JP2006211853A - アキシャルギャップ型電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポールメンバーの内周空間に軸受部を配置する場合に、リング状の板バネがバネ性を失わず、また、最悪の場合でもロータとステータとが接触しないアキシャルギャップ型電動機を提供する。
【解決手段】同一の回転軸4に所定の空隙をもって対向的に配置されるリング状のステータ2及び円盤状のロータ8、9とで電動機を構成し、ステータ2をティース51の外周にコイル27が巻回され、環状に連結される複数個のポールメンバーと、リング状の内周空間である左右の軸受穴2d、2eにそれぞれ配置される軸受部26とで構成し、ロータ出力軸4の右の回転軸方向への摺動を規制するストッパ2cを設け、また、軸受穴2dの底面と軸受部26との間に、リング状の板バネ33を配置し、ロータ8、9、及びロータ出力軸4を左の軸方向へ付勢する構造にする。
【選択図】図1
【解決手段】同一の回転軸4に所定の空隙をもって対向的に配置されるリング状のステータ2及び円盤状のロータ8、9とで電動機を構成し、ステータ2をティース51の外周にコイル27が巻回され、環状に連結される複数個のポールメンバーと、リング状の内周空間である左右の軸受穴2d、2eにそれぞれ配置される軸受部26とで構成し、ロータ出力軸4の右の回転軸方向への摺動を規制するストッパ2cを設け、また、軸受穴2dの底面と軸受部26との間に、リング状の板バネ33を配置し、ロータ8、9、及びロータ出力軸4を左の軸方向へ付勢する構造にする。
【選択図】図1
Description
本発明は、アキシャルギャップ型電動機の固定子に係わり、より詳細には、巻線を巻回した複数のポールメンバーを円周状に配置し、その内周空間に備えられた軸受の摺動防止構造に関する。
従来、3相9スロットのアキシャルギャップ型電動機は図7及び図8に示すように、ほぼ円盤状をなすステータ20と、ステータ20の両側に所定の空隙をもって対向的に配置される一対のプラスチックマグネットからなるロータ31、32とを含み、ロータ31、32は同一のロータ出力軸(回転軸)24を共有しており、ステータ20は、その内周側にロータ出力軸24を支持する軸受部26を備えている。
なお実際には、ステータ20およびロータ31、32は、図示しないブラケット(筐体)内に収納され、ステータ20は、その外周側がブラケットに固定されている。
ステータ20は、環状(いわゆるドーナツ状)に形成されたステータコア25と、ステータコア25の内周側に同軸的に挿入された軸受部26とを備え、ステータコア25は、合成樹脂21によって一体的にモールドされている。この例において、それぞれの軸受部26は、1つのラジアルボールベアリングを備えている。
図8に示すように、ステータコア25は、9個のポールメンバー25a〜25iを環状につなぎ合わせることにより構成されている。各ポールメンバー25a〜25iはすべて同一形状である。
また、1つのポールメンバー25dは、図7に示すように、複数枚の金属板を台形状に積層してなるティース(鉄心)51を備え、ティース51の周りには、その両側面を除いて合成樹脂からなるインシュレータ50が一体に形成されている。
インシュレータ50は、ティース51の両側面に沿って左右一対として配置されるほぼ扇型のフランジ52、53を含む全体が断面H字形のボビン状に形成されている。このフランジ52、53との間にコイル27が巻回される構造になっている。
そして、3相分のポールメンバーユニットを形成した後、図8に示すように、U相用ポールメンバーを順次円弧状に配置する。そしてその隣にV相、その隣にW相の各ポールメンバーをそれぞれ円弧状に配置して、これらの各ポールメンバー両隣をそれぞれ連結する。これにより、9個のポールメンバーが環状に組み立てられる。
なお、Ua、UbはU相用の引出線、Va、VbはV相用の引出線、Wa、WbはW相用の引出線であり、各引出線をステータコア25に保持するための樹脂性の保持体30を介して図示しない電動機用の駆動回路基板に接続される。
