JP2006210104A - 回転電機用カーボンブラシ - Google Patents
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Abstract
【課題】リード線11の柔軟性を確保しつつ、耐振性を向上させた回転電機用カーボンブラシ4を提供すること。
【解決手段】ブラシ4は、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、一側面の上部にリード線11が取り付けられている。リード線11は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径(素線径と呼ぶ)がΦ0.05mm以下である。また、リード線11には、ブラシ4の消耗に追従できる様に、ブラシ本体4aに接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量が確保されている。この弛み量は、リード線11に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲に設定されている。これにより、柔軟性が高く、断線し難いリード線11を得ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】ブラシ4は、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、一側面の上部にリード線11が取り付けられている。リード線11は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径(素線径と呼ぶ)がΦ0.05mm以下である。また、リード線11には、ブラシ4の消耗に追従できる様に、ブラシ本体4aに接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量が確保されている。この弛み量は、リード線11に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲に設定されている。これにより、柔軟性が高く、断線し難いリード線11を得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、回転電機に使用されるカーボンブラシに関する。
従来、自動車用スタータは、エンジンの機種毎に取付けハウジングを変えて、モータ部を共用することにより、モータの量産効果でスタータのコスト上昇を抑制している。
ところで、エンジンによっては、回転時に極めて高い振動を発生するものがあり、エンジンに直接取り付けられるスタータは、この振動の影響を直接受けることになる。
一方、自動車の使用法に関しても、常に高い回転域で運転する一部のユーザーが存在し、この場合にも、スタータは高回転域での高い振動を受けることになる。
このため、スタータに用いられるモータは、基本的に高い振動に耐えられる様に設計する必要がある。
ところで、エンジンによっては、回転時に極めて高い振動を発生するものがあり、エンジンに直接取り付けられるスタータは、この振動の影響を直接受けることになる。
一方、自動車の使用法に関しても、常に高い回転域で運転する一部のユーザーが存在し、この場合にも、スタータは高回転域での高い振動を受けることになる。
このため、スタータに用いられるモータは、基本的に高い振動に耐えられる様に設計する必要がある。
しかし、直流電動機であるモータは、電機子に給電するためのブラシを有しており、このブラシに接続されるリード線の存在が耐振性を高める上でネックとなっている。すなわち、リード線は、一般に、柔軟性を有し、且つ高い導電性を有する軟銅の撚り線(軟銅撚線と呼ぶ)が使用され、ブラシの消耗に追従できる様に、所定の弛みが与えられている。この弛みを有するリード線に振動が作用すると、振動の大きさに応じた振幅でリード線が振れるため、軟銅撚線を構成する素線の疲労破壊により断線することがある。
特に、スタータ用モータでは、小型化が要求される製品の性格上、リード線が接続される2点間の距離を大きく取ることが困難である。一方、リード線は、前述の如く、柔軟性を有し、ブラシの消耗に追従できる様に、所定の弛みを持って配設されるため、リード線に振動が作用すると、リード線は弛み分まで振れることになる。この場合、リード線の両端が接続される2点間の距離を大きく取ることができないと、素線に発生する応力が増加して切れ易くなり、素線応力が疲労限度を超えて断線に至る恐れがある。
このため、従来より、リード線の耐振性向上に努力が払われており、例えば、特許文献1では、リード線全体の靱性を大きくして強度向上を図るために、軟銅素線とステンレス線またはピアノ線とを併用して撚り合わせたブラシ用リード線が示されている。
特公昭62−32698号公報
