JP2006205178A - 加工方法および加工装置 - Google Patents

加工方法および加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006205178A
JP2006205178A JP2005016918A JP2005016918A JP2006205178A JP 2006205178 A JP2006205178 A JP 2006205178A JP 2005016918 A JP2005016918 A JP 2005016918A JP 2005016918 A JP2005016918 A JP 2005016918A JP 2006205178 A JP2006205178 A JP 2006205178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
rubber
contact surface
laser light
laser beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005016918A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Makinose
孝 牧野瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland DG Corp
Original Assignee
Roland DG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland DG Corp filed Critical Roland DG Corp
Priority to JP2005016918A priority Critical patent/JP2006205178A/ja
Publication of JP2006205178A publication Critical patent/JP2006205178A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】従来の技術の有する問題点を解消するようにして、簡単に被加工物を加工する。
【解決手段】レーザー光に対して透明な第1の材料とレーザー光を吸収して溶解する第2の材料とを、第1の材料と第2の材料が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、第1の段階によって第2の材料の接触面に隙間なく緊密に接触している第1の材料の接触面の背面側の面から、レーザー光を入射し、第1の材料を透過したレーザー光を第2の材料の接触面に集光させて、第2の材料の接触面のレーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、当該溶解した第2の材料を第1の材料の接触面に局所的に密着する第2の段階と、第1の材料の接触面の背面側の面からレーザー光を入射し、第1の材料を透過したレーザー光を、第2の段階によって第2の材料と第1の材料とが局所的に密着された領域に集光する第3の段階とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加工方法および加工装置に関し、さらに詳細には、数値制御により被加工物の表面に、任意の文字や図形、模様、あるいは、微細なパターンを形成する際に用いて好適な加工方法および加工装置に関する。
従来より、被加工物たるガラスの表面に、所望の文字や図形を描画する手法として、カッターなどのツールによって切削する手法や、あるいは、サンドブラスト、レーザーアブレーションなどの種々の手法が知られている。
ここで、カッターなどの切削用ツールを被加工物に直に接触させて、当該切削用ツールにより被加工物を削って加工する場合は、使用する切削用ツールの刃物径以下の細かいパターンを加工することが困難であるという第1の問題点があった。
また、サンドブラストは、予め、ガラス表面にマスクのためのシートを貼り、その後、当該ガラス表面に微小な砂を吹き付けて加工を行うものである(例えば、特許文献1を参照する。)。
このため、サンドブラストによりガラスを加工する際には、被加工物の加工したくない部分に、予め吹き付けられる砂が当らないようにマスキングシートを被覆させる作業が必要であり、非常に煩雑で、加工時間が長時間になるという第2の問題点があった。
さらに、サンドブラストにおいては、被加工物の表面にマスキングシートを貼り付けて加工を行なうので、非常に狭い幅の線などの細かいパターンを加工することが困難であるという第3の問題点があった。
また、レーザーアブレーションによりガラスの加工を行う場合には(例えば、特許文献2を参照する。)、数W〜数十Wの大出力で、かつ、横モードの高品質なレーザー源を用いて、レーザー光を微小なスポットに集光する必要があるため、非常に高価で、装置全体が大型化するという第4の問題点があった。
ところで、上記したガラスとは異なる種類の被加工物たるゴムの表面に、レーザー光を照射して、所望の文字や図形を描画する手法も知られている。
しかし、レーザー光を照射してゴムを加工すると、加工中に多量の煙や有毒ガスが発生してしまう。そこで、従来よりゴムの加工に際しては、巨大な脱臭集塵機が欠かせず、当該脱臭集塵機のフィルターや活性炭により、発生した多量の煙や有毒ガスの集塵・脱臭を行なわなければならないものであった(例えば、特許文献3を参照する。)。
つまり、従来のゴムの加工の手法では、大型の脱臭集塵機を配設しなければならず、システム全体として非常に大型化してしまい、高価なものになるという第5の問題点があった。
さらに、ゴムの加工中に発生する煙は可燃性であるため、脱臭集塵機内やゴム表面で発火する危険性があるという第6の問題点があった。
そして、この第6の問題点を解消するために、ゴムを加工する際に不活性ガスを吹き付けることも提案されているが、不活性ガスを使用するための構成がさらに必要になるので構成が複雑化し、コストの上昇を招来するという第7の問題点があった。
特開2000−280695号公報 特開2000−312983号公報 特開平8−215866号公報
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の技術の有する上記した第1の問題点乃至第7の問題点を解消するようにして、簡単に被加工物を加工することを可能にした加工方法および加工装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、レーザー光に対して透明な第1の材料と上記レーザー光を吸収して溶解する第2の材料とを、上記第1の材料と上記第2の材料の接触面が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、上記第1の段階によって上記第2の材料の接触面に隙間なく緊密に接触している上記第1の材料の接触面の背面側の面から、上記レーザー光を入射し、上記第1の材料を透過した上記レーザー光を上記第2の材料の接触面に集光させて、上記第2の材料の接触面の上記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、当該溶解した上記第2の材料を上記第1の材料の接触面に局所的に密着する第2の段階と、上記第1の材料の接触面の背面側の面から上記レーザー光を入射し、上記第1の材料を透過した上記レーザー光を、上記第2の段階によって上記第2の材料と上記第1の材料とが局所的に密着された領域に集光する第3の段階とを有するようにしたものである。
