JP2006207087A - 車輌内装用布帛およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】布帛に樹脂を付与した領域と樹脂を付与していない領域で光沢差を生じさせてポリウレタン樹脂により模様が形成された、耐剥離性、耐摩耗性および風合いにも優れる車輌内装用布帛およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール及び構造中にエステル結合を有するポリオールを用いて合成されるポリウレタン樹脂により模様付けされた布帛であって、少なくとも布帛表面に露出している繊維が該ポリウレタン樹脂により30〜200nmの膜厚で被覆されることによりその模様付けがなされる車輌内装用布帛である。【選択図】図1

Description

本発明は、車輌内装用布帛およびその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、布帛に樹脂を付与した領域と樹脂を付与していない領域で光沢差を生じさせてポリウレタン樹脂により模様が形成された、耐剥離性、耐摩耗性および風合いにも優れる車輌内装用布帛およびその製造方法に関するものである。
従来、樹脂を布帛に塗布することによって、樹脂を付与した部分と付与していない部分に光沢差を生じさせることにより模様を形成することがおこなわれている。
具体的には特許文献1には、捺染または染色した布帛上に、無着色樹脂液を模様状に塗布し、乾燥後カレンダー加工をすることにより紋織物様布帛を製造する方法が、また特許文献2には、布帛に沸水収縮率の高いものを用い、該布帛に樹脂を印捺し、その後染色することにより、樹脂皮膜形成部分と樹脂被膜未形成部分で色差や凹凸差のある特殊模様布帛を製造する方法が開示されている。
しかしながらこれらの技術をカーシートなどの車輌内装材に転用した場合、樹脂被膜の接着性が悪く布帛から剥離してしまう、模様付けされた布帛の耐摩耗性が悪い、布帛表面に毛羽立ちや糸切れがみられる、また布帛の風合いが損なわれる、といった問題が発生した。
これらの問題を解決するため、使用する樹脂について検討を行い、例えば、耐摩耗性に優れているといわれているポリカーボネート系ウレタン樹脂を選定すれば、上記問題は解決できるものと思われたが、充分な効果は得られなかった。
特開昭59−030973号公報 特開昭63−282375号公報
本発明の目的は、これら課題を鑑みてなされたものであり、布帛に樹脂を付与した領域と樹脂を付与していない領域で光沢差を生じさせてポリウレタン樹脂により模様が形成された、耐剥離性、耐摩耗性および風合いにも優れる車輌内装用布帛およびその製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール及び構造中にエステル結合を有するポリオールを用いて合成されるポリウレタン樹脂により模様付けされた布帛であって、少なくとも布帛表面に露出している繊維が該ポリウレタン樹脂により30〜200nmの膜厚で被覆されることによりその模様付けがなされる車輌内装用布帛に関する。
前記構造中にエステル結合を有するポリオールがポリエステル系ポリオールであることが好ましい。
前記構造中にエステル結合を有するポリオールがポリオレフィン系ポリオールであることが好ましい。
また、本発明は、樹脂凝集剤を布帛に付与する工程、ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール及び構造中にエステル結合を有するポリオールを用いて合成されるポリウレタン樹脂のエマルジョンをインクジェット方式にて布帛に付与することで模様付けを行う工程およびそれら工程の後、熱処理を行う車輌内装用布帛の製造方法に関する。
さらに、樹脂凝集剤を布帛に付与する工程と模様付けを行う工程を同時にインクジェット方式にて行うことが好ましい。
前記樹脂凝集剤として硫酸マグネシウムを使用することが好ましい。
本発明によれば、布帛に樹脂を付与した領域と樹脂を付与していない領域で光沢差を生じさせてポリウレタン樹脂により模様が形成された、耐剥離性、耐摩耗性および風合いにも優れる車輌内装用布帛およびその製造方法を提供することができる。