ところが、リード線に求められる柔軟性と靱性とは背反事象の関係にある。すなわち、靱性を高めると柔軟性が損なわれ、靱性を高めないと耐振効果が得られなくなる。従って、上記の特許文献1に示される様に、リード線の靱性を大きくして強度向上を図ると、リード線の柔軟性が損なわれるため、ブラシを整流子に押圧する力が減少して、ブラシの摺動性が悪化するという新たな問題が生じる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、リード線の柔軟性を確保しつつ、耐振性を向上させた回転電機用カーボンブラシを提供することにある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、リード線の柔軟性を確保しつつ、耐振性を向上させた回転電機用カーボンブラシを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、電機子に設けられる整流子上に配置されるブラシ本体と、一端がブラシ本体に電気的かつ機械的に接続され、他端が通電用導体に電気的かつ機械的に接続されるリード線とを有する回転電機用カーボンブラシであって、リード線は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径をΦ0.05mm以下としたことを特徴とする。
本発明は、電機子に設けられる整流子上に配置されるブラシ本体と、一端がブラシ本体に電気的かつ機械的に接続され、他端が通電用導体に電気的かつ機械的に接続されるリード線とを有する回転電機用カーボンブラシであって、リード線は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径をΦ0.05mm以下としたことを特徴とする。
本発明によれば、軟銅撚線を構成する素線の細線化(素線の径をΦ0.05mm以下とする)により、素線の断面係数を低減して応力の低減を図ることができる。つまり、素線に発生する応力は素線径に比例するため、素線を細線化すると共に、その分、素線の本数を増やして軟銅撚線を構成することにより、柔軟性が高く、同じ振幅で振れても断線し難いリード線を得ることができる。
また、素線を細線化することで、許容弛み量を増やすことができるため、リード線自体の柔軟性を十分発揮でき、ブラシの消耗にも追従できる。
また、素線を細線化することで、許容弛み量を増やすことができるため、リード線自体の柔軟性を十分発揮でき、ブラシの消耗にも追従できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載した回転電機用カーボンブラシにおいて、リード線は、ブラシ本体に接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量を有し、リード線に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲にリード線の弛み量が設定されていることを特徴とする。
請求項1に記載した回転電機用カーボンブラシにおいて、リード線は、ブラシ本体に接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量を有し、リード線に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲にリード線の弛み量が設定されていることを特徴とする。
例えば、自動車用スタータでは、振動の高いエンジンで最大150G程度の振動加速度が作用することが分かっている。この値で振動する時のリード線の振れ、すなわち弛み量を素線応力が疲労限度を超えない範囲に設定することで、より高い振動に耐え得るリード線を提供できる。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載した回転電機用カーボンブラシにおいて、ブラシ本体は、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、リード線は、自身の一端がブラシ本体に一体成型されていることを特徴とする。
軟銅撚線を構成する素線の径を細くしたことにより、ブラシ本体との接触面積が従来より増加するため、リード線の接続強度を向上できると共に、接続部位の導通性が向上して接続抵抗を低減できる。
請求項1または2に記載した回転電機用カーボンブラシにおいて、ブラシ本体は、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、リード線は、自身の一端がブラシ本体に一体成型されていることを特徴とする。
軟銅撚線を構成する素線の径を細くしたことにより、ブラシ本体との接触面積が従来より増加するため、リード線の接続強度を向上できると共に、接続部位の導通性が向上して接続抵抗を低減できる。
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかの回転電機用カーボンブラシにおいて、リード線は、自身の他端が通電用導体にろう付けにより接合されていること特徴とする。
