JP2006206591A - 薬物含有粒子の乾燥 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬物含有粒子から残溶媒を除くために用いられる第二乾燥処理において、溶媒の物質移動を促進し、適時にかつ効率的コストで粒子から溶媒を除くことができ、処理ロスを最小限に抑えることが可能な医薬組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】非結晶な薬物含有粒子を形成させるために、溶液を微粒化しかつ溶媒の一部分を除くステップ、並びに外壁を有する乾燥チャンバーに薬物含有粒子を導入するステップ、乾燥チャンバー内で薬物含有粒子を循環させ、回収ガス及び残溶媒を除くステップを含むことによって、薬物含有粒子を乾燥する医薬組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

発明の背景
液体又は溶媒を利用する方法は、固体医薬組成物の調製で一般に使用される。近年、スプレイ乾燥法によって作られたいくつかの医薬組成物が低-溶解度の薬物の溶液濃度及びバイオアベイラビリティを向上させることができる、ことが発見されている。例えば、Curatolo他による欧州特許EP 0 901 786 A2号は、低溶解度薬物及びポリマー酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースの固体非晶質分散体をスプレイ乾燥によって作製することを開示する。Babcock他の国際公開WO 03/000238 A1号パンフレットは、スプレイ乾燥法を用いる、高表面積基質上の低溶解度薬物の吸着物を作製することを開示する。かかる分散体及び吸着物は、非結晶性薬物を含み、結晶性薬物そのものに比べて薬物の濃度を増加させる。
スプレイ乾燥機での作製後には、このような固体非晶質分散体及び吸着物は、典型的には、約10重量%にすぎず、頻繁には約5重量%にすぎない残溶媒量を有する。かかる薬物含有粒子中の望ましい残溶媒量は、薬物溶解度及び純度の目的では1重量%以下のオーダーであるので、スプレイ乾燥後の第二乾燥は、このような低残溶媒量を達成することがしばしば要求される。スプレイ乾燥によって作製されるかかる物質の別の特徴は、それらが小さい傾向があり(500 μm未満)、低密度(約1.5 cc/gより大きいかさ体積)を有することである。
トレイ乾燥機、流動床乾燥機、電子レンジ乾燥機、ベルト乾燥機及び回転乾燥機を含む様々な乾燥機が残溶媒量を医薬組成物から除くために提案されていきた。国際公開WO 01/68092 A2号パンフレット及び同WO 03/000238 A1号パンフレットを参照。しかしながら、かかる第二乾燥機は効果的であり商業的に入手できるが、全て欠点がある。例えば、トレイ乾燥機は、残溶媒を望みのレベルまで除くためには相当の時間を必要とし、乾燥生成物が均一にならない傾向がある。流動床乾燥機は、溶媒中で非常に薄いガス流を作り、これは溶媒回収を非効率化し、特に乾燥される物質が非常に小さく低密度粒子である場合には、相対的に低収量の生成物を与えることが多い。このような低密度粒子は、流動床中では効率的に乾燥するのは困難である。粒子が乾燥ガスに混入され、乾燥ガス出口フィルターに捉えられるからである。これは、生成物の低収量を与える。回転乾燥機は、回転乾燥チャンバーからなるが、典型的には、少量の物質を乾燥するために使用され、残溶媒を望みのレベルまで除くために相当の時間を必要とする。
従って、当該分野では、低残溶媒濃度の薬物含有粒子を製造するための、相対的に速く、エネルギー効率がよくかつ安全な第二乾燥処理が求められている。
発明の簡単な概要
1つの局面では、本発明は、医薬組成物の製造方法であって、以下:
(a)薬物、賦形剤及び溶媒を含む溶液を作製するステップ;
(b)少なくとも部分的に非結晶な薬物含有粒子を形成させるために、当該溶液を溶滴に微粒化しかつ当該溶滴から当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ、ここで当該薬物含有粒子は、約10重量%未満の当該溶媒を含む;並びに
(c)(i)外壁を有する乾燥チャンバーに当該薬物含有粒子を導入するステップ;
(ii)当該壁と離れている機械撹拌機の手段により、当該薬物含有粒子を当該乾燥チャンバー内で循環させるステップ;
(iii)当該乾燥チャンバーに回収ガスを流すステップ;及び
(iv)当該乾燥チャンバーから当該回収ガス及び当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ
によって、当該薬物含有粒子を乾燥するステップ、
を含む、前記方法を提供する。
別の局面では、本発明は、医薬組成物の製造方法であって、以下:
(a)薬物、賦形剤及び溶媒を含む溶液を作製するステップ;
(b)少なくとも部分的に非結晶な薬物含有粒子を形成させるために、当該溶液を溶滴に微粒化しかつ当該溶滴から当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ、ここで当該薬物含有粒子は、約10重量%未満の当該溶媒を含む;並びに
(c)(i)外壁を有する乾燥チャンバーに当該薬物含有粒子を導入するステップ;
(ii)当該薬物含有粒子を当該乾燥チャンバー内で循環させるステップ;
(iii)当該乾燥チャンバーに回収ガスを流し、同時に、約0.75atm未満である、
当該乾燥チャンバー内の総圧力を維持するステップ;及び
(iv)当該乾燥チャンバーから当該回収ガス及び当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ
によって、当該薬物含有粒子を乾燥するステップ、
を含み、
ここで、当該粒子を循環させる当該ステップ(ii)は、当該粒子床に当該回収ガスを流すことを含む、前記方法を提供する。
1実施態様では、第二乾燥処理は、粒子に最初から存在する溶媒の少なくとも50重量%を除く。別の実施態様では、第二乾燥処理後の粒子に残存する溶媒量は、粒子の総質量の約0.1重量%未満である。
本発明は1以上の以下の利点を提供する。薬物含有粒子から溶媒を除くために用いられる第二乾燥処理は、溶媒の物質移動を促進し、適時にかつ効率的コストで粒子から溶媒を除くことができる。この処理は、高収量の乾燥粒子をもたらし、その結果、処理ロスを最小限に抑える。この処理はまた、溶媒の効率的回収を可能にする。
更に、この処理は閉じた容器内で完全に実施されるため、乾燥処理に関連する細粒子及び溶媒に作業者を曝露することを防ぎ、乾燥容器の内外に粒子の気体移動を可能にする。
本発明の先の及び他の目的、特徴及び利点は、以下の「発明の詳細な説明」を考慮することによってより容易に理解されよう。
好ましい実施態様の詳細な説明
溶媒処理によって作られる医薬組成物は、典型的には、本明細書で「残溶媒」と称する低レベルの溶媒を含む。この残溶媒の大部分は、患者への投与に好適な剤形の形成前に、典型的には除く必要がある。この残溶媒を除くために使用される処理は、本明細書では「第二乾燥」処理と称する。医薬組成物の製造に実用的であるためには、第二乾燥処理は、以下の特徴を有するべきである:(1)処理は、優れた製造実施に適合して、生成物の安全性を確実にし、管理機関の要求を満たす必要がある;(2)第二乾燥処理に使用される機器に組成物を導入し、当該機器から除くことが相当容易であるべきである;(3)処理は、組成物を所望の残溶媒溶量にまで20時間以内に乾燥できなければならず、その結果、処理時間を典型的なバッチ処理と一致させることができる;(4)処理は、高い生成物回収をもたらすべきである;及び(5)安価で効率的な溶媒-回収/除去処理を採用することができるように、処理は、高濃度の溶媒を有する低体積ガス流を形成するべきである。本明細書に記載の第二乾燥処理は、これらの特徴を有する。
医薬組成物、好適な薬物及び組成物を乾燥するための第二乾燥処理は、以下に詳述される。
第二乾燥処理
組成物の少なくとも一部分が非結晶である溶媒型処理によって作られる医薬組成物のための第二乾燥処理は、2つの理由により乾燥用途としては一般的でない:(1)乾燥機に充填される物質が既に相当な乾燥状態にある;及び(2)組成物は非結晶物質を含む。多くの慣用的乾燥処理は、乾燥される物質中の相当高い残溶媒濃度で開始する。このような慣用的乾燥処理では、粒子からの溶媒の濃縮が迅速に続くような十分に高い粒子温度を維持するために、残溶媒が粒子から除かれる割合は、熱が粒子に移動する割合によって先ず制限される。粒子への熱の移動率は、機器の所与部分については、典型的には一定であるので、乾燥速度、これは残溶媒が粒子から除かれる割合であるが、これも、残溶媒量が粒子の約5〜10重量%以下に落ち始めるまで、比較的一定である。慣用的乾燥操作についての残溶媒バルクはこの方法によって除かれるので、慣用的第二乾燥機は、粒子への熱移動率を最大にするように設計される。