本発明において布帛に模様付けをおこなうポリウレタン樹脂としては、布帛との接着性や樹脂被膜の耐摩耗性に優れ、またその分子構造上、化学的に安定な物質であり、分解や劣化がおこりにくいなどの理由から、ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール及び構造中にエステル結合を有するポリオールを用いて合成されるポリウレタン樹脂を用いる。ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール単独であっても樹脂被膜の耐摩耗性については向上するが、この場合、布帛との接着性や風合いに難があり、ポリオール成分として構造中にエステル結合を有するポリオールを併用することによりこの問題が解消される。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等と、低級アルコールで置換されても良いエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオール等の芳香族ジオール等の一種あるいは二種類以上との混合物を反応させて得られたものが挙げられる。
また構造中にエステル結合を有するポリオールとしては、ポリエステル系ポリオールやポリオレフィン系ポリオールが例示できる。
ポリエステル系ポリオールは、低分子グリコールとカルボキシル基を含むポリカルボン酸との反応により得られ、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸等の脂肪族ポリカルボン酸やイソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ポリカルボン酸やこれらの無水物、一種あるいはその組み合わせからなる塩基酸と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、1.4−ブタンジオール、3−メチル1.5−ペンタジオール、ネオペンチルグリコールなどの一種あるいはその組み合わせからなるポリオールとの反応で得られたものが例示できる。さらに本発明においては、ポリエステル系ポリオールは、25℃で液状を示す低融点かつ低結晶タイプのものを使用する事が好ましい。その理由については、常温下において液状であると樹脂合成が行い易く、また製造コストが安価である点、さらには、ポリウレタン樹脂として合成された後も高融点タイプのポリオールと比較して被膜化しやすい為、その結果、樹脂画像の視認性、布帛との密着性及び耐摩耗性がより向上するからである。
ポリオレフィン系ポリオールについては、ポリオレフィンを構成するモノマーとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素原子数2〜20のα−オレフィン等が挙げられる。さらに本発明においては、ポリオレフィン系ポリオールは、上述した同様の理由より25℃で液状を示す低融点かつ低結晶タイプのものを使用する事が好ましい。
また他の反応成分であるイソシアネート及び鎖延長剤については特に限定されず、従来公知のものが使用できるが、イソシアネートについては特に、構造上二重結合を持たず耐光性に優れている脂肪族イソシアネートを用いることが好ましい。
また本発明のポリウレタン樹脂の耐熱性、耐候性、耐加水分解性等をさらに向上させる目的で、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、難燃剤等の各種添加剤を使用することも当然可能である。
本発明において模様付けをおこなう布帛については、合成繊維を70重量%以上含む布帛が好ましい。本発明のウレタン樹脂と合成繊維との接着性は概ね良好であるといえ、その合成繊維を70重量%以上含むものであれば、本発明において使用することができる。合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン系繊維、アクリル系繊維などが例示されるが、なかでも炎天下での車内の過酷な温度条件下でも物理的な強度低下を起こしにくく、またコスト的にも優れる等の理由より、ポリエステル系繊維が好ましい。また合成繊維以外の繊維については、半合成繊維、再生繊維や天然繊維などが例示され、なかでも、天然繊維の中で劣化の少ないとの理由から綿、麻が好ましい。
布帛を構成する繊維については、光沢のあるものでも光沢のないものでも使用でき、例えば、光沢のあるものとしては、酸化チタン等を含む割合が少ない、一般にブライト糸と呼ばれる合成繊維や再生繊維、ワックス等で光沢加工された繊維、カレンダー処理された繊維及びシルケット加工をされた綿等が挙げられ、また、光沢のないものとしては、酸化チタン等を多く含む、一般にダル糸と呼ばれる合成繊維や再生繊維、起毛処理された繊維及びシルケット加工されていない綿、等が挙げられるが、なかでも樹脂による画像を視認しやすい為、光沢のあるものが好ましい。
また布帛の形態としては、織物、編物や不織布など特に限定されず、さらにまた、本発明を実施する前に、予め着色されているものや常法にて精練−セットのみおこなったもの等何れを用いてもよく、特に限定されない。
