JP2006195161A - 表示パネルの駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルを駆動する駆動装置であって、表示パネルの輝度傾斜を抑制することが可能な表示パネルの駆動装置を提供する。
【解決手段】表示パネル110の複数の列電極にそれぞれ定電流を出力する複数の定電流出力部122−1〜122−nを備え、同じ階調で表示させるための前記定電流が出力されるに際して前記複数の定電流出力部122−1〜122−nのうちの第1の前記定電流出力部122−1から前記定電流が出力される第1のドライブ期間202−1と第2の前記定電流出力部122−nから前記定電流が出力される第2のドライブ期間202−nとが異なる値に設定され、前記第1及び第2の定電流出力部は、それぞれ前記第1及び第2のドライブ期間だけ前記定電流を出力するように制御されることを特徴としている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、表示パネルの駆動装置に関し、特に、有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルにおいて、輝度傾斜を抑制可能な表示パネルの駆動装置に関する。
電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子の一例として、有機EL素子のようなEL素子が挙げられる。EL素子を用いたEL表示パネルは、自発光デバイスであり、高輝度、視野角が大きい、応答性が速い、小型薄型化が可能などの利点があることから、カーオーディオ、携帯電話機、PDA(携帯端末装置)、車載パネル等に搭載される次世代表示装置として注目されている。以下では、一例として、有機EL表示パネルの駆動装置について説明する。
図5は、有機EL表示システムの全体構成図である。有機EL素子で構成されたパネル1は、陽極ドライバー2,3、及び陰極ドライバー4(,5)により駆動されて点灯する。陽極ドライバー2が有機ELパネル1の左面、陽極ドライバー3が有機ELパネル1の右面を点灯させるためにそれぞれ電流注入を行う。図5において、破線で示すように、陰極ドライバー5は必須ではなく、有機ELパネル1の横方向の画素数が多い場合に、陰極ドライバー4,5が有機ELパネル1の両側に必要となる。
陽極ドライバー2,3及び陰極ドライバー4,5は、表示用コントローラ6により制御される。有機ELパネル1の表示素子数が多い場合、処理負荷が大きくなるため専用の表示コントローラ6が使用され、有機ELパネル1の表示素子数が少ない場合には表示用コントローラ6は必要が無く、マイコン7から直接制御される。マイコン7は、表示データ用ROM8より表示データを読み込み、表示コントローラ6に表示データを書き込む役割をする。
図6に、単純マトリクス構成の有機ELパネル1、陽極ドライバーIC2(3)の出力段ブロック22−1〜22−n、陰極ドライバーIC4の出力段ブロックの概要図を示す。有機ELパネル1には、アノード側から発光を得るタイプと、カソード側から発光を得るタイプがあるが、アノード側から発光を得る方式の有機ELパネルの場合、アノード側はITO(Indium Tin Oxide:透明電極)、カソード側はアルミで配線される。本明細書では、アノード側から発光を得るタイプを使うこととして説明を進める。
図7に有機EL素子のL−I特性図を示す。有機EL素子は、電流に対してリニアに発光輝度が変化する特性をもつ。従って、図6に示すように、陽極ドライバーIC2(3)の出力を定電流源23とすることで、同じ輝度の表示を得ることができる。
図5及び図6に示すように、コントロールIC(表示用コントローラ6)からの信号により、陽極ドライバーIC2(3)の各出力段22−1〜22−nのスイッチSa1・・・Sanが制御され、有機EL素子11へ定電流が流れ込む期間(定電流出力期間、ドライブ期間)が調整される。
陰極ドライバーIC4(5)の出力段は、コントロールIC6からの信号によりスイッチSc1・・・Scnが制御され、走査ラインのみが“L”となる(図6では、スイッチSc2に対応するライン(有機ELパネル1の行電極)が走査ラインである)。
陽極ドライバー2(3)の出力段22−1〜22−nのスイッチSa1・・・SanがONとされている期間だけ定電流源23から電流が供給され、走査ラインに接続されている有機EL素子11に電流が流れ点灯する(図6では、スイッチSa1及びSanがONとされ、走査ライン上の有機EL素子11aが点灯している)。陰極ドライバーIC4(5)出力は線順次走査し、コントロールIC6より送られる表示データに基づいたピクチャーが有機ELパネル1に表示される。