そして、インサート成形により各ポールメンバーの外周部分および内周部分、引出線用の保持体30を合成樹脂21によって固める。その後、ステータコア25の一方の内周側と軸受部26との間に、断面波形のリング状の板バネ(波ワッシャバネ)33を配置し、次にステータコア25の左右の内周側に軸受部26をそれぞれ圧入してステータ20を作成する。これにより、ロータ出力軸24の軸方向への摺動を抑制するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
このように、ロータ出力軸24の軸方向への摺動に付勢手段、つまり、波ワッシャバネ33を用いてわざと遊びを設けているが、この理由はベアリングの外輪に対する予圧の効果だけでなく、振動の防止にもある。つまり、電動機には、回転軸の偏芯やロータのアンバランス、磁束密度のアンバランスなどが存在し、ロータの回転によりこれらが機械的な変移として現れてくる。従って、このような機械的な変移を機械的な遊びなしで押さえ込む構造にすると、逃げ場のない機械的な変移が振動として現れる。
そして、このような機械的な変移は1回転ごとに周期的に発生するため、1回転の中で機械的な変移を柔らかく受け止めることにより、振動の発生を低減させることができる。このため、逃げ場のない機械的な変移を回転軸方向の摺動へ導き、この摺動を板バネで抑制することにより、振動を低減させて騒音を抑制する構造になっている。
また、以上説明した従来例のように、ポールメンバーにティースを備えたステータは、ティース自体に、ある程度の回転軸方向の厚みが必要であり、結果的に円形に配置されたポールメンバーの内周空間に軸受部を配置することができる。このようにアキシャルギャップ型電動機は、回転軸方向の厚みを小さくできることが特徴であり、ラジアルギャップ型電動機のようにブラケットの両端で軸受を保持する構造でなく、ステータ内周に軸受部を配置する構造が採用される場合が多い。従って、この軸受部と共に板バネがステータ内周に配置されている。
しかしながら、リング状の板バネにより、ロータ出力軸の軸方向への摺動を抑制する構造になっているが、リング状の板バネが長期間の過度の押圧により板状となってバネ性を失ってしまったり、また、ロータとステータとが接触して信頼性を損ねたり、最悪の場合にロータとステータとが噛み合って回転がロックする場合があった。
本発明は以上述べた問題点を解決し、ポールメンバーの内周空間に軸受部を配置する場合に、リング状の板バネがバネ性を失わず、また、最悪の場合でもロータとステータとが接触しないアキシャルギャップ型電動機を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、同一の回転軸に所定の空隙をもって対向的に配置されるリング状のステータ及び円盤状のロータとを含み、
前記ステータのリング状の内周空間である軸受穴に軸受部が配置され、前記軸受穴と前記軸受部側面との空間に、前記ロータを前記回転軸方向に付勢する付勢手段を設けてなるアキシャルギャップ型電動機において、
前記軸受穴の内面に、前記ロータの前記回転軸方向の摺動を規制するストッパを設ける。
前記ステータのリング状の内周空間である軸受穴に軸受部が配置され、前記軸受穴と前記軸受部側面との空間に、前記ロータを前記回転軸方向に付勢する付勢手段を設けてなるアキシャルギャップ型電動機において、
前記軸受穴の内面に、前記ロータの前記回転軸方向の摺動を規制するストッパを設ける。
また、前記ストッパは、前記軸受穴を形成する前記ステータの前記回転軸方向の面に設けられ、前記軸受穴の開口面に向かう凸形状にする。
また、前記付勢手段を円周方向波形からなるリング状の板バネで構成し、同板バネの波型の頂点部分が前記ストッパを跨ぐように配置する。
また、前記ストッパは、前記ステータの円周方向の左右に傾斜面を備えてなる構造にする。
以上の手段を用いることにより、本発明によるアキシャルギャップ型電動機によれば、
請求項1に係わる発明は、軸受穴の内面に、ロータの回転軸方向の摺動を規制するストッパを設けることにより、
摺動による大きな回転軸方向の移動が発生した場合、ロータとステータとが接触すること、またこれによるロータ回転のロックを防止することができる。
請求項1に係わる発明は、軸受穴の内面に、ロータの回転軸方向の摺動を規制するストッパを設けることにより、
摺動による大きな回転軸方向の移動が発生した場合、ロータとステータとが接触すること、またこれによるロータ回転のロックを防止することができる。