従って、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、接触面同士が緊密に接触する第1の材料と第2の材料との境界にレーザー光を集光して、第1の材料と第2の材料とが密着した状態で、被加工物たる第1の材料あるいは第2の材料を簡単に加工することができる。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記第2の材料は、上記第2の段階において上記第2の材料の接触面に集光したレーザー光を貫通させない厚みを有するものであるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、レーザー光に対して透明なガラスと上記レーザー光を吸収して溶解するゴムとを、上記ガラスと上記ゴムの接触面が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、上記第1の段階によって上記ゴムの接触面に隙間なく緊密に接触している上記ガラスの接触面の背面側の面から、上記レーザー光を入射し、上記ガラスを透過した上記レーザー光を上記ゴムの接触面に集光させて、上記ゴムの接触面の上記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、当該溶解した上記ゴムを上記ガラスの接触面に局所的に密着する第2の段階と、上記ガラスの接触面の背面側の面から上記レーザー光を入射し、上記ガラスを透過した上記レーザー光を、上記第2の段階によって上記ゴムと上記ガラスとが局所的に密着された領域に集光して、上記レーザー光によって上記ゴムが加熱された熱を上記ゴムと密着している上記ガラスの接触面に作用させて、上記ガラスの接触面を加工する第3の段階とを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、レーザー光に対して透明なガラスと上記レーザー光を吸収して溶解するゴムとを、上記ガラスと上記ゴムの接触面が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、上記第1の段階によって上記ゴムの接触面に隙間なく緊密に接触している上記ガラスの接触面の背面側の面から、上記レーザー光を入射し、上記ガラスを透過した上記レーザー光を上記ゴムの接触面に集光させて、上記ゴムの接触面の上記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、当該溶解した上記ゴムを上記ガラスの接触面に局所的に密着する第2の段階と、上記ガラスの接触面の背面側の面から上記レーザー光を入射し、上記ガラスを透過した上記レーザー光を、上記第2の段階によって上記ゴムと上記ガラスとが局所的に密着された領域に集光して、上記レーザー光によって上記ゴムと上記ガラスとが局所的に密着された領域を加熱して、上記ゴムを加工する第3の段階とを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記第2の段階で上記レーザー光が上記ゴムの接触面において集光位置を変化させる軌跡と、上記第3の段階で上記レーザー光が上記ゴムと上記ガラスとが局所的に密着された領域において集光位置を変化させる軌跡とは、同一であり、かつ、加工するパターンに応じたものであるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、上記第2の段階と上記第3の段階とを一連して生起させるエネルギーが供給されるように上記レーザー光を上記ガラスの接触面の背面側の面から入射するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の発明において、上記ガラスは石英ガラスであるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、レーザー光に対して透明な第1の材料と上記レーザー光を吸収して溶解する第2の材料とを、上記第1の材料の接触面と上記第2の材料の接触面とが隙間なく緊密に接触するようにして静置する加工用テーブルと、上記加工用テーブルに静置された上記第1の材料の上記第2の材料の接触面に隙間なく緊密に接触している上記接触面の背面側の面から、上記レーザー光が入射するようにして上記レーザー光を出射するレーザー・ヘッドと、上記レーザー・ヘッドと上記加工用テーブルに静置された上記第1の材料ならびに上記第2の材料との相対的な位置関係を三次元方向で変化させる駆動手段と、加工するパターンを示す加工用データを記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された上記加工用データに従って、上記レーザー・ヘッドから出射される上記レーザー光の集光位置を変化させ、上記第1の材料の接触面の背面側の面から、上記レーザー光を入射し、上記第1の材料を透過した上記レーザー光を上記第2の材料の接触面に集光させて、上記第2の材料の接触面の上記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、当該溶解した上記第2の材料を上記第1の材料の接触面に局所的に密着する第1の工程と、上記第1の材料の接触面の背面側の面から上記レーザー光を入射し、上記第1の材料を透過した上記レーザー光を、上記第1の工程によって上記第2の材料と上記第1の材料とが局所的に密着された領域に集光する第2の工程とを生起するように上記レーザー・ヘッドからの上記レーザー光の出射を制御する制御手段とを有するようにしたものである。
本発明による加工方法および加工装置は、従来の技術の有する上記した第1の問題点乃至第7の問題点を解消して、簡単に被加工物を加工することができるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面に基づいて、本発明による加工方法および加工装置の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
図1には、本発明による加工方法を実現する加工装置の実施の形態の一例を示す概念構成説明図が示されている。
この加工装置10は、上面12aに第1材料30ならびに第2材料40を載置して、XYZ直交座標系(図1に示す座標系参照。)におけるX軸方向、Y軸方向ならびにZ軸方向にそれぞれ移動自在に配設されたテーブル12と、テーブル12の上面12aと対向するようにして配設されレーザー光L(図1参照)を出射するレーザー・ヘッド14とを有して構成されている。
なお、加工装置10は、全体の動作をマイクロ・コンピューター20により制御されているものである。
また、マイクロ・コンピューター20の図示しない記憶領域には、加工する任意の文字や図形、模様、あるいは、微細なパターンを示す加工用データが予め記録されており、適宜読み出し可能となされている。
