JP2006002933A - 圧力開放弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンデンサまたはキャパシタ等の圧力容器の封口板4に設けられるとともに圧力容器内の圧力が所定値を上回ったときに開弁して圧力を開放するリップシール型の圧力開放弁11において、気液分離膜やミストトラップ等を取り付けなくても、開弁時に電解液等が噴出するのを抑えることができる圧力開放弁を提供する。
【解決手段】圧力開放弁11の弁体をなす主リップ部21の容器内部A側に、開弁時に電解液等の内部収容物が容器外部Bへ噴出するのを抑制する副リップ部23を設ける。またこの副リップ部23に、副リップ部23内外に圧力差が生じることがないように、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cを容器内部Aと連通させる連通路を設ける。副リップ部23は、容器内部A側に傾斜させて端面状の相手接触面に接触させても良い。
【選択図】図2

Description

本発明は、コンデンサまたはキャパシタ等の圧力容器の封口板に設けられ、圧力容器内の封止圧力が所定値を上回ったときに開弁して圧力を開放する圧力開放弁に関するものである。
密閉型のアルミ電解コンデンサあるいは電気二重層型コンデンサ等は、その素子本体を収容した圧力容器の開口部が、ガスケットを介して封着された封口板によって閉塞されている。そして、このように完全な密閉構造にすると、急激な負荷が加わった場合に、ジュール発熱や内部発生ガスによって容器の内圧が上昇し、コンデンサの機能低下や寿命低下を来す虞がある。このため、従来から、圧力容器の底部に切り込みを入れて破裂板としたり、また、蓋にゴム製のキャップを取り付け安全弁とすること等により圧力容器の破裂防止を図ったり、あるいは、封口板に例えばPTFE等からなる多孔質膜に撥水処理を施すことによって、気体は透過するが液体は不透過として容器の内圧を外部に開放する役割をもつブリーザを取り付けて、容器内部に発生するガスの圧力を開放できるようにしたもの等が開発されている。
しかしながら、上記従来技術のように封口板に破裂板や安全弁を用いる場合には、容器が一度破裂してしまうと、それ以後は使用できず、よって繰り返しての使用ができない。
また、封口板に設けられたブリーザは、圧力容器の内圧を一定に保ち、電解液等の内封液の漏洩を防止するといった機能を有するが、通常の使用状態で発生する熱および内圧でも、容器内のガスがブリーザから僅かに放出されるため、電解液が蒸発によって減少しやすく、外部からの水蒸気の侵入も起こりやすい。また、劣悪な環境下では、ブリーザの多孔質膜が目詰まりを起こすこともあり、安定した性能を期待することが困難であった。また、ブリーザは急激な内圧上昇には対応できないため、ブリーザとは別に、内圧が所定値以上となった時にこの内圧を瞬時に開放して容器の爆発を防止するための防爆弁を設ける必要があった。
そこで、本願出願人が先に提案した図12のオイルシールタイプの圧力開放弁51は、開口部54および軸部55等を備えた弁取付空間53を設けた封口板52にリップシール56を一つ組み付けるだけの構成であることから、製造・組立が容易で、かつ作動に関する信頼性が高い弁装置である(特許文献1参照)。
しかしながら、この図12の圧力開放弁51によると、容器内部Aの圧力が上昇してリップ56が開弁したときに、内部発生ガスが容器外部Bに放出されるのに伴って、リップ56近傍に付着していた電解液が外部に噴出し、圧力開放弁51近辺、さらには基板やバスバー等に電解液が付着し、回路の腐食や短絡等を引き起こす虞がある。
この電解液の噴出を防止するには、圧力開放弁の容器内部側に気液分離膜やミストトラップ等の噴出防止体を別途取り付けることが考えられるが、近年におけるコンデンサ等の小型化に併せ対応しようとすると、その製造・組立工程での取り扱い(ハンドリング)が困難である。
国際公開第WO03/044397A1号パンフレット