請求項2に係わる発明は、ストッパが、軸受穴を形成するステータの回転軸方向の面に設けられ、軸受穴の開口面に向かう凸形状にすることにより、ストッパをステータの一部としてモールドで一体に形成でき、組立の工数を削減できる。
請求項3に係わる発明は、付勢手段を円周方向波形からなるリング状の板バネで構成し、同板バネの波型の頂点部分がストッパを跨ぐように配置することにより、
付勢手段のバネ性を保持しつつ、摺動による大きな回転軸方向の移動が発生した場合、ロータとステータとが接触すること、またこれによるロータ回転のロックを防止することができる。
付勢手段のバネ性を保持しつつ、摺動による大きな回転軸方向の移動が発生した場合、ロータとステータとが接触すること、またこれによるロータ回転のロックを防止することができる。
請求項4に係わる発明は、ストッパがステータの円周方向の左右に傾斜面を備えてなる構造にすることにより、リング状の板バネを軸受穴内に装着する場合に、ストッパの位置に対応させるため、リング状の板バネの回転方向の位置を気にする必要がなくなり、作業性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。なお背景技術で説明した図7〜図8と同じ部品については同じ番号を付与し、詳細な説明を省略する。
本発明の特徴は、アキシャルギャップ型電動機において、リング状のステータの内周空間に軸受部を配置する場合に、リング状の板バネがバネ性を失わず、また、最悪の場合でもロータとステータとが接触してロータ回転がロックしないように、ステータの軸受部付近に回転軸の軸方向への摺動を規制するストッパを設けた構造にある。このための構造を以下に説明する。
本発明による3相9スロットのアキシャルギャップ型電動機1は図1に示すように、ほぼ円盤状をなすステータ2と、ステータ2の両側に所定の空隙をもって対向的に配置される一対のロータ8、9とを含み、ロータ8、9は同一のロータ出力軸(回転軸)4を共有しており、ステータ2は、その内周側に同軸的に挿入され、ロータ出力軸4を支持する軸受部26を備えている。この例において、それぞれの軸受部26は、1つのラジアルボールベアリングを備えている。
そして、この電動機は、ロータ出力軸4を中心にしてそれぞれが円形の、ブラケット蓋15、モータの駆動回路が実装されたプリント基板14、ロータ8、ステータ2、ロータ9、ブラケット蓋16が順次配設されている。
そして、ロータ8の位置検出用の永久磁石8cと対向するプリント基板14にはホール素子14cが配置されており、ロータ8の回転位置を検出するようになっている。また、プリント基板14の外周近辺では、結線体11の巻線接続端子11aがハンダ付けされており、ステータ2のコイル27の引出し線を結線体11を介してプリント基板14に接続する構造になっている。
また、ブラケット蓋15、16は鋼板をプレスして形成されており、ステータ2の両側にそれぞれ嵌着される構造になっている。当然のことながら、ブラケット蓋15、16を装着するか、しないかは電動機の仕様により決定されるべきものである。
一方、ステータ2は、ティース51に施されたインシュレータ10の周囲にコイル27を巻回した9個のポールメンバーを環状(いわゆるドーナツ状)に配置したステータコア5を、合成樹脂7によって一体的にモールドして形成されている。その際、ステータ2は、軸受部26を保持するための軸受穴2dと軸受穴2eとをロータ出力軸4と同心になるように、合成樹脂7によって一体的にモールドして形成されている。
そしてステータ2の一方の側面には、軸受穴2dとその内部に配置された軸受部26とをロータ8に向かって突出させた突出部2fが、また他方の側面には、軸受穴2eとその内部に配置された軸受部26とをロータ9に向かって突出させた突出部2gが、それぞれ合成樹脂7によって一体的にモールドして形成されている。これらの突出部は軸受穴の外周を保持しており、軸受部を確実にステータに保持すると共に、2つの軸受部の軸芯を精度よく合わせることができる
