JP2006207728A - オートマチックトランスミッションの回転軸支持構造 - Google Patents

オートマチックトランスミッションの回転軸支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 低断面で耐久性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を提供する。
【解決手段】 この発明に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に利用されるスラストころ軸受は、ころ16と、保持器11とを備える。保持器11は、軸受回転軸線に対して交差する面に、ころ16を収容する複数のポケット12を有する。ポケット12の壁面には、ころ16の外周面に対面する壁面から突出した複数のころ接触部13,14と、ころ接触部13,14から後退した位置に設けられたころ非接触部15とを備える。ころ接触部13,14のころ接触側の角部には、面押し加工によりころ16の抜けを防止するころ止め部13a,14aと、その加工面にころ16の回転を案内するころ案内面13b,14bとが形成される。
【選択図】 図8

Description

この発明は、オートマチックトランスミッションに関し、特に、入力軸および出力軸のいずれかの回転により生じたスラスト荷重を支持するスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に関するものである。
自動車等に使用されるオートマチックトランスミッションは、例えば、特開2004−156724号公報(特許文献1)に記載されている。同公報によると、オートマチックトランスミッションは、一般的に、図19に示すようにトルクコンバータ100と、遊星歯車機構(図示せず)とを備える。トルクコンバータ100は、インペラ101と、ステータ102と、タービン103とを主に有している。
このトルクコンバータ100においては、エンジンの出力軸に連結されるインペラ101と、トランスミッションの入力軸に連結されるタービン103とが互いに対向するように配置されている。また、ステータ102は、ケーシングに固定されたステータシャフトに一方向クラッチ104を介して取り付けられている。
このステータ102は、それぞれ椀状に形成されたインペラブレード101aとタービンブレード103aとの間で還流する流体を、これらの内径側でタービン103側からインペラ101側へ戻す際に、流体の流れ方向を変えてインペラ101に順方向の回転力を付与し、伝達トルクを増幅するものである。
上記のオートマチックトランスミッションは、入力軸および出力軸のいずれかの回転によりスラスト荷重を生じるので、インペラ101とステータ102との間、および、ステータ102とタービン103との間にスラストころ軸受111が配置されている。
一方、上記の自動車等に使用されるオートマチックトランスミッションの回転軸を支持する軸受は、例えば、特開2000−192965号公報(特許文献2)に記載されている。同公報に記載されているスラストころ軸受は、ころと、図1に示すような円環状の円周面にころを収容するポケット2を複数有する保持器1とを備え、あるいはさらに軌道輪を有している。
保持器1のA−A´での断面は、図2に示すように、円環状の板材をプレス加工によりW形状とし、ポケット2を打ち抜き形成する。ポケット2には、打ち抜き形成時に、ころ5の脱落を防止する複数のころ止め部3と、ころ5の回転を案内するころ案内面4とが形成される。
隣接するころ止め部3は、軸受回転軸線方向およびころ5の自転軸線方向の位置をずらして設けられる。図2では、ポケット2の中央部上側と、両端部下側とにころ止め部3が形成されている。また、ころ案内面4は、隣接するころ止め部3の間の傾斜部に設けられる。
ここで、軸受回転軸線とは、軸受回転時のころの公転軌道の中心を通る仮想軸線を示す。また、ころの自転軸線とは、軸受回転時のころ各々の自転軌道の中心を通る仮想軸線を示す。
ころ止め部3は、図3に示すように、ポケット2の壁面より突出しており、スラストころ軸受の停止時にころ5の脱落を防止する。一方、スラストころ軸受の回転時においては、図4に示すように、ころ5は、ころ止め部3と遊隙量dの間隔を維持して接触せず、ころ案内面4に案内されて回転する。
上記のようなスラストころ軸受は、ころと、転動面とが線接触するので、軸受投影面積が小さい割りに高負荷容量と高剛性が得られるという利点がある。
特開2004−156724号公報 特開2000−192965号公報
近年、自動車等に使用されるオートマチックトランスミッションのコンパクト化が進んでおり、それに伴って、これらの機器に使用されるスラストころ軸受の軸方向の厚み削減の要望が強くなっている。
一般的に、図4に示したようなスラストころ軸受をサイズダウンする場合、通常は、図5(a)に示すように、ころ径、W型保持器の厚み寸法、W型保持器の板厚をそれぞれφ>φ、w>w、t>tと所定の比率だけ縮小する。
ただし、W型保持器の強度を維持するために、W型保持器の板厚tをあまり薄くすることができない。
オートマチックトランスミッションに使用されるスラストころ軸受は、エンジン始動直後に両軌道輪が互いに偏心回転し、保持器が両軌道輪に挟まれることがある。このため、保持器の板厚tを薄くすると、保持器の破損する恐れがある。
