JP2006201204A - カラーフィルター製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高再現性のカラーフィルターを低コストで大量に、かつ現像廃液のない環境に優しい製造方法を提供すること。
【解決手段】 印刷法によりカラーフィルターを製造する方法において、エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版を用いることを特徴とするカラーフィルター製造方法。カラーフィルターを製造する方法が、1)エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版にエネルギーを照射し、遮光パターン、および/またはフィルターのレッド、グリーン、ブルーに対応する画素様画像を描画した平版印刷版を作成する工程、続いて2)得られた平版印刷版を平版オフセット印刷機に設置する工程、3)印刷版に湿し水とインキを供給した後、被印刷体となる基板に印刷を行う工程を有するカラーフィルター製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はカラーフィルターの製造方法に関し、更に詳しくは平版印刷原版を用いた印刷法によるカラーフィルター製造方法に関するものである。
従来、カラー液晶ディスプレー(LCD)に用いられるカラーフィルターの製造方法の一つとして、スピンコート法がある。このスピンコート法は、ガラス基板上にクロム等のメタルからなるブラックマトリックスをフォトリソグラフィ、エッチングによって形成した後、上記ガラス基板の全面に所定の色の顔料を分散させた感光性樹脂をスピンナーによってコーティングして乾燥し、その後、この感光樹脂を露光・現像して、所定の色の色画素パターンを得る。この工程をR、G、B(赤、緑、青)の三色について3回繰り返して、カラーフィルターパターンを形成する。しかしながら、スピンコート法は、ガラス基板への感光性樹脂の塗布効率が悪く、また製造工程も煩雑なため不良品が発生しやすいという問題があった。
また、新たなカラーフィルター基板の製造方法としてカラードライフィルム法が行われている。この方法は、まず所定の顔料を分散させた感光性樹脂を、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム支持体上に塗膜し、この感光性樹脂をガラス基板上に熱圧着転写し、その後、この転写した感光性樹脂を露光・現像して所定の色の画素パターンを得る。以上の工程をR、G、Bの色画素パターンとブラックマトリックスとを形成するために4回繰り返して、カラーフィルター基板を形成する。このカラードライフィルム法は、フィルム支持体上に感光性樹脂を連続塗布するので、この感光性樹脂は上記スピンコート法による場合と比べて均一な膜厚になって、色画素パターンの品質が安定する。さらに、上記感光性樹脂はフィルム支持体上への塗布効率がよいので、製造コストが低減できるという利点がある。しかしながら、この方法も色画素配置がデルタ形状の場合は適用が極めて困難になるという問題がある。
更に最近では、被加工物に微細パターンを形成する印刷方法も広く採用されている。この印刷法による被加工物への微細パターンの形成の一つとして、凹版を用いた方法がある。この方法に用いられる凹版印刷版は、通常、ガラス基板を用いて製造されている。このガラス凹版は、ガラス基板上にクロム等の金属薄膜を形成し、その上にフォトレジストを塗布し、所定形状のマスクを介して露光、現像、ポストベーク等の工程後、所定形状のフォトレジスト層を形成し、続いてクロム薄膜、ガラス基板に順次エッチングを行って、ガラス基板に凹部を形成することにより作成されていた。この凹版印刷方法を用いれば、カラーフィルター1枚1枚に対し複数回行われていたフォトリソグラフィー工程が凹版の作成枚数分だけに減少するため、カラーフィルターを低コストかつ大量に製造できることが特許文献1(特開平6−305270号公報)に開示されている。しかしながら凹版作成時にはフォトリソグラフィー工程が必要であり、コスト高となり、また現像廃液が発生し環境負荷がかかるという問題も存在しており、解決が望まれていた。
