JP2006205271A - 治具、μマニュピュレータ及び治具の製造方法 - Google Patents

治具、μマニュピュレータ及び治具の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易かつ効率よく試料を採取する治具及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 試料を採取するための先細りの芯を有する治具であって、芯の細い11側の先端部に、芯11より細い複数の突起12が形成されている。芯11の細い側の先端部は半球状であり、半球の曲率半径は、0.5μm以上5μm以下である。突起12の直径は、0.5nm以上20nm以下である。突起12の高さは、50nm以上100μm以下である。突起12の間隔距離は、1nm以上1μm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小粒子を採取するための治具、μマニュピュレータ及びそれの製造方法に関する。
製品製造においては、製造工程、各工程間の搬送若しくは放置、製品の試験評価の間に微小な異物が混入したり、生成したりすることで製品の不良品が生じることがある。
このような異物は、製造装置の駆動部から生成されるもの、人体発塵、加熱やプロセスガスなどによる反応生成物などである。
異物の混入及び生成を防ぐ対策としては、従来、TFT液晶を構成する基板やインクを吐出したBJヘッドなどに付着したり生成したりする異物を採取する。続いて、その組成及び結晶構造などを分析した上で、その結果を元にして異物発生源を探っていくことである。
基板上に付着されたり生成されたりする微小異物を採取する方法としては、従来、基板上に付着した微小異物を2本のサンプリングニードルつまり微小針を使って採取するというμマニピュレータ装置が知られている(例:特開平05−208387号公報など)。
この装置では、微小針先端への試料の付着は、試料の持つ自然な静電気力及び粘着力で行われているので、これを利用して試料を採取することができる。
特開平05−208387号公報
しかしながら、従来の二本の微小針を用いて採取する方法では、平らな表面上の微小異物や自然な静電気力及び粘着性を有する試料を採取できるが、溶液などの自然な静電気力や粘着性が小さい試料やBJヘッドのノズルなどの凸凹の構造体を有する領域にある試料などを採取するのが困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、上記の従来技術の課題を解決し、簡易かつ効率よく採取する治具及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、試料を採取するための先細りの芯を有する治具であって、前記芯の細い側の先端部の表面に、当該芯の先端部の反対側より細い複数の突起を有することを特徴とする。
また、本発明は、試料を採取するための先細りの芯と、当該先細りの芯の細い側の先端部の表面に形成される、前記芯より細い突起と、を備える治具の製造方法であって、下地膜、柱状部材及び当該柱状部材を取り囲むように形成される構造体が形成された前記先細りの芯から、前記柱状部材を除去し細孔を形成する工程と、当該細孔が形成された芯を前記突起となる材料を含む物質に浸すことにより、前記細孔中に前記突起を形成する工程と、前記構造体を除去する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、試料を採取するための先細りの芯と、当該先細りの芯の細い側の先端部の表面に形成される、前記芯より細い突起と、を備える治具の製造方法であって、前記芯に金属触媒超微粒子分散膜を形成する工程と、前記芯に炭素を含むガスを反応させることで、前記金属触媒超微粒子分散膜にカーボンナノチューブを成長させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、溶液などの自然な静電気力や粘着性が小さい試料やBJヘッドのノズルなどの凸凹の構造体を有する領域にある試料などを簡易かつ効率よく採取することができる。
また、本発明により、試料を簡易かつ効率よく採取できる治具の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。
本実施の形態においては、先細りの芯の先端部に突起を有することを特徴とする治具を用いて、溶液などの自然な静電気力や粘着性が小さい試料やBJヘッドのノズルなどの凸凹の構造体を有する領域にある試料などを簡易かつ効率よく採取することができる。
また、本実施の形態における治具の製造方法においては、先細りの芯の先端部を含めた表面又は表面の一部分上に突起を成長させることを特徴とする。
また、本実施の形態における治具の製造方法においては、めっきにより金属から成る突起を製造し、又は物理的や化学的成長法によりカーボンナノチューブを突起として製造することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図を用いて詳しく説明する。
<本実施の形態における治具について>
本実施の形態における治具の概略図の例として、図1に示す。
治具は、先端が尖っていた先細りの芯11から成っており、先細りの芯11の細い側の先端部分及び側面方向に多数の突起12が形成されている。
芯11の先端部の反対側は、図1において、11aで指し示す箇所を示す。
先細りの芯11の材料としては、W、Co、Mo、Cr、Ti、V、Mg、Mnなどの金属材料が好ましく、かつ試料を採取するのに耐えられる硬質材料が好ましい。
また、数μm以下の粒径を有する試料を採取するのに、先細りの芯11の細い側の先端は半球面であることが好ましく、先細りの芯11の細い側の先端における曲率半径は0.5μm以上5μm以下であることが好ましい。