ロータ8は円形の鋼板からなるバックヨーク8aのステータコア5と対向する一方の面に、扇型の永久磁石8bをリング状に、また他方の面に位置検出用の永久磁石8cをそれぞれ備えている。また、ロータ9は鋼板からなるバックヨーク9aのステータコア5と対向する一方の面に扇型の永久磁石9bをリング状に備えている。この結果、永久磁石8bと永久磁石9bとの内周付近に、これらの永久磁石と同じ厚さの円柱状の空間である凹部8d、凹部9dとがそれぞれ形成される。また、これらの凹部の空間には、突出部2f、2gが配置される構造になっている。
このように、電動機の性能への影響が比較的少ないロータの永久磁石内周付近に空間を設け、軸受部を含むステータの一部をこの空間に配置することにより、電動機全体の回転軸方向の厚みを小さくできるため、小型化が可能になる。
次にステータコアについて説明する。
図2に示すようにステータコア5は、9個のポールメンバー5a〜5iを環状につなぎ合わせることにより構成されている。各ポールメンバー5a〜5iは、5aと5dと5gとに固定されている巻線を電気的に中継して接続する結線体11を除けばすべて同一形状である。
図2に示すようにステータコア5は、9個のポールメンバー5a〜5iを環状につなぎ合わせることにより構成されている。各ポールメンバー5a〜5iは、5aと5dと5gとに固定されている巻線を電気的に中継して接続する結線体11を除けばすべて同一形状である。
ポールメンバー5eは、図1に示すように、複数枚の金属板を台形状に積層してなるティース(鉄心)51を備え、ティース51の周りには、その両側面を除いて合成樹脂からなるインシュレータ10が一体に形成されている。インシュレータ10は、ティース51の両側面に沿って左右一対として配置されるほぼ扇型のフランジ12、13を含む全体が断面H字形のボビン状に形成されている。
そして、任意のポールメンバー、例えばU相ならばポールメンバー5dの後方(ステータを形成した場合の外周側)のフランジ12表面にL字型の巻線接続端子11aを左右両端に固定した結線体11を装着する。そして、水平方向に突出した一方の巻線接続端子11aにポールメンバー5eのコイル巻終わり、つまり、U相の巻線終端Ubを絡げてハンダ付けし、他方の巻線接続端子11aにU相の巻線始端Uaを絡げてハンダ付けする。
このようにして、3相分のポールメンバーユニットを形成した後、図2に示すように、U相用のポールメンバーを円弧状に配置し、この隣にV相、そしてその隣にW相用の各ポールメンバーをそれぞれ円弧状に配置して、これらの各ポールメンバー両隣をそれぞれ連結する。これにより、9個のポールメンバーが環状に組み立てられる。
そして図3の斜視図に示すように、インサート成形により各ポールメンバーの外周部分および、軸受穴2dと軸受穴2eを含む内周部分と、引出線用の結線体11とを合成樹脂によって固めてステータ2を作成する。この時、ステータ2の軸受穴2dの底面に回転軸方向の摺動を規制する凸形状のストッパ2cを同時にインサート成形により設ける。
このステータ2にはブラケット蓋15が嵌着する段部2aと、プリント基板の外周付近が嵌着する段部2bとが備えられている。また、インサート成形後には、結線体11の巻線接続端子11aと基板位置決めボス11cとが露出する構造になっている。
そして、結線体11の垂直方向に突出した巻線接続端子11aが、電動機用の駆動回路が実装されたプリント基板14の孔14aを挿通し、このプリント基板14のランドパターンにハンダ付けされる。また、同時に結線体11の基板位置決めボス11cとプリント基板14の切欠14bとが嵌合する。なお、図3で図示しているプリント基板14は、各ロータが装着されてから実装される。
次に、ステータ2と軸受部26との構造を図4の分解斜視図を用いて説明する。
図4の斜視図に示すように、一方の軸受部26を固定したロータ出力軸4に、円周に沿って断面が波型であるリング状の板バネ(波ワッシャバネ)33が挿通され、ステータコア2の軸受穴2dに軸受部26が装着されている。そして、ステータコア2のもう一方の軸受穴2eに軸受部26が装着されると共に、ロータ出力軸4に軸受部26が固定されている。
図4の斜視図に示すように、一方の軸受部26を固定したロータ出力軸4に、円周に沿って断面が波型であるリング状の板バネ(波ワッシャバネ)33が挿通され、ステータコア2の軸受穴2dに軸受部26が装着されている。そして、ステータコア2のもう一方の軸受穴2eに軸受部26が装着されると共に、ロータ出力軸4に軸受部26が固定されている。