陽極ドライバー2(3)の出力段22−1〜22−nの定電流源23のON時間を変える(時分割する)ことで、階調表現が実現される。図8に4階調表示の場合のタイミングチャート図を示す。ラインシンク(LS)信号31の直後の1つ目のドライブクロック(DCLK)信号32aの立ち上がりから2つ目のドライブクロック(DCLK)信号32bの立ち上がりまでの時間だけスイッチSa1・・・SanがONとされることにより、階調1で表示される。同様に、1つ目のドライブクロック(DCLK)信号32aの立ち上がりから3つ目のドライブクロック(DCLK)信号32cの立ち上がりまでの時間だけスイッチSa1・・・SanがONとされることにより、階調2で表示される。また、1つ目のドライブクロック(DCLK)信号32aの立ち上がりからLS(ラインシンク)信号31の立ち上がりまでの時間だけスイッチSa1・・・SanがONとされることにより、階調3(フル階調)で表示される。
なお、特開2004−54234号公報(特許文献1)には、有機EL表示パネルの端子ピン駆動電流の駆動電流値を調整する有機EL駆動回路の駆動電流値調整回路において、メモリに記憶されたデータを受けてON/OFFするスイッチ回路と、前記有機EL表示パネルの端子ピンに対応して設けられこの端子ピンを駆動するための電流あるいはその基礎となる電流を受けて、受けたこの電流の電流値と前記スイッチ回路のON/OFFとに応じて所定の電流値の電流を生成する電流値生成回路とを備え、前記メモリは、前記データが書込まれる不揮発性メモリあるいはある不揮発性メモリの前記データが書込まれる揮発性メモリであり、前記駆動電流値を前記所定の電流値の電流に応じて調整する技術が開示されている。
特開2004−54234号公報
図8に示したドライブクロック(DCLK)信号32a〜32cは、陽極ドライバー2,3の全出力段22−1〜22−nに共通に使用されているため、同じ階調が設定される時には、各出力段22−1〜22−nから同じ期間だけ定電流が有機EL素子11に流れることになる。
図9に、従来システム1(図5のシステムで陰極ドライバー4が1つの場合)、図10に、従来システム2(図5のシステムで陰極ドライバー4,5が2つの場合)において、有機ELパネル1の全ての有機EL素子11を点灯させたときのイメージ図を示す。図9に示すように、従来システム1では、陰極ドライバー4側が明るく、陰極ドライバー4から離れるにつれて輝度が低下し、図10に示すように、従来システム2では、有機ELパネル1の中央部が暗く陰極ドライバー4,5に近づくにつれて明るくなる、いわゆる輝度傾斜、色ムラが発生する。
輝度傾斜が発生する原因について説明する。
図11に従来システム1、図12に従来システム2において、有機ELパネル1の全ての有機EL素子11を点灯させたときの、パネル横方向位置に対する有機EL素子11のカソード電位図を示す。上述したように、有機EL素子11の陰極配線材料はアルミである。但し、有機ELパネル1の信頼性を確保するために、陰極アルミを十分に厚く形成することができないのが現状である。アルミは抵抗率が低い物質ではあるが、アルミ厚を十分に確保できないため、有機EL素子11の点灯時には、陰極ドライバー4(,5)からの距離に対応するパネル横方向位置(図11及び図12)により、有機EL素子11のカソード電位201が異なることになる。
陰極ドライバーIC4(,5)から離れるほど、有機EL素子11のカソード電位201は高くなる。この現象は、パネルのアスペクト比が特に横長である場合(例えば画素数が256×64や320×240など)に、大きな問題となる。
図13に有機EL素子11の等価回路を示す。有機EL素子11は、発光素子(有機EL素子)101とコンデンサ(寄生容量)102が並列接続している形になる。陽極ドライバー2(3)の出力段22−1〜22−nからの電流は、発光素子101とコンデンサ102へのチャージ電流に分流される。カソード電位201が高い発光素子101は、アノード電位も高くなる。したがって、コンデンサ102へのチャージ電流が大きくなるため(Q=1/2CVのVが大きくなるため)、発光素子101へ流れる電流が減り、輝度が低くなってしまう。このことから、陰極ドライバー4(,5)に近い側の有機EL素子11は輝度が高く、陰極ドライバー4(,5)から離れるほど輝度が低下するという輝度傾斜、色ムラが発生する。
有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルにおいて、輝度傾斜が抑制されることが望まれている。
有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルにおいて、特に、回路規模を小さく抑えつつ輝度傾斜が抑制されることが望まれている。
本発明の目的は、有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルを駆動する駆動装置であって、表示パネルの輝度傾斜を抑制することが可能な表示パネルの駆動装置を提供することである。
