JP2006194350A - 圧力開放弁 - Google Patents

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聡祐 伊東
Junichi Nakayama
純一 中山
Hitoshi Okabe
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Abstract

【課題】封口板に設けられるリップタイプの圧力開放弁について、その小型化を実現する。
【解決手段】圧力容器の封口板4に設けられるとともに圧力容器内の圧力が所定値を上回ったときに開弁して圧力を開放する圧力開放弁11において、封口板4に設けた孔12内に装着されるリップ部材21を有する。リップ部材21は、孔12内に固定される基部22に、孔12の内面12aに密接するシールリップ23を一体成形したものとする。基部22または基部22と孔12の内面12aとの間には、圧力の開放流路となる連通路25を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンデンサまたはキャパシタ等の圧力容器の封口板に設けられ、圧力容器内の封止圧力が所定値を上回ったときに開弁して圧力を開放する圧力開放弁に関するものである。
密閉型のアルミ電解コンデンサあるいは電気二重層型コンデンサ等は、その素子本体を収容した圧力容器の開口部が、ガスケットを介して封着された封口板によって閉塞されている。そして、このように完全な密閉構造にすると、急激な負荷が加わった場合に、ジュール発熱によって容器の内圧が上昇し、コンデンサの機能低下や寿命低下を来す虞がある。このため、従来から、圧力容器の底部に切り込みを入れて破裂板としたり、また、蓋にゴム製のキャップを取り付けて安全弁とすること等により圧力容器の破裂防止を図ったり、あるいは、封口板に例えばPTFE等からなる多孔質膜に撥水処理を施すことによって、気体は透過するが液体は不透過として容器の内圧を外部に開放する役割をもつブリーザを取り付けて、容器内部に発生するガスの圧力を開放できるようにしたもの等が開発されている。
上記従来の技術によれば、封口板に破裂板や安全弁を用いた場合には、これらが一度破裂してしまうと、それ以後は使用できず、よって繰り返しての使用ができない不都合がある。
また、封口板に設けられたブリーザは、圧力容器の内圧を一定に保ち、電解液等の内封液の漏洩を防止する機能を有するが、通常の使用状態で発生する熱および内圧でも、容器内のガスがブリーザから僅かに放出されるため、電解液が蒸発によって減少しやすく、外部からの水蒸気の侵入も起こりやすい。また、劣悪な環境下では、ブリーザの多孔質膜が目詰まりを起こすこともあり、安定した性能を期待することが困難であった。また、ブリーザは急激な内圧上昇には対応できないため、ブリーザとは別に、内圧が所定値以上となったときにこの内圧を瞬時に開放して容器の爆発を防止するための防爆弁を設ける必要があった。
そこで、本願出願人が先に提案した図7のオイルシールタイプ(リップタイプ)の圧力開放弁51は、封口板52に設けた弁取付空間53にリップ部材54を一つ組み付けるのみの構成であることから、製造・組立が容易で、かつ作動に関する信頼性が高い弁装置である(特許文献1参照)。
しかしながら、この圧力開放弁51では、図示するようにリップ部材54のシールリップ55が内周向きのものとされ、この内周向きのシールリップ55が、弁取付空間53の中央に設けた封口板52の軸部56の外周面に密接する構造とされていることから、以下のような不都合がある。
すなわち、近年、コンデンサやキャパシタ等については、用途によって小型化が要求されており、これに伴って、封口板やこれに設ける圧力開放弁についても小型化、小径化が要求されている。これに対して、上記構成の圧力開放弁51によると、上記したように封口板52に軸部56が必要とされ、この軸部56の周りに内周向きのリップ部材54が配置される構造であることから、占有スペースが大きく、よって小型化するのに限界がある。
国際公開第WO03/044397A1号パンフレット
