JP2006202867A - 領域分割装置、パターン描画装置、領域分割方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】各頂点における内角が90度または270度となる多角形領域を、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ複数の矩形領域に効率よく分割する新規な手法を提供する。
【解決手段】注目辺検出部52では多角形領域から、両端のそれぞれに位置する頂点における内角が90度となる注目辺が検出され、候補矩形領域取得部53により注目辺を一辺としつつ、隣接する辺の長さを複数通りに変更した複数の候補矩形領域が取得される。矩形領域決定部54により、各候補矩形領域が多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の優先度を高くしつつ複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定される。矩形領域の抽出後の残りの多角形領域に対して上記処理を繰り返すことにより、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ多角形領域を複数の矩形領域に効率よく分割することができる。
【選択図】図3
【解決手段】注目辺検出部52では多角形領域から、両端のそれぞれに位置する頂点における内角が90度となる注目辺が検出され、候補矩形領域取得部53により注目辺を一辺としつつ、隣接する辺の長さを複数通りに変更した複数の候補矩形領域が取得される。矩形領域決定部54により、各候補矩形領域が多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の優先度を高くしつつ複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定される。矩形領域の抽出後の残りの多角形領域に対して上記処理を繰り返すことにより、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ多角形領域を複数の矩形領域に効率よく分割することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割する技術、および、基板上にパターンを描画するパターン描画装置に関する。
半導体基板(以下、「基板」という。)に電子ビームを照射して回路パターンを描画するパターン描画装置では、基板に描画されるパターンを示す多角形の領域が主に複数の矩形領域に分割され、分割後の複数の領域に合わせて電子ビームの断面形状を変更しつつ描画が行われる。
多角形領域を複数の矩形領域に分割する手法として、例えば、特許文献1では多角形領域の各頂点から互いに直交する2つの方向に伸びる線分を分割線として設け、各分割線とこの分割線に同一直線上にて繋がる辺とをつなぎ合わせた線分の垂直二等分線を新たに追加される分割線としてさらに設け、これらの分割線により分割される領域を適宜結合することにより多角形領域を複数の矩形領域に分割する技術が開示されている。また、特許文献2では多角形領域の各頂点から互いに直交する2つの方向に伸びる分割線を設け、所定の幅未満の間隔にて互いに対向する1対の分割線が存在する場合に、これらの分割線に直交する新たな分割線を設けることにより、分割後の複数の矩形領域を取得する技術が提案されている。特許文献3では多角形領域の各頂点から所定の水平方向および垂直方向に伸びる分割線を設け、各分割線を所定の評価関数を用いて評価することにより利用する分割線を決定して多角形領域を複数の矩形領域に分割する技術が開示されている。
なお、特許文献4では描画されるパターンを示す多角形領域において高精度な描画が要求される部分を予め分離することにより、当該部分が微小な辺を含む矩形領域に分割されることを防止する技術が開示されている。
特開2003−59795号公報
特開2004−152880号公報
特開平9−246158号公報
特開平8−306608号公報
ところで、一般的には、微小な辺を含む矩形領域が発生しないように多角形領域を分割することにより、パターン描画装置における描画精度の向上が図られるが、特許文献3のように多角形領域の各頂点を通る分割線のみを利用する手法では、分割後の矩形領域において微小な辺を含むものが発生する可能性が高くなる。また、特許文献1および2の手法では、各頂点を通る分割線に直交する分割線が多角形領域の全体にわたって設けられるため、分割後の矩形領域の個数が不必要に増加する場合がある。したがって、微小な辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ、分割数が不必要に増加しない新規な手法が求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ、多角形領域を複数の矩形領域に効率よく分割する新規な手法を提供することを主たる目的とし、基板上にパターンを精度よく、かつ、短時間に描画することも目的としている。
請求項1に記載の発明は、各頂点における内角が90度または270度となる多角形の領域として基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割する領域分割装置であって、多角形領域の輪郭を構成する複数の辺のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における前記多角形領域の内角が90度となるものを注目辺として検出する注目辺検出手段と、前記多角形領域の内部において前記注目辺を一辺とする矩形であって前記注目辺に隣接する辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域を取得する候補矩形領域取得手段と、前記複数の候補矩形領域のそれぞれが前記多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の前記優先度を高くしつつ前記複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する矩形領域決定手段と、前記抽出対象となる矩形領域を前記多角形領域から抽出した後の残りの多角形領域に対して、前記注目辺検出手段、前記候補矩形領域取得手段および前記矩形領域決定手段による抽出対象となる矩形領域の決定を繰り返す全体制御手段とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の領域分割装置であって、前記注目辺検出手段が、複数の注目辺を検出し、前記候補矩形領域取得手段が、前記複数の注目辺のそれぞれに対して前記複数の候補矩形領域を取得し、前記矩形領域決定手段が、取得された全ての候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の領域分割装置であって、前記矩形領域決定手段が、各候補矩形領域の面積または扁平率にも基づいて前記抽出対象となる矩形領域を決定する。