本発明の他の目的は、有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルを駆動する駆動装置であって、特に、回路規模を小さく抑えつつ、表示パネルの輝度傾斜を抑制することが可能な表示パネルの駆動装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、表示パネルの複数の列電極にそれぞれ定電流を出力する複数の定電流出力部を備え、同じ階調で表示させるための前記定電流が出力されるに際して前記複数の定電流出力部のうちの第1の前記定電流出力部から前記定電流が出力される第1のドライブ期間と第2の前記定電流出力部から前記定電流が出力される第2のドライブ期間とが異なる値に設定され、前記第1及び第2の定電流出力部は、それぞれ前記第1及び第2のドライブ期間だけ前記定電流を出力するように制御されることを特徴としている。
以下、図1から図4を参照して、本発明の表示パネルの駆動装置の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る有機EL表示システムの全体構成図である。本実施形態の表示パネルの駆動装置は、陽極ドライバー120,130、及び陰極ドライバー140を備えており、有機EL素子で構成されたパネル110を駆動して点灯させる。陽極ドライバー120が有機ELパネル110の左面、陽極ドライバー130が有機ELパネル110の右面を点灯させるためにそれぞれ電流注入を行う。本実施形態では、後述する理由から、有機ELパネル1の図中横方向に画素数が多い場合であっても、片側だけに陰極ドライバー140があれば足り、有機ELパネル1の図中右側に陰極ドライバーは必要ない。
陽極ドライバー120,130及び陰極ドライバー140は、表示用コントローラ160又はマイコン170により制御される。有機ELパネル110の表示素子数が多い場合、処理負荷が大きくなるため専用の表示コントローラ160が使用され、有機ELパネル110の表示素子数が少ない場合には表示用コントローラ160は必要が無く、マイコン170から直接制御される。マイコン170は、表示データ用ROM180より表示データを読み込み、表示コントローラ160に表示データを書き込む役割をする。
本実施形態において、マイコン170には、ドライブ期間データ用ROM171が設けられている。陽極ドライバー120,130には、それぞれドライブ期間データ記憶部123a,133aが設けられている。ドライブ期間データ記憶部123a,133aは、レジスタ、RAM、EEPROM等のデータの書き換え可能な記憶部である。これらドライブ期間データ用ROM171、及びドライブ期間データ記憶部123a,133aについては、後述する。
図2は、本実施形態の陽極ドライバー120の構成を示すブロック図である。ここでは、陽極ドライバー120について説明するが、陽極ドライバー130は、陽極ドライバー120と同じ構成であるため、陽極ドライバー130についての説明は省略する。
陽極ドライバー120は、ドライブ定電流の種電流生成部121と、出力段122−1〜122−nと、上記ドライブ期間データ記憶部123a(図1参照)を含む記憶部123と、ドライブクロック発生回路124と、出力段制御回路125とを備えている。記憶部123は、レジスタ、RAM、EEPROM等のデータの書き換え可能な記憶部である。
ドライブクロック発生回路124及び出力段制御回路125は、それぞれ、各出力段122−1〜122−nに対応するように、出力段122−1〜122−nの数だけ設けられる(それぞれ、符号124−1〜124n、符号125−1〜125nで示す)。
種電流生成部121は、一定値Id=Vref/Irefの種電流(定電流)を生成する。その種電流Idは、各出力段122−1〜122−nのカレントミラー回路を介して各出力段122−1〜122−nの出力部(図中出力1〜出力n)から有機ELパネル110の列電極に出力され、有機ELパネル110のドライブ電流となる。出力段122−1〜122−nは、有機ELパネル110のカラムライン(列電極)ごとに設けられ、それぞれ出力部(図中出力1〜出力n)からカラムラインに定電流を出力する。
出力段制御回路125−1〜125−nは、それぞれ対応する出力段122−1〜122−nのカレントミラー回路を構成する一対のスイッチsp1〜spn、sn1〜snnを制御する制御信号を、出力段122−1〜122−nに出力する。出力段122−1〜122−nは、上記制御信号に基づいて、スイッチsp1〜spn、sn1〜snnが制御されて、定電流の出力の有無、及びその出力期間が制御される。
ドライブクロック発生回路124−1〜124−nは、それぞれ対応する出力段制御回路125−1〜125−nに対して、ドライブクロック(DCLK)信号232−1〜232−n(図3)を出力する。そのドライブクロック(DCLK)信号232−1〜232−n及び表示データに基づいて、出力段制御回路125−1〜125−nは、それぞれ出力段122−1〜122−nに対応する有機EL素子が所定の階調で発光するように上記制御信号を出力する。
