参照)の各端子部から通電して抵抗を測定し、膜の重なった部分(10μm×10μm)の接合抵抗を算出した。また、図3には、各製造工程条件で形成した積層構造の断面概略図を示す。条件1〜3では、その断面図でみると、ガラス基板1上に回路形成されたAl合金膜層2が設けられ、その上に透明金属酸化物層3と透明電極層4とが積層された構造となっており、条件4では、Al合金膜層2と透明金属酸化物層3とが回路形成された上に透明電極層4が積層された構造となっている。さらに、条件5においては、SiNxの絶縁層6のコンタクトホール7の部分において、Al合金膜層2と透明金属酸化物層3とが接合される積層構造となっている。各条件における接合抵抗の測定結果を表3に示す。
Figure 2006215279
表3には、各製造工程条件により作製したサンプルの接合抵抗値を示しているが、表3に記載された接合抵抗値は、透明金属酸化物層(酸素導入量0sccm−500Å)の上に透明電極層(酸素導入量0.7sccm−3500Å)を形成したサンプルによる結果と、透明金属酸化物層を形成することなく4000Å厚みの透明電極層を直接形成したサンプル(図3で示した透明金属酸化物層3が介在していない積層状態)による結果である。
表3の結果から判るように、製造工程条件1〜4のうち、予備熱処理を行った条件2〜4については、透明金属酸化物層の上に透明電極層を形成した三層構造の場合の方が低い接合抵抗となる傾向が判明した。条件1のような製造工程条件の場合(予備熱処理無し)、透明電極層を直接積層した構造の接合抵抗と大差がない結果となった。そして、接合抵抗値が最も低いものは製造工程条件5であった。
以上の製造工程条件の検討により、Al合金膜層の予備熱処理を行うことにより、Al合金膜層中に金属間化合物(AlNi)が析出すると、接合界面での反応が抑制される結果、接合抵抗を低くすることができると考えられる。また、条件5では、絶縁層の形成時のCVD処理おける熱処理効果と、コンタクトホール形成の際にAl合金膜層表面の酸化物の除去効果とが合わさったため、理想的な接合状態が実現でき、最も低い接合抵抗値になったと考えられた。
各製造工程条件の説明用フロー図。 接合抵抗の測定用サンプルの概略斜視図。 接合抵抗の測定用サンプルの概略断面図。

Claims (15)

  1. 薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスにおいて、
    透明電極層とアルミニウム合金膜層との間に透明金属酸化物層を設けて、電気的に接続されたことを特徴とする表示デバイス。
  2. 前記透明金属酸化物層は、透明電極層の含有酸素濃度よりも低い含有酸素濃度である請求項1に記載の表示デバイス。
  3. 前記透明金属酸化物層がITO(Indium Tin Oxide)である請求項1または請求項2に記載の表示デバイス。
  4. 前記透明金属酸化物層の光吸収係数が、3×10〜4×10cm−1である請求項3に記載の表示デバイス。
  5. 前記透明金属酸化物層は、酸化インジウム又は酸化錫、或いは酸化亜鉛を主成分とする酸化物からなる請求項1または請求項2に記載の表示デバイス。
  6. 前記アルミニウム合金膜層は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液(濃度2.38%、液温23℃)中での溶解速度が5〜50Å/秒である請求項1〜請求項5いずれかに記載の表示デバイス。
  7. 前記アルミニウム合金膜層は、透明金属酸化物層との接合界面に、前記アルミニウム合金膜層を構成する合金成分の一部または全部が析出物もしくは濃化層として存在している請求項1〜請求項6いずれかに記載の表示デバイス。
  8. 前記析出物の大きさ(平均粒径)が0.01μm〜0.2μmである請求項7に記載の表示デバイス。
  9. 前記アルミニウム合金膜層は、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種以上の元素を0.5at%〜7at%含有し、残部がアルミニウムからなる請求項1〜請求項8いずれかに記載の表示デバイス。
  10. 前記アルミニウム合金膜層は、炭素、シリコン、ネオジウム、イットリウムのうち少なくとも1種以上の元素を0.1at%〜6.0at%含有する請求項1〜請求項9いずれかに記載の表示デバイス。
  11. 前記アルミニウム合金膜層は、その酸化還元電位が−1.2V〜−0.7Vである請求項9に記載の表示デバイス。
  12. 薄膜トランジスタと、透明電極層と、配線用のアルミニウム合金膜層とを備える表示デバイスの製造方法において、
    アルミニウム合金膜層を現像液により配線用のパターニングを行う前に、該アルミニウム合金膜層の表面に透明金属酸化物層を形成することを特徴とする表示デバイスの製造方法。
  13. 前記透明金属酸化物層、前記アルミニウム合金膜層及び透明電極層の形成は、スパッタリング法による請求項12に記載の表示デバイスの製造方法。
  14. 前記透明金属酸化物層のスパッタリング法による形成は、透明電極層の形成条件におけるスパッタリング時の酸素ガス導入量割合(O/O+Ar)に対し、30〜100%減少させた酸素ガス導入を行うとともに、該透明金属酸化物層の厚みを100Å以上形成するものである請求項13に記載の表示デバイスの製造方法。
  15. 前記現像液はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液である請求項12〜請求項14いずれかに記載の表示デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010135300A (ja) * 2008-11-10 2010-06-17 Kobe Steel Ltd 有機elディスプレイ用の反射アノード電極およびその製造方法

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