しかしながら、より多くの残溶媒が粒子から除かれるため、乾燥速度は遅くなる。理論に拘束されるものではないが、発明者らは、乾燥速度の減少にはいくつかの要素が原因となっている、と考えている。第一に、乾燥される物質の非結晶性は、乾燥速度に影響を与える。溶媒が非結晶物質から除かれると、物質のガラス転移温度は上昇する。これは、溶媒が非結晶物質の内側から表面に拡散できる速度に減速する。従って、溶媒が粒子から各拡散するこの遅い速度は、乾燥の律速ステップになり得る。第二に、粒子が乾燥中に動かないトレイ乾燥機又はその他の種類の乾燥機の場合には、粒子は均一に乾燥されないが、その代わりに、乾燥機中の粒子の位置によって異なった速度で乾燥する。トレイ乾燥機では、例えば、粒子床底の粒子は、上部付近の粒子よりより遅く乾燥する。底にある粒子を乾燥させるために、溶媒は底にある粒子を拡散し、その後、粒子の上の頭隙に近づく前に、粒子の下にある床を拡散する必要がある。回転濃縮乾燥機では、乾燥チャンバーの壁は回転するが、回転壁から離れた粒子の攪拌用の乾燥チャンバー内部メカニズムは存在しない。溶媒量が多い場合には、粒子は回転壁表面に貼りつくことができる塊を形成するか又は大きな塊として残る傾向がある。これは、乾燥チャンバーにおける粒子の非効率的循環を引き起こし、除去される溶媒の拡散通路を長くする。
粒子中の溶媒レベルは、非結晶物質では低くなるので、熱移動は、もはや、粒子からの溶媒の除去の律速ステップではない。むしろ、残溶媒が粒子及び床から拡散することができる速度が、律速となる。言い換えれば、長い第二乾燥期間、熱移動よりも物質移動が粒子の乾燥速度を決定する。従って、かかる溶媒型医薬組成物からの残溶媒の除去については、適時に組成物の効率的乾燥を確実にするために、処理は、優れた物質移動性を有するように設計することが必須である。具体的には、発明者らは、全ての粒子表面の溶媒気体の部分圧が実用的な低さに維持されなければならない、ことを見出した。
発明者らは、熱移動よりも粒子からの溶媒の物質移動を促進することによって、慣用的乾燥機に付随する問題を解決した。物質移動は、(1)制御された溶媒の低部分圧乾燥環境に粒子を曝露するステップ、及び(2)制御環境に各粒子を曝露するように乾燥機内の粒子を循環させるステップ、によって促進される。
粒子からの溶媒の除去のための駆動力を提供するために、粒子表面と直接接触する溶媒の低部分圧の制御乾燥環境が必要とされる。粒子表面と直接接触する制御環境内の溶媒の部分圧は、粒子と平衡にある溶媒の部分圧よりも低くなければならない。乾燥処理の最後には、制御環境は、目標の乾燥状態の残溶媒量を有する粒子と平衡にある溶媒の部分圧よりも低い溶媒部分圧を有する。例えば、粒子の目標残溶媒量が1重量%であり、1重量%の溶媒量を有する粒子と平衡にある溶媒の部分圧が0.002 atmである場合には、乾燥処理の最後の制御環境は、0.002 atm未満の溶媒部分圧を有するべきである。部分圧は、物質移動が起こる任意の所与の時間に粒子内の平衡部分圧よりも常に低くなければならない。しかしながら、乾燥処理の初期には、制御環境内の部分圧は、乾燥処理の最後の目標部分圧よりもかなり高くてよく、そして高いことが多い。好ましくは、乾燥処理の最後の乾燥チャンバー内の溶媒部分圧は、目標溶媒量の粒子と平衡にある溶媒部分圧と比べて90%未満であり、より好ましくは80%未満である。
制御環境内の低溶媒部分圧は、(1)乾燥チャンバー内の総圧力を下げることによって、(2)乾燥チャンバー内に回収ガスを流すことによって、又は(3)(1)及び(2)の組み合わせによって、得られる。制御空気内の溶媒部分圧は、総圧力が減少すると共に減少するので、発明の有用性は一般的に、総圧力が減少すると、増加する。乾燥チャンバー内の圧力は、約0.75 atm未満でよく、好ましくは0.5 atm未満、又はより好ましくは約0.1 atm未満でよい。発明者らは、約0.01〜0.05 atmでの運転がほとんどの適用に効率的であることを、見出した。一般的に、乾燥チャンバー内の総圧力が低くなればなるほど、粒子からの溶媒の除去のための駆動力は大きくなる、ことが言える。しかしながら、乾燥チャンバー内の極端な低圧は、エネルギー消費性真空ポンプを必要とする。従って、約0.01 atm未満の圧力での運転は、一般的にエネルギー効率的でない。
乾燥チャンバー内の減少総圧力及び回収ガスを組み合わせて用いて、制御環境内の溶媒の部分圧を減少させる場合には、減少総圧力はいくつかの利点を与える。総圧力の減少は、溶媒の同一部分圧を達成するために必要とされる回収ガス量を減少させる。従って、同一駆動力は、少量の回収ガスで溶媒を除去する目的で得られる。第二に、乾燥機を抜け出るガス中の溶媒濃度はより高く、溶媒の回収又は処理を促進する。
制御環境内の総圧力の低減は、回収ガス内の粒子の噴流を最小限に抑えることによって、乾燥も促進する。乾燥される小、低密度粒子は容易に流動化する。これらの粒子は、大量の回収ガスによって容易に流動化し、及び回収ガス出口フィルターに移動することができる。制御環境内の総圧力の減少は、回収ガス流に次いで粒子環境を減少させ、そのため出口フィルター負荷サイクルを減少させる。
回収ガスは、実質的には任意のガスでよいが、安全の理由のためには、及び粒子内の薬物又は任意の賦形剤の望ましくない酸化を最小限に抑えるためには、不活性ガス、例えば窒素、窒素の割合が多いガス、アルゴンが典型的に用いられる。回収ガスは、一般的には、約8 atm未満、及び約5 atm未満、又は約2 atm未満程度の圧力で乾燥チャンバーに導入される。乾燥チャンバー内の減少総圧力及び回収ガスの組み合わせが制御環境内の溶媒部分圧を減少させるために用いられる場合には、回収ガスは、約1 atm未満の圧力で乾燥チャンバー内に導入することができる。制御環境内の得られる溶媒の部分圧が乾燥に必要な部分圧未満となるように、乾燥容器に導入される場合には、乾燥容器内にほとんど又は全く溶媒がないという意味で回収ガスは乾燥していなければならない。回収ガスの溶媒部分圧は、最低では、乾燥機内に存在するガス流の部分圧よりもかない低くなければならなく、好ましくは、存在するガス流の部分圧の50%未満である。発明者らは、少なくとも乾燥される約0.1標準リットル/分/kg粒子の回収ガス流速(SL/分-kg)が、一般的に、約0.01 atm〜約0.1 atmの範囲の総圧力でのほとんどの適用に効果的である。好ましくは、回収ガス流速は少なくとも約0.2 SL/分-kgであり、より好ましくは少なくとも約0.3 SL/分-kgである。しかしながら、高回収ガス流速は、処理の運転コストを増加させ、回収ガス由来の粒子を分離するために必要とされる回収ガス出口フィルターサイズを大きくし得る。そのため、回収ガス流速は、一般的に約5 SL/分-kg以下であるべきである。
減少総圧力と組み合わせた回収ガスの使用は、減圧のみによる乾燥に比べて、相対的に高い総圧力での運転を可能にするという利点を有する。一般的に、慣用的減圧乾燥機が約0.01 atm未満の総圧力を達成するのは困難である。所望の残溶媒量にある粒子と平衡状態にある溶媒の部分圧が約0.01 atm未満である場合には、慣用的減圧乾燥機は、粒子を所望の溶媒量まで乾燥することができないだろう、しかしながら、回収ガスの使用は、総圧力を0.01 atmより大きくすることができ、同時に0.01 atm未満の溶媒部分圧を達成することができよう。
最後に、乾燥チャンバー内の粒子は、攪拌機の手段によりチャンバー内を循環する。かかる循環は、個々の粒子の全て又は少なくとも実質的部分を、溶媒の低部分圧の環境に曝露するために必要である。粒子床が攪拌されない場合には、床表面の粒子のみが乾燥チャンバーの頭隙に近い乾燥環境(低溶媒部分圧)に実際に曝露される。これは、溶媒気体が乾燥中に粒子から常に離れ、粒子に隣り合ったガス中の溶媒量(溶媒気体圧)を上げる、からである。非攪拌床では、溶媒が床のより低部分から床表面に拡散して、頭隙に入ることが必要とされる。従って、乾燥頭隙中の溶媒気体圧が低い場合でさえも、粒子は、頭隙内の溶媒気体圧よりもかなり高い気体圧を経験するだろう。各粒子によって経験される溶媒の気体圧は増加する(そのため、乾燥の駆動力は減少する):
(1)粒子が床表面から離れる距離は増加し;及び
(2)粒子が表面に曝露される時間は減少する
からである。
具体的には、発明者らは、
(1)粒子を連続的又は定期的に運動させることによって、粒子を床から乾燥機の頭隙に循環させること;
(2)粒子を連続的又は断続的に運動させることによって、粒子を床のより低部分から床の上表面又はその付近に終始循環させること、ここで、上方床表面からの粒子の平均距離は、床の平均的な全停滞深度の半分未満であり;及び/又は
(3)乾燥チャンバー内の粒子を循環させ、同時に回収ガスを粒子床に対流的に流すこと
によって、頭隙の乾燥環境により近づく乾燥環境に粒子を曝露することができる、ことを発見した。
効率的乾燥処理は、これらの方法の2以上を組み合わせることが多い。
攪拌機は、頭隙に移動され又は近づけ及び/又は回収ガスと混合されるように、床内の粒子を攪拌又は混合し、同時に、粒子が乾燥チャンバー内を循環できるべきである。攪拌は、粒子群を破壊するために十分な力を有し、そのため、攪拌機は、乾燥チャンバーの外部壁とは離れていなければならない。例えば、攪拌機は、機械攪拌機、例えば攪拌パドル、回転ドラムに備え付けた調節板、ベルト、回転オーガー又は乾燥機内を粒子を運動させることができる任意の他の機械器具でよい。図1は、低円錐部分34に結合した上部筒状部分32を有する乾燥チャンバー10の断面図を示す。円錐角度は、約60°〜約120°の範囲である。頭隙16と接触する乾燥チャンバー内の粒子を循環させるために、乾燥チャンバーは、粒子12及び回転攪拌パドル14を含む。回収ガスは、入口ポート18から乾燥チャンバー10に入り、回収ガス及び溶媒を除去するために真空ポンプ(表示せず)に連結した出口ポート20から出る。粒子は、(1)粒子が頭隙に投入される;(2)インターフェースでの素早い再生粒子に頭隙を提供することによって、頭隙と粒子とが頻繁に接触される;又は(3)(1)及び(2)を組み合わせる、ように十分なエネルギーで攪拌されなければならない。例えば、図1の矢印は、攪拌パドルの迅速回転の結果として頭隙に投入される粒子を示す。好ましい実施態様では、機械的攪拌は、回収ガス及び頭隙と、粒子とを十分に接触させる。
