JP2006215141A - 電気光学装置の駆動回路及び方法、並びに電気光学装置及びこれを備えた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 例えば、有機EL表示装置等の動画ボケを低減し、且つ有機EL素子等の発光素子の劣化を抑制する。
【解決手段】 速度検出回路20は、有機EL表示部110に表示される動画像の速度を検出する。発光期間選択回路30は、検出された画像信号の速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて、動画ボケを低減するように画素部70の最適な発光期間を選択する。動画像の速度に応じて最適な発光期間が選択されるため、動画像の速度に無関係に一種類の発光期間が設定されている場合に比べて、動画ボケを効果的に低減しつつ、画素部70に含まれる有機EL素子の劣化を抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 速度検出回路20は、有機EL表示部110に表示される動画像の速度を検出する。発光期間選択回路30は、検出された画像信号の速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて、動画ボケを低減するように画素部70の最適な発光期間を選択する。動画像の速度に応じて最適な発光期間が選択されるため、動画像の速度に無関係に一種類の発光期間が設定されている場合に比べて、動画ボケを効果的に低減しつつ、画素部70に含まれる有機EL素子の劣化を抑制できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば有機EL表示装置等の電気光学装置の駆動回路及び方法、並びに有機EL表示装置等の電気光学装置及びこれを備えた電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置は、動画像と静止画像とを判別し、動画像を表示する場合に画素部が備える発光素子に消光期間を設け、且つこの発光素子の発光強度を高くすることによって動画ボケを低減することが多い。このような動画ボケを低減し、且つ発光素子の劣化を抑制する技術として、例えば特許文献1は、動画像を表示する際の1フレーム当りにおける発光素子の発光期間を選択する技術を開示している。このような動画ボケは、例えば、VESA標準に基づいて定量化されつつあり、これに関連して動画の表示特性を評価する評価装置も開発されている(例えば、非特許文献1。)。また、この種の電気光学装置は、静止画を表示する場合に、発光素子に消光期間を設けずに発光素子の発光強度を小さくする制御回路を備えていることもある。
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、1フレーム当りにおける発光素子の発光期間の選択は1種類しか対応していないため、動画像を表示する際に諸条件の違いに応じて動画ボケを低減しつつ、且つ発光素子の劣化を抑制することが困難であった。より具体的は、発光素子の発光期間が1フレームの50%である場合には、表示輝度を確保するために発光素子の発光強度を2倍にすることになり、発光強度を高めることに伴い発光素子が大きく劣化する。したがって、発光素子の寿命が短くなり、この発光素子を備えた表示装置等の寿命も短くなる。尚、「2倍」とは、発光期間が1フレームの100%である場合に比べて発光強度が2倍であることを意味する。また、「動画ボケ」とは、画像表示面に表示された動物体の端部がぼやけて見える現象であり、より具体的には、例えば、前回のフレームで表示された動物体の端部の残像が、今回のフレームで表示される動物体の同一の端部と重なって見える現象を意味する。即ち、人間が、動画像を構成する一連の静止画像を足し合わせて知覚することによって動物体の端部が不明瞭に見える現象である。
ここで、発光素子の発光期間が1フレームの50%である場合に、動画ボケが観測されず、且つ発光強度が最も低くなる動画像の移動速度をXとし、動画像の移動速度がXより遅い場合、発光期間が1フレームの50%では発光期間が短いため、その分表示輝度を確保するために発光強度が大きくなり、発光素子の劣化が顕著に進行する問題がある。また、動画の移動速度がXより速い場合には、発光期間が50%では発光期間が長すぎるため動画ボケが観測される問題がある。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、有機EL表示装置等の動画ボケを低減し、且つ有機EL素子等の発光素子の劣化を抑制できる電気光学装置の駆動回路及び方法、並びに電気光学装置及びこれを備えた電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路は上記課題を解決するために、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して各々設けられ、動画像を表示すべく夫々発光可能である複数の画素部を備えた電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路であって、前記動画像の速度を検出する速度検出手段と、該検出された速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて、前記動画ボケを低減するように前記画素部の最適な発光期間を選択する発光期間選択手段と、前記最適な発光期間に基づいて前記画素部を駆動する駆動手段とを備える。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路よれば、「動画像の速度」とは、例えば、表示される動物体の端部等の同一部分が経時的に異なる画素部によって表示される際に、実際に各画素部で表示された同一部分の移動量及びこの移動に要した時間から算出される指標であり、実際に一連の静止画によってこの動物体の移動していく様子を観測した場合における動物体の移動速度である。尚、表示対象である動物体の所定の時間内の移動量で表現される、動画像の“速度”は、本来的な“速度”の意味に限定されるものではなく、例えば、連続して表示されることによって動画像を構成する一連の静止画像によって表示される動物体の各静止画像間における表示画素の相違、或いは各静止画像で表示される動物体の同一部分を表示する画素部を点灯させるためのデータ信号等の相違に応じて算出される指標等、最適な発光期間を選択する際に参照可能なあらゆる指標を含む。
