JP2006210117A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が容易な構造を有する固体高分子型燃料電池を提供する。
【解決手段】固体電解質膜と、この固体電解質膜の一方の面に配置されたアノードと、他方の面に配置されたカソードとを一組とする電解質膜電極接合体を複数有し、これら複数の電解質膜接合体は1つの固体電解質膜を共有し、この固体電解質膜は筒形状を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
【選択図】図2
【解決手段】固体電解質膜と、この固体電解質膜の一方の面に配置されたアノードと、他方の面に配置されたカソードとを一組とする電解質膜電極接合体を複数有し、これら複数の電解質膜接合体は1つの固体電解質膜を共有し、この固体電解質膜は筒形状を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解質膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)のスタック構造を有する固体高分子型燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体電解質膜をその両側から、触媒層と拡散層を積層した電極で挟み接合した電解質膜電極接合体(MEA)を有し、このMEAに燃料および酸素を供給することにより電気化学的反応が起こり電力を得ることができる。このMEAは、その両側からセパレータで挟まれ圧力を加え固定される。このセパレータは、燃料や酸素の供給流路、水や二酸化炭素の排出流路の確保、集電といった役割を果たし、グラファイト、ステンレスなどの導電性材料で形成されている。燃料の供給流路や生成物の排出流路の確保と圧力の均等化とのバランスを考慮し、セパレータのMEAと接する面は凹凸に加工されている。凹部が燃料の供給、生成物の排出流路であり、凸部が圧力を加える部分である。この凹凸の形状は、様々なものが検討されている。
固体高分子型燃料電池におけるMEAのスタック構造は、上記のMEAとセパレータの積層体を1ユニットとし、これを積層したものが一般的である。しかし、このような構造では、セパレータが占める体積が大きくなってしまうために、小型、軽量化が困難である。携帯電話、ノートパソコンといった携帯機器への搭載を考えた場合には、MEA以外の燃料電池構成部品をどれだけ小型・軽量化できるかが実用化のカギとなる。よって、小型・軽量化の観点から、このような積層型のスタック構造は不利であるといえる。
一方、携帯機器等の搭載に向いているとされる平面型のスタック構造としては、特開2002−56855号公報(特許文献1)、特開2003−173813号公報(特許文献2)、特開2003−203647号公報(特許文献3)等に記載されている。図5〜7には、比較例で使用した従来の平面型スタック構造の一例を示す。平面型のスタック構造は、これまで種々の構造が検討されているが、エネルギー密度の点で改善が求められている。
また、運転休止中における、MEA電極部の構成部材の酸化などによる劣化を防止することも求められている。
特開2002−56855号公報
特開2003−173813号公報
特開2003−203647号公報
本発明の目的は、小型化が容易な構造を有する固体高分子型燃料電池を提供することにあり、また、小型化が容易であり且つ電極構成部材の劣化防止が可能な構造を有する固体高分子型燃料電池を提供することにある。
本発明は、固体電解質膜と、この固体電解質膜の一方の面に配置されたアノードと、他方の面に配置されたカソードとを一組とする電解質膜電極接合体を複数有し、これら複数の電解質膜接合体は1つの固体電解質膜を共有し、この固体電解質膜は筒形状を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池に関する。
また本発明は、前記固体電解質膜が、シート状の固体電解質膜の両端を接合して筒形状に形成されたものである上記の固体高分子型燃料電池に関する。
また本発明は、前記固体電解質膜が、その筒形状の両側の開口部にそれぞれ蓋部材が配置され、これらの蓋部材は固体電解質膜にかしめ固定されている上記の固体高分子型燃料電池に関する。