本発明においては、上述したポリウレタン樹脂により模様付けされる領域の少なくとも布帛表面に露出している繊維が該ポリウレタン樹脂で被覆されており、且つその膜厚が30〜200nmである。
ここで本発明による繊維がポリウレタン樹脂で被覆されている状態を図面をもちいてさらに詳しく説明するが、好ましい一形態を概念的に説明するものであり、これに限定されるものではない。
図1は本発明による繊維がポリウレタン樹脂で被覆されている状態の断面図である。ここで模様付けされる領域の布帛表面に露出している繊維(部分)とは斜線部で示されており、少なくともこの部分の繊維がポリウレタン樹脂で被覆されていればよい。被覆形態としては図のように完全に環状に被覆されていることが望ましいが、完全な環状でなくとも繊維外周の7割以上被覆されていれば本発明の目的は達成される。また模様付けされる領域の布帛表面に露出していない繊維(部分)については、図中、白抜き部で示されるようにポリウレタン樹脂で被覆されていてもよいし、被覆されて無くてもよい。
ここで繊維を被覆している樹脂の膜厚が30〜200nmである。膜厚が30nmより薄くなると、模様として認識することが難しくなるおそれがあり、また膜厚が200nmより厚くなると、図2に示すローラー捺染やスクリーン捺染などの従来法により模様付けがなされたもののように、膜が繊維を被覆するというよりは布帛の表層をフィルム状に被覆するようになり、繊維との密着性が悪いために樹脂は剥離し易く、また風合いも損なうおそれがある。
つぎに本発明の車輌内装用布帛を製造する方法について好適な一例を挙げて説明する。
まず樹脂凝集剤の役割ついては、後述する樹脂エマルジョンの樹脂粒子の周りにある水を樹脂凝集剤が水和水として固定することにある。これにより前述したような30〜200nmという薄い被膜を布帛の表層にある繊維に形成することが可能になる。
樹脂凝集剤が布帛上に無い場合、樹脂は布帛表面上に偏析する事無く、毛細管現象により布帛の厚み方向に拡散する。樹脂エマルジョンが拡散する事で、布帛表面に樹脂が偏析されず、画像が形成されない。また形成されても滲みが発生し、柄にシャープ性が無くなり画像の視認性も低下する。更に布帛内部に樹脂が拡散する事で布帛の風合いも硬化する事になる。
樹脂凝集剤を布帛に付与する方法については、パディング法、スプレー法、浸漬法、コーティング法、ラミネート法、インクジェット法などが挙げられるが、必要な部位に必要量を付与することができることから、なかでもインクジェット方式にて付与することが好ましい。
樹脂凝集剤としては、無機塩および/または有機塩の水溶液が例示でき、無機塩として具体的には、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)、カルシウムイオン(Ca2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)及びアルミニウムイオン(Al3+)等の金属イオンとこれらの金属イオンに結合する、塩化物イオン(Cl)、硫酸イオン(SO 2−)、硝酸イオン(NO )、炭酸イオン(CO 2−)及びリン酸イオン(PO 3−)等の陰イオンの塩が挙げられる。また、有機塩として具体的には、アンモニウムイオン(NH )、酢酸イオン(CHCOO)、酒石酸イオン(C 2−)及びクエン酸イオン(C 3−)等の塩が挙げられる。
これらの中でも水への溶解度が高いという理由から、硫酸アンモニウム((NHSO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸マグネシウム(MgSO)が好ましい。水への溶解度としては、15wt%以上、さらには20wt%以上であることが好ましい。さらには、インクジェット方式にて付与する場合には、使用する塩によってはインクジェットプリンターの金属部分が腐蝕してしまうおそれがあり、これを防止するためには、硫酸マグネシウム(MgSO)を使用することが最も好ましい。
樹脂凝集剤の濃度については、固形分で1〜40wt%、さらには5〜20wt%であることが好ましい。濃度が1wt%より少ないと樹脂の凝集効果が不充分であり、濃度が40wt%より多いと樹脂凝集剤が析出してインクヘッドのノズルを詰まらせるおそれがある。
さらに樹脂凝集剤には必要に応じて、分散剤、pH調整剤、酸化防止剤、還元防止剤、熱安定剤、消泡剤、防腐剤、浸透剤、レベリング剤、湿潤剤などの添加剤を添加してもよい。
つぎに上述したポリウレタン樹脂のエマルジョンをインクジェット方式にて布帛に付与することで模様付けをおこなう工程について説明する。エマルジョンを用いる理由については、水系のほうが扱いやすい為であり、それをインクジェット方式にて布帛に付与することでバリエーションに富んだ模様を作成することが可能となる。