動画ボケは、すでに述べたように、動物体の同一の端部がフレーム間で重なって見える現象を意味し、「動画ボケの許容値」とは、例えば、実際に人間の視覚によって動画像を見た際に、動画像として表示される動物体の同一の端部がフレーム間で重なって見える条件の範囲と動物体の同一の端部がフレーム間で重なって見えない条件の範囲との境界を意味する。より具体的には、例えば、検出された速度及び画素部が発光する発光期間の組み合わせ条件の範囲を規定する値である。動画ボケは、人間の視覚によって感知される現象であるため、動画像が表示される際に諸条件に応じて実際に人間の視覚、即ち人間の主観によって動画ボケとして感知される範囲も異なる。よって、「予め設定された」とは、実際に人間の視覚を介して動画ボケを生じるか否かを基準として設定されたものである。最適な発光期間に関するデータは、例えば、発光期間及び動画像の速度等の諸条件に応じてグラフ化され、駆動回路等に記憶されている。
このような動画ボケを、例えば、人間の視覚で感知されない或いは殆ど感知されないとみなせる程度まで低減するように、発光期間選択手段は、検出された速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて、画素部の最適な発光期間を選択する。
駆動手段は、選択された最適な発光期間に基づいて複数の画素部を駆動する。これにより、動画ボケ量が低減された動画像が表示される。ここで、最適な発光期間は、動画像の速度に応じて選択されているため、動画像の速度に応じて夫々選択されていることになり、動画像の速度に無関係に一種類の発光期間が設定されている場合に比べて、動画ボケを効果的に低減できる。
以上、説明したように本発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、動画像が表示される際の動画ボケを低減でき、動画像の表示特性に優れた電気光学装置を構成できる。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の一態様では、前記速度検出手段は、前記動画像が移動した移動量を検出する移動量検出手段と、該検出された移動量に基づいて前記速度を演算する速度演算手段とを有してもよい。
この態様によれば、「移動量」とは、例えば動画像として表示される動物体の端部が、異なるフレームで異なる画素部の発光によって表示される際に、これら異なる画素部間の距離を意味する。即ち、実際に人間の視覚で表示される動物体を見た場合、文字通り表示された動物体が移動した移動量を意味する。速度演算手段は、この移動量と、各フレームの間隔、例えば、垂直同期信号(以下、VSYNCと称す。)の間隔とから速度を演算し、動画像の速度を算出できる。また、移動量とは、単に動画像の移動量だけでなく、動画像の経時的な動き、例えば、複数の画素部を備えた画像表示部における動画像の動きを検出する機能を有している場合も含まれる。このような動画像の動きは、移動量を含むベクトル的な指標である。このような指標によれば、例えば、複数の画素部を備えた画像表示部の表示面内のどの方向に動画像がどれだけ移動したかを検出できる。即ち、VSYNC等に基づいて算出することが困難な動画像の速度に対しても、最適な発光期間を選択できる。尚、予め動画像の動画ボケの許容値の関係をグラフ化しておけば、発光期間選択手段によって最適な発光期間が容易に選択される。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記速度検出手段は、前記動画像を構成する一連のフレームのうち連続したフレームの夫々によって表示される静止画間の差分値を検出する差分値検出手段を有してもよい。
この態様によれば、動画像の移動量に基づいて検出された速度にのみならず、一連のフレームの夫々によって表示される静止画間の差分値に基づいて、最適な発光期間を選択可能である。この態様では、例えば、動画ボケの許容値及び差分値の関係がグラフ化されていれば、このグラフに基づいて発光期間選択手段が最適な発光期間を選択できる。
この態様では、前記差分値検出手段は、前記連続したフレームの夫々によって表示される静止画の画像信号を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像信号を比較することによって前記差分値を算出する比較回路とを有してもよい。
この態様によれば、例えば、メモリが動画像を構成する静止画の画像信号を記憶しており、比較回路が、記憶された各画像信号を比較することによってこれら画像信号が一致している割合いを求める。発光期間選択手段は、この一致している割合を差分値として最適な発光期間を選択できる。ここで、動画ボケを低減したうえで表示輝度を確保するために画素部の輝度を高めることによって、画素部の劣化が大きく進むことを抑制できる。即ち、動画ボケを低減するように、画素部の輝度及び発光期間のトレードオフが考慮されたうえで最適な発光期間が選択されている。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記速度検出手段は、前記動画像の動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、該動きベクトル検出手段によって検出された動き信号に基づいて前記動画像の動きベクトル信号を演算する動きベクトル演算手段とを有していてもよい。