一方平版印刷版においては、フォトリソグラフィー工程を使用せず、レーザーを走査して直接印刷用原版に描画して版を作成する方法、所謂CTP(Computer To Plate)法が実用に供されている。特にサーマルタイプのCTP版では、現像などの後工程を省くことが可能であり、所謂現像レス版を得ることも可能になると期待されている。現像工程のある版では、現像条件の管理が悪いと画線部面積のバラツキが生じる可能性がある。しかし、現像レス版ではレーザー露光によってのみ画線部(インキ付着部)が形成されるため、レーザーの高い再現性をそのまま利用することができる。
特開平06−305270号公報
本発明の目的は印刷法でカラーフィルターを製造する方法であって、特にフォトリソグラフィー工程が製造工程中に全くなく、高再現性かつ現像廃液のない環境に優しいカラーフィルター製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版を用いてカラーフィルターを印刷法によって製造することにより、高再現性のカラーフィルターを低コストで大量に、かつ現像廃液のない環境に優しい方法で製造できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、以下の構成からなるものである。
(1)印刷法によりカラーフィルターを製造する方法において、エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版を用いることを特徴とするカラーフィルター製造方法。
(2)カラーフィルターを製造する方法が、1)エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版にエネルギーを照射し、遮光パターン、および/またはフィルターのレッド、グリーン、ブルーに対応する画素様画像を描画した平版印刷版を作成する工程、続いて2)得られた平版印刷版を平版オフセット印刷機に設置する工程、3)印刷版に湿し水とインキを供給した後、被印刷体となる基板に印刷を行う工程を有するものである(1)記載のカラーフィルター製造方法。
(3)インキに対する親和性を変化させるエネルギーが光である(1)又は(2)に記載のカラーフィルター製造方法。
(4)照射する光が赤外線レーザー光である(3)に記載のカラーフィルター製造方法。
(5)インキに対する親和性を変化させるエネルギーが熱である(1)又は(2)に記載のカラーフィルター製造方法。
(6)平版印刷原版が、最表面層が架橋された親水性樹脂からなり、エネルギー照射により親水性が低下する性質を有する平版印刷原版である前記(1)〜(5)に記載のカラーフィルター製造方法。
(7)最表面層の架橋された親水性樹脂層が、無置換または置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドから選ばれた1種または2種以上のモノマーを主成分として重合した親水性ポリマーを架橋してなるものである(6)に記載のカラーフィルター製造方法。
(8)最表面層の架橋された親水性樹脂層中に平均粒子径が0.005〜0.5μmであり、かつ最低造膜温度が50℃以下の親油性ポリマーを含んでなる(6)および(7)に記載のカラーフィルター製造方法。
(9)最表面層の架橋された親水性樹脂層中に光を熱に変換する光熱変換材を含んでなる(6)〜(8)に記載のカラーフィルター製造方法。
(10)光熱変換材が700〜1100nmに吸収極大を有する赤外線吸収色素である(9)に記載のカラーフィルター製造方法。
本発明のカラーフィルター製造方法を用いれば、高再現性のカラーフィルターを低コストで大量に、かつ現像廃液のない環境に優しい方法で製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルター製造方法について詳細に説明する。
[平版印刷原版]
本発明は、エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版を用いることを特徴とする。好ましくは、エネルギー照射でインキに対する親和性が変化するのは最表面であり、エネルギー照射後に現像等の後工程を必要としない現像レスと称されるものが好ましい。照射されるエネルギー源としては、照射部位と未照射部位でインキに対する親和性が十分に変化するものであれば特に限定されず、光でも熱でもよい。また、インキに対する親和性は、照射部位が未照射部位に比べて高くても低くてもよい。例えば熱により親水性から親油性に変化する親水性樹脂層を最表面に有する現像レス平版印刷原版は、本発明の好適な態様の一つである。このような親水性樹脂層を最表面に有する現像レス平版印刷版の原版は、支持体上に直接または下地層を介して設置した親水性樹脂組成物を架橋させることにより得ることができるものを例示することができる。
