JP2006212547A - 粒子分離装置及びこれを用いた粒子分離システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物から、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちの少なくとも一方の回収率を高めることができ、また、正電荷の粒子と負電荷の粒子との分離効率の高い粒子分離装置及び粒子分離システムを提供する。
【解決手段】 灰分(負電荷の粒子)を吸引する正電極32と、正電極32に対向配置されて未燃カーボン(正電荷の粒子)を吸引する負電極33と、正電極32と負電極33との間に灰分と未燃カーボンとの混合物を吐出して正電極32と負電極33との間に混合物の流れを形成する吐出部36と、混合物の流れの下流側で正電極32側に配置される灰分回収部37と、混合物の流れの下流側で負電極33側に配置される未燃カーボン回収部38とを設ける。吐出部36の吐出口36bを、正電極32と負電極33との中間位置に対して、正電極32と負電極33とのうちのいずれか一方の電極側に配置する。
【選択図】 図4
【解決手段】 灰分(負電荷の粒子)を吸引する正電極32と、正電極32に対向配置されて未燃カーボン(正電荷の粒子)を吸引する負電極33と、正電極32と負電極33との間に灰分と未燃カーボンとの混合物を吐出して正電極32と負電極33との間に混合物の流れを形成する吐出部36と、混合物の流れの下流側で正電極32側に配置される灰分回収部37と、混合物の流れの下流側で負電極33側に配置される未燃カーボン回収部38とを設ける。吐出部36の吐出口36bを、正電極32と負電極33との中間位置に対して、正電極32と負電極33とのうちのいずれか一方の電極側に配置する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、異なる粒子の混合物を、静電気力を用いて正電荷の粒子と負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置及びこれを用いた粒子分離システムに関するものである。
異なる粒子の混合物としては、例えば、石炭火力発電所等で発生する石炭灰がある。
石炭灰は、通常は廃棄物として埋め立て処理されるが、内部に含まれる未燃カーボンを除去することで、コンクリートの混和材として利用することができる。
未燃カーボンを含んだままの石炭灰をコンクリートの混和材として使用すると、得られるコンクリートの色が黒くなってしまい、また高い強度が得られないので、石炭灰中からは未燃カーボンを極力除去することが望ましい。
石炭灰は、通常は廃棄物として埋め立て処理されるが、内部に含まれる未燃カーボンを除去することで、コンクリートの混和材として利用することができる。
未燃カーボンを含んだままの石炭灰をコンクリートの混和材として使用すると、得られるコンクリートの色が黒くなってしまい、また高い強度が得られないので、石炭灰中からは未燃カーボンを極力除去することが望ましい。
この未燃カーボンを含む石炭灰のような粒子状物質の混合物を分離する装置としては、例えば特許文献1に記載の分離装置が知られている。
この分離装置は、チャンバーと、チャンバー内で正電荷の粒子を吸引する第一電極と、チャンバー内で負電荷の粒子を吸引する第二電極とを有しており、分離対象となる粒子をチャンバー内に吹き込むことで、この粒子を第一電極に吸引される正電荷の粒子と第二電極に吸引される負電荷の粒子とに分離するものである。例えば、未燃カーボンを含む石炭灰を分離装置にかけた場合には、石炭灰自体は正電荷の粒子となって第一電極に吸引され、未燃カーボンは負電荷の粒子となって第二電極に吸引されて、それぞれ個別に回収される。
この分離装置は、チャンバーと、チャンバー内で正電荷の粒子を吸引する第一電極と、チャンバー内で負電荷の粒子を吸引する第二電極とを有しており、分離対象となる粒子をチャンバー内に吹き込むことで、この粒子を第一電極に吸引される正電荷の粒子と第二電極に吸引される負電荷の粒子とに分離するものである。例えば、未燃カーボンを含む石炭灰を分離装置にかけた場合には、石炭灰自体は正電荷の粒子となって第一電極に吸引され、未燃カーボンは負電荷の粒子となって第二電極に吸引されて、それぞれ個別に回収される。
しかし、分離対象となる粒子の、チャンバー内での静電気力による移動量(移動速度)は、必ずしも同一ではない。例えば、石炭灰の組成によっては、石炭灰自体に比べて、未燃カーボンのチャンバー内での静電気力による移動量が少なくなる場合がある。
このように、分離対象となる粒子のそれぞれの静電気力による移動量が異なる場合には、静電気力による移動量が少ない粒子がチャンバー内の回収位置に到達しにくいので、静電気力による移動量が少ない粒子の回収効率や、正電荷の粒子と負電荷の粒子との分離効率が低下してしまう。
このように、分離対象となる粒子のそれぞれの静電気力による移動量が異なる場合には、静電気力による移動量が少ない粒子がチャンバー内の回収位置に到達しにくいので、静電気力による移動量が少ない粒子の回収効率や、正電荷の粒子と負電荷の粒子との分離効率が低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物から、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちの少なくとも一方の回収率を高めることができ、また、正電荷の粒子と負電荷の粒子との分離効率の高い粒子分離装置及び粒子分離システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の粒子分離装置及びこれを用いた粒子分離システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる粒子分離装置は、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、前記吐出部の吐出口が、前記正電極と前記負電極との中間位置に対して、前記正電極と前記負電極とのうちのいずれか一方の電極側に配置されていることを特徴とする。
すなわち、本発明にかかる粒子分離装置は、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、前記吐出部の吐出口が、前記正電極と前記負電極との中間位置に対して、前記正電極と前記負電極とのうちのいずれか一方の電極側に配置されていることを特徴とする。
このように構成される粒子分離装置では、吐出部の吐出口が、正電極と負電極とのうちのいずれか一方の電極に近付けられていて、混合物の吐出位置がこの一方の電極に近い。これにより、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうち、吐出口に近い電極に吸引される粒子は、他方の粒子に比べて、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくて済み、対応する粒子回収部に確実に回収される。このように、この粒子分離装置では、吐出口に近い電極に吸引される粒子を高効率で回収することができる。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量(移動速度)の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を配置する。これにより、静電気力による移動量の少ない粒子が対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなって、対応する粒子回収部に確実に回収される。そして、静電気による移動量の多い粒子は、もともと移動量が多いために、対応する粒子回収部に確実に到達して回収される。すなわち、この粒子分離装置では、正電荷の粒子と負電荷の粒子との静電気力による移動量に違いがあっても、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量(移動速度)の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を配置する。これにより、静電気力による移動量の少ない粒子が対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなって、対応する粒子回収部に確実に回収される。そして、静電気による移動量の多い粒子は、もともと移動量が多いために、対応する粒子回収部に確実に到達して回収される。すなわち、この粒子分離装置では、正電荷の粒子と負電荷の粒子との静電気力による移動量に違いがあっても、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、本発明にかかる粒子分離装置は、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、前記吐出部が、前記正電極と前記負電極との配列方向での吐出口の位置を調整可能とされていることを特徴とする。