本実施形態の表示パネルの駆動装置では、各出力段122−1〜122−nごとにドライブ期間(同じ階調に設定されたときに定電流を出力する期間)を調整できる機能を有している。以下、この機能について詳述する。
図8及び図6を参照して上述したように、従来の陽極ドライバー2(3)では、全ての出力段22−1〜22−nとも同じ(周期の)ドライブクロック(DCLK)信号32(32a〜32c)に基づいて動作していた。このため、図8及び図4に示すように、全ての出力段22−1〜22−nとも、ドライブ期間210が同じであった。ここで、ドライブ期間210とは、フル階調に設定された時に、陽極ドライバー2の各出力段22−1〜22−nから有機ELパネル1に定電流が出力される期間を意味している。
ドライブ期間210は、上記のように、フル階調に設定された時に定電流が出力される期間であるが、フル階調以外の階調(本例では、階調1、階調2)に設定されたときに定電流が出力される期間は、フル階調時のドライブ期間210に比例するため、本実施形態においては、ドライブ期間210のみを考えればよい(後述する本実施形態のドライブ期間202−1〜202−nについても同様である)。
従来は、このようにドライブ期間210が全ての出力段22−1〜22−nにおいて同じであったため、陰極ドライバー4から離れるに従って高くなるカソード電位201の影響を受けて、発光素子101へ流れる電流(電荷量)の割合が減る(コンデンサ102へのチャージ電流の割合が増える)と、その分、発光素子101の輝度が低下していた。
これに対して、本実施形態の陽極ドライバー120では、各出力段122−1〜122−nごとにドライブ期間202−1〜202−n(図3参照)を可変に設定できるようになっている。有機ELパネル110の輝度傾斜、色ムラが抑制されるような各出力段122−1〜122−nごとの適正なドライブ期間202−1〜202−nを示すデータ(ドライブ期間データ203)が、上記ドライブ期間データ記憶部123a(図1、図2)に書き込まれる。
図3は、ドライブ期間データ記憶部123aに書き込まれたドライブ期間データ203に基づいて、陽極ドライバー120が動作したときの動作タイムチャート図であり、図4は、そのときの有機ELパネル110の表示イメージと、パネル横方向に対するカソード電位201と、ドライブ期間202(202−1〜202−n)を示す図である。
ドライブ期間データ203に基づいて、ドライブクロック発生回路124−1〜124−n及び出力段制御回路125−1〜125−nが制御されることにより、図3及び図4に示すように、陰極ドライバー140に近い側の出力段122−1からのドライブ期間(陽極定電流出力期間)202−1が短くされ、陰極ドライバー140から遠い側の出力段122−nからのドライブ期間202−nが長くされている。
図4に示すように、カソード電位201が陰極ドライバー140から離れるに従って高くなるという点では、図11に示した従来のカソード電位201と同様である。これにより、陰極ドライバー140から離れるに従って高くなるカソード電位201の影響を受けて、有機ELパネル110の発光素子101(図13)へ流れる電流の割合が減る(コンデンサ102へのチャージ電流の割合が増える)が、本実施形態では、その分、陰極ドライバー140から遠い側の出力段122−nのドライブ期間202−nを長く(陰極ドライバー140に近い側の出力段122−1のドライブ期間202−1を短く)することで、有機ELパネル110の発光素子101の輝度ムラを抑制している。
図2及び図3に示すように、マイコン170から(又は表示用コントローラ160を介して)、陽極ドライバー120に、クロック(CKD)信号235、ラインシンク(LS)信号231、各出力段122−1〜122−nごとの表示データ、ドライブ期間データ203が出力される。各出力段122−1〜122−nごとの表示データは、記憶部123に書き込まれる。ドライブ期間データ203は、ドライブ期間データ記憶部123aに書き込まれる。
本実施形態の表示パネルの駆動装置の動作の一サイクルは、ラインシンク(LS)信号231の発生周期によって定められる。一サイクルに対応するクロック(CKD)信号235のパルス数がYとされており、例えばY=768に設定されている。
出力段制御回路125−1〜125−nは、ラインシンク(LS)信号231に応答して、それぞれ対応する出力段122−1〜122−nに対して上記制御信号を出力して、全ての出力段122−1〜122−nの出力部(図中出力1〜出力n)の電圧(全ての有機EL素子のアノード電圧)をリセットする。点灯開始前のスタート時点において、前のサイクルでの有機EL素子の点灯/非点灯による影響を残さないためである。
ラインシンク(LS)信号231は、このように、全ての出力段122−1〜122−nの有機EL素子のアノード電圧をリセットする区間の開始時期を規定するとともに、全ての出力段122−1〜122−nのドライブ期間202(202−1〜202−n)の終了時期(フル階調時に定電流の出力を終了する時期)を規定している。