また本発明は、前記固体電解質膜が、その筒形状の両側の開口部においてそれぞれ、内側に蓋部材、外側にシール部材が配置され、当該固体電解質膜を挟む両部材が金具によりかしめ固定されている上記の固体高分子型燃料電池に関する。
また本発明は、前記蓋部材に貫通するように燃料供給用のチューブが設けられている上記の固体高分子型燃料電池に関する。
また本発明は、前記固体電解質膜が露出しないようにガスシール剤が塗布された上記の固体高分子型燃料電池に関する。
また本発明は、発電停止時に電解質膜電極接合体への酸素を遮断するためのケースを付属させた上記の固体高分子型燃料電池に関する。
本発明によれば、1枚の固体電解質膜に複数の電解質膜電極接合体(MEA)を設けた円筒形状のスタック構造を有するため、スタック形成の生産性が向上するとともに、MEAの間に切れ目が無いために液漏れの可能性を低減できる。また、弾性材等からなる蓋部材をかしめ固定して、MEAの固定とシールを行うことができるため、MEAの固定のためのフレームやネジを用いる必要がなくなり、電池作製時の作業効率を向上できるとともに、燃料電池を小型化できる。
また、発電停止時には密閉ケースに燃料電池を保管して酸素を遮断する構造を有するため、MEAの電極基材、触媒などの酸化劣化を防ぐことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。
本発明による燃料電池は、固体電解質膜の両側にアノード及びカソードが対向配置された電解質膜電極接合体(MEA)を複数し、これら複数のMEAは1つの固体電解質膜を共有する。これら複数のMEAは直列あるいは並列に電気的に接続されスタック構造を形成する。
このMEAを構成する固体電解質膜は筒状形状を有し、筒状スタックを形成し、両側の開口部にはそれぞれ蓋部材が設けられる。
この筒状スタックの内側へは、蓋部材を貫通するように設けたチューブから、燃料、例えばメタノール水溶液が供給され、筒状固体電解質膜の内側面に配置されたアノードにおける触媒反応により電子、プロトン及び二酸化炭素が発生する。発生した二酸化炭素は、このチューブから外部へ排出することができる。このチューブは、燃料の供給効率、供給分布、排気ガスの排出効率の点から複数設けることが好ましく、さらに異なる長さであることが好ましい。発生したプロトンは固体電解質膜を通過して外側面に対向配置されたカソードへ移動し、電子は外部回路を経由してカソードへ移動する。一方、筒状スタックの外側は、酸化剤、例えば空気中の酸素と接触され、筒状固体電解質膜の外側面に配置されたカソードにて、酸素と固体電解質膜を通過してきたプロトンと外部回路からの電子との触媒反応により水が形成する。このようにして電力を得ることができる。
この筒状スタックは、例えば、後述の実施例にて説明するように、一枚のシート状固体電解質膜の一方の面にアノード、他方の面にカソードを設けた後に、アノード形成面が内側になるように電解質膜を折り曲げ、両端を接合して筒状とすることができる。この筒状スタックは、アノード及びカソードが設けられている平面部と、対向する二つの平面部間の一方の側にある電解質膜の折り曲げ部と、他方の側にある電解質膜の接合・折り曲げ部とを持つ筒状構造をとることができる。この構造によれば、MEAのスタック形成の生産性を高めることができるとともに、MEA間に切れ目がなくなるため、液漏れの可能性を低減できる。本発明における筒状スタックが有する筒形状としては、上記形状に限られず、円筒状、角筒状等の種々の筒形状を有することができる。
この筒状スタックの両側の開口部にはそれぞれ蓋部材が設けられ、この蓋部材を、例えばかしめ金具を用いてかしめ固定することができる。これにより、従来用いられていたネジ等のMEA固定用の部材を用いる必要がなくなり、電池作製時の作業効率の向上とともに、燃料電池を小型化することができる。
蓋部材の固定は、例えば後述の実施例にて説明するように、筒状スタックの両側の開口部において、それぞれ、内側に蓋部材、外側にフレーム状のシール部材を配置し、固体電解質膜を挟むように配置された両部材を金具によりかしめ固定することができる。蓋部材、シール部材としては、シリコンゴム等の弾性材料からなるものを用いることができる。