このように構成される粒子分離装置では、吐出部の吐出口を、正電極と負電極とのうちのいずれか一方の電極に近付けることができる。このように吐出口を一方の電極に近づけることで、混合物の吐出位置が一方の電極に近付くので、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうち、吐出口に近い電極に吸引される粒子は、他方の粒子に比べて、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなり、この粒子を高効率で回収することができる。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を配置することで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を配置することで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、本発明にかかる粒子分離装置は、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、前記吐出部の吐出口が、前記正電極と前記負電極との中間位置に対して、前記正電極と前記負電極とのうちのいずれか一方の電極側に向けられていることを特徴とする。
このように構成される粒子分離装置では、吐出部の吐出口が、正電極と負電極とのうちのいずれか一方の電極側に向けられており、この一方の電極側に混合物が吐出される。正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうち、吐出口の向けられている電極に吸引される粒子は、他方の粒子に比べて、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少ないので、この粒子を高効率で回収することができる。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を向けることで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を向けることで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、本発明にかかる粒子分離装置は、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、前記正電極と前記負電極との配列方向における前記吐出部の向きが調整可能とされていることを特徴とする。
このように構成される粒子分離装置では、吐出部の吐出口を、正電極と負電極とのうちのいずれか一方の電極側に向けることができる。このように吐出口を一方の電極側に向けることで、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうち、吐出口の向けられている電極に吸引される粒子は、他方の粒子に比べて、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなるので、この粒子を高効率で回収することができる。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を向けることで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を向けることで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
ここで、上記の各粒子分離装置が、前記正電極と前記負電極との間に前記吐出部が形成する混合物の流れに沿って該混合物の流れを囲むシールガスの流れを形成して前記混合物の流れの形状を維持するシール気流形成装置を有しており、前記吐出部の前記混合物の吐出速度をV1、前記シールガスの流速をV2とすると、0.7V1≦V2≦1.5V1とされていてもよい。
このように構成される粒子分離装置では、混合物の吐出速度V1とシールガスの流速V2とが同一か、またはその速度差がわずかとされているので、吐出部が形成する混合物の流れに乱れが生じにくい。このため、吐出部から吐出された混合物が周囲に拡散しにくく、静電気力を利用した粒子の分離が効果的に行われる。また、この粒子分離装置では、混合物の流れだけでなく、分離された粒子の流れにも乱れが生じにくいので、正電極、負電極への粒子の付着が生じにくく、これら電極の汚れによる静電気力の低下が生じにくくなり、長期にわたって分離性能を良好に維持することができる。
そして、以上のような効果をより高めるためには、V1=V2とすることが好ましい。
そして、以上のような効果をより高めるためには、V1=V2とすることが好ましい。
ここで、シールガスとしては、例えば、湿気による粒子の帯電量の低下を防止して静電気力による分離能力を維持することができるように、乾燥空気等の乾燥気体を用いることが好ましいが、この分離装置では、前記のように粒子の分離性能が高いので、シールガスとして除湿していない大気をそのまま利用しても、十分な分離性能を得ることができる。
また、上記の各粒子分離装置において、前記吐出部側から前記負電荷粒子回収部側に向かう気流の流速をV3、前記吐出部側から前記正電荷粒子回収部側に向かう気流の流速をV4とすると、0.8V3≦V4≦1.2V3とされていてもよい。
このように構成される粒子分離装置では、吐出部側から負電荷粒子回収部側に向かう気流の流速V3と吐出部側から正電荷粒子回収部側に向かう気流の流速V4とが同一か、またはその速度差がわずかとされているので、吐出部から吐出された混合物の流れが乱されにくく、静電気力による粒子の分離が効果的に行われる。さらに、この粒子分離装置では、混合物から分離された粒子の流れが乱されにくいので、高精度に分離された粒子同士が混ざり合うことなく個別に回収される。従って、混合物の分離精度を高くすることができる。
この粒子分離装置は、例えば、上記の各粒子分離装置に、前記混合物から分離された前記正電荷の粒子を前記シールガスとともに前記正電荷粒子回収部内に吸引する正電荷粒子吸引装置と、前記混合物から分離された前記負電荷の粒子を前記シールガスとともに前記負電荷粒子回収部内に吸引する負電荷粒子吸引装置とを設けて、前記正電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速Vaと前記負電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速Vcとを、0.8Vc≦Va≦1.2Vcとなるように調整することによって実現することができる。
ここで、粒子分離装置には、正電荷粒子回収部の入口と負電荷粒子回収部の入口との間を仕切るスプリッタが設けられているものがある。このスプリッタは、吐出部側の端部を正電荷粒子回収部と負電荷粒子回収部との配列方向に揺動可能とされており、スプリッタの吐出部側の端部を正電荷粒子回収部と負電荷粒子回収部とのうちのいずれか一方の粒子回収部側に変位させることで、一方の粒子回収部の入口を縮小するとともに、他方の粒子回収部の入口を一方の粒子回収部側に拡張することができる。
すなわち、スプリッタの吐出部側の端部の位置を調整することで、一方の粒子回収部の入口と他方の粒子回収部の入口との境界を、一方の粒子回収部側に変位させることができるようになっている。
すなわち、スプリッタの吐出部側の端部の位置を調整することで、一方の粒子回収部の入口と他方の粒子回収部の入口との境界を、一方の粒子回収部側に変位させることができるようになっている。
これにより、スプリッタを有する粒子分離装置では、静電気力による粒子の分離が不十分であったり、分離された粒子の流れの境界が正電荷粒子回収部の入口と負電荷粒子回収部の入口との中間位置よりもいずれか一方の粒子回収部側に位置しているなどして、一方の粒子回収部側に他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が取り込まれてしまう場合には、スプリッタを変位させて、一方の粒子回収部の入口と他方の粒子回収部の入口との境界を、一方の粒子回収部側に変位させることで、他方の粒子回収部に回収されるべき粒子を一方の粒子回収部に取り込まれにくくして、分離精度を向上させることができる。
しかし、このようにスプリッタの吐出部側の端部を変位させることで、正電荷粒子回収部の入口の断面積と負電荷粒子回収部の入口の断面積とに差が生じるので、正電荷粒子吸引装置の吸気量と負電荷粒子吸引装置の吸気量との関係によっては、いずれか一方の粒子回収部に向かう気流の流速が他方の粒子回収部に向かう気流の流速よりも早くなる場合がある。