乾燥チャンバー内で回転攪拌機によって提供される混合度の1測定は、フルード数である。フルード数は、重力に対する慣性力の割合と定義される無限パラメーターであり、以下の式:
Figure 2006206591
[式中、Vは乾燥チャンバー内の粒子の固有速度であり、Dは固有直径であり、及びgは重力に起因する加速度である。]
で表わされる。羽根等の回転攪拌機については、固有速度は、V=πDN(Dは攪拌機の直径であり、及びNは回転数中の羽根の回転/時間である。)と定義される。この場合には、フルード数は、[(πDN)2gD]と書き換えてもよい。図1で図示される乾燥チャンバー構成内の粒子の十分な混合は、フルード数が少なくとも約0.01、より好ましくは少なくとも約0.1及び更により好ましくは少なくとも約0.2の場合に達成することができる。
あるいは、乾燥チャンバー内を粒子が循環できるように、攪拌機は、回収ガスを粒子床に流すことができる装置から成る。具体的には、回収ガスが粒子床に高流速で導入される場合には、粒子床は、粒子を連続的に乾燥機の頭隙に循環させ、及びそれらを乾燥機頭隙の低溶媒空気圧に曝露する、泡立ちでも又は乱流方式でもよい。しかしながら、粒子が回収ガス中に混入されるように、粒子を流動しすぎないように留意しなければならない。従って、粒子が乾燥機頭隙内に定期的に入るに過ぎないようなより遅い速度で、回収ガスが粒子床を流れることが通常望ましい。例えば、図2は、入口ポート18がチャンバーの底にある代わりの乾燥チャンバー50を示す。そのチャンバーでは、粒子が頭隙16と接触して循環することができる。粒子が非常に小さくかつ低密度を有するため、回収ガスを利用するこれらの実施態様では、回収ガス中の粒子の混入を最小限にすることも好ましい。これは、多数の技術によって成し遂げられる。例えば、上記のように、乾燥機内の総圧力は低く維持され得る。これは、回収ガスの体積を減少させ、同時に更に迅速に乾燥を行う。これは、粒子の混入を減らす。
更に別の代替法として、粒子は、回収流及び機械攪拌の組み合わせを用いて循環することができる。
実質的に粒子の全てを定期的に溶媒の低部分圧の制御環境に曝露するための、乾燥チャンバー内の粒子の循環は、粒子の全て又は少なくともかなりの部分を少なくともある一定時間、頭隙の中又はその付近、回収ガス、又はその両方の制御環境に曝露することによって、溶媒の物質移動を促進する。このことは、過度な粒子床を介して拡散することなく、少なくとも一定期間、各々の粒子から溶媒を直接拡散させ、頭隙等の制御環境内に拡散させる。循環する場合には、粒子は、回収ガス及び/又は乾燥チャンバー内の頭隙近くの床上面と十分に接触する。これは、回収ガス及び頭隙に残溶媒を迅速に物質移動させる;その後、回収ガス内の溶媒気体は、真空ポンプの手段によって乾燥チャンバーから出口ポートに除去される。これは、慣用的流動化に対して、粒子群を流動し及び懸濁する大量の乾燥ガスを使用する乾燥処理である。代わりに、本発明の処理では、目標は、流動ガス中で粒子を同時に懸濁する必要なく、粒子と、回収ガス及び制御乾燥環境、例えば乾燥容器の頭隙付近の上面、との十分な接触が達成できるように、十分に粒子を循環させることである。従って、流動床式乾燥機とは異なり、回収ガス中の粒子を懸濁することなく、回収ガスの流速を制御することができる。
乾燥チャンバー内の粒子の循環の結果として、本発明は、粒子の床深度が増加するにつれて有用性が増す。従って、本処理は、乾燥効率を、少なくとも約10 cm、少なくとも約20 cm、少なくとも約30 cm又は更に少なくとも約50 cmの平均床深度で改善する。平均床深度は、床表面と乾燥チャンバー底との平均距離を非攪拌床と捉えることにより決定することができる。
第二乾燥処理は、溶媒の気体圧に次いで、粒子からの溶媒の除去の駆動力を増加させるために、高温で実行することもできる。これは、乾燥チャンバーを加熱すること、又は乾燥チャンバーに導入された回収ガスを加熱することによって、又はその両方によって達成することができる。乾燥チャンバーは、例えば、加熱流体を乾燥機の周りのカバー内を循環させることによって加熱することができる。好ましい加熱温度は、約35℃〜約60℃以上の範囲であり、乾燥される粒子の性質及び溶媒量に依拠する。
粒子中の溶媒の少なくとも一部分は、本発明の第二乾燥処理中、乾燥チャンバーから除かれる。「少なくとも一部分」とは、本発明の第二乾燥処理の完了時における粒子から除かれる溶媒量が、第二乾燥処理の開始での粒子中の溶媒量と比べて、少なくとも約50重量%、好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%である。確実なところでは、粒子中に残存する溶媒量は、粒子の総質量の約1%未満、好ましくは約0.5重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満である。
乾燥処理は、(1)粒子を溶媒の低部分圧の制御環境に曝露すること、及び(2)頭隙付近の粒子床の上面近くの位置に粒子を反復して動かすように、乾燥機内の粒子を循環させること、ができる任意の装置内で実行することができる。この循環は、頭隙内の制御乾燥環境に近い又は同等の相対的に低溶媒部分圧に粒子を曝露することとなる。例えば、乾燥チャンバーは、図1に示す構成に類似していてもよい。あるいは、乾燥チャンバーは、その中にトレイが粒子を循環させる攪拌パドルを含むトレイ乾燥機でもよい。別の例としては、乾燥チャンバーは、粒子を循環させる調節板を有する回転ドラムを含んでもよい。更に別の例としては、乾燥チャンバーは、一連の平面プレート、及び1プレートから別のプレートに粒子を運ぶアーム及びピロウ(plow)を備えた回転シャフトを含んでもよい。更に別の例としては、回転トレイのスタックから成るターボトレイ乾燥機では、物質は1トレイから別のトレイに一掃される(Perry's Chemical Engineer's Handbook, 5 th ed., 1973, Pg 20-47)又は物質を取り上げるルーバーコンベヤーを用い、及び換気上昇ルーバーを越えて細い流れ内に物質を放り出すマルチ-ルーバー乾燥機(Perry's Chemical Engineer's Handbook, 5 th ed., 1973, Pg 20-53)。乾燥チャンバーは、好ましくは、ステンレス鋼から作られ、運転中、静止している(すなわち、乾燥チャンバーは、乾燥機の運転中、回転せず動かない)。
以下の本明細書に記載のように、乾燥される粒子は典型的には小さく、低密度である。そのため、乾燥チャンバーは、乾燥される粒子及び乾燥チャンバーに出入りする乾燥済粒子を圧縮空気で移動するための圧縮空気移動チューブを備えることができる。かかる圧縮空気移動は、粒子及び残溶媒への作業者の曝露を低減し又は失くすために用いることができる。圧縮空気移動は、薬物含有粒子中の薬物と空気との接触を減らすために用いることもでき、その結果、薬物の酸化及び/又は分解の可能性を予防することができる。
粒子は典型的には、回収ガス入口ポート又は別のポートのいずれかを通って乾燥される粒子で乾燥チャンバーを充填することにより、バッチ法で乾燥される。回収ガスは、乾燥チャンバーの底付近、頭隙の中程又は頭隙中に導入することができる。一旦乾燥されると、薬物含有粒子は、出口、例えば乾燥チャンバーの底にあるポートを通じて置換することができる。回収ガス出口ポートは、真空ポンプと連動した流体中にバックパルスフィルターを備えることができる。
溶媒型処理
本発明の第二乾燥処理は、その処理中に薬物含有粒子の少なくとも一部分が非結晶状態にある溶媒型処理によって作製される薬物含有粒子からの残溶媒の除去に好適である。本明細書で用いる用語「結晶性」とは、その物質中で、原子又は分子が3次元的に規則的に繰り返される特定の型に配列されている固体物質を称する。用語「非結晶性」とは、結晶質でなく、そのため長いレンジの3次元並進秩序を有さない固体物質を称する。非結晶性状態の物質は、当該分野では非晶質状態にあると言われることがある。用語「非結晶性」は、基本的に秩序を有さない物質だけでなく、ある低度の秩序を有する物質を含む意図であるが、その秩序は、3次元未満であるか及び/又は短い距離を越えているに過ぎない。部分的な結晶性物質、液晶及び無秩序結晶も含まれる。非結晶物質は、当該分野で公知の技術、例えば粉末X線回折(PXRD)結晶学、固体NMR、又は熱技術例えば示差走査熱量計(DSC)によって特徴付けられる。例えば、PXRDで評価される場合には、非結晶物質は、フラットベースラインから逸脱し、これは当該分野では非晶質ハロと言われる。別の実施例では、DSCで評価する場合には、非結晶物質はガラス転移温度(Tg)を示す。