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の領域分割装置であって、前記矩形領域決定手段が、各候補矩形領域における前記注目辺と対向する辺の両端が、前記多角形領域の内角が270度となる頂点と重なる場合に優先度を高くしつつ前記抽出対象となる矩形領域を決定する。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の領域分割装置であって、前記矩形領域決定手段が、それぞれが異なる注目辺から導かれるとともに互いに重ならない複数の抽出対象となる矩形領域を決定する。
請求項6に記載の発明は、基板上にパターンを描画するパターン描画装置であって、請求項1ないし5のいずれかに記載の領域分割装置と、基板を保持するステージと、基板に向けて描画用のエネルギービームを出射するビーム出射部と、前記領域分割装置の前記矩形領域決定手段において決定された抽出対象となる各矩形領域に合わせて基板上に照射される前記エネルギービームの断面形状を変更するビーム形状変更機構とを備える。
請求項7に記載の発明は、各頂点における内角が90度または270度となる多角形の領域として基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割する領域分割方法であって、多角形領域の輪郭を構成する複数の辺のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における前記多角形領域の内角が90度となるものを注目辺として検出する注目辺検出工程と、前記多角形領域の内部において前記注目辺を一辺とする矩形であって前記注目辺に隣接する辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域を取得する候補矩形領域取得工程と、前記複数の候補矩形領域のそれぞれが前記多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の前記優先度を高くしつつ前記複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する矩形領域決定工程と、前記抽出対象となる矩形領域を前記多角形領域から抽出した後の残りの多角形領域に対して、前記注目辺検出工程、前記候補矩形領域取得工程および前記矩形領域決定工程を繰り返す工程とを備える。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、各頂点における内角が90度または270度となる多角形の領域として基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割させるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、多角形領域の輪郭を構成する複数の辺のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における前記多角形領域の内角が90度となるものを注目辺として検出する注目辺検出工程と、前記多角形領域の内部において前記注目辺を一辺とする矩形であって前記注目辺に隣接する辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域を取得する候補矩形領域取得工程と、前記複数の候補矩形領域のそれぞれが前記多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の前記優先度を高くしつつ前記複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する矩形領域決定工程と、前記抽出対象となる矩形領域を前記多角形領域から抽出した後の残りの多角形領域に対して、前記注目辺検出工程、前記候補矩形領域取得工程および前記矩形領域決定工程を繰り返す工程とを実行させる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のプログラムであって、前記注目辺検出工程において、複数の注目辺が検出され、前記候補矩形領域取得工程において、前記複数の注目辺のそれぞれに対して前記複数の候補矩形領域が取得され、前記矩形領域決定工程において、取得された全ての候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定される。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のプログラムであって、前記矩形領域決定工程において、それぞれが異なる注目辺から導かれるとともに互いに重ならない複数の抽出対象となる矩形領域が決定される。
請求項1ないし5並びに請求項7ないし10の発明では、基板に描画されるパターンを示す多角形領域を、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ複数の矩形領域に効率よく分割することができる。
また、請求項2および9の発明では、多角形領域をより好ましい形状の矩形領域に分割することができ、請求項4の発明では、多角形領域の分割数を減少させることができる。
また、請求項5および10の発明では、領域分割に係る処理の高速化を図ることができる。
請求項6の発明では、基板上にパターンを精度よく、かつ、短時間に描画することができる。
図1は本発明の一の実施の形態に係るパターン描画装置1の全体構成を示す図である。パターン描画装置1は、描画用の電子ビームを出射するヘッド部2、半導体の基板9を保持するステージ3、ヘッド部2に対してステージ3を相対的に移動させるステージ駆動部31、並びに、ヘッド部2およびステージ駆動部31に接続されたコンピュータ4を備え、コンピュータ4はパターン描画装置1の各構成の制御を担う。
ヘッド部2は基板9に向けて電子ビームを出射するビーム出射部21、および、電子ビームを基板9へと導く光学ユニット22を有し、光学ユニット22は電子ビームの断面形状を変更するビーム形状変更部221、電子ビームを偏向する偏向部222、および、電子ビームを収束させつつ基板9に導く対物レンズ部223を有する。