本発明は以上の点に鑑みて、気液分離膜やミストトラップ等を取り付けなくても、開弁時に電解液等の内部収容物が噴出するのを抑えることができ、少なくとも噴出量を低減させることができる圧力開放弁を提供することを目的とする。またこれに加えて、リップ部を成形するための金型構造が極端に複雑化することがなく、もってリップ部を成形しやすい構造の圧力開放弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による圧力開放弁は、圧力容器の封口板に設けられるとともに前記圧力容器内の圧力が所定値を上回ったときに開弁して前記圧力を開放する圧力開放弁において、前記圧力開放弁の弁体をなす主リップ部の容器内部側に、開弁時に電解液等の内部収容物が容器外部へ噴出するのを抑制する副リップ部を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2による圧力開放弁は、上記した請求項1の圧力開放弁において、主リップ部はその基端部から先端部へかけて容器外部側に傾くようテーパー状に形成され、一方、副リップ部はその基端部から先端部へかけて反対に容器内部側に傾くようテーパー状に形成されて端面状の相手接触面に接離可能に接触することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3による圧力開放弁は、上記した請求項1または2の圧力開放弁において、主リップ部および副リップ部間の空間を容器内部と常時連通させる連通路を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4による圧力開放弁は、上記した請求項3の圧力開放弁において、連通路は、副リップ部および前記副リップ部が接触する相手接触面の何れか一方に設けた凸部が他方に接触することにより前記副リップ部および相手接触面間に形成される間隙部よりなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5による圧力開放弁は、上記した請求項3の圧力開放弁において、連通路は、副リップ部および前記副リップ部が接触する相手接触面の何れか一方または双方に設けた凹部よりなることを特徴とするものである。
更にまた、本発明の請求項6による圧力開放弁は、上記した請求項3の圧力開放弁において、連通路は、副リップ部および前記副リップ部が接触する相手接触面の何れか一方または双方に施した粗面加工により形成されることを特徴とするものである。
上記構成を備えた本発明の請求項1による圧力開放弁においては、弁体をなす主リップ部が定常時は封口板側(後記実施例における軸部側)の相手接触面に接触して閉弁しており、容器内部の圧力が上昇して所定値を上回ると、相手接触面から離れて開弁して圧力を外部へ開放する。このとき、開放する圧力とともに容器内部の電解液等が噴出する虞があるが、本発明によれば、主リップ部の容器内部側に、開弁時に電解液等が容器外部へ噴出するのを抑制する副リップ部が設けられているために、開弁時、圧力が放出されるときに、電解液等が主リップ部に到達する量を少なく抑えることが可能となる。これはこのとき、副リップ部が圧力放出流路を狭め、電解液等を主リップ部へ到達させない一種の邪魔板として作用するからである。
上記主リップ部と副リップ部は、互いに別体としても良いが、両者を一体成形すれば、金型による成形工程が一度で済むことから、成形効率が良い。この一体成形については、成形するリップの向きに関して、以下の2通りが考えられる。
(1)主リップ部をその基端部から先端部へかけて容器外部側に傾くようテーパー状に形成して円筒面状の相手接触面に接離可能に接触させ、一方、副リップ部も同様にその基端部から先端部へかけて容器外部側に傾くようテーパー状に形成して円筒面状の相手接触面に接離可能に接触させる。
上記したように主リップ部は容器内部の高圧を受けて開弁するものであることから、主リップ部は円筒面状の相手接触面に接触するものである場合、容器外側へ向けて傾くように設ける必要がある(反対に主リップ部を容器内側へ向けて傾くように設けると、容器内部の高圧により相手接触面に押し付けられてしまい、開弁できなくなる)。同様に、副リップ部も容器内部の高圧を受けて開弁するので、副リップ部は円筒面状の相手接触面に接触するものである場合、容器外側へ向けて傾くように設ける必要がある(反対に副リップ部を容器内側へ向けて傾くように設けると、容器内部の高圧により相手接触面に押し付けられてしまい、開弁できなくなる)。したがって上記したように、主リップ部を容器外側へ向けて傾くように設け、副リップ部も同様に容器外側へ向けて傾くように設けるのが一般的である。