薬物含有粒子の少なくとも一部分は、非結晶状態にある。「少なくとも一部分」とは、粒子中の少なくとも約10重量%の物質が非結晶状態又は非晶質状態にあることを意味する。本発明の処理は、粒子中の非結晶物質のパーセンテージが増加するにつれて、大きな有用性を見出す。従って、粒子中に存在する非結晶物質の量は、少なくとも約25重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%又は更に少なくとも約95重量%でよい。1実施態様では、粒子中の当該物質の全ては、基本的に非結晶性であり、好適な分析技術の検出範囲内で非結晶物質が粒子中に存在することを意味する。
1実施態様では、粒子は、基本的に非結晶性薬物の少なくとも一部分から成る。別の実施態様では、粒子は、薬物及び少なくとも1つの賦形剤を含み、薬物の少なくとも一部分、賦形剤の少なくとも一部分又はこれら双方の一部分は非結晶状態にある。更に別の実施態様では、粒子は、薬物及び少なくとも1つのポリマーを含み、薬物の少なくとも一部分、ポリマーの少なくとも一部分又はこれら双方の一部分は非結晶状態にある。
薬物含有粒子は、溶媒型処理によって形成される。「溶媒型処理」及び「溶媒処理」とは、薬物含有粒子を形成するために用いられる処理が溶媒を利用することを意味する。溶媒処理では、薬物及び任意の賦形剤は、溶媒に溶解し、溶媒に懸濁し、溶媒によって湿らせることができ、又はこれらを任意に組み合わせることができる。次いで、「溶媒型処理」は、薬物、任意の賦形剤及び残溶媒を含む薬物含有粒子を形成する。「溶媒型処理」は、粒子からの溶媒の一部分の除去を含む。とにかく、得られた薬物含有粒子は、残溶媒も含む。具体的溶媒型処理は、湿式造粒、押出し球粒造粒、湿式圧搾、スプレイコーティング及びスプレイ乾燥を含む。
溶媒処理に好適な溶媒は、好ましくは150℃未満の沸点で揮発する。加えて、溶媒は比較的低毒性で薬学的に許容されるべきである。好ましい溶媒は、水;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、様々なプロパノールの異性体、様々なブタノールの異性体、1-ペンタノール及び2-メチル-1-プロパノール;有機酸、例えば、酢酸及びギ酸;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン;エステル、例えば、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチル;エーテル、例えば、ジメチルエーテル、エチルエーテル、tert-ブチル-メチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、2-エトキシエタノール、2-メトキシエタノール、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン及び1,4-ジオキサン;アルカン、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサン;アルケン、例えば、ペンテンへキセン及びシクロヘキセン;ニトリル、例えば、アセトニトリル;アルキルハライド、例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン及びトリクロロエチレン;芳香族、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール、クメン及びシクロベンゼン;ピリジン;及びこれらの混合物を含む。低沸点溶媒、例えばジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドは、揮発溶媒と混合して少量を用いることもできる。溶媒の混合物、例えば50%メタノール及び50%アセトンも、水との混合物と同様に用いることができる。好ましい溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノールの様々な異性体、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、メチレンクロリド、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン及びそれらの混合物を含む。最も好ましい溶媒は、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノールの様々な異性体、酢酸エチル及びそれらの混合物を含む。水との上記混合物も使用することができる。
薬物含有粒子は、スプレイ乾燥によって形成することができる。用語「スプレイ乾燥」は、液状混合物を小液滴(微粒化)に破砕すること、及び液滴からの溶媒の濃縮のための強い駆動力が存在するスプレイ乾燥機中の混合物からの溶媒の迅速除去、を含む処理を言うために、慣用的及び広義に用いられる。スプレイ乾燥処理及びスプレイ乾燥機は、一般的に、Perry's Chemical Engineers' Handbook, pages 20-54〜20-57(第6版, 1984)に記載されている。乾燥処理及び機器についてのより詳細は、Marshall,「Atomization and Spray-Drying」, 50 Chem. Eng. Prog. Monogr. Series 2 (1954)及びMasters, Spray Drying Handbook (第4版,1985)に見られる。これらは参考文献として本明細書に援用されている。
様々な型のノズルはスプレイ溶液の微粒化に用いることができ、その結果、スプレイ溶液を小液滴の集合としてスプレイ乾燥機に導入することができる。形成される液滴が(溶媒の濃縮によって)十分に乾燥し、スプレイ乾燥機の壁に張り付く又は被覆しないくらいに十分に小さい限り、溶液をスプレイするために、基本的に、任意の型のノズルを用いることができる。
薬物
本発明の処理によって乾燥される粒子は、薬物を含む。用語「薬物」は慣用的であり、動物、特にヒトに投与される場合に、有益な予防及び/又は治療特性を有する化合物を意味する。
薬物は、結晶性、半結晶性、非晶質もしくは半秩序状態、又はこれらの状態の組み合わせ、又はその間にある状態でよい。
薬物は、約1〜約100重量%、最も好ましくは約10〜約80重量%の範囲の量に乾燥される粒子中に存在すればよい。
本発明は、「低溶解度薬物」を含む組成物に特に好適である。これは、薬物が、約0.5 mg/mL未満の生理的関連pH(すなわち、pH 1〜8)において最小水溶性を有することを意味する。薬物は、更に低い水溶性、例えば、約0.1 mg/mL未満、約0.05 mg/mL未満及び更に約0.01 mg/mL未満を有していてもよい。一般的に、水溶性(mg/mL)が、USP胃腸模倣緩衝液を含む任意の生理的関連溶液(すなわち、pH 1〜8の溶液)で観察される最小値であり、そして用量がmgである場合に、薬物は、約10 mLを越える用量-水溶性比、より典型的には約100 mLを越える用量-水溶性比を有すると言われる。従って、用量-水溶性比は、用量(mg)を水溶性(mg/mL)で割って計算することができる。
好ましい薬物類は、特に限定されないが、降圧剤、抗不安薬、抗凝固薬、抗痙攣薬、血糖低下剤、鬱血除去薬、抗ヒスタミン剤、鎮咳薬、抗新生物薬、β-遮断薬、抗炎症薬、抗精神病薬、認知エンハンサー、抗アテローム硬化症薬、コレステロール低下薬、トリグリセリド低下薬、抗糖尿病薬、自己免疫疾患薬、抗性的不能剤、抗菌剤及び抗真菌剤、催眠薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー症薬、抗生物質、抗鬱薬、抗ウイルス剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、及びコレステリルエステル移動タンパク質(CETP)阻害剤を含む。
列挙した各薬物は、薬物の中性形態又は薬学的に許容される薬物形態を含むと理解するべきである。「薬学的に許容される形態」とは、任意の薬学的に許容される誘導体又は変化、例えば立体異性体、立体異性体混合物、エナンチオマー、溶媒和物、水和物、同型、多型、偽形、中性形、塩及びプロドラッグを意味する。