ビーム出射部21より出射された電子ビームは、ビーム形状変更部221において複数のアパーチャにより光束断面が所望の形状(例えば、様々な矩形や三角形)に成形され、偏向部222により主走査(基板9上の所定の領域間の走査)および副走査(領域内の走査)の偏向を受ける。その後、電子ビームは対物レンズ部223により基板9上に収束され、基板9上に描画が行われる。なお、ビーム形状変更部221、偏向部222および対物レンズ部223の配置は上記例に限定されず、各構成の順序や各構成の一部分の配置が適宜変更されてよい。
ステージ駆動部31はステージ3を図1中のX方向に移動するX方向移動機構32、および、Y方向に移動するY方向移動機構33を有する。X方向移動機構32はモータ321にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ321が回転することにより、Y方向移動機構33がガイドレール322に沿って図1中のX方向に移動する。Y方向移動機構33もX方向移動機構32と同様の構成となっており、モータ331が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール332に沿ってY方向に移動する。
コンピュータ4は、図2に示すように、各種演算処理を行うCPU41、基本プログラムを記憶するROM42および各種情報を記憶するRAM43をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定ディスク44、各種情報の表示を行うディスプレイ45、操作者からの入力を受け付けるキーボード46aおよびマウス46b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8から情報の読み取りを行う読取装置47、並びに、ヘッド部2やステージ駆動部31に制御信号を送り出す通信部48が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
コンピュータ4には、事前に読取装置47を介して記録媒体8からプログラム441が読み出され、固定ディスク44に記憶される。そして、プログラム441がRAM43にコピーされるとともにCPU41がRAM43内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ4が基板9に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割する装置としての動作を行う。
図3は、CPU41がプログラム441に従って動作することにより、CPU41、ROM42、RAM43、固定ディスク44等が実現する機能構成を示すブロック図である。図3において領域分割部5(三角形除去部51、注目辺検出部52、候補矩形領域取得部53、矩形領域決定部54、全体制御部55)がCPU41等により実現される機能を示す。なお、これらの機能は専用の電気的回路により実現されてもよく、部分的に専用の電気的回路が用いられてもよい。
パターン描画装置1による描画が行われる際には、基板9に描画されるとともに、後述する処理により複数の領域へと分割される多角形の領域のパターンを示すデータ(以下、「初期多角形データ」という。)がキーボード46aや読取装置47等を介して作業者により固定ディスク44に予め記録される。初期多角形データは固定ディスク44から領域分割部5へと出力され、領域分割部5の処理により描画対象のパターンが複数の矩形領域(および三角形領域)に分割され、分割領域データが生成される。
コンピュータ4はステージ駆動部31を制御して基板9上の1つの半導体チップに相当する部分をヘッド部2の真下に移動させ、ヘッド部2が分割領域データが示す矩形領域(または、三角形領域)に合わせて基板9上に照射される電子ビームの断面形状を変更しつつ1つのチップの所定の領域内に描画を行う。
図4は、領域分割部5が、基板9に描画されるパターンを示す多角形の領域を複数の領域に分割する処理の流れを示す図である。まず、固定ディスク44に記憶されている初期多角形データが領域分割部5へと出力されて受け付けられる(ステップS11)。ここで、初期多角形データが示す初期の多角形の領域では、通常、各頂点における内角が90度、135度、225度または270度とされ、この多角形の領域の輪郭を構成する各辺は、所定の水平線とのなす角が0度、45度、90度または135度となる。三角形除去部51では、水平線とのなす角が0度および90度以外(ここでは、45度または135度)となる辺が特定され、初期の多角形の領域の内部において特定された各辺を斜辺とする直角(二等辺)三角形が設定される。そして、初期の多角形の領域からこの直角三角形の領域が除去されて、各頂点における内角が90度または270度となる修正済みの多角形領域が取得される(ステップS12)。
なお、初期の多角形の領域において、水平線とのなす角が0度、45度、90度または135度以外となる辺が存在していてもよく、この場合、上記と同様に、水平線とのなす角が0度および90度以外となる辺を斜辺とする直角三角形の領域が多角形の領域から除去される。また、初期の多角形の領域において全ての頂点における内角が90度または270度である(すなわち、各辺の水平線とのなす角が0度または90度である)場合には、ステップS12はスキップされる。以下の説明において、単に「多角形領域」という場合は、各頂点における内角が90度または270度となる修正済みの多角形領域を指すものとする。
図5は多角形領域6の一例を示す図である。図5の多角形領域6では、各頂点における内角が90度または270度となっている。
注目辺検出部52では、図5の多角形領域6の輪郭を構成する複数の辺(以下、「輪郭辺」という。)のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における多角形領域の内角が90度となる4個の辺(図5中にて太線にて示す。)が注目辺61,62,63,64として検出される(ステップS13)。すなわち、巨視的に見た場合に、多角形領域において外側に突出する(「コ」の字状の)部分の先端部に相当する輪郭辺が注目辺61〜64として検出される。
続いて、候補矩形領域取得部53では、多角形領域6の内部において各注目辺61〜64を一辺とする矩形であって、この注目辺61〜64に隣接する2つの辺(以下、「隣接辺」とも呼ぶ。)の長さが複数通りに変更された複数の候補矩形領域が取得される(ステップS14)。図5では、候補矩形領域において注目辺に対向する辺(以下、「対向辺」という。)の近傍のみを破線にて図示することにより、注目辺61に対して取得される候補矩形領域611〜616を示している。
