JP2006213713A - コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の剤形 - Google Patents
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Abstract
【課題】3−ヒドロキシー3−メチルグルタリル−補酵素Aレダクターゼ(HMG−CoAレダクターゼ)阻害剤およびコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の組合せを送達する安全、有効な剤形の提供。
【解決手段】溶解度改善形態のコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤、およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む剤形であって、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、ならびにコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の制御放出および即時放出を提供する剤形。
【選択図】なし
【解決手段】溶解度改善形態のコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤、およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む剤形であって、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、ならびにコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の制御放出および即時放出を提供する剤形。
【選択図】なし
Description
発明の背景
本発明は、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤および(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む剤形であって、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、ならびにCETP阻害剤の制御放出および即時放出を提供する剤形に関する。
本発明は、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤および(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む剤形であって、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、ならびにCETP阻害剤の制御放出および即時放出を提供する剤形に関する。
コレステロールの細胞内合成を触媒する重要酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素Aレダクターゼ(HMG−CoAレダクターゼ)の阻害剤が、特に低密度リポタンパク質形態のコレステロール(LDL−C)に関して血中コレステロールのレベル低減をもたらす、ということは周知である。したがってHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、低コレステロール血症薬または低脂血症薬として潜在的に有用であるとみなされる。
コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤(CETP阻害剤)は、例えば高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールを上げ、そして低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを下げることにより、血中コレステロールのレベルを調整し得る別のクラスの化合物である。ある種の血漿脂質レベル、例えばLDL−コレステロールおよびトリグリセリドを下げるため、そしてある種の他の血漿脂質レベル、例えばHDL−コレステロールを上げるため、したがってある種の哺乳類(即ちそれらの血漿中にCETPを有するもの)、例えばヒトにおける、低レベルのHDLコレステロールおよび/または高レベルのLDL−コレステロールおよびトリグリセリドにより影響を及ぼされる疾患、例えばアテローム硬化症および心臓血管性疾患を治療するために、CETP阻害剤を使用するのが望ましい。
CETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の組合せ療法を用いて、高LDLコレステロールレベルおよび低HDLコレステロールレベルを治療し得る、ということは周知である。例えばWO 02/13797は、コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤およびアトルバスタチンの製剤組合せに関する。当該出願は、化合物が一般に、別々に、あるいは製薬上許容可能な担体、ビヒクルまたは希釈剤と一緒に、投与され得る、ということを開示する。化合物は、任意の慣用的経口、非経口または経皮剤形で、独立してまたは一緒に投与され得る。組合せは、制御放出投薬処方物、例えば緩徐放出または迅速放出処方物中で投与され得る。経口投与に関しては、剤形は、溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、粉末等の形態をとり得る。
CETP阻害剤、特に高結合活性を有するものは、慣用的に投与される場合、一般に疎水性であり、非常に低い水性溶解度を有し、そして低経口的生物学的利用能を有する。このような化合物は一般に、高生物学的利用能が達成されるよう、経口投与のために処方されるのが難しいことを立証している。したがってCETP阻害剤は、良好な生物学的利用能を提供し得るよう処方されなければならない。このような処方物は一般に、「溶解性改善」形態と呼ばれる。CETP阻害剤の生物学的利用能を増大するための一方法は、薬剤および濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体を生成することである(例えば共有譲渡同時係属中米国特許出願第2002/010325A1号および米国特許出願第10/066,091号参照)(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)。CETP阻害剤の生物学的利用能を増大するための別の方法は、脂質ビヒクル中に化合物を処方することである(例えば共有譲渡同時係属中の米国特許出願10/175,643号参照)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)。CETP阻害剤の生物学的利用能を増大するためのさらなる方法としては、多孔性支持体上にCETP阻害剤を吸着すること(共有譲渡PCT出願WO 03/00238A1参照)、そして濃度増強ポリマーを有する安定化非晶質形態のCETP阻害剤を提供すること(共有通譲渡PCT出願WO 03/00294A1参照)が挙げられる。
溶解度改善形態のCETP阻害剤を有する剤形の設計は、さらなる挑戦を提示する。溶解度改善形態のCETP阻害剤の使用は一般に、剤形、例えば錠剤またはカプセルのサイズを増大する。この経口剤形は、特に高齢患者のために、容易に嚥下されるサイズを有するものである、ということは重要である。多くの患者は多数の薬剤を摂取するため、1回の服用で摂取される剤形の数は少なく、好ましくは1単位である、ということも好ましい。さらに多数の薬剤を摂取する患者は1日のうちの何時に薬剤を摂取するかという困難な計時手順を有し得る、ということは重要である。さらにいくつかの薬剤、例えばCETP阻害剤は食事とともに有益に摂取され、そして薬剤が摂取される回数/日を最小限にし、薬剤が食事とともに摂取される要件を簡素化することが好ましい。
上記の言及は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤およびCETP阻害剤の組合せを送達する安全、有効な方法を見出す必要性が依然として存在することを示す。
発明の要約
本発明は、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤および(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む剤形であって、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が即時放出形態であり、CETP阻害剤の一部が即時放出形態であり、そしてCETP阻害剤の一部が制御放出形態である剤形を提供する。
本発明は、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤および(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む剤形であって、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が即時放出形態であり、CETP阻害剤の一部が即時放出形態であり、そしてCETP阻害剤の一部が制御放出形態である剤形を提供する。
一実施形態では、CETP阻害剤の一部分は、使用環境への導入後1時間またはそれ未満以内に即時放出部分の少なくとも約70重量%未満が放出されるよう、即時放出形態で存在し得る。別の実施形態では、即時放出形態であるCETP阻害剤の当該部分は、剤形中に存在するCETP阻害剤の全量の約50%以下、好ましくは約40%以下、さらに好ましくは約35%以下、さらに好ましくは約30%以下、さらに好ましくは約25%以下、さらに好ましくは約20%以下であるべきである。CETP阻害剤の即時放出部分は、製薬業界で既知の任意の手段により、例えば即時放出コーティング、即時放出層、ならびに即時放出多粒子または顆粒により成し遂げられ得る。
好ましい実施形態では、剤形はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤およびCETP阻害剤を、本明細書中に記載された好ましい速度で放出する。
一実施形態では、CETP阻害剤は、マトリックス制御放出デバイスの形態である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、マトリックス制御放出デバイス周囲の即時放出コーティングの形態であるか、あるいはマトリックス制御放出デバイスと会合された即時放出層の形態である。CETP阻害剤の即時放出部分は、マトリックス制御放出デバイスと会合された即時放出コーティングまたは層中にも含まれ得る。
別の実施形態では、CETP阻害剤は浸透性制御放出デバイスの形態である。浸透性制御放出デバイスは、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤および浸透剤を含むコア、ならびに(2)上記コアを取り囲む非溶解度、非浸蝕性コーティングを包含する。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、浸透性制御放出デバイス周囲の即時放出コーティングまたは層の形態である。CETP阻害剤の即時放出部分も、浸透性制御放出デバイス周囲の即時放出コーティングまたは層中に含まれ得る。
さらに別の実施形態では、剤形は、(1)CETP阻害剤を含む組成物、(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む組成物、(3)(1)および(2)間に挟まれた膨潤性層組成物、ならびに(4)(1)、(2)および(3)を取り囲む水透過性コーティングを含む三層錠剤を包含するが、この場合、(1)はCETP阻害剤の制御放出のために意図され、そして(2)はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の、ならびに潜在的にCETP阻害剤の一部分の即時放出のために意図される。
さらに別の実施形態では、剤形は、溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む複数の制御放出多粒子または顆粒、ならびにHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む複数の即時放出多粒子または顆粒を包含する。CETP阻害剤の一部分は、即時放出多粒子または顆粒として剤形中に包含され得る。
さらに別の実施形態では、剤形はカプセルを包含し、カプセルはCETP阻害剤を含む制御放出デバイスを含み、デバイスはマトリックス制御放出デバイス、浸透性制御放出デバイス、および制御放出多粒子からなる群から選択される。カプセルはさらに、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む即時放出組成物を含む。カプセルは、即時放出組成物としてCETP阻害剤の一部分も含む。
さらに別の実施形態では、剤形は、少なくとも2つの別個の組成物:(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む制御放出デバイスを含有するもの、および(2)即時放出形態のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤およびCETP阻害剤を含有するもの:を包含するキットを含む。キットは、別個の組成物を含有するための手段を包含する。あるいはキットは、少なくとも2つの別個の組成物:(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む制御放出デバイスおよび即時放出形態のCETP阻害剤の一部分を含有するもの、ならびに(2)即時放出形態のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤およびCETP阻害剤を含有するもの:で構成され得る。別の態様では、剤形は少なくとも3つの別個の組成物:(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む制御放出デバイスを含有するもの、(2)即時放出形態のCETP阻害剤を含有するもの、および(3)即時放出形態のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含有するもの:を包含するキットを含む。
別の態様では、本発明の剤形は、CETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することによる治療を受けるべきである任意の症状を治療するために用いられ得る(共有譲渡同時係属中の米国特許出願第2002/010325A1号参照)(この開示内容は、参照により本明細書中で援用される)。
上記の全般的説明および以下の詳細な説明はともに、例示および説明に過ぎず、特許請求する場合に本発明を限定するものではない、と理解されるべきである。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、本発明の例示的実施形態およびそこに含まれる実施例についての詳細な説明に対する言及により、より容易に理解され得る。
本発明は、本発明の例示的実施形態およびそこに含まれる実施例についての詳細な説明に対する言及により、より容易に理解され得る。
本発明の剤形および方法が開示され、説明される前に、もちろん変更し得る製造の特定合成方法に限定されない、と理解されるべきである。本明細書中で用いられる用語は特定の実施形態のみを説明するという目的のためであって、限定的であるよう意図されない、ということも理解されるべきである。
「即時放出」とは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ならびに剤形中に最初に存在する薬剤の少なくとも約70重量%が使用環境への導入後に1時間またはそれ未満の内に放出されるよう、即時放出形態である即時放出CETP阻害剤の一部分が放出される、ということを広範に意味する。薬剤の即時放出は、製薬業界で既知の任意の手段により、例えば即時放出コーティング、即時放出層、ならびに即時放出多粒子または顆粒により成し遂げられ得る。即時放出であるCETP阻害剤の一部分は、剤形中に存在するCETP阻害剤の全量の約50%以下であるべきである。
「制御放出」とは、即時放出より遅い速度でCETP阻害剤が放出される、ということを広範に意味する。特定の実施形態は、持放性経口剤形の形態、あるいは遅延放出剤形の形態、あるいは持放性および遅延放出性特質の組合せを示す経口剤形の形態であり得る。「制御された」という用語は、「持続性」および「遅延性」に包括的である。したがって「制御放出」は、持続性放出ならびにCETP阻害剤の遅れ時間後の持続性放出を包含するよう意図される。持放性特質は、ゼロ・オーダー、一次オーダー、混合・オーダーまたはその他の動態に従ってCETP阻害剤を放出する剤形を包含する。CETP阻害剤の制御放出は、製薬業界で既知の任意の手段により、例えばマトリックス制御放出デバイス、浸透性制御放出デバイス、および多粒子制御放出デバイスの使用により成し遂げられ得る。CETP阻害剤の制御放出のためのデバイスは、共有譲渡され同時係属中の米国特許出願第10/349,600号(2003年1月23日提出)(表題「Controlled Release Pharmaceutical Dosage Forms of a Cholesteryl Ester Transfer Protein Inhibitor」)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
「使用環境」への言及は、in vivo流体、例えば動物、例えば哺乳類、特にヒトの消化管、皮下、鼻内、頬、クモ膜下、眼、耳内、皮下間隙、膣路、動脈および静脈血管、気道または筋肉内組織、あるいは試験溶液、例えばリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、酵素を含有しない人工腸緩衝液(SIN)、またはモデル絶食十二指腸(MFD)溶液のin vitro環境を意味し得る。適切なPBS溶液は、NaOHでpH6.5に調整された20 mMリン酸ナトリウム(Na2HPO4)、47 mMリン酸カリウム(KH2PO4)、87 mMNaClおよび0.2 mMKClを含む水性溶液である。適切なSIN溶液は、pH7.4に調整された50 mMKH2PO4である。適切なMFD溶液は、7.3 mMタウロコール酸ナトリウムおよび1.4 mMの1−パルミトイル−2−オレイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンがさらに存在する同一PBS溶液である。
使用環境への「投与」とは、in vivo使用環境が消化管である場合、摂取または嚥下、または薬剤を送達するためのその他のこのような手段による送達を意味する。他のin vivo使用環境への「投与」が、当該技術分野で既知の方法を用いた使用環境と本発明の組成物との接触を意味する、と当業者は理解する(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (2000)参照)。使用環境がin vitroである場合、「投与」とは、in vitro試験媒質への剤形の投入またはデリバリー(送達)を指す。
放出速度、適切な剤形、CETP阻害剤、溶解度改善形態、およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を、以下でさらに詳細に考察する。
放出速度
本発明の剤形は、(1)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、および(2)溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出、および(3)溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供する。本明細書中で用いる場合、剤形からの即時放出薬剤の放出速度は、使用環境に剤形を投与後1時間で放出される剤形中に最初に存在する薬剤のパーセンテージにより特性化される。使用環境への剤形の投与後1時間で、剤形中に最初に存在する各即時放出薬剤の少なくとも約70重量%を薬剤が放出した場合、剤形は本発明の範囲内である。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で少なくとも約80重量%、さらに好ましくは1時間で少なくとも約90重量%を放出している。
本発明の剤形は、(1)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、および(2)溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出、および(3)溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供する。本明細書中で用いる場合、剤形からの即時放出薬剤の放出速度は、使用環境に剤形を投与後1時間で放出される剤形中に最初に存在する薬剤のパーセンテージにより特性化される。使用環境への剤形の投与後1時間で、剤形中に最初に存在する各即時放出薬剤の少なくとも約70重量%を薬剤が放出した場合、剤形は本発明の範囲内である。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で少なくとも約80重量%、さらに好ましくは1時間で少なくとも約90重量%を放出している。
本発明の剤形はCETP阻害剤の制御放出を提供するが、これは、剤形が、即時放出より遅い平均速度でCETP阻害剤の制御放出部分を放出する、ということを意味する。本発明の剤形からのCETP阻害剤の放出は、使用環境への剤形の導入と約70重量%未満のCETP阻害剤が剤形を出る時間との間に経過する時間に関して特性化され得る。CETP阻害剤放出速度の説明は、このような剤形が即時放出としてCETP阻害剤の一部分を有し、そしてゼロ・オーダー、一次オーダー、混合オーダーまたはその他の動態に従ってCETP阻害剤を放出し得る、という事実により複雑にされる。混乱を避けるために、使用環境への剤形の投与と約70%未満のCETP阻害剤が剤形を出る速度との間に経過する時間に関する放出速度を説明する。この説明は、放出されるパーセント対時間曲線の形状にかかわらず、CETP阻害剤を放出する全ての剤形に当てはまり、そして持放性剤形、および初期遅れ時間後に持放性放出を示す剤形、ならびに最初の即時放出後に持続性放出を示す剤形を包含するよう意図される。したがってCETP阻害剤の「制御放出」とは、使用環境への導入後1時間で剤形中に最初に存在するCETP阻害剤の約70重量%未満を放出する剤形を意味する。「持続性放出」とは、使用環境への投与後、時間をかけてCETP阻害剤が徐々に放出される剤形を意味する。したがって剤形中に最初に存在するCETP阻害剤の約70重量%未満を放出するための時間は、約1時間より多い。一実施形態では、剤形中に最初に存在するCETP阻害剤の約70%未満を放出するための時間は、少なくとも約2時間、好ましくは少なくとも約3時間、さらに好ましくは少なくとも約4時間である。
しかしながら剤形からのCETP阻害剤の放出は、遅過ぎるべきではない。したがって剤形中に最初に存在するCETP阻害剤の約70%を放出するための時間は約24時間以下、さらに好ましくは約20時間以下、最も好ましくは約18以下である、というのも好ましい。
使用環境への剤形の投与後1時間で、剤形中に最初に存在する即時放出CETP阻害剤の部分の少なくとも約70重量%を剤形が放出した場合、剤形は本発明の範囲内である。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で、最初に存在する即時放出CETP阻害剤の部分の少なくとも約80重量%、さらに好ましくは少なくとも約90重量%を放出している。
剤形からのCETP阻害剤の制御放出は、期間中に放出される剤形中に存在するCETP阻害剤の重量%を気管の経過時間(時間)で割った値として定義される期間の1時間当たりCETP阻害剤の平均放出速度によっても特性化され得る。例えば16時間後に剤形中に最初に存在するCETP阻害剤の70重量%を剤形が放出する場合、CETP阻害剤の平均放出速度は4.4重量%(70重量%/16時間)である。平均放出速度は使用環境への導入後の任意の期間で算定され得るが、しかし慣用的には用いられる時間は、剤形中に最初に存在するCETP阻害剤の70重量%を放出するのに要する時間である。
したがって本発明の剤形は、約70重量%/時未満の制御放出CETP阻害剤の平均放出速度を有する。好ましくは本発明の制御放出剤形は、約35重量%/時以下、さらに好ましくは約23重量%/時以下、さらに好ましくは約17.5重量%/時以下である平均速度でCETP阻害剤を放出する。本発明の制御放出剤形は、約2.9重量%/時以上、好ましくは約3.5重量%/時以上、さらに好ましくは約3.9重量%/時以上である平均速度でCETP阻害剤を放出する、というのも好ましい。
本発明の剤形は、構成のための経口粉末として投与される同一溶解度改善形態の等量のCETP阻害剤からなる即時放出剤形対照と比較してCETP阻害剤の制御された放出を提供する。一実施形態では、使用環境が哺乳類の消化管である場合、剤形は、即時放出剤形対照より長い投与後の哺乳類の血中最大薬剤濃度(Tmax)に達するまでの時間を提供する。好ましくは血中Tmaxは、即時放出剤形対照より少なくとも約1.25倍長く、好ましくは少なくとも約1.5倍長く、さらに好ましくは少なくとも約2倍長い。さらに血中の薬剤の最大濃度(Cmax)は、即時放出剤形対照により提供されるCmaxの約80%以下であり、そして約65%以下であり得るし、または約50%以下でさえあり得る。TmaxおよびCmaxはともに、摂食時または空腹時で比較され得るし、剤形は摂食時および空腹時の少なくとも一方、好ましくは両方に関する上記の判定基準を満たす。
即時放出として提供されるCETP阻害剤の一部分によって、構成のための経口粉末として投与される同一溶解度改善形態の等量のCETP阻害剤と比較して、当該剤形は、哺乳類の血中の最大薬剤濃度(Tmax)を達成するために同様の時間を提供する。
構成のための経口粉末として投与される同一溶解度改善形態の等量のCETP阻害剤と比較して、当該剤形へのCETP阻害剤の即時放出部分の含入は、哺乳類の血中の最大薬剤濃度(Tmax)を達成するために同様の時間を提供する、と理解される。
別の態様では、経口投与後、以下の作用のうちの1つまたは複数を引き出すCETP阻害剤の制御放出を、本発明の剤形は提供する:(a)約12時間またはそれ以上の間、好ましくは約16時間またはそれ以上の間、さらに好ましくは約24時間またはそれ以上の間の、血漿CETPの約50%またはそれ以上、好ましくは約70%またはそれ以上、さらに好ましくは約80%またはそれ以上、さらに好ましくは約90%またはそれ以上の抑制;(b)同量の溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供する剤形と比較して、平均血漿Cmaxの20%またはそれ以上の低減;(c)8時間投与後の、約20%またはそれ以上のHDLコレステロールレベルの平均増大;ならびに(d)8時間投与後の、約10%またはそれ以上のLDLコレステロールレベルの平均低減。言い換えれば、剤形は、in vivo使用環境への投与後、以下のうちの少なくとも1つを提供する:(i)少なくとも約12時間の血漿コレステリルエステル輸送タンパク質の少なくとも約50%抑制;(ii)同量の溶解度改善形態の上記CETP阻害剤の即時放出を提供する剤形により提供される血中の最大薬剤濃度の約80%以下である血中最大薬剤濃度;(iii)投与前に得られる値の少なくとも約1.2倍である8週間投与後の平均HDLコレステロールレベル;ならびに(iv)投与前に得られる値の少なくとも約90%以下である8週間投与後の平均LDLコレステロールレベル。
好ましい実施形態は、上記の作用のうちの2つを示す。さらに好ましい実施形態は、上記の作用のうちの3または4つを示す。
本発明の剤形は、空腹時または摂食時にヒト被験者に投与され得る。それらは摂食時に投与されるのが好ましい。
好ましいCETP阻害剤用量および本発明の剤形からのCETP阻害剤放出速度は、個々のCETP阻害剤に関する薬物動態(PK)モデリングにより、または当業者に周知のような臨床実験(即ち、ヒト被験者または患者における)により確定され得る。PKモデリングは、同一用量での即時放出剤形と比較して、20%またはそれ以上Cmaxを低減するそれらの用量および放出速度を同定するために、種々のCETP阻害剤用量および放出速度に関するCmaxを予測するためにも用いられ得る。
一態様では、CETP阻害剤が[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブとしても既知)である場合、本発明の剤形は、経口投与後、以下の作用のうちの1つまたは複数を引き出す:(a)約12時間またはそれ以上の間、好ましくは約16時間またはそれ以上の間、さらに好ましくは約24時間またはそれ以上の間の、約70 ng/ mL、好ましくは約110 ng/ mL、さらに好ましくは約160 ng/ mLさらに好ましくは約325 ng/ mLを超えるトルセトラピブの血漿濃度;(b)約12時間またはそれ以上の間、好ましくは約16時間またはそれ以上の間、さらに好ましくは約24時間またはそれ以上の間の、血漿CETPの約50%またはそれ以上、好ましくは約70%またはそれ以上、さらに好ましくは約80%またはそれ以上、さらに好ましくは約90%またはそれ以上の抑制;(c)同量の溶解度改善形態のトルセトラピブの即時放出を提供する剤形と比較して、平均血漿Cmaxの20%またはそれ以上の低減;(d)8時間投与後の、約20%またはそれ以上のHDLコレステロールレベルの平均増大;ならびに(e)8時間投与後の、約10%またはそれ以上のLDLコレステロールレベルの平均低減。
好ましい実施形態は、上記の作用のうちの2つを示す。さらに好ましい実施形態は、上記の作用のうちの3またはそれ以上を示す。
トルセトラピブを含む本発明の剤形は、空腹時または摂食時にヒト被験者に投与され得る。それらは摂食時に投与されるのが好ましい。
本発明の剤形は、多くて1日2回(「BID」)、好ましくは1日1回(「QD」)、投与される。この態様の達成は、CETP阻害剤用量ならびに剤形からのCETP阻害剤放出速度によっている。
CETP阻害剤に関する所望の放出プロフィールの詳細は、共有譲渡され、同時係属中の米国特許出願第10/349,600号(2003年1月23日提出)(表題「Controlled Release Pharmaceutical Dosage Forms of a Cholesteryl Ester Transfer Protein Inhibitor」)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
in vitro試験は、剤形が本発明の範囲内の放出プロフィールを提供するか否かを確定するために用いられ得る。in vitro試験は、当該技術分野で周知である。in vitro試験は、in vivoでの剤形の振る舞いを模倣するよう意図される。一例はいわゆる「直接」試験であり、この場合、剤形は、37℃に保持された900 mLの溶解媒質、例えば胃環境を刺激する緩衝溶液(10 mMHCl、100 mMNaCl、pH2.0、261 mOsm/kg)あるいは上記のPBSまたはMFD溶液を含入する撹拌USPタイプ2溶解フラスコ中に入れられる。このような試験では、溶解媒質は剤形中の薬剤のためのシンクとして作用する必要がない、と当業者は理解する。これは、非溶解薬剤が浸透性剤形から押出される速度が溶解媒質中の薬剤の溶解度の影響を実質的に受けない浸透性剤形について特に言える。しかしながら溶解状態で薬剤を送達する剤形に関しては、媒質中の薬剤の溶解度が、媒質の容積が投与された薬剤の総質量を超える時を計る溶解媒質が選択される、というのが好ましく、即ち媒質は薬剤のためのシンクとして作用すべきである。「シンク」とは、溶解媒質の組成および容積が、剤形中の量と等しい薬剤単独の量が溶解媒質中に溶解するのに十分である、ということを意味する。好ましくは溶解媒質の組成および容積は、剤形中の量の少なくとも約2倍と等しい薬剤の量が溶解媒質中に溶解するのに十分である。ほとんどの場合、CETP阻害剤は、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)またはその他の賦形剤が溶解媒質に付加されて、薬剤の溶解度を増大し、そして溶解媒質が薬剤(単数または複数)のためのシンクとして作用するのを保証し得る水性媒質中に十分に不溶性である。剤形は溶解媒質中に入れられ、そして媒質は、50 rpmの速度で回転するパドルを用いて撹拌される。剤形が錠剤、カプセルまたはその他の固体剤形である場合、剤形はワイヤ支持体中に入れられ、剤形をフラスコの底から離して保持し、したがって、その表面全てが溶解媒質に曝露される。あるいは溶解は、100 rpmまたはそれより速く回転するシンカーを用いて、または用いずに、バスケット中に剤形を入れるUSP装置1で実施される。溶解媒質の試料は、自動受容器溶液交換を装備したVanKel VK8000自動サンプリングdissoetteを用いて、定期的間隔で採取される。次に、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、試料の有V吸光度を薬剤標準の吸光度と比較することにより、溶解媒質中の溶解薬剤の濃度が確定される。次に、媒質中の薬剤の濃度および媒質の容積から溶解媒質中の溶解薬剤の質量が算定され、この値を用いて、剤形中にもともと存在する薬剤の質量を考慮しながら、剤形から放出される薬剤の実際量を算定する。
本発明の剤形は、以下のように実施される「残留試験」を用いても評価され得る。複数の剤形は各々、胃または腸環境を刺激する37℃の緩衝溶液900 mLを含入する別個の撹拌USPタイプ2dissoetteフラスコ中に入れられる。所定の時間間隔後、剤形がフラスコから取り出され、放出物質が剤形の表面から除去され、そして剤形が半分に切断されて、以下のように回収溶液150 mL中に入れられる。最初の2時間の間、剤形は25 mLのアセトンまたは剤形上の任意のコーティングを溶解するのに適したその他の溶媒中で撹拌される。次に125 mLのメタノールを付加し、周囲温度で一晩撹拌を継続して、剤形中に残留する薬剤を溶解する。約2 mLの回収溶液が取り出され、遠心分離され、そして250 μLの上清がHPLCバイアルに付加されて、750 μLメタノールで希釈される。次に残留薬剤がHPLCにより分析される。剤形中に残留する薬剤の量が剤形中に最初に存在する総薬剤から差し引かれて、各時間間隔で放出される量を得る。
あるいはin vivo試験を用いて、剤形が本発明の範囲内の薬剤放出プロフィールを提供するか否かを確定し得る。しかしながらin vivo手法の固有の難しさおよび複雑さのため、最終的使用環境がしばしばヒト消化管である場合でも、剤形を評価するためにin vitro手法が用いられる、というのが好ましい。上記のin vitro試験は、in vivo行動に近似すると予測され、そして本明細書中に記載されたin vitro放出速度を満たす剤形は本発明の範囲内である。剤形は、試験被験者の一群、例えばヒトに投与され、そして薬剤放出および薬剤吸収が、(1)血液を定期的に採取し、そして薬剤の血清または血漿濃度を測定するか、または(2)肛門からそれが出た後に剤形中に残留する薬剤の量を測定し(残留薬剤)、あるいは(3)(1)および(2)の両方によりモニタリングされる。第二の方法では、残留薬剤は、試験対象が肛門から出たときに剤形を回収し、in vitro残留薬剤に関して上記の同一手法を用いて剤形中に残留する薬剤の量を測定することにより測定される。元の剤形中の薬剤の量と残留薬剤の量との間の差は、口から肛門への通過時間中に放出される薬剤の量の測定値である。この試験は、それが単一薬剤放出時点のみを提供するため限定的有用性を有するが、しかしin vitroおよびin vivo放出間の相関を実証するのに有用である。
