JP2006199795A - ウレタン製透明保護材、ウレタン製透明保護材の製造方法及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
耐薬品性、風合い、意匠性に優れたウレタン製透明弾性保護材を提供する。
【解決手段】
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を反応させることによって得られるウレタン製弾性透明保護材であって、上記ポリオール成分は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するものであり、上記ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族イソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであるウレタン製弾性透明保護材。
【選択図】 なし
耐薬品性、風合い、意匠性に優れたウレタン製透明弾性保護材を提供する。
【解決手段】
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を反応させることによって得られるウレタン製弾性透明保護材であって、上記ポリオール成分は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するものであり、上記ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族イソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであるウレタン製弾性透明保護材。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ウレタン製透明保護材、ウレタン製透明保護材の製造方法及び樹脂組成物に関する。
種々の用途に対して各種プレート等が使用されているが、このようなプレートのなかには、表面を保護する必要があるものが存在する。このため、プレート表面を保護するために、プレート表面に各種樹脂層を形成させることによって保護層を形成することが広く行われている。
このようなプレートとして、近年IDタグが使用されるようになってきている。IDタグとは、自己認識技術RFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられるものであり、このIDタグの保護層には、従来ポリカーボネート等の硬質樹脂が用いられてきた。しかし、硬質樹脂は、使用用途によれば、衝撃によるワレが発生しやすく、長期使用に耐えられないといった問題が生じていた。また、意匠性、風合いを求められる用途では、硬質樹脂の保護層では充分に対応できなかった。
そこで、これらの問題を解決するために、弾性体からなる保護層が検討され、塩化ビニル製のものが提案されたが、環境問題で塩化ビニルが敬遠され、脱塩化ビニル製弾性保護層が求められるようになった。また、他の方法として、通常のエラストマーを保護層として用いることも提案されたが、この場合、耐衝撃性はあるが、風合いがなくゴム状であるために意匠性に欠けるといった問題があった。また、タック感があるため、人が手に持って利用するIDタグのような分野では不快感を与える結果となる。
特許文献1には、紫外線安定剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を含有するポリオール成分と、イソシアネート成分とからなる二液タイプの意匠性部品用ポリウレタン材料が開示されている。しかし、これは、主に変色等が発生せず、良好な外観を呈する意匠性の向上を目的としたものであり、人が触ったときの感触についての風合いやタック感、耐薬品性については、検討されていない。
特許文献2には、数平均分子量4000〜12000のポリオキシアルキレンポリオールとイソシアネートとを反応して得られるイソシアネート基末端プレポリマーと、数平均分子量4000〜12000のポリオキシアルキレンポリオールを主成分とする硬化剤とを反応させて得られる熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形品が開示されている。
これは、ポリオキシプロピレンポリオール等のポリオキシアルキレンポリオールを使用するものであるため、このような材料をポッティング成形に適用すると、基材の上に樹脂をポッティングした後常温から極低温で硬化させるために、硬化に2、3日が必要となり、かなり作業性に劣るといった欠点がある。
また、自動認識技術の普及には、使用するIDタグの生産コストを低く抑えることの他に、IDタグが種々の刺激条件の中での使用に耐え得ることが必要となり、例えば、食べ物やドライクリーニング等によりアルコール消毒や石油系溶剤にさらされた場合に耐久性が要求される。このようなIDタグの保護層の形成に、ポリオキシプロピレンポリオール等のポリオキシアルキレンポリオールの材料を使用すると、耐薬品性に劣ったものとなるため、これらの溶剤に長時間さらすことができず、その結果、IDタグ用として幅広く普及させることができない。更に、人が手で触ったときの感触についての風合いや耐薬品性についても検討されていない。
従って、耐衝撃性のみならず、人が手で触れた場合の風合い等が良好で、耐薬品性にも優れ、製造時の作業性や意匠性の良好な透明保護材が必要とされていた。
従って、耐衝撃性のみならず、人が手で触れた場合の風合い等が良好で、耐薬品性にも優れ、製造時の作業性や意匠性の良好な透明保護材が必要とされていた。
本発明は、耐薬品性、風合い、意匠性に優れたウレタン透明弾性保護材を提供することを目的とする。
本発明は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を反応させることによって得られるウレタン製弾性透明保護材であって、上記ポリオール成分は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するものであり、上記ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであることを特徴とするウレタン製弾性透明保護材である。
