JP2006205654A - インクジェットヘッド用インク供給装置とインクジェット印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】循環経路14を循環するインクが、循環経路14中にあってインクジェットヘッドにインクを分配する分配器9に取り付けられた加温流体が通る熱交換手段15、16によりその分配器位置で加温され、加温された状態で循環経路14中にある脱気手段13で脱気される構成とした。
【選択図】 図2
Description
まず、インクジェットヘッドのピアゾアクチュエータは吐出動作を繰り返すごとに発熱しているが、その影響によりインクジェットヘッド自体の温度が温水の温度以上に上昇した場合、インクジェットヘッドで発熱した熱が温水側に移る熱交換が生じ、インクジェットヘッドを冷却させる効果がある。これに対して電気ヒータの場合、電気ヒータの動作を継続させると温度上昇するインクジェットヘッドをさらに加温することになり、温度管理が難しいという欠点がある。このため、温水にてインクジェットヘッドを加温する方法は、インクジェットヘッドを一定の温度に維持する上で都合がよいものである。
つぎに、インクジェットヘッドでは、上述のピアゾアクチュエータの吐出動作によって特に吐出部分で多く発熱し、他の部分では発熱しない状態となって温度ムラがあり、また、外気に熱が逃げ易いインクジェットヘッドの端部などに比べるとインクジェットヘッドの中央部で温度が高くなっていて、この点でも温度ムラが生じる。このような温度ムラが場所によって生じ易いが、インクジェットヘッドに温水を面状に供給することができて温度ムラの解消が行える利点がある。
さらに温水は、流れる体積や流量、比重、熱伝導率を考えると、電気ヒータ(シートヒータ)などの電気加熱器よりも熱容量が大きく、別に設けた温水器(チラー)の熱量の大きなものを用いれば、電気加熱器よりも小さな温水加熱器をインクジェットヘッドに取付けた場合でも、速く目標温度に達することができるという利点がある。
この傾向はUV硬化型インクや他の溶液でも同じであり、急に温度を上げると溶存していた気体がその液体中に微小な気泡となって発生する。そして、このような状態となったインクをインクジェットヘッドから吐出させた場合、不吐出率が上がることとなり、上述した温水によるインクジェットヘッドの加温に際してもこの不吐出率の上方が発生するという問題がある。
当然、インクをインクジェットヘッド側に送り出すタンクに予め脱気したインクを貯め置く方法は有効ではあるが、そのタンクからインクジェットヘッド側に送り出す経路中のチューブやインクジェットヘッドのノズル部、タンクの空気に接する部分、経路中の継手などから気体が侵入し、その侵入した気体をインクが吸ってしまうということを防ぐことができない。
そこで本発明は上記事情に鑑み、インクを加温することでインクを低粘度にしてインクジェットヘッドから安定して吐出できるという利点を活かしつつ、加温されたことにより微小の気泡を含んだインクがインクジェットヘッドに達しないようにすることを課題とし、インクジェットヘッドから不吐出率が上昇しない吐出が行えるようにすることを目的とするものである。
また、本発明において、上記循環経路には、分配器のインク出口部からのインクを脱気手段側に向けて送り出す循環手段が設けられているものとすることが可能である。
また、本発明において、上記一次供給部には、メインインクタンクからのインクを脱気処理する脱気手段が設けられているものとすることが可能である。
また、本発明において、上記循環経路には、ごみ取りフィルタが設けられているものとすることが可能である。
そして、もう一つの発明は、上記インクジェットヘッド用インク供給装置を有するインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット印刷装置であり、このインクジェット印刷装置を提供して上記課題を解消するものである。
請求項2の発明により、インクジェットヘッドがそのインクジェットヘッドを通る加温流体の温度より高く発熱したときに加温流体が熱交換し、インクジェットヘッドを一定の温度に維持できるようになる。
請求項3の発明により、室温の変化などの影響を受けることなく良好なインク吐出状態を確保できるようになる。
請求項4の発明により、循環経路を循環するインクの循環量を調整することができる。
請求項5の発明により、循環経路に位置する脱気手段の負荷が小さなものとなり、その脱気装置の小型化が図れる。
請求項6の発明により、インクジェットヘッドにごみが送り込まれるのを防止し、ノズルの詰まりを生じさせない効果がある。
請求項7の発明により、インクの不吐出率を上げることなく適正な吐出を行なうインクジェット印刷装置が得られる。