薬剤の放出および吸収をモニタリングする一in vivo方法では、血清または血漿薬剤濃度は、横座標(x軸)に沿った血中試料時間に対して縦座標(y軸)に沿ってプロットされる。次にデータは、任意の慣用的分析、例えばWagner-NelsonまたはLoo-Riegelman分析を用いて薬剤放出速度を確定するために分析される。Welling, “Pharmacokinetics: Processes and Mathematics”(ACS Monograph 185, Amer. Chem. Soc., Washington, D.C., 1986)も参照されたい。この方法でのデータの処理は、明白なin vivo薬剤放出プロフィールを生じる。
剤形(Dosage Forms)
本発明の剤形は、溶解性改善のCETP阻害剤の制御放出、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、および溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供する。CETP阻害剤の制御放出は、いくつかの理由のために望ましい。等量のCETP阻害剤を含有する即時放出形態と比較して、望ましくない副作用を低減するために、良好な生物学的利用能を依然として提供しながら、血漿中の最大CETP阻害剤濃度(Cmax)を下げる方法を有するのがしばしば望ましい。さらにいくつかの薬剤、例えばCETP阻害剤は食事とともに有益に摂取され、そして薬剤が摂取される1日当たりの回数を最小限にして、食事とともに薬剤が摂取される要件を簡単にするのが好ましい。
本発明の剤形は、溶解性改善のCETP阻害剤の制御放出、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出、および溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供する。CETP阻害剤の制御放出は、いくつかの理由のために望ましい。等量のCETP阻害剤を含有する即時放出形態と比較して、望ましくない副作用を低減するために、良好な生物学的利用能を依然として提供しながら、血漿中の最大CETP阻害剤濃度(Cmax)を下げる方法を有するのがしばしば望ましい。さらにいくつかの薬剤、例えばCETP阻害剤は食事とともに有益に摂取され、そして薬剤が摂取される1日当たりの回数を最小限にして、食事とともに薬剤が摂取される要件を簡単にするのが好ましい。
溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出を提供するための手段は、制御方式での薬剤の送達を可能にする製薬業界で既知の任意のデバイスまたはデバイスの収集物であり得る。制御放出手段は、使用環境に溶解度改善形態のCETP阻害剤を徐々に放出する。溶解度改善形態でのCETP阻害剤は、懸濁液として、即ち複数の小粒子として使用環境に送達され、小粒子は、使用環境中で制御速度で薬剤を溶解させる制御放出手段を含む。例示的制御放出手段としては、マトリックス制御放出デバイス、浸透性制御放出デバイス、および多粒子制御放出デバイスが挙げられる。制御放出デバイスそれ自体は、溶解し得るし、あるいは溶解し得ない。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出も望ましい。多数のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の半減期は、20時間またはそれ以上のオーダーである。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出は、製薬業界で既知の任意の手段により成し遂げられ得る。例示的方法としては、即時放出コーティング、即時放出層、即時放出多粒子または顆粒、ならびに即時放出錠剤、カプセルまたはピルが挙げられる。即時放出組成物は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を、単独で、あるいは賦形剤または剤形の処方において助けとなるその他の物質と混合されるCETP阻害剤の即時放出部分と組合せて含み得る。
本発明は、CETP阻害剤のための制御放出手段を、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤のための即時放出手段およびCETP阻害剤のための即時放出手段と組合せる任意の剤形を包含する。このような手段は、本明細書中に開示された所望の放出プロフィールを達成するために必要とされる場合、組合され得る。本発明の制御放出手段、即時放出手段、および例示的剤形を以下に考察する。
制御放出手段
溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出を提供するための手段は、制御的方法での薬剤の送達を可能にする製薬業界で既知の任意のデバイスまたはデバイスの収集物であり得る。例示的デバイスとしては、浸蝕性および非浸蝕性マトリックス制御放出デバイス、浸透性制御放出デバイスおよび多粒子制御放出デバイスが挙げられる。
溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出を提供するための手段は、制御的方法での薬剤の送達を可能にする製薬業界で既知の任意のデバイスまたはデバイスの収集物であり得る。例示的デバイスとしては、浸蝕性および非浸蝕性マトリックス制御放出デバイス、浸透性制御放出デバイスおよび多粒子制御放出デバイスが挙げられる。
マトリックス制御放出デバイス
一実施形態では、溶解性改善継代のCETP阻害剤は、浸蝕性または非浸蝕性高分子マトリックス制御放出デバイスに組入れられる。浸蝕性マトリックスとは、純水中で浸蝕性または膨潤性または溶解性である、あるいは浸蝕または溶解を引き起こすに十分に高分子マトリックスをイオン化するための酸または塩基の存在を要するという意味で水性浸蝕性または水膨潤性または水性可溶性であることを意味する。使用水性環境と接触される場合、浸蝕性高分子マトリックスは水を吸収し、そして溶解度改善形態のCETP阻害剤を閉じ込める水性膨潤ゲルまたは「マトリックス」を生成する。水性膨潤マトリックスは、使用環境中で漸進的に浸蝕し、膨潤し、崩壊しまたは溶解し、それにより使用環境へのCETP阻害剤の放出を制御する。このようなデバイスの例は、共有譲渡され同時係属中の米国特許出願第09/495,059号(2000年1月31日提出)(特許仮出願60/119,400号(1999年2月10日提出)の優先権の利益を主張)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
一実施形態では、溶解性改善継代のCETP阻害剤は、浸蝕性または非浸蝕性高分子マトリックス制御放出デバイスに組入れられる。浸蝕性マトリックスとは、純水中で浸蝕性または膨潤性または溶解性である、あるいは浸蝕または溶解を引き起こすに十分に高分子マトリックスをイオン化するための酸または塩基の存在を要するという意味で水性浸蝕性または水膨潤性または水性可溶性であることを意味する。使用水性環境と接触される場合、浸蝕性高分子マトリックスは水を吸収し、そして溶解度改善形態のCETP阻害剤を閉じ込める水性膨潤ゲルまたは「マトリックス」を生成する。水性膨潤マトリックスは、使用環境中で漸進的に浸蝕し、膨潤し、崩壊しまたは溶解し、それにより使用環境へのCETP阻害剤の放出を制御する。このようなデバイスの例は、共有譲渡され同時係属中の米国特許出願第09/495,059号(2000年1月31日提出)(特許仮出願60/119,400号(1999年2月10日提出)の優先権の利益を主張)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
溶解度改善形態のCETP阻害剤が組入れられる浸蝕性高分子マトリックスは一般に、使用水性環境と接触された場合、水を吸収し、剤形を閉じ込める水膨潤ゲルまたは「マトリックス」を生成するその処方後に溶解度改善形態と混合される一組の賦形剤として記載され得る。薬剤放出は、種々のメカニズムにより生じ得る:溶解度改善形態の薬剤の粒子または顆粒周囲からマトリックスが崩壊しまたは溶解し得る;あるいは薬剤は、吸収水性溶液中に溶解し、そしてデバイスの錠剤、ビーズまたは顆粒から拡散し得る。この水膨潤マトリックスの重要成分は、膨潤性、浸蝕性または可溶性ポリマーであり、これは一般に、浸透性ポリマー、ヒドロゲルまたは水膨潤性ポリマーとして記載され得る。このようなポリマーは、線状、分枝鎖または架橋性であり得る。それらは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。それらはビニル、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、エステルおよびオキシドモノマー由来の合成ポリマーであり得るが、しかしそれらは最も好ましくは天然ポリマー、例えば多糖またはタンパク質の誘導体である。
このような物質としては、天然多糖、例えばキチン、キトサン、デキストランおよびプルラン;gum agar、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、トラガカントゴム、カラジーナン、ガティゴム、グアーゴム、キサンタンゴムおよびスクレログルカン;デンプン、例えばデキストリンおよびマルトデキストリン;親水性コロイド、例えばペクチン;ホスファチド、例えばレシチン;アルギン酸塩、例えばアルギン酸アンモニウム、ナトリウム、カリウム、またはアルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;ならびにセルロース誘導体が挙げられる。「セルロース誘導体」とは、糖反復単位上のヒドロキシル基の少なくとも一部分と、エステル結合またはエーテル結合置換基を生成するための化合物との反応により修飾されたセルロース系ポリマーを意味する。例えばセルロース系エチルセルロースは、糖反復単位に結合されたエーテル結合エチル置換基を有するが、一方、セルロース系セルロースアセテートはエステル結合アセテート置換基を有する。
浸蝕性マトリックスのための好ましいクラスのセルロース誘導体は、水性可溶性および水性浸蝕性セルロース誘導体、例えばエチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、セルロースアセテート(CA)、セルロースプロピオネート(CP)、セルロースブチレート(CB)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)、およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)を含む。特に好ましいクラスのこのようなセルロース誘導体は、種々の等級の低粘度(MW50,000ダルトンまたはそれ未満)および高粘度(MW50,000ダルトンより大)HPMCを含む。市販の低粘度HPMCポリマーとしては、Dow METHOCELシリーズE5、E15LV、E50LVおよびK100LVが挙げられ、一方、高粘度HPMCポリマーとしては、E4MしR、E10MCR、K4M、K15MおよびK100Mが挙げられる;この群で特に好ましいのはMETHOCEL(商標)Kシリーズである。他の市販のHPMCの種類としては、Shin Etsu METOLOSE90SHシリーズが挙げられる。
浸蝕性マトリックス物質の主な役割は使用環境への溶解度改善形態のCETP阻害剤の放出の速度を制御することであるが、しかしマトリックス物質の選択が、デバイスにより得られる最大薬剤濃度ならびに高薬剤濃度の保持に大きな影響を及ぼし得る、ということを本発明人等は見出した。一実施形態では、マトリックス物質は、本明細書中で以下に明示するような濃度増強ポリマーである。
浸蝕性マトリックス物質として有用なその他の物質としては、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、エタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(ユードラジットEUDRAGIT(登録商標), Rohm America, Inc., Piscataway, New Jersey)、およびその他のアクリル酸誘導体、例えばブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートエチルアクリレート、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレートおよび(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
浸蝕性マトリックスポリマーは、製薬業界で既知の広範な種々の同一種類の添加剤および賦形剤、例えば浸透性ポリマー、オスマゲンosmagen、溶解性増強または減速剤、ならびにデバイスの安定性または加工処理を促進する賦形剤を含有し得る。
あるいは本発明の組成物は、非浸蝕性マトリックスデバイスにより投与され得る、または当該デバイス中に組入れられ得る。このようなデバイス中では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は不活性マトリックス中に分配される。薬剤は、不活性マトリックスを介した拡散により放出される。不活性マトリックスに適した物質の例としては、不溶性プラスチック、例えばメチルアクリレート−メチルメタクリレートコポリマー、ポリ塩化ビニルおよびポリエチレン;親水性ポリマー、例えばエチルセルロース、セルロースアセテートおよび架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドンとしても既知である);ならびに脂肪化合物、例えばカルナウバ蝋、微晶質蝋およびトリグリセリドが挙げられる。このようなデバイスは、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition (2000)においてさらに説明されている。
マトリックス制御放出デバイスは、溶解度改善形態のCETP阻害剤およびその他の賦形剤を一緒に配合し、次に配合物を錠剤、カプレット、ピルおよび圧縮力により生成されるその他のデバイスに生成することにより調製され得る。例としては、単一打抜きプレス、回転錠剤プレスおよび多層回転錠剤プレス(全て当該技術分野で周知である)が挙げられる(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition (2000)参照)。圧縮デバイスは、任意の形状、例えば円形、卵形、長方形、円筒形または三角形を有し得る。圧縮デバイスの上および下面は、扁平、球面、凹面または凸面であり得る。
圧縮により生成される場合、デバイスは好ましくは、少なくとも約5キロポンド(kp)、さらに好ましくは少なくとも約7 kpの「強度」を有する。ここで「強度」とは、当該材料から生成される錠剤を破壊するために必要とされる錠剤「硬度」としても既知の破壊力を、その力と直角を成す錠剤の最大横断面積で割った値である。破壊力は、Schleuniger錠剤硬度テスターモデル6Dを用いて測定され得る。この強度を達成するために必要とされる圧縮力は錠剤のサイズによっているが、しかし一般に約5 kNより大きい。脆砕性は、デバイスに標準化撹拌手法を施した後の重量損失%を測定する表面磨耗に対するデバイスの耐性の周知の測定値である。0.8〜1.0%の脆砕性値は、許容可能性の上限を構成するとみなされる。5 kpより大きい強度を有するデバイスは一般に非常に強固で、0.5%未満の脆砕性を有する。
圧縮により生成される場合、デバイスは好ましくは、少なくとも約5キロポンド(kp)、さらに好ましくは少なくとも約7 kpの「強度」を有する。ここで「強度」とは、当該材料から生成される錠剤を破壊するために必要とされる錠剤「硬度」としても既知の破壊力を、その力と直角を成す錠剤の最大横断面積で割った値である。破壊力は、Schleuniger錠剤硬度テスターモデル6Dを用いて測定され得る。この強度を達成するために必要とされる圧縮力は錠剤のサイズによっているが、しかし一般に約5 kNより大きい。脆砕性は、デバイスに標準化撹拌手法を施した後の重量損失%を測定する表面磨耗に対するデバイスの耐性の周知の測定値である。0.8〜1.0%の脆砕性値は、許容可能性の上限を構成するとみなされる。5 kpより大きい強度を有するデバイスは一般に非常に強固で、0.5%未満の脆砕性を有する。
マトリックス制御放出デバイスを生成するためのその他の方法は、製薬業界で周知である。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2000を参照されたい。
浸透性制御放出デバイス
あるいは溶解度改善形態のCETP阻害剤は、浸透性制御放出デバイス中に組入れられ得る。このようなデバイスは、少なくとも2つの構成成分:(a)浸透剤および溶解度改善形態のCETP阻害剤を含有するコア;ならびに(b)コア周囲の水透過性非溶解性および非浸蝕性コーティングを有し、コーティングは、使用環境へのいくつかのまたは全てのコアの押出しにより薬剤を放出させるよう、使用水性環境からコアへの水の流入を制御する。このデバイスのコア中に含有される浸透剤は水性膨潤性親水性ポリマーであり、あるいはそれはオスマゲントosmagentとしても既知であるオスモゲンosmogenであり得る。コーティングは、好ましくは高分子水性−透過性であり、そして少なくとも1つの送達口を有する。このようなデバイスの例は、共有譲渡され同時係属中の米国特許出願第09/495,061号(2000年1月31日出願)(特許仮出願60/119,400号(1999年2月10日出願)の優先権の利益を主張)および米国特許出願第10/352283号(2003年1月27日出願)(特許仮出願60/353151号(2002年2月1日提出)の優先権の利益を主張)(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
あるいは溶解度改善形態のCETP阻害剤は、浸透性制御放出デバイス中に組入れられ得る。このようなデバイスは、少なくとも2つの構成成分:(a)浸透剤および溶解度改善形態のCETP阻害剤を含有するコア;ならびに(b)コア周囲の水透過性非溶解性および非浸蝕性コーティングを有し、コーティングは、使用環境へのいくつかのまたは全てのコアの押出しにより薬剤を放出させるよう、使用水性環境からコアへの水の流入を制御する。このデバイスのコア中に含有される浸透剤は水性膨潤性親水性ポリマーであり、あるいはそれはオスマゲントosmagentとしても既知であるオスモゲンosmogenであり得る。コーティングは、好ましくは高分子水性−透過性であり、そして少なくとも1つの送達口を有する。このようなデバイスの例は、共有譲渡され同時係属中の米国特許出願第09/495,061号(2000年1月31日出願)(特許仮出願60/119,400号(1999年2月10日出願)の優先権の利益を主張)および米国特許出願第10/352283号(2003年1月27日出願)(特許仮出願60/353151号(2002年2月1日提出)の優先権の利益を主張)(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
溶解度改善形態のCETP阻害剤のほかに、浸透性デバイスのコアは、任意に「浸透剤」を含む。「浸透剤」とは、使用環境からデバイスのコアへの水の輸送のための駆動力を作る任意の作用物質を意味する。例示的浸透剤は、水膨潤性親水性ポリマー、およびオスモゲンosmogen(またはオスマゲントosmagent)である。したがってコアは、しばしば「オスモポリマー」および「ヒドロゲル」と呼ばれるイオン性および非イオン性の両方の水膨潤性親水性ポリマーを含み得る。コア中に存在する水膨潤性親水性ポリマーの量は、約5〜約80重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲であり得る。例示的物質としては、親水性ビニルおよびアクリル系ポリマー、多糖、例えばアルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)および架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマーおよび疎水性モノマー、例えばメチルメタクリレート、ビニルアセテート等とのPVA/PVPコポリマー、大型PEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラジーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンゴムおよびデンプングリコール酸ナトリウムが挙げられる。その他の物質としては、付加により、または縮合重合により生成され得るポリマーの相互侵入網目構造を含むヒドロゲルが挙げられ、その構成成分は、親水性および疎水性モノマー、例えば直ぐ上に記述したものを含み得る。水膨潤性親水性ポリマーとして用いるための好ましいポリマーとしては、PEO、PEG、PVP、クロスカルメロースナトリウム、HPMC、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ならびにその架橋バージョンまたは混合物が挙げられる。
コアは、オスモゲン(またはオスマゲント)も含み得る。コア中に存在するオスモゲンの量は、約2〜約70重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲であり得る。典型的クラスの適切なオスモゲンは、水を吸収し、それにより周囲コーティングのバリヤーを横断する浸透圧勾配をもたらす水溶性有機酸、塩および糖である。典型的有用オスモゲンとしては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、マンニトール、キシリトール、尿素、ソルビトール、イノシトール、ラフィノース、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、クエン酸、コハク酸、酒石酸およびそれらの混合物が挙げられる。特に好ましいオスモゲンは、グルコース、ラクトース、スクロース、マンニトール、キシリトールおよび塩化ナトリウムである。
コアは、剤形の性能を増強する、または安定性、錠剤成形または加工処理を促す広範な種々の添加剤および賦形剤を含み得る。このような添加剤および賦形剤としては、錠剤成形助剤、界面活性剤、水溶性ポリマー、pH調節剤、充填剤、結合剤、色素、崩壊剤、酸化防止剤、滑剤および風味剤が挙げられる。このような構成成分の例は、微晶質セルロース;酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸亜鉛;pH制御剤、例えば緩衝剤、有機酸および有機酸塩ならびに有機および無機塩基;脂肪酸、炭化水素および脂肪アルコール、例えばステアリン酸、パルミチン酸、液体パラフィン、ステアリルアルコールおよびパルミトール;脂肪酸エステル、例えばグリセリル(モノ−およびジ−)ステアレート、トリグリセリド、グリセリル(パルミチン酸ステアリン酸)エステル、ソルビタンエステル、例えばソルビタンモノステアレート、サッカロースモノステアレート、サッカロースモノパルミテートおよびナトリウムステアリルフマレート;ポリオキシエチレンソルビタンエステル;界面活性剤、例えばアルキル硫酸塩、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸マグネシウム;ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンエーテルならびにそれらのコポリマー、そしてポリテトラフルオロエチレン;ならびに無機物質、例えばタルクおよびリン酸二カルシウム;シクロデキストリン;糖、例えばラクトースおよびキシリトール;ならびにデンプングリコール酸ナトリウムである。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム(例えばエクスプロタブExplotabTM)、微晶質セルロース(例えばアビセルAvicelTM)、微晶質ケイ化セルロース(例えばプロソルブProSolvTM)、クロスカルメロースナトリウム(例えばAc−Di−ゾルTM)である。
溶解度改善形態が溶媒法により生成される固体非晶質分散体である場合、このような添加剤は、スラリーとして添加剤が溶液中に溶解または懸濁されるよう、CETP阻害剤/濃度増強ポリマー分散体を生成する場合に、噴霧乾燥溶液に直接付加され得る。あるいはこのような添加剤は、最終制御放出デバイスを生成するのを助けるために、噴霧乾燥工程後に付加され得る。このような溶解性増強およびその他の添加剤は、CETP阻害剤の他の溶解度改善形態とも配合され得る。
浸透性デバイスの一実施形態は、溶解度改善形態のCETP阻害剤を含有する1つまたは複数の薬剤層、例えば固体非晶質薬剤/ポリマー分散体、ならびに薬剤層および膨潤剤層周囲のコーティングを有する水膨潤性ポリマーを含む膨潤剤層からなる。各層は、他の賦形剤、例えば錠剤成形助剤、オスマゲント、界面活性剤、水溶性ポリマーおよび水膨潤性ポリマーを含有し得る。
このような浸透性送達デバイスは、種々の形状、例えば二重層(この場合、コアは、互いに隣接する薬剤層および膨潤剤層を含む);三重層(この場合、コアは、2つの薬剤層に「挟まれた」膨潤剤層を含む);および同心性形状(この場合、コアは、薬剤層により取り囲まれた中心膨潤剤組成物を含む)で二次加工され得る。
このような錠剤のコーティングは、水に透過性であるが、しかしその中に含入される薬剤および賦形剤に不透性である膜を含む。コーティングは、薬剤組成物を送達するために薬剤含有層(単数または複数)と連絡する1つまたは複数の出口通路または出口を含有する。コアの薬剤含有層(単数または複数)は薬剤組成物(例えば任意のオスマゲントおよび親水性水溶性ポリマー)を含有し、一方、膨潤剤層は付加的浸透剤とともにまたは伴わずに、拡張可能ヒドロゲルからなる。
水性媒質中に入れられると、錠剤は膜を通して水を吸収して、組成物に分配可能水性組成物を生成させ、そしてヒドロゲル層を拡張させ、薬剤含有組成物を押させて、出口通路から組成物を押出す。組成物は、膨潤し、通路から薬剤を押出すのを助ける。薬剤は、出口通路から押出される組成物中に溶解されるかまたは分散されるこの型の送達系から送達され得る。
薬剤送達の速度は、コーティングの透過性および厚み、薬剤含有層の浸透圧、ヒドロゲル層の親水性度、ならびにデバイスの表面積といったような因子により制御される。コーティングの厚みの増大は放出速度を低減し、一方、以下の:コーティングの透過性増大;ヒドロゲル層の親水性増大;薬剤含有層の浸透圧増大;またはデバイスの表面積増大のいずれかが放出速度を増大する、と当業者は理解する。
溶解度改善形態のCETP阻害剤それ自体のほかに、薬剤含有組成物を生成するのに有用な例示的物質としては、HPMC、PEOおよびPVPならびにその他の製薬上許容可能な担体が挙げられる。さらにオスマゲント、例えば糖または塩、特にスクロース、ラクトース、キシリトール、マンニトールまたは塩化ナトリウムが付加され得る。ヒドロゲル層を形成するために有用である物質としては、ナトリウムCMC、PEO、ポリ(アクリル酸)、ナトリウム(ポリアクリレート)、ナトリウムクロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、PVP、架橋PVP、およびその他の高分子量親水性物質が挙げられる。特に有用であるのは、約5,000,000〜約7,500,000ダルトンの平均分子量を有するPEOポリマーである。
二重層形状の場合、薬剤層および膨潤剤層の両方をデバイスの外側と連結するために、送達口(単数または複数)または出口通路(単数または複数)は、薬剤組成物を含有する錠剤の側面に配置され、あるいは錠剤の両側面に、または錠剤の縁にさえ存在し得る。出口通路(単数または複数)は、機械的手段により、またはレーザー穿孔により、または錠剤圧縮中に特定の型押しを用いて錠剤上に被覆困難な領域を作ることにより、あるいはその他の手段により、作られ得る。
浸透性デバイスはまた、米国特許第3,845,770号におけると同様に、半透性膜コーティングにより取り囲まれた均質コアで作製され得る。溶解度改善形態のCETP阻害剤は錠剤コア中に組入れられ、そして半透性膜コーティングが、慣用的錠剤被覆技法により、例えばパン・コーターを用いて適用され得る。次に、レーザーまたは機械的手段の使用によりコーティングに穴を開けることにより、薬剤送達通路がこのコーティング中に形成され得る。あるいは通路は、コーティングの一部分を裂開することにより、または上記のように被覆するのが難しい錠剤上の領域を作ることにより、形成され得る。
浸透性デバイスの特に有用な実施形態は、以下の:(a)単一層圧縮コア((i)溶解度改善形態のCETP阻害剤、(ii)ヒドロキシエチルセルロース、および(iii)オスマゲントを含む)(ここで、ヒドロキシエチルセルロースは約2.0重量%〜約35重量%でコア中に存在し、そしてオスマゲントは約15重量%〜70重量%存在する);(b)コアを取り囲む水透過性層;ならびに(c)錠剤を取り囲む流体環境に薬剤を送達するための層(b)内の少なくとも1つの通路を含む。好ましい実施形態では、デバイスは、(水膨潤性錠剤の)表面積対容積比が0.6 mm-1より大きい、さらに好ましくは1.0 mm-1より大きいように造形される。コアを流体環境と連結する通路が錠剤帯域に沿って置かれる、というのが好ましい。特に好ましい形状は、錠剤型押し軸、即ち錠剤の形状を限定する主軸および副軸の比が1.3〜3、さらに好ましくは1.5〜2.5である細長い形状である。一実施形態では、溶解度改善形態の薬剤およびオスマゲントの組合せは、約100〜約200 Mpaの平均延性、約0.8〜約2.0 Mpaの平均引張強さ、約0.2未満の平均脆性破壊を有する。単一層コアは任意に、崩壊剤、生物学的利用能増強添加剤および/または製薬上許容可能な賦形剤、担体または希釈剤を含み得る。このようなデバイスは、共有譲渡され同時係属中の米国特許仮出願第60/353,151号(表題「Osmotic Delivery System」)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
このような浸透性デバイスの操作中の押出し流体中の溶解度改善形態のCETP阻害剤の粒子の同調化は、非常に望ましい。粒子が十分に同調されるためには、剤形は好ましくは、粒子が錠剤コア中に沈殿する機会を有する前に、流体中に十分に分散される。これを成し遂げる一手段は、圧縮コアをその粒子状構成成分に分断するのに役立つ崩壊剤を付加することによる。標準崩壊剤の例としては、デンプングリコール酸ナトリウム(例えばエクスプロタブExplotabTM)、微晶質セルロース(例えばアビセルAvicelTM)、微晶質ケイ化セルロース(例えばプロソルブProSolvTM)、クロスカルメロースナトリウム(例えばAc−Di−ゾルTM)および当業者に既知のその他の崩壊剤が挙げられる。特定の処方物によって、他の崩壊剤より良好に働く崩壊剤もある。いくつかの崩壊剤は、それらが水で膨潤するとゲルを形成し、したがってデバイスからの薬剤送達を妨害する。非ゲル化、非膨潤化崩壊剤は、水がコアに浸入すると、薬剤粒子のより迅速な分散を提供する。好ましい非ゲル化、非膨潤化崩壊剤は、樹脂、好ましくはイオン交換樹脂である。好ましい樹脂は、アンバーライトTMIRP88(Rohm and Haas, Philadelphia, PAから入手可能)である。用いられる場合、崩壊剤は、コア組成物の約1〜25%の範囲の量で存在する。
水溶性ポリマーは、通路(単数または複数)(例えば開口部)を通して送達され得る前に、デバイスの内側に懸濁された溶解性改善剤形の粒子を保持するために付加される。高粘度ポリマーは、沈殿を防止するのに有用である。しかしながら薬剤と組合せたポリマーは、相対的に低い圧力下で通路(単数または複数)を通して押し出される。所定の押出し圧で、押出し速度は典型的には、粘度増大に伴って遅くなる。水を伴う溶解性改善剤形高粘度溶液の粒子と組合せたある種のポリマーは、しかし依然として相対的に低い力を用いて錠剤から押出され得る。これに対比して、低重量分子量(<約300,000)を有するポリマーは、粒子沈殿のため、完全送達を可能にするのに十分に粘性の溶液を錠剤コアの内側に生成しない。粒子の沈殿は、このようなデバイスが付加されるポリマーを用いずに調製される場合に問題であり、これは、錠剤が絶えず撹拌されて、コアの内側に粒子が沈殿しないようにされない限り、不十分な薬剤送達をもたらす。沈殿は、粒子が大きいかおよび/または高密度で、したがって沈殿速度が増大する場合も、問題である。
このような浸透性デバイスのための好ましい水溶性ポリマーは、薬剤と相互作用しない。非イオン性ポリマーが好ましい。低圧で依然として押出し可能である高粘度を有する非イオン性ポリマー生成溶液の一例は、ナトロゾルNatrosolTM250H(高分子量ヒドロキシエチルセルロース、Hercules Incorporated, Aqualon Division, Wilmington, DEから入手可能;MW約100万ダルトン、重合度約3,700)である。ナトロゾルNatrosolTM250Hは、オスマゲントと組合された場合、コアの約3重量%という低い濃度で有効薬剤送達を提供する。ナトロゾルNatrosolTM250H NFは、熱または冷水中で可溶性である高粘度等級非イオン性セルロースエーテルである。25℃でBrookfieldLVT(30 rpm)を用いたナトロゾルNatrosolTM250Hの1%溶液の粘度は、約1,500〜約2,500 cpsである。
これらの単一層浸透性錠剤中に用いるための好ましいヒドロキシエチルセルロースポリマーは、約300,000〜約1500万の重量平均分子量を有する。ヒドロキシエチルセルロースポリマーは典型的には、約2.0重量%〜約35重量%の量でコア中に存在する。
浸透性デバイスの別の例は、浸透性カプセルである。カプセル殻またはカプセル殻の一部分は、半透性であり得る。カプセルは、溶解度改善形態のCETP阻害剤、水を吸収して浸透可能性および/または水膨潤性ポリマー、あるいは任意に可溶性賦形剤を提供する賦形剤からなる粉末または液体を充填され得る。カプセルコアは、それが上記の二重層、三重層または同心円形状と類似の二重層または多重層組成を有するようにも作製され得る。
