JP2006213684A - インスリン抵抗性改善に用いられる組成物及び健康用食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、安全な、糖尿病の治療・予防等に用いられる組成物及び健康用食品を低コストで提供することを課題とする。
【解決手段】 D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善に用いられる組成物。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)、多嚢胞性卵巣症候群等の病気にみられるインスリン抵抗性、高インスリン血症、耐糖能不全状態等の改善効果を持つイノシトール類、それらを含む組成物及び食品等の用途に関する。
D−キロ−イノシトールが糖尿病等に効果を持つことは既に知られている。例えば、D−キロ−イノシトールは近年、インスリン非依存性糖尿病(例えば、特許文献1参照)あるいは多嚢胞性卵巣症候群(例えば、非特許文献1参照)の治療薬として有効であることが示され、注目されている。これらの作用はインスリン抵抗性の改善効果によるものであり、インスリン抵抗性の改善効果により血中トリグリセリド濃度や血圧等が低下することも報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
一方、ミオ−イノシトールについては、多くのレビュー等が出ているが、その生体に関する機能は、肝臓脂肪やコレステロールを減少させることによる脂肪肝・肝硬変予防治療効果、カルシウムの吸収促進、高コレステロール血症改善、骨髄・目の粘膜・腸管細胞の生長と維持、皮脂腺・毛の成長に関与して脱毛を防ぐ効果、さらにはガン抑制効果や、HIV抑制作用等免疫向上効果、ビタミンEの効果を引き出す作用が知られている(例えば、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5参照)。しかし、ミオ−イノシトールの糖尿病に対する効果については、一つの文献に報告がなされているのみである(特許文献2参照)。該文献によれば、高投与量のミオ−イノシトールの投与が血漿グルコースレベルを低下させるのに有効であるとされている。前記したミオ−イノシトールに関するレビュー及び該文献から明らかなように、ミオ−イノシトールの糖尿病に対する効果は任意の条件で発揮されるものではなく、高投与量の時のみに見られる現象であると考えられる。因みに、一般的なヒトの食事においては、1日当たり1〜2gのミオ−イノシトールを摂取しているといわれている。
上記したD−キロ−イノシトールの糖尿病状態を改善するメカニズムは、D−キロ−イノシトールがインスリンのメッセンジャーとして働くことによる(例えば、非特許文献2参照)。これに対して、ミオ−イノシトールの糖尿病状態を改善するメカニズムは、現段階では解明されていない。
また、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールについて、その排泄量を測定することにより糖尿病及び前糖尿病状態を検出することが出来るとの知見がある。この知見については、相反するいくつかの報告がある。このような報告としては、糖尿病患者の尿中のD−キロ−イノシトールの1日の排泄量が健常人の尿中の1日の排泄量より低いとする報告(例えば、非特許文献6参照)、糖尿病患者の尿中で高いとする報告(例えば、非特許文献7参照)、耐糖能不全の人の尿中のD−キロ−イノシトールの1日の排泄量が健常人の尿中の1日の排泄量より低いとする報告(例えば、非特許文献8参照)等がある。このように見解に相違はあるものの、これらの知見に基づく特許も出願されている。このような特許出願としては、尿中のD−キロ−イノシトールの測定による潜在的なインスリン作用抵抗性の診断方法(例えば、特許文献3参照)、D−キロ−イノシトールの測定による糖尿病患者の検出方法(例えば、特許文献4参照)、体液中のミオ−イノシトール/D−キロ−イノシトール比によりインスリン耐性を検出する方法(例えば、特許文献5参照)、糖投与後一定時間経過後にD−キロ−イノシトールの量または増加率から前糖尿病状態を検出する方法(例えば、特許文献6参照)等がある。
ミオ−イノシトールは既に健康用食品用途やエビの飼料等に使用されており、低価格で消費者に提供されている。しかし、D−キロ−イノシトールは、製造法について改良製法の特許が幾つか出されているにもかかわらず、高価格で販売されているのが現状である。
近年、糖尿病患者及び糖尿病予備軍と呼ばれる人が増加しており、糖尿病に対する予防という意味でも降血糖効果のある安全な健康用食品が常に求められている。
これまで、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトール両化合物についてはそれぞれ単独で糖尿病に効果があることが知られていたが、両成分を含む組成物がさらに高い効果を示すことは知られていない。
国際公開第90/10439号パンフレット 特開平7‐223939号公報 特開平4‐505218号公報 国際公開第94/08044号パンフレット 特表平10‐507826号公報 特開2000‐298131号公報 「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)」, (米国), 1999年,第340巻, p. 1314-1320 エリーザ・シェイファー,バーバラ・シー・ハンセン(Eleazar Shafrir, Barbara C. Hansen)編,「インスリン レジスタンス アンド インスリン レジスタンス シンドローム(Insulin Resistance and Insulin Resistance Syndrome)」, (米国), ルートリッジ・パブリッシュド(Routledge Published), 2002年11月, p. 211-234 「ビバレッジ・ジャパン(Beverage Japan)」, 2003年, 第261巻, p. 52〜70 「ジャパンフードサイエンス」, 1985年, 第24巻, p. 73〜80 「バイオインダストリー(BIOINDUSTRY)」, 2001年, 第18巻, p. 63〜66 「ザ・ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)」, (米国), 1990年, 第323巻, p. 373〜378 「プロシーディングス・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proceedings National Academy of Science)」, (米国), 1993年, 第90巻, p. 9988 「ダイアベート・ケア(Diabetes Care)」, (米国), 1994年, 第17巻, p. 1465〜1468