ポリウレタン樹脂の濃度については、固形分で1〜30wt%、さらには5〜15wt%であることが好ましい。ポリウレタン樹脂の濃度が1wt%より少ないと布帛への顔料の固着が不充分となるおそれがあり、またポリウレタン樹脂の濃度が30wt%より多いとインクヘッドのノズルが詰まるおそれがある。
また塗布量については、乾燥後の重量が5g/m〜50g/mである事が好ましい。塗布量が5g/mより少ないと、画像を形成しても視覚的に認識されにくく、また塗布量が50g/mより多いと、模様がにじんだり、布帛の風合いが硬くなってしまうおそれがある。
さらに必要に応じて、分散剤、pH調整剤、酸化防止剤、還元防止剤、熱安定剤、消泡剤、防腐剤、浸透剤、レベリング剤、湿潤剤などの添加剤を添加してもよい。
なお本発明において、樹脂凝集剤を布帛に付与する工程とポリウレタン樹脂エマルジョンをインクジェット方式にて布帛に付与することで模様付けをおこなう工程の順序については、樹脂凝集剤を布帛に付与する工程の後、模様付けをおこなう工程をおこなってもよいし、模様付けをおこなう工程の後、樹脂凝集剤を布帛に付与する工程をおこなってもよい。さらには、樹脂凝集剤を布帛に付与する工程をインクジェット方式にて行う場合には、2工程を一度にすることが出来、工程が簡略化し、コスト的にも有利であるためにより好ましい。
本発明においては上述した2工程が完了した後に、樹脂被膜を形成させる目的で熱処理をおこなう。熱処理の方法としては、染色に用いられる発色機、仕上げに用いられるセッター機およびホットプレートなどが使用可能であり特に限定されない。また熱処理の温度条件については、樹脂の軟化点温度よりも高い温度で処理すればよく、好ましくは、100〜190℃で0.5〜30分である。100℃未満では被膜形成が不十分になるおそれがあり、190℃を超えると布帛の黄変や被膜の硬化を引きおこすおそれがある。また時間が0.5分未満では被膜形成にバラツキを生じるおそれがあり、模様付けをおこなう布帛としては、常法により精練、染色、セットをおこなった布帛を使用する場合、30分を超えると模様付けを行う布帛の退色が進むおそれがある。
また熱処理を行った後、塩を洗い落とすためにソーピング処理をおこなう。ソーピング処理については、水洗でも湯洗でもよく、またソーピング剤を添加してもよい。
次に本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもその実施例に限定されるものではない。
評価方法を以下に示す。
(1)被膜厚の測定
模様付けされた領域の断面をSEM式走査型電子顕微鏡を用いて撮影し、布帛表面に露出している繊維のポリウレタン樹脂で被覆されている膜厚を測定した。
(2)画像の視認性
模様付けがなされた布帛を目視にて確認した。
○ ‥ 模様がはっきり認識できる。
△ ‥ 模様が僅かに確認できる。
× ‥ 模様が確認できない。
(3)布帛の耐摩耗性
平面摩耗試験機((株)大栄科学精器製作所 製)にて測定した。
測定方法:模様付けされた領域を用い、幅70mm、長さ300mmの大きさで、タテ、ヨコ各方向から試験片をそれぞれ1枚採取し、裏面に幅70mm、長さ300mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォームを添えた。綿布をかぶせた摩擦子に荷重9.8Nを掛けて摩耗した。なお、摩擦子は、試験片の表面上140mmの間を60往復/分の速さで磨耗した。
評価:磨耗試験機を稼働し、10000回摩耗した後の状態を目視にて確認した。
○ ‥ やや毛羽立ちはあるものの、模様ははっきり認識できる。
△ ‥ 毛羽立ちが多くみられ、模様も確認しずらい。
× ‥ 糸切れがみられ、模様も残っていない。
(4)模様の耐剥離性
模様付けされた領域にセロハンテープを貼り、その後テープを勢いよく剥がし、剥がした部分の状態を目視にて確認した。
○ ‥ 模様付けされた部分は残っており、被膜表面も変化無し。
△ ‥ 模様付けされた部分は残っているが、被膜表面に凹凸が見られる。
× ‥ 模様付けされた部分が剥がれてしまっている。
(5)布帛の風合い
模様付けされた布帛の風合いを触手で評価した。
○ ‥ 手触りがやわらかく、風合いが良好である。
△ ‥ 手触りが多少、硬い。
× ‥ 手触りが硬く、柔軟性がない。
実施例1
模様付けをおこなう布帛としては、常法により精練、染色、セットをおこなったポリエステル100%の編物染色布(色:グレー)を用いた。