本発明に有用な別のクラスの浸透性デバイスは、EP 378 404(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に記載されたような被覆膨潤性錠剤を含む。被覆膨潤性錠剤は、水性使用環境中で、親水性ポリマーが押し出て、薬剤組成物を完成し得る穴または孔を含有する膜で被覆された、溶解度改善形態の薬剤および膨潤物質、好ましくは親水性ポリマーを含む錠剤コアからなる。あるいは膜は、高分子または低分子量水溶性「ポロシゲンporosigen」を含有し得る。ポロシゲンは、水性使用環境中に溶解して、親水性ポリマーおよび薬剤が押し出る孔を提供する。ポロシゲンの例は、水溶性ポリマー、例えばHPMC、PEGおよび低分子量化合物、例えばグリセロール、スクロース、グルコースおよび塩化ナトリウムである。さらに孔は、レーザーまたはその他の機械的手段を用いてコーティングに孔を開けることにより、コーティング中に形成され得る。このクラスの浸透性デバイスでは、膜物質は、任意の皮膜形成ポリマー、例えば水透過性または不透性であるポリマーを含み得るが、但し、錠剤コア上に沈着される膜は多孔性であるか、あるいは水溶性ポロシゲンを含有し、または水進入および薬剤放出のための肉眼的穴を保有する。このクラスの持放性デバイスの実施形態はまた、EP 378 404 A2に記載されているように、多重層化され得る。
溶解度改善形態のCETP阻害剤が液体または油、例えば本明細書中に記載された脂質ビヒクル処方物である場合、浸透性制御放出デバイスは、複合壁を用いて形成され、そして液体処方物を含む軟質ゲルまたはゼラチンカプセルを含み得るが、この場合、壁はカプセルの外表面上に形成されるバリヤー層、バリヤー層上に形成される拡大可能層および拡大可能層上に形成される半透性層を含む。送達口は、液体処方物を水性使用環境と連結する。このようなデバイスは、米国特許第6,419,952号、第6,342,249号、第5,324,280号、第4,672,580号、第4,627,850号、第4,203,440号および第3,995,631号(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に記載されている。
本発明の浸透性制御放出デバイスは、コーティングも含む。浸透性デバイスのためのコーティングに関する不可欠な制約は、それが水透過性であり、薬剤の送達のための少なくとも1つの開口を有し、そして薬剤が、主としてコーティング物質それ自体を通しての透過による送達とは対照的に、送達口(単数または複数)または孔を通して実質的に全部送達されるよう、薬剤処方物の放出中に非溶解性および非浸蝕性である、ということである。「送達口」とは、コーティング工程中、または使用中にin situで、または使用中の裂開により、機械的に作られたか、レーザー穿孔によるか、孔形成によるかにかかわらず、任意の通路、開口部または孔を意味する。コーティングは、コア重量に対して約5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲の量で存在すべきである。
好ましい形態のコーティングは、使用前または使用中にそこに形成される開口(単数または複数)を有する半透性高分子膜である。このような高分子膜の厚みは、約20〜800 μmの間で変わり、好ましくは100〜500 μmの範囲である。送達口(単数または複数)は一般に、直径0.1〜3000 μmまたはそれ以上、好ましくは50〜3000 μmのオーダーのサイズの範囲であるべきである。このような開口(単数または複数)は、機械的またはレーザー穿孔によりコーティング後に形成され得るし、あるいはコーティングの裂開によりin situで形成され得る;このような裂開は、相対的に小さい弱部分をコーティング中に意図的に組入れることにより制御され得る。送達口は、水溶性物質の栓の浸蝕により、またはコア中の切れ込み上のコーティングのより薄い部分の裂開によっても、in situで生成され得る。さらに送達口は、米国特許第5,612,059号および第5,698,220号(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示された種類の非対称膜コーティングの場合と同様に、コーティング中に形成され得る。
送達口がコーティングの裂開によりin situで形成される場合、特に好ましい実施形態は、可変性組成物を有するかまたはそれと本質的に同一であり得る。薬剤は主に、コーティングの裂開後にこのようなビーズから放出され、そして裂開後、このような放出は漸進的であるかまたは相対的に突然であり得る。ビーズの収集物が可変性組成物を有する場合、組成物は、投与後種々の時間でビーズが裂開して、所望の継続時間の間持続されている薬剤の全体的放出を生じるよう、選択され得る。
コーティングは、高密度、微小孔性または「非対称性」で、例えば米国特許第5,612,059号および第5,698,220号に開示されているような厚い多孔性領域により支持される高密度領域を有する。コーティングが高密度である場合、コーティングは水透過性物質からなる。コーティングが多孔性である場合、それは水透過性または水不透性物質からなり得る。コーティングが多孔性水不透性物質からなる場合、水は、液体または上記としてコーティングの孔を通って透過する。
高密度コーティングを利用する浸透性デバイスの例としては、米国特許第3,995,631号および第3,845,770号が挙げられる(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)。このような高密度コーティングは、外部流体、例えば水に透過性であり、そしてこれらの特許に記述された物質のいずれか、ならびに当該技術分野で既知のその他の水透過性ポリマーからなり得る。
膜は、米国特許第5,654,005号および第5,458,887号に開示されているように多孔性でもあり得るし、あるいは耐水性ポリマーから形成されることさえあり得る。米国特許第5,120,548号は、水不溶性ポリマーおよび浸出性水溶性添加剤の混合物からコーティングを形成するための別の適切な方法を記載する(その関連開示内容は、参照により本明細書中で援用される)。多孔性膜は、米国特許第4,612,008号(その関連開示内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されているような孔形成剤の付加によっても生成され得る。
さらに蒸気透過性コーティングは、高密度である場合、このようなコーティングが多孔性である限り、本質的に水不透性である極疎水性物質、例えばポリエチレンまたはポリビニリデン二フッ化物からでさえ生成され得る。
コーティングを生成するのに有用な物質としては、生理学的関連pHで水透過性または水不溶性であるか、あるいは化学的変化により、例えば架橋により水不溶性にされやすい種々の等級のアクリル系誘導体、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステルおよびセルロース誘導体が挙げられる。
コーティングを生成するのに有用な適切なポリマー(または架橋バージョン)の特定の例としては、可塑化、非可塑化および補強セルロースアセテート(CA)、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、CAプロピオネート、セルロースニトレート、セルロースアセテートブチレート(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカルボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CAp−トルエンスルホネート、寒天アセテート、アミローストリアセテート、βグルカンアセテート、βグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、イナゴマメゴムのトリアセテート、ヒドロキシル化エチレンビニルアセテート、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸およびエステル、ならびにポリ−(メタクリル)酸およびエステルならびにそのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハリド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然蝋および合成蝋が挙げられる。
好ましいコーティング組成物は、セルロース系ポリマー、特にセルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロースエステル−エーテル、即ちエステルおよびエーテル置換基の混合物を有するセルロース誘導体を含む。
別の好ましいクラスのコーティング物質は、ポリ(アクリル)酸およびエステル、ポリ(メタクリル)酸およびエステル、ならびにそれらのコポリマーである。
さらに好ましいコーティング組成物は、セルロースアセテートを含む。さらに好ましいコーティングは、セルロース系ポリマーおよびPEGを含む。最も好ましいコーティングは、セルロースアセテートおよびPEGを含む。
コーティングは、慣用的方式で、典型的には溶媒中にコーティング物質を溶解するかまたは懸濁し、次に浸漬、噴霧コーティング、流動床コーティングにより、好ましくはパン−コーティングによりコーティングすることにより実行される。好ましいコーティング溶液は、5〜15重量%のポリマーを含有する。上記のセルロース系ポリマーに関して有用な典型的溶媒としては、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチル、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグリム、水およびそれらの混合物が挙げられる。孔形成剤および非溶媒(例えば水、グリセロールおよびエタノール)または可塑剤(例えばジエチルフタレート)も、ポリマーが噴霧温度で依然として可溶性である限り、任意の量で付加され得る。孔形成剤およびコーティングの二次加工におけるそれらの使用は、米国特許第5,612,059号(この関連開示内容は、参照により本明細書中で援用される)に記載されている。
コーティングは疎水性微小孔性層でもあり、この場合、孔は実質的には気体により充填され、そして水性媒質により湿潤されないが、しかし水蒸気に透過性である(米国特許第5,798,119号に開示(この関連開示内容は、参照により本明細書中で援用される))。このような疎水性であるがしかし水蒸気透過性のコーティングは典型的には、疎水性ポリマー、例えばポリアルケン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハリド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然蝋および合成蝋からなる。特に好ましい疎水性微小孔性コーティング物質としては、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデンおよびポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。このような疎水性コーティングは、蒸気クエンチ、液体クエンチ、熱処理、コーティングからの可溶性物質の浸出のいずれかを用いた既知の相反転法により、あるいはコーティング粒子を焼結することにより製造され得る。熱処理では、潜在性溶媒中のポリマーの溶液は、冷却過程における液体−液体相分離を引き起こされる。溶媒の蒸発が防止されない場合、その結果生じる膜は、典型的には多孔性である。このようなコーティング法は、米国特許第4,247,498号;第4,490,431号および第4,744,906号に開示された方法により実行され得る(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)。
浸透性制御放出デバイスは、製薬業界で既知の手法を用いて調製され得る(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (2000)参)。
多粒子制御放出デバイス
本発明の剤形は、多粒子制御放出デバイスの使用による溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出も提供する。多粒子は一般に、直径約約10 μm〜約2 mm、さらに典型的には約100 μm〜1 mmのサイズの範囲であり得る多数の粒子または顆粒を含むデバイスを指す。このような多粒子は、例えばゼラチンカプセル、あるいは水性可溶性ポリマー、例えばHPMCA、HPMCまたはデンプンから生成されるカプセルのようなカプセル中に包装され;懸濁液または液体中のスラリーとして投与され得るし;あるいはそれらは、圧縮または当該技術分野で既知のその他の製法により錠剤、カプレットまたはピルに成形され得る。
本発明の剤形は、多粒子制御放出デバイスの使用による溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出も提供する。多粒子は一般に、直径約約10 μm〜約2 mm、さらに典型的には約100 μm〜1 mmのサイズの範囲であり得る多数の粒子または顆粒を含むデバイスを指す。このような多粒子は、例えばゼラチンカプセル、あるいは水性可溶性ポリマー、例えばHPMCA、HPMCまたはデンプンから生成されるカプセルのようなカプセル中に包装され;懸濁液または液体中のスラリーとして投与され得るし;あるいはそれらは、圧縮または当該技術分野で既知のその他の製法により錠剤、カプレットまたはピルに成形され得る。
このような多粒子は、任意の既知の製法により、例えば湿式および乾式造粒法、押出し/球状化、ローラー圧縮、溶融−凝固により、またはシードコアの噴霧コーティングにより製造され得る。例えば湿式および乾式造粒製法では、溶解度改善形態のCETP阻害剤および任意の賦形剤を含む組成物が造粒されて、所望サイズの多粒子を形成し得る。その他の賦形剤、例えば結合剤(例えば微晶質セルロース)は、多粒子を囲う処理し、形成するのを助けるために組成物と配合され得る。湿式造粒の場合、結合剤、例えばHPCまたはPVPは、適切な多粒子を形成するのを助けるために造粒流体中に含まれ得る(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (2000)参)。
任意の場合、結果的に生じる粒子は、それ自体、多粒子を構成し得るし、あるいはそれらは種々の皮膜形成物質、例えば腸溶性ポリマーあるいは水膨潤性または水溶性ポリマーにより被覆され得るし、あるいはそれらは患者に投与するのを助けるためにその他の賦形剤またはビヒクルと組合され得る。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出
本発明の剤形は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出も提供する。これは、使用環境への導入後1時間またはそれ未満以内に剤形中に最初に存在するHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の少なくとも約70重量%を剤形が放出する、ということを意味する。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で、少なくとも約80重量%、最も好ましくは少なくとも約90重量%を放出する。
本発明の剤形は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出も提供する。これは、使用環境への導入後1時間またはそれ未満以内に剤形中に最初に存在するHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の少なくとも約70重量%を剤形が放出する、ということを意味する。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で、少なくとも約80重量%、最も好ましくは少なくとも約90重量%を放出する。
製薬業界で既知のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出を提供するための事実上あらゆる手段が、本発明の剤形とともに用いられ得る。一実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、溶解度改善形態のCETP阻害剤を含有する組成物を取り囲む即時放出コーティングの形態である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、水溶性または水分散性ポリマー、例えばHPC、HPMC、HEC等と組合され得る。コーティングは、溶媒ベースのコーティング製法、粉末コーティング製法および熱溶融コーティング製法(全て当該技術分野で周知)を用いて形成され得る。溶媒ベースの製法では、コーティングは、先ず溶媒、HMG CoAレダクターゼ阻害薬、コーティングポリマーおよび任意のコーティング添加剤を含む溶液または懸濁液を生成することにより作られる。好ましくはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、コーティング溶媒中に懸濁される。コーティング物質はコーティング溶媒中に完全に溶解され得るし、あるいは乳濁液または懸濁液として溶媒中にまたは中間のどこかに分散されるだけである。ラテックス分散液、例えば水性ラテックス分散液は、コーティング溶液として有用であり得る乳濁液または懸濁液の特定例である。溶液のために用いられる溶媒は、それがHMG−CoAレダクターゼ阻害剤と反応しないかまたはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を分解する、という意味で不活性であり、そして製薬上許容可能であるべきである。一態様では、溶媒は室温で液体である。好ましくは溶媒は、揮発性溶媒である。「揮発性溶媒」とは、当該物質が周囲圧で約150℃未満の沸点を有する、ということを意味するが、しかしより高い沸点を有する少量の溶媒が用いられ得るし、許容可能な結果も得られる。
CETP阻害剤含有コアにコーティングを適用する場合に用いるのに適した溶媒の例としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールの異性体、ブタノールの異性体;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン;炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタンおよび鉱油;エーテル、例えばメチルtert−ブチルエーテル、エチルエーテルおよびエチレングリコールモノエチルエーテル;クロロカーボン、例えばクロロホルム、二塩化メチレンおよび二塩化エチレン;テトラヒドロフラン;ジメチルスルホキシド;N−メチルピロリジノン;アセトニトリル;水;およびそれらの混合物が挙げられる。
コーティング処方物は、所望の即時放出特性を促すために、あるいは適用を容易にするか、またはコーティングの耐久性または安定性を改良するために、添加剤も含む。添加剤の種類としては、可塑剤、孔形成剤および流動促進剤が挙げられる。本発明の組成物中に用いるのに適したコーティング添加剤の例としては、可塑剤、例えば鉱油、ペトロラタム、ラノリンアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、クエン酸トリエチル、ソルビトール、トリエタノールアミン、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ヒマシ油、トリアセチンおよび当該技術分野で既知の他のもの;乳化剤、例えばポリソルベート−80;孔形成剤、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース;ならびに流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルクおよびコーンスターチが挙げられる。一実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、市販のコーティング処方物、例えばオパドライ(登録商標)クリアOpadry(R)clear(Colorcon, Inc., WestPoint, PAから入手可能)中に懸濁される。コーティングは、慣用的方式で、典型的には浸漬、流動床コーティング、噴霧コーティングまたはパン・コーティングにより実行される。
即時放出コーティングは、当該技術分野で周知の粉末コーティング技法を用いても適用され得る。これらの技法では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は任意のコーティング賦形剤および添加剤と配合されて、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物を生成する。この組成物は次に、圧縮力を用いて、例えば錠剤成形プレスで適用され得る。
コーティングは、熱溶融コーティング技法を用いても適用され得る。この方法では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤ならびに任意のコーティング賦形剤および添加剤を含む溶融混合物が生成され、次に溶解度改善形態のCETP阻害剤を含有する組成物上に噴霧される。典型的には、熱溶融コーティングは、上部噴霧装置を装備した流動床で適用される。
別の実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は先ず、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および任意の賦形剤を含むHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物に生成される。この組成物は次に、制御放出CETP阻害剤デバイスと組合される即時放出層、多粒子、粉末または顆粒に生成されて、本発明の剤形を生成する。一態様では、即時放出HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は、本質的にHMG−CoAレダクターゼ阻害剤単独、例えば結晶薬剤からなる。別の態様では、即時放出HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は、任意の賦形剤、例えば安定剤、希釈剤、崩壊剤および界面活性剤を含む。基本的賦形剤である炭酸カルシウム、例えばアトルバスタチンカルシウムおよびその製薬上許容可能な誘導体は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を化学的に安定化することが見出されている。微晶質セルロースおよび水和ラクトースは、適切な希釈剤として適用される。クロスカルメロースナトリウムは、崩壊剤として存在する。非イオン性洗剤Tween 80は、界面活性剤として用いられる。組成物は、いくつかの適用可能な物質、例えば即ちポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースの中から選択される結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースも含有し得る。酸化防止剤として、ブチル化ヒドロキシアニソール、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸等のような試薬が任意に組成物中に組入れられ得る。ステアリン酸マグネシウムは、ステアリン酸、パルミチン酸、タルクまたは類似の滑沢化合物のようなその他の物質を含む群から選択され得る。
このような即時放出HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および賦形剤を組合せるための任意の慣用的方法により生成され得る。例示的方法としては、湿式および乾式造粒が挙げられる。湿式造粒が用いられる場合、安定剤、例えば炭酸カルシウムが好ましくは含まれて、許容可能レベルでのHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の化学的分解を保持する。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物を生成するための一例示的方法は、(a)薬剤を微粉砕し、(b)水性界面活性剤溶液中に少なくとも1つの結合剤添加物を溶解し;(c)小間切り装置を備えた回転混合容器中で、微粉砕薬剤を少なくとも1つの薬剤安定化添加剤と、そして少なくとも1つの希釈剤添加物を薬剤安定化添加物および半分の崩壊剤添加物と配合し;(d)小間切り械装備混合容器中で段階的に増量しながら、過程(c)の配合薬剤成分混合物を過程(b)の界面活性剤/結合剤溶液を用いて造粒し;(e)造粒薬剤混合物を約50℃で一晩乾燥し;(f)乾燥造粒薬剤混合物を篩に掛けて;(g)篩分け薬剤混合物を残りの量の崩壊剤添加物とタンブルブレンドして;(h)過程(g)の薬剤混合物のアリコートを別々にステアリン酸マグネシウムと混合し、それを篩に掛けて、それを過程(g)の薬剤混合物に戻し、そして全薬剤混合物をタンブルブレンドすることを包含する。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤のほかに、即時放出層は、錠剤、カプセル、懸濁液、懸濁液用粉末等に組成物を処方するのを助けるために他の賦形剤を含み得る(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed. 2000)参照)。その他の賦形剤の例としては、上記のような崩壊剤、ポロシゲン、マトリックス物質、充填剤、希釈剤、滑剤、流動促進剤等が挙げられる。
一実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は、塩基も含む。塩基の含入は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の化学的安定性を改善し得る。「塩基」という用語は、広範に用いられて、強塩基、例えば水酸化ナトリウムだけでなく、化学的安定性の所望の増大を達成し得る弱塩基および緩衝剤も含む。塩基の例としては、水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウムおよび水酸化コリン;重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび重炭酸アンモニウム;炭酸塩、例えば炭酸アンモニウム、炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウム;アミン、例えばトリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルグルカミン、グルコサミン、エチレンジアミン、N,N‘−ジベンジルエチレンジアミン、N−ベンジル−2−フェネチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ドデシルアミンおよびトリエチルアミン;タンパク質、例えばゼラチン;アミノ酸、例えばリシン、アルギニン、グアニン、グリシンおよびアデニン;高分子アミン、例えばポリアミノメタクリレート、例えばオイドラジットE;種々の酸の共役塩基、例えば酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素カルシウム、フェノール酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウムおよび硫酸アンモニウム;EDTAの塩、例えばEDTA四ナトリウム;ならびに種々の酸性ポリマーの塩、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
CETP阻害剤の即時放出部分
本発明の剤形は、即時放出形態である溶解度改善形態のCETP阻害剤の一部分も提供する。一実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分は、本発明の剤形を生成するためにCETP阻害剤デバイスの制御放出部分と組合せられる即時放出コーティング、層、顆粒、多粒子等の中に上記のようにHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物とともに含まれ得る。別の実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物と分離される。即時放出とは、剤形の即時放出CETP阻害剤部分が、使用環境への導入後1時間またはそれ未満以内に剤形に最初に存在するCETP阻害剤の即時放出部分の少なくとも約70重量%を放出する、ということを意味する。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で、少なくとも約80重量%、最も好ましくは少なくとも約90重量%を放出する。
本発明の剤形は、即時放出形態である溶解度改善形態のCETP阻害剤の一部分も提供する。一実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分は、本発明の剤形を生成するためにCETP阻害剤デバイスの制御放出部分と組合せられる即時放出コーティング、層、顆粒、多粒子等の中に上記のようにHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物とともに含まれ得る。別の実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物と分離される。即時放出とは、剤形の即時放出CETP阻害剤部分が、使用環境への導入後1時間またはそれ未満以内に剤形に最初に存在するCETP阻害剤の即時放出部分の少なくとも約70重量%を放出する、ということを意味する。好ましくは剤形は、使用環境への剤形の投与後1時間で、少なくとも約80重量%、最も好ましくは少なくとも約90重量%を放出する。
製薬業界で既知の溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供するための事実上あらゆる手段が、本発明の剤形とともに用いられ得る。一実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、溶解度改善形態のCETP阻害剤のCR部分を含有する組成物を取り囲む即時放出コーティングの形態である。CETP阻害剤は、水溶性または水分散性ポリマー、例えばHPC、HPMC、HEC等と組合され得る。コーティングは、溶媒ベースのコーティング製法、粉末コーティング製法および熱溶融コーティング製法(全て当該技術分野で周知)を用いて形成され得る。溶媒ベースの製法では、コーティングは、先ず、溶媒、CETP阻害剤、コーティングポリマーおよび任意のコーティング添加剤を含む溶液または懸濁液を生成することにより作られる。好ましくは溶解度改善形態のCETP阻害剤は、コーティング溶媒中に懸濁される。コーティング物質はコーティング溶媒中に完全に溶解され得るし、あるいは乳濁液または懸濁液として溶媒中にまたは中間のどこかに分散されるだけである。ラテックス分散液、例えば水性ラテックス分散液は、コーティング溶液として有用であり得る乳濁液または懸濁液の特定例である。溶液のために用いられる溶媒は、それが溶解度改善形態のCETP阻害剤と反応しないかまたは溶解度改善形態のCETP阻害剤を分解する、という意味で不活性であり、そして製薬上許容可能であるべきである。好ましくは溶媒は、溶解性増強形態の溶解性増強特徴に負の影響を及ぼさない。一態様では、溶媒は室温で液体である。好ましくは溶媒は、揮発性溶媒である。「揮発性溶媒」とは、当該物質が周囲圧で約150℃未満の沸点を有する、ということを意味するが、しかしより高い沸点を有する少量の溶媒が用いられ得るし、許容可能な結果も得られる。
CR CETP阻害剤含有コアに即時放出コーティングを適用する場合に用いるのに適した溶媒の例としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノールの異性体、およびブタノールの異性体;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン;炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタンおよび鉱油;エーテル、例えばメチルtert−ブチルエーテル、エチルエーテルおよびエチレングリコールモノエチルエーテル;クロロカーボン、例えばクロロホルム、二塩化メチレンおよび二塩化エチレン;テトラヒドロフラン;ジメチルスルホキシド;N−メチルピロリジノン;アセトニトリル;水;およびそれらの混合物が挙げられる。
コーティング処方物は、所望の即時放出特性を促すために、あるいは適用を容易にするか、またはコーティングの耐久性または安定性を改良するために、添加剤も含み得る。添加剤の種類としては、可塑剤、孔形成剤および流動促進剤が挙げられる。本発明の組成物中に用いるのに適したコーティング添加剤の例としては、可塑剤、例えば鉱油、ペトロラタム、ラノリンアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、クエン酸トリエチル、ソルビトール、トリエタノールアミン、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ヒマシ油、トリアセチンおよび当該技術分野で既知の他のもの;乳化剤、例えばポリソルベート−80;孔形成剤、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース;ならびに流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、タルクおよびコーンスターチが挙げられる。一実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、市販のコーティング処方物、例えばオパドライ(登録商標)クリアOpadry(R)clear(Colorcon, Inc., WestPoint, PAから入手可能)中に懸濁される。コーティングは、慣用的方式で、典型的には浸漬、流動床コーティング、噴霧コーティングまたはパン・コーティングにより実行される。
即時放出コーティングは、当該技術分野で周知の粉末コーティング技法を用いても適用され得る。これらの技法では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は任意のコーティング賦形剤および添加剤と配合されて、CETP阻害剤組成物を生成する。この組成物は次に、圧縮力を用いて、例えば錠剤成形プレスで適用され得る。
コーティングは、熱溶融コーティング技法を用いても適用され得る。この方法では、溶解度改善形態のCETP阻害剤ならびに任意のコーティング賦形剤および添加剤を含む溶融混合物が生成され、次に溶解度改善形態のCETP阻害剤を含有する組成物上に噴霧される。典型的には、熱溶融コーティングは、上部噴霧装置を装備した流動床で適用される。
別の実施形態では、CETP阻害剤は先ず、溶解度改善形態のCETP阻害剤および任意の賦形剤を含むCETP阻害剤組成物に生成される。この組成物は次に、制御放出CETP阻害剤デバイスと組合される即時放出層、多粒子、粉末または顆粒に生成されて、本発明の剤形を生成する。一態様では、即時放出CETP阻害剤組成物は、本質的に溶解度改善形態のCETP阻害剤単独からなる。別の態様では、即時放出CETP阻害剤組成物は、任意の賦形剤、例えば安定剤、希釈剤、崩壊剤および界面活性剤を含む。微晶質セルロースおよび水和ラクトースは、適切な希釈剤として適用される。クロスカルメロースナトリウムは、崩壊剤として存在する。非イオン性洗剤Tween 80は、界面活性剤として用いられる。組成物は、いくつかの適用可能な物質、例えば即ちポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースの中から選択される結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースも含有し得る。酸化防止剤として、ブチル化ヒドロキシアニソール、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸等のような試薬が任意に組成物中に組入れられ得る。ステアリン酸マグネシウムは、ステアリン酸、パルミチン酸、タルクまたは類似の滑沢化合物のようなその他の物質を含む群から選択され得る。