筒状スタックの外側面において、固体電解質膜が露出しないようにガスシール剤を塗布することが好ましい。これにより、固体電解質膜からの燃料の揮発を防止することができる。
本発明による燃料電池は、発電停止時に電解質膜電極接合体への酸素を遮断するためにケースを付属することが好ましい。これにより、MEAの電極基材、触媒などの酸化劣化を防ぐことができる。
本発明における固体電解質膜は、アノードとカソードとを電気的に隔てるとともに、両者の間でプロトン(水素イオン)を移動させる役割を有する。このため、固体電解質膜は、プロトンの伝導性が高い膜であることが好ましい。また、使用する燃料や酸化剤に対して化学的に安定であって、かつ機械的強度が高いことが好ましい。このような固体電解質膜を構成する材料としては、例えば、スルホン酸基、スルホアルキル基、リン酸基、ホスホン基、ホスフィン基、カルボキシル基、スルホンイミド基等のプロトン酸基を有する高分子を用いることができる。なかでも、イオン交換基としてスルホン酸基を有する有機高分子を好適に用いることができる。
アノード及びカソードは、従来の固体高分子型燃料電池に採用されている電極構造を用いることができる。例えば、拡散層と触媒層の積層構造をとることができる。
触媒層は、例えば触媒とプロトン伝導性材料、必要によりポリテトラフルオロエチレン等の撥水剤、カーボン等の導電性付与剤を混合した溶液を拡散層上に塗布することにより形成することができる。
アノードおよびカソードの触媒としては、白金や、白金−ルテニウム合金等の白金を主成分とする合金(以下「白金系合金」)を好適に用いることができる。その他の白金系合金としては、レニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金、銀などとの合金が挙げられる。アノードおよびカソードの触媒は、同じものを用いても異なるものを用いてもよい。この触媒は、触媒粒子がカーボンブラックといったカーボン材料に担持されたものを好適に用いることができる。
プロトン伝導性材料としては、耐水性を有し、触媒層中でプロトンが速やかに伝導するものであれば特に制限はなく、前述の固体電解質膜として用いられる高分子を用いることができる。
拡散層としては、カーボンペーパー、カーボン成形体、カーボン焼結体、焼結金属、発泡金属などの導電性の多孔性基材を用いることができる。これらの拡散電極は適宜、撥水性または親水性処理、導電付与処理を行うことができる。
燃料としては、メタノール等のアルコール、ジメチルエーテル等のエーテル、水素ガス、炭化水素改質ガスを挙げることができ、中でもメタノール等のアルコール、特にアルコール水溶液を好適に用いることができる。一方、酸化剤としては、空気あるいは酸素を用いることができる。
以下、図面を用い、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例におけるMEA用電極部は以下のようにして作製した。耐食性の高いステンレス製の細線(SUS316線径φ=200μm)を焼結させシート状にしたものをMEA電極基材とし、その上にケッチェンブラックと撥水材であるPTFEディスパージョン(ダイキン工業(株)製)を混合したものを塗布、乾燥、焼成し拡散層を形成した。この拡散層の上に、燃料極用にはPtRu担持カーボン触媒と、酸素極用にはPt担持カーボン触媒(田中貴金属工業(株)製)とNafion溶液(デュポン社製)をそれぞれ混合したものを塗布、乾燥し、MEA用電極部とした。
本実施例におけるMEA用電極部は以下のようにして作製した。耐食性の高いステンレス製の細線(SUS316線径φ=200μm)を焼結させシート状にしたものをMEA電極基材とし、その上にケッチェンブラックと撥水材であるPTFEディスパージョン(ダイキン工業(株)製)を混合したものを塗布、乾燥、焼成し拡散層を形成した。この拡散層の上に、燃料極用にはPtRu担持カーボン触媒と、酸素極用にはPt担持カーボン触媒(田中貴金属工業(株)製)とNafion溶液(デュポン社製)をそれぞれ混合したものを塗布、乾燥し、MEA用電極部とした。
従来技術は、このMEA用電極部の燃料極用と酸素極用の一対で固体電解質膜(Nafion115、デュポン社製)一枚を挟み熱プレスすることにより接合し一枚のMEAを作製する。これに対して、本実施例では以下のようにしてMEAを作製した。