この場合には、本来他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が一方の粒子回収部に向かう流れに巻き込まれて一方の粒子回収部に取り込まれてしまいやすくなり、かえって分離精度が低下してしまう。
この場合には、本来他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が一方の粒子回収部に向かう流れに巻き込まれて一方の粒子回収部に取り込まれてしまいやすくなり、かえって分離精度が低下してしまう。
そこで、上記のように、正電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速Vaと負電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速Vcとをほぼ同一か、またはその速度差をわずかとすることで、吐出部側から負電荷粒子回収部側に向かう気流の流速V3と吐出部側から正電荷粒子回収部側に向かう気流の流速V4とがほぼ同一か、またはその速度差がわずかとなるので、分離装置がスプリッタを有していても、混合物の流れや分離された粒子の流れに乱れが生じにくく、分離された粒子がそれぞれ対応する粒子回収部に回収されることにより、際立って分離精度を高くすることができる。
また、上記の各粒子分離装置が、前記正電極と前記負電極とのうちの少なくともいずれか一方に流れる電流を検出する電流検出装置と、該電流検出装置によって所定値以上の電流が検出されたことをもって、少なくとも前記一方の電極を清掃する電極清掃装置とを有していてもよい。
粒子分離装置では、混合物の流れや分離された粒子の流れが乱れることなどにより、混合物に含まれる粒子が正電極や負電極に付着することがある。このように正電極や負電極に混合物中の粒子が付着すると、粒子の付着量が増加するに従って混合物に作用する静電気力が低下して、粒子分離装置の分離性能が落ちるので、時期をみて、正電極や負電極を清掃して付着した粒子を除去する必要がある。
通常、正電極と負電極とは接触していないので、これら電極にはほとんど電流が流れないが、これら電極の表面に、混合物中の帯電した粒子が付着すると、この粒子の電荷が電極に移るため、電極に電流が流れる。
この粒子分離装置では、電流検出装置によって正電極と負電極とのうちの少なくともいずれか一方の電極に流れる電流を監視し、所定値以上の電流が検出されたことをもって(この電極に粒子が所定量以上付着したことをもって)、電極清掃装置による電極の清掃を行う。すなわち、この粒子分離装置では、正電極や負電極の清掃が自動的に行われて、これら電極への粒子の付着量が所定量以下(例えば許容範囲の上限値以下)に維持されるので、常に粒子の分離性能を良好に維持することができる。
ここで、電極清掃装置としては、例えば、電極を振動させることによって電極から粒子を除去するバイブレータや、電極に付着した粒子を気流で吹き飛ばすブロワー等が用いられる。
この粒子分離装置では、電流検出装置によって正電極と負電極とのうちの少なくともいずれか一方の電極に流れる電流を監視し、所定値以上の電流が検出されたことをもって(この電極に粒子が所定量以上付着したことをもって)、電極清掃装置による電極の清掃を行う。すなわち、この粒子分離装置では、正電極や負電極の清掃が自動的に行われて、これら電極への粒子の付着量が所定量以下(例えば許容範囲の上限値以下)に維持されるので、常に粒子の分離性能を良好に維持することができる。
ここで、電極清掃装置としては、例えば、電極を振動させることによって電極から粒子を除去するバイブレータや、電極に付着した粒子を気流で吹き飛ばすブロワー等が用いられる。
また、上記の各粒子分離装置が、前記正電荷粒子回収部の入口と前記負電荷粒子回収部の入口との間を仕切るとともに前記吐出部側の端部を前記正電荷粒子回収部と前記負電荷粒子回収部との配列方向に揺動可能とされたスプリッタと、前記正電荷粒子回収部と前記負電荷粒子回収部とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳をリアルタイムで計測する計測装置と、該計測装置の計測結果に基づいて、前記粒子の分離率が所定値以上となるように前記スプリッタの前記吐出部側の端部の位置を調整するスプリッタ駆動装置とを有していてもよい。
この粒子分離装置では、計測装置によって、正電荷粒子回収部と負電荷粒子回収部とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳がリアルタイムで計測され、この情報に基づいて、スプリッタ駆動装置がスプリッタの吐出部側の位置を調整する。
具体的には、一方の粒子回収部に回収された粒子の分離率(純度)が低い場合には、スプリッタ駆動装置がスプリッタの吐出部側の端部を一方の粒子回収部側に変位させる。
これにより、一方の粒子回収部の入口が縮小されるとともに、他方の粒子回収部の入口が一方の粒子回収部側に拡張されるので、他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が一方の粒子回収部に取り込まれにくくなり、分離精度が向上する。
具体的には、一方の粒子回収部に回収された粒子の分離率(純度)が低い場合には、スプリッタ駆動装置がスプリッタの吐出部側の端部を一方の粒子回収部側に変位させる。
これにより、一方の粒子回収部の入口が縮小されるとともに、他方の粒子回収部の入口が一方の粒子回収部側に拡張されるので、他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が一方の粒子回収部に取り込まれにくくなり、分離精度が向上する。
また、本発明にかかる粒子分離システムは、請求項1から9のいずれかに記載の粒子分離装置と、該粒子分離装置の分離対象となる粒子の混合物を帯電させて前記粒子分離装置に供給する帯電粒子供給部とを有していることを特徴とする。
このように構成される粒子分離システムでは、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちの少なくともいずれか一方を高効率で回収することができる。また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合にも、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
ここで、この粒子分離システムが、前記粒子分離装置による前記混合物の分離率をリアルタイムで計測する分離率測定装置を有し、前記帯電粒子供給部が、前記分離率が所定値以下になった場合に前記混合物の帯電量を増加させる構成とされていてもよい。
このように構成される粒子分離システムでは、粒子分離装置による正電荷の粒子と負電荷の粒子との分離率が所定値以下(例えば許容範囲の下限値)になった場合に、帯電粒子供給部が混合物の帯電量を増加させるので、粒子分離装置内での正電荷の粒子及び負電荷の粒子に作用する静電気力が増加して、分離効率が向上する。
分離率測定装置としては、例えば、前記した、正電荷粒子回収部と負電荷粒子回収部とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳をリアルタイムで計測する計測装置を用いることができる。この計測装置を分離率測定装置として用いる場合には、一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳に基づいて、分離装置の分離率を得ることができる。
ここで、帯電粒子供給部による混合物の帯電量は、例えば、帯電粒子供給部による混合物への帯電処理時間を長くすることで増加させることができる。
分離率測定装置としては、例えば、前記した、正電荷粒子回収部と負電荷粒子回収部とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳をリアルタイムで計測する計測装置を用いることができる。この計測装置を分離率測定装置として用いる場合には、一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳に基づいて、分離装置の分離率を得ることができる。
ここで、帯電粒子供給部による混合物の帯電量は、例えば、帯電粒子供給部による混合物への帯電処理時間を長くすることで増加させることができる。
以上述べたように、本発明にかかる粒子分離装置及び粒子分離システムによれば、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物から、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちの少なくとも一方を高効率で回収することができ、また、正電荷の粒子と負電荷の粒子とを高効率で分離することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図9を用いて説明する。