ここで、隣接辺の長さを決定する基準としては様々なものが採用される。図6.Aないし図6.Dは、図5の多角形領域6とは異なる形状の多角形領域を例示しながらこの基準を説明するための図である。図6.Aの多角形領域において太線にて示す注目辺60では、これに隣接する2つの輪郭辺60a,60bのうち短いほうの輪郭辺60aがそのまま隣接辺とされることにより、図6.A中において平行斜線を付す1つの候補矩形領域が取得される。図6.Bに示す多角形領域において太線にて示す注目辺60では、これに隣接する2つの輪郭辺60a,60bのうち長い方の輪郭辺60bがそのまま隣接辺とされることにより、図6.B中において平行斜線を付す1つの候補矩形領域が取得される。図6.Cに示す多角形領域において太線にて示す注目辺60では、これに隣接する2つの輪郭辺60a,60bのうち長い方の輪郭辺60bから短い方の輪郭辺60aに対向する部分を除いた残りの線分の中央T1と(このとき、図6.C中の距離D1と距離D2とが等しい。)、注目辺60の一端とを結ぶ線分が隣接辺とされることにより、図6.C中において平行斜線を付す1つの候補矩形領域が取得される。図6.Dに示す多角形領域において太線にて示す注目辺60では、これに隣接する2つの輪郭辺60a,60bを多角形領域の内側に向かって伸ばした場合に、他の輪郭辺と交わるまでの部分が隣接辺とされることにより、図6.D中において平行斜線を付す1つの候補矩形領域が取得される。
図5に示す多角形領域6では、注目辺61の候補矩形領域611は図6.Aの候補矩形領域と同じ基準にて取得されたものであり、候補矩形領域616は図6.Bの候補矩形領域に対応するものである。候補矩形領域614は、図6.Cの候補矩形領域と同じ基準にて取得されたものであり、図5中において距離D3と距離D4とが等しい。なお、多角形領域6の注目辺61では図6.Dに示す候補矩形領域に対応するものは存在しない。
また、候補矩形領域612は、隣接辺が最小長さとして予め定められた長さとされることにより取得される領域である。候補矩形領域613は、注目辺61の長さと隣接辺の長さとを乗じて得られる面積が、最小面積として予め定められた値となるように隣接辺が設けられることにより取得される領域である。これに対して、候補矩形領域615は、注目辺61について考えられる最大の候補矩形領域616からこの候補矩形領域615を除いた場合における残りの矩形の面積が最小面積として予め定められた値となるようにして取得される領域である。したがって、図5中において距離D5と距離D6とは等しい。このように、複数の候補矩形領域のそれぞれにおける隣接辺の長さは所定の基準により決定される。
複数の候補矩形領域が取得されると、矩形領域決定部54では各候補矩形領域に対して得点が算出される(ステップS15)。例えば、図7.Aに例示する多角形領域において、平行斜線を付して示す候補矩形領域に対する得点が算出される際には、仮に多角形領域からこの候補矩形領域を抽出した場合に影響が生じる辺71a,71b,71c,71d(図7.A中において太線にて示す辺)が特定される。ここで、影響が生じる辺とは、この候補矩形領域に隣接する輪郭辺(この候補矩形領域が抽出されることにより以降の候補矩形領域の抽出により長さが伸びることがない輪郭辺、あるいは、この候補矩形領域の抽出により長さが変化する輪郭辺)や、この候補矩形領域の抽出により新しく発生する辺をいう。また、図7.Bに例示する多角形領域において平行斜線を付して示す候補矩形領域については、符号71e,71f,71gを付す太線にて示す辺がそれぞれ影響が生じる辺とされる。そして、各候補矩形領域に対して、影響が生じるk個の辺の長さをそれぞれLi(ただし、iは1からkまでの整数)とし、注目辺の長さをWとし、隣接辺の長さ(注目辺を底辺とした場合における候補矩形領域の高さに相当する。)をHとし、候補矩形領域の面積をAとして、得点Scoreが数1により求められる。なお、数1において、Lthは予め定められた最小長さであり、Athは予め定められた最小面積であり、Rthは扁平率についての予め定められた閾値であり、CRは所定の正の係数である。
数1の右辺第1項では、影響が生じる辺のうち長さが最小長さLth未満のもの(以下、最小長さLth未満の辺を「微小辺」という。)が存在する場合にのみ負の値となり、他の場合は0となる。すなわち、各候補矩形領域が多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、微小辺が発生する場合に得点Scoreが低くなる。また、右辺第2項では注目辺の長さWが最小長さLth未満である場合にのみ負の値となり、右辺第3項では隣接辺の長さHが最小長さLth未満である場合にのみ負の値となり、双方共に他の場合は0となる。すなわち、各候補矩形領域が微小辺を含む場合に得点Scoreが低くなる。さらに、右辺第4項では、候補矩形領域の面積が最小面積Ath未満である場合にのみ負の値となり、右辺第5項では、注目辺と隣接辺との長さの比が閾値Rthより小さい場合にのみ負の値となる。このように、各候補矩形領域が多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域およびこの候補矩形領域自体における微小辺の存在、並びに、この候補矩形領域の面積および扁平率に基づいて、数1により値が0以下の得点Scoreが算出される。
矩形領域決定部54では、複数の候補矩形領域のうち得点Scoreが0となるものが選択され、選択された候補矩形領域(ただし、得点Scoreが0となるものが存在しない場合には、全ての候補矩形領域)に対して以下の演算がさらに行われる。まず、多角形領域の全体の面積をAallとし、候補矩形領域の面積をAとし、所定の正の係数をCAとして、得点Scoreに加算される値α1が数2により算出される。
続いて、多角形領域の輪郭を構成する複数の輪郭辺のうち、長さが最小長さ未満となる微小辺であって、候補矩形領域が多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において消滅するもの(すなわち、長さが0となるもの、および、長さが最小長さ以上となるものであり、以下、「消滅微小辺」という。)の個数が特定される。例えば、図7.Aの候補矩形領域については、符号72aを付す矢印にて示す輪郭辺が消滅微小辺となる。また、図7.Bの候補矩形領域については、符号72b,72cを付す矢印にてそれぞれ示す2つの輪郭辺が消滅微小辺となる。そして、消滅微小辺の個数をNsとし、所定の正の係数をCgdとして得点Scoreに加算される値α2が数3により算出される。