そこで、図5(b)に示すように、ころ径φおよびW型保持器の厚み寸法Wを変更せずに、W型保持器の板厚tをt<tとなるように設定すると、ころ5の脱落を防止するためには、遊隙量dを小さくしなくてはならない。遊隙量dが小さくなると、ころ止め部3でころ5の外周面の潤滑油を掻き落とすことになり、回転不良を招く恐れがある。
また、適正な遊隙量を確保するために、ころ止め部3のポケット2の端面からの突出量を減らし、間口を広くすれば、ころ5の脱落を防止することができない。
一方、図5(c)に示すように、板厚tをt>tとなるように設定した場合には、遊隙量dを十分に確保することは可能となるが、保持器の強度がさらに低下する。
さらに、従来からの問題点として、打ち抜き形成されるころ案内面4は、その一部に破断面を含む。その結果、表面の粗い案内面4と、ころ5との接触抵抗が高くなり、磨耗による鉄粉が発生する。また、特に、希薄潤滑下においては、油膜切れ等の潤滑不良により、軸受が破損する恐れがあった。
本発明の目的は、スラストころ軸受の厚み寸法を削減した場合でも、保持器の強度を維持するために十分な板厚および、ころと、ころ止め部との適正な遊隙量を確保することにより、耐久性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を提供することである。
この発明に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造は、入力軸の回転を段階的に変化して出力軸に伝達するオートマチックトランスミッションの、入力軸および出力軸のいずれかの回転により生じたスラスト荷重を支持するスラストころ軸受を備える。
スラストころ軸受に注目すると、ころと、円環状部材で、軸受回転軸線に対して交差する面に、ころを収容する複数のポケットを有する保持器とを備える。
ころの外周面に対面するポケットの壁面には、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部が設けられており、
第1ころ接触部には、ころの接触側の角部を面押し加工により、ころの一方方向への抜けを防止する第1ころ止め部を形成し、第2ころ接触部には、ころの接触側の角部を面押し加工により、ころの他方方向への抜けを防止する第2ころ止め部を形成する。
上記構成とすることにより、保持器の板厚を薄くすることなく、ころと、ころ止め部との適正な遊隙量を確保することができる。その結果、保持器の強度および潤滑性能の高いスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
好ましくは、保持器の板厚tと、ころのころ径φとが、t/φ≧0.2の関係を有し、ころのころ径φが2mm以下である。
上記構成とすることにより、自動車等に使用されるオートマチックトランスミッション等のコンパクト化に伴い、スラストころ軸受の厚み寸法を削減しても、十分な強度を確保することができる。
この発明の他の局面に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造は、入力軸の回転を段階的に変化して出力軸に伝達するオートマチックトランスミッションの、入力軸および出力軸のいずれかの回転により生じたスラスト荷重を支持するスラストころ軸受を備える。
スラストころ軸受に注目すると、ころと、一方面および他方面を有する円環状部材であり、軸受回転軸線に対して交差する面に、ころを収容する複数のポケットを有する保持器とを備え、保持器の一方面および他方面には、それぞれ板厚を減じてリング状溝が形成されている。
ころの外周面に対面するポケットの壁面には、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部が設けられている。
上記構成とすることにより、保持器の板厚を保持器の厚み寸法まで厚くすることができるので、従来の保持器と比較して極めて強度の高い保持器を得ることができる。
また、ころ止め部の大きさは、保持器の板厚の範囲内で自由に決定することができるので、保持器の強度を確保するために必要な板厚を維持すると共に、ころと、ころ止め部との遊隙量を適正な値とすることができる。その結果、耐久性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
好ましくは、保持器の板厚tと、ころのころ径φとが、t/φ≧0.6の関係を有し、ころのころ径φが2mm以下である。上記構成とすることにより、保持器の板厚tを保持器の厚み寸法まで厚くすることができる。その結果、従来の保持器と比較して極めて強度の高い保持器を得ることができる。
しかし、保持器の板厚tを薄くすると、ころと、ころ接触部との遊隙量が小さくなり、ころ接触部でころの外周面の潤滑油を掻き落とすことになり、回転不良を招く恐れがある。そこで、ころ径φが2mm以下であるスラストころ軸受においては、保持器の板厚tと、ころのころ径φとの関係を、t/φ≧0.6とすることにより、上記の問題を回避することが可能となる。
保持器のリング状溝は、例えば、コイニングにより形成されている。これにより、曲げ加工によって形成した場合に比べて、保持器の強度が高く、加工や熱処理等による変形が極めて少ない。また、変形が生じた場合であっても、プレステンパによって矯正することが可能である。