降圧剤の具体例は、プラゾシン、ニフェジピン、アムロジピンベシレート、トリマゾシン及びドキサゾシンを含み;血中コレステロール低下剤の具体例は、グリピジド及びクロロプロパンアミドを含み;抗性的不能剤の具体例は、シルデナフィル及びシルデナフィルクエン酸塩を含み;抗新生物薬の具体例は、クロラムブシル、ロムスチン及びエチノマイシン(echinomycin)を含み;イミダゾール型抗新生物薬の具体例は、タブラゾール(tubulazole)を含み;抗高コレステロール血症剤の具体例は、アトロバスタチンカルシウム塩を含み;抗不安薬の具体例は、ヒドロキシジン塩酸塩及びドキセピン塩酸塩を含み;抗炎症剤の具体例は、ベータメタソン、プレドニソロン、アスピリン、ピロキシカム、バルデコキシブ、カルプロフェン、セレコキシブ、フルビプロフェン及び(+)-N-{4-[3-(フルオロフェノキシ)フェノキシ]-2-シクロペンタン-1-イル}-N-ヒドロキシウレアを含み;バルビツール酸塩の具体例は、フェノバルビタールを含み;抗ウイルス剤の具体例は、アシクロビル、ネルフィナビル、デラベルジン(delaverdine)及びビラゾールを含み;ビタミン類/栄養剤の具体例は、レチノール及びビタミンEを含み;β-遮断薬の具体例は、チモロール及びナドロールを含み;嘔吐薬の具体例は、アポモルフィンであり;利尿薬の具体例は、クロルタリドン及びスピロノラクトンを含み;抗凝血剤の具体例は、ジクマロールであり;強心剤の具体例は、ジゴキシン及びジギトキシンを含み;アンドロゲンの具体例は、17-メチルテストステロン及びテストステロンを含み;鉱質コルチコイドの具体例は、デスオキシコルチコステロンであり;ステロイド性催眠/麻酔薬の具体例は、アルファキサロンであり;アナボリック剤の具体例は、フルオキシメステロン及びメタンステノロン(methanstenolone)を含み;抗鬱薬の具体例は、スルピリド、[3,6-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチル-フェンキシ)-ピリジン-4-イル]-1-エチルプロピル)-アミン、3,5-ジメチル-4-(3'-フェノキシ)-2-(2',4',6'-トリメチルフェノキシ)ピリジン、ピロキシジン(pyroxidine)、フルオキセチン、パロキセチン、ベンラファキシン及びセルトラリンを含み;抗生物質の具体例は、カルベニシリンインダニルナトリウム、バカンピシリン塩酸塩、トロレアンドマイシン、ドキシサイクリンハイクレート、アンピシリン及びペニシリンGを含み;抗伝染病薬の具体例は、ベンザルコニウムクロリド及びクロルヘキシジンを含み;冠拡張薬の具体例は、ニトログリセリン及びミオフラジン(mioflazine)を含み;催眠薬の具体例は、エトミデートであり;炭酸脱水酵素阻害剤の具体例は、アセタゾラミド及びクロルゾラミド(chlorzolamide)を含み;抗真菌剤の具体例は、エコナゾール、テルコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール及びグリセオフルビンを含み;抗原虫薬の具体例は、メトロニダゾールであり;駆虫薬の具体例は、チアベンダゾール、オキセフェンダゾール及びモランテルを含み;抗ヒスタミン薬の具体例は、アステミゾール、レボカバスチン、セチリジン、レボセチリジン、デカルボキエトキシオラタジン及びシンナリジンを含み;抗精神薬の具体例は、ジプラシドン、オランゼピン、チオチキセン塩酸塩、フラスピリレン、リスぺリドン及びペンフルリドールを含み;胃腸薬の具体例は、ロペラミド及びシサプリドを含み;セロトニンアンタゴニストの具体例は、懸濁短セリン及びミアンセリンを含み;麻酔薬の具体例は、リドカインであり;低血糖剤の具体例は、アセトヘキサミドであり;制吐剤の具体例は、ジメンヒドリネートであり;抗菌剤の具体例は、コトリモキサゾールであり;ドーパミン作用性剤の具体例は、L-DOPAであり;抗アルツハイマー症薬の具体例は、THA及びドネペジルを含み;抗潰瘍薬/H2アンタゴニストの具体例は、ファモチジンであり;鎮痛/催眠剤の具体例は、クロルジアゼポキシド及びトリアゾラムを含み;血管拡張剤の具体例は、アルプロスタジルであり;血小板阻害剤の具体例は、プロスタサイクリンであり;ACE阻害剤/降圧剤の具体例は、エナラプリリック酸、クイナプリル及びリシノプリルを含み;テトラサイクリン抗生物質の具体例は、オキシテトラサイクリン及びミノサイクリンを含み;マクロライド抗生物質の具体例は、エリスロマイシン、クラリスロマイシン及びスピラマイシンを含み;アザライド系抗生物質の具体例は、アジスロマイシンであり;グリコーゲン・ホスホリラーゼ阻害剤の具体例は、[R-(R*S*)]-5-クロロ-N-[2-ヒドロキシ-3-{メトキシメチルアミノ}-3-オキソ-1-(フェニルメチル)プロピル-1H-インドール-2-カルボキサミド及び5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸[(1S)-ベンジル-(2R)-ヒドロキシ-3-(3R,4S)-ジヒドロキシ-ピロリジン-1-イル-3-オキシプロピルアミド]を含み;CETP阻害剤の具体例は、[2R,4S]-4-[アセチル-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル(トルセトラピブ)、[2R,4S]-4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル [2R,4S]-4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル、(2R)-3-[[(3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール、(2R,4R,4aS)-4-[アミノ-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル-フェニル)-メチル]-2-エチル-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロキノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル、S-[2-([[1-(2-エチルブチル)シクロヘキシルカルボニルアミノフェニル]-2-メチルプロパンチオエート、trans-4-[[[2-3[[[5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]-2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミノ]メチル]-シクロヘキサン酢酸、trans-4-[[[2-3[[[,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]-2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ]メチル]-5-メチル-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミノ]メチル]-シクロヘキサン酢酸を含む;薬物は、通常、所有の米国特許第09/918,217号及び同10/066,091号、これらは本明細書に参考文献として援用される、に開示されている;及び、薬物は、以下の特許及び特許出願に開示されている:DE 19741400 A1号; DE 19741399 A1号; WO 9914215 A1号; WO 9914174号; DE 19709125 A1号; DE 19704244 A1号; DE 19704243 A1号; EP 818448 A1号; WO 9804528 A2号; DE 19627431 A1号; DE 19627430 A1号; DE 19627419 A1号; EP 796846 A1号; DE 19832159号; DE 818197号; DE 19741051号; WO 9941237 A1号; WO 9914204 A1号; WO 9835937A1号; JP 11049743号; WO 200018721号; WO 200018723号; WO 200018724号; WO 200017164号; WO 200017165号; WO 200017166号; WO 2004020393号; EP 992496号; 及びEP 987251号、これらは参考文献として本明細書に援用される。
固体非晶質分散体
溶媒型処理によって形成された薬物含有粒子の1つの好ましい分類は、薬物及び少なくとも1つのポリマーの固体非晶質分散体を含む。固体非晶質分散体及び本明細書に開示された他の種類の溶媒型処理医薬組成物粒子中に含まれる好適なポリマーは、後述する。当該分散体中の薬物の少なくとも主な部分は、非晶質体である。本明細書で用いる用語、薬物の「主な部分」とは、分散体中の薬物の少なくとも60%が結晶形態に対して非晶質であることを意味する。「非晶質」とは、薬物が非結晶状態にあることを意味するに過ぎない。好ましくは、分散体中の薬物は、結晶形態中の薬物量が約25%を越えないことを意味する「実質的に非晶質」である。より好ましくは、分散体中の薬物は、結晶形態中の薬物量が約10%を越えないことを意味する「ほとんど完全に非晶質」である。結晶性薬物量は、粉末X線回折(PXRD)、走査型電子顕微鏡(SEM)解析、示差走査熱量計(DSC)又は任意の他の標準定量測定法によって測定することができる。
本発明の処理による乾燥に好適な固体非晶質分散体に存在するポリマー量に対する薬物量は、薬物及びポリマーの性質に依拠し、0.01〜約100の薬物対ポリマー重量比から大幅に変動してもよい(例えば1重量%薬物〜99重量%薬物)。ほとんどの場合には、薬物対ポリマー比は、約0.05(4.8重量%薬物)より高く、かつ約20(95重量%薬物)未満である、ことが好ましい。
非晶質薬物は、固体非晶質分散体内に純粋相、ポリマーに均一に分配された薬物の固体溶液、又はこれらの状態の任意の組み合わせもしくはこれらの状態間に存在する状態の任意の組み合わせとして存在し得る。好ましくは、非晶質薬物及びポリマーの少なくとも一部分は、固体溶液として存在する。このことは、純粋薬物及びポリマーの中間分散体である固体非晶質分散体の少なくとも1つのガラス転移温度の存在によって明らかとなる。好ましい実施態様では、分散体は実質的に均一であり、非晶質薬物はポリマーにできるだけ均一に分散される。本明細書で用いる「実質的に均一な」とは、固体分散体内の比較的純粋な非晶質範囲に存在する薬物部分が相対的に少量で、20%未満のオーダーである、ことを意味する。更により好ましくは、分散体は、完全に均一である。これは、純粋な非晶質範囲内の薬物量は薬物総量の10%未満であることを意味する。