本発明は以上の点に鑑みて、封口板に設けられるリップタイプの圧力開放弁において、その小型化を実現することができる圧力開放弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による圧力開放弁は、圧力容器の封口板に設けられるとともに前記圧力容器内の圧力が所定値を上回ったときに開弁して前記圧力を開放する圧力開放弁において、前記封口板に設けた孔内に装着されるリップ部材を有し、前記リップ部材は、前記孔内に固定される基部に前記孔の内面に密接するシールリップを一体成形したものであり、前記基部または前記基部と前記孔の内面との間には、圧力の開放流路となる連通路を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2による圧力開放弁は、上記した請求項1の圧力開放弁において、孔の内面に、リップ部材の基部と係合して前記リップ部材を抜け止めする段差等よりなる係合部を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3による圧力開放弁は、上記した請求項1の圧力開放弁において、リップ部材の基部の外周面およびこれと接する孔の内面に、互いに係合して前記リップ部材を抜け止めする凹部および凸部よりなる係合部を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4による圧力開放弁は、上記した請求項1ないし3の何れかに記載した圧力開放弁において、シールリップの内周側に、前記シールリップを孔の内面に押し付ける方向に弾性付勢するスプリングを配置したことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5による圧力開放弁は、上記した請求項1ないし4の何れかに記載した圧力開放弁において、シールリップの内側に、容器内部の収容物が噴き出すのを抑制する副リップを設けたことを特徴とするものである。
上記構成を備えた本発明の請求項1による圧力開放弁においては、封口板に設けた孔内に装着されるリップ部材が、孔内に固定される基部に孔の内面に密接するシールリップを一体成形したものとされているために、基部が孔内に固定されるとともにシールリップが孔の内面に密接した状態で孔内に装着される。したがって、シールリップは外周向きとされ、上記従来技術における軸部は不要とされ廃止されることになる。例えば、孔の平面形状(開口形状)が円形である場合、これに合わせて基部は円筒状に成形され、この円筒状に成形された基部が孔を閉塞するよう圧入される。シールリップは、基部の容器外側に配置され、通常は孔の内面に接して閉弁しており、容器内部の圧力が上昇して所定値を上回ると開弁して圧力を開放する。尚、容器内部の圧力が基部を通過してシールリップにまで達するよう基部には予め連通路が設けられる。連通路は、基部の外周面に溝状に設けられるが、貫通孔状に設けられても良く、あるいは封口板の加工が可能ならば、孔の内面に溝状に設けられても良い。
また、本発明の請求項2による圧力開放弁においては、孔の内面に、リップ部材の基部と係合してリップ部材を抜け止めする段差等よりなる係合部が設けられているために、リップ部材に対して容器内部の圧力が作用すると、係合部が抜け止め作用を発揮する。
また、本発明の請求項3による圧力開放弁においては、リップ部材の基部の外周面およびこれと接する孔の内面に、互いに係合してリップ部材を抜け止めする凹部および凸部よりなる係合部が設けられているために、リップ部材に対して容器内部の圧力が作用すると、係合部が抜け止め作用を発揮する。また、凹部および凸部よりなる係合部は、互いに係合することから、リップ部材を孔に圧入するときの位置決め作用を発揮する。
また、本発明の請求項4による圧力開放弁においては、シールリップの内周側に、このシールリップを孔の内面に押し付ける方向に弾性付勢するスプリングが配置されているために、このスプリングが、シールリップを孔の内面に押し付ける押し付け力を長期間に亙って維持する作用を発揮する。
また、本発明の請求項5による圧力開放弁においては、シールリップの内側に、容器内部の収容物が噴き出すのを抑制する副リップが設けられているために、この副リップが一種の邪魔板として機能し、開弁時における電解液等の収容物の噴き出しを抑える作用を発揮する。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の請求項1による圧力開放弁においては、封口板に設けた孔内に装着されるリップ部材が、孔内に固定される基部に孔の内面に密接するシールリップを一体成形したものとされているために、シールリップが外周向きとされ、従来技術における軸部が省略される。したがって、軸部が省略される分、孔に対する弁の占有スペースが相対に拡大し、よって弁を小型化することができる。