(2)主リップ部をその基端部から先端部へかけて容器外部側に傾くようテーパー状に形成して円筒面状の相手接触面に接離可能に接触させ、一方、副リップ部はこれをその基端部から先端部へかけて反対に容器内部側に傾くようテーパー状に形成して端面状の相手接触面に接離可能に接触させる。
上記(1)のように主リップ部を容器外側へ向けて傾くように設けるとともに副リップ部も同様に容器外側へ向けて傾くように設けると、これらリップ部を成形するための金型が副リップ部成形部においてアンダーカット部を有することになることから、金型構造が極端に複雑化する虞がある。そこで、これを回避すべく本発明の請求項2による圧力開放弁においては、主リップ部はこれを容器外側へ向けて傾くように設けるが、副リップ部は反対にこれを容器内側へ向けて傾くように設けることにし、これにより金型にアンダーカット部が設定されないようにした。但しこの場合には、容器内側へ向けて傾くように設けた副リップ部に対して容器内部の圧力が作用したときにこの副リップ部が開弁するよう、副リップ部の容器内側に端面状の相手接触面を設けて、この端面状の相手接触面に副リップ部を接触させる。このようにすれば、副リップ部が正常に開閉作動するとともに、リップ部を成形する金型構造が極端に複雑化するのを回避することが可能となる。
また、副リップ部の向きに関係なく、電解液等の主リップ部への到達量をできるだけ少なくするには、副リップ部は相手接触面に接触していることが望ましいが、その接触面圧があまり大きいと、副リップ部で圧力を密封(シール)してしまい、よって圧力を開放することができないことから、副リップ部の相手接触面に対する接触面圧はできるかぎり低いことが望ましい。この対応としては、例え副リップ部の肉厚を薄くすることが考えられるが、圧力開放弁がゴム成形品であることを考慮すると、その肉厚を薄くすることは、その寸法の精度出しが困難である。そこで、副リップ部にある程度の肉厚を持たせたうえで、副リップ部と相手シール面間に意図的に微小隙間を設けることにより、副リップ部でのシール作用を回避する。このような観点から、本発明の請求項3による圧力開放弁においては、主リップ部および副リップ部間の空間を容器内部と常時連通させる連通路を設けることにした。また、このように連通路を設けると、閉弁時においても主リップ部および副リップ部間の空間と容器内部とに差圧が発生しないことになる。
連通路の具体例としては、以下のものが好適である。
(1)副リップ部およびこの副リップ部が接触する相手接触面の何れか一方に円周上一部の凸部を設けてこの凸部を他方に接触させ、これにより形成される副リップ部および相手接触面間の間隙部を連通路とする(請求項4)。
(2)副リップ部およびこの副リップ部が接触する相手接触面の何れか一方または双方に円周上一部の凹部を設けて、この凹部を連通路とする(請求項5)。
(3)副リップ部およびこの副リップ部が接触する相手接触面の何れか一方または双方に粗面加工を施して、これにより形成される副リップ部および相手接触面間の微細間隙部を連通路とする(請求項6)。
また、上記したように副リップ部は、主リップ部とは別体として封口板に直接取り付けることも可能であるが、取付工数の増加防止や取り扱いの簡便さ等からすれば、主リップ部と一体とする方が有利である。したがってこのような観点から、副リップ部は主リップ部と一体成形するのが望ましい。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1による圧力開放弁においては、副リップ部によるシール作用によって、主リップ部の開弁作動時に電解液等の内部収容物が容器外部へ噴出するのを少なく抑えることが可能であることから、電解液等の噴出を原因として周辺回路の腐食や短絡等が発生するのを抑制することができる。また、この作用効果を奏するために気液分離膜やミストトラップ等を別途取り付けるものではないことから、製造・組立工程での取り扱い性(ハンドリング性)が良く、容器の小型化にも対応することができる。