本実施形態にかかる粒子分離システムは、図1、図2に示すように、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を正電荷の粒子と負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置1と、粒子分離装置1の分離対象となる粒子の混合物を帯電させて粒子分離装置1に供給する帯電粒子供給部2とを有している。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図9を用いて説明する。
本実施形態にかかる粒子分離システムは、図1、図2に示すように、正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を正電荷の粒子と負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置1と、粒子分離装置1の分離対象となる粒子の混合物を帯電させて粒子分離装置1に供給する帯電粒子供給部2とを有している。
帯電粒子供給部2は、粒子分離装置1の分離対象となる粒子の混合物が貯留される貯留部11と、貯留部11に貯留される混合物を粒子分離装置1に搬送する搬送装置12と、搬送装置12が搬送する混合物を帯電させる帯電装置13とを有している。
本実施形態では、貯留部11は、ホッパによって構成されている。貯留部11には、図示しないが、貯留している混合物の量を測定する残量計測装置が設けられている。残量計測装置としては、例えば貯留部11において混合物が貯留される容器部の重量を計測する、ロードセル等の重量計を用いることができる。
本実施形態では、貯留部11は、ホッパによって構成されている。貯留部11には、図示しないが、貯留している混合物の量を測定する残量計測装置が設けられている。残量計測装置としては、例えば貯留部11において混合物が貯留される容器部の重量を計測する、ロードセル等の重量計を用いることができる。
搬送装置12は、図2に示すように、粒子分離装置1まで通じる搬送管路16と、貯留部11から混合物を取り出して搬送管路16に供給するフィーダ17(図2ではスクリューフィーダを用いている)と、搬送管路16内に搬送気体を供給してこの搬送気体によって搬送管路16内に供給された混合物を粒子分離装置1に向けて搬送する搬送気体供給装置18とを有している。
本実施形態では、搬送管路16内面のうちの少なくとも一部は、図3に示すように、帯電列において粒子分離装置1の分離対象である二種類の粒子の間に位置する材質が用いられており、これによって搬送管路16の内面を介して二種類の粒子間で電子のやりとりが行われて、二種類の粒子のうちの一方が正電荷の粒子となり、他方の粒子が負電荷の粒子となる。すなわち、本実施形態では、搬送管路16が前記の帯電装置13として機能するようになっている。
具体的には、搬送管路16の内面のうちの少なくとも一部が、鋼によって構成されており、この鋼部分に搬送中の石炭灰が接触することで、搬送管路16の内面の電子が石炭灰中の灰分に移行してこの灰分が負電荷の粒子となるとともに、搬送管路16の鋼部分の内面の電子欠乏層のエネルギー準位が高くなる。そして、この搬送管路16の内面に石炭灰中の未燃カーボンが接触すると、この未燃カーボンの電子が搬送管路16の内面に移行して未燃カーボンが正電荷の粒子となる。
このように、この帯電粒子供給部2では、搬送装置12によって混合物を搬送する過程で、混合物が順次帯電させられる。
ここで、搬送装置12が形成する混合物の流れの固気比(混合物の流れにおいて搬送気体が占める割合)を低下させると、搬送気体の流れによって搬送される過程で混合物の各粒子の摩擦帯電が増加して、混合物の帯電量が増大する。
このように、この帯電粒子供給部2では、搬送装置12によって混合物を搬送する過程で、混合物が順次帯電させられる。
ここで、搬送装置12が形成する混合物の流れの固気比(混合物の流れにおいて搬送気体が占める割合)を低下させると、搬送気体の流れによって搬送される過程で混合物の各粒子の摩擦帯電が増加して、混合物の帯電量が増大する。
搬送気体供給装置18は、図2に示すように、搬送気体供給源21と、搬送気体供給源21が供給する搬送気体を乾燥させるドライヤ22と、ドライヤ22を通過した搬送気体を搬送管路16においてフィーダ17による混合物の供給位置よりも上流側から搬送管路16内に圧送するルーツブロア23とを有している。
また、搬送気体供給装置18は、ルーツブロア23から圧送された搬送気体を適温まで加熱するヒータ24と、搬送管路16内への搬送気体の供給量を測定する流量計26と、搬送管路16内に供給される搬送気体の流量を調整する流量調節弁27とを有している。
帯電粒子供給部2では、流量調整弁27の開度を調整して搬送管路16に供給する搬送気体の量を調整することで、搬送気体供給装置18の固気比を調整することができるようになっている。
また、搬送気体供給装置18は、ルーツブロア23から圧送された搬送気体を適温まで加熱するヒータ24と、搬送管路16内への搬送気体の供給量を測定する流量計26と、搬送管路16内に供給される搬送気体の流量を調整する流量調節弁27とを有している。
帯電粒子供給部2では、流量調整弁27の開度を調整して搬送管路16に供給する搬送気体の量を調整することで、搬送気体供給装置18の固気比を調整することができるようになっている。
粒子分離装置1は、図4及び図5に示すように、幅広で幅に対して厚みの小さい扁平な流路を形成するチャンバー31と、チャンバー31の幅広の側面のうちの一方の面に設けられてチャンバー31内の灰分(負電荷の粒子)を吸引する正電極32と、チャンバー31の幅広の側面のうちの他方の面に正電極32と対向配置されてチャンバー31内の未燃カーボンの粒子(正電荷の粒子)を吸引する負電極33とを有している。
また、粒子分離装置1は、搬送管路16から混合物が供給されるとともにこの混合物をチャンバー31内の正電極32と負電極33との間に吐出して正電極32と負電極33との間に混合物の流れを形成する吐出部36と、チャンバー31内の混合物の流れの下流側で正電極32と負電極33との中間位置に対して正電極32側に入口37aが配置される灰分回収部37(負電荷回収部)と、チャンバー31内の混合物の流れの下流側で正電極32と負電極33との中間位置に対して負電極33側に入口38aが配置される未燃カーボン回収部38(正電荷粒子回収部)とを有している。
また、粒子分離装置1は、搬送管路16から混合物が供給されるとともにこの混合物をチャンバー31内の正電極32と負電極33との間に吐出して正電極32と負電極33との間に混合物の流れを形成する吐出部36と、チャンバー31内の混合物の流れの下流側で正電極32と負電極33との中間位置に対して正電極32側に入口37aが配置される灰分回収部37(負電荷回収部)と、チャンバー31内の混合物の流れの下流側で正電極32と負電極33との中間位置に対して負電極33側に入口38aが配置される未燃カーボン回収部38(正電荷粒子回収部)とを有している。
本実施形態では、チャンバー31は、自身の形成する流路が略垂直となる向きにして設けられており、その上端には吐出部36が設けられ、下端側には灰分回収部37及び未燃カーボン回収部38が設けられている。
吐出部36は、図4(a)に示すように、チャンバー31の幅広の側面側から見て、搬送管路16との接続部36a側から混合物の吐出口36b側に向かうにつれて幅が広がる略三角形状のダクトとされており、これによって、搬送管路16から供給された混合物の流れがチャンバー31の幅に沿った幅広で厚みの薄い流れに変換されて、吐出口36bからチャンバー31内に吐出されるようになっている。
このように吐出部36から吐出される混合物の流れを、正電極32と負電極33との間でこれら電極の配列方向における厚みの薄い流れとすることで、混合物の流れ全体に均等に静電気力を作用させることができ、また電極の配列方向における粒子数が少なくなるために電極の配列方向における粒子の移動が容易となるので、粒子の分離が効果的に行われる。
ここで、吐出部36から吐出される混合物の流れの幅を広くすると、その分、単位時間における分離処理量が向上するので、これら吐出部36は、幅方向に複数基設けて、これら吐出部36から並列に混合物を吐出させてもよい。なお、図4(a)では、吐出部36を幅方向に沿って二基配置した例を示している。
