JP2006200730A - ファイナルドライブの潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速回転時において、ドライブピニオンシャフト側の軸受部だけでなくディファレンシャルケース側の軸受部も十分に潤滑して、焼き付き等を未然に防止する。
【解決手段】キャリア2の上部内壁面2aに膨張収縮可能なエアバッグ16を設ける。リングギヤ7の低速回転時にはエアバッグ16を収縮状態とし、リングギヤ7が掻き上げた潤滑油を矢印B1〜B3のように循環させてドライブピニオンシャフト4側のベアリング5,6を潤滑する。高速回転時にはエアバッグ16を膨張させてその突出量を大きくし、リングギヤ7が掻き上げた潤滑油の一部をを矢印C1のように真下を指向させて、ディファレンシャルケース10側のベアリング9までも十分に潤滑する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車の駆動系におけるファイナルドライブの潤滑構造に関し、特にリングギヤを有するディファレンシャル装置(差動装置)および上記リングギヤに噛み合うドライブピ二オンギヤ付きのドライブピ二オンシャフトをそれぞれ支持しているキャリア(ハウジングとも言う)内部の軸受部を強制潤滑するようにしたファイナルドライブの潤滑構造に関するものである。
この種のファイナルドライブの潤滑構造では、特許文献1に記載のように、リングギヤが固定されたディファレンシャル装置のほか上記リングギヤに噛み合うハイポイドピ二オンギヤ等のドライブピ二オンギヤ付きのドライブピ二オンシャフトをそれぞれ軸受支持しているキャリア内に潤滑油を貯留し、上記リングギヤ等の回転によって潤滑油をキャリア内部の上部空間にまで一旦掻き上げて循環させることを基本とし、もってキャリア内部のベアリング等を潤滑するようにしている。
より具体的には、例えばFRタイプ車用のファイナルドライブであって且つドライブピ二オンギヤの回転中心(軸心)がリングギヤのそれよりも所定量だけ下方にオフセットしているとタイプのものでは、キャリア内部の上方空間まで掻き上げられた潤滑油の一部がキャリア内面を伝わることで、ディファレンシャルケース内部のギヤの噛み合い部やディファレンシャルケースそのものを支持しているサイドベアリングの潤滑を行う一方、別の一部の潤滑油がドライブピ二オンシャフトを支持しているフロントベアリングやリアベアリングの潤滑を行った上で、それぞれの潤滑油が再びキャリアの底部に戻ることでいわゆる潤滑油の循環による潤滑作用が行われるようになっている。
実開平5−12829号公報(図1)
上記のようなFRタイプ車用のファイナルドライブにおいて、特にドライブピ二オンギヤおよびリングギヤの高速回転が続くような状況下では、本来はリングギヤによって掻き上げられた潤滑油の一部が真下に落下してディファレンシャルケースの内部やケースそのものを支持しているサイドベアリング等の潤滑を行うべきところ、リングギヤ等によって掻き上げられた潤滑油が遠心力のためにディファレンシャルケース等を潤滑することなく一気にドライブピ二オンシャフト側に集められてしまう傾向にある。また、ドライブピ二オンシャフト側に集められた潤滑油がキャリア底部の潤滑油貯留部に戻る前に高速回転しているドライブピ二オンギヤによって再度掻き上げられてしまい、いわゆる局部循環による潤滑形態となることによってキャリアの内部全体に潤滑油が均等に行き渡らない状態となる。その結果として、特にディファレンシャルケースを支持しているサイドベアリングに潤滑油が循環しない状況が続くことによって、高速回転での潤滑不足を招くおそれがある。
また、上記の潤滑不足対策として、たとえリングギヤ等の高速回転が続いたとしてもサイドベアリングを十分に潤滑することができるように、潤滑油にサイドベアリングが浸漬するレベルまでキャリア内の潤滑油量を増加させることも可能であるが、その場合にはドライブピ二オンギヤによる潤滑油の撹拌抵抗が増大し、動力伝達効率の低下とともに車両の燃費が悪化することとなって好ましくない。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特にドライブピ二オンギヤやリングギヤの高速回転が続いたとしてもその遠心力の影響で局部循環による潤滑形態となることなく、キャリアの内部全体を満遍なく潤滑することができるようにした潤滑構造を提供しようとするものである。