出力段制御回路125−1〜125−nは、記憶部123から読み出された出力段122−1〜122−nごとの表示データに基づいて、出力段122−1〜122−nに対応する有機EL素子が所定の階調で発光するように上記制御信号を出力する。ここで、各出力段122−1〜122−nごとの表示データは、前のサイクルにて記憶部123にラッチされており、ラインシンク(LS)信号231は、記憶部123にラッチされた上記表示データを現在のサイクルにて出力段制御回路125−1〜125−nに読み出すタイミングを定めるラッチ信号としても用いられる。
ドライブクロック発生回路124−1〜124−nは、ラインシンク(LS)信号231及びドライブ期間データ203に基づいて、ドライブクロック(DCLK)信号232−1〜232−nを生成する。即ち、ドライブクロック発生回路124−1〜124−nは、ラインシンク(LS)信号231が発生してから、それぞれ、ドライブ期間データ203に定められた出力段122−1〜122−nごとのドライブ期間202−1〜202−nに対応する期間204−1〜204−nが経過してから、ドライブ期間202−1〜202−nを開始させ、そのドライブ期間202−1〜202−n内でドライブ期間データ203をもとに、ドライブクロック(DCLK)信号232−1(232−1a〜232−1c)〜232−n(232−na〜232−nc)を生成する。
本例では、ドライブ期間データ203において、第1出力段122−1のドライブ期間202−1に対応する期間204−1は、クロック(CKD)信号235の8パルスとして記述され、第n出力段122−nのドライブ期間202−nに対応する期間204−nは、クロック(CKD)信号235の3パルスとして記述されている。
第1出力段制御回路125−1は、上記表示データに基づいて、第1出力段122−1に対応する有機EL素子を階調1で発光させるときには、以下のような上記制御信号を第1出力段122−1に出力する。即ち、一つ目のドライブクロック(DCLK)信号232−1aに応答して、第1出力段122−1から定電流を出力させるための上記制御信号を出力し、二つ目のドライブクロック(DCLK)信号232−1bに応答して、第1出力段122−1から定電流の出力を停止させるための上記制御信号を出力する。
同様に、第n出力段制御回路125−nは、上記表示データに基づいて、第n出力段122−nに対応する有機EL素子を階調3で発光させるときには、一つ目のドライブクロック(DCLK)信号232−naに応答して、第n出力段122−nから定電流を出力させるための上記制御信号を出力し、ラインシンク(LS)信号231に応答して、第n出力段122−nから定電流の出力を停止させるための上記制御信号を出力する。
このように、本実施形態では、出力段122−1〜122−nごとに、対応するドライブクロック(DCLK)信号232−1〜232−nのタイミングを変えることによって、出力段122−1〜122−nごとのドライブ期間202−1〜202−nの調整ができるようになっている。この場合、上記においては、一サイクルの期間(Y=768)において、前半にドライブ期間データ203より定まる期間204−1〜204−nが設けられ、その後にドライブ期間202−1〜202−nが設けられるとして説明したが、それに限定されない。出力段122−1〜122−nごとのドライブ期間202−1〜202−nの調整が可能であればよく、例えば、一サイクルの期間において、ドライブ期間データ203より定まる期間204−1〜204−nが最後に設けられ、ドライブ期間202−1〜202−nが前半に設けられてもよい。
即ち、上記においては、出力段122−1〜122−nごとに、ドライブ期間データ203より定まる期間204−1〜204−nを設定することにより、ドライブ期間202−1〜202−nの開始時期を変えている(ドライブ期間202−1〜202−nの終了時期は同じである)。これに対して、出力段122−1〜122−nごとに、ドライブ期間の終了時期を変える(ドライブ期間の開始時期は同じにする)ことも可能である。この後者の場合には、出力段122−1〜122−nごとに、ドライブ期間の終了時期を定めるためのドライブ期間データが必要となる。
但し、上記のように、ドライブ期間202−1〜202−nの開始時期を変えて、ドライブ期間202−1〜202−nの終了時期が同じである(一サイクルの期間において、前半にドライブ期間データ203より定まる期間204−1〜204−nが設けられ、その後にドライブ期間202−1〜202−nが設けられる)構成の長所として以下の点(1)、(2)が挙げられる。
(1)フル階調時の定電流の出力の終了時期(ドライブ期間202−1〜202−nの終了時期)を、既存のラインシンク(LS)信号231の立ち上がりタイミングで定めることができ、専用の信号を新たに設ける必要がない。