なお、本明細書中でコイニングとは、冷間鍛造の一形態で、上下から型を押し付けることにより、材料表面に凹凸を形成する加工法を指すものとする。また、プレステンパとは、焼戻し時にプレスを行い、曲がり等の変形を矯正する方法を指すものとする。
好ましくは、第1ころ接触部は、ころの一方方向への抜けを防止する第1ころ止め部と、ころの回転を案内する第1ころ案内面とを有し、第2ころ接触部は、ころの他方方向への抜けを防止する第2ころ止め部と、ころの回転を案内する第2ころ案内面とを有する。
上記構成とすることにより、ころ止め部の大きさは、保持器の板厚の範囲内で自由に決定することができるので、保持器の強度を確保するために必要な板厚を維持すると共に、ころと、ころ止め部との遊隙量を適正な値とすることができる。
好ましくは、各ころ接触部のころ止め部およびころ案内面は、バニシ加工により形成されている。これにより、平滑な案内面を得ることができるので、案内面と、ころとの接触抵抗を緩和し、磨耗による鉄粉の発生を抑制することができる。また、希薄潤滑下においても、油膜切れ等を起こさず、高い潤滑性能を維持することができる。
その結果、耐久性および静粛性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。なお、本明細書中でバニシ加工とは、加工品表面に工具を押し付けて滑らせ、表面を平滑にする加工法を指すものとする。
さらに、第1ころ接触部と、第2ころ接触部との間に、ころ案内面よりも後退して位置するころ非接触部を備えるのが好ましい。これにより、ころと、保持器との間の隙間が大きくなり、軸受内部への通油性が高まる。その結果、潤滑性能の高いスラストころ軸受を得ることができる。
この発明は、スラストころ軸受の厚み寸法を削減した場合でも、保持器の強度を維持するために十分な板厚および、ころと、ころ止め部との適正な遊隙量を確保することができるので、耐久性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
図6〜図8を参照して、この発明に係る自動車等に使用されるオートマチックトランスミッションの回転軸の回転によって生じるスラスト荷重を支持するスラストころ軸受の一実施形態を説明する。
このスラストころ軸受は、ころ16と、保持器11とを備える。保持器11は、例えば、図6に示すように、円環状の板材をプレス加工によりW形状に成型して作られたW型保持器であり、軸受回転軸線に対して交差する面に、ころ16を収容する複数のポケット12を有する。
ポケット12の壁面には、図7に示すように、ころ16の外周面に対面する壁面から突出した複数のころ接触部13,14と、ころ接触部13,14から後退した位置に設けられたころ非接触部15とを備える。
隣接するころ接触部13,14は、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向の位置をずらして複数個所に設けられる。図6に示す実施形態では、ポケット12の中央部上側に第1ころ接触部13と、両端部下側に第2ころ接触部14とが形成されている。
また、図8に示すように、第1ころ接触部13は、ころ16の上方への抜けを防止する第1ころ止め部13aと、その加工面にころ16の回転を案内する第1ころ案内面13bとを有し、第2ころ接触部14は、ころ16の下方への抜けを防止する第2ころ止め部14aと、その加工面にころ16の回転を案内する第2ころ案内面14bとを有する。
上記構成の保持器とすることにより、軸受の強度を維持するために必要な板厚tを確保すると同時に、ころ止め部13a,14aの突出量を調整することにより、適正な遊隙量dを確保することも可能となる。その結果、耐久性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
保持器の板厚tと、ころ16のころ径φとの関係は、t/φ≧0.2,φ≦2である。上記構成とすることにより、自動車等に使用されるオートマチックトランスミッション等のコンパクト化に伴い、スラストころ軸受の厚み寸法を削減しても、十分な保持器強度を確保することができる。
また、ころ接触部13,14の加工面をころ案内面13b,14bとすることにより、従来、ころ案内面としていた打ち抜き加工時の切断面部分をころ非接触部15とすることができる。
ころ非接触部15は、ころ案内面13b,14bから大きく後退させることができるので、図7に示すように、ころ非接触部15と、ころ16との間隔を大きくすることが可能となる。これにより、軸受内部への通油性が高まり、潤滑性能の高いスラストころ軸受を得ることができる。
なお、上記の実施形態では、ころ案内面13b,14bの形状をテーパ面としたが、これに限ることなく、図9に示すように、ころ案内面23b,24bをころ26の外周面に沿う湾曲面としてもよい。また、図10に示すように、ころ接触部33,34をバニシ加工によりころ止め部33a,34aおよびころ案内面33b,34bを形成することとしてもよい。
次に、図11〜図14を参照して、自動車等に使用されるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に利用されるスラストころ軸受の他の例を説明する。