請求項1に記載の発明は、ディファレンシャルケースにリングギヤが固定されたディファレンシャル装置のほか、上記リングギヤに噛み合うドライブピ二オンギヤを有するドライブピ二オンシャフトがそれぞれ軸受支持されているキャリア内に潤滑油を貯留し、上記リングギヤおよびドライブピ二オンギヤの噛み合い回転に伴う掻き上げ作用によって潤滑油を循環させながらそれぞれの軸受支持部を潤滑するようにしたファイナルドライブの潤滑構造であることを前提とする。その上で、上記キャリアの内面の上部に潤滑油が循環する方向を制御する方向制御手段を設けたことを特徴とする。
すなわち、ドライブピ二オンギヤおよびリングギヤの高速回転が続くような状況下において、リングギヤ等によって掻き上げられた潤滑油の多くが遠心力のためにドライブピ二オンシャフト側に集中してしまうのを未然に防止しつつ、掻き上げられた潤滑油の一部を常に真下に落下させて、ディファレンシャルケースの内部やディファレンシャルケースそのものを支持しているサイドベアリング等の潤滑も同時に行うために方向制御手段を設けるものとする。
上記方向制御手段は、例えば請求項2に記載のように、潤滑油が循環する方向をそれ自体の形状変化をもって制御するものとし、より望ましくは請求項3に記載のように、それ自体の形状変化に伴うキャリア内面からの出没の度合いに応じて潤滑油が循環する方向を制御するものとする。
この場合、それ自体の形状変化をもって、もしくはそれ自体の形状変化に伴うキャリア内面からの出没の度合いに応じて、潤滑油が循環する方向を制御する方向制御手段としては、例えば請求項7に記載のような膨張収縮可能なエアバッグを採用するものとする。
また、上記方向制御手段は、請求項4に記載のように少なくともリングギヤの回転度合いに応じて、より具体的には、請求項5に記載のように少なくともリングギヤの回転数に応じて、もしくは請求項6に記載のようにキャリア内の温度に応じて、それぞれ潤滑油が循環する方向を制御するものであることが望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、特にドライブピ二オンギヤおよびリングギヤの高速回転が続くような状況となった場合、リングギヤ等によって掻き上げられた潤滑油が遠心力のためにドライブピ二オンシャフト側に向かって集中的に循環しようとするものの、遠心力によって循環する潤滑油の一部がキャリア内面の上部に設けた方向制御手段に衝突し、それによって一部の潤滑油の循環方向が強制的に変更せしめられる。
これは、リングギヤによって上方に掻き上げられた潤滑油の一部を方向制御手段との衝突によってそのまま下方もしくは真下に落下させることにほかならず、それによってリングギヤ等の高速回転が続くような状況下にあっても、ディファレンシャルケースの内部やディファレンシャルケースそのものを支持しているサイドベアリング等の潤滑をも十分に行えるようになる。
請求項1に記載の発明によれば、高速回転状況下でもドライブピニオンシャフト側だけでなくディファレンシャルケースの内部やディファレンシャルケースそのものを支持しているベアリング等も十分に潤滑することができるので、特に高速回転時の潤滑不足を未然に防止できることはもちろんのこと、キャリア内の潤滑油の貯留量を増加させる必要もないので燃費の悪化を招くこともない。
図1〜3は本発明に係るファイナルドライブの潤滑構造のより具体的な第1の実施の形態を示す図であり、FRタイプ車用のファイナルドライブの例を示している。そして、特に図1の(A)はファイナルドライブ1の断面説明図を、(B)は同図(A)の左側面説明図を、図2は図1の(A)のa−a線に沿う断面説明図をそれぞれ示している。
図1,2に示すように、ファイナルドライブ1の母体をなすキャリア(ハウジング)2内には、ドライブピニオンギヤ(ハイポイドピニオンギヤ)3と一体のドライブピニオンシャフト4をフロントベアリング5およびリアベアリング6を介して回転可能に支持させてあるとともに、そのドライブピニオンギヤ3に噛み合うリングギヤ(ハイポイドリングギヤ)7を外周に有するディファレンシャル装置(差動装置)8を一対のサイドベアリング9を介して回転可能に支持させてある。なお、キャリア2はキャリア本体2Aとリアカバー2Bとで構成してあり、両者を図示しないボルト等にて結合してある。