レーザー・ヘッド14は、図示しない半導体レーザーから出射されたレーザー光を、出射口14aから出射するものである。そして、レーザー・ヘッド14から出射されるレーザー光は、第1材料30に対して透明で第1材料30に吸収されることのない波長であって、かつ、第2材料40に吸収される波長を有するレーザー光に設定されている。
より詳細には、半導体レーザーとしては、例えば、波長808nm、レーザー・エネルギー(出力)500mW、レーザー媒質GaAsのものを使用することができる。こうした半導体レーザーは、連続レーザーであるもののパルス動作可能なように制御されている。より詳細には、図2に示すようにしてその駆動が制御されており、当該半導体レーザーは、モーター駆動パルスに同期して一定幅のパルス(例えば、1580μs)で尖頭値500mWの駆動をし(図2に示す(A)ならびに(C)の部分参照)、モーター駆動パルスがレーザーパルス幅以下になった場合にはCW発光するものである(図2に示す(B)の部分参照)。
つまり、レーザー・ヘッド14からのレーザー光の出射は、マイクロ・コンピューター20により制御されて、半導体レーザーから出射されたレーザー光が所定の焦点位置に集光するようにして出射されるともに、当該焦点位置を変化させて移動する移動速度に応じて、移動速度が低速区間(例えば、移動速度が0mm/s〜2mm/s未満程度の区間)においてはパルス発光とし、移動速度が高速区間(例えば、移動速度が2mm/s以上〜5mm/s程度の区間)においてはCW発光として、照射されたレーザー光によって所定のエネルギーが供給されるように設定されている。
このレーザー・ヘッド14と、レーザー・ヘッド14の出射口14aと上面12aとが対向するテーブル12に載置された第1材料30と、第2材料40とは、レーザー・ヘッド14から出射されたレーザー光が、第1材料30を透過して第2材料40に照射可能なようにして配置されている。
そして、レーザー・ヘッド14は固定されているものの、テーブル12がマイクロ・コンピューター20によって所定の分解能に応じてモーター(図示せず)の駆動が制御され、当該モーターの駆動によって、X軸方向、Y軸方向ならびにZ軸方向の三次元方向に移動される。従って、レーザー・ヘッド14とテーブル12に載置される第1材料30ならびに第2材料40との相対的な位置関係は、X,Y,Z軸方向の任意の方向で移動可能となっている。
以上の構成において、この加工装置10を用いて本発明の加工方法によりガラスを加工する場合の動作を説明する。
まず、ガラスに加工を行なう場合には、第1材料30として被加工物であるガラスを用い、第2材料40としてゴムを用いる。
より詳細には、第1材料30たるガラスは、例えば、光学ガラス、青板ガラス、白板ガラス、あるいは、石英ガラスなどの様々な種類のものを利用することができる。
例えば、平滑な表面を備えた板状体の合成石英ガラスであって、およそ30.0mm×30.0mm×2.0mmのサイズのものや、あるいは、平滑な表面を備えた板状体の青板ガラスであって、およそ127.0mm×177.8mm×3.0mmのサイズのものを用いることができる。
一方、第2材料40たるゴムは、例えば、天然ゴム(NR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、あるいは、クロロプレンゴム(CR)などの様々な種類のものを利用することができる。
例えば、平滑な表面を備えた板状体の黒色の天然ゴムであって、およそ35.0mm×35.0mm×5.0mmのサイズのものを用いることができ、この場合には、レーザー・ヘッド14から出射されるレーザー光は、ゴムよりなる黒色の第2材料40に吸収されることになる。
なお、このガラスの加工の実施の形態においては、第1材料30として板状体である石英ガラス板を用い、第2材料40として板状体で黒色の天然ゴム板を用いるものとして、アルファベットの大文字の「G」をガラス表面に描画(図3(g)参照)する工程を以下詳細に説明することとする。
まず、テーブル12の上面12aに第2材料40である天然ゴム板を載置する。そして、第2材料40の上面40aに、第1材料30である石英ガラス板を積載する(図3(a)(b)参照)。
この際、第2材料40たる天然ゴム板の平滑な表面である上面40aと、第1材料30である石英ガラス板の平滑な表面である表面30aとが面接触する。こうして、第1材料30の接触面である表面30aと第2材料40の接触面である上面40aとが、隙間なく緊密に接触するようにして静置される。なお、この実施の形態においては、第1材料30が被加工物となり、第2材料40の上面40a側に位置する第1材料30の表面30aが被加工面となる。
そして、マイクロ・コンピューター20の制御により、テーブル12をZ軸方向に移動して高さ位置を変化させるなどして、レーザー・ヘッド14の出射口14aから出射されるレーザー光の集光位置を、第1材料30の表面30aが面接触している第2材料40の接触面たる上面40aに一致させる(図1に示す状態参照)。
この後、レーザー・ヘッド14からレーザー光を出射して、出射されたレーザー光を第2材料40の上面40aに隙間なく緊密に接触している第1材料30の表面30aの背面側の表面30bから入射させる。そして、マイクロ・コンピューター20により、予め記録されている加工用データに従って、テーブル12をX軸方向ならびにY軸方向に移動して、加工用データの示すパターンに沿ってトレースするように第2材料40の上面40aにおけるレーザー光の集光位置を変化させる。
より詳細には、アルファベットの大文字の「G」を示す加工用データに従って、レーザー光の集光位置を第2材料40の上面40aにおいて、「G」の文字の輪郭をトレースするようにして変化させる。
ここで、レーザー・ヘッド14から出射されるレーザー光は、第1材料30に対して吸収されることのない波長を有するレーザー光であるので、第2材料40上に載置された第1材料30たる石英ガラス板を透過して、第1材料30の下方に位置する第2材料40の上面40aにスポットを結ぶようにして照射される。
そして、レーザー・ヘッド14から出射されるレーザー光は、黒色の天然ゴムよりなる第2材料40に吸収されるので、第2材料40の接触面たる上面40aのレーザー光が集光した微小な領域が、照射されたレーザー光によって局所的に加熱される。すると、その熱により、第2材料40たる天然ゴムが局所的に軟化・膨張して溶解し、この溶解した第2材料40が上面40aと面接触している第1材料30の接触面の表面30aに局所的に密着するようになる。こうして第2材料40と第1材料30とが局所的に密着された領域を、図3(c)においては破線で示してあり、図3(d)においては太線で示している。
なお、このレーザー光の1回目の照射により供給されるエネルギーは、照射されたレーザー光によって第2材料40の上面40aの非常に微小な領域が加熱され、第2材料40の上面40aと第1材料30の表面30aとが密着するのに十分なように設定されている。