これにより、各候補矩形領域が多角形領域から抽出された後の残りの多角形領域において微小辺が消滅する場合に得点Scoreが高くなる。矩形領域決定部54では、さらに、注目辺に隣接する2つの輪郭辺の長さが互いに等しい場合には、この注目辺に基づく候補矩形領域であって隣接辺の長さが輪郭辺に等しくされるもの、すなわち、対向辺の両端が多角形領域の内角が270度となる頂点と重なる候補矩形領域については、所定の正の値α3がさらに加算されて得点Scoreが高くされる。このようにして、各候補矩形領域に対して得点が算出される。
続いて、矩形領域決定部54では、取得された全ての候補矩形領域から得点に基づいて抽出対象となる矩形領域が決定される(ステップS16)。図8は、複数の候補矩形領域から抽出対象の矩形領域が決定される様子を説明するための図であり、図5の多角形領域6に対して取得された全ての候補矩形領域を示す図である。図8では、説明の便宜上、各注目辺61〜64において図5中の候補矩形領域611,612,614,616に対応する候補矩形領域のみを図示している。すなわち、候補矩形領域621,631,641は候補矩形領域611に対応し、候補矩形領域622,632,642は候補矩形領域612に対応し、候補矩形領域644は候補矩形領域614に対応し、候補矩形領域646は候補矩形領域616に対応する。なお、注目辺62,63において、候補矩形領域614,616に対応する候補矩形領域は存在しない。また、図8中に符号91を付す矢印にて示すように、注目辺62に平行な方向を以下の説明において「水平方向」と呼ぶ。
抽出対象の矩形領域が決定される際には、図8中の水平方向91に沿って多角形領域6の左側から右側に向かって移動するとともに水平方向91に垂直な走査線が想定され(いわゆる、平面走査が行われ)、この走査線上において候補矩形領域の選択が行われる。具体的には、図8の中の符号P1を付す矢印にて示す位置へと走査線が移動すると、注目辺61に基づく候補矩形領域611,612,614,616、および、注目辺62に基づく候補矩形領域621,622が走査線上に位置するとともに互いに重なるため、これらの候補矩形領域の得点が比較される。ここでは、注目辺および隣接辺が最小長さより大きく、影響が生じる辺に微小辺が存在せず、さらには、1つの消滅微小辺が発生する候補矩形領域614が最高得点とされ、これ以外の候補矩形領域611,612,616,621,622は削除される(すなわち、候補から抹消される。)。
続いて、走査線が符号P2を付す位置へと到達すると、注目辺63に基づく候補矩形領域631,632、注目辺64に基づく候補矩形領域646、および、残存する候補矩形領域614が走査線上に位置することとなる。このとき、候補矩形領域614は他の候補矩形領域631,632,646とは重ならないためそのままとされ、互いに重なる候補矩形領域631,632,646の間で得点が比較され、候補矩形領域632が最高得点とされて候補矩形領域631,646が削除される。走査線が符号P3を付す位置に移動すると、注目辺64に基づく候補矩形領域644と残存する候補矩形領域632とが比較され、候補矩形領域614と同様の理由により高得点である候補矩形領域644が残り、候補矩形領域632は削除される。走査線がさらに移動した位置にて、注目辺64に基づく候補矩形領域642と候補矩形領域644とが比較され、候補矩形領域642が削除される。
そして、走査線が符号P4を付す位置に移動すると、互いに重なる候補矩形領域641と候補矩形領域644とが比較されて候補矩形領域641が削除され、最終的に候補矩形領域614,644が残存し、抽出対象の矩形領域として決定される。このように、各候補矩形領域に対する得点は、複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する際における優先度を示すものとして扱われ、これにより、それぞれが異なる注目辺61,64から導かれるとともに、互いに重ならない複数の候補矩形領域614,644がそれぞれ複数の抽出対象となる矩形領域として決定される。なお、矩形領域決定部54において、最低得点を示す閾値(例えば、0)が設定され、走査線を利用した比較を行う前に、あるいは、比較により複数の候補矩形領域が残存した際に、閾値未満の得点となる候補矩形領域が抽出対象となる矩形領域の候補から除外されてもよい(ただし、得点が閾値以上となる候補矩形領域がない場合を除く。)。
全体制御部55では、抽出対象となる矩形領域として決定された候補矩形領域614,644が多角形領域6から抽出された後(ステップS17)、図9に示すように多角形領域6Aが残ることが確認され(ステップS18)、多角形領域6Aにおいて、太線にて示すように4個の注目辺61A〜64Aが検出される(ステップS13)。そして、多角形領域6の内部において各注目辺61A〜64Aに対して隣接辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域が取得される(ステップS14)。なお、図9の抽出後の多角形領域6Aでは、注目辺61Aに基づく最大の候補矩形領域611A、および、注目辺63Aに基づく最大の候補矩形領域631Aのみを図示している。また、実際にはこれらの候補矩形領域611A,631Aは接するが、図示の都合上、僅かに隙間を設けて示している。
候補矩形領域取得部53では、各候補矩形領域に対して得点が算出され(ステップS15)、得点に基づいて抽出対象の矩形領域が決定される(ステップS16)。このとき、候補矩形領域611A,631Aの双方が同じ得点であって、複数の候補矩形領域のうちの最高得点とされるが、互いに接する候補矩形領域同士も重なるものとして取り扱われるため(この理由については後述する。)、所定の基準に基づいて1つの候補矩形領域(例えば、候補矩形領域611A)が抽出対象となる矩形領域として決定され、多角形領域6Aから抽出される(ステップS17)。全体制御部55では、抽出後の残りの多角形領域(すなわち、図9中の候補矩形領域631Aに相当する領域)が存在すると判断することにより(ステップS18)、この領域に対して、注目辺検出部52、候補矩形領域取得部53および矩形領域決定部54による抽出対象となる矩形領域の決定を繰り返させ(ステップS13〜S16)、得点に基づいてこの領域の全体である候補矩形領域が抽出対象となる矩形領域として決定されて抽出される(ステップS17)。そして、抽出後の残りの多角形領域が存在しないと判断されると(ステップS18)、ステップS12にて除外された三角形の領域、および、抽出された複数の矩形領域の組合せが分割領域データとして出力されて固定ディスク44(または、RAM43)にて記憶され(ステップS19)、基板9上へのパターンの描画に利用される。