ディファレンシャル装置8は、ディファレンシャルケース10の内部に、ピニオンメートシャフト11を共有する一対のピニオンメートギヤ12と、それらのピニオンメートギヤ12に噛み合う同じく一対のサイドギヤ13とを回転可能に収容配置したものであり、各サイドギヤ13はアクスルシャフト14に連結してある。なお、ピニオンメートギヤ12はディファレンシャルケース10とともに公転可能であるとともに、ピニオンメートギヤ12自体の軸心まわりにも自転できる構造となっている。そして、ディファレンシャルケース10にボルト15にてリングギヤ7を固定してある。
ここで、ドライブピニオンシャフト4とリングギヤ7との関係に着目した場合に、ドライブピニオンシャフト4は図1の(A)から明らかなようにリングギヤ7の軸心(回転中心)に対して所定量だけ下方にオフセットしている。これにより、ドライブピニオンギヤ3とリングギヤ7との噛み合い部はリングギヤ7の軸心よりも下方に位置している一方、キャリア2内にはドライブピニオンギヤ3とリングギヤ7との噛み合い部が浸漬する程度のレベルまで所定の潤滑油を貯留してある。
なお、図1,3から明らかなように、キャリア本体2Aの一部には、後述するように矢印B3方向から流れたきた潤滑油をドライブピニオンシャフト4のほかびフロントベアリング5およびリアベアリング6側に積極的に導入するために開口20を形成してある。
このようなファイナルドライブ1の構造では、周知のようにドライブピニオンシャフト3を入力側として回転駆動すると、ディファレンシャル装置8での差動を伴いながら双方のアクスルシャフト14が回転駆動されることになる。その際に、貯留した潤滑油に浸漬しているドライブピニオンギヤ3およびリングギヤ7が潤滑油を上方に掻き上げて循環させることにより、両者の噛み合い部だけでなくキャリア2内のベアリング5,6,9等の各部を潤滑するようになっている。
ここで、図1のほか図3に示すように、キャリア本体2Aの上部内壁面2aには潤滑油の循環方向を制御するべくその方向制御手段として機能することになる膨張収縮可能なエアバッグ16を配置してある。このエアバッグ16は、それ自体の膨張収縮に伴う形状変化、すなわち図1の(B)のほか図3の(B)に示すようにキャリア本体2Aの上部内壁面2aからのエアバッグ16の出没もしくは突出の度合いに応じて潤滑油の循環方向を積極的に可変制御しようとするものである。そして、エアバッグ16はファイナルドライブ1の外部に用意したポンプ17に接続してあるとともに、ポンプ17は回転センサ19からの出力信号を入力とするコントローラ18からの指令よりその起動および停止の制御が行われるようになっている。
回転センサ19は例えばリングギヤ7の回転数を非接触にて検出するものであり、その回転数が予めコントローラ18に設定されている設定回転数以上の高速回転域になると、コントローラ18はエアバック16を膨張させるべくポンプ17を起動させる一方、逆にリングギヤ7の回転数が設定回転数未満の低速回転域になると、コントローラ18はエアバック16を収縮させるべくポンプ17を停止させるようになっている。
なお、上記のエアバッグ16が収縮状態にあるときには、図1の(B)に示すように上部内壁面2aからのエアバッグ16の突出量が極小となる一方で、エアバッグ16が膨張したときには、図3の(B)に示すように略直方体形状等の整形された形状にて再現性良く且つ速やかに膨張して上部内壁面2aから突出量hをもって突出するように設定してある。