[支持体]
本発明に使用する平版印刷原版の支持体としては特に制限はなく、公知のものが使用可能である。具体例としては、アルミ板、鋼板、ステンレス板、銅板等の金属板やポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等のプラスチックフィルムや紙、プラスチックフィルムラミネート紙等が挙げられる。これらの支持体の厚さは特に制限はないが、通常100〜400μm程度である。又、これらの支持体には下地層との密着性の改良等のために酸化処理、クロメート処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。
[下地層]
本発明に使用する平版印刷原版においては、上記支持体上に直接親水性樹脂層を設置しても良いが、密着性を高めるため下地層を設置することも好ましい態様である。この時に用いる下地層の組成は特に制限はないが、親水性樹脂層に含まれる親油性ポリマーと同じ種類の樹脂を用いることが好ましい。特にウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、エチレン系等の親油性ポリマーを使用することが好ましい。
これら下地層に用いられる親油性ポリマーは、水溶液又は有機溶媒に溶解した均一溶液でも、エマルジョンの形態でも良く、これらを成膜することで下地層とすることができる。成膜時に有害な揮発性有機溶媒が排出されないことから、特に水性エマルジョンタイプが好ましい。この親油性ポリマーエマルジョンは強制乳化型でもよいし、自己乳化型でもよい。
このエマルジョンは塗布後、分散溶媒が蒸発すると融着して造膜する特性を有することが好ましい。製造上問題がなければ最低造膜温度は特に限定されない。下地層には1種類または2種類以上の前記親油性ポリマーを混合して使用できる。さらに、架橋剤を加えて強靭な膜を作ることも可能である。
[親水性樹脂層]
次に本発明に使用する平版印刷原版に用いることのできる親水性樹脂層に関して説明する。本発明に用いる平版印刷原版は、湿し水を用いる平版オフセット印刷用の現像レス版であることが好ましく、親水性樹脂層の加熱部位が親油性に変化し画像部となるものであることが好ましい。画線部を形成した版を現像等の後工程を全く行わず直接印刷機に設置し、湿し水とインキを供給することで画線部のみにインキを付着させることが可能である。従って、本発明において親水性樹脂層は親水性で且つ水に溶けず、一方加熱部位は親油性であることが好ましい。このような特性を有する親水性樹脂層を具現化するには、親水性ポリマー、架橋剤、親油性ポリマーを含有してなる親水性樹脂組成物を架橋してなるものであることが好ましい。親水性ポリマーは架橋することにより水に不溶とすることができる。このような親水性樹脂組成物として、例えば特開2002−362052号公報に記載の親水性樹脂組成物が挙げられ、具体的には、置換または無置換(メタ)アクリルアミドやN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、水酸基や酸性基を有する(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチルメタクリレートなどを共重合した親水性ポリマー、2個以上の官能基を持ったエポキシ樹脂やアミノ樹脂、ブロック化イソシアネートのような架橋剤、水分散ポリウレタン樹脂、アクリル系ラテックス、水分散ポリエステル樹脂のような親油性ポリマーを含んでなる親水性樹脂組成物が好ましい。
親水性ポリマーとしてより好ましいのは、無置換または置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドから選ばれた1種または2種以上のモノマーを主成分として重合した親水性ポリマーである。これらのモノマーを主成分とする親水性ポリマーは、水に対する親和性が高いにも関わらず吸水量が少ないため膨潤し難く、非画線部の親水性および耐刷性が良好である。