またこれに加えて、本発明の請求項2による圧力開放弁においては、孔の内面に、リップ部材の基部と係合してリップ部材を抜け止めする段差等よりなる係合部を設けたために、リップ部材が容器内部の圧力に押されて容器外部の方向へ抜け出るのを防止することができる。
また、本発明の請求項3による圧力開放弁においては、リップ部材の基部の外周面およびこれと接する孔の内面に、互いに係合してリップ部材を抜け止めする凹部および凸部よりなる係合部を設けたために、リップ部材が容器内部の圧力に押されて容器外部の方向へ抜け出るのを防止することができる。また、凹部および凸部よりなる係合部が、リップ部材を孔に圧入するときに位置決め作用を発揮することから、安定した組立性および開弁特性を得ることができる。
また、本発明の請求項4による圧力開放弁においては、シールリップの内周側に、このシールリップを孔の内面に押し付ける方向に弾性付勢するスプリングを配置したために、このスプリングによってシールリップを孔の内面に押し付ける押し付け力を長期間に亙って維持することが可能となり、よって開弁圧の経時変化を低減させることができる。
また、本発明の請求項5による圧力開放弁においては、シールリップの内側に、容器内部の収容物が噴き出すのを抑制する副リップを設けたために、開弁時における電解液等の収容物の噴き出しを抑制することができる。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)
(1−1)封口板に設けた孔の内周面に接触するリップを有する圧力開放弁。
(1−2)上記(1−1)の圧力開放弁が圧入されるハウジングの内周面に抜け防止用の段差を有する封口板。
(1−3)上記(1−1)の圧力開放弁において、ハウジング内周面および圧力開放弁に、それぞれ合致するような凹凸部を有する圧力開放弁および封口板。
(1−4)上記(1−1)の圧力開放弁において、リップ部内周側にスプリングを配置した圧力開放弁。
(1−5)上記(1−1)の圧力開放弁において、主リップより内側に副リップを設けた圧力開放弁。
(2)封口板に円状の孔を設けて、その孔をハウジングとし、そのハウジング内周面にてシールすることにより、圧力開放弁の小径化を実現する。ハウジング内周面でシールするために、シャフトは不要となり、小径化が可能である。
(3)
(3−1)先ず、所定の圧力で開放するハウジング内周面に接触するリップを有している。
(3−2)また、内圧上昇時に圧力開放弁が抜けてしまうことのないように、ハウジング(封口板)と固定される部分を有している。但し、急激な圧力上昇時には、内圧を一気に開放すべく、当該弁は抜けるようになっている。上記の抜け防止のためにハウジングと固定している部分は、ハウジングに段差を設けるか、あるいはハウジングと圧力開放弁の両方にそれぞれ凹凸を設けても良い。ハウジング固定部分には、開弁時の流路として連通孔(貫通路)が設けられている。
(3−3)また、開弁圧の経時変化低減のため、スプリングをリップ内周側に配置し、リップの押し付け力を安定させても良い。
(3−4)更には、内部電解液噴き出し防止のため、副リップを設けても良い。
上記(1)ないし(3)の構成によれば、以下の作用効果が発揮される。
(4)
(4−1)ハウジング(封口板)に設けた孔の内周面でシールすることにより、シャフトが不要となるため、小径化が可能となる。
(4−2)孔の内周面に段差を有しており、その部分に圧力開放弁を引っ掛けることにより、内圧上昇により圧力開放弁が抜けてしまうことがない。
(4−3)ハウジングおよび圧力開放弁のそれぞれに、段差もしくは凹凸を設けることにより、位置合わせが容易に行えることから、安定した組立性と開弁特性が得られる。
(4−4)リップ内周側にスプリングを取り付けることにより、開弁圧の経時変化を低減することができる。
(4−5)副リップにより、電解液の噴き出しが抑制できる。
(5)ハウジング内周面に接触するリップを有し、このリップは、内側からはガスが抜けやすく、大気側からはエアの浸入しにくい構造となっている。また、ハウジングに段差が設けられており、その部分で引っ掛けることにより内部圧力によって圧力開放弁自身が大気側に移動して抜けてしまわないような構造とする。尚、このハウジングとの基部分には、ガスの通路となる連通孔を少なくとも一箇所設ける。