したがって、このようなファイナルドライブ1の潤滑構造によれば、リングギヤ7の回転数が設定回転数未満のいわゆる低速回転域にある状態では、図1の(A),(B)に示すように、ドライブピニオンギヤ3に噛み合いながら回転しているリングギヤ7はその歯部にてキャリア2の底部に貯留されている潤滑油を矢印B1,B2で示すように掻き上げることから、キャリア2内の上部空間に到達した潤滑油は遠心力のために矢印B3で示すようにドライブピニオンシャフト3の方向を指向するようなるとともに、最終的には矢印B4,B5で示すように循環して、そのドライブピニオンシャフト3を支持しているフロントベアリング5およびリアベアリング6を潤滑することになる。同時に、ドライブピニオンギヤ3もまた潤滑油を矢印B6で示すように掻き上げることから、矢印B3方向を指向を指向する潤滑油と合流して、上記のように主としてフロントベアリング5およびリアベアリング6を潤滑することになる。
この時には、図1の(A),(B)に示すようにエアバック16は収縮状態にあって、上部内壁面2aからの突出量が極小の状態にある。
他方、リングギヤ7の回転数が設定回転数以上のいわゆる高速回転域の状態になると、先に述べたようにポンプ17の起動によりエアバッグ16が膨張して図3の(A),(B)のようにキャリア2の上部内壁面2aから大きく突出するようになる。
この際、リングギヤ7やドライブピニオンギヤ3が掻き上げることになる潤滑油の循環作用および潤滑作用は基本的には図1の(A),(B)に示したものと同様であるものの、リングギヤ7が掻き上げた潤滑油の一部がエアバッグ16に衝突することで一部の潤滑油の循環方向が強制的に変更せしめられることになる。エアバッグ16に衝突した潤滑油は、矢印C1で示すようにそのままほぼ真下を指向するようになり、その結果としてディファレンシャルケース10の内部やそのディファレンシャルケース10を支持しているサイドベアリング9を積極的且つ十分に潤滑することになる。
すなわち、リングギヤ7およびドライブピニオンギヤ3等の高速回転が続くような状況下にあっても、ディファレンシャルケース10の内部やディファレンシャルケース10そのものを支持しているサイドベアリング9等の潤滑も十分に行われ、特にサイドベアリング9の潤滑不足を未然に防止できることになる。
ここで、潤滑油の循環方向を制御するべくその方向制御手段として設けるエアバッグ16の数は必ずしも一つである必要はなく、例えばエアバッグ16を二つ並設して、それらを交互にもしくは同時に膨張収縮させるようにしても同様の効果が得られる。
また、図3の(A)に示したエアバッグ16に代えて、膨張収縮が可能もしくは折り畳み展開が可能な袋状の突起物を同位置に設けるとともに、この突起物に形状記憶合金製のアクチュエータを付設し、キャリア2内の温度に応じた形状記憶合金の形状変化に基づいて、その突起物を折り畳んだり(収縮)あるいは展開(膨張)させるようにしても同様の作用効果が得られる。この場合には、同図に示したようなポンプ17、コントローラ18および回転センサ19等が不要になることによって、比較的低コストにて所期の目的を達成できる利点がある。
図4,5は本発明の第2の実施の形態を示す図であり、先に説明した図1と共通する部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態では、ディファレンシャル装置8を両持ち支持しているサイドベアリング9を効果的に潤滑するべく、その潤滑油の流れをサイドベアリング9の方向に誘導するために図1のエアバッグ16に代えて整流板21,22を設けた構成としてあるとともに、潤滑油の放熱および撹拌効果向上のために放熱手段としての放熱フィン23,24や撹拌手段としての撹拌羽根25を設けた構成としてある。
図4のほか図5に示すように、キャリア2の一部を形成しているリアカバー2Bの内部には上下方向を指向するように上下各一対の整流板21,22をいわゆるリブ状に突出形成してあるとともに、上下でわずかに位置をずらせてあり、特に上部側の一対の整流板22には下部側の整流板21に比べて大きな角度θを持たせることでサイドベアリング9側に向けて傾斜させてある。また、各整流板21,22はリアカバー2A自体を補強するためのリブを兼ねており、鋳物製のリアカバー2Aと一体に成形してあるとともに、上部側の整流板22の角度θとしては後述するように潤滑油の流れを積極的にサイドベアリング9側に誘導するために5°以上に設定してある。