本発明の課題は、安全な、糖尿病の治療・予防、多嚢胞性卵巣症候群治療等に効果のある組成物及び健康用食品を低コストで提供することにある。
上記した課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を行った結果、特にD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの両成分が種々の比を示しながら体内から排泄されることに注目することにより、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を含む組成物が糖尿病に対し効果を示すことを見出した。
さらに、自然界に存在するイノシトール類に着目し、種々検討を重ねた。その結果、本発明者らは、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含む組成物がこれらを単独で使用する場合に比べ糖尿病に効果的であり、またD−キロ−イノシトールを単独で使用する場合に比べ低コストで提供することが可能であるという知見を得、本発明を完成したのである。
ここで本発明は、次の試験により見出されたのである。すなわち、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの混合物を有効成分として2型糖尿病モデルマウスの飲料水に混入して投与すると、マウスの血糖値が有意に低下したのである。この結果から、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの混合物の適当量を経口投与すると糖尿病の予防及び治療に有効であることが判明し、本発明に至った。
より具体的には、本発明は次のごとくに要約することが出来る。
第1の本発明は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善に用いられる組成物である。
第2の本発明は、血糖値降下、血中トリグリセリド濃度低下又は糖尿病予防・治療に用いられる、上記組成物である。
第3の本発明は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの成分の比が、1:9から3:1の範囲であることを特徴とする、上記組成物である。
第4の本発明は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分の摂取量が、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの量として1.5mg〜300mg/Kg体重/日であることを特徴とする、上記組成物である。
第5の本発明は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善に用いられる健康用食品である。
第6の本発明は、血糖値降下、血中トリグリセリド濃度低下又は糖尿病予防・治療に用いられる、上記健康用食品である。
第7の本発明は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの成分の比が、1:9から3:1の範囲であることを特徴とする、上記健康用食品である。
第8の本発明は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分の摂取量が、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの量として1.5mg〜300mg/Kg体重/日であることを特徴とする、上記健康用食品である。
本発明によれば、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含む組成物を対象に投与することにより、インスリン耐性を改善することが出来る。この作用により、糖尿病の主症状である平常時の高血糖状態の血糖値を低下させ、適正なレベルにコントロールすることが可能である。また、同時に耐糖能障害を改善することが出来る。従って、糖尿病の予防・治療用組成物として有用である。また、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を食品として用いることによっても血糖値を低下させることが出来る。すなわち、本発明により、動植物体内にも存在する安全なD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含む糖尿病の予防・治療用組成物/健康用食品が提供される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のインスリン抵抗性改善に用いられる組成物は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含む組成物である。
本発明に使用されるD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトール両化合物は、天然物から抽出したもの、化学的に合成されたもの、市販品等種々のものが使用可能であるが、ヒト等の哺乳動物への投与が可能な品質のものに限られる。D−キロ−イノシトールであれば、例えば、ニュージーランド・ファーマスーティカルズ・リミテッド社製のものを用いることができ、ミオ−イノシトールであれば、例えば、築野食品工業株式会社製のものを用いることができる。
本発明の組成物は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする。本発明の組成物におけるD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの成分の比は、通常1:9から3:1、好ましくは1:9から1:1、さらに好ましくは1:9から1:3の範囲である。上記したようにD−キロ−イノシトールは高価であるのに対し、ミオ−イノシトールは比較的安価であるため、特にコストの点からはD−キロ−イノシトールを少なくすることが好ましい。本発明の組成物は、これらの2成分を含有することにより相乗効果が得られるため、各成分を単独で使用するよりも、高い効果が得られる。従って、各成分の使用量を従来よりも少なくしても十分な効果が得られるため、安価に十分な効果を有する組成物を提供することが出来る。