ここで、吐出部36から吐出される混合物の流れの幅を広くすると、その分、単位時間における分離処理量が向上するので、これら吐出部36は、幅方向に複数基設けて、これら吐出部36から並列に混合物を吐出させてもよい。なお、図4(a)では、吐出部36を幅方向に沿って二基配置した例を示している。
また、吐出部36は、接続部36aから吐出口36bまでの間で断面積が一定とされており、これによって吐出部36に供給された混合物の流れの速度と吐出口36bから吐出される混合物の流れの速度とがほぼ等しくされている。本実施形態では、吐出部36の各部の断面積が一定に保たれるよう、吐出部36は、図4(b)及び図5に示すように、チャンバー31の幅の狭い側面側から見て、接続部36a側から吐出口36b側に向かうにつれて幅が狭まる形状とされている。
一方、吐出部36の吐出口36b近傍部分は全側面がそれぞれ吐出方向に平行とされており、これによって、混合物の流れが吐出部36の開口方向に乱れなく進行するようになっている。
一方、吐出部36の吐出口36b近傍部分は全側面がそれぞれ吐出方向に平行とされており、これによって、混合物の流れが吐出部36の開口方向に乱れなく進行するようになっている。
また、この吐出部36は、図6に示すように、正電極32と負電極33との配列方向での吐出口36bの位置を調整可能とされている(図6では吐出部36ごと位置を変更可能としている)。吐出部36は、単にチャンバー31に対する取り付け位置を変更可能な構成とすることによって吐出口36bの位置調整可能としてもよく、チャンバー31外から操作可能な図示しないアクチュエータ等によって吐出口36bの位置調整が行われる構成としてもよい。後者の構成を採用した場合には、粒子分離システムの運転中であっても、吐出口36bの位置調整を行うことができる。
ここで、吐出部36の吐出口36bを、正電極32と負電極33とのうちのいずれか一方の電極に近付けることで、混合物の吐出位置がこの一方の電極に近くなる。これにより、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうち、吐出口36bに近い電極に吸引される粒子は、他方の粒子に比べて、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくて済み、対応する粒子回収部に確実に回収される。そして、吐出口36bに近い電極に吸引される粒子は、吐出口36bが一方の電極に近付くほど、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量がより少なくなる反面、吐出口36bから遠い電極に吸引される粒子は、対応する粒子回収部に回収されにくくなる。吐出口36bと電極との距離は、このことを考慮して設定される。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量(移動速度)の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口36bを配置すると、静電気力による移動量の少ない粒子が対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなって、対応する粒子回収部に確実に回収される。一方、静電気による移動量の多い粒子は、もともと移動量が多いために、対応する粒子回収部に確実に到達して回収される。
本実施形態では、混合物から未燃カーボンを確実に除去して高純度の灰分を回収することが目的であるので、吐出口36bは、負電極33側に配置される。
また、例えば、正電荷の粒子と負電荷の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量(移動速度)の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口36bを配置すると、静電気力による移動量の少ない粒子が対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなって、対応する粒子回収部に確実に回収される。一方、静電気による移動量の多い粒子は、もともと移動量が多いために、対応する粒子回収部に確実に到達して回収される。
本実施形態では、混合物から未燃カーボンを確実に除去して高純度の灰分を回収することが目的であるので、吐出口36bは、負電極33側に配置される。
また、図5に示すように、チャンバー31の上端には、吐出部36が正電極32と負電極33との間に形成する混合物の流れに沿ってこの混合物の流れを囲むシールガスの流れを形成するシール気流形成装置39が設けられている。シール気流形成装置39は、シール気流供給源39aと、シール気流供給源39aの供給するシールガスを整流して上記のようなシール気流を形成する整流部39bとを有しており、これによってチャンバー31内での混合物の流れの形状が維持されるようになっている。
本実施形態では、シール気流形成装置39は、図7に示すように、吐出部36の混合物の吐出速度をV1(約10m/s)、シールガスの流速をV2とすると、0.7V1≦V2≦1.5V1となるようにその動作が制御されている。このように、この粒子分離装置1では、混合物の吐出速度V1とシールガスの流速V2とが同一か、またはその速度差がわずかとされているので、吐出部36が形成する混合物の流れに乱れが生じにくい。このため、吐出部36から吐出された混合物が周囲に拡散しにくく、静電気力を利用した粒子の分離が効果的に行われる。また、この粒子分離装置1では、混合物の流れだけでなく、分離された粒子の流れにも乱れが生じにくいので、正電極32、負電極33への粒子の付着が生じにくく、これら電極の汚れによる静電気力の低下が生じにくくなり、長期にわたって分離性能を維持することができる。そして、このように分離性能が優れていることにより、シールガスとして、大気を乾燥させずにそのまま使用することが可能であり、装置コスト及び運用コストを大幅に低減することができる。
ここで、以上のような効果をより高めるためには、V1=V2とすることが好ましい。
ここで、以上のような効果をより高めるためには、V1=V2とすることが好ましい。
また、図4に示すように、灰分回収部37は、チャンバー31内で混合物から分離された灰分の粒子を搬送気体及びシールガスとともに灰分回収部37内に吸引する灰分吸引装置41と、灰分吸引装置41の上流側で灰分吸引装置41に吸引された流体中から灰分の粒子を回収する灰分回収バグ42と、灰分回収バグ42の下流側で灰分吸引装置41による吸気量を測定する流量計43と、灰分回収バグ42の下流側で灰分吸引装置41による吸気量を調整する流量調整バルブ44とを有している。
また、未燃カーボン回収部38は、チャンバー31内で混合物から分離された未燃カーボンの粒子を搬送気体及びシールガスとともに未燃カーボン回収部38内に吸引する未燃カーボン吸引装置46と、未燃カーボン吸引装置46の上流側で未燃カーボン吸引装置46に吸引された流体中から未燃カーボンの粒子を回収する未燃カーボン回収バグ47と、未燃カーボン回収バグ47の下流側で未燃カーボン吸引装置46による吸気量を測定する流量計48と、未燃カーボン回収バグ47の下流側で未燃カーボン吸引装置46による吸気量を調整する流量調整バルブ49とを有している。
また、未燃カーボン回収部38は、チャンバー31内で混合物から分離された未燃カーボンの粒子を搬送気体及びシールガスとともに未燃カーボン回収部38内に吸引する未燃カーボン吸引装置46と、未燃カーボン吸引装置46の上流側で未燃カーボン吸引装置46に吸引された流体中から未燃カーボンの粒子を回収する未燃カーボン回収バグ47と、未燃カーボン回収バグ47の下流側で未燃カーボン吸引装置46による吸気量を測定する流量計48と、未燃カーボン回収バグ47の下流側で未燃カーボン吸引装置46による吸気量を調整する流量調整バルブ49とを有している。
灰分吸引装置41、未燃カーボン吸引装置46としては、例えば吸引ブロワが用いられる。
また、灰分回収バグ42に回収された灰分の量、及び未燃カーボン回収バグ47に回収された未燃カーボンの量は、それぞれ図示しない回収量検出装置(例えば灰分回収バグ42や未燃カーボン回収バグ47の重量を検出するロードセル等)によって検出することができるようになっている。
また、灰分回収バグ42に回収された灰分の量、及び未燃カーボン回収バグ47に回収された未燃カーボンの量は、それぞれ図示しない回収量検出装置(例えば灰分回収バグ42や未燃カーボン回収バグ47の重量を検出するロードセル等)によって検出することができるようになっている。
ここで、この粒子分離システムでは、流量調整バルブ44を操作することで、灰分吸引装置41の生じさせる気流の流速Vcを制御することができる。同様に、この粒子分離システムでは、流量調整バルブ49を操作することで、未燃カーボン吸引装置46の生じさせる気流の流速Vaを制御することができる(図8参照)。