このような即時放出CETP阻害剤組成物は、溶解度改善形態のCETP阻害剤および賦形剤を組合せるための任意の慣用的方法により生成され得る。例示的方法としては、湿式および乾式造粒が挙げられる。
CETP阻害剤組成物を生成するための一例示的方法は、(a)溶解度改善形態のCETP阻害剤を微粉砕し、(b)水性界面活性剤溶液中に少なくとも1つの結合剤添加物を溶解し;(c)小間切り装置を備えた回転混合容器中で、微粉砕薬剤を少なくとも1つの希釈剤添加剤および半分の崩壊剤添加物と配合し;(d)小間切り械装備混合容器中で段階的に増量しながら、過程(c)の配合薬剤成分混合物を過程(b)の界面活性剤/結合剤溶液を用いて造粒し;(e)造粒薬剤混合物を約50℃で一晩乾燥し;(f)乾燥造粒薬剤混合物を篩に掛けて;(g)篩分け薬剤混合物を残りの量の崩壊剤添加物とタンブルブレンドして;(h)過程(g)の薬剤混合物のアリコートを別々にステアリン酸マグネシウムと混合し、それを篩に掛けて、それを過程(g)の薬剤混合物に戻し、そして全薬剤混合物をタンブルブレンドすることを包含する。
溶解度改善形態のCETP阻害剤のほかに、即時放出層は、錠剤、カプセル、懸濁液、懸濁液用粉末等に組成物を処方するのを助けるために他の賦形剤を含み得る(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed. 2000)参照)。その他の賦形剤の例としては、上記のような崩壊剤、ポロシゲン、マトリックス物質、充填剤、希釈剤、滑剤、流動促進剤等が挙げられる。
例示的実施形態
本発明の剤形は、溶解度改善形態のCETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む。剤形中に存在するCETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の量は、各化合物に関する所望の用量によって変わり、これは次いで、化合物の効力および治療されている症状によっている。例えば[2R,4S]−4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルとしても既知であるCETP阻害剤トルセトラピブに関する所望の用量は、1 mg/日〜1000 mg/日、好ましくは5 mg/日〜500 mg/日の範囲である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンカルシウムに関しては、用量は1〜160 mg/日の範囲である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤ロバスタチン、プラバスタチンナトリウム、シムバスタチン、ロスバスタチンカルシウムおよびフルバスタチンナトリウムに関しては、用量は2〜160 mg/日の範囲である。上記の用量範囲は、列挙された薬剤に関して例示的である、と当業者は理解する。他のCETP阻害剤およびその他のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、上記の製薬上許容可能な形態を含めて、本発明の範囲内であると意図され、そしてこのような化合物の用量は、薬剤の効力および生物学的利用能に基づいて調整されるべきである。
本発明の剤形は、溶解度改善形態のCETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む。剤形中に存在するCETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の量は、各化合物に関する所望の用量によって変わり、これは次いで、化合物の効力および治療されている症状によっている。例えば[2R,4S]−4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルとしても既知であるCETP阻害剤トルセトラピブに関する所望の用量は、1 mg/日〜1000 mg/日、好ましくは5 mg/日〜500 mg/日の範囲である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンカルシウムに関しては、用量は1〜160 mg/日の範囲である。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤ロバスタチン、プラバスタチンナトリウム、シムバスタチン、ロスバスタチンカルシウムおよびフルバスタチンナトリウムに関しては、用量は2〜160 mg/日の範囲である。上記の用量範囲は、列挙された薬剤に関して例示的である、と当業者は理解する。他のCETP阻害剤およびその他のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、上記の製薬上許容可能な形態を含めて、本発明の範囲内であると意図され、そしてこのような化合物の用量は、薬剤の効力および生物学的利用能に基づいて調整されるべきである。
特定の好ましい実施形態では、CETP阻害剤はトルセトラピブであり、そしてHMG−CoAレダクターゼ阻害剤はアトルバスタチンカルシウム(アトルバスタチンヘミカルシウムとしても既知)またはその製薬上許容可能な形態である。これらの化合物に関しては、剤形中のCETP阻害剤対HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の重量比は約0.1対約36、好ましくは約0.3対約20、さらに好ましくは0.5対約18の範囲である、というのが好ましい。
本発明の剤形は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の即時放出ならびに溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御および即時放出を提供する。一態様では、剤形は一体成形剤形の形態である。「一体成形剤形」とは、溶解度改善形態のCETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の両方を含有する単一剤形を意味し、したがって使用環境への一体成形剤形の投与後、CETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤はともに使用環境に送達され、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は即時放出として送達され、そしてCETP阻害剤は制御放出および即時放出として送達される。「一体成形剤形」という用語は、単一錠剤、カプレット、ピル、カプセル、サッシェ、粉末、溶液、ならびに一緒に摂取されるよう意図された1つまたは複数の錠剤、カプレット、ピル、カプセル、サッシェ、粉末または溶液を含むキットを包含する。
一実施形態では、一体成形剤形は、CETP阻害剤組成物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物を含み、この場合、CETP阻害剤組成物のCR部分はマトリックス制御放出デバイスの形態であり、そしてHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は即時放出コーティングの形態である。即時放出コーティングは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤と同一コーティング層中に、あるいは別個の層として、または別個および併合層の組合せとして、CETP阻害剤の即時放出部分を含み得る。CR CETP阻害剤組成物は、溶解度改善形態のCETP阻害剤、マトリックスポリマーおよびマトリックス制御放出デバイスに関して上記されたような任意の賦形剤を含む。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および任意の賦形剤を含む。図1を参照すると、一態様において、一体成形剤形10は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および上記のような任意の賦形剤を含む即時放出コーティング14で被覆される溶解度改善形態のCETP阻害剤を含むマトリックス錠剤12の形態である。好ましくは溶媒は、溶解性増強形態の溶解性増強特徴に負の影響を及ぼさない。即時放出コーティング14は任意に、慣用的コーティングで被覆され得る(図1に示されていない)。
あるいは一体成形剤形は、図2に剤形20として模式的に示されたCETP阻害剤組成物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物を含む。CETP阻害剤組成物22はマトリックス制御放出デバイスの形態であり、そしてHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物はマトリックスデバイスと会合された即時放出層24の形態である。会合されるとは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤24を含む層がマトリックス制御放出デバイス22に隣接するかまたは実質的に接触する、ということを意味する。即時放出層24はまた、当該技術分野で既知であるような結合剤または希釈剤を含む中間層(図2に示されていない)によりマトリックス制御放出デバイスから分離され得る。好ましくは溶媒は、溶解性増強形態の溶解性増強特徴に負の影響を及ぼさない。一体成形剤形20は任意に、慣用的コーティング26で被覆され得る。即時放出コーティングは、CETP阻害剤の即時放出部分を含み得る。
別の実施形態では、一体成形剤形は、図3に剤形30として模式的に示されたCETP阻害剤組成物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物を含む。CR CETP阻害剤組成物は浸透性制御放出デバイス37の形態であり、そしてHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物は即時放出コーティング34の形態である。浸透性制御放出デバイス37は、コア33、コーティング38および送達口39を含む。コアは単一組成であり得るし、あるいはいくつかの層、例えば溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む層、ならびに使用環境にCETP阻害剤を押出すための高膨潤性層からなり得る。即時放出コーティング34は任意に、慣用的コーティングで被覆され得る(図3に示されていない)。即時放出コーティングは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤と同一コーティング層中に、あるいは別個のコーティングとして、または別個および併合コーティングの組合せとして、CETP阻害剤の即時放出部分を含み得る。
別の実施形態では、一体成形剤形は、図4において剤形40として模式的に示された三層錠剤の形態である。三層錠剤は、(1)CETP阻害剤組成物42、(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物44、(3)層(1)および(2)間に挟まれた膨潤剤層組成物45、(4)層(1)、(2)および(3)を取り囲む水透過性コーティング48、ならびに(5)層(1)と使用環境49aとの間ならびに層(2)と使用環境49bとの間の流体連絡を提供する少なくとも2つの送達口を含む。剤形は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物44が使用環境への投与後直ちに送達され、一方、CETP阻害剤組成物42が時間を掛けて徐々に放出されるよう設計される。組成物44は、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出形態の部分を含有する。
別の実施形態では、一体成形剤形は、(1)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物の即時放出、および(2)CETP阻害剤組成物の制御放出を包含する三層錠剤(示されていない)の形態である。低透過性コーティングは、制御放出CETP阻害剤組成物上に置かれる。このような剤形は、米国特許第4,839,177号、第5,422,123号、第5,464,633号、第5,650,169号、第5,738,874号および第6,183,778号(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されている。
別の実施形態では、一体成形剤形はカプセルの形態であり、当該カプセルは図5において剤形50として模式的に示されている。カプセルは、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤および溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分を含む少なくとも1つの制御放出デバイス52、例えばマトリックス制御放出デバイスまたは浸透性制御放出デバイス、ならびに(2)即時放出HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物54を含む。この実施形態では、CETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物54を含む制御放出デバイス52が先ず、当該技術分野で既知の手法を用いて作製され、次に例えば当該技術分野で周知の適切なカプセル、例えば硬質ゼラチンカプセルまたは軟質ゼラチンカプセル中に入れることにより、併合され得る(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed. 2000)参照)。一実施形態では、CETP阻害剤は、上記のようなマトリックス制御放出デバイスの形態である。別の実施形態では、CETP阻害剤は、上記のような浸透性制御放出デバイスの形態である。即時放出HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物54は、単に活性薬剤単独の粒子であり得るし、あるいはそれは、上記のような粉末、顆粒または多粒子の形態であるよう、任意の賦形剤および溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分と併合され得る。
別の実施形態では、一体成形剤形は、図6において剤形60として模式的に示されたカプセルの形態である。カプセルは、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む複数の制御放出デバイス、例えば制御放出多粒子または顆粒62、ならびに(2)即時放出HMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物64を含む。上記の手法を用いて制御放出CETP阻害剤多粒子または顆粒62およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤組成物64が先ず作られ、そして次に、例えば当該技術分野で周知の適切なカプセル、例えば硬質ゼラチンカプセルまたは軟質ゼラチンカプセル中にそれらを入れることにより、併合され得る(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed. 2000)参照)。組成物64は、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分も含み得る。
さらに別の実施形態では、一体成形剤形は、図7において剤形70として模式的に示された圧縮錠剤、カプレットまたはピルの形態である。剤形は、(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む複数の制御放出多粒子または顆粒72、ならびに(2)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を直ちに放出する複数の粒子、例えば活性薬剤単独の粒子、あるいはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む多粒子または顆粒74を含む。多粒子または顆粒74は、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分も含み得る。
一体成形剤形は任意に、慣用的コーティング76で、あるいはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤または溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分をまたは両薬剤を含有する即時放出コーティングで被覆され得る。
一体成形剤形のさらに別の実施形態は、サッシェまたは構成用経口粉末(OPC)として当該技術分野で言及される粉末または顆粒である。溶解度改善形態のCETP阻害剤の制御放出顆粒または多粒子、ならびにHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を直ちに放出する粒子、例えば活性薬剤単独の粒子、あるいはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む顆粒または多粒子は、任意の賦形剤または溶解度改善形態のCETP阻害剤即時放出部分と混合されて、適切な容器、例えば小袋、瓶、箱、バッグまたは当該技術分野で既知のその他の容器中に入れられる。粉末剤形は次に、乾燥されるか、あるいは液体と混合されて、ペースト、懸濁液またはスラリーを生成した後、投与される。
一体成形剤形のさらに別の実施形態は、少なくとも2つの別個の組成物:(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む制御放出デバイスを含有するもの、ならびに(2)即時放出形態のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤および即時放出形態のCETP阻害剤を、あるいは3つの別個の組成物:(1)溶解度改善形態のCETP阻害剤を含む制御放出デバイスを含有するもの、(2)即時放出形態のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含有するもの、ならびに(3)即時放出形態のCETP阻害剤を含有するものを包含するキットである。キットは、別個の組成物を含入する手段、例えば分割容器、例えば瓶、小袋、箱、バッグ、または当該技術分野で既知のその他の容器、あるいは分割箔パケットを包含し得る;しかしながら別個の組成物は、単一非分割容器内にも含入され得る。典型的にはキットは、別個の構成成分の投与のための使用説明書を包含する。
別の実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、使用環境に同時投与される別個の剤形中に存在する。溶解度改善形態のCETP阻害剤は制御放出剤形中に存在するが、一方、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は即時放出剤形中に存在する。当該実施形態の別の態様では、即時送達剤形は、溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出部分も含み得る。「同時投与される」とは、2つの剤形が互いに別々に投与される、ということを意味する。一実施形態では、2つの剤形は、互いに同一の全般的時間枠内で、例えば互いの60分以内、好ましくは30分以内、さらに好ましくは15分以内に同時投与される。別の実施形態では、2つの剤形は別個の時間に摂取される。例えば制御放出および即時放出溶解度改善形態CETP阻害剤は、摂食時間に、例えば朝食、昼食または夕食時に摂取され得るが、一方、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤を含む即時放出剤形は夕刻に摂取される。これらの筋書きまたはこれらの筋書きの変形は、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、CETP阻害剤および/またはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤療法を必要とする被験者の治療方法であって、このような療法を必要とする被験者に本発明の剤形を投与することを包含する方法にも及ぶ。剤形は、以下の:(i)少なくとも約12時間、血漿コレステリルエステル輸送タンパク質の少なくとも約50%抑制;(ii)同量の上記溶解度改善形態のCETP阻害剤の即時放出を提供する剤形により提供される血中最大薬剤濃度の約80%またはそれ未満である血中最大薬剤濃度;(iii)投与前に得られるものの少なくとも約1.2倍である8週間投与後の平均HDLコレステロールレベル;ならびに(iv)投与前に得られるものの約90%またはそれ未満である8週間投与後の平均LDLコレステロールレベルのうちの少なくとも1つを提供する。
本発明の剤形は任意に、当該技術分野で周知の慣用的コーティングで被覆され得る。コーティングは、味覚を隠し、外見を改善し、薬剤の嚥下を促し、あるいは剤形からの薬剤の放出を遅延し、持続し、または層でなければ制御するために用いられ得る。このようなコーティングは、任意の慣用的手段により、例えば、水性または有機溶媒を用いて、流動床コーティング、噴霧コーティング、浸漬コーティング、パンコーティングおよび粉末コーティングにより、二次加工され得る。適切なコーティング物質の例としては、スクロース、マルチトール、酢酸セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セチルアルコール、ゼラチン、マルトデキストリン、パラフィン蝋、微晶質蝋およびカルナウバ蝋が挙げられる。ポリマーの混合物も用いられ得る。好ましいコーティングとしては、市販の水性コーティング処方物Surelease(登録商標)およびオパドライOpadry(登録商標)(Colorcon, Inc., WestPoint, Pennsylvania)が挙げられる。
コレステロールエステル輸送タンパク質阻害剤
CETP阻害剤は、コレステリルエステル輸送タンパク質を抑制し得る任意の化合物であり得る。CETP阻害剤は、典型的には「貧水溶性」であり、このことは、CETP阻害剤が、任意の生理学的関連pH(例えばpH1〜8)で、約22℃で、約1〜2 mg/ mL未満の最小水性溶解度を有する、ということを意味する。多数のCETP阻害剤は、「実質的に水不溶性」であり、このことは、CETP阻害剤が、任意の生理学的関連pH(例えばpH1〜8)で、約22℃で、約0.01(または10μg/ mL)未満の最小水性溶解度を有する、ということを意味する(別記しない限り、本明細書中および特許請求の範囲の水性溶解度に対する言及は、約22℃で確定される)。本発明の組成物はCETP阻害剤の溶解度が低減した場合により大きい有用性を見出し、したがって、約10 μg/mL未満の溶解度を有するCETP阻害剤が選択され、そしてさらに約1 μg/mL未満の溶解度を有するCETP阻害剤が選択される。多数のCETP阻害剤はさらに低い溶解度さえ有し(0.1 μg/mL未満のものさえある)、実際的用量に到達されるべき有効血漿濃度のための経口投与時に十分に生物学的利用可能であるために劇的濃度増強を要する。
CETP阻害剤は、コレステリルエステル輸送タンパク質を抑制し得る任意の化合物であり得る。CETP阻害剤は、典型的には「貧水溶性」であり、このことは、CETP阻害剤が、任意の生理学的関連pH(例えばpH1〜8)で、約22℃で、約1〜2 mg/ mL未満の最小水性溶解度を有する、ということを意味する。多数のCETP阻害剤は、「実質的に水不溶性」であり、このことは、CETP阻害剤が、任意の生理学的関連pH(例えばpH1〜8)で、約22℃で、約0.01(または10μg/ mL)未満の最小水性溶解度を有する、ということを意味する(別記しない限り、本明細書中および特許請求の範囲の水性溶解度に対する言及は、約22℃で確定される)。本発明の組成物はCETP阻害剤の溶解度が低減した場合により大きい有用性を見出し、したがって、約10 μg/mL未満の溶解度を有するCETP阻害剤が選択され、そしてさらに約1 μg/mL未満の溶解度を有するCETP阻害剤が選択される。多数のCETP阻害剤はさらに低い溶解度さえ有し(0.1 μg/mL未満のものさえある)、実際的用量に到達されるべき有効血漿濃度のための経口投与時に十分に生物学的利用可能であるために劇的濃度増強を要する。
概してCETP阻害剤は、約100 mLより大きい用量対水性溶解度比を有し、この場合、溶解度(mg/mL)は、USP刺激胃および腸緩衝液を含めた任意の生理学的関連水性溶液(例えば1〜8のpH値を有するもの)中で観察される最小値であり、そして用量はmgである。本発明の組成物は、上記のように、CETP阻害剤の溶解度が低減し、用量が増大した場合に、より大きい有用性を見出す。したがって組成物は、用量対溶解度比が増大するのが好ましく、したがって1000 mLより大きい用量対溶解度比、さらに好ましくは約5000 mLより大きい用量対溶解度比に関して選択される。用量対溶解度比は、用量(mg)を水性溶解度(mg/mL)で割ることにより確定され得る。
多数のCETP阻害剤の経口送達は、それらの水性溶解度が通常は非常に低く、典型的には2 μg/mL未満、しばしば0.1 μg/mL未満であるため、特に難しい。このような低溶解度は、CETPと結合し、したがってCETP阻害剤として作用する種の特有の構造的特質の直接的結果である。この低溶解度は主に、CETP阻害剤の疎水性のためである。ClogP(オクタノール中の薬剤溶解度対水中の薬剤溶解度の比の常用対数と定義される)は、疎水性の広範に許容可能な測定値である。概して、CETP阻害剤に関するClogP値は、4より大きく、しばしば5より大きい。したがって一クラスとしてのCETP阻害剤の疎水性および不溶性は、経口送達のための独特の挑戦を持ちかける。実際的量の薬剤の経口投与による血中の治療的薬剤レベルの達成は一般に、消化液中の薬剤濃度の多大な増強、ならびにその結果としての生物学的利用能の大きな増強を要する。消化液中の薬剤濃度のこのような増強は、典型的には所望の血中レベルを達成するために少なくとも約10倍、しばしば少なくとも約50倍、さらに少なくとも200倍である必要がある。
本質的に水性不溶性高疎水性であり、そして一組の物理的特性により特性化されるサブクラスのCETP阻害剤を、本発明人等は認識している。このサブクラスの本質的に不溶性疎水性CETP阻害剤の最初の特性は、極低水性溶解度である。極低水性溶解度とは、生理学的関連pH(1〜8のpH)での最小水性溶解度が、約10 μg/mL未満、好ましくは約1 μg/mL未満である、ということを意味する。
第二の特性は、非常に高い用量対溶解度比である。極低水性溶解度はしばしば、薬剤が慣用的方式で経口的に投与される場合、消化管の流体からの薬剤の不十分なまたは遅い吸収をもたらす。極低溶解度薬剤に関しては、貧吸収は一般に、用量(経口投与される薬剤の質量)が増大した場合、漸増的にさらに難しくなる。したがってこのサブクラスの本質的不溶性疎水性CETP阻害剤の第二の特性は、極高用量(mg)対溶解度(mg/mL)比(mL)である。「極高用量対溶解度比」とは、用量対溶解度比が少なくとも1000 mL、好ましくは少なくとも約5,000 mL、さらに好ましくは少なくとも約10,000 mLの値を有する、ということを意味する。
このサブクラスの本質的不溶性疎水性CETP阻害剤の第三の特性は、それらが非常に疎水性である、ということである。非常に疎水性であるとは、薬剤のClogP値が少なくとも約4.0、好ましくは少なくとも約5.0、さらに好ましくは少なくとも約5.5の値を有する、ということを意味する。
このサブクラスの本質的不溶性疎水性CETP阻害剤の第四の特性は、それらが低融点を有することである。一般にこのサブクラスの薬剤は、約150℃またはそれ未満、好ましくは約140℃またはそれ未満の融点を有する。
主に、これら4つの特性のいくつかまたは全ての結果として、このサブクラスのCETP阻害剤は、典型的には非常に低い絶対生物学的利用能を有する。特にこのサブクラスの薬剤の絶対生物学的利用能は、それらの非分散状態で経口投与される場合、約10%未満、さらにしばしば約5%未満である。
以下において、その「製薬上許容可能な形態」とは、任意の製薬上許容可能な誘導体または変形、例えば立体異性体、立体異性体混合物、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、同形体、偽形体、多形体、塩形態およびプロドラッグを意味する。
好ましい実施形態では、CETP阻害剤は、[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブとしても既知)である。トルセトラピブは、次式で示される:
CETP阻害剤、特にトルセトラピブ、ならびにこのような化合物の製造方法は、米国特許第号および第号に、PCT出願WO 01/40190A1、WO 02/088085A2およびWO 02/088069A2(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に詳細に開示されている。トルセトラピブは、水性環境、例えばヒト消化管の管腔液中で例外的に低い溶解度を有する。トルセトラピブの水性溶解度は、約0.04 μg/mL未満である。トルセトラピブは、所望の治療的作用を引き出すのに十分な血液中への吸収を達成するために消化管中の十分な薬剤濃度を達成するために溶解度改善形態で消化管に提示されなければならない。
CETP阻害剤は、米国特許第6,723,752号にも記載されており、これは、多数のCETP阻害剤、例えば(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノールを含む。さらに本明細書中に含まれるCETP阻害剤は、米国特許出願第10/807838号(2004年3月23日出願)および米国特許出願第60/612863号(2004年9月23日出願)(これは、(2R,4R,4aS)−4−[アミノ−(3,5−ビス−(トリフルオロメチル−フェニル)−メチル)−2−エチル−6−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1−カルボン酸イソプロピルエステルを包含する)にも記載されている。さらにCETP阻害剤は、JTT−705を包含し、これはS−[2−([[1−(2−エチルブチル)クロロヘキシル]カルボニル]アミノ)フェニル]2−メチルプロパンチオエートとしても既知であり、PCT出願WO 04/020393に開示された化合物、例えばS−[2−([[1−(2−エチルブチル)クロロヘキシル]カルボニル]アミノ)フェニル]2−メチルプロパンチオエート、トランス−4−[[[2−[[[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル]−4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミノ]メチル]−シクロヘキサン酢酸およびトランス−4−[[[2−[[[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル]−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミノ]メチル]−シクロヘキサン酢酸、共有米国特許出願第09/918,127号および第10/066,091号に開示された薬剤(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)、そして以下の特許および公開出願に開示された薬剤:DE 19741400 A1; DE19741399 A1; WO 9914215 A1; WO 9914174; DE 19709125 A1; DE 19704244 A1; DE 19704243 A1; EP 818448 A1; WO 9804528 A2; DE 19627431 A1; DE 19627430 A1; DE 19627419 A1; EP 796846 A1; DE 19832159; DE 818197; DE 19741051; WO 9941237 A1; WO 9914204 A1; WO 9835937 A1; JP 11049743; WO 0018721; WO 0018723; WO 0018724; WO 0017164; WO 0017165; WO 0017166; WO 04020393; EP 992496; およびEP 987251(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)も包含する。
溶解度改善形態
CETP阻害剤の溶解度改善形態は、結晶CETP阻害剤の溶解度と比較して、約1.25倍またはそれ以上の因数だけ、水性使用環境中で、少なくとも一時的に過飽和し得る任意の形態である。即ち、溶解度改善形態は、結晶形態のCETP阻害剤単独により提供される平衡薬剤濃度の少なくとも約1.25倍である使用環境中でのCETP阻害剤の最大溶解薬剤濃度(MDC)を提供する。好ましくは溶解度改善形態は、水性溶液中のCETP阻害剤のMDCを、対照組成物と比較して少なくとも約2倍、さらに好ましくは少なくとも約3倍、最も好ましくは少なくとも約5倍増大する。意外にも、溶解度改善形態は、水性濃度における非常に大きな増大を達成し得る。いくつかの場合、溶解度改善形態により提供されるCETP阻害剤のMDCは、対照により提供される平衡濃度の少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約200倍、少なくとも約500倍〜1000倍より多くまでである。
CETP阻害剤の溶解度改善形態は、結晶CETP阻害剤の溶解度と比較して、約1.25倍またはそれ以上の因数だけ、水性使用環境中で、少なくとも一時的に過飽和し得る任意の形態である。即ち、溶解度改善形態は、結晶形態のCETP阻害剤単独により提供される平衡薬剤濃度の少なくとも約1.25倍である使用環境中でのCETP阻害剤の最大溶解薬剤濃度(MDC)を提供する。好ましくは溶解度改善形態は、水性溶液中のCETP阻害剤のMDCを、対照組成物と比較して少なくとも約2倍、さらに好ましくは少なくとも約3倍、最も好ましくは少なくとも約5倍増大する。意外にも、溶解度改善形態は、水性濃度における非常に大きな増大を達成し得る。いくつかの場合、溶解度改善形態により提供されるCETP阻害剤のMDCは、対照により提供される平衡濃度の少なくとも約10倍、少なくとも約50倍、少なくとも約200倍、少なくとも約500倍〜1000倍より多くまでである。