(2)ドライブ期間データ203の開始時期を決めるためのドライブ期間データ203より定まる期間204−1〜204−nが1サイクルの開始のラインシンク(LS)信号231から開始されるため、ドライブ期間データ203より定まる期間204−1〜204−nのクロックパルス数(上記例では、3と8)が小さくて済み、そのパルス数をカウントするためのカウンタ(メモリ)の回路規模を小さく抑えることができる。これに対して、出力段122−1〜122−nごとに、ドライブ期間の終了時期を変える(ドライブ期間の開始時期は同じにする)構成の場合には、出力段122−1〜122−nごとに、異なるドライブ期間の終了時期を示す、1サイクルの開始のラインシンク(LS)信号231からのパルス数が大きくなるため、そのパルス数をカウントするためのカウンタの回路規模が大きくなる。
上記において、ドライブ期間データ203は、マイコン170のドライブ期間データ用ROM171に格納され、マイコン170から(又は表示用コントローラ160を介して)陽極ドライバー120のドライブ期間データ記憶部123aに書き込まれる。ここで、ドライブ期間データ203が当初から陽極ドライバー120にROMデータとして格納されずに、マイコン170から、陽極ドライバー120におけるデータの書き換え可能なドライブ期間データ記憶部123aに書き込まれる理由について説明する。
上記のように、有機ELパネル110の輝度ムラを抑制するためには、陰極ドライバー140からの距離に従って、陽極ドライバー120の出力段122−1〜122−nごとのドライブ期間202−1〜202−nを調整する必要があるが、その調整量は、計算によって求められるものではなく、有機ELパネル110の仕様に応じて変える必要がある。即ち、実際に有機ELパネル110を点灯させて評価してみないと、有機ELパネル110に合った適正な調整量は分らない。
また、有機ELパネル110のサイズは、例えばライン数が256×64のものや320×240のものなど、複数種類あり、それぞれの種類(サイズ)に応じて陰極配線(アルミ配線)の厚みも異なるため、陰極ドライバーからの距離に応じた有機EL素子のカソード電位の変化量も異なる。このように、工場から出荷される前に複数種類の有機ELパネル110ごとに行われる表示テストの結果に従って、上記調整量を変えるためには、陽極ドライバー120の記憶部にROMデータとして書き込むのではなく、マイコン170のドライブ期間データ用ROM171にROMデータとして書き込む方が適している。但し、個々の有機ELパネル110の調整量(当該パネルのパネル特性を反映させた値、当該パネルに特化した値)が分っている場合には、その調整量のデータを陽極ドライバー120のROM(図示せず)にROMデータとして予め書き込んでもよい。
本実施形態では、上記のように、有機ELパネル110の輝度ムラを抑制するために、陰極ドライバー140からの距離に従って、陽極ドライバー120の出力段122−1〜122−nから定電流が出力される期間(ドライブ期間202−1〜202−n)を調整することにより、全ての有機EL素子(発光素子101)に注入される電荷量が等しくなるようにしている。この方法に代えて、陰極ドライバーからの距離に従って、陽極ドライバーの出力段から定電流が出力される期間を変えることなく、各出力段から出力される定電流の絶対値を変えることにより、全ての有機EL素子(発光素子)に注入される電荷量が等しくなるようにすることも考えられる。但し、この後者の方法では、異なる値の定電流(種電流)を生成するためにCMOS回路などの回路が高耐圧であることが必要になり、回路規模の大型化・高コスト化につながる。このことから、本実施形態では、回路規模の小型化・低コスト化を実現し易い前者の方法を採用している。
以上述べたように、本実施形態では、陽極ドライバー120,130の出力段122−1〜122−n,132−1〜132−nごとに、異なる周期のドライブクロック(DCLK)信号232−1〜232−nを使用することにより、出力段122−1〜122−n,132−1〜132−nごとにドライブ期間202−1〜202−nを変え、これにより、陰極ドライバー140からの距離によらず、全ての有機EL素子に対して、同量の電荷(電流)を供給することが可能となる。このことから、有機ELパネル110の輝度傾斜(ムラ)、色ムラが抑制される。これにより、有機ELパネル110の表示品質、色の再現性が格段に向上する。
図3において、一サイクルのクロック(CKD)信号235のパルス数Yを、例えばY=768とすると、0.13%(=1/768)の最小分解能で、各出力段122−1〜122−nのドライブ期間(陽極定電流出力期間)202−1〜202−nを調整することができる。横方向dot間の輝度差が1%以内であって、パネル輝度が50cd/m2くらいであると、人間の目には輝度差として見えない。よって、この程度のシステムにより、十分に、人間の目に輝度ムラがない表示品質が実現できる。クロック(CKD)信号235の周波数を上げることで、各出力段122−1〜122−nのドライブ期間202−1〜202−nの最小分解能を上げることができる。