架橋剤は前記親水性ポリマーを架橋し、水不溶とする2個以上の官能基を持った化合物であれば特に制限はないが、非画線部の親水性、画線部の親油性、耐刷性等の点から、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ブロック化イソシアネートから選ばれた1種または2種以上であることが好ましい。
親油性ポリマーとしてより好ましいのは、平均粒子径が0.005〜0.5μm、より好ましくは0.010〜0.3μmであり、かつ最低造膜温度が50℃以下、より好ましくは30℃以下の水性エマルジョンタイプの親油性ポリマーである。特に水分散ポリウレタン樹脂、アクリル系ラテックス、水分散ポリエステル樹脂が好ましく、具体的には第一工業製薬(株)製のスーパーフレックスTMシリーズや東洋紡績(株)製のバイロナールTMシリーズ等が例として挙げられる。平均粒子径がこの範囲である場合に、エネルギー照射前の親水性を低下させず、かつエネルギー照射、特に熱により親油化するときの変化が起こり易いため好ましい。尚、親油性ポリマーの平均粒子径は、一般的には水で薄めて粒度測定器(例えば「マイクロトラック」等)により測定することが可能である。その他、親油性ポリマーを凍結後スライスして透過型電子顕微鏡で測定することもでき、特に平均粒子径が0.010μm以下の場合にはこの方法が好ましく用いられる。最低造膜温度とは分散溶媒が蒸発したときにエマルジョン状のポリマーが融着してフィルム化(造膜)する最低温度を言う。最低造膜温度は低いほどエネルギー照射、特に熱により親油化するときの変化が起こり易いため好ましい。尚、最低造膜温度はISO2115に準拠した方法で測定し、測定機として例えば(株)井元製作所の造膜温度(MFT)試験装置を使用することができる。
架橋剤及び親油性ポリマーの配合量は、親水性ポリマー100質量部に対し、それぞれ5〜100質量部、5〜300質量部であることが好ましい。配合量がこの範囲である場合に、非画線部の親水性、画線部の親油性、耐刷性が良好となるため好ましい。水溶液あるいはエマルジョン状の親水性ポリマー、架橋剤及び親油性ポリマーを攪拌しながら混合し作成した親水性樹脂組成物を、支持体上に直接又は下地層上に塗布、加熱することで親水性樹脂層が形成される。ここで親水性樹脂組成物には印刷条件に対する安定性を広げるため、種々の界面活性剤を添加しても良い。該親水性樹脂層の膜厚は特に制限はないが、熱処理後の膜厚として、通常0.5〜10μm程度、特に1〜4μmが好ましい。
尚、前記の記載に於いて、(メタ)アクリルアミドや(メタ)アクリレートに於ける(メタ)アクリル、(メタ)アクリレートは、それぞれアクリルまたはメタクリル、アクリレートまたはメタクリレートを意味することとする。
本発明の親水性樹脂層の一部を加熱する方法としては、サーマルヘッドを利用して直接加熱する方法も好ましい態様であるが、精細性の点からレーザー光を利用することが望ましい。レーザー光を利用する場合には、光を熱に変換する光熱変換材が必要である。光熱変換材としては、光を吸収して熱を生じるものであれば特に制限はなく、レーザー光の照射に際しては光熱変換材が吸収する波長域の光を適宜用いればよい。光熱変換材の具体例としては、シアニン系色素、ポリメチン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アントラシアニン系色素、ポルフィリン系色素、アゾ系色素、ベンゾキノン系色素、ナフトキノン系色素、ジチオール金属錯体類、ジアミンの金属錯体類、ニグロシン等の各種色素、及びカーボンブラック等が挙げられる。これらの光熱変換材に於いては、明室での取り扱い性、露光機に用いる光源の出力や使い易さの点から波長700〜1100nmの領域の光を吸収する光熱変換材が好ましい。より好ましくは、700〜1100nmに吸収極大を有する赤外線吸収色素である。これらの光熱変換材は親水性樹脂組成物に溶解していても、又分散していても良い。
[平版印刷版]
