JP2006214324A - フィルム冷却翼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内部に形成された冷却通路20と、冷却流体の流れ方向に交差するように延在するとともに冷却通路20の壁部10から突出させて設けられたタービュレータ48とを備え、壁部10には、冷却通路20内の冷却流体を外表面へと導きフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔50が形成されたフィルム冷却翼において、フィルム冷却孔50は、タービュレータ48の上流側直近に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
(a)は動翼の側面図、(b)は動翼内部の冷却通路全体を示す断面図、(c)はそのB−B断面図である。
図8(a)に示すように、動翼30の外面には、動翼の前縁、中間および後縁のそれぞれに列状に並べられた複数のフィルム冷却孔50a,b,cが形成されている。
図8(b)に示すように、動翼30の内部には、動翼の前縁側に前縁側冷却通路31、動翼の後縁側に後縁側冷却通路35が形成されている。これら冷却通路31,35の間の中央部分に、対向壁部36,37,38,39で区分されて蛇行するように形成されたサーペンタイン冷却通路32,33,34が設けられている。各冷却通路の壁部には、冷却空気(冷却流体)に略直行するように延在し、壁部から突出するように設けられた多数本のタービュレータ48が設けられている。これらタービュレータ48により、冷却通路を流れる冷却空気の流れを乱して対流熱伝達を促進している。
また、このような高温流体の逆流を回避するために、フィルム冷却孔から流体を噴出させるための圧力を必要以上に高く設定せざるを得なかった。
すなわち、本発明にかかるフィルム冷却翼は、内部に形成された冷却通路と、冷却流体の流れ方向に交差するように延在するとともに前記冷却通路の壁部から突出させて設けられたタービュレータと、を備え、前記壁部には、冷却通路内の冷却流体を外表面へと導きフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔が形成されたフィルム冷却翼において、前記フィルム冷却孔は、前記タービュレータの上流側直近に形成されていることを特徴とする。
本発明のフィルム冷却孔は、フィルム冷却翼の外周を流れる高温流体が衝突して圧力が大きく加わる翼の前縁に設けると特に有効である。
「タービュレータの上流側直近」とは、具体的には、タービュレータの冷却流体の流れ方向の幅をe、タービュレータ上流端からフィルム冷却孔の中心までの距離をdとすると、0<d<2eの範囲が好適である。
前記フィルム冷却孔は、前記タービュレータによって剥離した冷却流体が前記壁部に再付着する位置に設けられていることを特徴とする。
冷却流体が再付着する位置としては、具体的には、タービュレータ高さをh、タービュレータ下流端からフィルム冷却孔の中心までの距離をdとすると、7h<d<10hの範囲が好適である。
さらに、フィルム冷却孔をタービュレータの上流側直近に設け、冷却流体がタービュレータに衝突することによって生じる淀み圧を利用することとしても良い。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
本実施形態は、図8を用いて説明した構成と基本的に同様であり、フィルム冷却孔の位置が異なる。
図1には、フィルム冷却翼の断面が示されている。冷却通路20は図において左右に形成されており、壁部に囲まれている。図において下方の壁部がフィルム冷却翼の外表面を構成する外側壁部10となっており、上方の壁部が隣接する冷却流路(図示せず)とを仕切るリブ又は他の外表面を構成する壁部とされた対向壁部12となっている。
タービュレータ48は、外側壁部10上に、冷却空気(冷却流体)の流れ方向(図の矢印参照)に直交するように延在しており、同図において紙面垂直方向に延在している。タービュレータ48は、外側壁部10および対向壁部12の内面から冷却空気側に向けて突出している。
外側壁部10には、フィルム冷却翼の外表面に向けて冷却空気を噴出させてフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔50が形成されている。本実施形態では、フィルム冷却孔50は、冷却空気の流れ方向に対してほぼ垂直に形成されている。フィルム冷却孔50は、タービュレータ48の上流側直近に形成されている。具体的には、フィルム冷却孔50の上流端50dは、タービュレータ48の冷却空気の流れ方向の幅をe、タービュレータ48の上流端からフィルム冷却孔の中心までの距離をdとすると、0<d<2eの範囲に位置されている。
冷却空気はタービュレータ48に衝突することにより、タービュレータ48上流側直近に淀み圧を発生させる。これによりタービュレータ48の上流側直近の圧力は上昇する。このように淀み圧によって圧力が上昇したタービュレータ48上流側直近にフィルム冷却孔50を位置させることにより、フィルム冷却孔50の両端の圧力差(即ちフィルム冷却孔50の上流端50dと下流端50eとの間の圧力差)を大きくすることができる。したがって、フィルム冷却翼周りを流れる高温流体がフィルム冷却孔50内を逆流することを防止できる。
また、本実施形態のフィルム冷却孔50は、フィルム冷却翼の外周を流れる高温流体の動圧が大きく加わる前縁に設けることとすれば、特に有効である。
次に、本発明の第2実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、フィルム冷却孔の形成方向が異なる。その他の構成については第1実施形態と同様なので、それらの説明は省略する。
図2に示されているように、フィルム冷却孔50は、冷却空気の流れ方向と同じ向きになるように、冷却通路20から外表面に向けて形成されている。すなわち、フィルム冷却孔50の上流端50dは、下流端50eよりも冷却空気流れの上流側に位置している。