(6)弁の抜け防止を確実にし、また弁圧入時の弁の傾きを抑制するために、ハウジングと圧力開放弁にそれぞれ凹凸部を設ける。これにより、抜け防止はより確実となり、また位置決め精度も向上することから、圧力開放弁の圧入時の傾きや組付精度が向上し、より安定した開弁特性を得ることができる。
(7)開弁特性の経時変化を低減するために、スプリングで補強する構造とする。開弁時にはリップは中心軸側に傾くことから、リップ内周側(中心軸側)にスプリングを配置して、リップを押し広げる(ハウジング内周面にリップを押し付ける)。これにより、開弁後のリップの復元力を補強し、開弁圧の経時変化を低減することができる。スプリングの形状については、放射状の皿バネ形状や、コスト面を考慮すると、螺旋形状のものも挙げられる。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係る圧力開放弁(一方向弁とも称する)を有する圧力容器である密閉型電池またはコンデンサ(以下、単にコンデンサまたは容器とも称する)1を示しており、同図(A)はその縦断面図、同図(B)は同図(A)を上から見た平面図をそれぞれ示している。また、図2(A)は図1(B)におけるA−A線拡大断面図であって圧力開放弁11の断面図を示しており、図2(B)は同図(A)をC方向から見た底面図を示している。また、図2(A)は同図(B)におけるD−O−D線断面図である。
図1に示すコンデンサ1は、以下のように構成されている。
すなわち先ず、アルミニウム等の金属材料よりなる圧力容器としての有底円筒状のケース2が設けられており、このケース2の内部に本体素子3が収容されており、ケース2の上端開口部が、電気絶縁性を備えたフェノール樹脂等の高分子材料よりなる円板状の封口板4によって閉塞されている。本体素子3には、ケース2の内部に封入された電解液が含浸されている。また、ケース2の外周は外缶5によって覆われている。
上記封口板4は、その外周部が、ケース2の上端部を内側へ折り返すように形成されたカシメ部2aと、その下側に位置してケース2に円周方向に連続して形成された絞り部2bとの間に、ゴム状弾性材料よりなる環状のガスケット6を介して気密的に固定されている。また、この封口板4には、本体素子3にそれぞれリード線7を介して接続された一対の電極端子8が厚さ方向に貫通して設けられるとともに、圧力開放弁11が設けられている。電極端子8はそれぞれその一部がインサート成形によって封口板4に埋設された状態で一体化されており、またその外周面に形成された環状の鍔部8aによって封口板4に対して抜け止めされている。
(1)封口板
上記封口板4は、高分子材料によってプレート状に成形され、例えば円板状、楕円状、あるいは略方形に成形されており、この封口板4に、アルミニウム等よりなる電極端子8が厚さ方向に貫通するように埋設されており、この電極端子8の外側端面に、SPCC、ニッケル、ステンレス等の金属板よりなる外部端子(図示せず)が取り付けられる。
高分子材料からなる封口板4の成形材質としては、樹脂材料、エラストマ(ゴム、熱可塑性エラストマ、樹脂材料とゴムの混合物またはブロック共重合体またはグラフト共重合体等の弾性体)、樹脂材料とエラストマの積層板材料等が用いられる。
樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂、メタロセン触媒にて重合したポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、液晶性樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、ガラス繊維、炭素繊維またはウィスカー等の繊維状充填剤、炭素粒子、マイカ、ガラスビーズ等の粒子状充填剤等の充填剤・補強材、金属酸化物または加工助剤等が適宜配合される。