本発明方法に好適な平版印刷原版は、エネルギーを照射した部分の感光層表面の親水性が親油性に変化し、平版印刷版となるものである。この平版印刷版は、現像や拭き取り操作をしなくてもエネルギーの照射部にはインキが付着し、印刷が可能となる。加えるエネルギーとしては好ましいのは熱であり、例えば感熱プリンタで用いられるようなサーマルヘッドによって直接熱を加えることが好適である。電位を与えることで発熱し高温となったサーマルヘッドを原版表面に直接接触させることで、原版の最表面が親油性に変化する。
本発明方法に好適な平版印刷原版が前記光熱変換材を含有する場合、加えるエネルギーが光であることも好ましい態様である。本発明方法に好適な平版印刷原版の光照射に際しては、照射速度の点から収束光を高速で走査するのが好ましく、使用し易い。また、光源としては高出力のものが適しており、この点から、照射する光としてはレーザー光、特に700〜1100nmの波長域の発振波長を有する赤外線レーザー光が好ましく、例えば830nmの高出力半導体レーザーや1064nmのYAGレーザーが好ましく用いられる。これらのレーザーを搭載した露光機は所謂サーマル用プレートセッター(露光機)として既に市場に供されている。
[着色インキおよび遮光パターン用インキ]
カラーフィルターの着色光透過部を形成するのに用いる着色インキについては特に限定するものではなく、公知の市販の着色インキを適宜利用可能である。着色インキは光硬化性、熱硬化性、あるいは、光熱硬化性の透明樹脂モノマーやオリゴマーに、着色剤として顔料または染料を分散したものが利用可能である。
顔料としては公知のものが利用可能であり、例えば、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、縮合アゾ系、アゾキレート系、クマリン系、アントラキノン系、ベリノン系、ベリレン系、チオイン系、イソインドリノン系やこれらの混合物系、その他の顔料が利用可能であり、適宜、色純度、濃度、耐候性、耐光性、分光特性を考慮して用いることが出来る。樹脂のモノマーやオリゴマーとしては、アクリル酸系、メタクリル酸系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、ポリアクリル酸系、ノボラック型クレゾールエポキシ系、ノボラック型フェノールエポキシ系、ポリイミド系、ポリビニルアルコール系、多官能ポリエステルアクリレート系、多官能ポリオールアクリレート系、多官能ウレタンアクリレート系やこれらの混合物系、その他の樹脂のモノマーオリゴマーを適宜利用可能である。また、着色インキには、重合性を制御する目的などで重合開始剤や、膜厚分布の均一性を得る目的などで分散剤や、密着性を向上させる目的などでシランカップリング剤などのその他の材料を添加して用いることが出来る。
本発明に用いる遮光パターン(ブラックマトリクス)を形成する材料としては特に限定するものではなく、公知の材料が適宜利用可能である。しかしながら、遮光パターンから着色層までを連続的に一台の印刷機で形成可能であり高い生産性が得やすいという観点からは、真空プロセスが必要とされるクロムなどの金属材料や、酸化クロムなどの金属酸化物や、窒化クロムなどの金属窒化物、あるいはこれらの複合膜を用いるよりは、光を遮光する成分を含有する樹脂からなる遮光パターンを用いることが好ましい。光を遮光する成分を含有する樹脂からなる遮光パターンは、遮光性パターン形成用のインキを用いて形成可能であり、前記インキは公知の市販のものが入手可能である。遮光性パターン形成用のインキは、着色インキの着色用顔料や染料の代わりに、遮光する成分としてカーボンブラックやチタンブラック、硫化ビスマス、酸化鉄などの無機材料や有機顔料を添加したものを適宜用いることが出来る。
[カラーフィルター製造方法]
本発明のカラーフィルター製造方法は、前記平版印刷版を現像や拭き取り操作を一切行わず平版オフセット印刷機の版胴に設置し、前記着色インキおよび遮光パターン用インキを使用してガラス基板やフィルムに印刷する方法である。版胴に取り付けた印刷版に湿し水とインキを供給しエネルギー照射部にだけインキを付着させ、このインキをブランケット胴と呼ばれるゴム胴に転写する。ゴム胴に転写されたインキは、被印刷体であるガラス基板やフィルムに転写される。転写されたインキは室温での酸化重合やUV光硬化、あるいは熱風加熱などによって乾燥されカラーフィルターが出来上がる。ここで基板がフィルムの場合はそのままフィルム状カラーフィルターとして使用することもあるが、後工程でガラス基板などに転写しカラーフィルターを製造するためのカラーフィルター前駆体であることも本発明の好ましい態様の一つである。また、使用形態によりその後、保護膜を形成したり、透明電極を公知の方法で形成しても構わない。