また、先細りの芯11における最大直径は少なくとも0.5mm以上であることが好ましく、先細りの芯11の細い側の先端部から最大直径を有する領域までの距離は特に限定されていないが、試料の採取を行うのに十分ある距離、例えば2cm以上の距離があればよい。
また、突起12は数μm以下の粒径を有する試料を採取するのに、先細りの芯11の細い側の先端部分の表面と垂直方向に形成されている方が好ましく、先細りの芯11側面と垂直方向に形成されているのも好ましい。
また、突起12の軸方向と先細りの芯11の側面とのなす角は60°以上であることが好ましく、80°以上であることが好ましい。
また、一列並んだ突起12(図7(b))などのように、所望通りの領域(突起の形成領域71)に突起12を形成させることもできる。
また、突起12の構造体としては、円柱及び円錐、円錐で先端が尖っているものや先端が平坦なものなどをすべて含む。
さらに、三角錐、四角錘、六角錘、それ以外の多角錘やその多角錘の先端が平坦なもの、また三角柱、四角柱、六角柱、それ以外の多角柱状、あるいは先端が尖った三角柱、四角柱、六角柱、それ以外の多角柱状やその先端が平坦なものなども含まれ、さらに、これらの折れ線状構造も含まれる。
また、突起12の材料としては、先細りの芯11と同様に、W、Co、Mo、Cr、Ti、V、Mg、Mnなどの金属材料が好ましく、熱的にも化学的にも機械的にも安定であるカーボンナノチューブもまた好ましい。かつ試料を採取するのに耐えられる硬質材料が好ましい。
また、生成された突起12のアスペクト比は、数μm以下の粒径を有する試料を採取するのに50以上、さらに100以上であることが好ましく、突起12において最大直径を有する横切断面の重心を通る最小長さも0.5nm以上20nm以下であることが好ましい。
ここでいうアスペクト比とは、突起12の横切断面が円形又は円形に近い状態の形状の場合は直径に対する長さの比率をいい、突起12の横切断面が六角形などの角形の場合は切断面の重心を通る最小長さに対する長さの比率をいうものとする。
また、本実施の形態における治具においては、各々の突起12の間隔距離は数μm以下の粒径を有する試料を採取するのに、1nm以上1μm以下であることが好ましい。
ここでいう間隔距離とは、各々の突起12の最大直径を有する横切断面の重心の間隔距離をいうものとする。
また、突起12は先細りの芯11の細い側の先端から100μm以下の距離がある領域を有する先細りの芯11の側面に生成された方が好ましい。
<本実施の形態における治具の製造方法について>
本実施の形態における治具の製造方法については、一例として、めっき(無電解めっき)により金属の突起34を作製する方法を、図2及び図3を用いて詳細に説明する。
先細りの芯11、触媒活性を有する下地膜22及び金属の突起34から成る治具の製造方法において、下地膜22付きの先細りの芯11と、芯11の細い側の先端部に対して垂直方向に形成されたAlを主成分とする柱状部材23部分と、Alを主成分とする柱状部材23部分の側面を囲むように配置されるSi、Ge、SiGeのいずれかを主成分とするマトリックス24部分からなる構造体を有するAl(Si、Ge)混合薄膜21を形成した先細りの芯11のAlを主成分とする柱状部材23を除去することにより先細りの芯11上のAl(Si、Ge)混合薄膜21中に細孔33を形成する工程、無電解めっき浴に細孔33を形成したニードル11を浸すことにより細孔33中に金属の突起34を形成する工程、金属の突起34を形成した先細りの芯11を強アルカリ性・強酸性を有する溶液に浸すことでAl(Si、Ge)混合薄膜21を除去し金属の突起34を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、金属の突起34の製造方法において、先細りの芯11上のAl(Si、Ge)混合薄膜21中に細孔33を形成する工程が、無電解めっき浴に浸すことにより、先細りの芯11上のAl(Si、Ge)混合薄膜21中のAlを主成分とする柱状部材23を除去すると同時に細孔33を形成することであることを特徴とする。
また、金属の突起34の製造方法において、金属の突起34は強アルカリ性・強酸性を有する溶液に溶解しないことを特徴とする。
また、Al(Si、Ge)混合薄膜21は(Si、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)、(Ge、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)、(Si、Ge、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)のいずれかであることを特徴とするが、本発明においては、(Si、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)を採用して説明する(特開2003-266400号公報など)。
まず、(Si、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)について説明するが、ここではX=0として(Al、Si)混合薄膜31とする。
Alを主成分とする柱状部材23が、Siを主成分として構成される領域つまりマトリックス24に取り囲まれており、かつ(Al、Si)混合薄膜31にはSiが、AlとSiの全量に対して20at%以上70at%以下の割合で含まれていることを特徴とする。
上記割合は、(Al、Si)混合薄膜31を構成するAlとSiの全量に対するSiの割合のことであり、好ましくは25at%以上65at%以下、より好ましくは30at%以上60at%以下である。
上記のAlとSiの割合を示すat%とは、SiとAlの原子の数の割合を示し、atom%あるいはat%とも記載され、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)で(Al、Si)混合薄膜31中のSiとAlの量を定量分析したときの値である。
また、(Al、Ge)混合薄膜、(Al、Si、Ge)混合薄膜の場合も同様にして、(Al、Si)混合薄膜31の場合に先述したSiの代わりにそれぞれGe、SiGeを用いて適用できる。