以上のように、コンピュータ4により実現される領域分割部5では、各頂点における内角が90度または270度となる多角形領域において外側に突出する部分の先端部である注目辺が検出され、注目辺に対して複数の候補矩形領域が取得される。ここで、多角形領域の頂点から分割線を生成する一般的な手法により、図5に示す多角形領域を分割する際には、図10.Aおよび図10.Bにて平行斜線を付して示すように、微小辺を有する矩形領域が発生してしまう。これに対し、領域分割部5では、注目辺を一辺とする矩形であって隣接辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域が取得され、各候補矩形領域を多角形領域から抽出した場合の残りの多角形領域、および、この候補矩形領域自体において微小辺が存在しないように、複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定されることにより、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ、多角形領域を複数の好ましい形状の矩形領域に容易に分割することができる。また、抽出対象となる矩形領域の対向辺や隣接辺が多角形領域を局所的に分割する線分とされるため、多角形領域の全体に亘る分割線を用いて分割後の矩形領域の個数を不必要に増加させることなく、多角形領域を効率よく分割することができる。
なお、図4のステップS13〜S18の1回の繰り返しにおいて、全ての候補矩形領域のうち最高得点の1つの候補矩形領域のみを多角形領域から抽出されてもよいが、領域分割部5ではそれぞれが異なる注目辺から導かれるとともに互いに重ならない複数の候補矩形領域を多角形領域から同時に抽出することにより、領域分割処理の高速化を図ることができる。
ところで、多角形領域において、注目辺に隣接する2つの輪郭辺の長さが等しい凸状の部分では、2つの輪郭辺の注目辺とは反対側の端部の位置に多角形領域の内角が270度となる2つの頂点がそれぞれ存在するが、分割後の矩形領域の個数を増加させないという観点では、これらの2つの頂点を結ぶ対向辺が設けられることが好ましい。したがって、矩形領域決定部54では、対向辺の両端が多角形領域の内角が270度となる頂点と重なる場合に優先度を高くしつつ抽出対象となる矩形領域が決定されることにより、多角形領域において凸状の部分のみを優先的に除去して、多角形領域の分割数を減少させることが実現される。
また、図1のパターン描画装置1では、矩形領域決定部54において抽出対象として繰り返し決定された好ましい形状の各矩形領域に合わせて断面形状を変更しつつ電子ビームが基板9上に照射されるため、基板9上にパターンを精度よく描画することができる。さらに、分割後の矩形領域の個数の増加が抑制されるため、パターンを短時間に描画することができる。
ここで、上記領域分割処理によれば、多角形領域の注目辺を検出して多角形領域において外側に突出する部分から好ましい形状の矩形領域が順次抽出されるため、万一、微小辺を含む矩形領域が抽出されたとしても、このような矩形領域は多角形領域の中央近傍に位置する(すなわち、この矩形領域が他の矩形領域に囲まれる)可能性が高くなる。一般的に、パターン描画装置では他の矩形領域に囲まれた矩形領域が微小辺を含んでいたとしても描画精度に大きな影響を与えないことが知られており、このような観点からもパターン描画装置1では、高精度な描画が実現されるといえる。
上記領域分割処理では、図5に例示した多角形領域6を複数の矩形領域に分割する処理について主に説明してきたが、分割対象の多角形領域としては様々なものが考えられる。例えば、図11に部分的に示す多角形領域の場合には、3個の注目辺65,66,67のそれぞれに基づく多数の候補矩形領域が互いに重なっている。このような場合、ステップS16では、例えば、図11の中の符号P5を付す矢印にて示す位置に走査線が移動すると、注目辺65に基づく候補矩形領域651,652,653,654から得点に基づいて1つの候補矩形領域651が残り、他の候補矩形領域652〜654が削除される。
続いて、符号P6を付す矢印にて示す位置に走査線が到達すると、候補矩形領域651、注目辺66に基づく候補矩形領域661,662,663および注目辺67に基づく候補矩形領域671が走査線上に存在することとなる。このとき、他の候補矩形領域と比較済みである候補矩形領域651が基準とされ、候補矩形領域651およびこれに重なるもの(ここでは、候補矩形領域651に接する候補矩形領域663も重なっているものとして扱う。)同士が比較され、得点に基づいて候補矩形領域651以外のものが削除される。そして、走査線が水平方向91に沿ってさらに移動して、候補矩形領域672および候補矩形領域673が候補矩形領域651と順次比較されて除去され、最終的に候補矩形領域651のみが残り、抽出対象となる矩形領域として決定される。
このように、多数の注目辺に基づく多数の候補矩形領域が互いに重なる場合であっても、得点に基づいて抽出対象となる矩形領域が適切に決定される。したがって、図12.Aに示すように比較的複雑な形状の多角形領域であっても(この場合4個の注目辺に基づく候補矩形領域が互いに重なる。)、図12.Bに示すように、微小辺を含む矩形領域の発生を抑制しつつ多角形領域を複数の好ましい形状の矩形領域601に分割することが実現される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記実施の形態において、注目辺検出部52により多角形領域から1つの注目辺のみが検出され、この注目辺に対して複数の候補矩形領域が取得されて抽出対象となる矩形領域が決定されてもよい。ただし、多角形領域をより好ましい形状の矩形領域に分割するには、注目辺検出部52により複数の注目辺が検出され、複数の注目辺のそれぞれに対して複数の候補矩形領域が取得され、取得された全ての候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定されることが好ましい。