他方、キャリア2を構成しているキャリア本体2Aうちドライブピニオンシャフト4の上下に相当する位置には放熱手段として放熱フィン23,24を形成してある。より具体的には、キャリア本体2Aのうち潤滑油の流れとして図4の矢印B3で示す部分、すなわちリングギヤ7で掻き上げられた後にドライブピニオンシャフト4の方向を指向する潤滑油の流れを形成する部分に相当する位置には、キャリア本体2Aの内部から外部に向かって突出する放熱フィン23を複数段にわたり形成してある。この放熱フィン23はそれ自体の内部にまで潤滑油を受容可能なようにいわゆるコルゲート状のものとしてある。
同様に、キャリア本体2Aのうちドライブピニオンシャフト4の直下に相当する底壁部分、すなわちドライブピニオンシャフト4およびそれを支持しているフロントベアリング5およびリアベアリング6を潤滑した後の潤滑油がリングギヤ7の下側に向かって流れる部分にも、キャリア本体2Aの内部から外部に向かって突出するコルゲート状の放熱フィン24を複数段にわたり形成してある。
これらの放熱フィン23,24は、フィン23,24自体の特性としてその広い表面積が外気に接していて、車両走行時に走行風が当たるように考慮されている一方で、フィン23,24自体の内部にまで潤滑油を受容することが可能であることから、その放熱もしくは熱交換作用によって、キャリア2内部を循環する潤滑油を積極的に冷却する機能を有している。
さらに、ドライブピニオンシャフト4のうちフロントベアリング5とリアベアリング6とに挟まれた部分、すなわちそれらのベアリング5,6による直接的な軸受支持にあずからない部分には、例えば平歯車の歯たけを大きくしたような形状のいわゆるベーン状の撹拌羽根25を形成してある。なお、この撹拌羽根25は転造、鍛造もしくは歯切り加工等によって形成される。
また、図4に示すように、キャリア本体2Aに一部には潤滑油の循環効率を向上させるために、開口20とともに別の開口20aを形成してある。
したがって、このようなファイナルドライブ1の潤滑構造によれば、リングギヤ7の回転数が設定回転数未満のいわゆる低速回転域にある状態では、図4に示すように潤滑油の循環経路は矢印B1〜B6で示すものとなって、基本的には図1,3の(A)と同様の状態となる。そして、特に図5の(A)に示すように、低速回転域では整流板21,22に沿って潤滑油が掻き上げられるものの、潤滑油自体の遠心力も小さいため、同図の矢印B2方向を指向する潤滑油の一部が矢印D1のように途中でディファレンシャルケース10に落下して、そのディファレンシャルケース10からサイドベアリング9に伝わり落ちて、サイドベアリング9を潤滑することになる。
他方、リングギヤ7が設定回転数以上のいわゆる高速回転域の状態になると、図4に矢印B1〜B6で示すような潤滑油の循環経路は同じであるものの、潤滑油の遠心力が大きくなるために、図5の(B)に示すように、整流板21,22に沿って掻き上げられた潤滑油の一部が、大きく傾斜している上部側の整流板22に当たって積極的に下方に誘導されて、矢印D2,D3で示すようにサイドベアリング9の方向を指向するようになる。これにより、潤滑油がサイドベアリング9に直接落下するか、もしくはサイドベアリング9近傍のキャリア本体2Aの内面を伝わってサイドベアリング9に至り、そのサイドベアリング9を潤滑することになる。その結果として、高速回転時においてもサイドベアリング9の潤滑性能を十分に維持することができて、そのサイドベアリング9の焼き付きを未然に防止できるようになる。
また、図4に矢印B3およびB5で示すような潤滑油の循環経路の途中において、潤滑油の一部が放熱フィン23または24の内部に入り込むことにより、放熱フィン23,24自体の放熱もしくは熱交換作用によって潤滑油が積極的に冷却されることになる。その結果として、例えば高速回転,高トルク状態が長く続いたとしても潤滑油の温度上昇を抑制することができる。
その上、ドライブピニオンシャフト4に撹拌羽根25を付設してあるため、特に高速回転時において、ドライブピニオンシャフト4の周囲であって且つフロントベアリング5とリアベアリング6との間に溜まっていた潤滑油が撹拌羽根25による撹拌作用によって積極的にリングギヤ7の方向に誘導もしくは押し出されて、潤滑油の循環効率が向上する。
ここで、撹拌羽根25による潤滑油の誘導方向もしくは押し出し方向を積極的にコントロールするために、図7に示すように撹拌羽根25に例えば5°〜80°程度のねじれ角αを付与してもよい。