図2に本実施の形態における(Al、Si、Ge)混合薄膜21を形成した先細りの芯11の構成図を示す。
図2において、23は柱状部材、24はSiを主成分とするマトリックス部分、22は下地膜、11は先細りの芯である。
(Al、Si、Ge)混合薄膜21には、マトリックス24中に複数の柱状部材23が分散していることになる。
また、柱状部材23の直径(平面形状が円の場合は直径)2r(図2)は、主として(Al、Si、Ge)混合薄膜21の製造条件により制御することが可能であるが、その平均直径2rは0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下である。
なお、楕円等の場合は、最も長い外径部の範囲内であればよい。
ここで平均直径とは、例えば、実際のSEM写真で観察される柱状の部分を、その写真から直接、あるいはコンピュータで画像処理して導出される値である。
なお、薄膜をどのようなデバイスに用いるか、あるいはどのような処理を行うかにもよるが、平均径の下限としては1nm以上、あるいは数nm以上であることが実用的な下限値である。
また、柱状部材23間の中心間距離2R(図2)は、30nm以下、好ましくは5nm以上20nm以下である。
(Al、Si、Ge)混合薄膜21は、膜状の構造体であることが好ましく、柱状部材23は下地膜22及び先細りの芯11に対して垂直になるようにマトリックス24中に分散していることが好ましい。
(Al、Si、Ge)混合薄膜21の膜厚としては、特に限定されるものではないが、1nm以上100μm以下の範囲で適用できる。
図3に本実施の形態における金属の突起34の製造方法の一実施様態を示す工程図を示す。
混合薄膜31(一例として(Si、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)を採用する。)を形成した下地膜22付きの先細りの芯11をエッチング液及び無電解めっき浴又は無電解めっき浴に浸すことで、多孔質体32の有する細孔33中に先細りの芯11上に垂直方向に金属の突起34を形成することを特徴とする。
混合薄膜31は、非平衡状態で成膜する方法を利用して作製することができる。
本実施の形態における成膜方法としては、スパッタリング法が好ましいが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)、イオンプレーティング法をはじめとする任意の非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。
スパッタリング法で行う場合には、マグネトロンスパッタリング、RFスパッタリング、ECRスパッタリング、DCスパッタリング法を用いることができる。
一例として、本実施の形態の(Si、Al)O混合薄膜(0≦X≦2)31を用いた場合の治具の製造方法を以下の(a)〜(e)の順に追って説明する。
(a)工程:下地膜の形成工程
無電解めっきを行うには、先細りの芯11上に触媒活性を有する下地膜22を形成する必要がある。
触媒としては、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Rh、Irなどの貴金属元素などが好ましいが、本発明においては、Pdを採用する。
触媒活性を有する膜を選択的に形成することで選択的に無電解めっき皮膜を形成させることが可能であるが、特に平坦性を有した連続した膜が好ましい。
また、膜厚は所望通りに制御してもよいが、100nm以下が好ましい。特に20nm以下が好ましい。
触媒活性を有する下地膜22の形成方法として、ゾルゲル法、蒸着法、スパッタリング法などが挙げられるが、本実施の形態においてはスパッタリング法を採用し、膜厚20nm以下の触媒活性を有する連続した膜を形成する。
また、先細りの芯11の先端を含めた全ての領域上に下地膜22を形成してもよいが、所望通りの領域に下地膜22を形成してもよい。
(b)工程:(Al、Si)混合薄膜(ここでは(Si、Al)O混合薄膜(X=0))の形成工程
次に、(a)工程で作製した下地膜22付きの先細りの芯11上に(Al、Si)混合薄膜31を形成する。
ここでは、非平衡状態で物質を形成する成膜法として、スパッタリング法を用いた例を説明する。
下地膜22付きの先細りの芯11上に、非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、(Al、Si)混合薄膜31を形成する。
(Al、Si)混合薄膜31は、Alを主成分とする柱状部材23と、その周囲のSiを主成分とするマトリックス24から構成される。
図4に示すように、先細りの芯11上に、非平衡状態で物質を形成する成膜法であるマグネトロンスパッタリング法により、(Al、Si)混合薄膜31を形成する(特開2003-266400号公報)。
原料としてのSi及びAlは、図4に示すようにAlのターゲット43上にSiチップ42を配置することで達成される。
また、図4に示すように、Siチップ42は複数に分けて配置しているが、勿論これに限定されるものではなく、所望の成膜が可能であれば、1つであってもよい。
ただし、均一なAlを含む柱状部材23をSiを主成分とするマトリックス24領域内に均一に分散させるには、Alターゲット43上にSiチップ42を対称に配置しておくのがよい。
また、所定量のAlとSiとの粉末を焼成して作製したAlSi焼成物を成膜のターゲット材として用いることもできる。
また、AlターゲットとSiターゲットを別々に用意し、同時に両方のターゲットをスパッタリングする方法を用いてもよい。
形成される膜中のシリコンの量は、AlとSiの全量に対して20〜70at%であり、好ましくは25〜65at%、さらに好ましくは30〜60at%である。
Si量が斯かる範囲内であれば、Siを主成分とするマトリックス24領域内にAlを主成分とする柱状部材23が分散した(Al、Si)混合薄膜31が得られる。