なお、図1に示すように、軸受孔2eにはストッパやリング状の板バネは配置されておらず、軸受部26の一方の側面は、リング状の板バネ33の影響により、つねに軸受孔2eの底面に向かって押圧された状態になっている。また、軸受部26の一方の側面が軸受孔2eの底面と当接した状態になっても、ロータ9とステータ2とは接触しないように各部の寸方が規定されている。
次に、図6の説明図を用いてストッパ2cと板バネ33の構造を説明する。
図6(A)の右側の図はステータ2の軸受穴2dを軸方向から見た平面図である。軸受穴2dの底面には、モールド成形によりステータ2と一体に形成された矩形のストッパ2cが底面から突出して設けられ、またこのストッパ2cは円周方向に均等に4個配置されている。そして、図6(A)の左側の図に示す、円周に沿って断面が波型であるリング状の板バネ33が、この軸受穴2dの底面に被さるように装着される。
図6(A)の右側の図はステータ2の軸受穴2dを軸方向から見た平面図である。軸受穴2dの底面には、モールド成形によりステータ2と一体に形成された矩形のストッパ2cが底面から突出して設けられ、またこのストッパ2cは円周方向に均等に4個配置されている。そして、図6(A)の左側の図に示す、円周に沿って断面が波型であるリング状の板バネ33が、この軸受穴2dの底面に被さるように装着される。
このように、ストッパが軸受穴を形成するステータの回転軸方向の面に設けられ、板バネに向かう凸形状にすることにより、ストッパをステータの一部としてモールドで一体に形成でき、組立の工数を削減できる。
一方、板バネ33は、軸受穴2dの底面に向かう4つの波形の頂点(−記号で図示)と、軸受穴2dの開口に向かう4つの波形の頂点(+記号で図示)を備えており、2種類の頂点が円周方向に交互に、また、均等に配置されており、ストッパ2cの位置と対応している。
図6(B)の斜視図はストッパ2cと板バネ33の位置関係を示しており、4つのストッパ2cを跨ぐように板バネ33の4つの波型の頂点(+記号で図示)が配置されている。従って図示しない軸受部26の一方の側面は、板バネ33の4つの波型の頂点(+記号で図示)に当接し、板バネ33の4つの波型の頂点(−記号で図示)は、軸受穴2dの底面に当接することになり、軸受部26をロータ出力軸4の軸方向に付勢する構造になる。
図5は本発明によるステータの軸受部周辺を表す要部断面図であり、図5(A)は矩形のストッパを、図5(B)は他の実施例である三角形状のストッパをそれぞれ示した例である。
図5(A)において、インサート成形された樹脂7からなるステータ2の軸受穴2dの底面と軸受部26との間の空間には、リング状の板バネ33が配置されており、前述したように、ロータ8、9、及びロータ出力軸4を図1における左の軸方向へ付勢する構造になっている。
図5(A)において、インサート成形された樹脂7からなるステータ2の軸受穴2dの底面と軸受部26との間の空間には、リング状の板バネ33が配置されており、前述したように、ロータ8、9、及びロータ出力軸4を図1における左の軸方向へ付勢する構造になっている。
また、インサート成形により、ロータ8、9、及びロータ出力軸4を図1おける右の回転軸方向の摺動を規制するストッパ2cを設けた構造になっている。このストッパ2cは、ステータ2の軸受穴2dの底面の円周方向に設けた矩形の4つの突起として形成されている。このため、このストッパ2cの先端と軸受穴2dの底面との間には、リング状の板バネ33が配置される空間が存在することになる。
また、このストッパ2cの先端と軸受部26の一方の側面との間も所定の空間が存在しており、リング状の板バネ33はこの空間内と、前述したストッパ2cの先端と軸受穴2dの底面との間の空間内で弾性変形、つまり、バネとしての動作を行なうことになる。
また、このストッパ2cの先端と軸受部26の一方の側面との間も所定の空間が存在しており、リング状の板バネ33はこの空間内と、前述したストッパ2cの先端と軸受穴2dの底面との間の空間内で弾性変形、つまり、バネとしての動作を行なうことになる。