あるいは溶解度改善形態は、対照組成物により提供されるものの少なくとも約1.25倍であり得る使用環境中での薬剤濃度対時間曲線下面積(「AUC」)を提供する。AUCは、薬剤濃度対時間のプロットの積分である。使用環境がin vitroである場合、AUCは、経時的に試験溶液中での薬剤濃度をプロットすることにより、あるいはin vivo試験に関しては刑事的にin vivo使用環境(例えば動物の消化管)中の薬剤濃度をプロットすることにより、確定され得る。AUCの算定は製薬業界で周知の手法であり、例えばWelling, “Pharmacokinetics Processes and Mathematics,” ACS Monograph 185 (1986)に記載されている。特に使用環境では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、使用環境への導入後約0分から約270分までの任意の90分間、対照組成物の少なくとも約1.25倍であるAUCを提供する。対照組成物は慣用的に、任意の可溶化添加剤を伴わないCETP阻害剤単独の最低エネルギー結晶形態である。対照組成物は、可溶化剤またはCETP阻害剤の溶解度に物質的に影響を及ぼす他の構成成分を含有せず、そしてCETP阻害剤は対照組成物中に固体形態で存在する、と理解されるべきである。対照組成物は慣用的に、以後本明細書中でそして特許請求の範囲で、「バルク結晶形態」のCETP阻害剤に対して言及されなければ、CETP阻害剤単独の最低エネルギーまたは最安定結晶形態である。好ましくは溶解度改善形態により提供されるAUCは、対照組成物の少なくとも約2倍、さらに好ましくは約3倍である。いくつかのCETP阻害剤に関しては、溶解度改善形態は、上記の対照の少なくとも約5倍、少なくとも約25倍、少なくとも約100倍、そして250倍より多くさえあるAUC値を提供し得る。
溶解度改善形態は、濃度増強ポリマーまたは低分子量水溶性物質中のCETP阻害剤の固体非晶質分散体を含み得る。CETP阻害剤および濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体は、共有譲渡米国特許出願第09/918,127号(2001年7月30日出願)および米国特許出願第10/066,091号(2002年2月1日出願)(これらの記載内容はともに、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。あるいは溶解度改善形態は、非晶質CETP阻害剤を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第5,145,684号に記載されているように、任意に少量の界面活性剤またはポリマーにより安定化されたナノ粒子、即ち直径約900 nm未満の固体CETP阻害剤粒子を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第5,225,192号に記載されているように、架橋ポリマー中にCETP阻害剤の吸着物を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第5,858,410号に記載されているように、ナノ懸濁液を含み、ナノ懸濁液は液体中固体または半固体中固体の分散系であり、分散相は純CETP阻害剤またはCETP阻害剤混合物を含む。溶解度改善形態は、米国特許第6,197,349号に記載されているように、過冷却形態であるCETP阻害剤を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第5,134,127号、第6,046,177号、第5,874,418号および第5,376,645号に記載されたものを含めて、CETP阻害剤/シクロデキストリン形態を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第5,851,275号、第5,834,022号および第5,686,133号に記載されたものを含めて、軟質ゲル形態、例えば脂質またはコロイドタンパク質と混合されたCETP阻害剤を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第6,054,136号および第5,993,858号に記載されたものを含めて、自己乳化形態を含み得る。溶解度改善形態は、米国特許第6,042,847号に記載されたものを含めて、三相薬剤形態を含み得る。上記の溶解度改善形態は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第10/176,462号(2002年6月20日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されているように、濃度増強ポリマーとも混合されて、溶解度増強改善を提供し得る。溶解度改善形態は、(1)塩のような結晶高可溶性形態のCETP阻害剤;(2)高エネルギー結晶形態のCETP阻害剤;(3)水和物または溶媒和物結晶形態のCETP阻害剤;(4)非晶質形態のCETP阻害剤(非晶質または結晶として存在し得るCETP阻害剤に関して);(5)CETP阻害剤(非晶質または結晶)および可溶化剤の混合物;あるいは(6)水性または有機液体中に溶解されたCETP阻害剤の溶液も含み得る。上記の溶解度改善形態は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第09/742,785号(2000年12月20日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されているように、濃度増強ポリマーとも混合されて、溶解度増強改善を提供し得る。溶解度改善形態は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第60/300,261号(2001年6月22日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されているように、(a)CETP阻害剤およびマトリックスを含む固体分散体(この場合、分散体中のCETP阻害剤の少なくとも主要部分は非晶質である);および(b)濃度増強ポリマーも含み得る。溶解度改善形態は、支持体上に吸着された低溶解度CETP阻害剤を含む固体吸着物も含み、支持体は少なくとも約20 m2/gの表面積を有し、そしてこの場合、固体吸着物中のCETP阻害剤の少なくとも主要部分は非晶質である。固体吸着物は任意に、濃度増強ポリマーを含み得る。固体吸着物は、濃度増強ポリマーとも混合され得る。このような固体吸着物は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第10/173,987号(2002年6月17日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されている。溶解度改善形態は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第10/175,643号(2002年6月19日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示された種類の脂質ビヒクル中に処方されるCETP阻害剤も含み得る。
水性使用環境は、in vivo環境、例えば動物、特にヒトの消化管であり、あるいは試験溶液、例えばリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液またはモデル絶食十二指腸(MFD)溶液のin vitro環境であり得る。
本発明の剤形に用いられるCETP阻害剤の溶解度改善形態は、in vitro溶解試験における溶解CETP阻害剤の濃度増強を提供する。MFD溶液におけるまたはPBS溶液におけるin vitro溶解試験での薬剤濃度増強はin vivo性能および生物学的利用能の良好な指標である、ということが確定されている。適切なPBS溶液は、20 mMNa2HPO4、47 mMKH2PO4、87 mMNaClおよび0.2 mMKClを含む水溶液(NaOHでpH6.5に調整)である。適切なMFD溶液は、同一PBS溶液であるが、この場合、7.3 mMタウロコール酸ナトリウムおよび1.4 mMの1−パルミトイル−2−オレイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリンも存在する。特に溶解度改善形態のCETP阻害剤は、それをMFDまたはPBS溶液に付加し、そして撹拌して溶解を促進することにより、溶解試験され得る。
水溶液中のCETP阻害剤濃度増強を評価するためのin vitro試験は、(1)in vitro試験媒質、例えばMFDまたはPBS溶液に、十分量の対照組成物、即ちバルク結晶形態のCETP阻害剤単独を撹拌しながら付加して、CETP阻害剤の平衡濃度を達成し;(2)別個の試験において、全てのCETP阻害剤が溶解された場合に、CETP阻害剤の理論的濃度がCETP阻害剤の平衡濃度を少なくとも約2、好ましくは少なくとも約10の因数だけ超えるよう、同一試験媒質中の十分量の試験組成物(例えば溶解度改善形態のCETP阻害剤)を撹拌しながら付加し;そして(3)試験媒質中の試験組成物の測定MDCおよび/または水性AUCを、対照組成物の平衡濃度と、および/または水性AUCと比較することにより実行され得る。このような溶解試験を実行するに際しては、用いられる試験組成物または対照組成物の量は、全てのCETP阻害剤が溶解した場合、CETP阻害剤濃度が平衡濃度の少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約100倍であるような量である。実際、いくつかの極端に不溶性のCETP阻害剤に関しては、達成されるMDCを同定するために、全てのCETP阻害剤が溶解した場合、CETP阻害剤濃度がCETP阻害剤の平衡濃度の1000倍またはそれ以上でさえあるような試験組成物の量を用いることが必要であり得る。
溶解CETP阻害剤の濃度は典型的には、試験媒質をサンプリングし、MDCが確認され得るよう、試験媒質中のCETP阻害剤濃度対時間をプロットすることにより、時間の一関数として測定される。MDCは、試験期間中に亘って測定された溶解CETP阻害剤の最大値であるとみなされる。水性AUCは、水性使用環境への組成物の導入の時間(時間=0)および使用感ky法への導入後270分(時間=270分)の間の任意の90分間に亘る濃度対時間曲線を積分することにより算定される。典型的には、組成物が迅速に、即ち約30分未満でそのMDCに到達した場合、AUCを算定するために用いられる時間間隔は時間ゼロから時間90分までである。しかしながら上記の任意の90分の時間の間の組成物のAUCが本発明の判定基準を満たす場合には、生成される組成物は本発明の範囲内であるとみなされる。
誤った確定を生じ得る大型CETP阻害剤粒子を回避するために、試験溶液は濾過されるかまたは遠心分離される。「溶解薬剤」は典型的には、0.45 μmシリンジフィルターを通過する物質、あるいは遠心分離後に上清中に残存する物質とみなされる。濾過は、TITAN(登録商標)の商標でScientific Resourcesから販売されている13 mm, 0.45 μm二フッ化ポリビニリデンシリンジフィルターを用いて実行され得る。遠心分離は典型的には、13,000 Gで60秒間遠心分離することにより、ポリプロピレン微小遠心分離管中で実行される。その他の類似の濾過または遠心分離方法が用いられ、有用な結果が得られる。例えば他の型の微小フィルターの使用は、上記のフィルターを用いて得られるものより多少高いかまたは低い(±10〜40%)値を生じ得るが、しかし好ましい分散体の同定を可能にする。
あるいは溶解度改善形態のCETP阻害剤は、ヒトまたは他の動物に経口投与される場合、等量のバルク結晶形態のCETP阻害剤からなる対照組成物が投与される場合に観察されるものの少なくとも約1.25倍、好ましくは少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約3倍、好ましくは少なくとも約4倍、好ましくは少なくとも約6倍、好ましくは少なくとも約10倍である、そしてさらに好ましくは少なくとも約20でさえある血中(血清または血漿中)CETP阻害剤濃度におけるAUCを提供する。このような組成物は、対照組成物の約1.25倍〜約20倍の相対的生物学的利用能を有するとも言われる、ということが注目される。
溶解度改善形態のCETP阻害剤の相対的生物学的利用能は、このような確定を行なうために、慣用的方法を用いて、動物またはヒトに置いてin vivoで試験され得る。交差試験のようなin vivo試験を用いて、溶解度改善形態のCETP阻害剤の組成物が、上記のような対照組成物と比較して、相対的生物学的利用能増強を提供するか否かを確定し得る。in vivo交差試験では、溶解度改善形態のCETP阻害剤の試験組成物は、試験対象の群の半分に投与され、適切な洗浄期間(例えば1週間)後、同一被験者は、試験組成物と等量の結晶CETP阻害剤からなる対照組成物を投与される。群の他の半分は先ず対照組成物を投与され、その後、試験組成物を投与される。相対的生物学的利用能は、試験群に関して確定された血中(血清または血漿中)濃度対時間曲線下面積(AUC)を、対照組成物により提供された血中AUCで割って測定される。好ましくはこの試験/対照比は各被験者に関して確定され、次にその比は、試験における全ての被験者全体で平均される。AUCのin vivo確定は、横座標(x軸)に沿った時間に対して縦座標(y軸)に沿って薬剤の血清または血漿濃度をプロットすることによりなされ得る。投与を促進するために、投与ビヒクルを用いて、用量を投与し得る。投与ビヒクルは好ましくは水であるが、しかし試験または対照組成物を懸濁するための物質も含有し得る。但し、これらの物質は組成物を溶解しないし、またはin vivoでの薬剤溶解度を変えない。
CETP阻害剤の固体非晶質分散体
一実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、CETP阻害剤および濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体を含む。固体非晶質分散体とは、CETP阻害剤の少なくとも一部分が非晶質形態であり、ポリマー中に分散される固体物質を意味する。好ましくは溶解度改善形態のCETP阻害剤の少なくとも主要部分は、非晶質である。「非晶質」とは、CETP阻害剤が非結晶状態である、ということを単に意味する。本明細書中で用いる場合、CETP阻害剤の「主要部分」という用語は、固体非晶質分散体中の薬剤の少なくとも約60重量%が、結晶形態というよりむしろ非晶質形態である、ということを意味する。好ましくは固体非晶質分散体中のCETP阻害剤は、実質的に非晶質である。本明細書中で用いる場合、「実質的に非晶質」とは、結晶形態のCETP阻害剤の量が約25重量%を超えない、ということを意味する。さらに好ましくは固体非晶質分散体中のCETP阻害剤は「ほぼ完全に非晶質」であり、これは、結晶形態のCETP阻害剤の量が約10重量%を超えない、ということを意味する。結晶CETP阻害剤の量は、粉末X線回析(PXRD)、走査電子顕微鏡(SEM)分析、示差走査熱量測定(DSC)または任意のその他の標準定量測定により測定され得る。
一実施形態では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、CETP阻害剤および濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体を含む。固体非晶質分散体とは、CETP阻害剤の少なくとも一部分が非晶質形態であり、ポリマー中に分散される固体物質を意味する。好ましくは溶解度改善形態のCETP阻害剤の少なくとも主要部分は、非晶質である。「非晶質」とは、CETP阻害剤が非結晶状態である、ということを単に意味する。本明細書中で用いる場合、CETP阻害剤の「主要部分」という用語は、固体非晶質分散体中の薬剤の少なくとも約60重量%が、結晶形態というよりむしろ非晶質形態である、ということを意味する。好ましくは固体非晶質分散体中のCETP阻害剤は、実質的に非晶質である。本明細書中で用いる場合、「実質的に非晶質」とは、結晶形態のCETP阻害剤の量が約25重量%を超えない、ということを意味する。さらに好ましくは固体非晶質分散体中のCETP阻害剤は「ほぼ完全に非晶質」であり、これは、結晶形態のCETP阻害剤の量が約10重量%を超えない、ということを意味する。結晶CETP阻害剤の量は、粉末X線回析(PXRD)、走査電子顕微鏡(SEM)分析、示差走査熱量測定(DSC)または任意のその他の標準定量測定により測定され得る。
固体非晶質分散体は、CETP阻害剤の用量および濃度増強ポリマーの有効性によって、約1〜約80重量%のCETP阻害剤を含有し得る。水性CETP阻害剤濃度および相対的生物学的利用能の増強は、典型的には低CETP阻害剤レベルで、典型的には約25〜約40重量%未満で最良である。しかしながら剤形サイズの実際的制限のため、より高いCETP阻害剤レベルが選択され、そして多くの場合、良好に作用する。
ポリマーまたはこれらの状態の任意の組合せまたはそれらの間の中間にある状態の全体に均質に分散された薬剤の固溶体として、非晶質CETP阻害剤は相対的に純粋な非晶質薬剤ドメインまたは領域の固体非晶質分散体内に存在し得る。固体非晶質分散体は好ましくは、非晶質CETP阻害剤がポリマー全体にできるだけ均質に分散されるよう、実質的に均質である。本明細書中で用いる場合、「実質的に均質な」とは、固体非晶質分散体内の相対的に純粋な非晶質薬剤ドメインまたは領域中に存在するCETP阻害剤の分画が相対的に小さく、薬剤の総量の約20重量%未満の、好ましくは約10重量%未満のオーダーである、ということを意味する。実質的に均質である固体非晶質分散体は一般に、非均質分散体と比較して、より物理的に安定であり、そして濃度増強特性改善を、ついで生物学的利用能改善を示す。
CETP阻害剤およびポリマーが十分はるかにかけ離れたガラス転移温度(約20℃より高い)を有する場合、固体非晶質分散体内の相対的に純粋な非晶質薬剤ドメインまたは領域中に存在する薬剤の分画は、固体非晶質分散体のガラス転移温度(Tg)を調べることにより確定され得る。Tgは、本明細書中で用いる場合、ガラス質物質が、漸次加熱時に、ガラス様状態からゴム様状態への相対的に急速な(例えば10〜100秒で)物理学的変化を受ける特徴的温度である。非晶質物質、例えばポリマー、薬剤または分散体のTgは、いくつかの技法により、例えば動的機械的分析器(DMA)、膨張計、誘電分析器により、そしてDSCにより測定され得る。各技法により測定される精確な値は、多少変動し得るが、しかし通常は互いの10℃〜30℃内である。固体非晶質分散体が単一Tgを示す場合、固体非晶質分散体中の純非晶質薬剤ドメインまたは領域中のCETP阻害剤の量は一般に約10重量%未満であり、これは固体非晶質分散体が実質的に均質である、ということを確証する。これは、一般的に2つの異なるTg(1つは薬剤の、そして1つはポリマーのものである)を示す純非晶質薬剤粒子および純非晶質ポリマー粒子の単純物理的混合物と対照をなす。2つの異なるTg(1つは薬剤Tgに近く、1つは残りの薬剤/ポリマー分散体のTg)を示す固体非晶質分散体に関しては、薬剤の少なくとも一部分は相対的に純粋な非晶質ドメイン中に存在する。相対的純粋非晶質薬剤ドメインまたは領域中に存在するCETP阻害剤の量は、先ず、実質的均質分散体の検量標準を調製して固体非晶質分散体のTg対分散体中の薬剤負荷を確定することにより、確定され得る。これらの検量データおよび薬剤/ポリマー分散体のTgから、相対的純粋非晶質薬剤ドメインまたは領域中のCETP阻害剤の分画が確定され得る。あるいは相対的純粋非晶質薬剤ドメインまたは領域中に存在するCETP阻害剤の量は、薬剤Tgに近似の転移に関する熱容量の大きさを、本質的に非晶質薬剤およびポリマーの物理的混合物からなる検量標準と比較することにより、確定され得る。いずれかの場合、固体非晶質分散体内の相対的に純粋な非晶質薬剤ドメインまたは領域に存在するCETP阻害剤の分画がCETP阻害剤の総量の約20重量%未満、好ましくは約10重量%未満である場合、固体非晶質分散体は実質的に均質であるとみなされる。
濃度増強ポリマー
本発明の組成物中に用いるのに適した濃度増強ポリマーは、それらが逆作用的にCETP阻害剤と化学的に反応せず、製薬上許容可能であり、そして生理学的関連pH(例えば1〜8)の水溶液中で少なくとも多少の溶解度を有する、という意味で、不活性であるべきである。ポリマーは中性またはイオン分解性であり得るし、1〜8のpH範囲の少なくとも一部分に亘って、少なくとも約0.1 mg/mLの水性溶解度を有するべきである。
本発明の組成物中に用いるのに適した濃度増強ポリマーは、それらが逆作用的にCETP阻害剤と化学的に反応せず、製薬上許容可能であり、そして生理学的関連pH(例えば1〜8)の水溶液中で少なくとも多少の溶解度を有する、という意味で、不活性であるべきである。ポリマーは中性またはイオン分解性であり得るし、1〜8のpH範囲の少なくとも一部分に亘って、少なくとも約0.1 mg/mLの水性溶解度を有するべきである。
本発明とともに用いるのに適した濃度増強ポリマーは、セルロース系または非セルロース系であり得る。ポリマーは、水溶液中で中性またはイオン分解性であり得る。これらのうち、イオン分解性およびセルロース系ポリマーが好ましく、イオン分解性セルロース系ポリマーがさらに好ましい。
好ましいクラスのポリマーは、事実上「両親媒性」であるポリマーを含み、これは、ポリマーが疎水性および親水性部分を有することを意味する。疎水性部分は、脂肪族または芳香族炭化水素基のような基を含み得る。親水性部分は、イオン分解性または非イオン分解性基(水素結合し得る基、例えばヒドロキシル、カルボン酸、エステル、アミンまたはアミド)を含み得る。
CETP阻害剤と相対的に強い相互作用を有し、そして上記のような使用環境において種々の種類のポリマー/薬剤アセンブリーの形成を促し得る、と考えられるため、両親媒性および/またはイオン分解性ポリマーが好ましい。さらにこのようなポリマーのイオン化基の同様の電荷の反発作用は、ナノメートルまたはミクロン以下のスケールにポリマー/薬剤アセンブリーのサイズを限定するのに役立ち得る。例えば、特定の理論に結び付けたくはないが、このようなポリマー/薬剤アセンブリーは、CETP阻害剤に向かって内側に曲がるポリマーの疎水性領域と、水性環境に向かって外側に曲がるポリマーの親水性領域とを有するポリマーに取り囲まれる疎水性CETP阻害剤クラスターを含み得る。あるいは、CETP阻害剤の特定の化学的性質によって、ポリマーのイオン化官能基は、例えばイオン対合または水素結合を介して、CETP阻害剤のイオン性または極性基と会合し得る。イオン分解性ポリマーの場合、ポリマーの親水性領域は、イオン化官能基を含む。溶液中のこのようなポリマー/薬剤アセンブリーは、荷電高分子ミセル様構造と相当に類似する。いずれかの場合、作用メカニズムとは関係なく、このような両親媒性ポリマー、特にイオン分解性セルロース系ポリマーは、このようなポリマーを含有しない対照組成物と比較して、水溶液中のCETP阻害剤のMDCおよび/またはAUCを改善することが示されている(共有譲渡米国特許出願第09/918,127号(2001年7月31日出願)に記載(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される))。
意外にも、このような両親媒性ポリマーは、CETP阻害剤が使用環境に投与された場合に得られるCETP阻害剤の最大濃度を大いに増強し得る。さらにこのような両親媒性ポリマーは、その濃度がその平衡濃度を実質的に上回るにもかかわらず、CETP阻害剤と相互作用して、溶液からのCETP阻害剤の沈殿または結晶化を防止する。特に、好ましい組成物がCETP阻害剤および濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体である場合、組成物は、特に分散体が実質的に均質である場合、薬剤濃度の多大な増強を提供する。最大薬剤濃度は、結晶CETP阻害剤の平衡濃度の10倍であり得るし、さらにしばしば50倍より大きい。このようなCETP阻害剤濃度増強は次に、CETP阻害剤に関する相対的生物学的利用能の実質的増強をもたらす。
本発明とともに用いるのに適したポリマーの一クラスは、中性非セルロース系ポリマーを含む。例示的ポリマーとしては、以下のものが挙げられる:ヒドロキシル、アルキルアシルオキシまたは環状アミドの置換基を有するビニルポリマーおよびコポリマー;非加水分解(ビニルアセテート)形態のそれらの反復単位の少なくとも一部分を有するポリビニルアルコール;ポリビニルアルコールポリビニルアセテートコポリマー;ポリビニルピロリドン;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマーとしても既知);ならびにポリエチレンポリビニルアルコールコポリマー。
本発明とともに用いるのに適した別のクラスのポリマーは、イオン分解性非セルロース系ポリマーを含む。例示的ポリマーとしては、以下のものが挙げられる:カルボン酸官能化ビニルポリマー、例えばカルボン酸官能化ポリメタクリレートおよびカルボン酸官能化ポリアクリレート、例えばオイドラジット(登録商標)(Rohm Tech Inc., Malden, Massachusetts製造);アミン官能化ポリアクリレートおよびポリメタクリレート;タンパク質;ならびにカルボン酸官能化デンプン、例えばデンプングリコール酸。
両親媒性である非セルロース系ポリマーは、相対的親水性および相対的疎水性モノマーのコポリマーである。例としては、アクリレートおよびメタクリレートコポリマー、ならびにポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーが挙げられる。商業的等級のこのようなコポリマーの例としては、オイドラジット(メタクリレートおよびアクリレートのコポリマーである)、ならびにプルロニクスPLURONICS(供給元BASF)(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーである)が挙げられる。
好ましいクラスのポリマーは、少なくとも1つのエステル−および/またはエーテル結合置換基を有するイオン分解性および中デイセルロース系ポリマーを含み、この場合、ポリマーは各置換基に関して少なくとも約0.1の置換度を有する。
本明細書中で用いられるポリマー命名法では、エーテル結合置換基は、エーテル基に結合される部分として「セルロース」の前に列挙される;例えば「エチル安息香酸セルロース」は、エトキシ安息香酸置換基を有する、ということに留意すべきである。同様に、エステル結合置換基は、カルボキシレートとして「セルロース」の後に列挙される;例えば「セルロースフタレート」は、ポリマーにエステル結合された各フタレート部分の1つのカルボン酸を有し、他のカルボン酸は非反応性である。
ポリマー名、例えば「酢酸フタル酸セルロース」(CAP)は、エステル結合を介してセルロース系ポリマーのヒドロキシル基の有意分画に結合されたアセテートおよびフタレート基を有するセルロース系ポリマーのファミリーのいずれかを指す、ということにも留意すべきである。一般に各置換基の置換度は、ポリマーの他の判定基準を満たす限り、0.1〜2.9の範囲であり得る。「置換度」とは、置換されたセルロース鎖上の糖反復単位辺り3つのヒドロキシルの平均数を指す。例えばセルロース鎖上のヒドロキシルが全てフタレート置換された場合、フタレート置換度は3である。ポリマーの性能を置換的に変えない相対的に少量で付加される付加的置換基を有するセルロース系ポリマーも、各ポリマーファミリー内に含まれる。
両親媒性セルロース誘導体は、親セルロース系ポリマーが、各糖反復単位上に存在する3つのヒドロキシル基のいずれかまたは全てで少なくとも1つの相対的疎水性置換基で置換されたポリマーを含む。疎水性置換基は本質的に、十分高いレベルまたは程度の置換に置換される場合、セルロース系ポリマーを本質的に水不溶性にさせ得る任意の置換基であり得る。疎水性置換基の例としては、エーテル結合アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等;またはエステル結合アルキル基、例えばアセテート、プロピオネート、ブチレート等;ならびにエーテルおよび/またはエステル結合アリール基、例えばフェニル、ベンゾエートまたはフェニレートが挙げられる。ポリマーの親水性領域は、非置換ヒドロキシルがそれ自体相対的に親水性であるため、相対的に非置換である部分、あるいは親水性置換基で置換される領域であり得る。親水性置換基としては、エーテル−またはエステル結合非イオン分解性基、例えばヒドロキシアルキル置換基ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ならびにアルキルエーテル基、例えばエトキシエトキシまたはメトキシエトキシが挙げられる。特に好ましい親水性置換基は、エーテル−またはエステル結合イオン分解性基、例えばカルボン酸、チオカルボン酸、置換フェノキシ基、アミン、ホスフェートまたはスルホネートであるものである。
セルロース系ポリマーの一クラスは中性ポリマーを含み、これは、ポリマーが水溶液中で実質的に非イオン分解性である、ということを意味する。このようなポリマーは、エーテル結合またはエステル結合され得る非イオン分解性置換基を含有する。例示的エーテル結合非イオン分解性置換基としては、以下のものが挙げられる:アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル等;ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等;ならびにアリール基、例えばフェニル。例示的エステル結合非イオン分解性置換基としては、以下のものが挙げられる:アルキル基、例えばアセテート、プロピオネート、ブチレート等;ならびにアリール基、例えばフェニレート。しかしながらアリール基が含まれる場合、1〜8の任意の生理学的関連pHでポリマーが少なくとも多少の水溶解度を有するよう、ポリマーは十分量の親水性置換基を含む必要がある。
ポリマーとして用いられ得る例示的非イオン分解性ポリマーとしては、以下のものが挙げられる:酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシエチルエチルセルロース。
好ましい組の中性セルロース系ポリマーは、両親媒性であるものである。例示的ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられるが、この場合、非置換ヒドロキシルまたはヒドロキシプロピル置換基と比較して相対的に多数のメチルまたはアセテート置換基を有するセルロース反復単位は、ポリマー上の他の反復単位に比して疎水性領域を構成する。本発明の固体非晶質分散体中に用いるのに適した中性ポリマーは、共有譲渡米国特許出願第10/175,132号(2002年6月18日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に開示されている。
好ましいクラスのセルロース系ポリマーは、生理学的関連pHで少なくとも部分的にイオン分解性である、そしてエーテル結合またはエステル結合され得る少なくとも1つのイオン分解性置換基を含むポリマーを包含する。例示的エーテル結合イオン分解性置換基としては、以下のものが挙げられる:カルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、安息香酸、サリチル酸、アルコキシ安息香酸、例えばエトキシ安息香酸またはプロポキシ安息香酸、アルコキシフタル酸の種々の異性体、例えばエトキシフタル酸およびエトキシイソフタル酸、アルコキシニコチン酸の種々の異性体、例えばエトキシニコチン酸、ピコリン酸の種々の異性体、例えばエトキシピコリン酸等;チオカルボン酸、例えばチオ酢酸;置換フェノキシ基、例えばヒドロキシフェノキシ等;アミン、例えばアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、トリメチルアミノエトキシ等;ホスフェート、例えばリン酸エトキシ;ならびにスルホネート、例えばスルホン酸エトキシ。例示的エステル結合イオン分解性置換基としては、以下のものが挙げられる:カルボン酸、例えばスクシネート、シトレート、フタレート、テレフタレート、イソフタレート、トリメリテート、ならびにピリジン二カルボン酸の種々の異性体等;チオカルボン酸、例えばチオスクシネート;置換フェノキシ基、例えばアミノサリチル酸;アミン、例えば天然または合成アミノ酸、例えばアラニンまたはフェニルアラニン;ホスフェート、例えばリン酸アセチル;ならびにスルホネート、例えばスルホン酸アセチル。必要な水性溶解度も有する芳香族置換ポリマーに関しては、十分な親水性基、例えばヒドロキシプロピルまたはカルボン酸官能基がポリマーに結合されて、ポリマーを、少なくとも任意のイオン分解性基がイオン化されるpHで、水溶性にさせる、というのが望ましい。いくつかの場合には、フタレートまたはとりメリテート置換基のような芳香族基はそれ自体、イオン分解性であり得る。
生理学的関連pHで少なくとも部分的にイオン化される例示的セルロース系ポリマーとしては、以下のものが挙げられる:酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸エチルセルロース、酢酸フタル酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸コハク酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、酪酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、酢酸トリメリト酸メチルセルロース、酢酸トリメリト酸エチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸トリメリト酸セルロース、酪酸トリメリト酸セルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、酢酸ピリジン二カルボン酸セルロース、酢酸サリチル酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルサリチル酸セルロース、酢酸エチル安息香酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロース、酢酸エチルフタル酸セルロース、酢酸エチルニコチン酸セルロースおよび酢酸エチルピコリン酸セルロース。
親水性および疎水性領域を有する両親媒性の定義を満たす例示的セルロース系ポリマーとしては、酢酸フタル酸セルロースおよび酢酸トリメリト酸セルロースのようなポリマーが挙げられ、この場合、1つまたは複数のアセテート置換基を有するセルロース反復単位は、アセテート置換基を有さないか、あるいは1つまたは複数のイオン化フタレートまたはトリメリテート置換基を有するものと比較して、疎水性である。
親水性および疎水性領域を有する両親媒性の定義を満たす例示的セルロース系ポリマーとしては、酢酸フタル酸セルロースおよび酢酸トリメリト酸セルロースのようなポリマーが挙げられ、この場合、1つまたは複数のアセテート置換基を有するセルロース反復単位は、アセテート置換基を有さないか、あるいは1つまたは複数のイオン化フタレートまたはトリメリテート置換基を有するものと比較して、疎水性である。