上記のようにして成膜された(Al、Si)混合薄膜31は、Alを主成分とする柱状部材23と、その周囲のSiを主成分とするマトリックス24領域を備える。
また、先細りの芯11温度としては、300℃以下であり、好ましくは200℃以下であるのがよい。
なお、このような方法で(Al、Si)混合薄膜31を形成すると、AlとSiが準安定状態の共晶型組織となり、AlがSiマトリックス24内に数nmレベルのナノ構造体(柱状部材23)を形成し、自己組織的に分離する。
そのときのAlはほぼ円柱状形状であり、その孔径は1nm以上15nm以下であり、中心間距離は2nm以上30nm以下である。
(Al、Si)混合薄膜31のSiの量は、例えばAlターゲット43上に置くSiチップ42の量を変えることで制御できる。
また、非平衡状態で成膜を行う場合、特にスパッタリング法の場合は、Arガスを流したときの反応装置内の圧力は、0.2〜1Pa程度が好ましい。
また、プラズマを形成するための出力は4インチターゲットでは、150〜1000W程度が好ましい。
しかし、特に、これに限定されるものではなく、Arプラズマ41が安定に形成される圧力及び出力で成膜を行えばよい。
下地膜22付きの先細りの芯11においては、(Al、Si)混合薄膜31の形成に不都合がなければ、先細りの芯11の材質、表面形状、機械的強度などは特に限定されるものではない。
(c)工程:細孔形成工程
上記の(Al、Si)混合薄膜31中のAl領域(Alを主成分とする柱状部材23領域)のみを選択的にエッチングを行う。
その結果、細孔33を有するSiを主成分とするマトリックス24領域のみが残り、多孔質体32が形成されるが、エッチングを行うたびに(Al、Si)混合薄膜31は酸化される場合があるので、(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)が形成されることにする。
なお、(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)の細孔33は、中心間距離2Rが30nm以下、平均直径2rが20nm以下であるが、好ましくは、細孔33の平均直径2rは1nm以上15nm以下であり、その中心間距離2Rは5nm以上20nm以下である。また、長さは1nm以上100μm以下の範囲である。
エッチングに用いる溶液は、例えばAlを溶かしSiはほとんど溶解しない、りん酸、硫酸、塩酸、クロム酸溶液などの酸が挙げられるが、エッチングによる細孔33形成に不都合がなければ水酸化ナトリウムやアンモニア水などのアルカリを用いることができ、特に酸の種類やアルカリの種類に限定されるものではない。
また、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いてもかまわない。
また、エッチング条件は、例えば、溶液温度、濃度、時間などは、作製する(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)に応じて、適宜設定することができる。
(d)工程:(b)工程で作製した(Al、Si)混合薄膜31又は(c)工程で作製した(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)の細孔33中に無電解めっきにより金属の突起34を充填させ、本発明のナノ構造体35を形成する工程
本発明における無電解めっきにより作製する金属の突起34の材料としては、Au、Pd、Pt、Agなどの貴金属などが好ましい。
金属の突起34の製造方法として、無電解めっき液に(c)工程で作製した(Si、Al)O多孔質体(0≦X≦2)32及び下地膜22付きの先細りの芯11を浸すことで、(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)の細孔33中に金属の突起34を形成させることが可能である。
無電解めっきに用いるめっき液の主成分としては、析出させる金属を含む塩つまり金属塩、ヒドラジン、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボランなどの金属イオンを金属として析出させるために電子を与える還元剤がある。
また、めっき浴に金属の沈殿を生じさせないようにするのに必要な添加剤、つまり錯化剤もある。
クエン酸ナトリウムや酒石酸ナトリウムなどの錯化剤を添加することにより金属イオンを金属錯体にしてそのままの状態にすることが可能なので、錯化剤も添加するのが好ましい。
また、水酸化ナトリウムやアンモニア水などの塩基性化合物などのpH調整剤は、めっき速度、還元効率及びめっき皮膜の状態に大きく及ぼすが、無電解めっき液のpHを安定させるためにpH調整剤を添加するのが好ましい。
無電解めっき液のpHは、無電解めっきの種類によって色々と違うが、無電解めっき液のpHは(Si、Al)O多孔質体51(0≦X≦2)が高速で溶けない程度の範囲内であれば、酸性又はアルカリ性を有する無電解めっき液を用いてもよい。
無電解めっきによる金属の突起34の作製条件として、金属塩、還元剤、錯化剤、pH調整剤などのめっき浴における成分の種類の組み合わせ、各々の濃度、めっき液温度、攪拌速度、pHの調整、基板を無電解めっき液に浸す時間が挙げられるが、これらを制御することで所望通りのサイズを有する金属の突起34を作製することが可能である。
また、(b)工程で作製した(Al、Si)混合薄膜31を無電解めっき液に浸すことにより、酸化されて形成した(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)の細孔33中に金属の突起34を形成する方法については、無電解めっき液に(Al、Si)混合薄膜31を浸す間に、Siを主成分とするマトリックス24を溶解させずにAlを主成分とする柱状部材23を下地膜22表面の位置まで溶解させて(Al、Si)混合薄膜31に細孔33をあけることで、(Si、Al)O多孔質体32(0≦X≦2)を形成する必要がある。