このスラストころ軸受は、ころ47と、保持器41とを備える。保持器41は、その両面に板厚を減じてリング状溝42が設けられている。この実施形態においては、図11に示すように、中央部下側面と両端部上側面にそれぞれリング状溝42を設けている。
また、保持器41は、軸受回転軸線に対して交差する面に、図12に示すようなころ47を収容する複数のポケット43を有している。ポケット43は、ころ47の外周面に対面する壁面から突出した複数のころ接触部44,45と、ころ接触部44,45から後退した位置に設けられたころ非接触部46とを備える。
隣接するころ接触部44,45は、軸受回転軸線方向およびころの自転軸線方向の位置をずらして複数個所に設けられる。この実施形態においては、図13に示すように、ポケット43の中央部上側に第1ころ接触部44と、両端部下側に第2ころ接触部45とが形成されている。
さらに、図14に示すように、第1ころ接触部44は、ころ47の上方への抜けを防止する第1ころ止め部44aと、その加工面にころ47の回転を案内する第1ころ案内面44bとを有し、第2ころ接触部45は、ころ47の下方への抜けを防止する第2ころ止め部45aと、その加工面にころ47の回転を案内する第2ころ案内面45bとを有する。
保持器41の板厚tと、ころ47のころ径φの関係は、t/φ≧0.6,φ≦2である。
上記構成とすることにより、保持器41の板厚tを保持器41の厚み寸法まで厚くすることができる。その結果、従来の保持器と比較して極めて強度の高い保持器41を得ることができるので、より耐久性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
しかし、保持器41の板厚tを薄くすると、ころ47と、ころ接触部44,45との遊隙量dが小さくなり、ころ接触部44,45でころ47の外周面の潤滑油を掻き落とすことになり、回転不良を招く恐れがある。そこで、ころ径φが2mm以下であるスラストころ軸受においては、保持器41の板厚tと、ころ47のころ径φとの関係を、t/φ≧0.6とすることにより、上記の問題を回避することが可能となる。
また、ころ接触部44,45の加工面をころ案内面44b、45bとすることにより、従来、ころ案内面としていた打ち抜き加工時の切断面部分をころ非接触部46とすることができる。
ころ非接触部46は、ころ案内面44b,45bから大きく後退させることができるので、図12に示すように、ころ非接触部46と、ころ47との間隔を大きくすることが可能となる。これにより、軸受内部への通油性が高まり、潤滑性能の高いスラストころ軸受を得ることができる。
上記の保持器41のリング状溝42は、コイニングまたはその他の冷間鍛造により形成されるため、強度が高く、加工や熱処理等による変形が極めて少ない。また、変形が生じた場合であっても、プレステンパによって矯正することが可能である。
上記の各実施形態に示す保持器は、熱処理、例えば浸炭焼入れおよび焼戻し、または、これらに代えて、浸炭窒化処理や軟窒化処理等をして、完成品となる。
上記の各実施形態では、ころと、保持器とを備えるスラストころ軸受の例を示したが、これに限ることなく、さらに軌道輪を備えるスラストころ軸受としてもよい。
次に、図15を参照して、図8に示す第2ころ接触部14に第2ころ止め部14aおよび第2ころ案内面14bを形成する手順を説明する。
図8に示すような第2ころ止め部14aおよび第2ころ案内面14bは、図15に示すように面押し加工により形成する。具体的には、図15(a)に示すように、第2ころ接触部14を加工台17上に載置し、第2ころ接触部14の角部14cに工具18のテーパ面18aを押し当てることにより行う。
面押し加工を行うと、図15(b)に示すように、その加工面に第2ころ案内面14bと、第2ころ止め部14aとが形成される。
面押し加工は、せん断加工と異なり圧縮加工であるので、第2ころ案内面14bは平滑な面となり、案内面ところとの接触抵抗を緩和し、磨耗による鉄粉の発生を抑制することができる。また、希薄潤滑下においても、油膜切れ等を起こさず、高い潤滑性能を維持することができる。その結果、耐久性および静粛性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
また、大きなころ案内面を形成する場合には、図16(a)に示すように、加工台17に工具18の先端をガイドするガイド部17aを設けて加工することにより、図16(b)に示すように、工具18を深く挿入することができる。これにより、大きなころ案内面14bを形成することが可能となる。
上記の実施形態では、図8に示すような、第2ころ案内面14bの形状がテーパ面となる面押し加工の手順を説明したが、工具18のテーパ面18aを凸状の湾曲面とすることにより、図9に示すような湾曲形状のころ案内面23b,24bを形成することも可能である。
また、上記の実施形態では、第2ころ接触部14に第2ころ止め部14aおよび第2ころ案内面14bを形成する方法を示したが、第1ころ接触部についても、工具18を下から当てることにより、同様の方法で第1ころ止め部13aおよび第1ころ案内面13bを形成することができる。
さらに、保持器41のころ接触部44,45に、ころ止め部44a,45aおよびころ案内面44b,45bを形成する場合も、同様の方法により可能である。