こうして「G」の文字の輪郭をトレースするようにしてレーザー光の1回目の照射を行ない、当該文字の輪郭に沿って第2材料40たる天然ゴムを第1材料30の石英ガラスに密着させた(図3(c)に示す状態参照)後、再び、レーザー・ヘッド14からレーザー光を出射して、出射されたレーザー光を第1材料30の表面30bから入射させる。そして、加工用データに従って、レーザー光の集光位置を第2材料40たるゴムと第1材料30たるガラスとが局所的に密着された領域において、「G」の文字の輪郭をトレースするようにして変化させる。
なお、このレーザー光の2回目の照射により供給されるエネルギーは、レーザー光の1回目の照射により第2材料40たるゴムと第1材料30たるガラスとが「G」の文字の輪郭に沿って密着している微小な領域(図3(c)(d)参照)で、照射されたレーザー光によって、天然ゴムの熱が石英ガラスに伝達され、その熱により第1材料30の被加工面たる表面30aに「G」の文字が加工されるように設定されている。
即ち、先の1回目のレーザー光の照射によって第2材料40と第1材料30とが密着している微小な領域に、2回目の照射によって再びレーザー光が照射されると、第2材料40たる天然ゴムの熱が石英ガラスの表面に伝達される。
その結果、第1材料30の接触面たる表面30aに作用が及び、第2材料40たる天然ゴムが密着した石英ガラスの表面の微小な領域が、急激に温度上昇して溶解したり、あるいは、当該石英ガラスの表面の微小な領域だけが熱膨張することにより熱歪が発生して、当該表面30aの微小な領域のガラスが剥離したり、あるいは、亀裂を生じるなどして、第1材料30の表面30aが加工され、加工用データの示すパターンがガラス板の表面に形成される(図3(e)(f)(g)参照)。
このように、上面40aと表面30aとが緊密に接触している第2材料40ならびに第1材料30に対して、第2材料40の上面40aにスポット状に集光するようなレーザー光の照射を1度行なって、第2材料40を第1材料30の表面30aに局所的に密着させる工程(図3(c)(d)参照)と、その後再びレーザー光の照射を行なって、第2材料40が加熱された熱を第1材料30の表面30aに作用させて、第1材料30の表面30aのガラスを微小な領域で変化させて接触面である表面30aを加工する工程(図3(e)(f)参照)とが行なわれる。
ただし、上記したようにすると、加工しようとする「G」の文字の輪郭に沿って、第2材料40を第1材料30の表面30aに局所的に密着させるために第2材料40の上面40aにおいてレーザー光の集光位置を変化させる軌跡と、第1材料30の表面30aを加工するために第2材料40と第1材料30とが局所的に密着された領域においてレーザー光の集光位置を変化させる軌跡とは同一であり、同じパターンを2回トレースするようにしてレーザー光の照射が繰り返されることになる。
そこで、上記した2回のレーザー光の照射によるエネルギーと等しいエネルギーが与えられるようにして、即ち、第2材料40を第1材料30の表面30aに局所的に密着させる工程(図3(c)(d)参照)と第1材料30の表面30aを加工する工程(図3(e)(f)参照)とが一連して生起されるエネルギーが供給されるようにして、レーザー光の照射を行うようにする。すると、「G」の文字の輪郭に沿って1回トレースしてレーザー光を照射すれば、当該1回の照射でレーザー光の焦点位置が変化するのに伴って、第2材料40が第1材料30の表面30aに密着し、加熱された第2材料40の熱が第1材料30の表面30aに作用して表面30aを加工できるようになる。
上記したようにして、本発明による加工装置10においては、第2材料40としてゴムを用い、当該ゴムの上面40aに第1材料30として被加工物であるガラスを接触面同士で緊密に接触するようにして配設して、第2材料40と第1材料30との境界部分にレーザー光を集光させて照射するようにしたため、第2材料40の上面40aのゴムと密着するガラスの表面30aに加工することができる。
こうした本発明による加工方法によれば、レーザー光をトレースするように照射して所望の文字や図形を描画するので、非常に狭い幅の線などの細かいパターンを加工することができる。つまり、レーザー光を照射して被加工物に接触することなしに加工を行なう本願発明によれば、上記した「背景技術」の項に記載したカッターなどの切削用ツールによるガラス加工の第1の問題点、即ち、「使用する切削用ツールの刃物径以下の細かいパターンを加工することが困難である」という問題点を解消することができる。
また、本発明による加工方法は、加工用データに従って、レーザー光の照射位置を変化させるだけで被加工物に文字などを加工することができ、こうしたレーザー光の集光位置の調整、移動速度の制御、あるいは、照射位置の変更などは、マイクロ・コンピューター20などのコンピューター制御によって非常に容易にできるものである。つまり、加工のための制御が非常に容易で簡単な本願発明によれば、上記した「背景技術」の項に記載したサンドブラストによるガラス加工の第2の問題点、即ち、「非常に煩雑で、加工時間が長時間になる」という問題点を解消することができる。
より詳細には、従来のサンドブラストでは欠かせない被加工物へのマスキングの工程は、本願発明では全く必要なく、被加工物に対して予め処理を施さずに、単に被加工物をゴム板に載置するだけでよく、作業は非常に簡単で、加工時間も短時間ですむ。特に、上記したようにして1回のトレースで十分なエネルギーが供給されるようにしてレーザー光を照射すれば、第2材料40が第1材料30の表面30aに密着する工程と表面30aを加工する工程とが一連して行なわれるので、加工する形状に沿ったトレースは1回で済み、加工時間をより一層短縮することができる。
また、上記したようにして、微細加工が可能な本願発明によれば、上記した「背景技術」の項に記載したサンドブラストによるガラス加工の第3の問題点、即ち、「細かいパターンを加工することが困難である」という問題点を解消することができる。
そして、本発明による加工方法は、上記したようにレーザー・ヘッド14から出射されるレーザー光は、半導体レーザーから出射されたレーザー光を使用することができ、500mW程度のレーザー光源で、第1材料30たる被加工物の石英ガラス板に加工することができる。つまり、低出力のレーザー光源でガラスを微細加工することができる本願発明によれば、上記した「背景技術」の項に記載したレーザーアブレーションによる加工の第4の問題点、即ち、「非常に高価で、装置全体が大型化する」という問題点を解消することができる。
より詳細には、従来のレーザーアブレーションでは、数W〜数十Wの大出力で高品質なレーザー源を使用するため、数百万円もの高価で大型なシステムとなるが、本願発明によれば、500mW程度のレーザー光源で済むため、数万円程度の安価で小型なシステムとすることができる。
また、本発明による加工方法によれば、第2材料40のゴムの上面40aに第1材料30として被加工物であるガラスを載置して、表面30bから入射して第1材料30内を透過したレーザー光を第2材料40の上面40aに集光させると、第2材料40たるゴムの上面40aと第1材料30たるガラスの表面30aとが密着した状態で加工が進行する。このため、被加工物たる第1材料30の表面30aが加工される最中に、発生する煙はほとんどなく、仮に極微量の煙や粉塵が発生したとしても、互いに密着する第1材料30のガラスと第2材料40のゴムとの間に閉じ込められて、外部に漏れ出すことはない。