つまり、無電解めっきに用いるめっき液は、Siを主成分とするマトリックス24が変化しないもしくは酸化する程度、もしくは少し溶ける程度、かつAlを主成分とする柱状部材23が溶ける程度のpHの範囲を有することが好ましい。
特に、pH3以上pH6以下の酸性、又はpH10以上pH12以下のアルカリ性であることが好ましい。
金属塩、還元剤、錯化剤、pH調整剤などのめっき浴における成分の種類の組み合わせ、各々の濃度、めっき液温度、攪拌速度、pHの調整、混合薄膜31を無電解めっき液に浸す時間の制御によって、Alを主成分とする柱状部材23の溶かし具合を制御することが可能である。
攪拌速度や無電解めっき液に混合薄膜31を浸す時間などを調整することで、Alを主成分とする柱状部材23を全て溶解させることにより細孔33を形成させ、多孔質体32を形成する。
続いて、多孔質体32を無電解めっき液に浸した状態のままで、細孔33中に金属の突起を形成すればよい。
(e)工程:(d)工程で作製したナノ構造体を除去し金属の突起を形成する工程
上記のナノ構造体35中のSiを主成分とするマトリックス24のみを選択的にエッチングを行う。
その結果、Siを主成分とするマトリックス24領域のみが溶解してなくなるが、下地膜24付きの先細りの芯11上に金属の突起34を形成できる。
なお、金属の突起34は、中心間距離2Rが30nm以下、平均直径2rが20nm以下であるが、好ましくは、金属の突起34の平均直径2rは1nm以上15nm以下であり、その中心間距離2Rは5nm以上20nm以下である。また、長さは0.5nm以上100μm以下の範囲である。
エッチングに用いる溶液は、Siを主成分とするマトリックス24を溶かし金属の突起34はほとんど溶解しない、りん酸、硫酸、塩酸、クロム酸溶液などの強酸性、水酸化ナトリウムやアンモニア水などの強アルカリ性を有するものが好ましく、特に酸の種類やアルカリの種類に限定されるものではない。
また、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いてもかまわない。
また、エッチング条件においては、例えば、溶液温度、濃度、時間などは、作製する金属の突起34に応じて、適宜設定することができる。
金属の突起34が変化しないもしくは酸化する程度、もしくは少し溶ける程度、かつSiを主成分とするマトリックス24が溶ける程度のpHの範囲を有することが好ましい。特に、pH3以下の強酸性、又はpH12以上の強アルカリ性であることが好ましい。
また、(b)〜(e)工程においては、(Al、Ge)混合薄膜、(Al、Si、Ge)混合薄膜も同様にして、上述した(Al、Si)混合薄膜31の場合に用いたSiの代わりにそれぞれGe、SiGeを用いれば適用できる。
また、カーボンナノチューブ54の突起12を作製する方法を説明する。
カーボンナノチューブ54の作製方法としては、アーク放電、レーザーアブレーション法、プラズマ法、熱分解法などが色々と挙げられるが、先細りの芯11上に配向成長させかつカーボンナノチューブ54の根元を固定させるカーボンナノチューブ54の作製方法が好ましい。
特に、先述した作製方法の中でも特開平11-011917号公報及び特開2000-313608号公報などが挙げられるが、本発明においては、一例として、先細りの芯11、金属触媒超微粒子53が分散された薄膜つまり金属触媒超微粒子分散膜52、カーボンナノチューブ54の突起12から成る治具の製造方法を、図5を用いて以下に詳しく説明する(特開平11-139815号公報)。
本発明におけるカーボンナノチューブ54の突起12を作製する方法においては、Cu、Ag、Au、Crのうち1種類以上からなる金属を主成分にした金属膜中にFe、Co、Niのうち1種類以上からなる金属触媒超微粒子53を分散させた金属触媒超微粒子分散膜52付きの先細りの芯11の表面からカーボンナノチューブ54を成長させ、その際、金属触媒超微粒子分散膜52を形成した先細りの芯11を、エチレン、アセチレン、一酸化炭素ガスのいずれか、又は混合されたガスを原料ガスとして含む雰囲気中で400〜800℃の範囲で加熱してカーボンナノチューブ54を成長させることを特徴とする。
図5に本発明における金属の突起12の作製方法の一実施態様を示す工程図を示し、図5(a)〜(c)の順を追って以下に説明する。
図5(a)に金属触媒超微粒子分散膜(アニール前)51の形成工程の図を、図5(b)に金属触媒超微粒子分散膜(アニール後)52のアニール工程の図を示す。
金属触媒超微粒子分散膜51は同時スパッタリング法、ICB法(クラスターイオンビーム法)、蒸着法などにより形成することが可能である。
金属触媒超微粒子分散膜52の構造体としては、Cu、Ag、Au、Crのうち1種類以上からなる金属膜中にFe、Co、Niのうち1種類以上からなる金属触媒超微粒子53が分散され、金属膜表面に金属触媒超微粒子53がみられた構造体であることが好ましい。
金属触媒超微粒子分散膜52の膜厚としては、50nm以上50μm以下であることが好ましい。
また、金属触媒超微粒子53の粒径は、成膜中における先細りの芯11の加熱や成膜後のアニールにより制御することが可能である。
金属触媒超微粒子分散膜52の形成工程における成膜中の加熱やアニールに用いる雰囲気ガスとしては、還元性もしくは不活性を有するガスが好ましい。
また、真空の下でも先細りの芯11の加熱やアニールを行うことで金属触媒超微粒子53の粒径を制御することができる。
また、金属触媒超微粒子53径は1nm以上50nm以下の範囲であることが好ましい。
また、金属触媒超微粒子膜52の表面上にも金属触媒超微粒子53が現われるので、超微粒子53をカーボンナノチューブ成長の成長核として利用できる。
例えば、CuとCoとターゲットに用いた二元同時スパッタリング法を採用して、このスパッタリング法によりCuとCoを成分にした金属触媒超微粒子分散膜(アニール前)51を形成するとする。