従って、ロータ出力軸4が大きく摺動して、軸受部26の一方の側面がリング状の板バネ33を軸受穴2dの底面方向に押圧し、ストッパ2cの先端に当接した状態になっても、リング状の板バネ33は前述した空間内で弾性変形の途中段階で停止した状態になっている。これにより、リング状の板バネ33は押しつぶされることがないため、バネ性を保持できる構造になっている。また、ストッパ2cが存在するため、ロータ出力軸4の摺動、つまり、軸受部26の摺動は停止され、結果的にロータ8とステータ2とが接触することがなく、これによるロータ回転のロックを防止することができる。
さらに、図5(A)のストッパ2cの変形例として図5(B)に示すストッパ2c’の構造がある。ストッパ2c’は、円周方向を左右の傾斜面に、かつ、板バネ33に向かう方向を頂点とする三角形状にステータ2の軸受穴2dの底面外周に形成されている。
このようにストッパ2c’をステータ2の円周方向の左右に傾斜面を備える構造にすることにより、リング状の板バネ33を軸受穴2d内に装着する場合に、リング状の板バネ33の回転方向の位置を気にする必要がなくなり、作業性が向上する。
このようにストッパ2c’をステータ2の円周方向の左右に傾斜面を備える構造にすることにより、リング状の板バネ33を軸受穴2d内に装着する場合に、リング状の板バネ33の回転方向の位置を気にする必要がなくなり、作業性が向上する。
つまり、図5(A)に示す矩形のストッパ2cでは装着の際、ストッパ2cを跨ぐようにリング状の板バネ33の波型の断面部分を配置しなければならないが、図5(B)に示すストッパ2c’では装着の際、波型の頂点部分を意識しなくても任意の回転方向で配置すれば、波型の頂点部分がストッパ2c’の三角形の傾斜で滑り落ちるため、結果的にリング状の板バネ33の波型の断面部分がストッパ2c’を跨ぐように配置されるからである。
以上のように、軸受穴2dを形成するステータ2のロータ出力軸4(回転軸)方向の面に、ロータの回転軸方向の摺動を規制するストッパ2cを設け、軸受穴2dと軸受部26との間に、ステータ2をストッパ2cの反対方向に付勢する付勢手段であるリング状の板バネ33とを設ける構造にすると、このストッパ2cにより、板バネ33のバネ性を保持しつつ、摺動による大きなロータ出力軸4方向の移動が発生した場合、永久磁石8b、9bがティース51と接触することや、この接触によるロータ回転のロックを防止することができる。なお、付勢手段はリング状の板バネでなくても、スプリングなどで代替してもよい。
なお、本発明は以上説明した3相9スロットの電動機に限るものでなく、3相12スロットや、リング状のステータ内部に軸受部を有するアキシャルギャップ型電動機などに広く適用することができる。
また、本発明は本実施例で説明したロータやステータの形状に限定するものでなく、例えば突出部2f、2gや凹部8d、9dがなくても本発明の効果を有するものである。
また、本実施例ではストッパ2cやリング状の板バネ33を軸受穴2d内のみに備えているが、軸受穴2e内にのみ備えてもいいし、両方の軸受穴に備えてもよい。
さらに、本実施例では各ロータ8、9は同一のロータ出力軸4を共有しているが、ロータを1つのみ備えた電動機であってもよい。
また、本発明は本実施例で説明したロータやステータの形状に限定するものでなく、例えば突出部2f、2gや凹部8d、9dがなくても本発明の効果を有するものである。
また、本実施例ではストッパ2cやリング状の板バネ33を軸受穴2d内のみに備えているが、軸受穴2e内にのみ備えてもいいし、両方の軸受穴に備えてもよい。
さらに、本実施例では各ロータ8、9は同一のロータ出力軸4を共有しているが、ロータを1つのみ備えた電動機であってもよい。
1 アキシャルギャップ型電動機
2 ステータ
2a、2b 段部
2c、2c’ ストッパ
2d、2e 軸受穴
2f、2g 突出部
4 ロータ出力軸(回転軸)
5 ステータコア
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5i ポールメンバー
7 合成樹脂
8 ロータ
8a バックヨーク
8b 永久磁石
8c 永久磁石
8d 凹部
9 ロータ
9a バックヨーク
9b 永久磁石
9d 凹部
10 インシュレータ
11 結線体
11a 巻線接続端子
11c 基板位置決めボス
12 フランジ
12a 孔
14 プリント基板
14a 孔
14b 切欠
14c ホール素子
15 ブラケット蓋
16 ブラケット蓋
26 軸受部(ラジアルボールベアリング)
33 リング状の板バネ(付勢手段)