この場合、溶接等の母材溶融による接合手段と比較して、素線に対する接合時の熱影響を低減できるため、細線化した素線で構成された軟銅撚線(リード線)の強度を著しく低下させることなく、通電用導体に接合できる。
請求項1〜3に記載した何れかの回転電機用カーボンブラシにおいて、リード線は、自身の他端が通電用導体にろう付けにより接合されていること特徴とする。
この場合、溶接等の母材溶融による接合手段と比較して、素線に対する接合時の熱影響を低減できるため、細線化した素線で構成された軟銅撚線(リード線)の強度を著しく低下させることなく、通電用導体に接合できる。
(請求項5の発明)
請求項1〜4に記載した何れかの回転電機用カーボンブラシを備えた直流モータを自動車用スタータに用いることで、耐振性に優れたスタータを提供できる。
請求項1〜4に記載した何れかの回転電機用カーボンブラシを備えた直流モータを自動車用スタータに用いることで、耐振性に優れたスタータを提供できる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1はモータ1の内部を軸後方から見た平面図である。
実施例1に示すモータ1は、例えば、自動車用スタータに用いられるもので、磁束を発生する界磁(以下に説明する)と、整流子2を有する電機子3と、整流子2上に配置される複数(本実施例では4個)のブラシ4等より構成される直流電動機である。
界磁は、ヨーク5の内周に複数の界磁コイル6を等間隔に配置して構成される。
ヨーク5は、円筒形状に設けられて、磁気回路を形成すると共に、モータ1の機枠(ハウジング)を構成している。界磁コイル6は、ヨーク5の内周面に固定された界磁鉄心7に巻線されて、一端が図示しないコネクションバーに接続され、他端が図1に示す接続部6aまで引き出されている。
実施例1に示すモータ1は、例えば、自動車用スタータに用いられるもので、磁束を発生する界磁(以下に説明する)と、整流子2を有する電機子3と、整流子2上に配置される複数(本実施例では4個)のブラシ4等より構成される直流電動機である。
界磁は、ヨーク5の内周に複数の界磁コイル6を等間隔に配置して構成される。
ヨーク5は、円筒形状に設けられて、磁気回路を形成すると共に、モータ1の機枠(ハウジング)を構成している。界磁コイル6は、ヨーク5の内周面に固定された界磁鉄心7に巻線されて、一端が図示しないコネクションバーに接続され、他端が図1に示す接続部6aまで引き出されている。
電機子3は、図示しない電機子鉄心に巻線された電機子コイル8を有し、この電機子コイル8が界磁鉄心7の内側に配設され、電機子軸9の両端部が図示しない軸受を介して回転自在に支持されている。
整流子2は、絶縁材10によって保持された複数のセグメントを電機子軸9の外周に円筒状に配置して構成され、個々のセグメントがそれぞれ電機子コイル8に電気的かつ機械的に接続されている。
整流子2は、絶縁材10によって保持された複数のセグメントを電機子軸9の外周に円筒状に配置して構成され、個々のセグメントがそれぞれ電機子コイル8に電気的かつ機械的に接続されている。
ブラシ4は、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、図2に示す様に、ブラシ本体4aの一側面上部にリード線11が取り付けられている。リード線11は、自身の一端がブラシ本体4aに一体成型されて電気的かつ機械的に接続され、自身の他端がモータ内部の通電用導体(後述する)に電気的かつ機械的に接続される。
このブラシ4は、電機子3の高電位側に設けられる2個の正極ブラシ4Aと、電機子3の低電位側に設けられる2個の負極ブラシ4Bとを有し、それぞれブラシホルダ(図示せず)に収納されて整流子2の外周に配置され、ブラシスプリング12により整流子2の外周面に押圧されている。
このブラシ4は、電機子3の高電位側に設けられる2個の正極ブラシ4Aと、電機子3の低電位側に設けられる2個の負極ブラシ4Bとを有し、それぞれブラシホルダ(図示せず)に収納されて整流子2の外周に配置され、ブラシスプリング12により整流子2の外周面に押圧されている。
正極ブラシ4Aは、リード線11の他端が、前記通電用導体である界磁コイル6の接続部6aに電気的かつ機械的に接続される。
負極ブラシ4Bは、リード線11の他端が、前記通電用導体である金属プレート(図示せず、例えば、ブラシホルダが固定されたブラシホルダプレート)に電気的かつ機械的に接続され、その金属プレートを介してボディアースされる。リード線11と通電用導体(界磁コイル6の接続部6a、金属プレート)との接続手段として、例えば、りん銅ろう、銀ろう等のろう付けが用いられている。