上記ウレタン製弾性透明保護材において、ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであり、上記平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体であることが好ましい。
上記ウレタン製弾性透明保護材において、ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであり、上記脂環族ジイソシアネートと上記平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートとの混合比は、質量比で30/70〜70/30であることが好ましい。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、シリコーン系界面活性剤及び/又は末端にイソシアネート基と反応する官能基を有するシリコーンを含有するものであることが好ましい。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、IDタグを保護するものであることが好ましい。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、IDタグを保護するものであることが好ましい。
本発明は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分とを含む樹脂組成物を用いてポッティング法によって保護層を形成する工程(1)、並びに、上記保護層を加熱硬化させる工程(2)からなることを特徴とするウレタン製弾性透明保護材の製造方法でもある。
本発明はまた、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分とを含むことを特徴とする樹脂組成物でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のウレタン製弾性透明保護材は、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を反応させることによって得られるものであって、上記ポリオール成分は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するものであり、上記ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するものである。このため、耐薬品性、風合い、意匠性や透明性に優れるものである。また、作業性が良好で、高い生産性を有するものである。本発明において、上記保護材は、例えば、IDタグ等の被塗物上に、上記樹脂組成物をポッティングによって流し、成形することによって形成される保護層である。
本発明は、特定のポリカーボネートポリオール及び特定のイソシアネート化合物を含む樹脂組成物を反応させることにより得られるウレタン製弾性透明保護材である。このため、上記ウレタン製弾性透明保護材は、エラストマー的性質を有することにより耐衝撃性があり、人が持って使用するために要求される耐汗性、耐水性、耐薬品性を有する。また、種々の形状に対応できる意匠性を有し、IDチップ表面にデザインを入れることができる透明性を有する。
上記ポリオール成分は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するものである。上記ポリカーボネートポリオールが側鎖にメチル基を有するものであるため、低温での結晶化が防止され、低温でも白色化せず透明なものを得ることができる。
上記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量が500〜1000であるため、上記ウレタン製弾性透明保護材のガラス転移温度が常温近くになり、その結果、風合いや手で触ったときの心地よい感触として、弾性があり、かつ、ゆっくりと曲がりが戻る感じを付与することができる。500未満であると、硬くなりすぎる。1000を超えると、反弾力が高くなりゆっくりと曲がる感じを付与できない。
通常のポリカーボネートポリオールでは常温で固体であり扱いにくいものとなるが、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールは、常温(25℃)で液状のものであるため、加工時の液温を低く保つことが可能となる。このため、ポッティング成形性に優れ、かつ低温で透明性を保つことができる。
上記ポリカーボネートポリオールは、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のものであれば特に限定されないが、なかでも、作業性が良い点で、3−メチル−1,5ペンタンジオールとへキサンジオールからなるポリカーボネートポリオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジオールからなるポリカーボネートポリオールが好ましい。これらのポリカーボネートポリオールは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、C590、C1050、C1090(いずれも、3−メチル−1,5−ペンタジオールとヘキサンジオールからなるポリカーボネートポリオール、クラレ社製)、C1065N(2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジノールからなるポリカーボネートポリオール、クラレ社製)、C1015N(2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9ノナンジノールからなるポリカーボネートポリオール、クラレ社製)等を挙げることができる。
上記ポリオール成分は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記の特定のポリカーボネートポリオール以外のポリカーボネートポリオールや他のポリオールを含むものであってもよい。
上記ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するもの、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するものである。