従って、本発明による加工方法によれば、加工中に多量の煙が発生したり、粉塵が飛散することなどを、非常に簡単に防ぐことができ、加工するための特別なチャンバーなどを用意する必要がなく、大気中で非常に簡単に加工を行うことができる。
次ぎに、上記した構成の加工装置10を用いて本発明の加工方法によりゴムを加工する場合の動作を説明する。
まず、ゴムに加工を行なう場合には、第1材料30としてガラスを用い、第2材料40として被加工物であるゴムを用いる。
つまり、ゴムの加工を行なう場合も、上記したガラスの加工の場合と同様に、第1材料30としてガラスを用い、第2材料40としてゴムを用いるものである。従って、第1材料30として使用可能なガラスの種類や、第2材料40として使用可能なゴムの種類などは、上記したガラスの加工における説明を援用して詳細な説明は省略することとする。
なお、このゴムの加工の実施の形態においては、第1材料30として板状体である石英ガラス板を用い、第2材料40として板状体で黒色の天然ゴム板を用いるものとして、アルファベットの大文字の「G」をガラス表面に描画する工程を以下詳細に説明することとする。つまり、上記したガラスの加工の実施の形態と同様である。
そして、テーブル12に第2材料40である天然ゴム板を載置する。そして、第2材料40の上面40aに、第1材料30である石英ガラス板を積載する。
この際、第2材料40たる天然ゴム板の平滑な表面である上面40aと、第1材料30である石英ガラス板の平滑な表面である表面30aとが面接触する。こうして、第1材料30の接触面である表面30aと第2材料40の接触面である上面40aとが、隙間なく緊密に接触するようにして静置される。なお、この実施の形態においては、第2材料40が被加工物となり、第1材料30の表面30aが面接触している第2材料40の上面40aが被加工面となる。
そして、マイクロ・コンピューター20の制御により、テーブル12をZ軸方向に移動して高さ位置を変化させるなどして、レーザー・ヘッド14の出射口14aから出射されるレーザー光の集光位置を、第1材料30の表面30aが面接触している第2材料40の上面40aに一致させる(図1に示す状態参照)。
この後、レーザー・ヘッド14からレーザー光を出射して、第1材料30の表面30bから入射させるとともに、マイクロ・コンピューター20により、予め記録されている加工用データに従って、テーブル12をX軸方向ならびにY軸方向に移動して、加工用データの示すパターンに沿ってトレースするように第2材料40の上面40aにおける出射されたレーザー光の集光位置を変化させる。
この際、加工しようとする「G」の文字の輪郭に沿って、2回トレースするようにしてレーザー光の照射が繰り返されるが、当該レーザー光の照射動作は、上記したガラスの加工の際の動作と同様であるので、上記したガラスの加工における説明を援用して詳細な説明は省略することとする。
そして、上面40aと表面30aとが緊密に接触している第2材料40ならびに第1材料30に対して、第2材料40の上面40aにスポット状に集光するようなレーザー光の照射を1度行なって、第2材料40を第1材料30の表面30aに局所的に密着させる工程(図3(c)(d)参照)と、その後再びレーザー光の照射を行なって、加熱された第2材料40の被加工面たる上面40aを微小な領域で加工する工程とが行なわれる。
なお、ゴムの加工に際しても、上記したガラスの加工と同様に、加工しようとする「G」の文字の輪郭に沿って、同じ軌跡で2回トレースするようにしてレーザー光の照射を繰り返すことに限られるものではないことは勿論である。つまり、レーザー光を1回トレースして照射するだけで、上記した2回の照射によるエネルギーと等しいエネルギーが与えられるようにして、第2材料40が第1材料30の表面30aに密着する工程と、第2材料40の上面40aを加工する工程とが一連して行なわれるようにしてもよい。
上記したようにして、本発明による加工装置10においては、第2材料40として被加工物であるゴムを用い、当該ゴムの上面40aに第1材料30としてガラスを接触面同士で緊密に接触するようにして配設して、第2材料40と第1材料30との境界部分にレーザー光を集光させて照射するようにしたため、第1材料30の表面30aのガラスと密着するゴムの上面40aに加工することができる。
こうした本発明による加工方法によれば、第2材料40たるゴムの上面40aと第1材料30たるガラスの表面30aとが密着した状態で加工が進行するので、被加工物たる第2材料40の面40aのゴムが加工される最中に、発生する煙はほとんどなく、仮に極微量の煙や粉塵が発生したとしても、互いに密着する第1材料30のガラスと第2材料40のゴムとの間に閉じ込められて、外部に漏れ出すことはない。
つまり、加工中に多量の煙が発生するという状況そのものを非常に簡単に回避できる本願発明によれば、上記した「背景技術」の項に記載した従来のゴム加工の第5の問題点、即ち、「大型の脱臭集塵機を配設しなければならず、システム全体として非常に大型化してしまい、高価なものになる」という問題点を解消することができる。
より詳細には、従来のゴムの加工では欠かせない多量の煙や有毒ガスを集塵・脱臭するための巨大な脱臭集塵機は本願発明では全く必要なく、特に集塵や脱臭のための構成を設けずとも、被加工物たるゴムの上に載置したガラスによって煙の放出が抑止でき、特別な設備を必要とせずに、簡単で小型化された安価なシステムで、レーザー光によるゴムの加工を実現することができる。
さらに、本発明による加工方法によれば、上記したようにして煙の発生が防止されているので、上記した「背景技術」の項に記載した従来のゴム加工の第6の問題点、即ち、「ゴムの加工中に発生する脱臭集塵機内やゴム表面で発火する危険性がある」という問題点を解消することができ、安全にゴムを加工することができる。
従って、上記した「背景技術」の項に記載した従来のゴム加工の第7の問題点、即ち、「不活性ガスのための構成がさらに必要になるので構成が複雑化し、コストの上昇を招来すると」いう問題点も解消することができ、ゴムを加工する際に不活性ガスを吹き付ける必要がなく、大幅なコストダウンを実現して、大気中で容易にゴムを加工することができる。
また、上記したガラスの加工の場合と同様に、ゴムの加工に際しても、本発明による加工方法によれば、レーザー光をトレースするように照射して所望の文字や図形を描画するので、非常に狭い幅の線などの細かいパターンをゴムに加工することができる。また、加工のための制御が非常に容易で簡単である。また、被加工物たるゴムに対して予め処理を施さずに、単に被加工物上にガラス板に載置するだけでよく、作業は非常に簡単で、加工時間も短時間ですむ。そして、低出力のレーザー光源でゴムを微細加工することができ、数万円程度の安価で小型なシステムとすることができる。
なお、上記したゴムの加工に際して、レーザー光の照射により加熱された第2材料40の熱が、被加工面たる上面40aと面接触している第1材料30の表面30aに作用して、当該第1材料30の表面30aのガラスが微小な領域で変化し、ゴム板の被加工面たる面40aに対応する加工が第1材料30の表面30aにもなされるものである。