固体非晶質分散体は、以下の溶媒型処理によって製造され得る。薬物、ポリマー及び溶媒を含む供給溶液が作られる。溶媒は次いで、供給溶液から急速に除かれ、薬物及びポリマーの粒子を形成する。溶媒を急速に除くために好適な処理は、スプレイ乾燥、スプレイコーティング及び濃縮を含む。固体非晶質分散体を形成するためのスプレイ乾燥処理の更なる詳細は、1997年8月11日に出願の米国仮出願60/055,221号の優先権主張である、1998年8月7日に出願の米国特許第09/131,019号に開示されている。これらは参考文献として本明細書に援用されている。この形成後、吸着物含有薬物粒子は、本発明の第二乾燥処理で乾燥される。
半秩序薬物含有組成物
溶媒型処理によって形成される薬物含有粒子の別の好ましい種類は、薬物の少なくとも1部分が「半秩序」である低溶解度薬物およびポリマーの固体混合物を含む。「半秩序」とは、(1)薬物が、単にバルク状結晶形態中の薬物よりも秩序がなく、及び(2)薬物が非晶質薬物よりも高い秩序を有する、ことを意味する。半秩序状態の薬物は、極端に小さい結晶形態(例えば約200nm未満)、結晶に取り込まれるポリマーを有する結晶薬物、多数の結晶欠陥を含む結晶、又はシート、菅もしくは薬物が秩序付けられるが最も低溶解度のバルク結晶性形態のみではない他の構造の形態をとる半結晶構造でよい。半秩序薬物は、バルク結晶薬物及び非晶質薬物とは異なる物性を示す。薬物が半秩序であることは、物質が結晶性か又は非晶質かを特徴付けるために用いられる慣用的技術よって証明できる。かかる粒子では、薬物の少なくとも1部分、ポリマーの1部分又はそのいずれも非結晶状態である。
半秩序薬物を含む組成物を作製する1方法は、前記の固体非晶質分散体を先ず形成させることである。分散体は、次いで移動促進剤、例えば前記溶媒の1つに曝露され、その後、分散体中の非晶質薬物の少なくとも1部分を半秩序状態に変換するように処理される。半秩序薬物を作製するための方法及び薬物が半秩序状態にあることを確認する技術(PXRD、顕微鏡解析及び熱技術を含む)の詳細については、2003年8月5日に出願の米国特許第10/636,834号に開示されている。これは、参考文献として本明細書に援用されている。形作製後、半秩序状態のポリマー及び薬物の粒子は、本発明の第二乾燥処理を用いて乾燥される。
吸着物
溶媒型処理によって作製された薬物含有粒子の別の好ましい種類は、薬物及び基質を含む吸着物である。吸着物中の薬物の少なくとも大部分は、固体非晶質分散体の考察に関連して上で述べたと同じ意味で非晶質である。好ましくは、吸着物中の薬物は実質的に非晶質であり、より好ましくはほとんど完全に非晶質であり、最も好ましくは、薬物は特徴付けに用いられる技術の検出限界内では完全に非晶質である。
吸着物は、高表面積基質を含む。基質は好ましくは、不活性である任意の物質である。これは、許容されない高程度には薬物と反対の相互作用をせず、かつ薬学的に許容される基質を意味する。基質はまた、好ましくは、吸着物を形成するために、溶媒処理に用いられる溶媒には不溶解性である。基質は、高表面積を有するべきである。その表面積は、少なくとも約20 m2/g、好ましくは少なくとも約50 m2/g、より好ましくは少なくとも約100 m2/g及び最も好ましくは少なくとも約180 m2/gである、という意味である。基質の表面積が大きくなればなるほど、達成し得る薬物対基質比は高くなり、物理的安定性の向上をもたらす。従って、効果的な基質は、約200 m2/g〜約600 m2/g以上の表面積を有することができる。基質は、約10 nm〜約1 μm、好ましくは約20 nm〜約100 nmのサイズ範囲の小粒子の形態でもあるべきである。これらの粒子は、順々に、約10 nm〜約100 μmのサイズ範囲の凝集体を形成する。
溶媒処理は、以下の吸着物を形成するために使用することができる。薬物が先ず溶媒に溶解され、次いで、高表面積基質が溶液に懸濁される。次いで、溶媒は、スプレイ乾燥等の処理を用いて溶液から急速に除かれる。吸着物粒子の形成に有用なかかる溶媒処理は、一般的に指定される、2002年6月17日に出願の米国特許第10/173,987号に詳細に記載され、これは参考文献として本明細書に援用されている。形成後、吸着物含有薬物粒子は本発明の第二乾燥処理で乾燥される。
ポリマー
いくつかの実施態様では、乾燥される医薬組成物は、ポリマーを含んでもよい。本発明の種々の溶媒処理型組成物において使用するために好適なポリマーは、薬学的に許容されるべきであり、生理的に関連するpH(すなわちpH 1〜8)の水溶液において少なくともいくらかの溶解度を有するべきである。PH 1〜8の範囲のすくなくとも1部分において少なくとも0.1 mg/mLの水溶性を有する任意の中性又はイオン化ポリマーのほとんどが好適である。
1実施態様では、ポリマーは、本質的に「両性」であり、これは、ポリマーが親水性部分及び疎水性部分を有するという意味である。両性ポリマーは薬物と比較的強い相互作用を有し、溶液中で種々のポリマー/薬物会合体の形成を促進する傾向がある、と考えられている。両性ポリマーの特に好ましい種類は、イオン化できるポリマーであり、かかるポリマーのイオン化部分はイオン化されると、ポリマーの疎水性部分の少なくとも1部分を構成する。
本発明に使用するために好適なポリマーの1種は、中性の非セルロースポリマーを含む。具体的ポリマーは以下を含む:ヒドロキシル、アルキルアシルオキシ及び環状アミドを含む群から選ばれる少なくとも1つの置換基を有するビニルポリマー及びビニルコポリマー;少なくとも1つの疎水性、ヒドロキシル含有繰り返し単位、及び少なくとも1つの疎水性、アルキル-又はアリール-含有繰り返し単位のビニルコポリマー;非ヒドロキシル化(酢酸ビニル)体内の少なくとも1つのそれらの繰り返し単位を有するポリビニルアルコール;ポリビニルアルコール-酢酸ポリビニルコポリマー;ポリビニルピロリドン;ポリエチレン-ポリビニルアルコールコポリマー;及びポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロキサマーとも称される)。
本発明に使用するために好適なポリマーの別の種は、イオン化非セルロースポリマーを含む。具体的ポリマーは以下を含む:カルボン酸-官能基化ビニルポリマー、例えばカルボン酸官能基化ポリメタクリレート及びカルボン酸官能基化ポリアクリレート、例えばMalden MassachusettsのRohm Tech Inc.製EUDRAGITS(登録商標);アミン-官能基化ポリアクリレート及びポリメタクリレート;高分子量タンパク質、例えばゼラチン及びアルブミン;及び、カルボン酸官能基化デンプン、例えばデンプングリコール酸塩。
ポリマーの好ましい種は、少なくとも1つのエステル-及び/又はエーテル-結合置換基を有する、イオン化及び中性(又は非イオン化)のセルロースポリマーを含み、当該ポリマーは各置換基について少なくとも0.05の置換度を有する。本明細書で使用するポリマー用語では、エーテル-結合置換基は、エーテル基に結合される部分として、「セルロース」の前に置かれる;例えば、「エチル安息香酸セルロース」はエトキシ安息香酸置換基を有する、ことに留意されたい。同様に、エステル-結合置換基は、カルボキシレートとして「セロース」の後に置かれる;例えば、「フタル酸セルロース」は、ポリマーにエステル-結合された各フタレート部分の1つのカルボン酸、及び反応しない他のカルボン酸を有する。
ポリマーとして用い得る具体的非イオン化セルロースポリマーは、以下を含む:酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロプルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシエチルエチルセルロース。
生理的関連pHで少なくとも部分的にイオン化される具体的セルロースポリマーは、以下を含む:酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸/コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸/コハク酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、酢酸/フタル酸ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、酢酸/フタル酸カルボキシメチルセルロース、セルロース(CAP)、酢酸/フタル酸メチルセルロース、酢酸/フタル酸エチルセルロース、酢酸/フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸/フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸/フタル酸/コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸/フタル酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸/フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピオン酸/フタル酸セルロース、酪酸/フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸/トリメリット酸セルロース(CAT)、酢酸/トリメリット酸メチルセルロース、酢酸/トリメリット酸エチルセルロース、酢酸/トリメリット酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸/トリメリット酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸/トリメリット酸/コハク酸ヒドロキシプロピルセルロース、プロピオン酸/トリメリット酸セルロース、酪酸/トリメリット酸セルロース、酢酸/テレフタル酸セルロース、酢酸/イソフタル酸セルロース、酢酸/ピリジンジカルボン酸セルロース、酢酸サリチル酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロプルサリチル酸セルロース、酢酸エチル安息香酸セルロース、酢酸ヒドロキシプロピルエチル安息香酸セルロース、酢酸エチルフタル酸セルロース、酢酸エチルニコチン酸セルロース、及び酢酸エチルピコリン酸セルロース。