本発明のD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする組成物は、インスリン耐性を改善する作用を有し、血糖値降下及び血中トリグリセリド濃度低下の作用を有する。従って、本発明のD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする組成物は、インスリン耐性改善用組成物、血糖値降下用組成物及び血中トリグリセリド濃度低下用組成物として、さらに、糖尿病予防・治療用組成物として使用することが出来る。
本発明の組成物は、そのまま食品として、あるいは食品材料等として食品原料に添加して食品を製造するために使用することが出来る。
本発明の組成物の剤型としては、錠剤、カプセル剤、アンプル、顆粒剤、細粒剤、散剤、ドリンク剤等が挙げられるが、一定の剤形のものに限定されるものではない。本発明の組成物は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールのみを含む組成物として提供することも出来るが、製剤分野において通常用いられる担体(希釈剤、賦形剤、安定剤、防腐剤等)を含有させて製剤化することも出来る。なお、本発明の組成物としては、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールが個別に包装され、使用時に混合して用いる形態のものも含む。本発明の組成物は、組成物中にD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールを通常50〜100%、好ましくは80〜100%含むことが出来る。
本発明の組成物は、そのまま食品として、あるいは食品として一般に用いられる原料、例えば、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン類等を添加して、食事用補添物、栄養組成物等として用いられる健康用食品、機能性食品、特定保健用食品等の各種食品として用いることも出来る。さらに、血糖値低下効果の知られる健康用食品及び成分、例えば桑の葉、バナバ等を配合あるいは併用しても良い。
本発明の食品は、上記有効成分を有効量含むものである。好ましい有効量はマウスに対して、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの量として5mg〜500mg/Kg体重/日であり、ヒトに対してはマウスとの相関性を考慮して、あるいは人の糖尿病の程度を考慮して決められるが、通常1.5mg〜300mg/Kg体重/日、好ましく
は2mg〜30mg/Kg体重/日である。
本発明の食品においては、同食品を通常摂取する量で摂取した際、上記範囲で有効成分が摂取されるように有効成分を配合することが出来る。各食品は通常0.1〜100%、好ましくは1〜100%の有効成分を含むことが出来る。
なお、本発明の組成物及び健康用食品は、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を含む以外は、通常の組成物及び健康用食品の製造方法に基づき、製造することが出来る。
また、本発明の組成物及び健康用食品としては、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする、インスリン耐性改善用、血糖値降下用、血中トリグリセリド濃度低下用、糖尿病予防・治療用等と表示された組成物又は健康用食品であってもよい。なお、表示とは、組成物又は健康用食品、あるいはそれらの包装上等に上記のような用途が記載されていることを意味し、さらに、用量の目安等について記載することが出来る。
以下に本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1> 2型糖尿病モデルマウスにおける血糖値低下作用試験及び血中トリグリセリド濃度低下作用試験
2型糖尿病モデルマウスとしてKKAY/Ta Jclマウス(6週令)を日本クレア株式会社より購入し、MF粉末飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)を与え、1週間飼育することにより馴化した。その後、これらの動物を7群(1群5匹)に分けた。すなわち、第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)、第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)及び第七群(無投与群)である。
各群ともに飲水中に上記成分を記載の濃度でよく溶かし、自由飲水、自由摂食とし、35日間飼育した。35日間の飼育期間中、0、14、28日目に尾静脈より採血、35日目は全血を採血し、血糖値をグルコーステストワコー(和光純薬工業株式会社)により測定した。また、トリグリセリドは、35日目に全血を採血し、トリグリセライドG‐テストワコー(和光純薬工業株式会社)により測定した。
血糖値測定の結果を図1に示す。第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)、第七群(無投与群)に対し、第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)では明らかに血糖値が低下した。第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)の間では、血糖値の低下作用に大きな違いは見られなかった。
第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)では、効果が見られなかったのに対し、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)において、高い効果が見られたことにより、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールが相乗効果を持ち、その組成物が血糖値の低下のための組成物として有用であることが確認された。
次に、トリグリセリド濃度測定の結果を図2に示す。第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)、第七群(無投与群)に対し、第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)では明らかに低いトリグリセリド濃度を示した。第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)の間では、トリグリセリド濃度の低下作用に大きな違いは見られなかった。