金属触媒超微粒子分散膜51を還元雰囲気中400〜800℃でアニールを行うことで、分散の均質性が破壊され、Cuなどを主成分にした金属触媒超微粒子分散膜52の中や表面にCoを主成分にした金属触媒超微粒子53が析出した金属触媒超微粒子分散膜(アニール後)52が得られる。
図5(c)にカーボンナノチューブ54の形成工程の図を示す。
金属触媒超微粒子分散膜52を有する先細りの芯11からカーボンナノチューブ54を成長させるには、原料ガスもしくは希釈ガスや成長促進ガスなどを加えた原料ガス雰囲気で加熱処理を行う方法が好ましい。
原料ガスとしては、カーボンを含むガスの多くが利用可能であるが、これらの中ではメタン、エタン、プロパンなどの炭素、水素のみから成るガスや、ベンゾニトリル、アセトン、エチルアルコール、一酸化炭素などの炭素、水素以外の元素を含むガスが好ましい。
また、特に金属触媒超微粒子分散膜52に不純物を入れにくい炭素、水素、酸素から成る原料ガスが好ましい。
また、成長促進ガスとしては水素が挙げられるが、水素の有効性は原料ガスや反応温度、成長核の組成などに依存するが、特に無くてもよい。
また希釈ガスは、成長が速過ぎる場合や原料ガスの毒性や爆発性を緩和したい場合に有効であり、ArやHeなどの不活性ガスや窒素などを用いるのが好ましい。
次に、カーボンナノチューブ54を成長させる反応装置についてであるが、一例として本発明における反応装置の概略図を図6に示す。
反応容器61、赤外線ランプなどの加熱機構65、先細りの芯11の固定台、エチレンなどの原料ガス導入管62、水素などの反応促進ガス導入管63、ヘリウムなどの希釈ガス導入管63、ガスの排気系ライン64である。
また、先細りの芯11の固定台付近での原料ガス濃度が均一であるように配置されているのが好ましい。
図では省略されているが、反応容器61内の圧力を測定する真空計、加熱温度を測定する熱電対、ターポ分子ポンプやロータリーポンプの真空装置などが組み込まれている。
例えば、原料ガスとして反応容器61にエチレンを10scom、水素を10scom導入し、反応容器61内の圧力を1000Paに設定し、加熱機構65により先細りの芯11を700℃まで加熱して60分間反応させる。
こうすることで、図5(c)に示すようにカーボンナノチューブ54を突起12として形成した治具ができ上がる。
金属触媒超微粒子53の粒径の制御やその他の反応条件によりカーボンナノチューブ54の直径や長さを制御できる。
直径の範囲としては1nm以上1μm以下の範囲であり、長さは10nm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。
また、本発明における先細りの芯11の所望通りの領域(突起の形成領域71)に突起12を作製する方法について、図7を用いて以下に詳細に説明する。
ここでは、先述した(Al、Si、Ge)混合薄膜21、金属触媒超微粒子分散膜51などを所望通りの形状及びサイズを有する突起の形成領域71内に形成するには、例えば、領域71と同じ形状及びサイズを有する穴付きのマスク72を用いるのが好ましい。
ここでいうマスク72とは、突起の形成領域71以外の領域に突起を形成させないためのマスクである。
図7に一列並んだ突起12の製造方法の一実施態様を示す工程図を示す。
図7(a)に示すように、(Al、Si、Ge)混合薄膜21もしくは金属触媒超微粒子分散膜51の形成工程において先細りの芯11の真上に所望通りの形状及びサイズを有する穴付きのマスク72を設置し、先細りの芯11の所望通りの形状及びサイズを有する領域上に(Al、Si、Ge)混合薄膜21もしくは金属触媒超微粒子分散膜51を形成する。
マスク72の材料としては、先細りの芯11の加熱に耐えられるW、Mo、Crなどの耐熱材料が好ましい。
また、マスク72は先細りの芯11からの距離が小さい位置に設置してもよいが、先細りの芯11の表面に接触させて設置した方が好ましい。
これらの製造方法はスパッタリング法、蒸着法、レーザーアブレーション法などが色々と挙げられるが、本発明においては一例としてスパッタリング法で各々の薄膜の形成を行うとする。
続いて、先述した本発明における各々の突起12の製造方法で突起12を形成することで、所望通りの形状及びサイズを有する領域(突起の形成領域71)に金属もしくはカーボンナノチューブ54の突起12を形成させることができる(図7(b))。
[実施例1]
本実施例は、一例として、(Al、Si)混合薄膜31を形成した下地Pb膜22付きの先細りの芯11をエッチングした後、先細りの芯11を白金無電解めっき液に浸すことにより白金の突起34を作製し、続いて先細りの芯11を強アルカリ性を有するエッチング液に浸して治具を作製した例について説明する(図3)。
まず、触媒活性を有する下地膜22として、スパッタリング法により先細りの芯11の先端部に膜厚20nmのPd薄膜を形成した(図3(a))。
さらに、下地Pb膜22付きの先細りの芯11上にスパッタリング法により膜厚1μmのAl:Siの組成比が3:2であることを有する(Al、Si)混合薄膜31を形成した(図3(b))。
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で先細りの芯11の表面を観察した結果、直径が約5nm、中心間距離が約20nmであるAlを主成分とする柱状部材23がSiを主成分とするマトリックス24表面中に多数できていた。
また、断面の観察した結果、Alを主成分とする柱状部材23は下地膜22付きの先細りの芯11に対して垂直方向に形成されていた。
また、混合薄膜31付きの先細りの芯11を25℃に設定したリン酸5wt%中に6時間浸すことでエッチングを行った。
このFE−SEMで断面観察した結果、Alを主成分とする柱状部材23は全て溶解されて直径が約5nm、中心間距離が約10nmである細孔33が形成されて、多孔質体32が形成されていた(図3(c))。