しかしながら、第1材料30は石英ガラス板であるので、上記したようにして第2材料40たるゴムの加工に伴って石英ガラス板が加工されるとしても、石英ガラスは加工難度の高いガラスであるので、第1材料30の表面30aには深さ数ミクロン程度の傷しか生じない。
このため、第1材料30として石英ガラスのような加工難度の高いガラスを使用すれば、既に加工が終了した第2材料40を第1材料30から剥がしとった後、未だ加工されていない別のゴムからなる第2材料40を第1材料30の表面30aと密着させて、当該第2材料40たるゴムの加工を行なうことができる。このように第1材料30たる石英ガラスを繰り返し使用することができるので、第1材料30の再利用によって廃棄物を減らすことができ環境にも配慮することができる。
一方、第1材料30として、例えば、青板ガラスのような加工難度低いガラスを使用すれば、上記したようにして第2材料40たるゴムの加工に伴って青板ガラスも加工され、第1材料30の表面30aには深さ数10〜数100ミクロン程度の傷が生じてしまう。このため、加工難度の低いガラスを第1材料30として再利用すると、表面30aの深い傷によって照射されたレーザー光が拡散してしまってゴムを加工することが困難になってしまうため、こうした加工難度の低いガラスよりなる第1材料30は、使い捨て可能な場合に用いることが好ましい。
ここで、本願発明者による実施例を説明する。
ガラスに加工を行なう場合には、被加工物である第1材料30として、平滑な表面を備えた板状体の合成石英ガラスであって、およそ30.0mm×30.0mm×2.0mmのサイズのものを用い、第2材料40として、平滑な表面を備えた板状体の黒色の天然ゴム(NR)であって、およそ50.0mm×50.0mm×0.5mmのサイズのものを用いる。
そして、レーザー光を2回トレースして照射することによりガラス加工する場合には、まず、1回目のレーザー光の照射を、連続(CW)発光、波長808nm、エネルギー200μJ、照射時間400μsで行ない、ゴムとガラスとを密着させる。それから、2回目のレーザー光の照射を、連続(CW)発光、波長808nm、エネルギー200μJ、照射時間400μsで行ない、被加工物であるガラスを加工する。その結果、合成石英ガラスにはおよそ32μmの線幅で加工がなされた。
なお、レーザー光を1回トレースして照射することにより上記したガラスを加工する場合には、レーザー光の照射を、連続(CW)発光、波長808nm、エネルギー400μJ、照射時間800μsで行なえば、ゴムとガラスとが密着する工程とガラスを加工する工程とが一連して生起され、レーザー光を2回の照射した場合と同じく、合成石英ガラスの表面にはおよそ32μmの線幅で加工がなされた。
また、ゴムに加工を行なう場合には、被加工物である第2材料40として、平滑な表面を備えた板状体の黒色の天然ゴム(NR)であって、およそ50.0mm×50.0mm×0.5mmのサイズのものを用い、第1材料30として、平滑な表面を備えた板状体の青板ガラスであって、およそ105.0mm×50.0mm×1.8mmのサイズのものを用いる。
そして、レーザー光を2回トレースして照射することによりゴムを加工する場合には、まず、1回目のレーザー光の照射を、連続(CW)発光、波長808nm、エネルギー100μJ、照射時間200μsで行ない、ゴムとガラスとを密着させる。それから、2回目のレーザー光の照射を、連続(CW)発光、波長808nm、エネルギー100μJ、照射時間200μsで行ない、被加工物であるゴムを加工する。その結果、天然ゴムの表面にはおよそ40μmの線幅で加工がなされた。
なお、レーザー光を1回トレースして照射することにより上記したゴムを加工する場合には、レーザー光の照射を、連続(CW)発光、波長808nm、エネルギー200μJ、照射時間400μsで行なえば、ゴムとガラスとが密着する工程とゴムを加工する工程とが一連して生起され、レーザー光を2回の照射した場合と同じく、ゴムにはおよそ40μmの線幅で加工がなされた。
そして、上記に詳述したようにして、本発明による加工装置10を用いた本発明による手法によれば、第1材料30たるガラスの加工も、第2材料40たるゴムの加工も行うことができ、単一の装置で異なる種類の被加工物を簡単に加工することができ、高い汎用性を有するものである。
なお、本発明によれば、ガラスの加工に際しては、第1材料30のレーザー光が入射する表面30bの反対側の面である表面30aに加工がなされ、ゴムの加工に際しては、当該第1材料30の被加工面30aと面接触する上面40aが加工されるものである。そして、ガラスの加工では、例えば、およそ50μm前後の線幅の加工は容易に行うことができ、ゴムの加工では、図4に詳細に示すようにして、移動速度30mm/sという超高速の移動速度で、パルス駆動により、CW発光で加工すると、およそ40μmの線幅の加工も可能である。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(7)に説明するように変形してもよい。
(1)上記した実施の形態においては、第1材料30としてガラスを用い、第2材料40としてゴムを用いるようにしたが、それぞれ種々のガラスやゴムを使用することができるのに留まるものではないことは勿論であり、被加工物が第1材料30の場合と第2材料40の場合とで適宜材料を選択可能なものである。
例えば、第1材料30としては、表面30bから入射するレーザー光に対して透明な各種材料を使用することができる。
また、第2材料40としては、レーザー光を吸収する波長帯からなるゴム系密着性板材料の他に、第1材料30に対して密着性がよく、熱を加えたときに溶けて加工し易い程度に融点が低い、固形材料を使用することができる。
なお、使用する第1材料30と第2材料40との組み合わせによっては、第1材料30の接触面と第2材料40の接触面とを隙間なく緊密に接触させるために、圧力をかけるようにするなどしてもよい。
(2)上記した実施の形態においては、第1材料30と第2材料40とのサイズは同一であってもよいし、あるいは、いずれか一方が他方より大きいものであってもよい。要は、第1材料30と第2材料40とが接触する互いの接触面が、実際に加工される被加工物の加工面の領域を確保する程度あればよい。
(3)上記した実施の形態においては、第2材料40を第1材料30の表面30aに局所的に密着させるために第2材料40の上面40aにおいてレーザー光の集光位置を変化させる軌跡と、第1材料30の表面30aあるいは第2材料40の上面40aを加工するために第2材料40と第1材料30とが局所的に密着された領域においてレーザー光の集光位置を変化させる軌跡とは同一であるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
例えば、加工精度を高めるためなどの目的で、第2材料40を第1材料30の表面30aに確実に密着させるために、実際に加工する領域以外の部分にレーザー光を照射させて、第2材料40を第1材料30の表面30aに密着させるようにしてもよい。この際、加工用データとは異なるデータを用意するなどの変更を適宜行うとよい。