従来は、横方向に画素数が多い有機ELパネルでは、輝度傾斜が大きくなるので、陰極ドライバICを有機ELパネルの両側に2つ使用している場合があった。これに対して、本実施形態では、陰極ドライバー140からの距離に応じた有機ELパネル110の輝度傾斜の問題が解消されるため、パネル横方向に画素数が多い有機ELパネル110であっても、有機ELパネル110の両側に陰極ドライバーを設ける必要がなく、陰極ドライバーの数を有機ELパネル110の片側の1つに抑えることができるため、低コストの表示パネルの駆動装置が実現できる。また、実装スペースに余裕ができる。
なお、上記実施形態の表示パネルの駆動装置では、駆動対象を有機ELパネル110として説明したが、有機ELパネル110に限定されることなく、例えば電流駆動のLEDパネルのように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルを駆動対象とすることも可能である。
上記実施形態では、以下の項が開示される。
(項1)表示パネル110の複数の列電極にそれぞれ定電流を出力する複数の定電流出力部122−1〜122−nを備え、同じ階調で表示させるための前記定電流が出力されるに際して前記複数の定電流出力部122−1〜122−nのうちの第1の前記定電流出力部122−1から前記定電流が出力される第1のドライブ期間202−1と第2の前記定電流出力部122−nから前記定電流が出力される第2のドライブ期間202−nとが異なる値に設定され、前記第1及び第2の定電流出力部は、それぞれ前記第1及び第2のドライブ期間だけ前記定電流を出力するように制御されることを特徴とする表示パネルの駆動装置。
項1によれば、有機EL素子やLED素子のように、電流駆動され、その電流値によって輝度が実質的にリニアに変化する素子を用いた表示パネルにおいて、輝度傾斜の抑制が可能となる。
本発明の有機EL表示システムの一実施形態の全体構成図である。 本発明の有機EL表示システムの一実施形態の陽極ドライバの構成を示すブロック図である。 本発明の有機EL表示システムの一実施形態のタイミングチャート図である。 本発明の有機EL表示システムの一実施形態の表示イメージと、パネル横方向距離に対するカソード電位と、ドライブ期間を示す図である。 従来一般の有機EL表示システムを示す全体構成図である。 図5において、有機ELパネル、陽極ドライバー、及び陰極ドライバーの要部の概略構成を示す図である。 有機EL素子のL−I特性を示す図である。 従来の有機EL表示パネルの駆動装置の4階調表示仕様の場合のタイムチャート図である。 従来の有機EL表示パネルの駆動装置において陰極ドライバーが1つの場合の有機ELパネルの全ての有機EL素子を点灯させた場合のイメージ図である。 従来の有機EL表示パネルの駆動装置において陰極ドライバーが2つの場合の有機ELパネルの全ての有機EL素子を点灯させた場合のイメージ図である。 従来の有機EL表示パネルの駆動装置において陰極ドライバーが1つの場合の有機ELパネルの全ての有機EL素子を点灯させた場合のパネル横方向位置に対する有機EL素子のカソード電位図である。 従来の有機EL表示パネルの駆動装置において陰極ドライバーが2つの場合の有機ELパネルの全ての有機EL素子を点灯させた場合のパネル横方向位置に対する有機EL素子のカソード電位図である。 有機EL素子の等価回路図である。
符号の説明
1 有機ELパネル
2 陽極ドライバー
3 陽極ドライバー
4 陰極ドライバー
5 陰極ドライバー
6 表示用コントローラ
7 マイコン
8 表示データ用ROM
11、11a 有機EL素子
22−1〜22−n 出力段ブロック
23 定電流源
31 ラインシンク(LS)信号
32、32a〜32c ドライブクロック(DCLK)信号
101 発光素子
102 コンデンサ
110 有機ELパネル
120 陽極ドライバー
121 種電流生成部
122−1、122−2、〜122−n 出力段
123 記憶部
124、124−1〜124−n ドライブクロック発生回路
125、125−1〜125−n 出力段制御回路
123a ドライブ期間データ記憶部
130 陽極ドライバー
132−1、132−2、〜132−n 出力段
133a ドライブ期間データ記憶部
140 陰極ドライバー
160 表示用コントローラ
170 マイコン
171 ドライブ期間データ用ROM
180 表示データ用ROM
201 カソード電位
202−1〜202−n ドライブ期間
203 ドライブ期間データ
204−1〜204−n ドライブ期間データより定まる期間
210 ドライブ期間
231 ラインシンク(LS)信号
232−1〜232−n、232−1a〜232−1c、232−na〜232−nc
ドライブクロック(DCLK)信号
235 クロック(CKD)信号
Sa1〜San スイッチ
Sp1〜Spn スイッチ
Sn1〜Snn スイッチ