このように第2の実施の形態によれば、低速回転時であるか高速回転時であるかにかかわらず、特にディファレンシャルケース10を支持しているサイドベアリング9を効果的に潤滑できる利点がある。
ここで、上記第2の実施の形態における特有の効果を列挙すれば次のとおりである。
(1)潤滑油の流れをディファレンシャル装置8を軸受支持しているサイドベアリング9の方向に誘導する整流板21,22を設けたことにより、サイドベアリング9の潤滑性が向上し、特に高速回転時のサイドベアリング9の焼き付きを未然に防止できる。
(2)整流板21,22がキャリア2の一部を形成しているリアカバー2Bの補強用のリブを兼ねていることにより、部品点数の増加やコストアップを招くことなく、潤滑油の誘導効果とリアカバー2Bの強度向上効果を両立させることができる。
(3)整流板21,22が上部側の整流板22と下部側の整流板21とに分かれていて、上部側の整流板22を下部側の整流板21よりも大きく傾斜させてあることにから、より積極的にディファレンシャル装置8の軸受支持部であるサイドベアリング9に潤滑油を誘導することができる。
(4)キャリア本体2Aに放熱手段として放熱フィン23,24を設けたことにより、潤滑油の冷却性能が向上し、特に高速回転、高トルク状態が長く続いたとしても潤滑油の昇温を抑制できる。
(5)ドライブピニオンシャフト4に撹拌羽根25を設けたことにより、ドライブピニオンシャフト4の周りでの潤滑油の滞留を防止して、その部分からリングギヤ7の方向に潤滑油を積極的に押し出すことができるため、潤滑油の滞留を防止して潤滑油の循環効率を向上させることができる。
本発明に係るファイナルドライブの潤滑構造の第1の実施の形態を示す図で、(A)は方向制御手段として設けたエアバッグの収縮状態を示す断面説明図、(B)は同図(A)の左側面説明図。 図1のa−a線に沿う断面説明図。 (A)は図1の状態からエアバッグの膨張した状態を示す断面説明図、(B)は同図(A)の左側面説明図。 本発明に係るファイナルドライブの潤滑構造の第2の実施の形態を示す断面説明図。 (A),(B)共に図4の左側面説明図であって、(A)は低速回転時の潤滑油の流れを示す作動説明図、(B)は高速回転時の潤滑油の流れを示す作動説明図。 図4におけるドライブピニオンシャフトの拡大図。 図6に示すドライブピニオンシャフトの変形例を示す拡大図。
符号の説明
1…ファイナルドライブ
2…キャリア
2A…キャリア本体
2B…リアカバー
2a…上部内壁面
3…ドライブピニオンギヤ
4…ドライブピニオンシャフト
5…フロントベアリング
6…リアベアリング
7…リングギヤ
8…ディファレンシャル装置
9…サイドベアリング
10…ディファレンシャルケース
16…エアバッグ(方向制御手段)
17…ポンプ
18…コントローラ
19…回転センサ
21,22…整流板
23,24…放熱フィン(放熱手段)
25…撹拌羽根

Claims (18)

  1. ディファレンシャルケースにリングギヤが固定されたディファレンシャル装置のほか、上記リングギヤに噛み合うドライブピ二オンギヤを有するドライブピ二オンシャフトがそれぞれ軸受支持されているキャリア内に潤滑油を貯留し、上記リングギヤおよびドライブピ二オンギヤの噛み合い回転に伴う掻き上げ作用によって潤滑油を循環させながらそれぞれの軸受支持部を潤滑するようにしたファイナルドライブの潤滑構造であって、
    上記キャリアの内面の上部に潤滑油が循環する方向を制御する方向制御手段を設けたことを特徴とするファイナルドライブの潤滑構造。