矩形領域決定部54では、走査線を利用する手法以外の他の手法にて複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定されてもよい。例えば図13に示すように、複数の候補矩形領域681〜684が取得されている場合に(ただし、図13では、説明の便宜上、各注目辺に対して1つの候補矩形領域のみを図示している。)、まず、最高得点の候補矩形領域681が特定され、これに重なる候補矩形領域682が削除される。そして、候補矩形領域681を除く残りの候補矩形領域(すなわち、候補矩形領域681に重ならない候補矩形領域であり、図13では、候補矩形領域683,684)において、最高得点の候補矩形領域(すなわち、候補矩形領域684)が特定され、これに重なる候補矩形領域683が削除される。本手法では、上記処理が繰り返されることにより、多角形領域から同時に抽出される複数の矩形領域が決定される。なお、互いに接する複数の候補矩形領域も重なっているものとして扱うことにより、これらの候補矩形領域が同時に抽出された場合に生じる微小辺(例えば、図11中の候補矩形領域652,661が同時に抽出されると仮定した場合に発生する矢印73にて示す辺)の発生が防止されるが、領域分割処理を高速に行う場合等、必要に応じて互いに接する複数の候補矩形領域が重なっていないものとして扱われてもよい。
上記実施の形態において、矩形領域決定部54では、必ずしも数1ないし数3を利用して各候補矩形領域の得点が算出される必要はなく、例えば、図14に示す多角形領域において、平行斜線を付して示す候補矩形領域を抽出した場合における残りの多角形領域に符号74を付して示す微小な幅の部分が発生するときには、この候補矩形領域に対する得点から所定の値が減じられてもよい。さらに、候補矩形領域において正方形に近いものが加点される等してもよく、この場合においても、候補矩形領域の扁平率にも基づいて抽出対象となる矩形領域を決定するものといえる。
なお、多角形領域を複数の好ましい形状の矩形領域に効率よく分割するという観点では、各候補矩形領域が多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の優先度を高くするようにして、複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定されるのみで十分であり、より好ましい形状の矩形領域に分割する場合には、候補矩形領域の面積または扁平率にも基づく決定が行われる。
上記実施の形態において、パターン描画装置1は、いわゆる可変成形型の電子ビーム露光装置とされるが、パターン描画装置1では描画用のエネルギービームとして、電子ビーム以外に紫外線やレーザ光等が用いられてもよい。また、パターンが描画される基板9は必ずしも半導体基板である必要はなく、プリント配線基板、ガラス基板等であってもよい。
また、コンピュータ4により実現される領域分割装置としての機能は、基板上にパターンを描画する以外の用途に利用されてもよい。
1 パターン描画装置
3 ステージ
4 コンピュータ
6,6A 多角形領域
9 基板
21 ビーム出射部
52 注目辺検出部
53 候補矩形領域取得部
54 矩形領域決定部
55 全体制御部
60〜67,61A〜64A 注目辺
60a,60b 輪郭辺
72a〜72c 消滅微小辺
221 ビーム形状変更部
441 プログラム
601 矩形領域
611〜616,621,622,631,632,641,642,644,646,651〜654,661〜663,671〜673,681〜684,611A,631A 候補矩形領域
S13〜S16,S18 ステップ
3 ステージ
4 コンピュータ
6,6A 多角形領域
9 基板
21 ビーム出射部
52 注目辺検出部
53 候補矩形領域取得部
54 矩形領域決定部
55 全体制御部
60〜67,61A〜64A 注目辺
60a,60b 輪郭辺
72a〜72c 消滅微小辺
221 ビーム形状変更部
441 プログラム
601 矩形領域
611〜616,621,622,631,632,641,642,644,646,651〜654,661〜663,671〜673,681〜684,611A,631A 候補矩形領域
S13〜S16,S18 ステップ
Claims (10)
- 各頂点における内角が90度または270度となる多角形の領域として基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割する領域分割装置であって、
多角形領域の輪郭を構成する複数の辺のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における前記多角形領域の内角が90度となるものを注目辺として検出する注目辺検出手段と、
前記多角形領域の内部において前記注目辺を一辺とする矩形であって前記注目辺に隣接する辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域を取得する候補矩形領域取得手段と、
前記複数の候補矩形領域のそれぞれが前記多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の前記優先度を高くしつつ前記複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する矩形領域決定手段と、
前記抽出対象となる矩形領域を前記多角形領域から抽出した後の残りの多角形領域に対して、前記注目辺検出手段、前記候補矩形領域取得手段および前記矩形領域決定手段による抽出対象となる矩形領域の決定を繰り返す全体制御手段と、
を備えることを特徴とする領域分割装置。 - 請求項1に記載の領域分割装置であって、
前記注目辺検出手段が、複数の注目辺を検出し、
前記候補矩形領域取得手段が、前記複数の注目辺のそれぞれに対して前記複数の候補矩形領域を取得し、
前記矩形領域決定手段が、取得された全ての候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定することを特徴とする領域分割装置。 - 請求項1または2に記載の領域分割装置であって、
前記矩形領域決定手段が、各候補矩形領域の面積または扁平率にも基づいて前記抽出対象となる矩形領域を決定することを特徴とする領域分割装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の領域分割装置であって、
前記矩形領域決定手段が、各候補矩形領域における前記注目辺と対向する辺の両端が、前記多角形領域の内角が270度となる頂点と重なる場合に優先度を高くしつつ前記抽出対象となる矩形領域を決定することを特徴とする領域分割装置。 - 請求項2に記載の領域分割装置であって、