第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)では、効果が見られなかったのに対し、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)において、高い効果が見られたことにより、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールが相乗効果を持ち、その組成物が血中トリグリセリド濃度の低下のための組成物として有用であることが確認された。
<実施例2> 2型糖尿病モデルマウスにおける耐糖能障害改善効果試験
2型糖尿病モデルマウスとしてKKAY/Ta Jclマウス(6週令)を日本クレア株式会社より購入し、MF粉末飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)を与え、1週間飼育することにより馴化した。その後、これらの動物を7群(1群5匹)に分けた。すなわち、第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)、第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)、第七群(無投与群)とした。
各群ともに飲水中に上記成分を記載の濃度で良く溶かし、自由飲水、自由摂食とし、35日間飼育した。29日目に、20時間絶食を行い、グルコースを1g/Kg体重 腹腔内に投与することにより糖負荷を行った。0、30、60、90、120分にマウスの尾静脈より採血、血糖値をグルコーステストワコー(和光純薬工業株式会社)により測定した。
その結果を図3に示す。第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与区)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)、第七群(無投与群)に対し、第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)では明らかに高
い耐糖能改善を示した。第三群(0.2%D−キロ−イノシトール投与群)、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)、第五群(0.05%D−キロ−イノシトール・0.15%ミオ−イノシトール(1:3)組成物投与群)、第六群(0.15%D−キロ−イノシトール・0.05%ミオ−イノシトール(3:1)組成物投与群)の間では、耐糖能改善作用に大きな違いは見られなかった。
第一群(0.02%D−キロ−イノシトール投与群)、第二群(0.2%ミオ−イノシトール投与群)では、効果が見られなかったのに対し、第四群(0.02%D−キロ−イノシトール・0.18%ミオ−イノシトール(1:9)組成物投与群)において、高い効果が見られたことにより、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールが相乗効果を持ち、その組成物が耐糖能改善のための組成物として有用であることが確認された。
以上示されたように、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールを含む組成物を投与した群では、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールそれぞれ単独で投与した群に比べ、血糖値の低下効果、血中トリグリセリド濃度の低下効果、耐糖能改善効果に優れることから、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの両化合物を含む組成物が、糖尿病の予防、改善に有効であることが確認された。
本発明のD−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする組成物は、安全で、安価に製造できるインスリン耐性改善用、血糖値降下用、血中トリグリセリド濃度低下用、糖尿病予防・治療用組成物/健康用食品として利用することが出来る。
2型糖尿病モデルマウスにおける血糖値低下作用試験の結果を示す図である。 2型糖尿病モデルマウスにおける血中トリグリセリド濃度低下作用試験の結果を示す図である。 2型糖尿病モデルマウスにおける耐糖能障害改善効果試験の結果を示す図である。

Claims (8)

  1. D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善に用いられる組成物。
  2. 血糖値降下、血中トリグリセリド濃度低下又は糖尿病予防・治療に用いられる、請求項1に記載の組成物。
  3. D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの成分の比が、1:9から3:1の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分の摂取量が、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの量として1.5mg〜300mg/Kg体重/日であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分を有効成分として含むことを特徴とする、インスリン抵抗性改善に用いられる健康用食品。
  6. 血糖値降下、血中トリグリセリド濃度低下又は糖尿病予防・治療に用いられる、請求項5に記載の健康用食品。
  7. D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの成分の比が、1:9から3:1の範囲であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の健康用食品。
  8. D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの2成分の摂取量が、D−キロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの量として1.5mg〜300mg/Kg体重/日であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の健康用食品。

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