次に、白金無電解めっき液の作製方法として、100mLのレクトロレスPt100基本液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株))、10mLのアンモニア水28%、2mLのレクトロレスPt100還元剤(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株))、88mLの純水を混合させて白金無電解めっき液を作製した。めっき液のpHは12となっていた。
続いて、白金無電解めっき液を加熱して60℃に設定した。
この状態で多孔質体32を形成した先細りの芯11を無電解めっき液に30分間浸した。
この試料をFE−SEMで観察した結果、多孔質体31中の細孔33中に白金の突起34が形成されて、ナノ構造体35が形成されていた。
白金の突起34は直径が約5nmで、高さは約500nmとなっていた。また、中心間距離は約20nmであった(図3(d))。
続いて、この試料を1mol/LのNaOH水溶液に60分間浸すことで、白金の突起34を除いたナノ構造体35を溶かし、白金の突起34を形成し、治具ができた(図3(e))。
比較例として、曲率半径が1μmであるタングステン(W)のサンプリングニードルを用意する。このニードルには突起12も何もつけていない状態である。
このニードルを用いたμマニピュレータ装置にて、インク吐出したBJヘッドのノズルの凹構造内にあった微小異物(粒径は1〜2μm)を採取しょうとしたが、その微小異物はインク溶液に分散されていたため、採取できなかった。
本実施例における治具においては、これを用いたμマニピュレータ装置にて、先述した微小異物を突起にひっかけて簡易かつ効率よく採取できた。
さらに、FE−SEMで先細りの芯11の先端を観察した結果、Ptの突起34に約10〜20nmの粒径を有する微小異物が付着されていた。
溶液などの自然な静電気力や粘着性が小さい試料やBJヘッドのノズルなどの凸凹の構造体を有する領域にある試料などを簡易かつ効率よく採取することができる他に、ナノサイズを有する微小異物も採取することができる。
[実施例2]
本実施例は、一例として、金属触媒超微粒子分散膜51を形成した先細りの芯11のアニールを行うことでカーボンナノチューブ54を突起12に用いた治具を作製した例について説明する(図5)。
まず、CuとCoをターゲットに用いてスパッタリング法で先細りの芯の表面上に膜厚200nmの金属触媒超微粒子分散膜51を形成した。
スパッタリング条件はRF電力400W、Ar雰囲気ガス、Arガス圧5mTorr、であり、Co:Cuの組成比は1:4程度であった。
この先細りの芯を図6に示した反応容器61内に設置して、10-7Torrの真空中において450℃で20分間アニールを行なった。
このとき、金属触媒超微粒子分散膜52中のCoが析出して粒径3nm以上30nm以下のCo超微粒子53が高い密度で分散された状態が得られた。
続いて、この先細りの芯11を設置したままにして、水素ガスを反応容器61に20sccm導入して反応容器61内の圧力を3.5Torrに設定した。
さらに、加熱機構65により先細りの芯11を700℃まで加熱した。この温度が安定してから、原料ガスとしてエチレンガスを20sccm導入し、反応容器61内の圧力を7.5Torrに設定して20分間保持した。
そして、加熱を止めてガス供給を遮断した。
次に、先細りの芯11の温度を室温にしてから先細りの芯11を大気中に取り出した。
この試料をFE−SEMで観察した結果、金属触媒超微粒子分散膜52上に多数の配向性のあるカーボンナノチューブ54が形成されて、治具ができ上がった。
カーボンナノチューブ54の突起12は直径が5nm以上30nm以下で、高さは約2μmとなっていた。
また、中心間距離は約10nm以上100nm以下であった(図5(c))。
比較例として、曲率半径が1μmであるタングステン(W)のサンプリングニードルを用意する。
このニードルには突起12も何もつけていない状態である。
このニードルを用いたμマニピュレータ装置にて、インク吐出したBJヘッドのノズルの凹構造内にあった微小異物(粒径は1〜2μm)を採取しょうとしたが、その微小異物はインク溶液に分散されていたため、採取できなかった。
本実施例における治具においては、これを用いたμマニピュレータ装置にて、先述した微小異物を突起にひっかけて簡易かつ効率よく採取できた。
さらに、FE−SEMで先細りの芯11の先端を観察した結果、カーボンナノチューブ54の突起12に約10nm以上500nm以下の粒径を有する微小異物が付着されていた。
溶液などの自然な静電気力や粘着性が小さい試料やBJヘッドのノズルなどの凸凹の構造体を有する領域にある試料などを簡易かつ効率よく採取することができる他に、ナノサイズを有する微小異物も採取することができる。
[実施例3]
本実施例は、一例として、先細りの芯の11先端部上に櫛状のカーボンナノチューブ54の突起12(図7(b))を作製した例について説明する(図7)。
先端部の曲率半径が1μmであるタングステンからなる先細りの芯11を用いて、幅1μm×長さ100μmの大きさを有する穴のマスク72を先細りの芯11の先端部上に設置する。
この様態で、スパッタリング法により先細りの芯11の幅1μm×長さ100μmの領域内に膜厚200nmの金属触媒超微粒子分散膜51を形成した(図3(a))。
スパッタリング条件は実施例2と同様であり、Co:Cuの組成比は1:4程度であった。
この先細りの芯11を図6に示した反応容器61内に設置して、10-7Torrの真空中において450℃で20分間アニールを行なった。
このとき、金属触媒超微粒子分散膜52中のCoが析出して粒径3nm以上30nm以下のCo超微粒子53が高い密度で分散された状態が得られた。
続いて、この先細りの芯11を設置したままにして、水素ガスを反応容器61に20sccm導入して反応容器61内の圧力を3.5Torrに設定した。
さらに、加熱機構65により先細りの芯11を700℃まで加熱した。この温度が安定してから、原料ガスとしてエチレンガスを20sccm導入し、反応容器61内の圧力を7.5Torrに設定して20分間保持した。