そして、0.8Vc≦Va≦1.2Vcとすることで、チャンバー31内で吐出部36側から灰分回収部37側に向かう気流の流速V3と吐出部36側から未燃カーボン回収部38側に向かう気流の流速V4との関係も0.8V3≦V4≦1.2V3となる。
すなわち、吐出部36側から灰分回収部37側に向かう気流の流速V3と吐出部36側から未燃カーボン回収部38側に向かう気流の流速V4とをほぼ同一速度、またはその速度差がわずかとなるので、チャンバー31内での混合物の流れの形状、及び分離された粒子の流れの形状を維持することができる。
ここで、以上のような効果をより高めるためには、Vc=Vaとすることが好ましい。
そして、0.8Vc≦Va≦1.2Vcとすることで、チャンバー31内で吐出部36側から灰分回収部37側に向かう気流の流速V3と吐出部36側から未燃カーボン回収部38側に向かう気流の流速V4との関係も0.8V3≦V4≦1.2V3となる。
すなわち、吐出部36側から灰分回収部37側に向かう気流の流速V3と吐出部36側から未燃カーボン回収部38側に向かう気流の流速V4とをほぼ同一速度、またはその速度差がわずかとなるので、チャンバー31内での混合物の流れの形状、及び分離された粒子の流れの形状を維持することができる。
ここで、以上のような効果をより高めるためには、Vc=Vaとすることが好ましい。
また、チャンバー31内には、灰分回収部37の入口と未燃カーボン回収部38の入口との間を仕切るとともに吐出部36側の端部を灰分回収部37と未燃カーボン回収部38との配列方向に揺動可能とされたスプリッタ51が設けられている。
そして、スプリッタ51の吐出部36側の端部を灰分回収部37と未燃カーボン回収部38とのうちのいずれか一方の粒子回収部側に変位させることで、一方の粒子回収部の入口を縮小するとともに、他方の粒子回収部の入口を一方の粒子回収部側に拡張することができる。
そして、スプリッタ51の吐出部36側の端部を灰分回収部37と未燃カーボン回収部38とのうちのいずれか一方の粒子回収部側に変位させることで、一方の粒子回収部の入口を縮小するとともに、他方の粒子回収部の入口を一方の粒子回収部側に拡張することができる。
すなわち、この粒子分離装置1では、スプリッタ51の吐出部36側の端部の位置を調整することで、一方の粒子回収部の入口と他方の粒子回収部の入口との境界を、一方の粒子回収部側に変位させることができるようになっている。
これにより、静電気力による粒子の分離が不十分であったり、分離された粒子の流れの境界が灰分回収部37の入口と未燃カーボン回収部38の入口との中間位置よりもいずれか一方の粒子回収部側に位置しているなどして、一方の粒子回収部側に他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が取り込まれてしまう場合にも、スプリッタ51を変位させて、一方の粒子回収部の入口と他方の粒子回収部の入口との境界を、一方の粒子回収部側に変位させることで、他方の粒子回収部に回収されるべき粒子を一方の粒子回収部に取り込まれにくくして、分離精度を向上させることができる。
これにより、静電気力による粒子の分離が不十分であったり、分離された粒子の流れの境界が灰分回収部37の入口と未燃カーボン回収部38の入口との中間位置よりもいずれか一方の粒子回収部側に位置しているなどして、一方の粒子回収部側に他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が取り込まれてしまう場合にも、スプリッタ51を変位させて、一方の粒子回収部の入口と他方の粒子回収部の入口との境界を、一方の粒子回収部側に変位させることで、他方の粒子回収部に回収されるべき粒子を一方の粒子回収部に取り込まれにくくして、分離精度を向上させることができる。
本実施形態では、粒子分離装置1は、灰分回収部37と未燃カーボン回収部38とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳をリアルタイムで計測する計測装置52と、計測装置52の計測結果に基づいて、粒子の分離率が所定値以上となるようにスプリッタ51の吐出部36側の端部の位置を調整するスプリッタ駆動装置53とを有しており、これによって、スプリッタ51の吐出部36側の端部の位置が常に適正な位置に移動されるので、高い回収率を維持することができる。
具体的には、未燃焼カーボン回収部38に回収された粒子の分離率(純度)が低い場合には、スプリッタ駆動装置53がスプリッタ51の吐出部36側の端部を灰分回収部37側に変位させる。
これにより、灰分回収部37の入口37aが縮小されるとともに、未燃カーボン回収部38の入口38aが灰分回収部37側に拡張されるので、未燃カーボン回収部38に回収されるべき粒子が灰分回収部37に取り込まれにくくなり、分離精度が向上する。
これにより、灰分回収部37の入口37aが縮小されるとともに、未燃カーボン回収部38の入口38aが灰分回収部37側に拡張されるので、未燃カーボン回収部38に回収されるべき粒子が灰分回収部37に取り込まれにくくなり、分離精度が向上する。
計測装置52としては、例えば特開平2003−126822号公報に記載の計測装置が用いられる。この計測装置は、石炭灰の回収経路上で石炭灰のサンプリングを行うとともに、採取した石炭灰について空洞共振器を用いて複素誘電率を求め、この複素誘電率の値を、予め求めた複素誘電率と未燃カーボン分率の関数式とから、未燃カーボン分率を求めるものである。本実施形態では、計測装置52は、灰分回収部37の灰分回収経路上で灰分のサンプリングを行ってその純度を求める構成とされている。
ここで、このようにスプリッタ51の吐出部36側の端部を変位させることで、未燃カーボン回収部38と灰分回収部37の入口の断面積とに差が生じるので、未燃カーボン吸引装置46の吸気量と灰分吸引装置41の吸気量との関係によっては、いずれか一方の粒子回収部に向かう気流の流速が他方の粒子回収部に向かう気流の流速よりも早くなる場合がある。
この場合には、本来他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が一方の粒子回収部に向かう流れに巻き込まれて一方の粒子回収部に取り込まれてしまいやすくなり、かえって分離精度が低下してしまう。
この場合には、本来他方の粒子回収部に回収されるべき粒子が一方の粒子回収部に向かう流れに巻き込まれて一方の粒子回収部に取り込まれてしまいやすくなり、かえって分離精度が低下してしまう。
そこで、上記のように、灰分吸引装置41の生じさせる気流の流速Vcと未燃カーボン吸引装置46の生じさせる気流の流速Vaとを同程度の速度とすることで、吐出部36側から灰分回収部37側に向かう気流の流速V3と吐出部36側から未燃カーボン回収部38側に向かう気流の流速V4とがほぼ同一速度となり、混合物の流れや分離された粒子の流れに乱れが生じにくく、分離された粒子が混ざり合うことなくそれぞれ対応する粒子回収部に回収されることにより、際立って分離精度を高くすることができる。
ここで、一般に、粒子分離装置では、混合物の流れや分離された粒子の流れが乱れることなどにより、混合物に含まれる粒子が混合物の分離に用いる電極に付着することがある。このように電極に混合物中の粒子が付着すると、粒子の付着量が増加するに従って混合物に作用する静電気力が低下して、粒子分離装置の分離性能が落ちるので、時期をみて、電極を清掃して付着した粒子を除去する必要がある。
この粒子分離装置1は、正電極32と負電極33とのうちの少なくともいずれか一方に流れる電流を検出する電流検出装置56と、電流検出装置56によって所定値以上の電流が検出されたことをもって、少なくとも一方の電極を清掃する電極清掃装置57とを有している。本実施形態では、電流検出装置56は、正電極32と負電極33との間に高電圧を印加する高電圧発生装置58に流れる電流を検出する構成とされている。また、電極清掃装置57としては、例えば、清掃対象の電極を振動させることによって電極から粒子を除去するバイブレータや、清掃対象の電極に付着した粒子を気流で吹き飛ばすブロワー等が用いられる。
電流検知装置56を用いた電極の汚れの検出は、以下の原理に基づいて行われる。
通常、正電極32と負電極33とは接触していないので、これら電極にはほとんど電流が流れないが、これら電極の表面に、混合物中の帯電した粒子が付着すると、この粒子の電荷が電極に移るため、電極に電流が流れる。
この粒子分離装置1では、この現象を利用して電極の清掃を行うか否かの判定が行われる。具体的には、電流検出装置56が正電極32と負電極33とのうちの少なくともいずれか一方の電極に、所定の基準値以上の電流が検出されたことをもって(この電極に粒子が所定量以上付着したことをもって)、電極清掃装置57による電極の清掃が行われる。すなわち、この粒子分離装置1では、正電極32や負電極33の清掃が自動的に行われて、これら電極への粒子の付着量が所定量以下(例えば許容範囲の上限値以下)に維持されるので、常に粒子の分離性能を良好に維持することができる。
