JP2006206733A - 空気調和機の外装部材およびその製造方法 - Google Patents

空気調和機の外装部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、外的な要因による意匠の劣化を防止することができ、また、視認者に高級な質感を与えることができ、さらに、製造コストをさらに低く抑えることができる空気調和機の外装部材を提供することにある。
【解決手段】 空気調和機の外装部材24a,25a,26aを、アクリル樹脂と着色粉体とを着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下になるように混合して得られる特定着色アクリル樹脂から成形する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、空気調和機の外装部材(例えば、フロントパネル、前面グリル、および底フレーム等の部材)に関する。
過去に、「空気調和機のケーシングを透明樹脂から形成し、ケーシングの裏側に意匠を施す」という発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この発明によれば、外的な要因による意匠の劣化を防止することができる。また、この発明によれば、意匠が透明樹脂を介して視認されるため、意匠に光沢性が付与され、視認者に高級な質感を与えることができる。
特開2004−184051号公報
本発明の課題は、上記と同様の効果を奏し、かつ、製造コストをさらに低く抑えることができる空気調和機の外装部材を提供することにある。
第1発明に係る空気調和機の外装部材は、特定着色アクリル樹脂から成形される。なお、ここにいう「特定着色アクリル樹脂」とは、アクリル樹脂と着色粉体とを、着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下になるように混合して得られるものをいう。なお、ここで、着色粉体が全重量に対して0.01wt%未満であれば、外装部材の着色が十分になされない。また、着色粉体が全重量に対して2wt%を超えると、所望の光沢性が得られない。
従来の外装部材の製造工程は、主に、透明な外装部材を成形する成形工程と、成形工程において成形された透明の外装部材の裏側に色彩を施す色彩付与工程とから成っていた。これに対し、本発明に係る外装部材の製造工程は、主に、特定着色アクリル樹脂を調製する特定着色アクリル樹脂調製工程と、特定着色アクリル樹脂を外装部材に成形加工する成形加工工程とから成る。前者の製造工程では、色彩付与工程において多量の塗料が必要となる。また、前者の製造工程では、通常、色彩付与工程がバッチ作業となる。しかし、後者の製造工程では、少量の着色粉体をアクリル樹脂に混入させるだけで外装部材の着色が可能である。また、後者の製造工程において、特定着色アクリル樹脂調製工程では、特定着色アクリル樹脂を一度に大量に調製することができるし、設備投資を行えば特定着色アクリル樹脂を連続的に調製することも可能である。したがって、この空気調和機の外装部材は、従来の外装部材に比べて安価に得ることができる。また、この空気調和機の外装部材は、特定着色アクリル樹脂から成形される。このため、この空気調和機の外装部材には、色彩とともに光沢性が付与される。また、この空気調和機の外装部材では、色彩を付与する着色粉体がアクリル樹脂に内包されるため、外的な要因による色彩の劣化が防止される。したがって、この空気調和機の外装部材は、外的な要因による意匠の劣化を防止することができ、また、視認者に高級な質感を与えることができ、さらに、製造コストをさらに低く抑えることができる。
第2発明に係る空気調和機の外装部材は、第1発明に係る空気調和機の外装部材であって、アクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂である。
この空気調和機の外装部材では、アクリル樹脂が、ポリメタクリル酸メチル樹脂である。このため、この空気調和機の外装部材は、最高レベルの光沢性を獲得することができる。
第3発明に係る空気調和機の外装部材は、第1発明または第2発明に係る空気調和機の外装部材であって、着色粉体は、二酸化チタンである。
この空気調和機の外装部材では、着色粉体が、二酸化チタンである。このため、この空気調和機の外装部材は、純白で高級感のあるものとなることができる。
第4発明に係る空気調和機の外装部材の製造方法は、特定着色アクリル樹脂調製工程および外装部材形成工程を備える。特定着色アクリル樹脂調製工程では、着色粉体とアクリル樹脂とが、着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下となるように混合されて特定着色アクリル樹脂が調製される。なお、ここで、着色粉体が全重量に対して0.01wt%未満であれば、外装部材の着色が十分になされない。また、着色粉体が全重量に対して2wt%を超えると、所望の光沢性が得られない。外装部材形成工程では、特定着色アクリル樹脂が空気調和機の外装部材に成形加工される。