Claims (13)

  1. 表示パネルの複数の列電極にそれぞれ定電流を出力する複数の定電流出力部を備え、
    同じ階調で表示させるための前記定電流が出力されるに際して前記複数の定電流出力部のうちの第1の前記定電流出力部から前記定電流が出力される第1のドライブ期間と第2の前記定電流出力部から前記定電流が出力される第2のドライブ期間とが異なる値に設定され、
    前記第1及び第2の定電流出力部は、それぞれ前記第1及び第2のドライブ期間だけ前記定電流を出力するように制御される
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  2. 請求項1記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記表示パネルの行電極の電位を制御する陰極ドライバーからの距離が前記第1の定電流出力部に比べて前記第2の定電流出力部の方が大きいときには、前記第2のドライブ期間は、前記第1のドライブ期間に比べて大きくなるように設定される
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記第1の定電流出力部から前記定電流が出力される前記表示パネルの第1の表示素子における透明電極が配された側と反対側の電位と、前記第2の定電流出力部から前記定電流が出力される前記表示パネルの第2の表示素子における透明電極が配された側の反対側の電位に基づいて、前記第1及び第2のドライブ期間が設定される
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記第1及び第2の定電流出力部それぞれについての前記第1及び第2のドライブ期間のデータをドライブ期間データとして保持する記憶部を備えた
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  5. 請求項4記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記記憶部は、RAM、レジスタ、EEPROMを含むデータの書き換え可能なメモリである
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  6. 請求項4記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記記憶部は、データの書き換え不可能なメモリであり、
    前記メモリには、前記表示パネルの駆動装置により駆動される前記表示パネルの個別のパネル特性を反映させた前記第1及び第2の定電流出力部それぞれについての前記第1及び第2のドライブ期間のデータが前記ドライブ期間データとして記憶されている
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記第1の定電流出力部から出力される前記定電流と前記第2の定電流出力部から出力される前記定電流とは、絶対値が同じであり、
    前記表示パネルの輝度ムラが抑制されるように前記第1及び第2のドライブ期間が設定される
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記第1及び第2のドライブ期間のそれぞれは、クロック信号のクロック周波数を最小分解能として調整可能とされる
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    同じフル階調で表示させるための前記定電流が出力されるに際して前記第1及び第2のドライブ期間は、開始時期が調整され、終了時期は同一とされる
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記表示パネルの駆動装置は、前記表示パネルとして有機EL素子のパネルを駆動する
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記表示パネルの駆動装置は、前記表示パネルとしてLED素子のパネルを駆動する
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  12. 請求項10記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記表示パネルは、単純マトリクス構成の有機EL素子のパネルである
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の表示パネルの駆動装置において、
    前記表示パネルの片側のみに設けられた単一の、前記表示パネルの行電極の電位を制御する陰極ドライバーを備えた
    ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。

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