通常、正電極32と負電極33とは接触していないので、これら電極にはほとんど電流が流れないが、これら電極の表面に、混合物中の帯電した粒子が付着すると、この粒子の電荷が電極に移るため、電極に電流が流れる。
この粒子分離装置1では、この現象を利用して電極の清掃を行うか否かの判定が行われる。具体的には、電流検出装置56が正電極32と負電極33とのうちの少なくともいずれか一方の電極に、所定の基準値以上の電流が検出されたことをもって(この電極に粒子が所定量以上付着したことをもって)、電極清掃装置57による電極の清掃が行われる。すなわち、この粒子分離装置1では、正電極32や負電極33の清掃が自動的に行われて、これら電極への粒子の付着量が所定量以下(例えば許容範囲の上限値以下)に維持されるので、常に粒子の分離性能を良好に維持することができる。
以上述べたように、このように構成される粒子分離システムによれば、石炭灰から未燃カーボンの粒子を高効率で回収することができ、石炭灰から高品位のコンクリート混和材を得ることができる。
ここで、本実施形態では、吐出部36が、正電極32と負電極33との配列方向での吐出口36bの位置を調整可能とされている例を示したが、試験運転やシミュレーション等によって吐出口36bの最適な位置が判明している場合には、吐出口36bを最適位置に固定的に設けてもよい。
また、本実施形態では、混合物の分離率を向上させるために、灰分回収部37と未燃カーボン回収部38とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳をリアルタイムで計測する計測装置52を設けて、この計測装置52の計測結果に基づいて、粒子の分離率が所定値以上となるように、スプリッタ駆動装置53によってスプリッタ51の吐出部36側の端部の位置を調整する構成とした。しかし、本発明は、これに限られることなく、図10に示すように、粒子分離装置1による混合物の分離率をリアルタイムで計測する分離率測定装置61を設けて、帯電粒子供給部2が、分離率測定装置61によって計測された分離率が所定値以下になった場合に混合物の帯電量を増加させる構成としてもよい。
この場合には、粒子分離装置1による未燃カーボンの粒子と灰分の粒子との分離率が所定値以下(例えば許容範囲の下限値)になった場合に、帯電粒子供給部2が混合物の帯電量を増加させるので、粒子分離装置1内での未燃カーボンの粒子及び灰分の粒子に作用する静電気力が増加して、分離効率が向上する。
ここで、混合物の帯電量は、帯電粒子供給部2の搬送気体供給装置18の流量調整弁27を操作して混合物を搬送する搬送気体の流量を絞って、混合物の摩擦帯電を増加させることで行われる。
なお、分離率測定装置61としては、例えば、前記の計測装置52を用いることができる。この計測装置52を分離率測定装置61として用いる場合には、一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳に基づいて、分離装置1の分離率を得る。
ここで、混合物の帯電量は、帯電粒子供給部2の搬送気体供給装置18の流量調整弁27を操作して混合物を搬送する搬送気体の流量を絞って、混合物の摩擦帯電を増加させることで行われる。
なお、分離率測定装置61としては、例えば、前記の計測装置52を用いることができる。この計測装置52を分離率測定装置61として用いる場合には、一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳に基づいて、分離装置1の分離率を得る。
また、上記実施の形態では、粒子分離装置1に、灰分回収部37と未燃カーボン子回収部38とを設けた例を示したが、これに限られることなく、未分離の粒子を回収する未分離粒子回収部を設けてもよい。この場合には、チャンバー31内の灰分回収部37の入口37aと未燃カーボン回収部38の入口38aとの間に未分離粒子回収部の入口を設けて、この入口と入口37a及び入口38aとの間にそれぞれスプリッタ51を設ける。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図11を用いて説明する。
本実施形態にかかる粒子分離システムは、第一実施形態に示した粒子分離システムにおいて、粒子分離装置1の代わりに、粒子分離装置91を用いたことを主たる特徴とするものである。以下、第一実施形態に示した粒子分離装置1と同様または同一の構成については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
次に、本発明の第二実施形態について、図11を用いて説明する。
本実施形態にかかる粒子分離システムは、第一実施形態に示した粒子分離システムにおいて、粒子分離装置1の代わりに、粒子分離装置91を用いたことを主たる特徴とするものである。以下、第一実施形態に示した粒子分離装置1と同様または同一の構成については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
粒子分離装置91は、粒子分離装置1において、吐出部36の吐出口36bを正電極32と負電極33との配列方向に移動可能とする代わりに、吐出部36自体を、正電極32と負電極33の配列方向及びチャンバー31の軸線方向に平行な平面上で揺動可能にして設けたことを主たる特徴とするものである。
この粒子分離装置91では、吐出部36の吐出口36bを、正電極32と負電極33とのうちのいずれか一方の電極側に向けることができる。このように吐出口36bを一方の電極側に向けることで、未燃カーボンの粒子と灰分の粒子とのうち、吐出口36bの向けられている電極に吸引される粒子は、他方の粒子に比べて、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量が少なくなるので、この粒子を高効率で回収することができる。
本実施形態では、混合物から未燃カーボンを確実に除去して高純度の灰分を回収することが目的であるので、吐出口36bは、負電極33側に向けられる。
そして、吐出口36aに近い電極に吸引される粒子は、吐出口36aが一方の電極側に向けられるほど、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量がより少なくなる反面、吐出口36bから吐出される混合物の流れがチャンバー31の軸線に対して傾斜するため、混合物の流れに乱れが生じやすくなる。吐出口36bの向きは、このことを考慮して設定される。
本実施形態では、混合物から未燃カーボンを確実に除去して高純度の灰分を回収することが目的であるので、吐出口36bは、負電極33側に向けられる。
そして、吐出口36aに近い電極に吸引される粒子は、吐出口36aが一方の電極側に向けられるほど、対応する粒子回収部に到達するために要する電極の配列方向への移動量がより少なくなる反面、吐出口36bから吐出される混合物の流れがチャンバー31の軸線に対して傾斜するため、混合物の流れに乱れが生じやすくなる。吐出口36bの向きは、このことを考慮して設定される。
また、例えば、未燃カーボンの粒子と灰分の粒子とのうちのいずれか一方の粒子が他方の粒子に比べて静電気力による移動量の少ない粒子である場合には、静電気力による移動量の少ない粒子が吸引される電極側に吐出口を向けることで、これら両方の粒子を確実に分離して回収することができ、分離効率が高い。
ここで、本実施形態では、吐出部36の向きが調整可能とされている例を示したが、試験運転やシミュレーション等によって吐出部36の最適な向きが判明している場合には、吐出部36を最適位置に固定的に設けてもよい。
1,91 粒子分離装置
2 帯電粒子供給部
32 正電極
33 負電極
36 吐出部
36b 吐出口
37 灰分回収部(負電荷粒子回収部)
38 未燃カーボン回収部(正電荷粒子回収部)
39 シール気流形成装置
41 灰分吸引装置(負電荷粒子吸引装置)
46 未燃カーボン吸引装置(正電荷粒子吸引装置)
51 スプリッタ
52 計測装置
53 スプリッタ駆動装置
56 電流検出装置
57 電極清掃装置
59 分離率測定装置
V1 混合物の吐出速度
V2 シールガスの流速
V3 吐出部側から灰分回収部側に向かう気流の流速
V4 吐出部側から未燃カーボン回収部側に向かう気流の流速
Va 正電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速
Vc 負電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速
2 帯電粒子供給部
32 正電極