そして、加熱を止めてガス供給を遮断した。次に、先細りの芯11の温度を室温にしてから先細りの芯11を大気中に取り出した。
この試料をFE−SEMで観察した結果、金属触媒超微粒子分散膜52上に多数の配向性のあるカーボンナノチューブ54が形成されて、櫛状のカーボンナノチューブ54の突起12を有する治具ができ上がった。
カーボンナノチューブ54の突起12は直径が5nm以上30nm以下で、高さは約2μmとなっていた。また、中心間距離は約10nm以上100nm以下であった(図5(c))。
比較例として、曲率半径が1μmであるタングステン(W)のサンプリングニードルを用意する。
このニードルには突起12も何もつけていない状態である。
このニードルを用いたμマニピュレータ装置にて、インク吐出したBJヘッド吐出口の周辺の平坦な表面にインク溶液と共にあった微小異物(粒径は1〜2μm)を採取しょうとしたが、その微小異物はインク溶液に分散されていたため、採取できなかった。
本実施例における治具においては、インク吐出したBJヘッド吐出口の周辺の平坦な表面と櫛状のカーボンナノチューブ54の突起12とが平行になるように、治具を設置して、先述した微小異物を突起12にひっかけて簡易かつ効率よく採取できた。
さらに、FE−SEMで先細りの芯11の先端を観察した結果、カーボンナノチューブ54の突起12に約10nm以上500nm以下の粒径を有する微小異物が付着されていた。
溶液などの自然な静電気力や粘着性が小さい試料やBJヘッドのノズルなどの凸凹の構造体を有する領域にある試料などを簡易かつ効率よく採取することができる他に、ナノサイズを有する微小異物も採取することができる。
また、本発明における金属の突起12を用いた場合においても、同様に先細りの芯11上に所望通りの形状及びサイズを有する領域(突起の形成領域71)に金属の突起12を作製することが可能である。
本発明の実施の形態における治具の概略を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における治具の製造方法を示す図である。 本発明の実施の形態における治具の製造方法を示す図である。 芯に柱状部材とそれを取り囲む構造体を形成する方法を示す図である。 本発明の実施の形態における治具の製造方法を示す図である。 カーボンナノチューブを成長させる反応装置の断面図である。 芯に所望領域に突起を作製する方法を示す図である。
符号の説明
11 サンプリングニードル
12 突起
21 (Al、Si、Ge)混合薄膜
22 下地膜
23 柱状部材
24 マトリックス
31 (Al、Si)混合薄膜
32 多孔質体
33 細孔
34 金属の突起
35 ナノ構造体
41 Arプラズマ
42 Si又はGeチップ
43 Alターゲット
51 金属触媒超微粒子分散膜(アニール前)
52 金属触媒超微粒子分散膜(アニール後)
53 金属触媒超微粒子
54 カーボンナノチューブ
61 反応容器
62 原料ガス導入管
63 促進及び希釈ガス導入管
64 排気系ライン
65 加熱機構
71 突起の形成領域
72 マスク

Claims (12)

  1. 試料を採取するための先細りの芯を有する治具であって、
    前記芯の細い側の先端部の表面に、当該芯の先端部の反対側より細い複数の突起を有することを特徴とする治具。
  2. 前記突起は、前記先細りの芯の細い側の先端部の表面に列状に並べられていることを特徴とする請求項1記載の治具。
  3. 前記突起が、金属又はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1又は2記載の治具。
  4. 前記芯の細い側の先端部は半球面であり、
    当該半球面の曲率半径は、0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の治具。
  5. 前記突起の直径は、0.5nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の治具。
  6. 前記突起の高さは、50nm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の治具。
  7. 前記突起の間隔距離は、1nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の治具。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の治具を備えることを特徴とするμマニュピュレータ。
  9. 試料を採取するための先細りの芯と、当該先細りの芯の細い側の先端部の表面に形成される、前記芯より細い突起と、を備える治具の製造方法であって、
    下地膜、柱状部材及び当該柱状部材を取り囲むように形成される構造体が形成された前記先細りの芯から、前記柱状部材を除去し細孔を形成する工程と、
    当該細孔が形成された芯を前記突起となる材料を含む物質に浸すことにより、前記細孔中に前記突起を形成する工程と、
    前記構造体を除去する工程と、を含むことを特徴とする治具の製造方法。
  10. 前記芯の細い側の先端部は半球面になっていて、
    当該先端部を含む表面又は前記表面の一部分上に前記突起を成長させることを特徴とする請求項9記載の治具の製造方法。
  11. 前記突起は、金属であることを特徴とする請求項9記載の治具の製造方法。
  12. 試料を採取するための先細りの芯と、当該先細りの芯の細い側の先端部の表面に形成される、前記芯より細い突起と、を備える治具の製造方法であって、
    前記芯に金属触媒超微粒子分散膜を形成する工程と、
    前記芯に炭素を含むガスを反応させることで、前記金属触媒超微粒子分散膜にカーボンナノチューブを成長させる工程と、を含むことを特徴とする治具の製造方法。
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