本発明においては、ポリイソシアネート成分として、脂環族ジイソシアネート又は脂肪族ジイソシアネートのみを使用すると、ポリオールとの硬化性に劣るため、脂環族ジイソシアネートと平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートとの混合物、又は、脂肪族ジイソシアネートと官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートとの混合物とすることにより、硬化性を向上させたものである。また、このような特定のポリイソシアネート成分を上述のポリオール成分とともに用いることにより、耐衝撃性、耐薬品性、風合い、意匠性、作業性を好適に得ることができる。
本発明においては、ポリイソシアネート成分として、脂環族ジイソシアネート又は脂肪族ジイソシアネートのみを使用すると、ポリオールとの硬化性に劣るため、脂環族ジイソシアネートと平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートとの混合物、又は、脂肪族ジイソシアネートと官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートとの混合物とすることにより、硬化性を向上させたものである。また、このような特定のポリイソシアネート成分を上述のポリオール成分とともに用いることにより、耐衝撃性、耐薬品性、風合い、意匠性、作業性を好適に得ることができる。
上記脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の炭素数6〜16の脂環族ジイソシアネートを挙げることができる。なかでも、コストや衛生面の点で、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
上記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。
上記平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体の変性体等を挙げることができる。なかでも、コストの点で、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体が好ましい。なお、上記平均官能基数とは、上記脂肪族イソシアネートにおいて、1分子当たりのイソシアネート基の数である。
上記官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ビウレット体、アダクト体の変性体等を挙げることができる。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するものである場合、上記脂環族ジイソシアネートと上記平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートとの混合比が、質量比で30/70〜70/30であることが好ましい。上記脂環族ジイソシアネートの質量比が30未満であると、粘度が高くなり作業性に欠けるおそれがある。上記脂環族ジイソシアネートの質量比が70を超えると、硬化性に劣るおそれがある。上記ポリイソシアネート成分は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他のイソシアネート化合物を含むものであってもよい。
上記ポリオール成分及び上記ポリイソシアネート成分は、上記ポリオール成分のOH基と上記ポリイソシアネート成分のNCO基の比(NCO基/OH基、NCO Index ともいう。)は、0.95〜1.15の範囲で反応させたものが好ましい。この範囲にすることにより、ポリウレタンとして所定の機械的強度を確保できる。0.95未満であると、未反応OH基が残りタック感が出るおそれがある。1.15を超えると、NCO基が過剰となり硬化反応が遅くなるおそれがある。
上記ポリオール成分と上記ポリイソシアネート成分とを含む樹脂組成物は、シリコーン系界面活性剤及び/又は末端にイソシアネートと反応する官能基を有するシリコーンを含有してなるものであることが好ましい。
上記シリコーン系界面活性剤及び/又は末端にイソシアネートと反応する官能基を有するシリコーン(以下、これらを「平滑剤」ともいう)を含有することにより、ポリカーボネートポリオールとの相溶性がよく、透明でかつ平滑な面を有する成形品を得ることができる。また、IDチップの上に、上記樹脂組成物をポッティングにより流し、成形することが好適に行うことができるため、種々の形状に対応することができ、金型が不要となる。更に、樹脂の硬化収縮により表面がシワになったり、反応が遅く硬化に時間がかかったりするといった問題が生じることを防止することができる。
上記シリコーン系界面活性剤及び/又は末端にイソシアネートと反応する官能基を有するシリコーン(以下、これらを「平滑剤」ともいう)を含有することにより、ポリカーボネートポリオールとの相溶性がよく、透明でかつ平滑な面を有する成形品を得ることができる。また、IDチップの上に、上記樹脂組成物をポッティングにより流し、成形することが好適に行うことができるため、種々の形状に対応することができ、金型が不要となる。更に、樹脂の硬化収縮により表面がシワになったり、反応が遅く硬化に時間がかかったりするといった問題が生じることを防止することができる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、環状シリコーン、トリメチルシロキケイ酸、メチルフェニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等を挙げることができる。市販品としては、例えば、SZ1142(商品名、日本ユニカー社製)、SH192、SH190、SF2904(商品名、いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等を挙げることができる。