この態様では、動きベクトルは動画像の動く方向を示すベクトル的な指標である。このような指標によれば、例えば、複数の画素部を備えた画像表示部の表示面内のどの方向に動画像が移動したかを検出できる。即ち、VSYNC等に基づいて算出することが困難な動画像の速度に対しても、最適な発光期間を選択できる。尚、予め動画像の動きベクトル及び動画ボケの許容値の関係をグラフ化しておけば、発光期間選択手段によって最適な発光期間が容易に選択される。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記検出された速度、前記差分値、又は動きベクトルに基づいて、前記画素部の輝度を調整する輝度調整手段を更に備えていてもよい。
この態様によれば、輝度調整手段は、例えば、1フレームにおける画素部の発光期間、即ちデューティ比及び輝度を最適な値に設定できる。例えば、表示輝度は、画素部の輝度及び発光期間の積で表現されるため、輝度調整手段は、例えばこの積が一定になるように画素部の輝度を調整できる。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記輝度調整手段は、前記画素部に供給される駆動電流を調整する電流値設定回路を含んでいてもよい。
この態様によれば、例えば画素部が有機EL素子を備えている場合、有機EL素子に流す駆動電流を調整することによって、輝度を調整できる。これに相まって最適な発光期間が選択されているため、表示輝度を損なうことなく、且つ動画ボケが生じないように高画質の動画像を表示できる。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記許容値はソフトウェアによって設定可能であってもよい。
この態様によれば、ソフトウェアによって動画ボケの許容値を設定すれば、例えば、電気光学装置の種類や用途に応じて動画ボケの許容値に適宜設定できることになる。例えば、動画像の速度に応じて許容可能な動画ボケに対する発光期間等のデータを記憶したテーブルが記憶されており、ソフトウェアによって、このテーブルから検出された速度に応じた最適な発光期間を選択できる。したがって、動画像の速度が検出される度に最適な発光期間を算出することなく、動画ボケを低減しつつ、画素部の劣化が大きく進行しないように発光強度を設定することが可能である。即ち、動画像の速度に応じて最適な発光期間を算出するための算出時間を低減できるうえ、最適な発光期間を算出する算出回路を設ける必要がなくなり、高画質及び長寿命を得つつ、駆動回路の構成を簡便なものにすることが可能である。
本発明に係る電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記画素部は、有機EL素子を含んでいてもよい。
この態様によれば、有機EL素子の素子特性を十分に発揮させながら高品位の画像を表示できる。特に、発光強度を高めるために流す電流値が大きく設定される有機EL素子では、例えば、大電流を流すことによって進行する有機層の劣化を抑制でき、素子の寿命を延ばすことが可能である。
本発明に係る電気光学装置の駆動方法は上記課題を解決するために、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して各々設けられ、動画像を表示すべく夫々発光可能である複数の画素部を備えた電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動方法であって、前記動画像の速度を検出する速度検出工程と、該検出された速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて前記画素部の最適な発光期間を選択する発光期間選択工程と前記最適な発光期間に基づいて前記画素部を駆動する駆動工程とを備えている。
本発明に係る電気光学装置の駆動方法によれば、上述した電気光学装置の駆動回路と同様に、動画像が表示される際の動画ボケを低減でき、高画質の動画像を表示できる。
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、上述の本発明に係る電気光学装置の駆動回路を備えている。
本発明に係る電気光学装置によれば、上述した本発明の電気光学装置の駆動回路と同様に、動画像が表示される際の動画ボケを低減できると共に、画素部の劣化を抑制でき、動画像の表示特性に優れ、且つ長寿命の電気光学装置を提供できる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品位の動画像を表示可能であり、且つ長寿命である、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなど、更には電気光学装置を露光用ヘッドとして用いたプリンタ、コピー、ファクシミリ等の画像形成装置などの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパーなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置の駆動回路及び方法、並びに電気光学装置及びこれを備えた電子機器を説明する。尚、本発明の各実施形態では、電気光学装置として有機EL装置を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
図1乃至図7を参照しながら、本実施形態の有機EL装置10の駆動回路及び方法、並びに有機EL装置10を説明する。
図1乃至図7を参照しながら、本実施形態の有機EL装置10の駆動回路及び方法、並びに有機EL装置10を説明する。
先ず、図1及び図2を参照しながら、有機EL装置10の構成を説明する。図1は、有機EL装置10の全体構成を示すブロック図である。図2は、有機EL表示部110の概略構成を示すブロック図である。有機EL装置10は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス駆動方式で駆動される表示装置であり、各画素部70に発光素子として有機EL素子72を備えている。
図1において、有機EL装置10は、有機EL表示部110、及び駆動回路1を備えている。