従来の外装部材の製造工程は、主に、透明な外装部材を成形する成形工程と、成形工程において成形された透明の外装部材の裏側に色彩を施す色彩付与工程とから成っていた。これに対し、本発明に係る外装部材の製造工程は、主に、特定着色アクリル樹脂調製工程と、外装部材形成工程とから成る。前者の製造工程では、色彩付与工程において多量の塗料が必要となる。また、前者の製造工程では、通常、色彩付与工程がバッチ作業となる。しかし、後者の製造工程では、少量の着色粉体をアクリル樹脂に混入させるだけで外装部材の着色が可能である。また、後者の製造工程において、特定着色アクリル樹脂調製工程では、特定着色アクリル樹脂を一度に大量に調製することができるし、設備投資を行えば特定着色アクリル樹脂を連続的に調製することも可能である。したがって、この空気調和機の外装部材は、従来の外装部材に比べて安価に得ることが可能である。また、この空気調和機の外装部材は、特定着色アクリル樹脂から成形される。このため、この空気調和機の外装部材には、色彩とともに光沢性が付与される。また、この空気調和機の外装部材では、色彩を付与する着色粉体がアクリル樹脂に内包されるため、外的な要因による色彩の劣化が防止される。したがって、この空気調和機の外装部材の製造方法では、外的な要因による意匠の劣化を防止することができ、また、視認者に高級な質感を与えることができる空気調和機の外装部材を製造することができるとともに、外装部材の製造コストをさらに低く抑えることができる。
第5発明に係る空気調和機の外装部材の製造方法は、第4発明に係る空気調和機の外装部材の製造方法であって、粉体表面改質工程をさらに備える。粉体表面改質工程では、アクリル樹脂に対して着色粉体の表面が改質される。そして、特定着色アクリル樹脂調製工程では、粉体表面改質工程において表面改質された着色粉体と、アクリル樹脂とが、着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下となるように混合されて特定着色アクリル樹脂が調製される。
この空気調和機の外装部材の製造方法が実施されると、粉体表面改質工程で、アクリル樹脂に対して着色粉体の表面が改質される。そして、特定着色アクリル樹脂調製工程で、粉体表面改質工程において表面改質された着色粉体と、アクリル樹脂とが、着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下となるように混合されて特定着色アクリル樹脂が調製される。このため、この空気調和機の外装部材の製造方法では、着色粉体を良好に融解アクリル樹脂中に分散させることができる。したがって、この空気調和機の外装部材の製造方法では、外装部材の色ムラ等の発生を防止することができる。
第1発明に係る空気調和機の外装部材は、外的な要因による意匠の劣化を防止することができ、また、視認者に高級な質感を与えることができ、さらに、製造コストをさらに低く抑えることができる。
第2発明に係る空気調和機の外装部材は、最高レベルの光沢性を獲得することができる。
第3発明に係る空気調和機の外装部材は、純白で高級感のあるものとなることができる。
第4発明に係る空気調和機の外装部材の製造方法では、外的な要因による意匠の劣化を防止することができ、また、視認者に高級な質感を与えることができる空気調和機の外装部材を製造することができるとともに、外装部材の製造コストをさらに低く抑えることができる。
第5発明に係る空気調和機の外装部材の製造方法では、着色粉体を良好に融解アクリル樹脂中に分散させることができる。したがって、この空気調和機の外装部材の製造方法では、外装部材の色ムラ等の発生を防止することができる。
〔空気調和機の全体構成〕
本発明の実施の形態が採用された空気調和機1の外観を図1に示す。
この空気調和機1は、室内の壁面に取り付けられる壁掛け型の室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。
室内機2内には室内熱交換器が収納され、室外機3内には室外熱交換器が収納されており、各熱交換器が冷媒配管4により接続されることにより冷媒回路を構成している。
〔空気調和機の冷媒回路の構成概略〕
空気調和機1の冷媒回路の構成を図2に示す。この冷媒回路は、主として室内熱交換器20、アキュムレータ31、圧縮機32、四路切換弁33、室外熱交換器30及び電動膨張弁34で構成される。
室内機2に設けられている室内熱交換器20は、接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内機2には、室内空気を吸い込んで室内熱交換器20に通し熱交換が行われた後の空気を室内に排出するためのクロスフローファン21が設けられている。クロスフローファン21は、円筒形状に構成され、周面には回転軸方向に羽根が設けられているものであり、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。このクロスフローファン21は、室内機2内に設けられる室内ファンモータ22によって回転駆動される。室内機2の詳細な構成については後に説明する。