図2にMEAスタック部の側面図、図3に平面図を示す。以下に作製方法とともにその構造について説明する。
まずMEA部分は、大きさ290×170mmの1枚の固体電解質膜4に、前述した方法で作製した10×160mmのMEA電極部12を、図2に示すように一方の平面側に12組のMEAが形成できるように折り曲げ位置を考慮して配置し、熱プレスにより固体電解質膜4と接合し、合計24組のMEAを形成した。
次に、それぞれのMEA電極部12の上端部へ、MEA同士を接続するための配線10を取り付けた集電電極2をレーザー溶接により接続した。この24組のMEAが形成されている固体電解質膜を折り曲げ、両端同士を熱圧着し、圧着面上をエポキシ系の接着剤で補強、シールすることにより、24組のMEAを備えた筒状MEAシートを形成した。
図1にMEAスタック部の上部断面図を示す(図3のA−A線断面図)。厚さ10mm、幅10mmのシリコン系ゴム製の蓋用ゴム9を、上述した筒状MEAシートの内側にはめ込み、その外側に、厚み10mm、幅2mmのシリコンゴム角型リングをシール用ゴム3として配置した状態で仮留めし、蓋用ゴム9とシール用ゴム3の間に挟まっているMEA上部の隙間にエポキシ系の接着剤11を上部から流し込んだ。この接着剤11は、接着に加え、集電電極2、配線10同士のショートを防ぐことが目的である。接着剤11が固化した後、SUS316製のかしめ金具5を、蓋用ゴム9及びシール用ゴム3に設置し、これをかしめて上蓋をしっかり固定した。
本実施例の燃料電池両端(図2中の左右両端、図3中の上下両端)のシール用ゴム3の折れ曲がり部分には、かしめ金具5は無く、固体電解質膜4のみが挟まっており、エポキシ系の接着剤で接着してある。
蓋用ゴム9には、図1及び図3に示すように、燃料の投入および二酸化炭素の排出用チューブ7が複数本取り付けてある。このチューブ7は、MEA近傍の燃料濃度を均一にすることと、二酸化炭素の排出を考慮して、長さを変えてある。このチューブ7は、かしめ金具5に設けられた穴を通して筒状シートの中空部分に達している。
図4に外装ケース8の側面図を示す。外装ケースは絶縁コートした厚さ1mmのSUS316製であり、MEAと接触する側面は、外装ケースを切り抜きフッ素樹脂製のメッシュ13が張ってある。外装ケース8とMEAスタック部の接着は、かしめ金具と外装ケースの間で行った。
本実施例の燃料電池の底部(図2中の下部)は、集電電極および電力取り出し用配線が設けられていない以外は前述の上部と同じ構造を有する。
本実施例の外形サイズは高さ200mm、幅160mm、厚さ19mmであり、電力取り出し端子部を除き体積は約608cm3である。
燃料の供給は、燃料電池上部のチューブ7に同数のチューブコネクタが付いている燃料カートリッジを取り付け自然落下により供給する。MEAで発生した二酸化炭素はこのチューブを通り、燃料カートリッジ内に入り、燃料カートリッジに取り付けた気液分離膜より外部に放出される。燃料カートリッジの気液分離膜は開閉が自由に行える構造になっており、未使用時は閉じた状態にしておき燃料の蒸発を防ぐ。
なお、燃料電池の設置の安定化のために、外装ケースの底には転倒防止用の回転式の出し入れ可能なSUS304製のプレートが付けてある。
(実施例2)
蓋用ゴムの幅を5mmとした以外は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。本実施例の外形サイズは高さ200mm、幅160mm、厚さ14mmであり電力取り出し端子部を除き体積は約448cm3である。
蓋用ゴムの幅を5mmとした以外は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。本実施例の外形サイズは高さ200mm、幅160mm、厚さ14mmであり電力取り出し端子部を除き体積は約448cm3である。
(実施例3)
燃料循環用のポンプを取り付けたシステムとした以外は、実施例2と同様にして燃料電池を作製した。
燃料循環用のポンプを取り付けたシステムとした以外は、実施例2と同様にして燃料電池を作製した。
(実施例4)
固体電解質膜が露出している部分にブチルゴム系のシール剤を塗布し、放電中の固体電解質膜からの燃料揮発を抑制した以外は、実施例2と同様にして燃料電池を作製した。