負極ブラシ4Bは、リード線11の他端が、前記通電用導体である金属プレート(図示せず、例えば、ブラシホルダが固定されたブラシホルダプレート)に電気的かつ機械的に接続され、その金属プレートを介してボディアースされる。リード線11と通電用導体(界磁コイル6の接続部6a、金属プレート)との接続手段として、例えば、りん銅ろう、銀ろう等のろう付けが用いられている。
ここで、リード線11について説明する。
リード線11は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径(素線径と呼ぶ)がΦ0.05mm以下である。
また、リード線11には、ブラシ4の消耗に追従できる様に、ブラシ本体4aに接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量が与えられている。この弛み量は、リード線11に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲に設定されている。
リード線11は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径(素線径と呼ぶ)がΦ0.05mm以下である。
また、リード線11には、ブラシ4の消耗に追従できる様に、ブラシ本体4aに接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量が与えられている。この弛み量は、リード線11に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲に設定されている。
(実施例1の作用および効果)
実施例1に記載したブラシ4は、リード線11に軟銅撚線を使用し、その軟銅撚線を構成する素線を細線化(素線径:Φ0.05mm以下)したことにより、素線の断面係数を低減して応力の低減を図ることができる。これは、図2に示す様に、両端x、yで接続されるリード線11を、両端2点支持のはりに置き換えて考えることができる。
すなわち、はりの2点間中央部に荷重Wが作用した時に、はりに生じる最大たわみδは、以下の式(1)で表される。なお、W:荷重、L:2点間距離、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント=π/64・d4 、β:定数である。
δ=β・W・L3 /(E・I)…………………………………(1)
実施例1に記載したブラシ4は、リード線11に軟銅撚線を使用し、その軟銅撚線を構成する素線を細線化(素線径:Φ0.05mm以下)したことにより、素線の断面係数を低減して応力の低減を図ることができる。これは、図2に示す様に、両端x、yで接続されるリード線11を、両端2点支持のはりに置き換えて考えることができる。
すなわち、はりの2点間中央部に荷重Wが作用した時に、はりに生じる最大たわみδは、以下の式(1)で表される。なお、W:荷重、L:2点間距離、E:縦弾性係数、I:断面2次モーメント=π/64・d4 、β:定数である。
δ=β・W・L3 /(E・I)…………………………………(1)
また、はりの直径をd(断面円形のはりを想定)とした時に、はりに生じる応力σは、以下の式(2)で表される。なお、M:モーメント、Z:断面係数=π/32・d3 である。
σ=M/Z=W・L/Z…………………………………………(2)
両式(1)、(2)を整理すると、
σ=δ・E・d/(β・2・L2 )となり、たわみδを一定とした時、応力は素線径に比例することが分かる。
σ=M/Z=W・L/Z…………………………………………(2)
両式(1)、(2)を整理すると、
σ=δ・E・d/(β・2・L2 )となり、たわみδを一定とした時、応力は素線径に比例することが分かる。
ここで、たわみδ=0.7を生じる時の素線径と応力との関係を求めると、図3に示す様に、素線径が小さくなる程、応力も小さくなるが、素線径がΦ0.05mmより大きくなると、素線に生じる応力が素線の許容応力を超えてしまう。このため、実施例1では、素線径をΦ0.05mm以下に設定している。
上記の様に、実施例1に示されるリード線11は、軟銅撚線を構成する素線を細線化すると共に、素線の本数を増やすことで、所定の断面積を確保している。具体的には、素線径がΦ0.05mm以下であり、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線をリード線11に使用している。これにより、柔軟性が高く、断線し難いリード線11を得ることができると共に、大電流を流すために必要な断面積を確保できる。また、素線の細線化により、リード線11の許容弛み量を増やすことができるため、リード線11の柔軟性を十分に発揮でき、ブラシ4の消耗にも追従できる。
前述の特許文献1に示される様に、リード線11の靱性を大きくすると、その分、リード線11の曲げ剛性が高くなって、柔軟性が損なわれるため、ブラシスプリング12によりブラシ4を整流子2に押圧する力が低減して、ブラシ4の摺動性が悪化する恐れがある。これに対し、実施例1に示されるリード線11は、曲げ剛性が高くなることはなく、十分な柔軟性を得ることができるので、ブラシスプリング12によりブラシ4を整流子2に押圧する力が低減することはなく、ブラシ4の摺動性を良好に保つことができる。