即ち、本発明方法の好ましい具体的方法としては、1)エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版にレーザー光等を照射し、遮光パターン、および/またはフィルターのレッド、グリーン、ブルーに対応する画素様画像を描画した平版印刷版を作成する工程、続いて2)得られた平版印刷版を平版オフセット印刷機に設置する工程、3)印刷版に湿し水とインキを供給した後、被印刷体となる基板に印刷を行う工程を有することにより、カラーフィルターを製造するものである。
ここで、平版印刷版を4枚、すなわち、遮光パターン用1枚、およびレッド、グリーン、ブルーに対応する画素様画像をそれぞれ描画した3枚の合計4枚使用し、4色印刷機を使用する方法は、一度の印刷でカラーフィルターが製造できることからもっとも効率がよく好ましいが、遮光パターンだけを本発明方法で印刷することや、遮光パターンはフォトリソ工程を有する従来方式で作成し、フィルターのレッド、グリーン、ブルー3色だけを本発明方法で作成することも本発明の好ましい態様である。
使用する平版オフセット印刷機としては円圧式の平台機も、輪転式の枚葉機あるいは輪転機も使用可能であるが、被印刷体がガラス基板の場合は剛直で割れやすいことから平台機を用いることが好ましい。フィルムの場合は平台機も枚葉機あるいは輪転機も使用可能であるが、生産性の点から枚葉機あるいは輪転機を用いることが好ましい。
使用するガラス基板としては通常カラーフィルターに使用するガラス基板であれば特に制限はなく、たとえば日本電気硝子(株)のBLCやOA−10、旭硝子(株)のAN100、コーニングジャパン(株)のEAGLE2000、Corning1737等が挙げられる。使用するフィルムとしてはポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどが挙げられ、たとえば帝人デュポンフィルム(株)製テトロン、メリネックス、ピューレックス、テオネックス等が例として挙げられる。
湿し水としては平版オフセット印刷に使用されるものならば制限はなく、通常の水道水、井戸水、イオン交換水、蒸留水が使用できる。またこれらの水に添加剤としてアルコール、特にイソプロピルアルコールやブチルアルコール、市販の給湿液またはH液、たとえば(株)日研化学研究所のアストロマーク3、富士フィルムグラフィックシステムズ(株)のエコリティなどを加えたものも使用できる。
本発明のカラーフィルター製造方法を用いれば、フォトリソグラフィー工程が製造工程中に全くなく、高再現性かつ現像廃液のない環境に優しい方法でカラーフィルターを製造することができる。
以下、実施例にて更に本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
(平版印刷用原版の作成)
予めプライマーとして1μmの厚さのウレタン樹脂オレスターUD350(三井化学(株)製ウレタン樹脂オレスターTMUD350)をワイヤーバーを用いて塗布した厚さ0.28mmのアルミニウム板に下記親水性樹脂組成物をワイヤーバーを用いて均一に塗布した後、120℃で1時間乾燥し、約2μmの膜厚の感光層を成膜した。
アクリルアミド:ヒドロキシエチルメタクリレート=90:10(重量比)の親水性ポリマー水溶液(固形分10重量%):400部
メチル化メラミン樹脂(三井サイテック(株)製、サイメルTM350、固形分80重量%):25部
水分散ウレタン樹脂(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックスTM700、固形分40重量%、平均粒子径0.09μm、最低造膜温度5℃以下):100部
シアニン色素水溶液(日本感光性色素(株)製、IR−125、固形分5重量%):100部
アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製プライサーフTMA212E、:固形分100重量%):1部
(平版印刷版の作成)