固体電解質膜が露出している部分にブチルゴム系のシール剤を塗布し、放電中の固体電解質膜からの燃料揮発を抑制した以外は、実施例2と同様にして燃料電池を作製した。
(実施例5)
実施例1と同様の構造を作製し、この構造を密閉できる保管用ケースを装着した。
実施例1と同様の構造を作製し、この構造を密閉できる保管用ケースを装着した。
燃料電池の動作休止時に燃料電池保管用ケースに入れMEAを密閉し、保管した場合(実施例5)と、密閉せずに保管した場合(実施例1)との断続定電力放電運転試験を行った。断続定電力放電試験は、8時間の10[W]放電、16時間の休止を1サイクルとし、所定サイクル後の動作中の最高到達電圧(放電電圧)を測定した。結果を表2に示す。
(比較例1)
従来の平面型スタック構造の一例を作製し比較例とした。
従来の平面型スタック構造の一例を作製し比較例とした。
MEA電極部のサイズが40×40mm、固体電解質膜のサイズが50×50mmであるMEAを用意し、図5に示すポリアセタール樹脂(POM)製のフレーム14に、片面12枚、両面で合計24枚のMEAを配置し、ネジ16で固定した。
図6にMEAを固定した状態のフレーム14の部分断面図を示した。MEA同士をつなぐ集電電極15は、SUS316製で、段差が設けてあり、隣接するMEAを電気的に直列接続するように作製し、配置されている。集電電極15の間にMEA1とシール用のシリコンゴムパッキンを挟み込み、その両側から押さえ板17で挟んで1組ずつフレーム14に固定した。
この様に、実施例とは異なり、MEA毎に1枚の固体電解質膜を用い、MEA毎に固定しているため燃料電池組み立てに時間と手間がかかる。
本比較例の外形サイズは、高さ205mm、幅155mm、厚さ22mmであり、電力取り出し端子部を除き体積は約699cm3である。MEA及び集電電極の固定にネジを使用しているため、フレーム14にネジ16を止める部分が必要であり、図7に示すフレーム断面図のようにフレーム部分は梯子のような形状をしている。そのため、燃料の流れ、二酸化炭素の排出などを考慮するとフレームを厚くする必要があり、体積が大きくなってしまっている。また、ネジの頭もスタックの厚さを厚くしている原因である。
(比較例2)
比較例2として、比較例1の構造に燃料循環用のポンプを取り付けたシステムを作製した。
比較例2として、比較例1の構造に燃料循環用のポンプを取り付けたシステムを作製した。
上記の実施例および比較例の電流−出力特性、放電特性の測定は、MEAの燃料極にメタノールの10vol.%水溶液を供給し、MEAの酸素極側を大気にさらした状態で行った。
測定結果を比較する場合、実施例1、実施例2、実施例4、比較例1ではポンプを使用していないが、実施例3、比較例2では外部電源のポンプを使用しているため(ポンプの消費電力は約1[W])、ポンプを使用している場合は、燃料電池の外部への、電流−出力特性、放電特性は測定結果からポンプを稼動させる出力を差し引いた値にしなければならない。放電特性測定時の燃料は500cm3とし、放電電力はポンプ未使用の場合10[W]、ポンプ使用の場合は11[W]とした。
表1に実施例1〜4、比較例1、2の体積を示した。比較例1、2に比べて実施例1〜4はいずれも体積が小さいことがわかる。これは、上述したように、比較例ではネジを用いているのに対し、実施例では、かしめ金具を用いてMEAを固定していることが大きく影響している。
図8に実施例1の電流−出力特性を示す。実施例2、3、4、比較例1、2もほぼ同等の値を示した。但し、実施例3、比較例2はポンプを使用しているため、燃料電池外部への出力は放電電流が2[A]のときで、ポンプ未使用の水準が約14[W]であるのに対し13[W]となる。
図9に放電特性、表1に放電時間を示した。実施例1と実施例2を比較すると実施例2の放電時間が短くなっているのが分かる。これは、実施例1に比べ、実施例2ではスタック構造の厚みを薄くしたためにMEA近傍の燃料濃度が低下しやすくなり、放電時間が短くなったと考えられる。比較例1では燃料濃度のことを考えフレーム構造を厚めにしていたが構造が複雑であったため、結局は、実施例1及び2に比べて燃料濃度が低下しやすく、二酸化炭素の排出効率も悪く、放電時間が短くなっている。