樹脂凝集剤としては硫酸マグネシウムを用い、硫酸マグネシウム15重量部、プロピレングリコール(湿潤剤)を2重量部、尿素(湿潤剤)を1重量部および純水82重量部を混ぜ合わせミキサーにて攪拌し、ろ過をしてインク(A)を作製した。
ACU14−3(ポリウレタン樹脂エマルジョン、ポリオール成分:ポリカーボネート系ポリオール及びポリエステル系ポリオール、平均粒径90nm、固形分30%、軟化点80〜120℃、明成化学(株)製)を23重量部、プロピレングリコールを1.5重量部、尿素を0.5重量部および純水75重量部を混ぜ合わせミキサーにて攪拌し、ろ過をしてインク(B)を作製した。
作製したインク(A)および(B)をインクジェット方式にて、準備した布帛にマトリクス柄で模様付けをおこなった。インク(B)の付与量については、16g/m(乾燥質量)であり、その他の条件は以下の通りである。
〔プリント条件〕
イ)ノズル径 : 70(μm)
ロ)印加電圧 : 50(V)
ハ)パルス幅 : 20(μs)
ニ)駆動周波数: 1(kHz)
ホ)解像度 : 360(dpi)
つぎに模様付けされた布帛を170℃×10分で熱処理をおこなった後40℃×5分で水洗した。
得られた布帛を前記した評価方法にて評価した結果を表1に示す。
実施例2
実施例1で使用した樹脂に代えて、ACU22(ポリウレタン樹脂エマルジョン、ポリオール成分:ポリカーボネート系ポリオール及びポリオレフィン系ポリオール、平均粒径90nm、固形分30%、軟化点140〜150℃、明成化学(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にした。
得られた布帛を前記した評価方法にて評価した結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で使用した樹脂に代えて、FIXER.EXP U−61(ポリエーテル系ウレタン樹脂エマルジョン、平均粒径30〜40nm、固形分35%、軟化点140〜150℃、大日本インキ(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にした。
得られた布帛を前記した評価方法にて評価した結果を表1に示す。
比較例2
実施例1で使用したインク(B)を用い、樹脂凝集剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様にした。
得られた布帛を前記した評価方法にて評価した結果を表1に示す。
得られた布帛は樹脂が裏漏れして、布帛表面に露出している繊維がポリウレタン樹脂で被覆されず、皮膜形成されなかった。
Figure 2006207087
本発明において繊維がポリウレタン樹脂で被覆されている状態の断面図である。 従来法により模様付けがなされたものの断面図である。
符号の説明
1 ポリウレタン樹脂被膜
2 模様付けされる領域

Claims (6)

  1. ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール及び構造中にエステル結合を有するポリオールを用いて合成されるポリウレタン樹脂により模様付けされた布帛であって、少なくとも布帛表面に露出している繊維が該ポリウレタン樹脂により30〜200nmの膜厚で被覆されることによりその模様付けがなされることを特徴とする車輌内装用布帛。
  2. 前記構造中にエステル結合を有するポリオールがポリエステル系ポリオールであることを特徴とする請求項1記載の車輌内装用布帛。
  3. 前記構造中にエステル結合を有するポリオールがポリオレフィン系ポリオールであることを特徴とする請求項1記載の車輌内装用布帛。
  4. 樹脂凝集剤を布帛に付与する工程、ポリオール成分としてポリカーボネート系ポリオール及び構造中にエステル結合を有するポリオールを用いて合成されるポリウレタン樹脂のエマルジョンをインクジェット方式にて布帛に付与することで模様付けを行う工程およびそれら工程の後、熱処理を行うことを特徴とする車輌内装用布帛の製造方法。
  5. 樹脂凝集剤を布帛に付与する工程と模様付けを行う工程を同時にインクジェット方式にて行うことを特徴とする請求項4記載の車輌内装用布帛の製造方法。
  6. 前記樹脂凝集剤として硫酸マグネシウムを使用することを特徴とする請求項4または5記載の車輌内装用布帛の製造方法。









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* Cited by examiner, † Cited by third party
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