図1及び図2に示すように、有機EL表示部110は、図中縦横に配線されたデータ線114及び走査線112を備えており、データ線114及び走査線112の交点に対応する領域に画素部70がマトリクス状に配列されている。画像表示部110は、画素部70に電源を供給する電源供給線117を備えている。電源供給線117は、走査線112に沿って延在するように図中横方向に沿って配列されており、不図示の電源と電気的に接続されている。尚、画素部70は、発光素子として有機EL素子を含んでいる。
有機EL表示部110の周辺に位置する周辺領域には、駆動回路1に夫々含まれる走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路150が設けられている。走査線駆動回路130は複数の走査線112に走査信号を順次供給する。データ線駆動回路150は、有機EL表示部110に配線されたデータ線114に画像信号を供給する。尚、走査線駆動回路130の動作とデータ線駆動回路150の動作とは、外部回路から供給される同期信号によって相互に同期が図られる。電源供給線117には、外部回路から画素駆動用電源が供給される。
図1において、駆動回路1は、本発明に係る「速度検出手段」の一例である速度検出回路20、本発明に係る「発光期間選択手段」の一例である発光期間選択回路30、表示制御回路40、本発明に係る「駆動手段」の一例を構成する走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路150を備えている。尚、これら回路の動作を制御する不図示の制御回路は、速度検出回路20、発光期間選択回路30、表示制御回路40、走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路150毎に個別に設けられていてもよいし、これら回路とは別に設けられていてもよい。
速度検出回路20は、有機EL表示部110に表示される動画像の速度を検出する。より具体的には、速度検出回路20は、外部回路から表示制御回路40に供給される画像信号の速度を検出し、検出した速度に関するデータを発光期間選択回路に送る。画像信号は、外部回路から表示制御回路40に供給され、クロック信号、制御信号、及びデータ等の信号を含む。速度検出回路20は、画像信号に基づいて動画像の速度を検出する。
発光期間選択回路30は、検出された画像信号の速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて、動画ボケを低減するように画素部70の最適な発光期間を選択する。発光期間選択回路30は、画素部70を最適な発光期間で発光させるように発光期間選択信号を表示制御回路40に送る。ここで、動画ボケは、有機EL表示部110によって動画像を表示した際に、動物体の同一の端部が動画像を構成するフレーム間で重なって見える現象である。発光期間選択回路30は、動画像の速度、予め設定された動画ボケの許容値、及び最適な発光期間の関係を示すグラフに基づいて画素部70の最適な発光期間を選択する。画像信号の速度は動画像の速度に対応しているので、発光期間選択回路30は、画像信号の速度を参照することによって最適な発光期間を選択できる。
ここで、図3を参照しながら、動画像の速度、動画ボケの許容値、及び最適な発光期間の関係の一例を説明する。図3は、主観評価によって観測された動画像の速度、発光期間、及び動画ボケの許容値の関係を模式的に示すグラフの一例である。図3では、横軸は動画像の速度を示し、縦軸は動画像のボケ量を示す。図3は、画素部の発光期間を10から100%までの10段階に分けた各発光期間における動画像の速度及び動画ボケ量の関係を示しており、各発光期間における動画像の速度に対する動画ボケ量の変化の傾向を夫々直線A、B、C、D、E、F、G,H、I、Jで示している。直線Aは、発光期間が100%である場合の動画像の速度に対する動画ボケ量を示しており、直線B、C、D、E、F、G,H、I、Jの夫々は、発光期間が90、80、70、60、50、40、30、20、10%である動画像の速度に対する動画ボケ量の変化を示す。
図3に示すように、動画像の速度に対して発光期間が短くなるほど動画ボケ量は減少する傾向にある。
発光期間とは、動画像を表示する際の1フレームの間隔を基準として、画素部が発光している期間の割合である。例えば、発光期間50%とは、1フレームの間隔の半分だけ画素部が発光することを意味する。より具体的には、例えば、選択された発光期間だけ画素部を発光させるように、1フレームの間隔に画素部の消光期間を設定する。消光期間が長くなるほど、画素部の発光期間が小さくなり、動画ボケが低減される。
発光期間とは、動画像を表示する際の1フレームの間隔を基準として、画素部が発光している期間の割合である。例えば、発光期間50%とは、1フレームの間隔の半分だけ画素部が発光することを意味する。より具体的には、例えば、選択された発光期間だけ画素部を発光させるように、1フレームの間隔に画素部の消光期間を設定する。消光期間が長くなるほど、画素部の発光期間が小さくなり、動画ボケが低減される。
図3において、人間の視覚で感知される動画ボケ量の許容値、即ち主観評価によって求められた動画ボケ量の許容値を図中yで示している。直線A、B、C、D、E、F、及びGの夫々が許容値yと一致する際の動画像の速度a、b、c、d、e、f、gは、各発光期間の夫々において人間の視覚によって動画ボケが感知されない動画像の速度の上限である。例えば、動画像の速度が0からaの範囲にある場合には、発光期間が10から100%までのどの発光期間であっても人間に視覚よって動画ボケが感知されない。したがって、動画ボケを低減する目的のみを考慮すれば、動画像の速度が0からaの範囲にある場合、発光期間選択回路30は、10から100%までのどの発光期間を選択してもよいことになる。動画像の速度がaより大きい場合、例えば、動画像の速度がgより大きい場合には、発光期間を40%未満に設定することによって動画ボケ量を許容値y未満にすることができる。したがって、発光期間選択回路30によれば、動画ボケが許容値y未満になるように画素部70の発光期間を選択することによって、動画ボケを低減することが可能である。即ち、動画ボケを低減することのみを目的とした場合には、最適な発光期間として、動画像の速度に応じて動画ボケ量が許容値y以下になるような発光期間が選択されるのである。