実施例3及び比較例2ではポンプを使用することにより、燃料濃度の低下を抑制することができ、実施例2及び比較例1に比べてそれぞれ放電時間が長くなっている。しかし、ポンプ消費電力を考慮した放電電力で放電しているために燃料消費が早く、実施例3は実施例1のポンプを使用しない場合に比べて放電時間が短くなっている。
実施例4では、露出している固体電解質膜からの燃料蒸発を抑制することができているため、シール剤を塗布した以外は同じ構造を有する実施例1に比べて放電時間が長くなっている。
放電時間と体積より体積エネルギー密度を求めると、表1のようになる。ただし、この値は燃料の体積を考慮していない。結果は、シール剤を塗布した実施例4で体積エネルギー密度が最も高く、システムとしても燃料循環用ポンプを用いないため単純な構造である。
また、実施例1と燃料循環用ポンプを設けた実施例3を比べると、実施例3の放電時間が短いが、体積が小さいために体積エネルギー密度は実施例3のほうが高くなった。しかし、実際にポンプを搭載した場合には、ポンプの体積やポンプを駆動させる回路のことも考慮に入れなければならないためシステムはより複雑化する。
表2に示す断続定電力放電試験の結果は、燃料電池の保管中の状態がMEAへ与える影響を示している。実施例5は実施例1に比べてサイクル数に伴う電圧の低下が抑えられている。これは、実施例5では、保管中にMEAが密閉されているため、MEAの電極基材、触媒などの酸化劣化が防止されているためと考えられる。
1 電解質膜電極接合体(MEA)
2 集電電極
3 シール用ゴム
4 固体電解質膜
5 かしめ金具
6 電力取り出し用配線
7 燃料投入、二酸化炭素排出チューブ
8 外装ケース
9 蓋用ゴム
10 集電電極接続配線
11 接着剤
12 MEA電極部
13 メッシュ
14 平面型スタック用フレーム
15 平面型スタック用集電電極
16 MEA固定用ネジ
17 押さえ板
2 集電電極
3 シール用ゴム
4 固体電解質膜
5 かしめ金具
6 電力取り出し用配線
7 燃料投入、二酸化炭素排出チューブ
8 外装ケース
9 蓋用ゴム
10 集電電極接続配線
11 接着剤
12 MEA電極部
13 メッシュ
14 平面型スタック用フレーム
15 平面型スタック用集電電極
16 MEA固定用ネジ
17 押さえ板
Claims (7)
- 固体電解質膜と、この固体電解質膜の一方の面に配置されたアノードと、他方の面に配置されたカソードとを一組とする電解質膜電極接合体を複数有し、これら複数の電解質膜接合体は1つの固体電解質膜を共有し、この固体電解質膜は筒形状を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
- 前記固体電解質膜は、シート状の固体電解質膜の両端を接合して筒形状に形成されたものである請求項1記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記固体電解質膜は、その筒形状の両側の開口部にそれぞれ蓋部材が配置され、これらの蓋部材は固体電解質膜にかしめ固定されている請求項1又は2記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記固体電解質膜は、その筒形状の両側の開口部においてそれぞれ、内側に蓋部材、外側にシール部材が配置され、当該固体電解質膜を挟む両部材が金具によりかしめ固定されている請求項3記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記蓋部材に貫通するように燃料供給用のチューブが設けられている請求項3又は4記載の固体高分子型燃料電池。
- 前記固体電解質膜が露出しないようにガスシール剤が塗布された請求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池。
- 発電停止時に電解質膜電極接合体への酸素を遮断するためのケースを付属させた請求項1〜6のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池。
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