セルロース系イオン分解性ポリマーの特に望ましいサブセットは、カルボン酸官能芳香族置換基およびあるキレート置換基の両方を保有し、したがって両親媒性であるものである。例示的ポリマーとしては、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸エチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸フタル酸セルロース、酪酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、酢酸トリメリト酸メチルセルロース、酢酸トリメリト酸エチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸トリメリト酸セルロース、酪酸トリメリト酸セルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、酢酸ピリジン二カルボン酸セルロース、酢酸サリチル酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルサリチル酸セルロース、酢酸エチル安息香酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロース、酢酸エチルフタル酸セルロース、酢酸エチルニコチン酸セルロースおよび酢酸エチルピコリン酸セルロースが挙げられる。
セルロース系イオン分解性ポリマーの別の特に望ましいサブセットは、非芳香族カルボキシレート置換基を保有するものである。例示的ポリマーとしては、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルエチルセルロースが挙げられる。
上記のように広範囲のポリマーを用いてCETP阻害剤の分散体を生成し得るが、しかし相対的疎水性ポリマーは、高MDCおよびAUC値により実証されるような最良の性能を示す、ということを本発明人等は見出した。特に、それらの非イオン化状態で水不溶性であるが、しかしそれらのイオン化状態では水溶性であるセルロース系ポリマーは、特に良好に作用する。このようなポリマーの特定のサブクラスはいわゆる「腸溶性」ポリマーと呼ばれ、例としては、例えばある等級のフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび酢酸トリメリト酸セルロースが挙げられる。このようなポリマーから生成される分散体は一般に、結晶薬剤対照に関するものと比較して、溶液試験で達成される最大薬剤濃度で50倍〜1000倍を上回るオーダーで、非常に大きな増強を示す。さらに、非腸溶性等級のこのようなポリマーならびに密接に関連したセルロース系ポリマーは、CETP阻害剤クラス内の物理的特性における類似性のため、良好に作用すると予測される。
したがって特に好ましいポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、およびカルボキシメチルエチルセルロースである。最も好ましいイオン分解性セルロース系ポリマーは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロースおよびカルボキシメチルエチルセルロースである。
本発明の分散体を生成するための特に有効な一ポリマーは、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)である。CETP阻害剤およびCMECから作られる分散体は典型的には、CMECの高ガラス転移温度のため、高相対湿度で高ガラス転移温度を有する。上記のように、このような高Tgは、優れた物理的安定性を有する固体非晶質分散体を生じる。さらに、CMEC上の置換基全てがエーテル結合を介してセルロース主鎖に結合されるため、CMECは優れた化学的安定性を有する。さらに商業的等級のCMEC、例えばFreund Industrial Company, Limited (Tokyo, Japan)により提供されるものは両親媒性で、高度の濃度増強をもたらす。最後に、疎水性CETP阻害剤はしばしば、CMECにおける高溶解度を有し、高薬剤負荷を伴う物理学的安定分散体の生成を可能にする。
CETP阻害剤とともに用いるための特に有効な濃度増強ポリマーは、HPMCASである。
特定のポリマーが本発明の組成物中に用いるのに適していると考察されているが、しかしこのようなポリマーの配合物も適している。したがって「ポリマー」という用語は、単一種のポリマーのほかに、ポリマーの配合物を含むよう意図される。
最良の性能を得るために、特に使用前の長時間の貯蔵時に、CETP阻害剤は、可能な程度に、非晶質状態のままである、というのが好ましい。これは、非晶質CETP阻害剤物質のガラス転移温度Tgが実質的に組成物の貯蔵温度を上回る場合に、最良に達成される。特に、非晶質状態のCETP阻害剤のTgは少なくとも約40度C、好ましくは少なくとも約60℃である、というのが好ましい。しかしながらこれは常に事実であるというわけではない。例えば非晶質トルセトラピブのTgは、約30℃である。組成物が濃度増強ポリマー中のCETP阻害剤の固体の、実質的に非晶質の分散体である本発明のそれらの態様に関しては、濃度増強ポリマーは、少なくとも40℃、好ましくは少なくとも約70℃、さらに好ましくは100℃より高いTgを有するのが好ましい。例示的高Tgポリマーとしては、HPMCAS、HPMCP、CAP、CAT、CMEC、およびあるキレートまたは芳香族置換基またはあるキレートおよび芳香族置換基の両方を有するその他のセルロース誘導体が挙げられる。
別の好ましいクラスのポリマーは、中和酸性ポリマーからなる。「中和酸性ポリマー」とは、「酸性部分」または「酸性置換基」の有意の分画が「中和され」ており、即ちそれらの脱プロトン化形態で存在する任意の酸性ポリマーを意味する。「酸性ポリマー」とは、有意数の酸性部分を保有する任意のポリマーを意味する。概して酸性部分の有意数は、約0.1ミリ当量以上の酸性部分/ポリマー1 gである。「酸性部分」は、水と接触するかまたは水中に溶解されると、少なくとも部分的に水素陽イオンを水に供与し、したがって水素イオン濃度を増大し得る任意の官能基を包含する。この定義は、官能基が約10未満のpKaを有するポリマーに共有結合される場合にそれが称されるように、任意の官能基または「置換基」を包含する。上記の説明に含まれる例示的クラスの官能基としては、カルボン酸、チオカルボン酸、フタレート、フェノール基およびスルホネートが挙げられる。このような官能基は、ポリアクリル酸に関するようなポリマーの一次構造を作り上げ得るが、しかしより一般的には親ポリマーの主鎖と共有結合され、したがって「置換基」と呼ばれる。中和酸性ポリマーは、共有譲渡米国特許出願第10/175,566号(表題「Pharmaceutical Compositions of Drugs and Neutralized Acidic Polymers」)(2002年6月17日出願)(これらの記載内容はともに、参照により本明細書中で援用される)にさらに詳細に記載されている。
さらに、上記の好ましいポリマー、即ち両親媒性セルロース系ポリマーは、本発明の他のポリマーに比して、より大きい濃度増強特性を有する傾向がある。一般にイオン分解性置換基を有する濃度増強ポリマーは、最良に作用する傾向がある。このようなポリマーを有する組成物のin vitro試験は、本発明の他のポリマーを有する組成物より高いMDCおよびAUC値を有する傾向がある。
分散体の調製
非晶質状態であるCETP阻害剤の少なくとも主要部分(少なくとも約60%)固体非晶質分散体を生成するための任意の慣用的方法に従って、CETP阻害剤およびの濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体を製造し得る。このような製法としては、機械的、熱的および溶媒的製法が挙げられる。機械的製法の例としては、微粉砕および押出しが挙げられる;溶融製法としては、高温融合、溶媒改質融合および噴霧乾燥が挙げられる(例えば以下の米国特許(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)参照:米国特許第5,456,923号および第5,939,099号(押出し法による分散体の生成を記載);米国特許第5,340,591号および第4,673,564号(微粉砕法による分散体の生成を記載);ならびに米国特許第5,707,646号および第4,894,235号(溶融凝固法による分散体の生成を記載))。
非晶質状態であるCETP阻害剤の少なくとも主要部分(少なくとも約60%)固体非晶質分散体を生成するための任意の慣用的方法に従って、CETP阻害剤およびの濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体を製造し得る。このような製法としては、機械的、熱的および溶媒的製法が挙げられる。機械的製法の例としては、微粉砕および押出しが挙げられる;溶融製法としては、高温融合、溶媒改質融合および噴霧乾燥が挙げられる(例えば以下の米国特許(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)参照:米国特許第5,456,923号および第5,939,099号(押出し法による分散体の生成を記載);米国特許第5,340,591号および第4,673,564号(微粉砕法による分散体の生成を記載);ならびに米国特許第5,707,646号および第4,894,235号(溶融凝固法による分散体の生成を記載))。
CETP阻害剤が相対的に低い、典型的には約200℃未満、好ましくは150℃未満の融点を有する場合、溶融−凝固または溶融−押出し製法が有益である。このような製法では、CETP阻害剤および濃度増強ポリマーを含む溶融混合物は、急速に冷却されて、溶融混合物を固化して、固体非晶質分散体を生成する。「溶融混合物」とは、CETP阻害剤および濃度増強ポリマーを含む混合物が、1つまたは複数の濃度増強ポリマーおよびその他の賦形剤中にCETP阻害剤が実質的に分散するのに十分に流動性になるよう十分に加熱されることを意味する。一般にこれは、組成物中の最低溶融賦形剤またはCETP阻害剤の融点より約10℃、あるいはそれ以上高い温度に混合物が加熱されることを必要とする。CETP阻害剤は、純粋相として、溶融混合物全体に均質に分散されたCETP阻害剤の溶液として、あるいはこれらの状態またはそれらの間の中間に位置する状態の任意の組合せとして、溶融混合物中に存在し得る。溶融混合物は好ましくは、溶融混合物全体にできるだけ均質にCETP阻害剤が分散されるよう、実質的に均質である。溶融混合物の温度がCETP阻害剤および濃度増強ポリマーの両方の融点より低い場合、溶融賦形剤、濃度増強ポリマーおよびCETP阻害剤は好ましくは、CETP阻害剤の実質的部分が濃度増強ポリマーまたは賦形剤中に分散するよう互いに十分に溶解性である。混合物は濃度増強ポリマーおよびCETP阻害剤の融点の低いほうより高い温度に加熱される、というのがしばしば好ましい。濃度増強ポリマーは非晶質である、ということに留意すべきである。このような場合、融点は、ポリマーの軟化点を指す。したがって「融点」という用語は、本明細書中で用いる場合、一般に結晶物質がその結晶からその液体状態に転移する温度を特定的に指すが、しかし本用語は、より広範に用いられて、それが流動状態で結晶物質と同様に流体になるのに十分に任意の物質または物質の混合物を加熱することを指す。
一般に加工処理温度は、CETP阻害剤およびポリマーの融点によって(後者は選択されるポリマー等級の一関数である)、約50℃から約200℃またはそれ以上まで変わり得る。しかしながら加工処理温度は、CETP阻害剤またはポリマーの非許容可能レベルの分解が起こるほど高くすべきでない。いくつかの場合、溶融混合物は、加工処理温度でのCETP阻害剤および/またはポリマーの分解を防止するために、不活性大気中で生成されるべきである。相対的に高い温度が用いられる場合、分解を最小限にするために混合物が高温で存在する時間を最小限にするのがしばしば好ましい。
溶融混合物は、溶融混合物の溶融温度を低減し、それにより低い温度での加工を可能にする賦形剤も含み得る。このような賦形剤が低揮発性を有し、そして実質的に固化時に混合物中に留まる場合、それらは一般に、溶融混合物の30重量%までを構成し得る。例えばポリマーの溶融温度を低減するために、可塑剤が混合物に付加され得る。可塑剤の例としては、水、クエン酸トリエチル、トリアセチンおよびセバシン酸ジブチルが挙げられる。ポリマーを溶解するかまたは膨潤する揮発性作用物質、例えばアセトン、水、メタノールおよび酢酸エチルも、溶融混合物の融点を低減するために付加され得る。このような揮発性賦形剤が付加される場合、このような賦形剤の少なくとも一部分(本質的には全てまで)が、溶融混合物の固体混合物への変換の過程においてまたは変換後に蒸発し得る。このような場合、加工処理は、溶媒加工と溶融−凝固または溶融−押出しの組合せであると考えられ得る。溶融混合物からのこのような揮発性賦形剤の除去は、溶融混合物を小液滴に分解するかまたは霧化し、そして液滴が冷却し、揮発性賦形剤の全てまたは一部を失うよう、液滴を流体と接触させることにより成し遂げられ得る。加工処理温度を低減するために混合物に付加され得る他の賦形剤の例としては、低分子量ポリマーまたはオリゴマー、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンおよびポロキサマー;脂肪および油、例えばモノ、ジおよびトリグリセリド;天然および合成蝋、例えばカルナウバ蝋、蜜蝋、微晶質蝋、ヒマシ油およびパラフィン蝋;長鎖アルコール、例えばセチルアルコールおよびステアリルアルコール;ならびに長鎖脂肪酸、例えばステアリン酸が挙げられる。上記のように、付加される賦形剤が揮発性である場合、それは混合物から除去され得るが、しかし依然として溶融されたままであるか、または固化後に固体非晶質分散体を生成する。
実際上任意の製法が、溶融混合物を生成するために用いられ得る。一方法は、容器中で濃度増強ポリマーを溶融し、次に溶融ポリマーにCETP阻害剤を付加することを包含する。別の方法は、容器中でCETP阻害剤を溶融し、次に濃度増強ポリマーを付加することを包含する。さらに別の方法では、CETP阻害剤および濃度増強ポリマーの固体配合物を容器に付加し、そして配合物を加熱して、溶融混合物を生成し得る。
一旦溶融混合物が生成されると、それは、CETP阻害剤が溶融混合物全体に均質に分布されることを保証するために混合され得る。このような混合は、機械的手段、例えばオーバーヘッドミキサー、磁気駆動式ミキサーおよび撹拌棒、遊星運動ミキサーおよびホモジナイザーを用いて実行され得る。任意に、溶融混合物が容器中に生成されると、容器の内容物は容器からポンプで汲み出され、直列または固定ミキサーを通して、次に容器に戻される。溶融混合物を混合するために用いられる剪断の量は、溶融混合物中のCETP阻害剤の均一分布を保証するために十分に高い必要がある。溶融混合物は、2〜3分から数時間混合され、混合時間は、混合物の粘度、CETP阻害剤の溶解度および濃度増強ポリマー中の任意の賦形剤の存在によっている。
溶融混合物を調製するさらに別の方法は、2つの容器を用い、第一容器中にCETP阻害剤を、そして第二容器中に濃度増強ポリマーを溶融することである。次に2つの溶融物を直列固定ミキサーまたは押出機を通して汲み出して、溶融混合物を産生し、次にこれが急速に固化される。
溶融混合物を調製するさらに別の方法は、押出機、例えば一軸または二軸押出機(ともに当該技術分野で周知である)の使用による。このような装置では、組成物の固体供給原料は押出機に供給され、それにより熱および剪断力の組合せが均一混合溶融混合物を産生し、次にこれは急速に固化されて、固体非晶質分散体を生成し得る。固体供給原料は、高内容物均一性を有する固体混合物を得るための当該技術分野で周知の方法を用いて調製され得る。あるいは押出機は、2つの供給装置を装備されて、一供給装置を介してCETP阻害剤を、そして別の装置を介してポリマーを、押出機に供給させる。上記のような加工処理温度を低減するための他の賦形剤は固体供給物中に含まれ得るし、あるいは液体賦形剤、例えば水の場合は、当該技術分野で周知の方法を用いて押出機に注入され得る。
押出機は、組成物全体に均一に分布されたCETP阻害剤との溶融混合物をそれが産生するよう設計されるべきである。押出機中の種々の区域は、当該技術分野で周知の手法を用いて、所望の押出温度ならびに所望の混合または剪断度を得るために適切な温度に加熱される必要がある。
CETP阻害剤が濃度増強ポリマー中で高溶解度を有する場合、固体非晶質分散体を生成するために必要とされる機械的エネルギーの量はより少ない。非分散CETP阻害剤の融点が非分散濃度増強ポリマーの融点より高い場合、CETP阻害剤は溶融ポリマー中に溶解するため、加工処理温度は非分散CETP阻害剤の溶融温度より低いが、しかしポリマーの融点より高い。非分散CETP阻害剤の融点が非分散濃度増強ポリマーの融点より低い場合、溶融CETP阻害剤はポリマー中に溶解するかまたは吸収されるため、加工処理温度は非分散CETP阻害剤の融点より高いが、しかし非分散温度増強ポリマーの融点より低い。
CETP阻害剤がポリマー中で低溶解度を有する場合、固体非晶質分散体を生成するためにはより多量の機械的エネルギーが必要とされ得る。この際、加工処理温度は、CETP阻害剤およびポリマーの融点より高いことが必要である。あるいは上記のように、濃度増強ポリマーおよびCETP阻害剤の融点または相互溶解度を促進する液体または低融点賦形剤が付加され得る。CETP阻害剤およびポリマーを混合して分散体を生成するためには多量の機械的エネルギーも必要とされ得る。典型的には、厳しい条件へのCETP阻害剤の曝露を最小限にするために、申し分ない分散体(実質的に非晶質で且つ実質的に均質)を産生する最低量の機械的エネルギー、即ち剪断応力を付与する最低加工処理温度および押出機設計が選択される。
CETP阻害剤および濃度増強ポリマーの溶融混合物が一旦生成されれば、混合物は急速に固化して、固体非晶質分散体を生成するはずである。「急速に固化される」とは、CETP阻害剤およびポリマーの実質的相分離が起きないよう十分迅速に溶融混合物が固化される、ということを意味する。典型的にはこれは、混合物が約10分未満で、好ましくは約5分未満で、さらに好ましくは約1分未満で固化されるべきである、ということを意味する。混合物が迅速に固化されない場合、相分離が起こって、富CETP阻害剤および富ポリマー相の形成を引き起こし得る。
固化はしばしば、主に溶融混合物をその融点より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約30℃低い温度に冷却することにより起こる。上記のように、固化はさらに、1つまたは複数の揮発性賦形剤または溶媒の全部または一部の蒸発により促進され得る。揮発性賦形剤の迅速冷却および蒸発を促すために、溶融混合物はしばしば、高表面積形状、例えば棒または繊維または小滴に成形される。例えば溶融混合物は、1つまたは複数の小穴を通して押出されて、細長い繊維または棒に成形されるか、あるいは直径1 μm〜1 cmの小滴に溶融混合物を分断する装置、例えばアトマイザー、例えば回転円板に供給され得る。小滴は次に、相対的に冷たい流体、例えば空気または窒素と接触されて、冷却および蒸発を促す。
溶融−凝固または溶融−押出し法により実質的に均質で、実質的に非晶質の分散体を生成するための条件を評価し、選択するための有用なツールは、示差走査熱量計(DSC)である。試料がDSCで加熱され、冷却され得る速度は限定されるが、しかしそれは試料の加熱歴の精確な制御を可能にする。例えばCETP阻害剤および濃度増強ポリマーは乾燥配合され、次にDSC試料鍋中に入れられる。次にDSCは所望の速度で試料を加熱し、所望時間、所望の温度で試料を保持し、そして次に周囲温度またはそれより低い温度に試料を急速に冷却するようプログラムされ得る。次に試料はDSCで再分析されて、それが実質的に均質の、実質的に非晶質の分散体(即ち試料は単一Tgを有する)に変換された、ということを立証し得る。この手法を用いて、所定のCETP阻害剤および濃度増強ポリマーに関して実質的に均質の、実質的に非晶質の分散体を達成するのに必要とされる温度および時間が確定され得る。
固体非晶質分散体を生成するための別の方法は、共通溶媒中のCETP阻害剤および1つまたは複数のポリマーの溶解からなる「溶媒処理」によるものである。「共通」とは、ここでは、化合物の混合物であり得る溶媒が、CETP阻害剤およびポリマー(単数または複数)の両方を溶解する、ということを意味する。CETP阻害剤およびポリマーの両方が溶解した後、蒸発により、または非溶媒との混合により、溶媒は迅速に除去される。例示的方法は、噴霧乾燥、噴霧コーティング(パンコーティング、流動床コーティング等)、ならびにポリマーおよびCETP阻害剤溶液とCO2、水またはいくつかのその他の非溶媒との急速混合による沈殿である。好ましくは溶媒の除去は、実質的に均質な固体非晶質分散体の生成をもたらす。このような分散体中では、CETP阻害剤はポリマー全体を通してできるだけ均質に分散され、そしてポリマー(単数または複数)中に分散されたCETP阻害剤の固溶体と考えられ得るが、この場合、固体非晶質分散体は熱力学的に安定であり、これは、ポリマー中のCETP阻害剤の濃度がその平衡値であるかまたはそれより低いことを意味し、あるいはそれは、濃度増強ポリマー(単数または複数)中のCETP阻害剤濃度がその平衡値より高い過飽和固溶体であるとみなされ得る。
溶媒は、噴霧乾燥により除去され得る。「噴霧乾燥」という用語は、慣用的に用いられ、そして広範に、小液滴への液体混合物の分断(霧化)ならびに噴霧乾燥装置中の混合物からの溶媒の迅速除去を包含する方法を指すが、この場合、小滴からの溶媒の蒸発のための強力な駆動力が存在する。噴霧乾燥法および噴霧乾燥設備は、Perry’s Chemical Engineers’ Handbook, pages 20-54〜20-57 (Sixth Edition 1984)に一般的に記載されている。噴霧乾燥法および設備に関するさらなる詳細は、Marshall, “Atomization and Spray-Drying,” 50 Chem. Eng. Prog. Monogr. Series 2 (1954)およびMasters, Spray Drying Handbook (Fourth Edition 1985)により再検討されている。溶媒蒸発のための強力な駆動力は一般に、噴霧乾燥装置中の溶媒の分圧を乾燥小滴の温度での溶媒の蒸気圧より十分に低く保持することにより提供される。これは、(1)噴霧乾燥装置中の圧力を部分真空(例えば0.01〜0.50 atm)に保持し;または(2)液体小滴を温乾燥ガスと混合し;あるいは(3)(1)および(2)の両方により成し遂げられる。さらに溶媒の蒸発のために必要とされる熱の少なくとも一部分は、噴霧溶液を加熱することにより提供され得る。
噴霧乾燥に適した溶媒は、CETP阻害剤およびポリマーが相互に可溶性である任意の有機化合物であり得る。好ましくは溶媒は、揮発性でもあり、150またはそれ未満の沸点を有する。さらに溶媒は、相対的に低毒性を有し、そしてハーモナイゼーションに関する国際会議(ICH)ガイドラインに従って許容可能であるレベルに固体非晶質分散体から除去される。このレベルへの溶媒の除去は、その後の処理工程、例えばトレー乾燥を必要とし得る。好ましい溶媒としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノールおよびブタノール;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン;エステル、例えばエチルアセテートおよびプロピルアセテート;ならびに種々のその他の溶媒例えばアセトニトリル、塩化メチレン、トルエンおよび1,1,1−トリクロロエタンが挙げられる。低揮発性溶媒、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドも用いられ得る。ポリマーおよびCETP阻害剤が噴霧乾燥法を実行可能にするのに十分に可溶性である限り、溶媒の混合物、例えば50%メタノールおよび50%アセトンも、水との混合物と同様に用いられ得る。一般に、低溶解度CETP阻害剤の疎水性のため、非水性溶媒が好ましく、これは、溶媒が約10重量%未満の水を含むことを意味する。
CETP阻害剤および濃度増強ポリマーを含む溶媒保有供給物は、広範な種々の条件下で噴霧乾燥され、そしてさらに許容可能な特性を有する分散体を生じ得る。例えば種々の種類のノズルを用いて、噴霧用液を霧化し、それにより噴霧用液を小液滴の収集物として噴霧乾燥小室中に導入し得る。生成される小滴が、噴霧乾燥小室壁に張り付かないかまたは被覆しないよう十分に乾燥する(溶媒の蒸発のため)のに十分に小さく生成される限り、本質的に任意の種類のノズルを用いて溶液を噴霧し得る。
最大液滴サイズは噴霧乾燥機内でのサイズ、形状および流動パターンの一関数として広範に変動するが、しかし一般に液滴は、それらがノズルを出る時に、直径約500 μm未満であるべきである。固体非晶質分散体を生成するために用いられ得るノズルの種類の例としては、二流体ノズル、噴水ノズル、フラットファンノズル、圧力ノズルおよび回転アトマイザーが挙げられる。好ましい実施形態では、共有譲渡同時係属中米国特許仮出願60/353,986号(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に詳細に開示されているように、圧力ノズルが用いられる。
噴霧溶液は、広範囲の温度および流量で、単数または複数の噴霧ノズルに送達され得る。一般に噴霧溶液温度は、溶媒の凝固点の直ぐ上からその周囲圧沸点(溶液を加圧)より約20℃高い温度までのどこかの範囲であり、いくつかの場合にはそれより高い場合さえあり得る。噴霧ノズルへの噴霧溶液流量は、ノズルの種類、噴霧乾燥機サイズおよび噴霧乾燥条件、例えば流入温度および乾燥気体の流量によって、広範囲に亘って変わり得る。一般に噴霧乾燥法における噴霧溶液からの溶媒の蒸発のためのエネルギーは、主に乾燥気体から得られる。
乾燥気体は、主に、本質的に任意の気体であり得るが、しかし安全性の理由のために、そして固体非晶質分散体中のCETP阻害剤または他の物質の望ましくない酸化を最小限にするために、不活性気体、例えば窒素、富窒素空気またはアルゴンが利用される。乾燥気体は、典型的には約60℃〜約300℃、好ましくは約80℃〜約240℃の温度で乾燥小室中に導入される。
液滴の大きな表面対容積比および溶媒の蒸発のための大きな駆動力は、液滴に関する急速固化時間をもたらす。固化時間は、約20秒未満、好ましくは約10秒未満、さらに好ましくは1秒未満であるべきである。この急速固化はしばしば、富CETP阻害剤および富ポリマー相に分離する代わりに、均一均質分散体を保持する粒子にとって重大である。好ましい実施形態では、噴霧乾燥機の高さおよび容積は、共有譲渡同時係属中米国特許仮出願60/354,080号(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に詳細に開示されているように、噴霧乾燥機の内表面に衝突する前に、液滴が乾燥するのに十分な時間を提供するよう調整される。上記のように、濃度および生物学的利用能における大きな増強を得るために、できるだけ均質な分散体を得ることがしばしば必要である。
固化後、固体粉末は典型的には、約5〜60秒間噴霧乾燥小室中にとどまって、固体粉末から溶媒をさらに蒸発させる。これは固体非晶質分散体中のCETP阻害剤分子の移動度を低減するため、乾燥機を出る時の固体分散体の最終溶媒含量は低いはずである。一般に噴霧乾燥小室を出る時の固体非晶質分散体の溶媒含量は、約10重量%未満、好ましくは約2重量%未満であるべきである。生成後、固体非晶質分散体は、適切な乾燥法、例えばトレー乾燥、流動床乾燥、マイクロ波乾燥、ベルト乾燥および当該技術分野で既知のその他の乾燥方法を用いて、残留溶媒を除去するために乾燥され得る。
固体非晶質分散体は通常は、小粒子の形態である。粒子の平均サイズは、直径約500 μm未満、または直径約100 μm未満、直径約50 μm未満、または直径約25 μm未満であり得る。固体非晶質分散体が噴霧乾燥により生成される場合、その結果生じる分散体はこのような小粒子の形態である。固体非晶質分散体が他の方法により、例えば溶融−凝固または押出し法により生成される場合、その結果生じる分散体は篩に掛けられ、磨砕され、またはそうでなければ加工処理されて、複数の小粒子を産生し得る。
CETP阻害剤および濃度増強ポリマーを含む固体非晶質分散体が一旦生成されれば、いくつかの処理操作を用いて、剤形中への分散体の混入を促し得る。これらの処理操作としては、乾燥、造粒および微粉砕が挙げられる。
固体非晶質分散体は、適切な剤形を形成しながら、粒子サイズを増大し、分散体の取扱いを改良するよう造粒され得る。好ましくは顆粒の平均サイズは、50〜1000 μmの範囲である。このような造粒法は、上記のように、組成物が乾燥される前または後に実施され得る。乾式または湿式造粒方法は、この目的のために用いられ得る。乾式造粒法の一例は、ローラー圧縮である。湿式造粒法としては、いわゆる低剪断および高剪断造粒、ならびに流動床造粒が挙げられる。これらの方法では、造粒組成物の生成の助けとなるよう乾燥構成成分が配合された後に、造粒流体が組成物と混合される。造粒流体の例としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、ブタノールの種々の異性体、およびそれらの混合物が挙げられる。
湿式造粒法が用いられる場合、造粒組成物はしばしば、さらなる加工処理の前に乾燥される。湿式造粒と結びつけて用いられるべき適切な乾燥方法の例は、上記のものと同一である。固体非晶質分散体が溶媒法により製造される場合、組成物は、残留溶媒の除去の前に造粒され得る。乾燥工程中、残留溶媒および造粒流体は組成物から同時発生的に除去される。
組成物が一旦造粒されると、それは次に微粉砕されて、所望の粒子サイズを達成し得る。組成物を微粉際するための適切な方法の例としては、ハンマー方式微粉砕、ボール式微粉砕、流体エネルギー微粉砕、ローラー式微粉砕、カッティング式微粉砕、および当該技術分野で既知のその他の微粉砕法が挙げられる。
CETP阻害剤および濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体の生成方法は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第09/918,127号および10/066,091号(これらの記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に詳細に記載されている。
CETP阻害剤の固体非晶質分散体は、上記の方法を用いて、制御放出デバイス中に処方され得る。
脂質ビヒクル処方物
本発明の別個の態様では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、CETP阻害剤、ならびに食用油、親油性溶媒(別の溶媒が実際に存在するか否かにかかわらず、本明細書中では補助溶媒とも呼ばれる)、親油性界面活性剤およびその任意の2つまたはそれ以上の混合物から選択される親油性ビヒクルを含む。実施形態としては、CETP阻害剤と、(1)製薬上許容可能な食用油および界面活性剤の組合せ;(2)製薬上許容可能な食用油およびそれと混和性である親油性溶媒の組合せ;ならびに(3)製薬上許容可能な食用油、親油性溶媒および界面活性剤の組合せが挙げられる。
本発明の別個の態様では、溶解度改善形態のCETP阻害剤は、CETP阻害剤、ならびに食用油、親油性溶媒(別の溶媒が実際に存在するか否かにかかわらず、本明細書中では補助溶媒とも呼ばれる)、親油性界面活性剤およびその任意の2つまたはそれ以上の混合物から選択される親油性ビヒクルを含む。実施形態としては、CETP阻害剤と、(1)製薬上許容可能な食用油および界面活性剤の組合せ;(2)製薬上許容可能な食用油およびそれと混和性である親油性溶媒の組合せ;ならびに(3)製薬上許容可能な食用油、親油性溶媒および界面活性剤の組合せが挙げられる。
一実施形態では、本発明は、CETP阻害剤の経口的生物学的利用能を増大するための物質の組成物を提供する。組成物は以下のものを含む:
1.CETP阻害剤;
2.補助溶媒;
3.1〜約8以下のHLBを有する界面活性剤;
4.8より大きく約20までのHLBを有する界面活性剤;
5.任意に食用油。
1.CETP阻害剤;
2.補助溶媒;
3.1〜約8以下のHLBを有する界面活性剤;
4.8より大きく約20までのHLBを有する界面活性剤;
5.任意に食用油。
このような処方物では、賦形剤は全て製薬上許容可能である。上記の組成物は、水またはその他の水性媒質、通常は消化液と静かに混合される場合、安定乳濁液を生成するその機能に関連して、時としては「前濃縮物」と呼ばれる。それは、軟質ゲルカプセルのための充填物としてのその有用性に関連して、本明細書中では「充填物」とも呼ばれる。
本発明とともに用いるための好ましい剤形として、本明細書中ではしばしばソフトゲルについての言及がなされているが、「ソフトゲル」は軟質ゼラチンカプセルの略号である。「ソフトゲル」という用語単独に言及される場合、硬度、軟度等にかかわらず、セラチンおよび非ゼラチンの全ての種類に本発明は等しく当てはまる、と理解される。
補助溶媒とは、当該CETP阻害剤が高溶解性であり、任意の所定のCETP阻害剤に関して少なくとも約150 mg/mLの溶解度を有する溶媒を意味する。
上記のように、そして以下でさらに考察されるように、食用油は前濃縮物の一部を構成し得る。前濃縮物の他の構成成分が乳濁可能油性相として機能し得ない場合、食用油は、CETP阻害剤のための溶媒として作用する、そして前濃縮物が一旦水に付加されたら、(乳濁可能)油小滴相を形成するよう分散する油として含まれ得る。しかしながらいくつかの界面活性剤は、二元的機能、即ち界面活性剤として、そして水中油型乳濁液を形成するための溶媒および油性ビヒクルとして作用する機能を供し得る。界面活性剤が用いられるような事象において、そして用いられる量によって、食用油はそれほど多くない量で必要とされ得る死、あるいは全く必要とされ得ない。
前濃縮物は、自己乳化性または自己微小乳化性であり得る。
「自己乳化性」という用語は、水またはその他の水性媒質により少なくとも約100分の1に希釈され、静かに混合されると、約5μ未満の、しかし約100 nmより大きい平均液滴直径を有し、一般に多分散性である不透明安定油/水乳濁液を生じる処方物を指す。このような乳濁液は少なくとも数時間(即ち少なくとも約6時間)安定であり、これは、視覚的検出可能相分離が存在せず、そしてCETP阻害剤の視覚的検出可能結晶化が認められない、ということを意味する。
「自己乳化性」という用語は、水またはその他の水性媒質により少なくとも約100分の1に希釈され、静かに混合されると、約5μ未満の、しかし約100 nmより大きい平均液滴直径を有し、一般に多分散性である不透明安定油/水乳濁液を生じる処方物を指す。このような乳濁液は少なくとも数時間(即ち少なくとも約6時間)安定であり、これは、視覚的検出可能相分離が存在せず、そしてCETP阻害剤の視覚的検出可能結晶化が認められない、ということを意味する。
「自己微小乳化性」という用語は、水性媒質で少なくとも100×希釈し、そして静かに混合した場合に、約1μまたはそれ未満の平均液滴サイズを有する非不透明安定油/水乳濁液を生じる前濃縮物を指し、上記平均粒子サイズは、好ましくは約100 nm未満である。粒子サイズは主として単一モードである。最も好ましくは、乳濁液は透明であり、そして例えば動的光散乱により確定した場合に約50 nm未満の平均直径を有する単一モード粒子サイズ分布を有する。マイクロエマルションは、熱力学的に安定であり、CETP阻害剤の結晶化の任意の徴候を有さない。
上記で用いたような「静かに混合する」とは、静かに手(または機械)で混合することによる、例えば標準実験室混合用機械での反復反転による、乳濁液の生成を指す、と当該技術分野では理解される。高剪断混合は、乳濁液を生成するためには必要でない。このような前濃縮物は一般に、ヒト(または他の動物)消化管中に導入されると、ほぼ自発的に乳化する。