上記末端にイソシアネート基と反応する官能基を有するシリコーンとしては、例えば、アルコール変性シリコーン、エーテル変性シリコーン又はアミノ変性シリコーン等を挙げることができ、具体的には、KF6001、X−22−160AS、X−22−4271、X−22−4842(商品名、いずれも信越化学社製)を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記平滑剤の総含量は、上記ポリオール成分100質量部(樹脂固形分)に対して、0.5〜1質量部であることが好ましい。0.5質量部未満であると、平滑性の寄与が不充分であるおそれがある。1質量部を超えても、効果は変わらず経済的に不利となる。0.5〜0.8質量部であることがより好ましい。
上記ポリオール成分と上記ポリイソシアネート成分とを含む樹脂組成物は、反応を促進する目的で、触媒を含むものであってもよい。なかでも、スズ触媒を使用することが好ましい。上記スズ触媒を使用することにより、硬化速度を早め、かつ透明な保護材を形成することができる。なお、アミン系触媒は、反応速度が遅いため多量に配合する必要があるが、この場合、アミンの黄色褐色に着色したりするので好ましくない。
上記スズ触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いればよく、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート、2−エチルヘキサン酸スズ等のスズ化合物を挙げることができる。
上記触媒の含有量は、上記ポリオール成分及び上記ポリイソシアネート成分の合計質量100質量部(樹脂固形分)に対して、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。
本発明において、上記樹脂組成物は、上述の成分に、必要に応じて安定剤、難燃剤、防黴剤等の添加剤を配合してもよい。
上記安定剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を挙げることができる。上記難燃剤の例としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、アンモニウムポリホスフェート、有機臭素化合物等を挙げることができる。上記防黴剤の例としては、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウレート、ビス(トリ−n−ブチル錫)オキシド等を挙げることができる。
本発明において、上記樹脂組成物の反応は、ポリオール及びイソシアネートを反応させる従来公知の方法を用いることができる。
上記安定剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を挙げることができる。上記難燃剤の例としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、アンモニウムポリホスフェート、有機臭素化合物等を挙げることができる。上記防黴剤の例としては、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウレート、ビス(トリ−n−ブチル錫)オキシド等を挙げることができる。
本発明において、上記樹脂組成物の反応は、ポリオール及びイソシアネートを反応させる従来公知の方法を用いることができる。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、ガラス転移温度(Tg)が25〜40℃であることが好ましい。これにより、風合いと低温特性を両立させることができる。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、動摩擦係数(μ)が0.35以下であることが好ましい。これにより、タック感を抑制することができる。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、透過率が400〜700nmの波長領域で85%以上であることが好ましい。これにより、透明性を得ることができる。
上記ウレタン製弾性透明保護材は、透過率が400〜700nmの波長領域で85%以上であることが好ましい。これにより、透明性を得ることができる。
本発明のウレタン製弾性透明保護材の製造方法は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分とを含む樹脂組成物を用いてポッティング法によって保護層を形成する工程(1)及び上記保護層を加熱硬化させる工程(2)からなる方法である。このような製造方法により、上述したウレタン製弾性透明保護材を製造することができる。
上記工程(1)は、上記樹脂組成物を用いてポッティング法によって保護層を形成する工程(1)である。この工程では、IDタグ等の被塗物上に、ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、平滑剤及びその他の成分を含む樹脂組成物からなる保護層を形成する。上記ポッティング法は、IDタグ等の被塗物上に上記樹脂組成物をポッティングにより流し成形する方法である。この方法は、種々の形状に対応することができ、金型が不要である。上記ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、平滑剤及びその他の成分は、それぞれ上述したものと同様である。
上記工程(2)は、上記工程(1)で形成した保護層を加熱硬化させる工程(2)である。これにより、上記保護層を加熱硬化させることができ、硬化した保護層を被塗物上に形成することができる。この結果、耐薬品性、耐衝撃性、風合いやタック感、意匠性に優れたウレタン製弾性透明保護材(硬化した保護層)を被塗物上に形成することができる。上記加熱硬化は、60〜120℃で行うことが好ましい。硬化温度が60℃未満であると、硬化促進の硬化が乏しく、120℃を超えると、IDチップへの影響が出たり、成形後常温に戻すと硬化収縮でそりを生じたりするおそれがある。加熱時間は、1〜60分間であることが好ましい。
側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分とを含む樹脂組成物もまた本発明の1つである。上記樹脂組成物を用いることにより、IDタグ等の被塗物上に、耐薬品性、耐衝撃性、風合いやタック感、意匠性に優れた透明な保護材を得ることができる。上記樹脂組成物中の成分は、上述したものと同様のものである。