  2. 上記方向制御手段は、潤滑油が循環する方向をそれ自体の形状変化をもって制御するものであることを特徴とする請求項1に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  3. 上記方向制御手段は、潤滑油が循環する方向をそれ自体の形状変化に伴うキャリア内面からの出没の度合いに応じて制御するものであることを特徴とする請求項2に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  4. 上記方向制御手段は、少なくともリングギヤの回転度合いに応じて潤滑油が循環する方向を制御するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  5. 上記方向制御手段は、潤滑油が循環する方向を少なくともリングギヤの回転数に応じて制御するものであることを特徴とする請求項4に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  6. 上記方向制御手段は、キャリア内の温度に応じて潤滑油が循環する方向を制御するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  7. 上記方向制御手段を膨張収縮可能なエアバッグをもって形成したことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  8. 上記ドライブピ二オンギヤの回転中心がリングギヤの回転中心よりも下方側にオフセットしていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  9. ディファレンシャルケースにリングギヤが固定されたディファレンシャル装置のほか、上記リングギヤに噛み合うドライブピ二オンギヤを有するドライブピ二オンシャフトがそれぞれ軸受支持されているキャリア内に潤滑油を貯留し、上記リングギヤおよびドライブピ二オンギヤの噛み合い回転に伴う掻き上げ作用によって潤滑油を循環させながらそれぞれの軸受支持部を潤滑するようにしたファイナルドライブの潤滑構造であって、
    上記キャリアの内部に、少なくともリングギヤが掻き上げた潤滑油の流れをディファレンシャル装置の軸受支持部に向けて誘導する整流板を設けたことを特徴とするファイナルドライブの潤滑構造。
  10. 整流板はキャリア補強用のリブを兼ねていて、その整流板を複数個設けたことを特徴とする請求項9に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  11. 整流板を上部側と下部側とに分割し、上部側の整流板には潤滑油の流れを軸受支持部に向けて誘導するべく下部側の整流板よりも大きく傾斜させてあることを特徴とする請求項9または10に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  12. キャリアをキャリア本体とリアカバーとで構成してあるとともに、整流板をリアカバーと一体に成形してあることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  13. リングギヤで掻き上げた後ドライブピ二オンシャフトの軸受支持部に向かって流れる潤滑油の放熱作用を司る放熱手段を設けたことを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  14. ドライブピ二オンシャフトの軸受支持部を潤滑した後の潤滑油の放熱作用を司る放熱手段を設けたことを特徴とする請求項13に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  15. 放熱手段は、それ自体の内部にまで潤滑油を受容可能なコルゲート状の放熱フィンであることを特徴とする請求項13または14に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  16. ドライブピ二オンシャフトの外周側であって且つそのドライブピ二オンシャフトを両持ち支持している軸受同士の間に、潤滑油の撹拌作用をなす羽根を設けたことを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  17. ドライブピ二オンシャフト自体に潤滑油の撹拌作用をなす羽根を設けたことを特徴とする請求項請求項16に記載のファイナルドライブの潤滑構造。
  18. ドライブピ二オンシャフトの軸心に対して所定角度をなすように羽根にねじれ角を具備させたことを特徴とする請求項16または17に記載にファイナルドライブの潤滑構造。
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