一方が1〜8のHLBを有する低HLB界面活性剤であり、他方が8〜20を上回る高HLBを有する高HLB界面活性剤である2つの界面活性剤の組合せを用いて、効率的乳化のための正確な条件を作り出し得る。「疎水性−親油性平衡」の頭字語であるHLBは、非イオン性界面活性剤に関しては1〜20の範囲であり得る評価尺度である。HLBが高いほど、界面活性剤はより親水性である。親水性界面活性剤(HLB約8〜20)は、単独で用いられる場合、有益には胃からたぶん一様に空になる微細乳濁液を提供し、そして吸収のための非常に広い表面積を提供する。しかしながら不都合なことに、このような高HLB界面活性剤の油との混和性限定はそれらの有効性を制限し得るので、したがって低HLB親油性界面活性剤(HLB約1〜8)も含まれる。界面活性剤のこの組合せは、優れた乳化も提供し得る。中鎖トリグリセリド(例えばミグリオールMiglyol(登録商標)812)、ポリソルベート80(HLB15)および中鎖モノ/ジグリセリド(カプマルCapmul(登録商標)MCM、HLB=6)の組合せは、ミグリオール812およびHLBが10の界面活性剤(ラブラファクLabrafac(登録商標)CM)と同様に効率的である、ということが判明した(N.H. Shah et al. Int. J. Pharm., vol 106, 15 (1994))。自己乳化系のために高および低HLB界面活性剤の組合せを用いる利点、例えば脂肪分解の促進は、米国特許第6,096,338号(Lacy)により実証されている。
ビヒクルとして単独で用いられ得るかまたは混合物の一部として食用油を含むビヒクル中に用いられ得る適切な食用油としては、中鎖トリグリセリド(MCT、C1〜C12)および長鎖トリグリセリド(LCT、C14〜C20)、ならびにモノ、ジおよびトリグリセリドの混合物、あるいはアルキルアルコールとのエステルのような脂肪酸の親油性誘導体が挙げられる。好ましいMCTの例としては、分留ヤシ油、例えばミグリオールMiglyol(登録商標)812(56%カプリル酸(C8)および36%カプリン酸(C10)トリグリセリド)、ミグリオールMiglyol(登録商標)810(68%C8および28%C10)、ネオビーNeobee(登録商標)M5、カプテックスCaptex(登録商標)300、カプテックスCaptex(登録商標)350およびクロダモールCrodamol(登録商標)GTCCが挙げられる。ミグリオールは、Condea Vista Inc. (Huls)により、ネオビー(登録商標)はStepan Europe, Voreppe, Franceにより、カプテックス(登録商標)はAbitec Corp.により、そしてクロダモール(登録商標)はCroda Corpにより供給される。LCTの例としては、植物油、例えばダイズ、ベニバナ、トウモロコシ、オリーブ、綿実、落花生、ヒマワリ種子、ヤシまたはナタネ油が挙げられる。アルキルアルコールの脂肪酸エステルの例としては、エチルオレエートおよびグリセリルモノオレエートが挙げられる。食用油の中で、MCTが好ましく、ミグリオール(登録商標)812が最も好ましい。
ビヒクルは、単独で用いるための、または混合物中の補助溶媒としての製薬上許容可能な溶媒でもあり得る。適切な溶媒としては、投与単位当たりの所望の用量の送達を可能にするために、処方物中のCETP阻害剤の溶解度を増大するために用いられる任意の溶媒が挙げられる。一般的に個々の溶媒中のCETP阻害剤の溶解度を予測することはできないが、しかしこのようなものは、「試行」により容易に確定され得る。適切な溶媒としては、トリアセチン(1,2,3−プロパントリイルトリアセテートまたはグリセリルトリアセテート、Eastman Chemical Corp.から入手可能)、または脂肪酸のその他のポリオールエステル、トリアルキルクエン酸エステル、プロピレンカルボネート、ジメチルイソソルバイド、エチルラクテート、N−メチルピロリドン、トランスクトールTranscutol、グリコフロール、ペパーミント油、1,2−プロピレングリコール、エタノールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。溶媒として好ましいのは、トリアセチン、プロピレンカルボネート(Huntsman Corp.)、トランスクトール(Gattefosse)、エチルラクテート(Purac, Lincolnshire, NE)およびジメチルイソソルバイド(ARLASOLVE DMI, ICI Americasの登録商標で販売)である。親水性溶媒はカプセル外殻に移動して、外殻を軟化し、そして揮発性である場合には、組成物中のその濃度が低減されるが、しかし有効構成成分(CETP阻害剤)溶解度におそらくは負の作用を及ぼすと思われる。さらに好ましいのは、親油性溶媒トリアセチン、エチルアセテートおよびプロピレンカルボネートである。
8〜20のHLBを有する、好ましくは約10より大きいHLBを有する親水性界面活性剤は、乳濁液小滴粒子サイズを低減するに際して特に有効である。適切な選択としては、非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80(TWEEN 80の商品名でICIから市販されている);ポリオキシエチレン20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20、TWEEN 20);ポリエチレン(40または60)硬化ヒマシ油(クレモフォアCREMOPHOR(登録商標)RH40およびRH60の登録商標でBASFから入手可能);ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油(CREMOPHOR(登録商標)EL);ポリエチレン(60)硬化ヒマシ油(ニッコールNikkol(登録商標)HCO−60);αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS);グリセリルPEG8カプリレート/カプレート(ラブラゾールLABRASOL(登録商標)の登録商標でGattefosseから市販されている);PEG32グリセリルラウレート(ゲルシレGELUCIRE(登録商標)44/14の登録商標でGattefosseから市販されている)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(MYRJの登録商標でICIから市販されている)、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル(BRIJの登録商標でICIから市販されている)が挙げられる。好ましいのは、ポリソルベート80、セレモフォア(登録商標)RH40(BASF)およびビタミンE TPGS(Eastman)である。
約8未満のHLBを有する親油性界面活性剤は、安定乳濁液を提供するために極性の平衡を達成するために有用であり、そして親水性界面活性剤の脂肪分解抑制作用を逆転するためにも用いられてきた。適切な親油性界面活性剤としては、以下の登録商標下でのカプリン酸およびカプリル酸のモノおよびジグリセリド:カプムル(登録商標)MCM、MCM8およびMCM10(Abitecから市販);およびImwitor(登録商標)988、742または308(Condea Vistaから市販);ポリオキシエチレン6杏仁油(Labrafil(登録商標)M1944CSの登録商標でGattefosseから市販);ポリオキシエチレンコーン油(Labrafil(登録商標)M2125として市販);プロピレングリコールモノラウレート(ラウログリコールLauroglycolとしてGattefosseから市販);プロピレングリコールジカプリレート/カプレート(カプテックスCaptex(登録商標)200としてAbitecから、またはミグリオール(登録商標)840としてCondea Vistaから市販);ポリグリセリルオレエート(Plurol oleiqueとしてGattefosseから市販);脂肪酸のソルビタンエステル(例えばSpan(登録商標)20、Crill(登録商標)1、Crill(登録商標)4、ICIおよびCrodaから市販);およびグリセリルモノオレエート(Maisine、Peceol)が挙げられる。このクラスから好ましいのは、カプムル(登録商標)MCM(Abitec Corp.)およびLabrafil(登録商標)M1944CS(Gattefosse)である。
上記の主要液体処方物のほかに、ソフトゲル処方物について当該技術分野で慣用的に既知のような他の安定化添加剤、例えば酸化防止剤(BHA、BHT、トコフェロール、プロピルガレート等)および防腐剤、例えばベンジルアルコールまたはパラベンが、通常は相対的に少量で、必要とされる場合に、充填物に導入され得る。
組成物は、当該技術分野で一般的に用いられる方法により、軟質ゼラチンカプセル、適切な封止装置を有する硬質ゼラチンカプセル、非ゼラチンカプセル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル、あるいは経口液体または乳濁液中に封入される充填物として処方され得る。充填物は、賦形剤およびCETP阻害剤を、必要な場合は加熱しながら、混合することにより調製される。
CETP阻害剤、食用油、補助溶媒および界面活性剤の比率は乳化の効率および溶解度によっており、そして溶解度は所望されるカプセル当たりの用量によっている。自己乳化処方物は一般に、主要目標が高用量/ソフトゲル(k少なくとも約60 mg)を送達することである場合に有用であり、一般に油溶液単独を用いるより非常に低い栄養物作用を伴う。概して、前濃縮物中の少なくとも約140 mg/mLのCETP阻害剤の溶解度を有し、したがってより高量の補助溶媒ならびにより低レベルの界面活性剤および油を要するソフトゲル前濃縮物が好ましい。
概して、CETP阻害剤の自己乳化処方物のための以下の範囲(重量%)の構成成分が存在する:
1〜50%CETP阻害剤
5〜60%補助溶媒
5〜75%高HLB界面活性剤
5〜75%低HLB界面活性剤。
1〜50%CETP阻害剤
5〜60%補助溶媒
5〜75%高HLB界面活性剤
5〜75%低HLB界面活性剤。
有益に低い栄養物作用を有する好ましい範囲としては直ぐ下に記載されるものが挙げられる:
1〜33%CETP阻害剤
0〜30%食用油
15〜55%補助溶媒
5〜40%高HLB界面活性剤
10〜50%低HLB界面活性剤。
1〜33%CETP阻害剤
0〜30%食用油
15〜55%補助溶媒
5〜40%高HLB界面活性剤
10〜50%低HLB界面活性剤。
CETP阻害剤の自己微小乳化処方物に関する一般的範囲(重量%)を以下に示す:
1〜40%CETP阻害剤
5〜65%食用油
5〜60%補助溶媒
10〜75%高HLB界面活性剤
5〜75%低HLB界面活性剤。
1〜40%CETP阻害剤
5〜65%食用油
5〜60%補助溶媒
10〜75%高HLB界面活性剤
5〜75%低HLB界面活性剤。
このような脂質ビヒクル処方物のさらなる詳細は、共有譲渡同時係属中の米国特許出願10/175,643号(2002年6月19日出願)(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されている。
このような脂質ビヒクル処方物は、例えば上記のもののような制御放出および即時放出デバイス中に処方され得る。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、低密度リポタンパク質、総コレステロールまたは両方の血漿濃度を低下させ得る任意のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり得る。一態様では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、一般的にスタチンと呼ばれる治療薬の一クラスからである。用いられ得るHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例としては、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標);米国特許第4,231,938号;第4,294,926号;第4,319,039号参照)、シムバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許第4,444,784号;第4,450,171号;第4,820,850号;第4,916,239号参照)、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標);米国特許第4,346,227号;第4,537,859号;第4,410,629号;第5,030,447号および第5,180,589号参照)、プラバスタチンのラクトン(米国特許第4,448,979号参照)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標);米国特許第5,354,772号;第4,911,165号;第4,739,073号;第4,929,437号;第5,189,164号;第5,118,853号;第5,290,946号;第5,356,896号参照)、フルバスタチンのラクトン、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標);米国特許第5,273,995号;第4,681,893号;第5,489,691号;第5,342,952号参照)、アトルバスタチンのラクトン、ロスバスタチン(Crestor(登録商標);米国特許第5,260,440号およびRE37314および欧州特許EP521471参照)、ロスバスタチンのラクトン、イタバスタチン、ニスバスタチン、ビサスタチン、アタバスタチン、ベルバスタチン、コンパクチン、ジヒドロコンパクチン、ダルバスタチン、フルインドスタチン、ピチバスタチン、メバスタチン(米国特許第3,983,140号参照)およびベロスタチン(シンビノリンとも呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定されない。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤のその他の例は、米国特許第5,217,992号;第5,196,440号;第5,189,180号;第5,166,364号;第5,157,134号;第5,110,940号;第5,106,992号;第5,099,035号;第5,081,136号;第5,049,696号;第5,049,577号;第5,025,017号;第5,011,947号;第5,010,015号;第4,970,221号;第4,940,800号;第4,866,058号;第4,686,237号;第4,647,576号;欧州特許第号0142146A2および0221025A1;ならびにPCT出願WO 86/03488およびWO 86/07054に記載されている。上記の製薬上許容可能な形態も含まれる。上記の参考文献は全て、参照により本明細書中で援用される。好ましくはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、シムバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン、フルインドスタチン、ロスバスタチン、ピチバスタチン、ジヒドロコンパクチンおよびその製薬上許容可能な形態からなる群から選択される。「製薬上許容可能な形態」とは、任意の製薬上許容可能な誘導体または変種、例えば立体異性体、立体異性体混合物、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、同形体、偽形体、塩形態およびプロドラッグを意味する。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、低密度リポタンパク質、総コレステロールまたは両方の血漿濃度を低下させ得る任意のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり得る。一態様では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、一般的にスタチンと呼ばれる治療薬の一クラスからである。用いられ得るHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例としては、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標);米国特許第4,231,938号;第4,294,926号;第4,319,039号参照)、シムバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許第4,444,784号;第4,450,171号;第4,820,850号;第4,916,239号参照)、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標);米国特許第4,346,227号;第4,537,859号;第4,410,629号;第5,030,447号および第5,180,589号参照)、プラバスタチンのラクトン(米国特許第4,448,979号参照)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標);米国特許第5,354,772号;第4,911,165号;第4,739,073号;第4,929,437号;第5,189,164号;第5,118,853号;第5,290,946号;第5,356,896号参照)、フルバスタチンのラクトン、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標);米国特許第5,273,995号;第4,681,893号;第5,489,691号;第5,342,952号参照)、アトルバスタチンのラクトン、ロスバスタチン(Crestor(登録商標);米国特許第5,260,440号およびRE37314および欧州特許EP521471参照)、ロスバスタチンのラクトン、イタバスタチン、ニスバスタチン、ビサスタチン、アタバスタチン、ベルバスタチン、コンパクチン、ジヒドロコンパクチン、ダルバスタチン、フルインドスタチン、ピチバスタチン、メバスタチン(米国特許第3,983,140号参照)およびベロスタチン(シンビノリンとも呼ばれる)が挙げられるが、これらに限定されない。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤のその他の例は、米国特許第5,217,992号;第5,196,440号;第5,189,180号;第5,166,364号;第5,157,134号;第5,110,940号;第5,106,992号;第5,099,035号;第5,081,136号;第5,049,696号;第5,049,577号;第5,025,017号;第5,011,947号;第5,010,015号;第4,970,221号;第4,940,800号;第4,866,058号;第4,686,237号;第4,647,576号;欧州特許第号0142146A2および0221025A1;ならびにPCT出願WO 86/03488およびWO 86/07054に記載されている。上記の製薬上許容可能な形態も含まれる。上記の参考文献は全て、参照により本明細書中で援用される。好ましくはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、シムバスタチン、リバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン、フルインドスタチン、ロスバスタチン、ピチバスタチン、ジヒドロコンパクチンおよびその製薬上許容可能な形態からなる群から選択される。「製薬上許容可能な形態」とは、任意の製薬上許容可能な誘導体または変種、例えば立体異性体、立体異性体混合物、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、同形体、偽形体、塩形態およびプロドラッグを意味する。
一実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、トランス−6−[2−(3または4−カルボキサミド置換ピロール−1−イル)アルキル]−4−ヒドロキシピラン−2−オンおよびそれから得られる対応するピラン開環ヒドロキシ酸からなる群から選択される。これらの化合物は、米国特許第4,681,893号(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に記載されている。ラクトン化合物の合成における中間体であるピラン開環ヒドロキシ酸は、遊離酸として、または製薬上許容可能な金属またはアミン塩として用いられ得る。特にこれらの化合物は、以下の構造式で表され得る:
(式中、Xは、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2−CH2−、または−CH2CH(CH3)−であり;
R1は、1−ナフチル;2−ナフチル;シクロヘキシル、ノルボルネニル;2−、3−または4−ピリジニル;フェニル;フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜8のアルカノイルアルコキシであり;R2またはR3は、−CONR5R6(ここで、R5およびR6は、独立して、水素である);炭素数1〜6のアルキル;2−、3−または4−ピリジニル;フェニル;フッ素、塩素、臭素、シアノ、トリフルオロメチルまたは炭素数3〜8のカルボアルコキシで置換されるフェニルであり;そしてR2またはR3の他方は、水素;炭素数1〜6のアルキル;シクロプロピル;シクロブチル;シクロペンチル;シクロヘキシル;フェニル;またはフッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜8のアルカノイルオキシで置換されるフェニルであり;R4は、炭素数1〜6のアルキル;シクロプロピル;シクロブチル;シクロペンチル;シクロヘキシル;またはトリフルオロメチルであり;そしてMは製薬上許容可能な塩(例えば対イオン)であって、これは製薬上許容可能な金属塩または製薬上許容可能なアミン塩を含む)。
R1は、1−ナフチル;2−ナフチル;シクロヘキシル、ノルボルネニル;2−、3−または4−ピリジニル;フェニル;フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、トリフルオロメチル、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜8のアルカノイルアルコキシであり;R2またはR3は、−CONR5R6(ここで、R5およびR6は、独立して、水素である);炭素数1〜6のアルキル;2−、3−または4−ピリジニル;フェニル;フッ素、塩素、臭素、シアノ、トリフルオロメチルまたは炭素数3〜8のカルボアルコキシで置換されるフェニルであり;そしてR2またはR3の他方は、水素;炭素数1〜6のアルキル;シクロプロピル;シクロブチル;シクロペンチル;シクロヘキシル;フェニル;またはフッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、または炭素数2〜8のアルカノイルオキシで置換されるフェニルであり;R4は、炭素数1〜6のアルキル;シクロプロピル;シクロブチル;シクロペンチル;シクロヘキシル;またはトリフルオロメチルであり;そしてMは製薬上許容可能な塩(例えば対イオン)であって、これは製薬上許容可能な金属塩または製薬上許容可能なアミン塩を含む)。
立体特異的異性体の中で、好ましい一HMG CoAレダクターゼ阻害薬は、アトルバスタチン三水和物ヘミカルシウム塩である。この好ましい化合物は、開環形態の(2R−トランス)−5−(4−フルオロフェニル)−2−(1−メチルエチル)−N,4−ジフェニル−1−[2−(テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド、即ちエナンチオマー[R−(R*,R*)]−2−(4−フルオロフェニル−β,δジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル])−1H−ピロール−1−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩である。その化学構造は、以下の構造式により表され得る:
特定の異性体は、米国特許第5,273,995号(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に記載されている。好ましい実施形態では、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、アトルバスタチン、環化ラクトン形態のアトルバスタチン、このような化合物の2−ヒドロキシ、3−ヒドロキシまたは4−ヒドロキシ誘導体、ならびにその製薬上許容可能な塩からなる群から選択される。
実際には、塩形態の使用は、酸またはラクトン形態の使用に等しい。本発明の範囲内の適切な製薬上許容可能な塩は、塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、1−デオキシ−2−(メチルアミノ)−D−グルシトール、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化第一鉄および第二鉄、水酸化アンモニウム、または有機アミン、例えばN−メチルグルカミン、コリン、アルギニン等から得られるものである。好ましくは、ナトリウムまたはカリウム塩の溶液に適切な試薬を付加することにより、即ち、式Aの化合物のナトリウムまたはカリウム塩の溶液に塩化カルシウムを付加することにより、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムおよび第一鉄または第二鉄塩が、ナトリウムまたはカリウム塩から調製される。
治療方法
本発明の剤形は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第2002/0035125A1号(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されたように、CETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することにより、治療に付される任意の症状を治療するために用いられ得る。
本発明の剤形は、共有譲渡同時係属中米国特許出願第2002/0035125A1号(この記載内容は、参照により本明細書中で援用される)に開示されたように、CETP阻害剤およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することにより、治療に付される任意の症状を治療するために用いられ得る。
一態様では、本発明の剤形は、抗アテローム硬化症治療のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、アテローム硬化性プラークの進行を遅らせるかまたは止めるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、冠動脈におけるアテローム硬化性プラークの進行を遅らせるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、アテローム硬化性プラークの進行を遅らせるかまたは止めるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、冠動脈におけるアテローム硬化性プラークの進行を遅らせるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、頚動脈におけるアテローム硬化性プラークの進行を遅らせるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、末梢動脈系におけるアテローム硬化性プラークの進行を遅らせるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、アテローム硬化症の治療のために用いられる場合、アテローム硬化性プラークの退行を引き起こす。
別の態様では、本発明の剤形は、冠動脈におけるアテローム硬化性プラークの退行のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、末梢動脈系におけるアテローム硬化性プラークの進行を遅らせるために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、アテローム硬化症の治療のために用いられる場合、アテローム硬化性プラークの退行を引き起こす。
別の態様では、本発明の剤形は、冠動脈におけるアテローム硬化性プラークの退行のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、頚動脈におけるアテローム硬化性プラークの退行のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、末梢動脈系におけるアテローム硬化性プラークの退行のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、HDL上昇治療および抗高脂血症治療(LDL低下を含む)のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、抗狭心症治療のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、心臓危機管理のために用いられる。
本発明のその他の特徴および実施形態は、以下の実施例から明らかになるが、それらは、本発明の意図される範囲を限定するためというよりむしろ、本発明の説明のために示される。
別の態様では、本発明の剤形は、末梢動脈系におけるアテローム硬化性プラークの退行のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、HDL上昇治療および抗高脂血症治療(LDL低下を含む)のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、抗狭心症治療のために用いられる。
別の態様では、本発明の剤形は、心臓危機管理のために用いられる。
本発明のその他の特徴および実施形態は、以下の実施例から明らかになるが、それらは、本発明の意図される範囲を限定するためというよりむしろ、本発明の説明のために示される。
実施例1
本実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の剤形を実証する。
本実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の剤形を実証する。
溶解度改善形態のCETP阻害剤の生成
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)中のトルセトラピブの固体非晶質分散体を生成することにより、溶解度改善形態のトルセトラピブを調製した。4.0重量%トルセトラピブ、12.0重量%HPMCAS−MG(AQUOT−MG、Shin Etsu (Tokyo, Japan)製造)および84重量%アセトンを含有する溶液を噴霧乾燥することにより、分散体を調製した。入口で約110℃および出口で約45℃の温度に保持されたNiroPSD−4噴霧乾燥機のステンレススチール小室に、約100 kg/時の液体供給速度で48 atm(700 psig)の霧化圧で圧力噴霧ノズル(DelavanSDX III)を用いて、溶液を噴霧乾燥した。40℃の乾燥床温度および360分の乾燥時間でAeromaticMP−6流動床乾燥機を用いて、二次乾燥を実施した。
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)中のトルセトラピブの固体非晶質分散体を生成することにより、溶解度改善形態のトルセトラピブを調製した。4.0重量%トルセトラピブ、12.0重量%HPMCAS−MG(AQUOT−MG、Shin Etsu (Tokyo, Japan)製造)および84重量%アセトンを含有する溶液を噴霧乾燥することにより、分散体を調製した。入口で約110℃および出口で約45℃の温度に保持されたNiroPSD−4噴霧乾燥機のステンレススチール小室に、約100 kg/時の液体供給速度で48 atm(700 psig)の霧化圧で圧力噴霧ノズル(DelavanSDX III)を用いて、溶液を噴霧乾燥した。40℃の乾燥床温度および360分の乾燥時間でAeromaticMP−6流動床乾燥機を用いて、二次乾燥を実施した。
制御放出CETP阻害剤組成物
以下のように、溶解度改善形態のトルセトラピブから、二重膜浸透性制御放出デバイスを生成した。30重量%トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)、600,000の平均分子量を有する30重量%ポリエチレンオキシド(PEO)、39重量%キシリトール(商品名キシリトールCXYLITOLC粒状)および1重量%ステアリン酸マグネシウムを混ぜ合わせることにより、薬剤含有組成物を生成した。先ず薬剤含有組成物、トルセトラピブ、PEO(予備スクリーニング済み)およびキシリトールを一緒に併合した。次に処方物をTURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。この配合物を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
以下のように、溶解度改善形態のトルセトラピブから、二重膜浸透性制御放出デバイスを生成した。30重量%トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)、600,000の平均分子量を有する30重量%ポリエチレンオキシド(PEO)、39重量%キシリトール(商品名キシリトールCXYLITOLC粒状)および1重量%ステアリン酸マグネシウムを混ぜ合わせることにより、薬剤含有組成物を生成した。先ず薬剤含有組成物、トルセトラピブ、PEO(予備スクリーニング済み)およびキシリトールを一緒に併合した。次に処方物をTURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。この配合物を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
以下の物質を混ぜ合わせることにより、水膨潤性組成物を生成した:65重量%PEO(平均分子量5,000,000)、34.3重量%錠剤成形助剤微晶質セルロース(商品名アビセルAvicel PH102)、0.5重量%ステアリン酸マグネシウムおよび0.2重量%ブルーレークBlue Lake #2。PEO(予備スクリーニング済み)、アビセルおよびブルーレーク染料を併合し、TURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。全ての成分を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