この原版に波長830nmの半導体レーザー光を350mJ/cmの照射エネルギー密度となるように集光しながら走査照射して、線幅16μmの遮光パターン1枚、およびレッド、グリーン、ブルーに対応する画素様画像をそれぞれ描画した3枚、合計4枚の平版印刷版を作成した。
(印刷)
この印刷版を現像せずにそのまま大日本スクリーン製造(株)製4色平台オフセット印刷機KF−423−GLの版台に固定した。湿し水として(株)日研化学研究所のアストロマーク3の2%水溶液、第1ユニットに遮光パターン用墨インキ、第2ユニットにレッドインキ、第3ユニットにグリーンインキ、第4ユニットにブルーインキを準備した。印刷版に湿し水とインキを供給した後、紙で試し刷りを行い、4色の見当合わせを行った。見当が合ったところで、被印刷体を0.7mm厚のガラス基板(日本電気硝子(株)製低アルカリガラスBLC)に変え4色印刷を行った。ガラス基板を次々と供給することで、100枚のカラーフィルターを製造することができた。このとき100枚全てのカラーフィルターに見当ズレがなく、かつ遮光パターンが線幅18±2μmで描けており高再現性であることがわかった。
[実施例2]
実施例1と同様にして作成した印刷版を(株)東京機械製作所製4色輪転オフセット印刷機HB−5000EDの版胴に固定した。被印刷体として50μm厚のPETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製ピューレックス)、湿し水およびインキは実施例1と同じものを用意した。印刷版に湿し水とインキを供給した後、印刷機を400rpmで回転させ印刷した。印刷されたフィルムを観察したところ見当ズレはなく、かつ遮光パターンが線幅18±2μmのカラーフィルター前駆体が作成できた。
本発明の製造方法を用いれば、高再現性のカラーフィルターを低コストで大量に、かつ現像廃液のない環境に優しい方法で製造することができる。

Claims (10)

  1. 印刷法によりカラーフィルターを製造する方法において、エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版を用いることを特徴とするカラーフィルター製造方法。
  2. カラーフィルターを製造する方法が、1)エネルギー照射でインキに対する親和性が変化する性質を有する平版印刷原版にエネルギーを照射し、遮光パターン、および/またはフィルターのレッド、グリーン、ブルーに対応する画素様画像を描画した平版印刷版を作成する工程、続いて2)得られた平版印刷版を平版オフセット印刷機に設置する工程、3)印刷版に湿し水とインキを供給した後、被印刷体となる基板に印刷を行う工程を有するものである請求項1記載のカラーフィルター製造方法。
  3. インキに対する親和性を変化させるエネルギーが光である請求項1又は2に記載のカラーフィルター製造方法。
  4. 照射する光が赤外線レーザー光である請求項3に記載のカラーフィルター製造方法。
  5. インキに対する親和性を変化させるエネルギーが熱である請求項1又は2に記載のカラーフィルター製造方法。
  6. 平版印刷原版が、最表面層が架橋された親水性樹脂からなり、エネルギー照射により親水性が低下する性質を有する平版印刷原版である請求項1〜5に記載のカラーフィルター製造方法。
  7. 最表面層の架橋された親水性樹脂層が、無置換または置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドから選ばれた1種または2種以上のモノマーを主成分として重合した親水性ポリマーを架橋してなるものである請求項6に記載のカラーフィルター製造方法。
  8. 最表面層の架橋された親水性樹脂層中に平均粒子径が0.005〜0.5μmであり、かつ最低造膜温度が50℃以下の親油性ポリマーを含んでなる請求項6又は7に記載のカラーフィルター製造方法。
  9. 最表面層の架橋された親水性樹脂層中に光を熱に変換する光熱変換材を含んでなる請求項6〜8に記載のカラーフィルター製造方法。
  10. 光熱変換材が700〜1100nmに吸収極大を有する赤外線吸収色素である請求項9に記載のカラーフィルター製造方法。
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