また、リード線11には、ブラシ本体4aに接続される一端と通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量が確保されている。この弛み量は、高い振動にも耐えられる様に、所定量以内に設定されている。すなわち、自動車用スタータでは、振動の高いエンジンで最大150G程度の振動加速度が作用することが分かっている。そこで、リード線11に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲に弛み量を設定することで、より高い振動に耐え得るリード線11を実現できる。
さらに、ブラシ本体4aは、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、このブラシ本体4aに、リード線11の一端が一体成型されている。この場合、素線の細線化により、ブラシ本体4aとの接触面積が従来(素線径Φ0.10mm)より増加するため、リード線11の接続強度を向上できると共に、接続部位の導通性が向上して接続抵抗を低減できる。これは、大電流を流す必要のあるスタータ用モータ1には好適である。
また、リード線11は、自身の他端が通電用導体(界磁コイル6の接続部6a、金属プレート)にろう付けにより接合されている。この場合、溶接等の母材溶融による接合手段と比較して、素線に対する接合時の熱影響を低減できるため、細線化した素線で構成された軟銅撚線(リード線11)の強度を著しく低下させることなく、通電用導体に接合できる。
上記のブラシ4を採用することで、モータ1の耐振性を高めることができ、スタータの信頼性が向上する。また、上記のブラシ4を採用したモータ1は、振動の高いエンジンに対しても、特別な構成の追加、変更等を行うことなく適用できるため、量産性に優れたものとなり、コスト面でも効果がある。
上記のブラシ4を採用することで、モータ1の耐振性を高めることができ、スタータの信頼性が向上する。また、上記のブラシ4を採用したモータ1は、振動の高いエンジンに対しても、特別な構成の追加、変更等を行うことなく適用できるため、量産性に優れたものとなり、コスト面でも効果がある。
なお、実施例1では、本発明のカーボンブラシを自動車用スタータのモータ1に適用した一例を説明したが、その他の回転電機にも適用できる。
また、実施例1に記載したモータ1は、ヨーク5の内周に界磁コイル6を備える巻線界磁式であるが、界磁コイル6に代えて永久磁石を用いることもできる。
また、実施例1に記載したモータ1は、ヨーク5の内周に界磁コイル6を備える巻線界磁式であるが、界磁コイル6に代えて永久磁石を用いることもできる。
1 モータ(直流モータ)
2 整流子
3 電機子
4 ブラシ(回転電機用カーボンブラシ)
4a ブラシ本体
6a 界磁コイルの接続部(通電用導体)
11 リード線
2 整流子
3 電機子
4 ブラシ(回転電機用カーボンブラシ)
4a ブラシ本体
6a 界磁コイルの接続部(通電用導体)
11 リード線
Claims (5)
- 電機子に設けられる整流子上に配置されるブラシ本体と、一端が前記ブラシ本体に電気的かつ機械的に接続され、他端が通電用導体に電気的かつ機械的に接続されるリード線とを有する回転電機用カーボンブラシであって、
前記リード線は、略3mm2 以上の断面積を有する軟銅撚線から成り、その軟銅撚線を構成する素線の径をΦ0.05mm以下としたことを特徴とする回転電機用カーボンブラシ。 - 請求項1に記載した回転電機用カーボンブラシにおいて、
前記リード線は、前記ブラシ本体に接続される一端と前記通電用導体に接続される他端との間に所定の弛み量を有し、
前記リード線に作用する振動加速度として、概ね150G相当の荷重が加わった時に、前記軟銅撚線に生じる素線応力が疲労限度を超えない範囲に前記リード線の弛み量が設定されていることを特徴とする回転電機用カーボンブラシ。 - 請求項1または2に記載した回転電機用カーボンブラシにおいて、
前記ブラシ本体は、銅粉等の電気良導体金属成分を含んだ金属系カーボンブラシであり、前記リード線は、自身の一端が前記ブラシ本体に一体成型されていることを特徴とする回転電機用カーボンブラシ。 - 請求項1〜3に記載した何れかの回転電機用カーボンブラシにおいて、
前記リード線は、自身の他端が前記通電用導体にろう付けにより接合されていること特徴とする回転電機用カーボンブラシ。 - 請求項1〜4に記載した何れかの回転電機用カーボンブラシを備えた直流モータを有し、この直流モータに発生する回転力によってエンジンを始動する自動車用スタータ。
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