F−プレス機を用いて、標準7/16インチ標準円形凹面(SRC)ダイ中に薬剤含有組成物500 mgを入れて、プレス機を静かに平らにならすことにより、錠剤コアを生成した。次に200 mgの水膨潤性組成物をダイ中の薬剤含有組成物の上部に載せた。次に錠剤コアを約15 kpの硬度に圧縮した。その結果生じた二層錠剤コアは、700 mgの総重量を有し、総計で5.36重量%トルセトラピブ(37.5 mg)、16.07重量%HPMCAS−MG、27.86重量%キシリトールC粒、21.43重量%PEO600,000、18.57重量%PEO5,000,000、9.8重量%アビセルPH102、0.85重量%ステアリン酸マグネシウムおよび0.06重量%ブルーレーク染料を含有する。
VectorLDCS−20パンコーターを用いて、噴水透過性コーティングをコアに適用した。コーティング溶液は、酢酸セルロース(CA398-10、Eastman Fine Chemical, Kingsport, Tennessee)、ポリエチレングリコール(PEG3350、Dow Chemical)、水およびアセトンを3.5/1.5/4/91の重量比で含有する。パンコーターの入口加熱乾燥空気の流量を、28℃の出口温度で35 CFMに設定した。15 psig(2.1 SCFM)で空気を用いて、ノズル−床距離2インチで、噴霧ノズルからのコーティング溶液を霧化した。パン回転を22 rpmに設定した。そのようにして被覆した錠剤を対流炉中で40℃で16時間乾燥して、本質的に全てのアセトンおよび水をコーティングから除去した。最終乾燥コーティング重量(86.5 mg)は、錠剤コアの11.0重量%であり、約60.6 mgのCAおよび25.9 mgのPEG3350で構成された。次に錠剤の薬剤含有組成物側のコーティングに直径900 μmの穴を1つ機械的に穿孔して、錠剤当たり1個の送達口を提供した。
即時放出CETP阻害剤およびアトルバスタチンコーティング
各錠剤を以下の溶液に浸漬することにより、上記の浸透性制御放出デバイスを、トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)およびアトルバスタチンの即時放出層で被覆した:90.0重量%水、3.0重量%オパドライ・クリアOpadry clear(Colorcon, Inc., WestPoint, PA)、4.0%トルセトラピブ固体非晶質分散体、および3.0重量%アトルバスタチン。オパドライ・クリアポリマーを迅速撹拌水に付加し、室温で約1時間撹拌することにより、コーティング溶液を生成した。次にアトルバスタチンおよびトルセトラピブ固体非晶質分散体をコーティング溶液に付加して懸濁液を生成し、スクリーン上で熱空気で乾燥した後、錠剤を再び被覆した。いくつかのコーティングを各錠剤に適用して、錠剤を室温で一晩乾燥した後、計量して、適用した即時放出コーティングの総量を確定した。平均79.1 mgのコーティング物質(約7.9 mgのトルセトラピブおよび約23.7 mgのアトルバスタチン)を、各錠剤に適用した。
各錠剤を以下の溶液に浸漬することにより、上記の浸透性制御放出デバイスを、トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)およびアトルバスタチンの即時放出層で被覆した:90.0重量%水、3.0重量%オパドライ・クリアOpadry clear(Colorcon, Inc., WestPoint, PA)、4.0%トルセトラピブ固体非晶質分散体、および3.0重量%アトルバスタチン。オパドライ・クリアポリマーを迅速撹拌水に付加し、室温で約1時間撹拌することにより、コーティング溶液を生成した。次にアトルバスタチンおよびトルセトラピブ固体非晶質分散体をコーティング溶液に付加して懸濁液を生成し、スクリーン上で熱空気で乾燥した後、錠剤を再び被覆した。いくつかのコーティングを各錠剤に適用して、錠剤を室温で一晩乾燥した後、計量して、適用した即時放出コーティングの総量を確定した。平均79.1 mgのコーティング物質(約7.9 mgのトルセトラピブおよび約23.7 mgのアトルバスタチン)を、各錠剤に適用した。
in vitro溶解試験
実施例1の剤形からのトルセトラピブおよびアトルバスタチンの放出を測定するために、in vitro試験を実施した。in vitro溶解試験を実施するために、各剤形を先ず、腸の内容物を刺激する900 mLの緩衝溶液(5 mMKH2PO4、1.5重量%CTAC、pH6.3)を含有する撹拌USPタイプ1dissoetteフラスコ中に入れた。200 rpmの速度で回転するバスケットを用いて、溶液を撹拌した。受容体溶液の試料を定期的に取り出すようプログラムされた自動試料採取dissoette装置を用いて、周期的間隔で試料を採取した。ZorbaxSB−CNカラムおよび56/44(容量%)アセトニトリル/酢酸緩衝液、pH4の移動相(1.5重量%CTAC含有)を用いたHPLCにより、薬剤濃度を分析した。244 nmでUV吸光度を測定した。結果を表1に示す。
実施例1の剤形からのトルセトラピブおよびアトルバスタチンの放出を測定するために、in vitro試験を実施した。in vitro溶解試験を実施するために、各剤形を先ず、腸の内容物を刺激する900 mLの緩衝溶液(5 mMKH2PO4、1.5重量%CTAC、pH6.3)を含有する撹拌USPタイプ1dissoetteフラスコ中に入れた。200 rpmの速度で回転するバスケットを用いて、溶液を撹拌した。受容体溶液の試料を定期的に取り出すようプログラムされた自動試料採取dissoette装置を用いて、周期的間隔で試料を採取した。ZorbaxSB−CNカラムおよび56/44(容量%)アセトニトリル/酢酸緩衝液、pH4の移動相(1.5重量%CTAC含有)を用いたHPLCにより、薬剤濃度を分析した。244 nmでUV吸光度を測定した。結果を表1に示す。
データは、実施例1の剤形が1時間で94%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。コーティング中のアトルバスタチンの予測作用強度より低いため、0.5〜24時間のアトルバスタチン重量%放出値を36時間値に正規化した。低作用強度は、おそらくは浸漬コーティング中のコーティング懸濁液容器中でのアトルバスタチンの沈降のためであると思われた。さらに実施例1の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約11時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、6.5重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
実施例2
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第二の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第二の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。
制御放出CETP阻害剤組成物:実施例1に記載したように、トルセトラピブ二重膜浸透性制御放出デバイスを作製した。
即時放出CETP阻害剤コーティング:各錠剤を以下の溶液に浸漬することにより、上記の浸透性制御放出デバイスを、トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)の即時放出層で被覆した:92.0重量%水、4.0重量%オパドライ・クリアOpadry clear(Colorcon, Inc., WestPoint, PA)、および4.0%トルセトラピブ固体非晶質分散体。オパドライ・クリアポリマーを迅速撹拌水に付加し、室温で約1時間撹拌することにより、コーティング溶液を生成した。次にトルセトラピブ固体非晶質分散体をコーティング溶液に付加して懸濁液を生成し、混合物を約30分間撹拌した。各錠剤を撹拌懸濁液中に浸漬し、スクリーン上で熱空気で乾燥した後、錠剤を再び被覆した。いくつかのコーティングを各錠剤に適用して、錠剤を室温で一晩乾燥した後、計量して、適用した即時放出コーティングの総量を確定した。平均67.1 mgのコーティング物質(約8.4 mgのトルセトラピブ)を、各錠剤に適用した。
即時放出アトルバスタチンコーティング:各錠剤を以下の溶液に浸漬することにより、上記の即時放出トルセトラピブコーティングを有する浸透性制御放出デバイスを、アトルバスタチンの即時放出層で被覆した:92.0重量%水、4.0重量%オパドライ・クリアOpadry clear(Colorcon, Inc., WestPoint, PA)、および4.0%アトルバスタチン。オパドライ・クリアポリマーを迅速撹拌水に付加し、室温で約1時間撹拌することにより、コーティング溶液を生成した。次にアトルバスタチンをコーティング溶液に付加して懸濁液を生成し、混合物を約30分間撹拌した。各錠剤を撹拌懸濁液中に浸漬し、スクリーン上で熱空気で乾燥した後、錠剤を再び被覆した。いくつかのコーティングを各錠剤に適用して、錠剤を室温で一晩乾燥した後、計量して、適用した即時放出コーティングの総量を確定した。平均52.7 mgのコーティング物質(約26.4 mgのアトルバスタチン)を、各錠剤に適用した。
in vitro溶解試験
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表2に示す。
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表2に示す。
データは、実施例2の剤形が1時間で95%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。コーティング中のアトルバスタチンの予測作用強度より低いため、0.5〜24時間のアトルバスタチン重量%放出値を36時間値に正規化した。低作用強度は、おそらくは浸漬コーティング中のコーティング懸濁液容器中でのアトルバスタチンの沈降のためであると思われた。さらに実施例2の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約13時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、5.3重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
実施例3
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第三の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第三の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。
制御放出デバイス:HPMCAS−MG中のトルセトラピブの固体非晶質分散体を含む浸透性制御放出デバイスを、以下のように調製した。25.0重量%の実施例1のトルセトラピブ:HPMCAS−MG分散体、64.5重量%のソルビトール(NEOSORBP110、Roquetteから入手可能)、8.0重量%のヒドロキシエチルセルロース(NATROSOL 250HX、Herculesから入手可能)、1.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、および1.0重量%のステアリン酸マグネシウムを含有する混合物を調製した。トルセトラピブ、ソルビトール(予備スクリーニング済み)、ヒドロキシエチルセルロースおよびSLSをTURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせ、20メッシュスクリーンを通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。カプレット・ダイ(0.87 cm×1.73 cm[0.343×0.6807インチ])中に錠剤混合物600 mgを入れることにより錠剤コアを生成し、F−プレス機を用いて約14 kpの硬度に圧縮した。VectorLDCS−20パンコーターを用いて、実施例1に記載したように、水膨潤性コーティングを適用した。コーティング溶液は、CA398-10、PEG3350、水およびアセトンを4/2/5/89の重量比で含有する。最終乾燥コーティング重量は錠剤コアの5.6重量%(35.7 mg、約23.8 mgのCAおよび約11.9 mgのPEG3350を含む)で、送達口を提供するために、コーティングに直径900 μmの穴を1つ機械的に穿孔した。カプレットを通る最長軸がカプレット表面と交差する点辺りで、カプレットの一端に送達口を穿孔した。単層浸透性制御放出デバイスは、37.5 mgのトルセトラピブを含有する。
即時放出CETP阻害剤およびアトルバスタチンコーティング:実施例1に記載したように、即時放出CETP阻害剤およびアトルバスタチンコーティングを作製した。平均79.3 mgのコーティング物質(約7.9 mgのトルセトラピブおよび約23.8 mgのアトルバスタチン)を、各錠剤に適用した。
in vitro溶解試験
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表3に示す。
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表3に示す。
データは、実施例3の剤形が1時間で96%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。コーティング中のアトルバスタチンの予測作用強度より低いため、0.5〜24時間のアトルバスタチン重量%放出値を36時間値に正規化した。低作用強度は、おそらくは浸漬コーティング中のコーティング懸濁液容器中でのアトルバスタチンの沈降のためであると思われた。さらに実施例3の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約12時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、6.0重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
実施例4
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第四の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第四の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。
制御放出デバイス:実施例3に記載したように、トルセトラピブ単層浸透性制御放出デバイスを作製した。
即時放出CETP阻害剤コーティング:実施例2に記載したように、即時放出CETP阻害剤コーティングを作製し、適用した。平均72.2 mgのコーティング物質(約9.0 mgのトルセトラピブ)を、各錠剤に適用した。
即時放出アトルバスタチンコーティング:実施例2に記載したように、即時放出アトルバスタチンコーティングを作製し、適用した。平均42.4 mgのコーティング物質(約21.2 mgのアトルバスタチン)を、各錠剤に適用した。
in vitro溶解試験
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表4に示す。
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表4に示す。
データは、実施例4の剤形が1時間で93%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。コーティング中のアトルバスタチンの予測作用強度より低いため、0.5〜24時間のアトルバスタチン重量%放出値を36時間値に正規化した。低作用強度は、おそらくは浸漬コーティング中のコーティング懸濁液容器中でのアトルバスタチンの沈降のためであると思われた。さらに実施例4の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約12時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、5.6重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
実施例5
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第五の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。以下のように、溶解度改善形態のトルセトラピブから、二重膜マトリックス即時および制御放出デバイスを生成した。
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第五の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。以下のように、溶解度改善形態のトルセトラピブから、二重膜マトリックス即時および制御放出デバイスを生成した。
制御放出CETP阻害剤組成物:57.7重量%トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)、25重量%ヒドロキシメチルセルロース(商品名メトセルMethocelK100M)、16.3重量%微晶質セルロース(商品名アビセルAvicelPH102)、および1重量%ステアリン酸マグネシウムを混ぜ合わせることにより、制御放出組成物を生成した。先ず薬剤含有組成物成分を、ステアリン酸マグネシウムを伴わずに併合し、TURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。この配合物を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
即時放出CETP阻害剤組成物:36.0重量%トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)、58.0重量%微晶質セルロース(商品名アビセルAvicelPH102)、5%クロスポビドン(商品名ポリプラスドンPolyplasdone)および1重量%ステアリン酸マグネシウムを併合することにより、即時放出CETP阻害剤組成物を生成した。先ず薬剤含有組成物成分を、ステアリン酸マグネシウムを伴わずに併合し、TURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。全ての成分を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
即時放出アトルバスタチン顆粒組成物:13.9重量%アトルバスタチン三水和物ヘミカルシウム塩、42.3重量%炭酸カルシウム、17.7重量%微晶質セルロース、3.8重量%クロスカルメロースナトリウム、0.5重量%ポリソルベート80、2.6重量%ヒドロキシプロピルセルロースおよび19.2重量%予備ゼラチン化デンプンを併合することにより、アトルバスタチンの即時放出顆粒を作製した。組成物成分を併合し、TURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。全ての成分を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。
即時放出CETP阻害剤およびアトルバスタチン配合組成物:32.0重量%のCETP阻害剤顆粒の即時放出組成物および約67.0重量%アトルバスタチンを次にTURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次に1.0%ステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
F−プレス機を用いて、標準13/32インチ標準円形凹面(SRC)ダイ中に制御放出CETP阻害剤組成物260 mgを入れて、プレス機を静かに平らにならすことにより、二重層錠剤を生成した。次にCETP阻害剤およびアトルバスタチンの即時放出組成物260 mgを、ダイ中の制御放出CETP阻害剤組成物の上部に載せた。次に錠剤コアを約18 kpの硬度に圧縮した。その結果生じた二層錠剤コアは、520 mgの総重量を有し、総計で45重量%トルセトラピブ(37.5 mg制御放出/7.5 mg即時放出)および即時放出アトルバスタチン(22 mg)を含有した。
in vitro溶解試験
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表5に示す。
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表5に示す。
データは、実施例5の剤形が1時間で91%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。さらに実施例5の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約17時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、4.8重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
実施例6
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第六の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。以下のように、溶解度改善形態のトルセトラピブから、三重膜マトリックス即時および制御放出デバイスを生成した。
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第六の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。以下のように、溶解度改善形態のトルセトラピブから、三重膜マトリックス即時および制御放出デバイスを生成した。
制御放出CETP阻害剤組成物:実施例5に記載したように、制御放出CETP阻害剤組成物を生成した。
即時放出CETP阻害剤組成物:36.0重量%トルセトラピブ固体非晶質分散体(25重量%トルセトラピブ:HPMCAS−MG)、58.0重量%微晶質セルロース(商品名アビセルAvicelPH102)、5%クロスポビドン(商品名ポリプラスドンPolyplasdone)および1重量%ステアリン酸マグネシウムを併合することにより、即時放出CETP阻害剤組成物を生成した。先ず薬剤含有組成物成分を、ステアリン酸マグネシウムを伴わずに併合し、TURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。全ての成分を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。次にステアリン酸マグネシウムを付加し、薬剤含有組成物を再び同一ミキサー中で3分間混ぜ合わせた。
即時放出アトルバスタチン顆粒組成物:13.9重量%アトルバスタチン三水和物ヘミカルシウム塩、42.3重量%炭酸カルシウム、17.7重量%微晶質セルロース、3.8重量%クロスカルメロースナトリウム、0.5重量%ポリソルベート80、2.6重量%ヒドロキシプロピルセルロースおよび19.2重量%予備ゼラチン化デンプンを併合することにより、アトルバスタチンの即時放出顆粒を作製した。組成物成分を併合し、TURBULAミキサー中で10分間混ぜ合わせた。全ての成分を20メッシュスクリーン(スクリーンサイズ850μ)を通して押出して、次に再び同一ミキサー中で10分間混ぜ合わせた。
F−プレス機を用いて、標準13/32インチ標準円形凹面(SRC)ダイ中に制御放出CETP阻害剤組成物260 mgを入れて、プレス機を静かに平らにならすことにより、三重層錠剤を生成した。次にアトルバスタチン組成物174 mgを、ダイ中の制御放出および即時放出CETP阻害剤組成物の上部に載せた。次に錠剤コアを約18 kpの硬度に圧縮した。その結果生じた三層錠剤コアは、520 mgの総重量を有し、総計で45重量%トルセトラピブ(37.5 mg制御放出/7.5 mg即時放出)および即時放出アトルバスタチン(22 mg)を含有した。
in vitro溶解試験
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表6に示す。
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表6に示す。
データは、実施例6の剤形が1時間で92%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。さらに実施例6の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約20時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、4.3重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
実施例7
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第七の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。以下のように、実施例1に記載したように製造した溶解度改善形態のトルセトラピブ、および即時放出アトルバスタチンから、溶解度改善形態のトルセトラピブ、即時放出トルセトラピブを生じる制御放出トルセトラピブ噴霧層化多粒子を含有するカプセルを生成した。
この実施例は、溶解度改善形態のCETP阻害剤[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(トルセトラピブ)の即時および制御放出送達と、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤アトルバスタチンヘミカルシウム三水和物(本明細書中では、以後、「アトルバスタチン」と呼ぶ)の即時放出送達の組合せを提供する本発明の第七の剤形を実証する。トルセトラピブは、実施例1に記載したように製造した固体非晶質分散体形態であった。以下のように、実施例1に記載したように製造した溶解度改善形態のトルセトラピブ、および即時放出アトルバスタチンから、溶解度改善形態のトルセトラピブ、即時放出トルセトラピブを生じる制御放出トルセトラピブ噴霧層化多粒子を含有するカプセルを生成した。
溶解度改善形態のCETP阻害剤組成物の生成
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)および酢酸セルロース(CA)中のトルセトラピブの固体非晶質分散体を生成することにより、溶解度改善形態のトルセトラピブを調製した。4.0重量%トルセトラピブ、12.0重量%HPMCAS−MG(AQUOT−MG、Shin Etsu (Tokyo, Japan)製造)、0.3重量%酢酸セルロース(CA398-10、Eastman Fine Chemical, Kingsport, Tennessee)および83.7重量%アセトンを含有する溶液を噴霧乾燥することにより、分散体を調製した。適切な空気分配プレートおよびWurster(底部スプレー)挿入物を装備したF−GPCG−1流動床コーター(Glatt, Germany)を用いて、35〜40メッシュ糖ビーズ(Paulaur, Cranbury, New Jersey)上に、溶液を噴霧層化した。窒素パージを用いて糖ビーズコアを流体化し、薬剤含有溶液を以下の条件で噴霧した。霧化空気圧2 bar、液体供給速度7 g/分、生成物および出口温度30〜31℃。40℃の乾燥床温度で18時間、対流トレー乾燥機を用いて二次乾燥を実施した。
酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)および酢酸セルロース(CA)中のトルセトラピブの固体非晶質分散体を生成することにより、溶解度改善形態のトルセトラピブを調製した。4.0重量%トルセトラピブ、12.0重量%HPMCAS−MG(AQUOT−MG、Shin Etsu (Tokyo, Japan)製造)、0.3重量%酢酸セルロース(CA398-10、Eastman Fine Chemical, Kingsport, Tennessee)および83.7重量%アセトンを含有する溶液を噴霧乾燥することにより、分散体を調製した。適切な空気分配プレートおよびWurster(底部スプレー)挿入物を装備したF−GPCG−1流動床コーター(Glatt, Germany)を用いて、35〜40メッシュ糖ビーズ(Paulaur, Cranbury, New Jersey)上に、溶液を噴霧層化した。窒素パージを用いて糖ビーズコアを流体化し、薬剤含有溶液を以下の条件で噴霧した。霧化空気圧2 bar、液体供給速度7 g/分、生成物および出口温度30〜31℃。40℃の乾燥床温度で18時間、対流トレー乾燥機を用いて二次乾燥を実施した。
即時放出CETP阻害剤組成物:実施例6に記載したように、即時放出CETP阻害剤組成物を製造した。
即時放出アトルバスタチン顆粒組成物:実施例6に記載したように、即時放出アトルバスタチン顆粒組成物を製造した。
本発明の剤形:実施例7の各剤形を調製するために、Quali-VHPMCカプセル(Shionogiから入手可能)(サイズ00)に、399.6 mgの上記のトルセトラピブ制御放出組成物、83.4 mgの即時放出トルセトラピブ顆粒および174.0 mgのアトルバスタチン顆粒を充填した。最終剤形は、37.5 mgの制御放出トルセトラピブ、7.5 mgの即時放出トルセトラピブおよび22 mgの即時放出アトルバスタチンを含有した。
in vitro溶解試験
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表7に示す。
実施例1に記載したように、in vitro試験を実施した。結果を表7に示す。
データは、実施例7の剤形が1時間で88%放出を提供するアトルバスタチンの即時放出を提供した、ということを示す。さらに実施例7の剤形は、トルセトラピブの即時および制御放出を提供し、剤形から薬剤の70重量%を放出する時間は約4時間であった。剤形は、試験媒質への投与後最初の12時間に、8.0重量%/時の平均速度でトルセトラピブを放出した。
本出願全体を通して、種々の出版物が参照されている。これらの出版物の開示内容は、全ての目的のために参照により本明細書中で援用される。
本発明の範囲または本質を逸脱しない限り、本発明において種々の修正および変更がなされ得ることは、当業者には明らかである。本発明のその他の実施形態は、本明細書中に開示した本発明の明細事項および実施についての考察から、当業者には明らかである。明細事項および実施例は単に例示的なものであるよう意図されており、本発明の真の範囲および本質は添付の特許請求の範囲に示されている。
Claims (15)
- 以下の:
(a)溶解度改善形態のコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤、および
(b)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤
を含む剤形であって、前記HMG−CoAレダクターゼが即時放出形態であり、そして前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の一部が即時放出形態であり、ならびに前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の一部が制御放出形態である前記剤形。 - 使用の水性環境への前記剤形の投与後約2時間またはそれ以上に亘って前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の約70重量%未満をin vivoまたはin vitroで放出する持放性剤形である、請求項1記載の剤形。
- in vivo使用環境への投与後、前記剤形が1つまたは複数の以下の:
(i)少なくとも約12時間、血漿コレステリルエステル輸送タンパク質の少なくとも約50%抑制;
(ii)同量の前記溶解度改善形態の前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の即時放出を提供する剤形により提供される血中最大薬剤濃度の約80%またはそれ未満である血中最大薬剤濃度;
(iii)投与前に得られるものの少なくとも約1.2倍である8週間投与後の平均HDLコレステロールレベル;
(iv)投与前に得られるものの約90%またはそれ未満である8週間投与後の平均LDLコレステロールレベル
を提供する、請求項1記載の剤形。 - in vivo使用環境への投与後、前記剤形が2つまたはそれ以上の下記の:
(i)少なくとも約12時間、血漿コレステリルエステル輸送タンパク質の少なくとも約50%抑制;
(ii)同量の前記溶解度改善形態の前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の即時放出を提供する剤形により提供される血中最大薬剤濃度の約80%またはそれ未満である血中最大薬剤濃度;
(iii)投与前に得られるものの少なくとも約1.2倍である8週間投与後の平均HDLコレステロールレベル;
(iv)投与前に得られるものの約90%またはそれ未満である8週間投与後の平均LDLコレステロールレベル
を提供する、請求項3記載の剤形。 - マトリックス制御放出デバイスの形態で前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤を含む、請求項1記載の剤形。
- 浸透性制御放出デバイスの形態で前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤を含む、請求項1記載の剤形。
- コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の前記制御放出部分を含む複数の制御放出多粒子を含む、請求項1記載の剤形。
- 前記HMG−しoAレダクターゼ阻害剤を含む即時放出組成物を含む、請求項1、5、6および7のいずれか一項に記載の剤形。
- 前記即時放出組成物がコレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤の前記即時放出部分をさらに含む、請求項8記載の剤形。
- キットを包含する、請求項1記載の剤形。
- 前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤がトルセトラピブである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の剤形。
- 前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がアトルバスタチンヘミカルシウム三水和物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の剤形。
- トルセトラピブおよびアトルバスタチンまたはその製薬上許容可能な形態を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の剤形。
- in vivo使用環境への投与後、前記剤形が、少なくとも約12時間またはそれ以上の間、約70 ng/mLの前記トルセトラピブの血漿濃度を提供する、請求項11記載の剤形。
- 前記溶解度改善形態が前記コレステリルエステル輸送タンパク質阻害剤およびポリマーを含む固体非晶質分散体である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の剤形。
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