前記矩形領域決定手段が、それぞれが異なる注目辺から導かれるとともに互いに重ならない複数の抽出対象となる矩形領域を決定することを特徴とする領域分割装置。 - 基板上にパターンを描画するパターン描画装置であって、
請求項1ないし5のいずれかに記載の領域分割装置と、
基板を保持するステージと、
基板に向けて描画用のエネルギービームを出射するビーム出射部と、
前記領域分割装置の前記矩形領域決定手段において決定された抽出対象となる各矩形領域に合わせて基板上に照射される前記エネルギービームの断面形状を変更するビーム形状変更機構と、
を備えることを特徴とするパターン描画装置。 - 各頂点における内角が90度または270度となる多角形の領域として基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割する領域分割方法であって、
多角形領域の輪郭を構成する複数の辺のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における前記多角形領域の内角が90度となるものを注目辺として検出する注目辺検出工程と、
前記多角形領域の内部において前記注目辺を一辺とする矩形であって前記注目辺に隣接する辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域を取得する候補矩形領域取得工程と、
前記複数の候補矩形領域のそれぞれが前記多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の前記優先度を高くしつつ前記複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する矩形領域決定工程と、
前記抽出対象となる矩形領域を前記多角形領域から抽出した後の残りの多角形領域に対して、前記注目辺検出工程、前記候補矩形領域取得工程および前記矩形領域決定工程を繰り返す工程と、
を備えることを特徴とする領域分割方法。 - コンピュータに、各頂点における内角が90度または270度となる多角形の領域として基板に描画されるパターンを示す多角形領域を複数の矩形領域に分割させるプログラムであって、前記プログラムのコンピュータによる実行は、前記コンピュータに、
多角形領域の輪郭を構成する複数の辺のうち、両端のそれぞれに位置する頂点における前記多角形領域の内角が90度となるものを注目辺として検出する注目辺検出工程と、
前記多角形領域の内部において前記注目辺を一辺とする矩形であって前記注目辺に隣接する辺の長さを所定の基準にて複数通りに変更した複数の候補矩形領域を取得する候補矩形領域取得工程と、
前記複数の候補矩形領域のそれぞれが前記多角形領域から抽出された場合の残りの多角形領域において、少なくとも微小辺の発生する場合の優先度を低くし、微小辺が消滅する場合の前記優先度を高くしつつ前記複数の候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域を決定する矩形領域決定工程と、
前記抽出対象となる矩形領域を前記多角形領域から抽出した後の残りの多角形領域に対して、前記注目辺検出工程、前記候補矩形領域取得工程および前記矩形領域決定工程を繰り返す工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項8に記載のプログラムであって、
前記注目辺検出工程において、複数の注目辺が検出され、
前記候補矩形領域取得工程において、前記複数の注目辺のそれぞれに対して前記複数の候補矩形領域が取得され、
前記矩形領域決定工程において、取得された全ての候補矩形領域から抽出対象となる矩形領域が決定されることを特徴とするプログラム。 - 請求項9に記載のプログラムであって、
前記矩形領域決定工程において、それぞれが異なる注目辺から導かれるとともに互いに重ならない複数の抽出対象となる矩形領域が決定されることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005011139A JP2006202867A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 領域分割装置、パターン描画装置、領域分割方法およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006202867A true JP2006202867A (ja) | 2006-08-03 |
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ID=36960609
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JP2005011139A Abandoned JP2006202867A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 領域分割装置、パターン描画装置、領域分割方法およびプログラム |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006202867A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62162329A (ja) * | 1986-10-09 | 1987-07-18 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 電子ビ−ム露光における図形分割方法 |
JPH05166706A (ja) * | 1991-12-18 | 1993-07-02 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電ビーム描画データ作成方法 |
JPH08306608A (ja) * | 1995-04-28 | 1996-11-22 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電ビーム描画データ作成方法およびその作成装置 |
JPH09246158A (ja) * | 1996-03-08 | 1997-09-19 | Mitsubishi Electric Corp | 可変成形型電子ビーム露光のための台形分割方法 |
-
2005
- 2005-01-19 JP JP2005011139A patent/JP2006202867A/ja not_active Abandoned
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