室外機3には、圧縮機32と、圧縮機32の吐出側に接続される四路切換弁33と、圧縮機32の吸入側に接続されるアキュムレータ31と、四路切換弁33に接続された室外熱交換器30と、室外熱交換器30に接続された電動膨張弁34とが設けられている。電動膨張弁34は、フィルタ35および液閉鎖弁36を介して配管41に接続されており、この配管41を介して室内熱交換器20の一端と接続される。また、四路切換弁33は、ガス閉鎖弁37を介して配管42に接続されており、この配管42を介して室内熱交換器20の他端と接続されている。この配管41,42は、図1の冷媒配管4に相当する。また、室外機3には、室外熱交換器30での熱交換後の空気を外部に排出するためのプロペラファン38が設けられている。このプロペラファン38は、ファンモータ39によって回転駆動される。
〔室内機の構成〕
図3に室内機2の側面断面図を示す。
室内機2は、上述したクロスフローファン21や室内熱交換器20等と、これらを収容する室内機ケーシング23aとを備えている。
クロスフローファン21は、室内ファンモータ22によって中心軸周りに回転駆動されることにより、吸込み口251から取り込まれ室内熱交換器20を通り吹出し口252から室内へと吹き出す空気流を生成する。クロスフローファン21は、側面視において室内機2の概ね中央に位置している。
室内熱交換器20は、クロスフローファン21の前方、上方および後部上方を取り囲むように取り付けられている。室内熱交換器20は、クロスフローファン21の駆動により吸込み口251から吸い込まれた空気をクロスフローファン21側に通過させ、伝熱管の内部を通過する冷媒との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器20は、側面視において概ね逆V字型の断面形状を有している。
(室内機ケーシングの構成)
室内機ケーシング23aは、主として、底フレーム24、前面グリル25aおよびフロントパネル26aにより構成されている。
底フレーム24は、室内機2の背面を構成しており、室内熱交換器20およびクロスフローファン21の後方を覆っている。
前面グリル25aは、室内機2の天面、側面、下面を覆うように形成されており、前面グリル25aの前面にはフロントパネル26aが取り付けられる(図4参照)。前面グリル25aの天面には、複数のスリット状の開口からなる吸込み口251が設けられている。吸込み口251は、前面グリル25aの天面の略全体に亘って設けられている。前面グリル25aの下面の前側には、室内機2の長手方向に沿う開口からなる吹出し口252が設けられている。また、吹出し口252には、室内へと吹出す空気が案内される水平フラップ253が設けられている。この水平フラップ253は、室内機2の長手方向に平行な軸を中心に回動自在に設けられている。水平フラップ253は、フラップモータ(図示せず)によって回動することにより、吹出し口252の開閉を行うことができる。
フロントパネル26aは、室内機2の前面に配置されている。フロントパネル26aは、前面グリル25aとは別体に形成されており、前面グリル25aの前面を覆うように取り付けられている。フロントパネル26aの表側は、中央に水平に設けられた段差によって上下に分かれた2つの面によって構成されているが、各面は概ね平坦に形成されており、凹凸および穴やスリットなどの開口部のない滑らかな表面となっている。また、段差部分は平面的な開口となっており、この開口からも室内の空気が吸い込まれる(図3の白抜き矢印A1参照)。
前面グリル25aの前面には、開口254が設けられている。前面グリル25aの前面とフロントパネル26aとの間に各種のフィルタ50,51,52が取り付けられることにより、この開口254がフィルタ50,51,52に覆われる。このフィルタ50,51,52には、エアフィルタ50、空気清浄フィルタ51および光触媒フィルタ52がある。
エアフィルタ50は、塵や埃を通過する空気から除去することができる。エアフィルタ50は、前面グリル25aの前面から天面までを覆うように設けられている。エアフィルタ50のうち前面グリル25aの天面に位置する部分は、天面の吸込み口251のすぐ内側に位置している。
空気清浄フィルタ51は、前面グリル25aの前面上部であって、エアフィルタ50の内側に設けられる。空気清浄フィルタ51は、エアフィルタ50よりも細かい埃やタバコの煙、花粉等を通過する空気から除去することができる。
光触媒フィルタ52は、前面グリル25aの前面下部に設けられており、通過する空気から臭気成分や有害ガス等を除去することが出来る。臭気成分とは、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アンモニア、硫化水素等であり、タバコ、生ゴミ、建築材等から生じる悪臭の原因となる成分である。有害ガスとは、NOxやSOx等、車の排気ガス等に含まれている有害な成分である。光触媒フィルタ52は、ハニカム構造を有するシート状に形成されており、主として酸化チタンにより構成される光触媒を含有している。光触媒は、光によって強力な酸化力を発揮し、臭気成分や有害ガスを分解して無害化することができる。
〔室内機の製造方法〕
次に上記の室内機2を製造するための製造方法を説明する。