次に、本発明の第3実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、フィルム冷却孔の形成方向が異なる。その他の構成については第1実施形態と同様なので、それらの説明は省略する。
図3に示されているように、フィルム冷却孔50は、冷却空気の流れ方向と反対向きになるように、冷却通路20から外表面に向けて形成されている。すなわち、フィルム冷却孔50の上流端50dは、下流端50eよりも冷却空気流れの下流側に位置している。
また、フィルム冷却孔50がタービュレータ48の上流側直近に設けられているので、動圧による圧力上昇が利用でき、より圧力差を大きくすることができる。
したがって、フィルム冷却翼の外周側から高温流体がフィルム冷却孔50を逆流することを防止することができる。
次に、本発明の第4実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、フィルム冷却孔の位置が異なる。その他の構成については第1実施形態と同様なので、それらの説明は省略する。
図5に示すように、フィルム冷却孔50は、タービュレータ48によって剥離した冷却空気が外側壁部10に再付着する位置に設けられている。フィルム冷却孔50の具体的な位置は、例えば、タービュレータ高さをh、タービュレータ下流端からフィルム冷却孔の中心までの距離をdとすると、7h<d<10hの範囲が好適である。
次に、本発明の第5実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して、タービュレータの延在方向が異なる。その他の構成については第1実施形態と同様なので、それらの説明は省略する。
タービュレータ48は、図6(a)に示されているように、冷却空気の流れ方向に所定角度有するように斜めに設けられている。すなわち、第1実施例では、タービュレータ48は冷却空気の流れ方向に直交するように延在していたが、本実施形態のタービュレータ48は、冷却空気の流れ方向に所定角度だけ傾けた状態で交差させてある。
フィルム冷却孔50は、外側壁部10の両側部に形成されている。すなわち、外側壁部10の両側に立設する壁部(図示せず)の近傍にフィルム冷却孔50が設けられている。
タービュレータ48に対するフィルム冷却孔50の位置は、図6(b)に示されているように、第1実施形態と同様に、タービュレータ40の上流側直近に設けられている。
タービュレータ48の延在方向が冷却空気の流れ方向に対して所定角度有するように斜めに設けられていると、冷却空気の流れ方向に直交する面内において二次流れが発生する。この二次流れf1は、図6(c)に示されているように、冷却空気の流れ方向に直交する面内において渦を巻き、外側壁部10の両側部(タービュレータ48が延在する方向において両端)に衝突するように流れる。この位置にフィルム冷却孔50を設けることにより、二次流れf1の衝突による淀み圧を有効に利用して、フィルム冷却孔50の圧力差を大きくすることができる。したがって、高温流体がフィルム冷却孔50を逆流することを防止することができる。なお、図6(c)は、図6(a)の下流側から見た図である。
さらに、フィルム冷却孔50をタービュレータ48の上流側直近に設けているので、冷却空気がタービュレータ48に衝突することによって生じる淀み圧を利用することができる。
20 冷却流路
48 タービュレータ
50 フィルム冷却孔
Claims (6)
- 内部に形成された冷却通路と、冷却流体の流れ方向に交差するように延在するとともに前記冷却通路の壁部から突出させて設けられたタービュレータと、を備え、前記壁部には、冷却通路内の冷却流体を外表面へと導きフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔が形成されたフィルム冷却翼において、
前記フィルム冷却孔は、前記タービュレータの上流側直近に形成されていることを特徴とするフィルム冷却翼。 - 前記フィルム冷却孔は、前記冷却流体の流れ方向と同じ向きになるように外表面に向けて形成されていることを特徴とする請求項1記載のフィルム冷却翼。
- 前記フィルム冷却孔は、前記冷却流体の流れ方向と反対向きになるように外表面に向けて形成されていることを特徴とする請求項1記載のフィルム冷却翼。
- 内部に形成された冷却通路と、冷却流体の流れ方向に交差するように延在するとともに前記冷却通路の壁部から突出させて設けられたタービュレータと、を備え、前記壁部には、冷却通路内の冷却流体を外表面へと導きフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔が形成されたフィルム冷却翼において、
前記フィルム冷却孔は、前記冷却流体の流れ方向と反対向きになるように外表面に向けて形成されていることを特徴とするフィルム冷却翼。 - 内部に形成された冷却通路と、冷却流体の流れ方向に交差するように延在するとともに前記冷却通路の壁部から突出させて設けられたタービュレータと、を備え、前記壁部には、冷却通路内の冷却流体を外表面へと導きフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔が形成されたフィルム冷却翼において、
前記フィルム冷却孔は、前記タービュレータによって剥離した冷却流体が前記壁部に再付着する位置に設けられていることを特徴とするフィルム冷却翼。 - 内部に形成された冷却通路と、冷却流体の流れ方向に交差するように延在するとともに前記冷却通路の壁部から突出させて設けられたタービュレータと、を備え、前記壁部には、冷却通路内の冷却流体を外表面へと導きフィルム冷却を行うためのフィルム冷却孔が形成されたフィルム冷却翼において、
前記タービュレータの延在方向は、冷却流体の流れ方向に対して所定角度有するように斜めに設けられ、
前記フィルム冷却孔は、前記壁部の両側部に形成されていることを特徴とするフィルム冷却翼。
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