生理的関連pHで少なくとも部分的にイオン化されるこれらのセルロースポリマーの中で、本発明者らが最も好ましいものであると見出したポリマーは、HPMCAS、HPMCP、CAP、CATカルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びCMECである。特定のポリマーを、本発明の薬物含有粒子において使用するために好適であると考察してきたいが、かかるポリマーの混合物も好適である。従って、用語「ポリマー」は、ポリマーの単一種に加えて、ポリマーの混合物を含む意である。
先のポリマーの全ての中で、最も好ましいポリマーは、HPMCAS、HPMCP、HPMC、CAP、CAT、CMEC、ポロキサマー及びそれらの混合物である。
分散体1
以下の化学構造:
Figure 2006206591
を有するトルセトラピブ(薬物1)としても公知の、[2R,4S]-4-[(3,5-ビス トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステルを含む固体非晶質分散体を製造した。
この分散体は、アセトンに4重量%の薬物1及び12重量%の酢酸/コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)(Shin Etsu, Tokyo JapanよりAQOAT-MGとして入手)を含むスプレイ溶液を先ず作製することにより製造した。このスプレイ溶液をBraun-Luebbe VE-D31高圧ポンプを用いて、圧力ノズル(Spraying Systems SK-71-27)を備えたスプレイ乾燥機(Liquid-Feed Process Vessel Model PSD-2付きNitro type XP Portable Spray Drier)に注入した。約800 psig(55 atm)の噴霧圧で、スプレイ溶液をポンプでスプレイ乾燥機に約66 kg/時間で注入した。窒素乾燥ガスは112℃の入口温度及び約520 m3/時間で乾燥チャバーに入った。濃縮溶媒及び湿った乾燥ガスは、約40℃の温度で出口から乾燥機に排出した。この処理によって作られた固体非晶質分散体は、25重量%の薬物1及び75重量%のHPMCAS-MGを含み、サイクロンで集めた。
スプレイ乾燥後の固体非晶質分散体の性質を表1に示す。分散体のバルクかさ体積及びタップかさ体積は、以下の方法により決定した。分散体試料を100-mL目盛り付きシリンダーに注ぎ、風袋重量を測定し、試料の体積及び重量を記録した。重量ごとに分けた体積は、バルクかさ体積(mL/g)である。次に、分散体を含むシリンダーを、VanKelタップ密度機器、モデル50-1200を用いて2000回叩いた。分散体を同一重量ごとに分けた体積は、タップかさ体積(mL/g)である。
固体非晶質分散体の体積-重量平均粒径は、Malvern Mastersizer 2000を用いてレーザー光散乱からのデータを記録することにより測定し、そのデータに基づいて計算を行った。乾燥粉末供給法を用い、7秒の遅延時間で、アリコート当たり3回の割合で試料を採取した。分散空気圧は2 bargで、振動供給速度は最高の75%であった。ガウスサイズ分布を、報告サイズの約30%内にある粒子体積の約85%と仮定して、体積-重量平均径を光散乱データから計算した。
Figure 2006206591
実施例1〜10
第二乾燥機は、3-リットル容量及び0.2 mの攪拌機直径を有するEkato(Schopfheim, Germany)から入手できる縦型処理乾燥機(VPT)を変更することにより組み立てた。VPT乾燥機は、乾燥窒素の回収ガスが乾燥チャンバー内に供給されるように、乾燥チャンバーの底付近の二重ガス入口を装着することにより変更した。この機器は、分散体1を作製するために用いられるスプレイ乾燥処理によって作られる固体非晶質分散体から残溶媒(アセトン)を除くために使用した。第二乾燥機内の条件は、実行上の変数操作効果を検査するために変更した。各実施例では、乾燥チャンバーを約3リットル(600 g)のスプレイ乾燥分散体1で充填した。ジャケット付き乾燥チャンバーを通じて熱水を循環させ、各実験中、温度を調整した。実施例1〜10の乾燥操作条件を表2に示す。
Figure 2006206591
各乾燥操作中、スプレイ乾燥分散体の試料を乾燥チャンバーから除き、ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィー(GC)によって残アセトンを分析した。具体的には、乾燥の最初の1時間、2分次いで10分間隔、次いで表3に示すようにより長い間隔で、分散体試料を集めた。GC分析については、分散体の十分量を各時間間隔で採取し、最小隙間を残し、バイアルを完全に満たした。次いで、バイアルを覆い、分析まで0℃で保存した。各試料を分析するために。試料の重量を測定し、ジメチルアセトアミド(DMAC)を加え、試料を溶解させた。DMAC中の各試料をGCカラムに注入し、アセトンピーク面積を標準と比較して、分散体試料中のアセトン量を決定した。アセトンの重量を総試料重量のパーセンテージで計算し、表3に示す。
Figure 2006206591
Figure 2006206591
Figure 2006206591
表4のデータは、温度、圧力及び回収ガスの流速が試験条件において乾燥時間に大きな影響を及ぼすことを示す。混合速度は、評価条件範囲の乾燥時間にほとんど影響を及ぼさなかった。
対照1〜4
分散体1の別のバッチは、上記と同一の方法によって作製し、次いで、40℃で操作する慣用的Gruenberg単一通過対流型トレイ-乾燥機の使用を含む慣用的乾燥法を用いて乾燥した。分散体を乾燥機に入れ、4種の深度に拡散させ、対照1〜4を作製した。分散体試料を1 cmの深度まで拡げて対照1を作り、2 cmまで拡げて対照2を作り、4 cmまで拡げて対照3を作り、及び5 cmまで拡げて対照4を作った。これらの試験で乾燥した分散体試料を様々な時間間隔で採取し、先に記載したヘッドスペースGCを用いて、残アセトンを測定した。結果を表5に示す。
Figure 2006206591
表5のデータから、1重量%〜0.1重量%までの分散体を乾燥させる時間を床深度関数として決定した。これらの結果を表6に纏めた。慣用的乾燥法を用いる分散体の乾燥時間は、実施例1〜10に示すように、本発明の処理及び機器によって得られる時間よりも非常に長かった。実際に、対照3及び4については、試料中の残アセトン濃度は、トレイ乾燥機での乾燥の6時間後には、0.1重量%より高かった。
Figure 2006206591
In vitro分解試験
実施例4で用いた固体非晶質分散体の試料を、in vitro分解試験での第二乾燥前後に評価し、薬物1の結晶体に比較して濃度上昇及ぼす乾燥効果を決定した。対照として、対照5は、結晶性薬物1のみから成った。この試験では、薬物1の濃度が薬物の全てが溶解した場合に、いずれのケースでも1000 μg/mLになるように、分散体1及び対照5の原料の十分量をマイクロ遠心試験管に加えた。試験は2点で行った。管を37℃の温度制御チャンバーに置き、pH6.5の1.8m LPBS及び280 mOsm/kgを各管に加えた。試料を約60秒、ボルテックスミキサーを使って混合した。試料を37℃で1分間、13,000 Gで遠心した。次いで、得られた上清溶液を採取し、メタノールで1:3(体積)で希釈した後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した。各管の内容物をボルテックスミキサーで混合し、次の試料を取るまで37℃で静置した。試料を4、10、20、40、90及び1200分で集めた。結果を表7に示す。
Figure 2006206591
これらの試料中の得られた薬物濃度を使用して、薬物の最高濃度(MDC90)及び最初の90分間の濃度対時間曲線(AUC90)の面積を決定した。結果を表8に示す。
Figure 2006206591