本発明のウレタン製弾性透明保護材は、耐薬品性、風合い、意匠性や透明性に優れたものである。また、金型が不要であるポッティング法により、種々の形状に対応して容易に製造することができるので、作業性が良好で、高い生産性を有する。従って、本発明のウレタン製弾性透明保護材は、IDタグを保護するものであることが好ましい。また、その他のプレート等の保護材としても適用可能である。
本発明のウレタン製弾性透明保護材は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分、並びに、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するか又は脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を反応させることによって得られるものである。このため、耐薬品性、風合い、意匠性及び透明性に優れたものである。
本発明のウレタン製弾性透明保護材は、上記構成からなるので、耐薬品性、風合い、意匠性及び透明性に優れる。従って、IDタグ等の保護材として好適に適用することができる。
以下に本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
(実施例1〜7、比較例1〜5)
表1、表2に示す配合で2液型注型機を用い、IDタグ上に混合液を流し、加熱炉で加熱して透明保護材でコーティングされたIDタグを得た。
なお、使用した市販品は以下の通りである。
ポリカーボネートポリオール(側鎖にメチル基を有する):
「C590」(3−メチル−1,5ペンタジオールとヘキサンジオール(質量比90/10)からなるポリカーボネートポリオール、数平均分子量(Mn)=500、水酸基価224KOHmg/g、クラレ社製)、
「C1065N」(2−メチル−1,8オクタンジオールと1,9ノナンジオール(質量比35/65)からなるポリカーボネートポリオール、Mn=1000、水酸基価112KOHmg/g、クラレ社製)、
「C1015N」(2−メチル−1,8オクタンジオールと1,9ノナンジオール(質量比35/65)からなるポリカーボネートポリオール、Mn=2000、水酸基価56KOHmg/g、クラレ社製)、
ポリカーボネートポリオール(側鎖にメチル基を有さない):
「ニッポラン981」(ヘキサンジオールから得られるポリカーボネートポリオール、Mn=1000、日本ポリウレタン工業社製)
ポリオキシプロピレンポリオール:「スミフェン3086」(Mn=3000、住化バイエルウレタン社製)
脂環族ジイソシアネート:「デスモジュールI」(イソホロンジイソシアネート、住化バイエルウレタン社製)
脂肪族ジイソシアネート:「HDI」(ヘキサメチレンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業社製)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の誘導体:「スミジュールN3300」(NCO=21.8%、平均官能基数3.5、住化バイエルウレタン社製)
シリコーン系界面活性剤:「SZ1142」(日本ユニカー社製)
末端にOH基を有するシリコーン:「KF6001」(信越化学社製)
スズ触媒:「ネオスタンU−100」(ジブチルスズジラウレート、日東化成社製)
表1、表2に示す配合で2液型注型機を用い、IDタグ上に混合液を流し、加熱炉で加熱して透明保護材でコーティングされたIDタグを得た。
なお、使用した市販品は以下の通りである。
ポリカーボネートポリオール(側鎖にメチル基を有する):
「C590」(3−メチル−1,5ペンタジオールとヘキサンジオール(質量比90/10)からなるポリカーボネートポリオール、数平均分子量(Mn)=500、水酸基価224KOHmg/g、クラレ社製)、
「C1065N」(2−メチル−1,8オクタンジオールと1,9ノナンジオール(質量比35/65)からなるポリカーボネートポリオール、Mn=1000、水酸基価112KOHmg/g、クラレ社製)、
「C1015N」(2−メチル−1,8オクタンジオールと1,9ノナンジオール(質量比35/65)からなるポリカーボネートポリオール、Mn=2000、水酸基価56KOHmg/g、クラレ社製)、
ポリカーボネートポリオール(側鎖にメチル基を有さない):
「ニッポラン981」(ヘキサンジオールから得られるポリカーボネートポリオール、Mn=1000、日本ポリウレタン工業社製)
ポリオキシプロピレンポリオール:「スミフェン3086」(Mn=3000、住化バイエルウレタン社製)
脂環族ジイソシアネート:「デスモジュールI」(イソホロンジイソシアネート、住化バイエルウレタン社製)
脂肪族ジイソシアネート:「HDI」(ヘキサメチレンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業社製)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の誘導体:「スミジュールN3300」(NCO=21.8%、平均官能基数3.5、住化バイエルウレタン社製)
シリコーン系界面活性剤:「SZ1142」(日本ユニカー社製)
末端にOH基を有するシリコーン:「KF6001」(信越化学社製)
スズ触媒:「ネオスタンU−100」(ジブチルスズジラウレート、日東化成社製)
(評価方法)
上記で得られたIDタグについて、硬度、タック感、風合い、平滑性、耐薬品性(耐アルコール性)、透明性(透過率)について下記の方法で評価した。また、ガラス転移温度を測定した。得られた結果を表1、表2に示す。
上記で得られたIDタグについて、硬度、タック感、風合い、平滑性、耐薬品性(耐アルコール性)、透明性(透過率)について下記の方法で評価した。また、ガラス転移温度を測定した。得られた結果を表1、表2に示す。
硬度
上記IDタグの硬度は、JIS−Aスプリング硬度計を用いて求めた。90JIS−Aを超えると硬く感じる。
タック感
上記IDタグを手で触った時のベタツキ感の有無を評価した。