この空気調和機1の室内機2の製造方法は、図5に示すように、主として、室内機ケーシング23aの製造工程S1、他の構成部品の製造工程S2、および組立工程S3から構成されている。
室内機ケーシング23aの製造工程S1は、図6に示すように、主として、着色メタクリル酸メチル樹脂の調製工程S10、および前面グリル25a、底フレーム24、およびフロントパネル26aの成形加工工程S11から構成されている。
着色メタクリル酸メチル樹脂の調製工程S10は、図6に示すように、主として、二酸化チタン粉体の表面改質工程S100、ポリメタクリル酸メチル樹脂の加熱融解工程S101、二酸化チタン粉体とポリメタクリル酸メチル樹脂との混合工程S102、ペレット化工程S103、およびペレット混合工程S104から構成されている。
二酸化チタン粉体の表面改質工程S100では、二酸化チタン粉体が分散剤(コーティング樹脂)により表面改質される(以下、この工程S100において表面改質された二酸化チタン粉体を「改質粉体」という)。具体的には、分散剤溶液(コーティング樹脂の希薄溶液)中に二酸化チタン粉体が添加され、十分攪拌混合された後に溶媒が加熱除去される。ポリメタクリル酸メチル樹脂の加熱融解工程S101では、ポリメタクリル酸メチル樹脂が加熱融解される(以下、この工程S101において加熱融解されたポリメタクリル酸メチル樹脂を「融解樹脂」という)。なお、加熱温度は、解重合温度および融解粘度などを考慮して決定される。二酸化チタン粉体とポリメタクリル酸メチル樹脂との混合工程S102では、融解樹脂と改質粉体とが攪拌混合される。なお、改質粉体は、全重量に対して20wt%になるように融解樹脂と混合される。また、改質粉体は、融解樹脂に徐々に添加していくのが好ましい。ペレット化工程S103では、改質粉体が混合分散された融解樹脂がペレット化される(以下、この工程S103で調製されたペレットを一次ペレットという)。ペレット混合工程S104では、一次ペレットとポリメタクリル酸メチル樹脂のペレットとが混合される(以下、この工程S104において混合されたペレットを「特定着色ペレット」という)。なお、このとき、ポリメタクリル酸メチル樹脂のペレットは、一次ペレット中の改質粉体が全重量に対して1wt%になるように一次ペレットと混合される。
前面グリル25a、底フレーム24、およびフロントパネル26aの成形加工工程S11では、特定着色ペレットが、加熱融解された後、前面グリル25a、底フレーム24、およびフロントパネル26aの専用金型それぞれに流し込まれ、所定の形状に成形加工される。
他の構成部品の製造工程S2では、上記の室内熱交換器20、クロスフローファン21、各種のフィルタ50,51,52などがそれぞれ製造される。
組立工程S3では、上記の構成部品が組み立てられて、室内機2が完成する。
〔本発明の実施の形態に係る空気調和機の特徴〕
(1)
本実施の形態に係る空気調和機1では、室内機2の前面グリル25a、底フレーム24、およびフロントパネル26aが、ポリメタクリル酸メチル樹脂に1wt%の二酸化チタンが混合分散されたものから成形加工される。このため、本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング部品24,25a,26aは、高い光沢性を有し、視認者に高級な質感を印象づけることができる。また、本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング部品24,25a,26aでは、外的な要因による意匠の劣化が防止される。
(2)
本実施の形態に係る空気調和機1では、ケーシング部品24,25a,26aの形成素材としてポリメタクリル酸メチル樹脂が採用される。このため、本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング23aは、最高レベルの光沢性を有することができる。
(3)
本実施の形態に係る空気調和機1では、着色粉体として二酸化チタン粉体が採用される。このため、本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング23aは、純白で高級感のあるものとなる。
(4)
本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング部品24,25a,26aは、主として、着色ポリメタクリル酸メチル樹脂の調製工程S10および成形加工工程S11を経て製造される。これに対して、従来のケーシング部品24,25a,26aは、主として、アクリル樹脂からケーシング部品24,25a,26aを成形する成形工程と、成形工程において成形されたケーシング部品24,25a,26aの裏側に色彩を施す色彩付与工程を経て製造されていた。後者の製造工程では、色彩付与工程において多量の塗料が必要となる。また、後者の製造工程では、通常、色彩付与工程がバッチ作業となる。しかし、前者の製造工程では、少量の着色粉体をアクリル樹脂に混入させるだけでケーシング部品24,25a,26aの着色が可能である。また、前者の製造工程において、着色ポリメタクリル酸メチル樹脂の調製工程S10では、特定着色ペレットを一度に大量に調製することができるし、設備投資を行えば特定着色ペレットを連続的に調製することも可能である。したがって、この空気調和機1のケーシング部品24,25a,26aは、従来のケーシング部品に比べて安価に得ることができる。