次に、図17および図18を参照して、図10に示すような保持器の第2ころ接触部34に、第2ころ止め部34aおよび第2ころ案内面34bを形成する手順について説明する。
第2ころ止め部34aおよび第2ころ案内面34bは、図17に示すようにバニシ加工により形成する。具体的には、図17(a)に示すように、第2ころ接触部34を加工台37の端面から幅Lだけ後退した位置に載置し、工具38を第2ころ接触部34の端面から幅Lだけ重なる位置にセットして加工する。これにより、図17(b)に示すように、第2ころ止め部34aおよびころ案内面34bが形成される。
加工後の第2ころ接触部34に関しては、図18(a)および(b)に示すように、第2ころ案内面34bが、加工前の第2ころ接触部34の端面から幅Lだけ後退し、バニシ加工によって押し下げられた部分によって、第2ころ止め部34aが、加工前の第2ころ接触部34の端面から幅Lだけ突出して形成される。
上記のように、バニシ加工により第2ころ案内面34bを形成することにより、表面粗さの低い平滑なころ案内面が得られるので、案内面ところとの接触抵抗を緩和し、磨耗による鉄粉の発生を抑制することができる。また、希薄潤滑下においても、油膜切れ等を起こさず、高い潤滑性能を維持することができる。その結果、耐久性および静粛性に優れたスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造を得ることができる。
また、加工時の幅L,Lの値を変更することにより、ころと、ころ接触部との遊隙量を容易に調整することが可能となる。
上記の実施形態では、第2ころ止め部34aおよび第2ころ案内面34bを、バニシ加工により形成した例を示したが、これに限ることなく、しごき加工、または、つぶし加工によって形成してもよい。
また、上記の実施形態では、図10に示すような保持器の第2ころ接触部34に第2ころ止め部34aおよび第2ころ案内面34bを形成する方法を示したが、第1接触部についても、工具38を下から当てることにより、同様の方法で第1ころ止め部33aおよび第1ころ案内面33bを形成することができる。
さらに、保持器41のころ接触部44,45に、ころ止め部44a,45aおよびころ案内面44b,45bを形成する場合も、同様の方法により可能である。
上記の各実施形態においては、面押し加工、または、バニシ加工により、ころ接触部にころ止め部を形成する例を示したが、これに限ることなく、ころ接触部の角部をころ止め部としてもよい。
また、上記の各実施形態においては、面押し加工面、または、バニシ加工面をころ案内面としたが、これに限ることなく、ころ非接触部をころ案内面として利用してもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、自動車等に使用されるオートマチックトランスミッションのスラスト荷重を受ける部分の支持構造として有利に利用される。
スラストころ軸受用保持器の概略平面図である。 従来のスラストころ軸受用保持器の図1におけるA−A´断面図である。 従来のスラストころ軸受用保持器のポケット部分の概略平面図である。 従来のスラストころ軸受用保持器の図2におけるB−B´断面図である。 ころ径を小さくしたスラストころ軸受用保持器の図2におけるB−B´断面図である。 この発明の一実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図1におけるA−A´断面図である。 この発明の一実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器のポケット部分の概略平面図である。 この発明の一実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図6におけるC−C´断面図である。 この発明の一実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図6におけるC−C´断面図であって、ころ案内面を湾曲面とした状態を示す図である。 この発明の一実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図6におけるC−C´断面図であって、バニシ加工によりころ止め部およびころ案内面を形成した状態を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図1におけるD−D´断面図である。 この発明の他の実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器のポケット部分の概略平面図である。 この発明の他の実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図1におけるA−A´断面図である。 この発明の他の実施形態に係るオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造に使用するスラストころ軸受用保持器の図13におけるE−E´断面図である。 ころ止め部およびころ案内面を面押し加工により形成する手順を示す図解的断面図である。 ころ止め部およびころ案内面を面押し加工により形成する手順を示す図であって、図15と比較して、工具をより深く挿入する状態を示す図である。 ころ止め部およびころ案内面をバニシ加工により形成する手順を示す図である。 ころ止め部およびころ案内面をバニシ加工により形成した前後のころ接触部の拡大断面図である。 オートマチックトランスミッションのトルクコンバータを示す概略断面図である。