ここで、発光期間を小さくした場合には、有機EL表示部110の表示輝度が低くなってしまう。有機EL表示部110の表示輝度を高める或いは維持するためには、画素部70の発光期間を短くした分、画素部70の輝度を高める必要が生じる。例えば、動画像の速度が0からaまでの範囲にある場合に発光期間を50%に設定すると、発光期間を100%に設定した場合に比べて画素部70の輝度を2倍にすることによって、発光期間が100%である場合と同等の表示輝度が得られる。画素部70の輝度を2倍にした分、画素部70に含まれる有機EL素子の劣化が大きくなり、有機EL素子の寿命が短くなる。有機EL素子の寿命が短くなることに伴い、有機EL装置10の寿命も短くなる。発光期間を大きくした場合には、有機EL素子の劣化は抑制されるが、動画ボケが生じてしまう。例えば、動画像の速度がfの場合、発光期間が50%未満であれば、動画ボケ量は許容値y未満になるが、発光期間を50%以上にすると動画ボケ量は許容値y以上になってしまう。このように、動画ボケを低減すること及び有機EL素子の劣化を抑制することはトレードオフの関係にあり、これら両方を可能にすることは動画像の表示特性を高め、且つ長寿命の有機EL装置を提供するうえで重要になる。
そこで、発光期間選択回路30は、動画ボケを許容値y未満すること、及び有機EL素子72の劣化を抑制することの両方を考慮して最適な発光期間を選択する。発光期間選択回路30は、検出された動画像の速度に対して、動画ボケ量が許容値y未満になる発光期間のうち例えば可能な限り大きい発光期間を最適な発光期間として選択する。発光期間が大きければ、その分画素部の輝度を上げなくても表示輝度を維持できる。より具体的には、動画像の速度が0からaの範囲では100%の発光期間を最適な発光期間として選択し、動画像の速度がaからbの範囲では、90%の発光期間を最適な発光期間として選択する。同様に、発光期間選択回路30は、動画像の速度がbからcの範囲、cからdの範囲、dからeの範囲、eからfの範囲、fからgの範囲の夫々で、80、70、60、50、40%の発光期間を最適な発光期間として選択する。動画像の速度がg以上の範囲でも、同様にして最適な発光期間を選択すればよい。このような最適な発光期間を動画像の速度の夫々の範囲で選択することによって、有機EL装置10は動画ボケ量を低減すると共に、画素部に含まれる有機EL素子の劣化を抑制できる。有機EL装置10によれば、動画像の速度に応じて最適な発光期間が選択されるため、動画像の速度に無関係に一種類の発光期間が設定されている場合に比べて、動画ボケを効果的に低減しつつ、画素部70に含まれる有機EL素子の劣化を抑制できる。
尚、図3に示した動画像の速度及び動画ボケ量の関係を示すデータは、図示しない記憶回路或いは発光期間選択回路30に予め記憶されており、動画像が表示される毎に参照される。また、動画ボケ量の許容値yは、ソフトウェアによって設定可能であり、例えば、画素部70が備える発光素子の種類等に応じて設定される。本実施形態では電気光学装置の一例として有機EL装置を例に挙げているが、他の電気光学装置においても、電気光学装置の種類或いは用途に応じて動画像の許容値yを設定することも可能である。この場合でも、動画像の速度及び発光期間の関係、並びに動画ボケ量の許容値等のデータを記憶回路或いは発光期間選択回路に記憶させておけば、ソフトウェアによって、このデータから最適な発光期間を選択できる。よって、動画像の速度に応じて最適な発光期間を算出するための算出時間を低減できるうえ、最適な発光期間を算出する算出回路を設ける必要がなくなり、動画像に対する高い表示特性を有し、且つ長寿命の電気光学装置を提供できる。
次に、図4を参照しながら、発光期間及び輝度の関係を詳細に説明する。図4は、画素部70の発光期間及び輝度の関係を示す模式図である。図4(a)乃至図4(j)では、横軸は発光期間を示し、縦軸は画素部の輝度を示す。図4(a)乃至図4(j)は、順に発光期間が100、90、80、70、60、50、40、30、20、10%とされた場合における発光期間に対する画素部の輝度を示している。
図4(a)乃至図4(j)において、表示輝度は発光期間及び輝度の積に対応しており、これら発光期間で発光する画素部70の表示輝度はこれら発光期間の間で一律になっている。より具体的は、図4(a)乃至図4(j)において、発光期間及び輝度の積が一律になるように、発光期間の増減分に応じて夫々輝度も増減されている。例えば、図4(a)及び図4(j)を比較すると、発光期間が100%から10%に設定された場合には、発光期間が10%のときの輝度は、発光期間が100%のときの輝度の10倍に設定されており、発光期間及び輝度の積で表される領域Sa及びSjの面積は等しい。
このように、有機EL装置10は、表示輝度を各発光期間で一律にするために、画素部70、即ち有機EL素子の輝度を調整するのである。したがって、図3を参照しながら説明したように、動画ボケ量を低減し、且つ有機EL素子の劣化を抑制するように最適な発光期間が選択されるのである。
再び、図1において、表示制御回路30は、外部から供給されたクロック信号、制御信号、及びデータ等の信号を処理し、有機EL表示部110による動画像の表示を制御する。より具体的は、表示制御回路40は、所定のタイミングで走査線駆動回路130に発光期間選択信号を送り、データ線駆動回路150に発光輝度設定信号を送る。