(5)
本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング部品24,25a,26aの製造工程には、二酸化チタン粉体の表面改質工程S100が含まれている。このため、本実施の形態に係る空気調和機1のケーシング部品24,25a,26aの製造工程では、二酸化チタン粉体を良好に融解樹脂中に分散させることができる。したがって、この製造工程では、ケーシング部品24,25a,26aに色ムラ等が発生するのを防止することができる。
〔他の実施形態〕
(A)
先の実施の形態では、二酸化チタン粉体が全重量に対して1wt%になるようにポリメタクリル酸メチル樹脂と混合分散されたが、二酸化チタン粉体が全重量に対して0.01〜2wt%の範囲内であれば先の実施形態に係るケーシング部品24,25a,26aと同様の効果を得ることができる。
(B)
先の実施の形態では、ケーシング23aの形成素材としてポリメタクリル酸メチル樹脂が採用されたが、他のアクリル系の樹脂が採用されてもよい。
(C)
先の実施の形態では、着色粉体として二酸化チタン粉体が採用されたが、他の着色粉体が採用されてもよい。
(D)
先の実施の形態では、着色ポリメタクリル酸メチル樹脂の調製工程において攪拌機が用いられたが、攪拌機に代えて、ビーズミル、ボールミル、ローラミル、ジェットミル等の粉砕分散器が採用されてもかまわない。なお、これらの粉砕分散器が採用される場合、二酸化チタン粉体の表面改質工程S100が不要となることもあり得る。
(E)
先の実施の形態では、ペレット混合工程S104において改質粉体が全重量に対して1wt%となるようにポリメタクリル酸メチル樹脂のペレットと一次ペレットと混合されたが、二酸化チタン粉体とポリメタクリル酸メチル樹脂との混合工程S102において、改質粉体が全重量に対して1wt%となるように融解樹脂と混合してもよい。
(F)
先の実施の形態では、二酸化チタン粉体とポリメタクリル酸メチル樹脂との混合工程S102において、改質粉体が全重量に対して20wt%になるように融解樹脂と混合されたが、改質粉体は、全重量に対して20〜50wt%になるように融解樹脂と混合されてもよい。
(G)
先の実施の形態では、壁掛け型の室内機に対して本願発明が採用されたが、本願発明は、天井吊下型や天井埋設型等の室内機に採用されてもよい。
(H)
先の実施の形態では、セパレート型の空気調和機に対して本願発明が採用されたが、本願発明は他の型の空気調和機(例えば、床置き型の空気調和機など)に対しても採用可能である。
本発明に係る空気調和機の外装部材は、高級感が必要な他の家庭用電気製品などにも適用できる。
空気調和機の全体図。 空気調和機の冷媒系統図。 本発明の実施の形態にかかる室内機の側面断面図。 本発明の実施の形態にかかる室内機ケーシングの構成の一部を表す斜視図。 空気調和機の室内機の製造方法を表すフローチャート。 室内機ケーシングの製造工程を表すフローチャート。
符号の説明
24 底フレーム
25a 前面グリル
26a フロントパネル

Claims (5)

  1. アクリル樹脂と着色粉体とを前記着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下になるように混合して得られる特定着色アクリル樹脂を成形して成る、空気調和機の外装部材(24a,25a,26a)。
  2. 前記アクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチル樹脂である、
    請求項1に記載の空気調和機の外装部材(24a,25a,26a)。
  3. 前記着色粉体は、二酸化チタンである、
    請求項1または2に記載の空気調和機の外装部材(24a,25a,26a)。
  4. 着色粉体とアクリル樹脂とを前記着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下となるように混合して特定着色アクリル樹脂を調製する特定着色アクリル樹脂調製工程と、
    前記特定着色アクリル樹脂を空気調和機の外装部材に成形加工する外装部材形成工程と、
    を備える、空気調和機の外装部材(24a,25a,26a)の製造方法。
  5. 前記アクリル樹脂に対して前記着色粉体の表面を改質する粉体表面改質工程をさらに備え、
    前記特定着色アクリル樹脂調製工程では、前記粉体表面改質工程において表面改質された前記着色粉体と、前記アクリル樹脂とが、前記着色粉体が全重量に対して0.01wt%以上2wt%以下となるように混合されて特定着色アクリル樹脂が調製される、
    請求項4に記載の空気調和機の外装部材(24a,25a,26a)の製造方法。
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