図中1は四列にして並べられた十個のインクジェットヘッドaにインクを供給するインク供給装置で、被印刷体を保持する搬送ステージbに対向するようにしてインクジェットヘッドaを集合配列させたプリンタに組み付けられるものである。このインク供給装置1は一次供給部2とこの一次供給部2から送り込まれたインクを前記インクジェットヘッドaそれぞれに供給する二次供給部3とからなるものである。
図示されているように一次供給部2はインク供給方向上流側からインク(例えばUV硬化型インク)が溜め置かれているメインインクタンク4とインク供給ポンプ5と一次の脱気手段6とサブタンク7とがチューブ8を介して順に接続されている。そして、インク供給ポンプ5の動作によってメインインクタンク4からインクを引き出し、一次の脱気手段6に送り込み、この脱気手段6に入ったインクをエア引きして脱気処理し、脱気されたインクが前記脱気手段6からサブタンク7に送り込まれ、さらにこのサブタンク7からチューブ8を通して上記二次供給部2にインクを送り出すように設けられている。図2において矢印にてインクの流れ方向を示した。
また、一次の脱気手段6は、ケース体の内部を3〜6kPa程度の真空に保持し、そのケース体の内部に配した数千本の細かいフッ素系ポリマーの中空チューブにインクを通し、インク中に微小な気泡として存在している気体を、中空チューブの周りの真空部に中空チューブの管壁を透過させて排出させるようにしたものであり、中空チューブを構成しているフッ素系ポリマーの微細な隙間を気体のみが通る現象を利用したものである。なお、ケース体内の空気を引く真空ポンプは図示していない。
なお、二次の脱気手段13は一次の脱気手段6と同じ構成である。
また、循環経路14には二次の脱気手段13の上流側にメッシュ目の大きさを1〜15μm程度としたごみ取りフィルタ21が設けられていて、インク中のごみがインクジェットヘッドaに送り込まれないように図れている。
なお、上記加温流体は温水に限定されるものではないが、熱容量の大きい流体を用いるのが好ましい。
2…一次供給部
3…二次供給部
4…メインインクタンク
5…インク供給ポンプ
6…脱気手段
7…サブタンク
9…分配器
10…インク入口部
11…インク出口部
12…循環手段
13…脱気手段
14…循環経路
15…熱交換手段
16…熱交換手段
17…加温流体送り管
18…加温流体戻り管
19…チューブ
20…チューブ
a…インクジェットヘッド
Claims (7)
- メインインクタンクからのインクを送り出す一次供給部と、前記一次供給部からのインクを一つ以上のインクジェットヘッドに分配供給する分配器を備えた二次供給部とからなるインク供給装置であって、
前記分配器には、該分配器のインク入口部から送り込まれた分配前のインクの一部をインクジェットヘッドに分配することなく分配器外に送り出し可能にしたインク出口部が設けられているとともに、温度一定とした加温流体が通る熱交換手段を取り付けて、該分配器に入った分配前のインクを前記熱交換手段により加温可能に設けられていて、
二次供給部は、前記分配器とこの分配器のインク出口部側からのインクが前記一次供給部からのインクとともに送り込まれて脱気処理後のインクが前記分配器のインク入口側に送り出される脱気手段とが配された循環経路を有し、
前記循環経路を循環するインクが、前記熱交換手段により分配器位置で加温され、加温された状態で脱気手段で脱気される構成としたことを特徴とするインクジェットヘッド用インク供給装置。 - 上記熱交換手段は、インクジェットヘッドを加温する加温流体が通る流路を備えている請求項1に記載のインクジェットヘッド用インク供給装置。
- 上記インクジェットヘッドの加温温度は、インクを低粘度に保持する温度である請求項2に記載のインクジェットヘッド用インク供給装置。
- 上記循環経路には、分配器のインク出口部からのインクを脱気手段側に向けて送り出す循環手段が設けられている請求項1から3の何れか一項に記載のインクジェットヘッド用インク供給装置。
- 上記一次供給部には、メインインクタンクからのインクを脱気処理する脱気手段が設けられている請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェットヘッド用インク供給装置。
- 上記循環経路には、ごみ取りフィルタが設けられている請求項1から5の何れか一項に記載のインクジェットヘッド用インク供給装置。
- 請求項1から6の何れか一項に記載のインクジェットヘッド用インク供給装置を有するインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット印刷装置。
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