データ線駆動回路150は、発光輝度設定信号に応じてデータ信号を画素部70に供給する。データ線駆動回路150は、有機EL素子72に供給される駆動電流の大きさを設定する電流値設定回路を含んでいる。この電流値設定回路は、例えば、画像信号を増幅することによってデータ信号を生成するレベルシフタ等である。このレベルシフタは、例えば、データ線駆動回路150にシフトレジスタ回路、ラッチ回路、サンプリング回路と共に設けられていてもよい。電流値設定回路を含むデータ線駆動回路150によれば、画素部に含まれる発光素子を発光期間に合わせて最適な輝度で発光させることが可能である。したがって、有機EL装置10は、最適な発光期間及びこれに応じた輝度によって、表示輝度を損なうことなく、且つ動画ボケが生じないように動画像を表示できる。
次に、図1、図5、図6及び図7を参照しながら、画素部の構成及び発光期間を制御する際の画素部70の動作を説明する。図5は、画素部70の構成を示す回路図である。図6は画素部に供給される各種信号のタイミングチャートの一例であり、図7は発光期間を制御する際の選択表示信号の推移の一例を示すタイミングチャートである。
図5において、画素部70は、有機EL素子72、スイッチング用TFTQsw1及びQsw2、保持容量C1、駆動用TFTQd、表示選択用TFTQstを備えている。
有機EL素子72は、電流駆動型の発光素子の一例であり、例えば、アノード及びカソード並びにこれらに挟まれてなる有機EL層を備え、アノード及びカソード間に電位差が生じさせられることによって、アノードから正孔が、カソードから電子が有機EL層に注入され、これにより有機EL層自らが発光するように構成されている。有機EL層を構成する有機化合物は低分子系でも高分子系でもかまわない。また、有機層の構成としては、単一層からなるものでもよいし、電子輸送層、或いは正孔輸送層をもつ二層或いは三層構造からなるものとしてもよい。更に、有機EL素子72は、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の夫々に対応した、アノード、有機層及びカソードを1セットとする積層構造を、複数層備えた構成を採用してもよいし、画素部70が、必要に応じてカラーフィルタを備えていてもよい。
走査線112は、図5に示すように書込信号供給線Yn1及び表示選択信号線Yn2から構成されている。書込信号供給線Yn1は、画素部70の蓄積容量C1に電荷を蓄積するための電圧をスイッチング用TFTQsw1及びQsw2のゲートに印加するために設けられた配線であり、表示選択信号線Yn2は画素部70が備える表示選択用TFTQstをオンオフするための表示選択信号Scn2−nを供給する配線である。
次に、図1、図5、図6、及び図7を参照しながら、画素部70の動作について説明する。
図1、図5及び図6において、VSYNC及び水平同期信号(以下、HSYNCと称す。)が供給されると、有機EL表示部110の走査線112に含まれる表示選択信号供給線Yn1に表示選択信号Scn1−nが供給される。続いて、HSYNCが供給される毎に図中上側から順に表示選択信号供給線Yn2に順に表示選択信号Scn2−1、Scn2−2、・・・、Scn2−nが供給される。
図7において、画素部70に供給される表示選択信号Scn2−nのパルス幅が発光期間選択信号に応じて制御される。より具体的には、例えば、画素部の発光期間を小さくする場合には、発光期間選択信号に応じて表示選択信号Scn2−nのパルス幅を小さくする。また、逆に発光期間を大きくする場合には、表示選択信号Scn2−nのパルス幅を大きくする。これにより、表示選択用TFTQstを介して有機EL素子72に駆動電流が流れる時間を調整することができ、画素部70の輝度を調整できる。ここで、表示選択信号Scn2−nのパルス幅は、図中時間軸に沿って連続的に変更でき、画素部70の輝度を連続的に変えることが可能である。例えば、Scn2−nのパルス幅を100%、50%、10%に変更することによって、発光期間を1フレームの間隔の100、50、10%に変更できる。したがって、動画像の速度が連続的に変化する場合であっても、画素部70の発光期間を連続的に変更でき、動画ボケ量を低減することが可能である。
以上、説明したように本発明に係る電気光学装置の駆動回路によれば、動画像が表示される際の動画ボケ量を低減できると共に、画素部の劣化を抑制でき、動画像の表示特性に優れ、且つ長寿命の電気光学装置を構成できる。
(第2実施形態)
次に、図8を参照しながら本実施形態の有機EL装置の駆動回路の他の例を説明する。図8は、本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路1aの構成を示すブロック図である。尚、第2実施形態及び第3実施形態では、第1実施形態と共通する部分について共通の参照符号を参照して説明する。
次に、図8を参照しながら本実施形態の有機EL装置の駆動回路の他の例を説明する。図8は、本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路1aの構成を示すブロック図である。尚、第2実施形態及び第3実施形態では、第1実施形態と共通する部分について共通の参照符号を参照して説明する。
図8において、有機EL装置10の駆動回路1aは、本発明に係る「速度検出手段」の一例を構成する移動量検出回路22及び速度演算回路23、発光期間選択回路30、及び表示制御回路40を備えている。
図8において、移動量検出回路22は、動画像が移動した移動量を検出する。「移動量」とは、例えば動画像として表示される動物体の端部が、異なるフレームで異なる画素部の発光によって表示される際に、これら異なる画素部間の距離を意味する。即ち、動画像で表示される動物体を実際に人間が見た場合、文字通り表示された動物体が移動した量である。より具体的には、移動量検出回路22は、外部から表示制御回路40に供給される画像信号を検出し、検出した画像信号に基づいて動画像が移動した移動量を検出する。