エラストマとしては、ゴム材料では、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ビニル変性ブチルゴム、エチレンプロピレン系ゴム、フッ素系ゴム、アクリル系ゴム、水素添加ニトリルゴム等の飽和系ゴムが挙げられ、架橋剤、充填剤、可塑剤または老化防止剤等を適宜配合する。また熱可塑性エラストマでは、オレフィン系熱可塑性エラストマ、エステル系熱可塑性エラストマ、アミド系熱可塑性エラストマ、水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体等が挙げられ、ブロック共重合方法、グラフト共重合方法、動的架橋方法等で製造され、架橋剤、可塑剤、老化防止剤または充填剤を適宜配合する。樹脂材料とゴムの混合物またはブロック共重合体またはグラフト共重合体等のエラストマでは、フェノール系樹脂と水素化ニトリルゴム、フェノール系樹脂とアクリルゴム、ブチルゴムまたはフッ素ゴム等との混合物等が挙げられる。
上記高分子材料は、要求される耐熱性に応じて適宜選択される。当該実施例では、耐熱性およびコストの面で熱硬化性樹脂の一つであるフェノール樹脂を用いた例を示す。
尚、本実施例では、封口板4と電極端子8はインサート成形により一体化されているが、これに限らず、封口板4と電極端子8とが別体で構成され、封口板4の成形後に電極端子8を一体化するタイプの封口板であっても良い。
(2)圧力開放弁
上記圧力開放弁11は、通常の使用状態では容器内部Aの圧力が設定された開弁圧(所定圧)以下となっているので閉弁状態にあり、容器内部Aの圧力が開弁圧に達すると開弁してこの圧力を開放するものであって、以下のように構成されている。
第一実施例・・・
すなわち、図2に示すように、上記封口板(ハウジング)4にその厚さ方向に貫通する平面円形の孔12が設けられて、この貫通孔12が弁取付空間とされており、この孔12内に圧力開放弁11の弁本体をなすリップ部材21が唯一の装着部品として装着されている。リップ部材21は、孔12の下方(容器内部A側)にも上方(容器外部B側)にも突出しておらず、孔12内に収容されている。
上記リップ部材21は、ゴム状弾性材によって一体成形されており、孔12に圧入固定される円筒状の基部(固定部)22と、その上面に同軸上に一体成形された、孔12の内面(内周面)12aに接離自在に密接する環状のシールリップ(リップ状弁体)23とを一体に有している。円筒状の基部22の外径寸法は、孔12の内径寸法よりも少々大きく設定され、よって締め代が設定されて、基部22は孔12に圧入するのみで孔12の内面12aに固定されるように構成されている。また、基部22の外周面には、容器内部Aと基部22およびシールリップ23間の環状空間24を連通する溝状の連通路25が上下方向に延びるように設けられており、図ではこの連通路25が4箇所等配状に設けられている。
上記ゴム状弾性材としては、ゴム材料では、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ビニル基含有ブチルゴム、エチレンプロピレン系ゴム、フッ素ゴム、アクリル系ゴム、水素添加ニトリルゴム等の飽和系ゴムから選択することができ、架橋剤、充填剤、可塑剤又は老化防止剤等を適宜配合する。また、熱可塑性エラストマでは、オレフィン系熱可塑性エラストマ、エステル系熱可塑性エラストマ、アミド系熱可塑性エラストマ、スチレン系熱可塑性エラストマとして水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは水素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体等から選択することができ、ブロック共重合方法、グラフト共重合方法、動的架橋方法等で製造され、架橋剤、可塑剤、老化防止剤又は充填剤等を適宜配合する。樹脂材料とゴムの混合物又はブロック共重合体又はグラフト共重合体等のエラストマでは、フェノール系樹脂と水素化ニトリルゴム、ブチルゴム又はフッ素ゴムとの混合物から選択することができる。
上記シールリップ23におけるリップの向きは、その基端から先端へかけて斜め外周方向へ延びる外周向きとされている。また、このシールリップ23は、基部22から上方へ向けて設けられており、よってその下方から所定の大きさの内封圧力が作用すると、リップ先端が孔12の内面12aから離れて開弁作動する。孔12の内面12aは、シールリップ23が接離する弁座として機能する。
また、上記円筒状の基部22が圧入固定される部位における孔12の内面12aには、環状の段差よりなる係合部26が設けられており、この段差状の係合部26に対して基部22の外周部が上方へ向けて弾性的に係合することによって、リップ部材21が孔12から抜け止めされている。環状の段差は、その抜け止め方向の向き(上向き)からして、段差の上側が小径、下側が大径に形成されている。