表8の結果は、実施例4のスプレイ乾燥分散体のMDC90及びAUC90が第二乾燥前後でほぼ同一であることを示す。第二乾燥前の実施例4の分散体は、結晶性薬物(対照5)によって提供されるよりも818-倍高いMDC90及び結晶性薬物によって提供されるよりも774-倍高いAUC90を提供した。第二乾燥後、実施例4の分散体は、結晶性薬物によって提供されるよりも846-倍高いMDC90及び結晶性薬物によって提供されるよりも786-倍高いAUC90を提供した。
分散体2
以下の方法を用いるスプレイ乾燥HPMCASによって、プラシーボスプレイ乾燥分散体(分散体2)を作製した。12重量%のHPMCAS(AQOAT-MF)及び88重量%のアセトンを含むスプレイ溶液を作製した。Soavi 3-ヘッドピストンポンプを用いて、圧力ノズル(Delevan SDVIII SD-69 90度円錐面)を備えたNiro Model 12.5スプレイ乾燥機に溶液を注入した。約375 kg/時間の速度、及び150 barの噴霧圧で、溶液をスプレイ乾燥機にポンプで注入した。窒素乾燥ガスを180℃の入口温度及び1250 kg/時間の流速で乾燥チャンバーに入れた。濃縮溶媒及び乾燥ガスを46℃の出口温度でスプレイ乾燥機から排出した。このように作製した分散体粉末をサイクロンに集めた。プラシーボスプレイ乾燥分散体の性質は、薬物含有分散体1のそれに非常に類似していた。表9に示す。
Figure 2006206591
実施例11
0.6 mの攪拌機径を有し、回収ガス入口ポートを有するように変更されている、50-L容Ekato VRT攪拌床真空乾燥機を11 kgのプラシーボ分散体で充填することにより、分散体2を第二乾燥に供した。乾燥機は、50℃のジャケット温度、20 mbarの圧力、94 rpmの攪拌速度及び10.7 SL/分(又は0.97 SL/分-kg)の窒素回収ガス流速で運転した。
先に記載のヘッドスペースGCを用いて、残アセトンを測定した。結果を表10に示す。50-Lスケールで0.1重量%の残アセトンに達するために必要とされる乾燥時間は、約1.6時間であった。
Figure 2006206591
実施例12〜16
表11に示す乾燥条件を変化させる以外は実施例11と同様にして、分散体2を乾燥し、残アセトン量を測定した。実施例11の操作条件を比較例として含めた。結果を表12に示す。
Figure 2006206591
Figure 2006206591
Figure 2006206591
表12の結果から、0.1重量%の残アセトンに達するためのおおよその乾燥時間を、実施例12〜16について決定し、表13に示す。実施例11の乾燥時間を比較例として含めた。
Figure 2006206591
実施例17
135 kgの分散体2を、1.3 mの攪拌機径を有し、回収ガス入口ポートを有するように変更されている、1000-L容Ekato VRTで乾燥した。乾燥機を、50℃のジャケット温度、20 mbarの圧力、3 m/秒(44rpm、0.7のフルード数に対応する)の攪拌速度及び56 SL/分(又は0.41 SL/分-kg)の窒素回収ガス流速で運転した。
分散体2中の残アセトン濃度を先に記載のヘッドスペースGCを用いて、時間関数として測定した。結果を表14に示す。
Figure 2006206591
1000-Lスケールで1.0重量%から0.1重量%までの残アセトンのプラシーボ分散体を乾燥するために必要な時間は、約1.6時間であった。
これまでの明細書中で使用してきた用語及び表現は、本明細書では、説明用語として用いられ、限定するものではない。また、示し及び記載した特徴又はその部分を除くような用語及び表現の使用を意図するものではなく、本発明の範囲は、先のクレームによってのみ、特定されかつ限定されると理解される。
図1は、本発明の方法に使用するために好適な模範的な第二乾燥機の断面図である。 図2は、本発明の方法に使用するために好適な別の第二乾燥機の断面図である。

Claims (15)

  1. 医薬組成物の製造方法であって、以下:
    (a)薬物、賦形剤及び溶媒を含む溶液を作製するステップ;
    (b)少なくとも部分的に非結晶な薬物含有粒子を形成させるために、当該溶液を溶滴に微粒化しかつ当該溶滴から当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ、ここで当該薬物含有粒子は、約10重量%未満の当該溶媒を含む;並びに
    (c)(i)外壁を有する乾燥チャンバーに当該薬物含有粒子を導入するステップ;
    (ii)当該壁と離れている機械撹拌機の手段により、当該薬物含有粒子を当該乾燥チャンバー内で循環させるステップ;
    (iii)当該乾燥チャンバーに回収ガスを流すステップ;及び
    (iv)当該乾燥チャンバーから当該回収ガス及び当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ
    によって、当該薬物含有粒子を乾燥するステップ、
    を含む、前記方法。
  2. 医薬組成物の製造方法であって、以下:
    (a)薬物、賦形剤及び溶媒を含む溶液を作製するステップ;
    (b)少なくとも部分的に非結晶な薬物含有粒子を形成させるために、当該溶液を溶滴に微粒化しかつ当該溶滴から当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ、ここで当該薬物含有粒子は、約10重量%未満の当該溶媒を含む;並びに
    (c)(i)外壁を有する乾燥チャンバーに当該薬物含有粒子を導入するステップ;
    (ii)当該薬物含有粒子を当該乾燥チャンバー内で循環させるステップ;
    (iii)当該乾燥チャンバーに回収ガスを流し、同時に、約0.75atm未満である、
    当該乾燥チャンバー内の総圧力を維持するステップ;及び
    (iv)当該乾燥チャンバーから当該回収ガス及び当該溶媒の少なくとも一部分を除くステップ
    によって、当該薬物含有粒子を乾燥するステップ、
    を含み、
    ここで、当該粒子を循環させる当該ステップ(ii)は、当該粒子床に当該回収ガスを流すことを含む、前記方法。
  3. 前記粒子を循環させる前記ステップ(ii)が、当該粒子床に前記回収ガスを流すことを更に含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記ステップ(ii)が、前記粒子を循環させるために機械攪拌機を更に含む、請求項2記載の方法。
  5. 前記乾燥チャンバー内の前記粒子が、少なくとも10 cmの平均深度を有する床にある、請求項1又は2記載の方法。
  6. 前記賦形剤が、ポリマーである、請求項1又は2記載の方法。
  7. 前記薬物含有粒子が、固体非晶質分散体の形態である、請求項6記載の方法。
  8. 前記粒子が、少なくとも約1.5 mL/gのかさ体積及び約500 μm未満の平均径を有する、請求項1又は2記載の方法。
  9. 前記方法後の前記粒子中に残存する溶媒量が、前記粒子の総質量の約0.5重量%未満である、請求請1又は2記載の方法。
  10. 前記粒子から除いた前記溶媒量が、前記粒子中に最初から存在する溶媒の少なくとも約90重量%である、請求請1又は2記載の方法。
  11. 前記乾燥チャンバー内の前記総圧力が、約0.1 atm未満である、請求項1又は2記載の方法。
  12. 前記回収ガスが、乾燥される粒子1 kg当たり、少なくとも約0.2標準リットル/分の流速を有する、請求項1又は2記載の方法。
  13. 前記薬物が、[2R,4S]-4-[アセチル]-(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル、[2R,4S]-4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸エチルエステル、[2R,4S]-4-[(3,5-ビス-トリフルオロメチル-ベンジル)-メトキシカルボニル-アミノ]-2-エチル-6-トリフルオロメチル-3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル、(2R)-3-[[3-(4-クロロ-3-エチルフェノキシ)フェニル][[3-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)フェニル]メチル]アミノ]-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパノール、(2R,4R,4aS)-4-[アミノ-(3,5-ビス-(トリフルオロメチル-フェニル)-メチル]-2-エチル-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロキノリン-1-カルボン酸イソプロピルエステル、及びS-[2-([[1-(2-エチルブチル)シクロヘキシル]カルボニル]アミノ)フェニル]2-メチルプロパンチオエートからなる群より選ばれるコレステリルエステル転送タンパク質インヒビターである、請求項1又は2記載の方法。
  14. 前記コレステリルエステル移動タンパク質阻害剤が、下記構造:
    Figure 2006206591
    を有するトルセトラピブである、請求項13記載の方法。
  15. 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法の生成物。
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