符号の説明
1,11,41 保持器、2,12,43 ポケット、3,13a,14a,23a,24a,33a,34a,44a,45a ころ止め部、4,13b,14b,23b,24b,33b,34b,44b,45b ころ案内面、5,16,26,36,47 ころ、42 リング状溝、13,14,23,24,33,34,44,45 ころ接触部、14c 角部、15,25,35,46 ころ非接触部、17,37 加工台、17a,37a ガイド溝、18,38 工具、18a,38a テーパ部、38b 平坦部、100 トルクコンバータ、101 インペラ、102 ステータ、103 タービン、104 一方向クラッチ、111 スラストころ軸受。

Claims (8)

  1. 入力軸の回転を段階的に変化して出力軸に伝達するオートマチックトランスミッションの、前記入力軸および前記出力軸のいずれかの回転により生じたスラスト荷重を支持するスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造において、
    前記スラストころ軸受は、ころと、円環状部材で、軸受回転軸線に対して交差する面に、前記ころを収容する複数のポケットを有する保持器とを備え、
    前記ころの外周面に対面する前記ポケットの壁面には、前記軸受回転軸線方向および前記ころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部が設けられており、
    前記第1ころ接触部には、前記ころの接触側の角部を面押し加工により、前記ころの一方方向への抜けを防止する第1ころ止め部を形成し、
    前記第2ころ接触部には、前記ころの接触側の角部を面押し加工により、前記ころの他方方向への抜けを防止する第2ころ止め部を形成したことを特徴とする、オートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  2. 前記保持器の板厚tと、前記ころのころ径φとが、
    t/φ≧0.2
    の関係を有し、
    前記ころのころ径φが2mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  3. 入力軸の回転を段階的に変化して出力軸に伝達するオートマチックトランスミッションの、前記入力軸および前記出力軸のいずれかの回転により生じたスラスト荷重を支持するスラストころ軸受を備えるオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造において、
    前記スラストころ軸受は、ころと、一方面および他方面を有する円環状部材であり、軸受回転軸線に対して交差する面に、前記ころを収容する複数のポケットを有する保持器とを備え、
    前記保持器の一方面および他方面には、それぞれ板厚を減じてリング状溝が形成されており、
    前記ころの外周面に対面する前記ポケットの壁面には、前記軸受回転軸線方向および前記ころの自転軸線方向に見てずれた位置関係に、第1ころ接触部および第2ころ接触部が設けられていることを特徴とする、オートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  4. 前記保持器の板厚tと、前記ころのころ径φとが、
    t/φ≧0.6
    の関係を有し、
    前記ころのころ径φが2mm以下であることを特徴とする、請求項3に記載のオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  5. 前記保持器のリング状溝は、コイニングにより形成されている、請求項3または4に記載のオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  6. 前記第1ころ接触部は、前記ころの一方方向への抜けを防止する第1ころ止め部と、前記ころの回転を案内する第1ころ案内面とを有し、
    前記第2ころ接触部は、前記ころの他方方向への抜けを防止する第2ころ止め部と、前記ころの回転を案内する第2ころ案内面とを有する、請求項3〜5のいずれかに記載のオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  7. 前記各ころ接触部のころ止め部および前記ころ案内面は、バニシ加工により形成されている、請求項1または6に記載のオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
  8. 前記第1ころ接触部と、前記第2ころ接触部との間に、前記ころ案内面よりも後退して位置するころ非接触部を備える、請求項1〜7のいずれかに記載のオートマチックトランスミッションの回転軸支持構造。
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