上記構成の圧力開放弁11は、上記したように通常の使用状態では容器内部Aの圧力が設定された開弁圧以下となっているので閉弁しており、容器内部Aの圧力が開弁圧に達すると開弁してこの圧力を容器外部B側に開放するものであって、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
すなわち、封口板4に設けた孔12内に装着されるリップ部材21が、孔12内に圧入固定される基部22と、孔12の内面12aに密接するシールリップ23とを一体成形したものとされているために、シールリップ23のリップの向きは外周向きとされ、孔12内に上記従来技術における軸部56は設けられていない。したがって、この軸部56が省略される分、孔12に対する弁11の占有スペースを相対に拡大することができ、よって弁11を小型化することができる。
また、孔12内に装着される部品は、ゴム状弾性材製のリップ部材21ただ一つのみである。したがって、上記したように軸部56が不要で、かつゴム製部品一つを孔12に圧入するのみの構成であることから、至ってシンプルな構造の圧力開放弁11を提供することができる。
また、孔12の内面12aに、リップ部材21の基部22と係合してリップ部材21を抜け止めする段差状の係合部26が設けられているために、リップ部材21に対して容器内部Aの圧力が作用すると、この段差状の係合部26が抜け止め作用を発揮する。したがって、リップ部材21が容器内部Aの圧力に押されて容器外部Bへ抜け出るのを防止することができ、よって優れた抜け止め性ないし耐圧性を発揮する圧力開放弁11を提供することができる。
第二実施例・・・
図3に示すように、第二実施例に係る圧力開放弁11においては、上記第一実施例にて孔12の内面12aに段差状の係合部26を設けた代わりに、リップ部材21の基部22の外周面およびこれと接する孔12の内面12aに、互いに係合してリップ部材21を抜け止めする凹部28および凸部29よりなる係合部27が設けられており、すなわち、図では、リップ部材21の基部22の外周面に環状の凹部28が設けられるとともに、これと対応して孔12の内面12aに環状の凹部29が設けられ、この凹部28および凸部29が上方および下方へ向けてそれぞれ係合する構成とされている。
したがって、この構成によると、互いに係合する凹部27および凸部28よりなる係合部26が抜け止め作用を発揮することから、リップ部材21が容器内部Aの圧力に押されて容器外部Bへ抜け出るのを防止することができ、よって、より優れた抜け止め性ないし耐圧性を発揮する圧力開放弁11を提供することができる。また、係合部27は下方へ向けても係合することから、容器内部Aに負圧が生じてリップ部材21が下方へ吸引される事態が発生しても、リップ部材21が脱落するのを防止することができる。
また、凹部28および凸部29の組み合わせよりなる係合部27には、リップ部材21を孔12に圧入するときの位置決め作用があることから、リップ部材21が孔12の中心軸線に対して傾いた状態で装着されるのを防止することができる(環状の凹部28に対して環状の凸部29が全周に亙って嵌まり込むことにより、孔12に対するリップ部材21の同軸度が確保され、よって傾きが防止される)。したがって、安定した組立性および開弁特性を発揮する圧力開放弁11を提供することができる。尚、凹部28および凸部29(特に凸部29)は必ずしも環状である必要はなく、円周上に複数が設けられるものであっても良い。
第三実施例・・・
図4に示す第三実施例においては、リップ部材21におけるシールリップ23の内周側に、このシールリップ23を孔12の内面12aに向けて押し付ける方向に弾性付勢するスプリング30が配置されており、すなわち、図では、シールリップ23の内周側に、円板状の基部31の周りに舌片状のバネ部32を複数放射状に一体成形して折り曲げた形状の皿バネ状のスプリング30が配置されている。また、シールリップ23の先端部内周面には、このシールリップ23に対してスプリング30を組み付けて抜け止めするための環状の抜け止め突起33が設けられている。
したがって、この構成によると、スプリング30の弾性によってシールリップ23を孔12の内面12aに押し付ける押し付け力を長期間に亙って維持することが可能となるために、シールリップ23のへたり等による開弁圧の経時変化(低下)を低減させることができ、よって安定した開弁特性を発揮する圧力開放弁11を提供することができる。