速度演算回路23は、移動量検出回路22から移動量に関する情報を含む移動量信号を受け取る。速度演算回路23は、移動量信号に基づいて動画像の速度を算出し、動画像の速度に関する情報を含む速度信号を発光期間選択回路30に送る。発光期間選択回路30及び表示制御回路40は、第1実施形態と同様に動作し、表示制御回路40から走査線駆動回路に発光期間選択信号が送られ、データ線駆動回路に発光輝度設定信号が供給される。以降は、第1実施形態で説明した同様の動作によって動画像が表示される。本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路によれば、第1実施形態と同様に動画ボケを低減しつつ、画素部が備える有機EL素子の劣化を抑制できる。
次に、図9を参照しながら本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路の変形例を説明する。図9は、本例の有機EL装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。
図9において、駆動回路1bは、本発明に係る「速度検出手段」の一例を構成する動き検出回路25及び動き演算回路26、発光期間選択回路30、及び表示制御回路40を備えている。
図9において、動き検出回路25は、外部から表示制御回路40に供給される画像信号に基づいて動画像の動きを検出する。動画像の動きとは、動画像が動く向き及び移動量を含むベクトル的な検出値であり、例えば、有機EL表示部におけるVSYNCが送られる方向に沿った向きだけでなく、HSYNCが送られる方向に沿った方向の成分も含む。したがって、有機EL表示部の画像表示面の面内方向に沿って動画像の動きを検出できる。
動き演算回路26は、動き検出回路25から供給される動き信号を演算し、動画像の速度及び動く方向を含む動きベクトル信号を発光期間選択回路30に送る。
発光期間選択回路30及び表示制御回路40は、第1実施形態と同様に動作し、表示制御回路40から走査線駆動回路に発光期間選択信号が送られ、データ線駆動回路に発光輝度設定信号が供給される。以降は、第1実施形態と同様の動作が行われ、動画像が表示される。本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路によれば、第1実施形態と同様に動画ボケを低減しつつ、画素部が供える有機EL素子の劣化を抑制できる。
ここで、本実施形態の駆動回路1a及び1bが画素部の最適な発光期間を選択する際には、図3に示した動画ボケ量及び動画像の速度の関係を示したグラフを参照すればよい。尚、本実施形態では、動画像の移動量或いは動きを検出することから、図3中の速度を動画像の移動量或いは動きで置き換えたものを参照すればよい。
(第3実施形態)
次に、図10を参照しながら本実施形態の有機EL装置の駆動回路を説明する。図10は、本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。
次に、図10を参照しながら本実施形態の有機EL装置の駆動回路を説明する。図10は、本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。
図10において、駆動回路1cは、本発明に係る「差分値検出手段」の一例を構成するフレームメモリ28及び比較回路29、発光期間選択回路30、並びに表示制御回路40を備えている。
図10において、フレームメモリ28は、外部から表示制御回路40に供給される画像信号を記憶する。比較回路29は、外部から表示制御回路40に供給される画像信号と、この画像信号のフレームより時間的に一つ前のフレームを表示する画像信号をフレームメモリ28から読み出し、これら2つの画像信号を比較する。比較回路29は、これら画像信号の差分値を求め、この差分値をフレーム差分値信号として発光期間選択回路30に送る。より具体的には、フレーム差分値信号は、動画像を構成する連続したフレーム間における各画像信号が一致する割合を含む信号である。
発光期間選択回路30及び表示制御回路40は、第1実施形態と同様に動作し、表示制御回路40から走査線駆動回路に発光期間選択信号が送られ、データ線駆動回路に発光輝度設定信号が供給される。以降の動作は、第1実施形態と同様の動作によって動画像が表示される。本実施形態に係る有機EL装置の駆動回路によれば、第1実施形態と同様に動画ボケを低減しつつ、画素部が供える有機EL素子の劣化を抑制できる。
ここで、本実施形態の駆動回路1cが画素部の最適な発光期間を選択する際には、図3に示した動画ボケ量及び動画像の速度の関係を示したグラフを参照すればよい。尚、本実施形態では、フレーム差分値に応じて画素部の発光期間を選択することから、図3中の速度をフレーム差分値に置き換えて参照すればよい。
(電子機器)
次に、上述の有機EL装置10を備えた各種電子機器について説明する。
次に、上述の有機EL装置10を備えた各種電子機器について説明する。
<A:モバイル型コンピュータ>
図11を参照しながらモバイル型のパーソナルコンピュータに上述した有機EL装置10を適用した例について説明する。図11は、コンピュータ1200の構成を示す斜視図である。
図11を参照しながらモバイル型のパーソナルコンピュータに上述した有機EL装置10を適用した例について説明する。図11は、コンピュータ1200の構成を示す斜視図である。
図11において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、図示しない有機EL装置10を用いて構成された表示部1005を有する表示ユニット1206とを備えている。表示部1005は、動画ボケが低減されているため、高い表示特性を有する。加えて、最適な発光期間及び輝度の設定により、寿命も長い。特に、大量の画像データを高速で送受信可能とする技術の発達に伴い、動画像に対する需要も高まっている。加えて、長時間支障なく動作させることができる信頼性も要求される。そこで、本例に係るモバイル型コンピュータによれば、時や場所に制約されることなく高品質の動画像を表示できるうえ、寿命も長い。更に、コンピュータ1200は、簡便な駆動回路で高品質の動画像を表示できるため、携帯性を損なうことがない。また、表示部1005が備える複数の有機ELディスプレイ基板に赤、緑、青の光の三原色の光を発光する有機EL素子を形成しておくことによって、該表示部1005はフルカラー表示で画像表示を行うこともできる。