(4)上記した実施の形態においては、第1材料30ならびに第2材料40はいずれも平滑な表面を備えた板状体であったが、これに限られるものではないことは勿論であり、曲面を備えるなどの各種形状や外表面を備えた材料を、第1材料30あるいは第2材料40として用いることができる。
そして、第1材料30や第2材料40の形状などに応じて適宜最適な材料の組合せを選択し、第1材料30と第2材料40とが所定の領域において密着可能なようにすればよい。さらに、曲面に加工を施す際には、センサを設けるようにしたり、被加工面のスキャンを行ってレーザー・ヘッド14から出射されるレーザー光の焦点位置の調整を行なうなど各種変更をするとよい。
(5)上記した実施の形態においては、半導体レーザーを使用するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、各種レーザー源を使用可能なものである。そして、レーザー装置から出射したレーザー光を所定の焦点位置に集光するためのレンズなどを適宜配設し、焦点深度を調整したりして、被加工物の被加工面に形成される加工の深さなども適宜変更可能なものである。
(6)上記した実施の形態においては、レーザー・ヘッド14は移動せずに、テーブル12がX,Y,Z軸方向に移動するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、レーザー・ヘッド14とテーブル12とがそれぞれ移動する、あるいは、レーザー・ヘッド14のみが移動するようにして、レーザー・ヘッド14とテーブル12に載置される第1材料30ならびに第2材料40との相対的な位置関係が、三次元方向で変化するようにしてもよい。
(7)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(6)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、試作あるいは量産に用いて好適なものであり、任意の文字や図形を彫り込んで所望の名札などを制作する二次元彫刻装置や三次元加工装置などにおいて利用することができる。
図1は、本発明による加工方法を実現する加工装置の実施の形態の一例を示す概念構成説明図である。 図2は、図1に示す加工装置の半導体レーザーの駆動を示す波形である。 図3(a)乃至図3(g)は、図1に示す加工装置によりガラスを加工する場合の動作を模式的に示す説明図であり、図3(a)は、静置された第1材料ならびに第2材料を示す一部断面斜視説明図であり、図3(b)は、図3(a)に示すD−D線断面図に対応する説明図であり、図3(c)は、レーザー光の1回目の照射が行われた状態を模式的に示す斜視説明図であり、図3(d)は、図3(c)の一部拡大断面説明図であり、図3(e)は、レーザー光の2回目の照射が行われた状態を模式的に示す斜視説明図であり、図3(f)は、図3(e)の一部拡大断面説明図であり、図3(g)は加工されたガラスを示す説明図である。 図4は、本発明による加工方法による加工結果の一例を示す表である。
符号の説明
10 加工装置
12 テーブル
14 レーザー・ヘッド
20 マイクロ・コンピューター
30 第1材料
30a,30b 表面
40 第2材料
40a 上面

Claims (8)

  1. レーザー光に対して透明な第1の材料と前記レーザー光を吸収して溶解する第2の材料とを、前記第1の材料と前記第2の材料の接触面が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、
    前記第1の段階によって前記第2の材料の接触面に隙間なく緊密に接触している前記第1の材料の接触面の背面側の面から、前記レーザー光を入射し、前記第1の材料を透過した前記レーザー光を前記第2の材料の接触面に集光させて、前記第2の材料の接触面の前記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、該溶解した前記第2の材料を前記第1の材料の接触面に局所的に密着する第2の段階と、
    前記第1の材料の接触面の背面側の面から前記レーザー光を入射し、前記第1の材料を透過した前記レーザー光を、前記第2の段階によって前記第2の材料と前記第1の材料とが局所的に密着された領域に集光する第3の段階と
    を有することを特徴とする加工方法。
  2. 請求項1に記載の加工方法において、
    前記第2の材料は、前記第2の段階において前記第2の材料の接触面に集光したレーザー光を貫通させない厚みを有するものである
    ことを特徴とする加工方法。
  3. レーザー光に対して透明なガラスと前記レーザー光を吸収して溶解するゴムとを、前記ガラスと前記ゴムの接触面が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、
    前記第1の段階によって前記ゴムの接触面に隙間なく緊密に接触している前記ガラスの接触面の背面側の面から、前記レーザー光を入射し、前記ガラスを透過した前記レーザー光を前記ゴムの接触面に集光させて、前記ゴムの接触面の前記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、該溶解した前記ゴムを前記ガラスの接触面に局所的に密着する第2の段階と、
    前記ガラスの接触面の背面側の面から前記レーザー光を入射し、前記ガラスを透過した前記レーザー光を、前記第2の段階によって前記ゴムと前記ガラスとが局所的に密着された領域に集光して、前記レーザー光によって前記ゴムが加熱された熱を前記ゴムと密着している前記ガラスの接触面に作用させて、前記ガラスの接触面を加工する第3の段階と
    を有することを特徴とする加工方法。
  4. レーザー光に対して透明なガラスと前記レーザー光を吸収して溶解するゴムとを、前記ガラスと前記ゴムの接触面が隙間なく緊密に接触するようにして静置する第1の段階と、
    前記第1の段階によって前記ゴムの接触面に隙間なく緊密に接触している前記ガラスの接触面の背面側の面から、前記レーザー光を入射し、前記ガラスを透過した前記レーザー光を前記ゴムの接触面に集光させて、前記ゴムの接触面の前記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、該溶解した前記ゴムを前記ガラスの接触面に局所的に密着する第2の段階と、
    前記ガラスの接触面の背面側の面から前記レーザー光を入射し、前記ガラスを透過した前記レーザー光を、前記第2の段階によって前記ゴムと前記ガラスとが局所的に密着された領域に集光して、前記レーザー光によって前記ゴムと前記ガラスとが局所的に密着された領域を加熱して、前記ゴムを加工する第3の段階と
    を有することを特徴とする加工方法。
  5. 請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の加工方法において、
    前記第2の段階で前記レーザー光が前記ゴムの接触面において集光位置を変化させる軌跡と、前記第3の段階で前記レーザー光が前記ゴムと前記ガラスとが局所的に密着された領域において集光位置を変化させる軌跡とは、同一であり、かつ、加工するパターンに応じたものである
    ことを特徴とする加工方法。
  6. 請求項5に記載の加工方法において、