第四実施例・・・
尚、スプリング30の形状や材質は特に限定されるものではなく、例えば図5に示すように、鋼線を渦巻き状に巻いた螺旋形状のものであっても良い。
第五実施例・・・
図6に示す第五実施例においては、第一実施例に対して、リップ部材21におけるシールリップ23の容器内側Aに環状の副リップ34が設けられており、この副リップ34によって、容器内部Aの収容物である電解液が高圧とともに容器外部Bへ噴き出すのが抑制されている。
上記副リップ34は、その作用として、弁11の圧力開放流路を狭め、電解液をシールリップ23へ到達させない一種の邪魔板として機能する。また、電解液のシールリップ23への到達量をできるだけ少なくするには、副リップ34は相手接触面である孔12の内面12aに接触していることが望ましいが、その締め代が大きいと、副リップ34にて圧力をシールしてしまい、よって圧力を開放することができなくなることから、副リップ34の相手面に対する接触面圧はできるかぎり低いことが望ましく、これを実現するには、副リップ34の相手面に対する締め代をできるかぎり小さくしたり、あるいは副リップ34の肉厚を薄くしたりする。また、相手面との間に若干の間隙(径方向間隙、図示せず)を設定して、締め代および接触面圧を零設定とすることも考えられる。
上記第二ないし第五実施例において、その他の構成は第一実施例と同じであるので、その説明を省略する。
(A)は本発明の実施例に係る圧力開放弁を有する圧力容器の縦断面図、(B)は同圧力容器の平面図 (A)は本発明の第一実施例に係る圧力開放弁の断面図、(B)は同圧力開放弁の底面図であって同図(A)におけるC方向矢視図 本発明の第二実施例に係る圧力開放弁の断面図 (A)は本発明の第三実施例に係る圧力開放弁の平面図であって同図(B)におけるE方向矢視図、(B)は同圧力開放弁の断面図 (A)は本発明の第四実施例に係る圧力開放弁の断面図、(B)は同圧力開放弁に備えられるスプリングの単品斜視図 本発明の第五実施例に係る圧力開放弁の断面図 従来技術に係る圧力開放弁の断面図
符号の説明
1 コンデンサ(圧力容器)
2 ケース
3 本体素子
4 封口板
5 外缶
6 ガスケット
7 リード線
8 電極端子
11 圧力開放弁
12 孔
12a 内面
21 リップ部材
22,31 基部
23 シールリップ
24 空間
25 連通路
26,27 係合部
28 凹部
29 凸部
30 スプリング
32 バネ部
33 抜け止めリップ
34 副リップ

Claims (5)

  1. 圧力容器(1)の封口板(4)に設けられるとともに前記圧力容器(1)内の圧力が所定値を上回ったときに開弁して前記圧力を開放する圧力開放弁(11)において、
    前記封口板(4)に設けた孔(12)内に装着されるリップ部材(21)を有し、
    前記リップ部材(21)は、前記孔(12)内に固定される基部(22)に前記孔(12)の内面(12a)に密接するシールリップ(23)を一体成形したものであり、
    前記基部(22)または前記基部(22)と前記孔(12)の内面(12a)との間には、圧力の開放流路となる連通路(25)を設けたことを特徴とする圧力開放弁。
  2. 請求項1の圧力開放弁において、
    孔(12)の内面(12a)に、リップ部材(21)の基部(22)と係合して前記リップ部材(21)を抜け止めする段差等よりなる係合部(26)を設けたことを特徴とする圧力開放弁。
  3. 請求項1の圧力開放弁において、
    リップ部材(21)の基部(22)の外周面およびこれと接する孔(12)の内面(12a)に、互いに係合して前記リップ部材(21)を抜け止めする凹部(28)および凸部(29)よりなる係合部(27)を設けたことを特徴とする圧力開放弁。
  4. 請求項1ないし3の何れかに記載した圧力開放弁において、
    シールリップ(23)の内周側に、前記シールリップ(23)を孔(12)の内面(12a)に押し付ける方向に弾性付勢するスプリング(30)を配置したことを特徴とする圧力開放弁。
  5. 請求項1ないし4の何れかに記載した圧力開放弁において、
    シールリップ(23)の内側に、容器内部の収容物が噴き出すのを抑制する副リップ(34)を設けたことを特徴とする圧力開放弁。
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