27 コイル
51 ティース
2 ステータ
2a、2b 段部
2c、2c’ ストッパ
2d、2e 軸受穴
2f、2g 突出部
4 ロータ出力軸(回転軸)
5 ステータコア
5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5i ポールメンバー
7 合成樹脂
8 ロータ
8a バックヨーク
8b 永久磁石
8c 永久磁石
8d 凹部
9 ロータ
9a バックヨーク
9b 永久磁石
9d 凹部
10 インシュレータ
11 結線体
11a 巻線接続端子
11c 基板位置決めボス
12 フランジ
12a 孔
14 プリント基板
14a 孔
14b 切欠
14c ホール素子
15 ブラケット蓋
16 ブラケット蓋
26 軸受部(ラジアルボールベアリング)
33 リング状の板バネ(付勢手段)
27 コイル
51 ティース
Claims (4)
- 同一の回転軸に所定の空隙をもって対向的に配置されるリング状のステータ及び円盤状のロータとを含み、
前記ステータのリング状の内周空間である軸受穴に軸受部が配置され、前記軸受穴と前記軸受部側面との空間に、前記ロータを前記回転軸方向に付勢する付勢手段を設けてなるアキシャルギャップ型電動機において、
前記軸受穴の内面に、前記ロータの前記回転軸方向の摺動を規制するストッパを設けてなることを特徴とするアキシャルギャップ型電動機。 - 前記ストッパは、前記軸受穴を形成する前記ステータの前記回転軸方向の面に設けられ、前記軸受穴の開口面に向かう凸形状としてなることを特徴とする請求項1記載のアキシャルギャップ型電動機。
- 前記付勢手段を円周方向波形からなるリング状の板バネで構成し、同板バネの波型の頂点部分が前記ストッパを跨ぐように配置されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアキシャルギャップ型電動機。
- 前記ストッパは、前記ステータの円周方向の左右に傾斜面を備えてなることを特徴とする請求項3記載のアキシャルギャップ型電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005022468A JP2006211853A (ja) | 2005-01-31 | 2005-01-31 | アキシャルギャップ型電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005022468A JP2006211853A (ja) | 2005-01-31 | 2005-01-31 | アキシャルギャップ型電動機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006211853A true JP2006211853A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36968076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005022468A Pending JP2006211853A (ja) | 2005-01-31 | 2005-01-31 | アキシャルギャップ型電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006211853A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012034532A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Denso Corp | 電動アクチュエータ |
-
2005
- 2005-01-31 JP JP2005022468A patent/JP2006211853A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012034532A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Denso Corp | 電動アクチュエータ |
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