また、タック感の指標である動摩擦係数(μ)を、表面性測定器「HEIDON−14R」(新東科学社製)により、荷重50g、摩擦速度50mm/分、相手材 鉄球の条件で測定した。
上記IDタグの硬度は、JIS−Aスプリング硬度計を用いて求めた。90JIS−Aを超えると硬く感じる。
タック感
上記IDタグを手で触った時のベタツキ感の有無を評価した。
また、タック感の指標である動摩擦係数(μ)を、表面性測定器「HEIDON−14R」(新東科学社製)により、荷重50g、摩擦速度50mm/分、相手材 鉄球の条件で測定した。
風合い
上記IDタグを手で触った時の柔軟感について評価した。
上記IDタグの反撥弾性について、リュプリ式反撥弾性測定器を用いて求めた。40%以上であるとしっとりとした風合いに欠ける。
上記IDタグを手で触った時の柔軟感について評価した。
上記IDタグの反撥弾性について、リュプリ式反撥弾性測定器を用いて求めた。40%以上であるとしっとりとした風合いに欠ける。
平滑性
上記IDタグの表面の均一感について、外観、ヒケ、ウネリ、アバタ等を目視により評価した。
上記IDタグの表面の均一感について、外観、ヒケ、ウネリ、アバタ等を目視により評価した。
耐アルコール性
イソプロピルアルコールに24時間浸漬後の状態を観察した。
透過率
磁気分光光度計U3500(日立製作所社製)を用いて、400〜700nmの波長領域で測定した。
イソプロピルアルコールに24時間浸漬後の状態を観察した。
透過率
磁気分光光度計U3500(日立製作所社製)を用いて、400〜700nmの波長領域で測定した。
ガラス転移温度
ガラス転移温度(Tg)を、DVEスペクトロラーにより、周波数10Hz、動歪0.02%、昇温モードで測定し、tanσのピーク温度によりTgとした。
ガラス転移温度(Tg)を、DVEスペクトロラーにより、周波数10Hz、動歪0.02%、昇温モードで測定し、tanσのピーク温度によりTgとした。
表1、表2より、実施例のIDタグは、タック感がなく、風合い、平滑性、耐薬品性、透明性の全てにおいて優れていたが、比較例のIDタグは、タック感があり、風合い、耐薬品性又は透明性において良好でないものであった。
本発明のウレタン製透明保護材は、IDタグ等に好適に使用することができる。
Claims (7)
- ポリオール成分及びポリイソシアネート成分を含む樹脂組成物を反応させることによって得られるウレタン製弾性透明保護材であって、
前記ポリオール成分は、側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するものであり、
前記ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するものである
ことを特徴とするウレタン製弾性透明保護材。 - ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであり、
前記平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体である請求項1記載のウレタン製弾性透明保護材。 - ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートを含有するものであり、
前記脂環族ジイソシアネートと前記平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネートとの混合比は、質量比で30/70〜70/30である請求項1又は2記載のウレタン製弾性透明保護材。 - シリコーン系界面活性剤及び/又は末端にイソシアネート基と反応する官能基を有するシリコーンを含有するものからなる請求項1、2又は3記載のウレタン製弾性透明保護材。
- ウレタン製弾性透明保護材は、IDタグを保護するものである請求項1、2、3又は4記載のウレタン製弾性透明保護材。
- 側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分とを含む樹脂組成物を用いてポッティング法によって保護層を形成する工程(1)、並びに、
前記保護層を加熱硬化させる工程(2)からなる
ことを特徴とするウレタン製弾性透明保護材の製造方法。 - 側鎖にメチル基を有し、数平均分子量が500〜1000のポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分と、脂環族ジイソシアネート及び平均官能基数が2以上の脂肪族イソシアネート、又は、脂肪族ジイソシアネート及び官能基数が3以上の脂肪族イソシアネートを含有するポリイソシアネート成分とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017171904A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-28 | 三洋化成工業株式会社 | ポリウレタン樹脂水分散体 |
CN111655761A (zh) * | 2017-11-17 | 2020-09-11 | 派珀接入公司 | 耐醇硅化聚碳酸酯聚氨酯和掺入所述耐醇硅化聚碳酸酯聚氨酯的医疗装置 |
WO2020213746A1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-22 | Dic株式会社 | 樹脂成形体 |
WO2020213747A1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-22 | Dic株式会社 | ウレタン樹脂組成物及びフィルム |
-
2005
- 2005-01-19 JP JP2005011928A patent/JP2006199795A/ja active Pending
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WO2020213746A1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-22 | Dic株式会社 | 樹脂成形体 |
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