    前記第2の段階と前記第3の段階とを一連して生起させるエネルギーが供給されるように前記レーザー光を前記ガラスの接触面の背面側の面から入射する
    ことを特徴とする加工方法。
  7. 請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の加工方法において、
    前記ガラスは石英ガラスである
    ことを特徴とする加工方法。
  8. レーザー光に対して透明な第1の材料と前記レーザー光を吸収して溶解する第2の材料とを、前記第1の材料の接触面と前記第2の材料の接触面とが隙間なく緊密に接触するようにして静置する加工用テーブルと、
    前記加工用テーブルに静置された前記第1の材料の前記第2の材料の接触面に隙間なく緊密に接触している前記接触面の背面側の面から、前記レーザー光が入射するようにして前記レーザー光を出射するレーザー・ヘッドと、
    前記レーザー・ヘッドと前記加工用テーブルに静置された前記第1の材料ならびに前記第2の材料との相対的な位置関係を三次元方向で変化させる駆動手段と、
    加工するパターンを示す加工用データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記加工用データに従って、前記レーザー・ヘッドから出射される前記レーザー光の集光位置を変化させ、前記第1の材料の接触面の背面側の面から、前記レーザー光を入射し、前記第1の材料を透過した前記レーザー光を前記第2の材料の接触面に集光させて、前記第2の材料の接触面の前記レーザー光が集光した領域を局所的に加熱して溶解し、該溶解した前記第2の材料を前記第1の材料の接触面に局所的に密着する第1の工程と、前記第1の材料の接触面の背面側の面から前記レーザー光を入射し、前記第1の材料を透過した前記レーザー光を、前記第1の工程によって前記第2の材料と前記第1の材料とが局所的に密着された領域に集光する第2の工程とを生起するように前記レーザー・ヘッドからの前記レーザー光の出射を制御する制御手段と
    を有することを特徴とする加工装置。
JP2005016918A 2005-01-25 2005-01-25 加工方法および加工装置 Pending JP2006205178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016918A JP2006205178A (ja) 2005-01-25 2005-01-25 加工方法および加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016918A JP2006205178A (ja) 2005-01-25 2005-01-25 加工方法および加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006205178A true JP2006205178A (ja) 2006-08-10

Family

ID=36962552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005016918A Pending JP2006205178A (ja) 2005-01-25 2005-01-25 加工方法および加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006205178A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105562952A (zh) * 2016-02-29 2016-05-11 深圳市创鑫激光股份有限公司 一种激光器监控系统
JP2016112584A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 ポリプラスチックス株式会社 透明樹脂成形品へのマーキング方法
CN110196275A (zh) * 2019-05-15 2019-09-03 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种用于激光剥蚀系统的高温实时样品池及其检测方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016112584A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 ポリプラスチックス株式会社 透明樹脂成形品へのマーキング方法
CN105562952A (zh) * 2016-02-29 2016-05-11 深圳市创鑫激光股份有限公司 一种激光器监控系统
CN110196275A (zh) * 2019-05-15 2019-09-03 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种用于激光剥蚀系统的高温实时样品池及其检测方法
CN110196275B (zh) * 2019-05-15 2022-04-05 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种用于激光剥蚀系统的高温实时样品池及其检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5727433B2 (ja) 超短パルスレーザでの透明材料処理
JP3001816B2 (ja) Nd:YAGレーザを使用するガラス上へのレーザスクライビング
JP5522881B2 (ja) 材料を接合するための方法
JP6005125B2 (ja) 超短パルスレーザでの透明材料処理
CN108971775B (zh) 一种用于金属的激光打孔方法及设备
KR970058838A (ko) 레이저 가공방법 및 레이저 가공 장치
JP2005179154A (ja) 脆性材料の割断方法およびその装置
KR20140128866A (ko) 레이저 가공방법
JPH11348132A (ja) レ−ザ溶着方法及びレ−ザ溶接装置
JP2010138046A (ja) 被割断材の加工方法および加工装置
JP6466369B2 (ja) 超短パルスレーザでの透明材料処理
JP2006205178A (ja) 加工方法および加工装置
JP2010184490A (ja) レーザ光線による樹脂溶着方法とレーザ光線による樹脂溶着装置
KR101401486B1 (ko) 레이저 가공방법
JP2007301672A (ja) 透明材料の加工方法及び加工装置
JP2007261115A (ja) レーザ溶着装置
CN115229334A (zh) 旋转式选区表面处理激光加工系统及加工方法
JPH0366488A (ja) レーザ穴明け方法
JP2012035306A (ja) レーザ加工方法とその装置
JP4584683B2 (ja) レーザ溶接用集光ヘッド
JPH01104493A (ja) レーザ加工機
JP2001239384A (ja) レーザ切断方法およびその装置
CN213972633U (zh) 一种用于微流道激光焊接的透光板结构
JP2001062574A (ja) 微細加工装置
JP2008255400A (ja) 金属表面加工方法