33 負電極
36 吐出部
36b 吐出口
37 灰分回収部(負電荷粒子回収部)
38 未燃カーボン回収部(正電荷粒子回収部)
39 シール気流形成装置
41 灰分吸引装置(負電荷粒子吸引装置)
46 未燃カーボン吸引装置(正電荷粒子吸引装置)
51 スプリッタ
52 計測装置
53 スプリッタ駆動装置
56 電流検出装置
57 電極清掃装置
59 分離率測定装置
V1 混合物の吐出速度
V2 シールガスの流速
V3 吐出部側から灰分回収部側に向かう気流の流速
V4 吐出部側から未燃カーボン回収部側に向かう気流の流速
Va 正電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速
Vc 負電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速
Claims (11)
- 正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、
前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、
該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、
前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、
前記吐出部の吐出口が、前記正電極と前記負電極との中間位置に対して、前記正電極と前記負電極とのうちのいずれか一方の電極側に配置されている粒子分離装置。 - 正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、
前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、
該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、
前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、
前記吐出部が、前記正電極と前記負電極との配列方向での吐出口の位置を調整可能とされている粒子分離装置。 - 正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、
前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、
該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、
前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、
前記吐出部の吐出口が、前記正電極と前記負電極との中間位置に対して、前記正電極と前記負電極とのうちのいずれか一方の電極側に向けられている粒子分離装置。 - 正電荷の粒子と負電荷の粒子との混合物を、静電気力を用いて前記正電荷の粒子と前記負電荷の粒子とに分離する粒子分離装置であって、
前記負電荷の粒子を吸引する正電極と、
該正電極に対向配置されて前記正電荷の粒子を吸引する負電極と、
前記正電極と前記負電極との間に前記混合物を吐出して前記正電極と前記負電極との間に前記混合物の流れを形成する吐出部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記正電極側に配置される負電荷粒子回収部と、
前記混合物の流れの下流側で前記正電極と前記負電極との中間位置に対して前記負電極側に配置される正電荷粒子回収部とを有しており、
前記正電極と前記負電極との配列方向における前記吐出部の向きが調整可能とされている粒子分離装置。 - 前記正電極と前記負電極との間に前記吐出部が形成する混合物の流れに沿って該混合物の流れを囲むシールガスの流れを形成して前記混合物の流れの形状を維持するシール気流形成装置を有しており、
前記吐出部の前記混合物の吐出速度をV1、前記シールガスの流速をV2とすると、
0.7V1≦V2≦1.5V1
とされている請求項1から4のいずれかに記載の粒子分離装置。 - 前記吐出部側から前記負電荷粒子回収部側に向かう気流の流速をV3、前記吐出部側から前記正電荷粒子回収部側に向かう気流の流速をV4とすると、
0.8V3≦V4≦1.2V3
とされている請求項1から5のいずれかに記載の粒子分離装置。 - 前記混合物から分離された前記正電荷の粒子を前記シールガスとともに前記正電荷粒子回収部内に吸引する正電荷粒子吸引装置と、
前記混合物から分離された前記負電荷の粒子を前記シールガスとともに前記負電荷粒子回収部内に吸引する負電荷粒子吸引装置とを有しており、
前記正電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速をVa、前記負電荷粒子吸引装置の生じさせる気流の流速をVcとすると、
0.8Vc≦Va≦1.2Vc
とされている請求項1から5のいずれかに記載の粒子分離装置。 - 前記正電極と前記負電極とのうちの少なくともいずれか一方に流れる電流を検出する電流検出装置と、
該電流検出装置によって所定値以上の電流が検出されたことをもって、少なくとも前記一方の電極を清掃する電極清掃装置とを有している請求項1から7のいずれかに記載の粒子分離装置。 - 前記正電荷粒子回収部の入口と前記負電荷粒子回収部の入口との間を仕切るとともに前記吐出部側の端部を前記正電荷粒子回収部と前記負電荷粒子回収部との配列方向に揺動可能とされたスプリッタと、
前記正電荷粒子回収部と前記負電荷粒子回収部とのうちの少なくともいずれか一方の粒子回収部に回収された粒子の内訳をリアルタイムで計測する計測装置と、
該計測装置の計測結果に基づいて、前記粒子の分離率が所定値以上となるように前記スプリッタの前記吐出部側の端部の位置を調整するスプリッタ駆動装置とを有している請求項1から8のいずれかに記載の粒子分離装置。 - 請求項1から9のいずれかに記載の粒子分離装置と、
該粒子分離装置の分離対象となる粒子の混合物を帯電させて前記粒子分離装置に供給する帯電粒子供給部とを有する粒子分離システム。 - 前記粒子分離装置による前記混合物の分離率をリアルタイムで計測する分離率測定装置を有し、
前記帯電粒子供給部が、前記分離率が所定値以下になった場合に前記混合物の帯電量を増加させる請求項10記載の粒子分離システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005027951A JP2006212547A (ja) | 2005-02-03 | 2005-02-03 | 粒子分離装置及びこれを用いた粒子分離システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005027951A JP2006212547A (ja) | 2005-02-03 | 2005-02-03 | 粒子分離装置及びこれを用いた粒子分離システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006212547A true JP2006212547A (ja) | 2006-08-17 |
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ID=36976192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005027951A Withdrawn JP2006212547A (ja) | 2005-02-03 | 2005-02-03 | 粒子分離装置及びこれを用いた粒子分離システム |
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JP (1) | JP2006212547A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009195768A (ja) * | 2008-02-19 | 2009-09-03 | Mitsubishi Electric Corp | 静電選別装置 |
-
2005
- 2005-02-03 JP JP2005027951A patent/JP2006212547A/ja not_active Withdrawn
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JP2009195768A (ja) * | 2008-02-19 | 2009-09-03 | Mitsubishi Electric Corp | 静電選別装置 |
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