<B:携帯型電話機>
更に、上述した有機EL装置10を携帯型電話機に適用した例について、図12を参照して説明する。図12は、携帯型電話機1300の構成を示す斜視図である。
更に、上述した有機EL装置10を携帯型電話機に適用した例について、図12を参照して説明する。図12は、携帯型電話機1300の構成を示す斜視図である。
図12において、携帯型電話機1300は、複数の操作ボタン1302と共に、本発明の一実施形態である有機EL装置10を有する表示部1305を備えるものである。
表示部1305は、上述の表示部1005と同様の駆動回路によって駆動されるため、高品質の動画像を表示できることに加え、寿命も長い。また、表示部1305が備える複数の有機EL素子が夫々赤、緑、青の光の三原色の光を発光することによって、該表示部1305はフルカラー表示で画像表示を行うこともできる。
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の駆動回路及び方法、並びにこれを備えた有機EL表示装置等の電気光学装置、有機EL表示装置等を備えて構成される電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1、1a、1b、1c・・・駆動回路、10・・・有機EL装置、20・・・速度検出回路、22・・・移動量検出回路、23・・・速度演算回路、25・・・動き検出回路、26・・・動き演算回路、28・・・フレームメモリ、29・・・比較回路、30・・・発光期間選択回路、40・・・表示制御回路
Claims (12)
- 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して各々設けられ、動画像を表示すべく夫々発光可能である複数の画素部を備えた電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動回路であって、
前記動画像の速度を検出する速度検出手段と、
該検出された速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて、前記動画ボケを低減するように前記画素部の最適な発光期間を選択する発光期間選択手段と、
前記最適な発光期間に基づいて前記画素部を駆動する駆動手段とを備えたこと
を特徴とする電気光学装置の駆動回路。 - 前記速度検出手段は、前記動画像が移動した移動量を検出する移動量検出手段と、該検出された移動量に基づいて前記速度を演算する速度演算手段とを有すること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記速度検出手段は、前記動画像を構成する一連のフレームのうち連続したフレームの夫々によって表示される静止画間の差分値を検出する差分値検出手段を有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記差分値検出手段は、前記連続したフレームの夫々によって表示される静止画の画像信号を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された画像信号と所定の画像信号とを比較することによって前記差分値を算出する比較回路とを有すること
を特徴とする請求項3に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記速度検出手段は、前記動画像の動きベクトルを検出する動きベクトル検出手段と、該動きベクトル検出手段によって検出された動き信号に基づいて前記動画像の動きベクトル信号を演算する動きベクトル演算手段とを有すること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記検出された速度、前記差分値、又は動き信号に基づいて、前記画素部の輝度を調整する輝度調整手段を更に備えたこと
を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記輝度調整手段は、前記画素部に供給される駆動電流を調整する電流値設定回路を含むこと
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記許容値はソフトウェアによって設定可能であること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 前記画素部は、有機EL素子を含むこと
を特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路。 - 複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して各々設けられ、動画像を表示すべく夫々発光可能である複数の画素部を備えた電気光学装置を駆動するための電気光学装置の駆動方法であって、
前記動画像の速度を検出する速度検出工程と、
該検出された速度及び予め設定された動画ボケの許容値に基づいて前記画素部の最適な発光期間を選択する発光期間選択工程と
前記最適な発光期間に基づいて前記画素部を駆動する駆動工程とを備えたこと
を特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 請求項1から9の何れか一項に記載の電気光学装置の駆動回路を備えたこと
を特徴とする電気光学装置。 - 請求項11に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005025983A JP2006215141A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 電気光学装置の駆動回路及び方法、並びに電気光学装置及びこれを備えた電子機器 |
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