またこれに加えて、本発明の請求項2による圧力開放弁においては、副リップ部を有していながら、主リップ部は容器外側へ向けて傾くように設けられるとともに副リップ部は容器内側へ向けて傾くように設けられ、封口板には、副リップ部が接離自在に当接する端面状の相手シール面が設けられているために、リップ部を成形する金型構造が極端に複雑化することがない。したがって、請求項1による作用効果を奏し、尚且つ金型構造が複雑化することがないリップ型圧力開放弁を提供することができる。
またこれに加えて、本発明の請求項3ないし6による圧力開放弁においてはそれぞれ、主リップ部の容器内部側に副リップ部を設けても容器内部の異常高圧を確実に容器外部へ放出することができる。また、主リップ部および副リップ部間の空間と容器内部との間に差圧が発生しないことから、差圧の発生により主リップ部の開弁特性が損なわれるのを防止することができる。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1−1)主リップよりもケース(容器)内側に副リップを有しており、副リップ先端はシャフト(軸部)に僅かに接触しているか、もしくはリブ(凸部)や溝(凹部)等の形成により微小な連通部を有しており、かつ副リップの向きは軸直角面(水平)よりも大気側に傾いていることを特徴とする圧力開放弁。
(1−2)開弁時の急激な圧力変化による電解液(内部収容物)の噴き出しを抑えるために、主リップよりもケース内側に副リップを設ける。副リップは、ケースの内圧が急激に上昇したときには容易に開き、その圧力を瞬時に大気側に逃がす必要があることから、副リップの向きは軸直角面よりも大気側に傾いていることが必要である。尚、反対に副リップの向きがケース内側に傾いていると、内圧上昇時に副リップがシャフトに押し付けられるかたちとなり、よって弁作用を果たさなくなる。すなわち、副リップで圧力をシールしてしまうことから、圧力を逃がすことができなくなる。
(2−1)
1)主リップよりもケース内側に副リップを有しており、副リップが軸直角面(水平)よりもケース内側に傾いている圧力開放弁。
2)上記副リップが接触する座面を有する封口板。
3)副リップ部記座面に、径方向のリブを少なくとも1本以上形成した封口板。
4)上記1)の圧力開放弁において、副リップが粗面化されている圧力開放弁。
5)上記2)の封口板において、座面部が粗面化されている封口板。
(2−2)上記(1−1)ないし(1−2)による副リップ付きの圧力開放弁は取り扱いが簡便である反面、副リップの座面がシャフト表面になるため、どうしても副リップの向きは軸直角面よりも大気側に傾いている必要があり、その結果、ゴム成形用金型構造が複雑になるきらいがある。そこで、副リップをシャフトに接触させるのではなく、径方向に座面を設け、その座面に接触させる。それにより、副リップは大気側に傾ける必要がなく、金型構造も容易なものとなる。しかし、副リップの構造において、副リップが開いたとき、つまり副リップがシャフト側に傾いたときに、シャフトに接触しないような寸法としなくてはいけない。シャフトに接触すると、そこで密封してしまうため、急激な内圧上昇に対応できなくなる。
(2−3)また、本来、副リップとその接触面での密封により副リップの内側と外側で差圧が生じるのを避けるため、副リップ表面にリブ等を設けてそれを防止することを提案したが、前述同様、このようなリブを金型に加工することは非常に困難な加工となる。そこで、同様の効果を求める場合、副リップが接触する座面部にリブを設ければ良く、この場合、加工も容易である。また更には、この両者の接触面それぞれに、粗面化加工を施すことによって対応しても良い。
(2−4)封口板側に座面を設け、そこに副リップが接触するようにする。副リップは軸直角面よりもケース内側に傾けることにより、ゴム成形が容易となる。副リップでの密封を防ぐため、座面部にリブ等を設けることも可能である。このようにリブ等を設けることにより、副リップと座面間に微小隙間あるいは低接触圧部が生じるため、完全密封されることがない。また、封口板を粗面化することにより副リップで面圧が立つことを抑えることができる。同様に一方向弁の副リップを粗面化しても良い。
(2−5)主リップにおけるガス流路(圧力開放流路)が軸部方向(軸方向)であるのに対し、副リップにおけるガス流路が径方向であることから、互いのガス流路が直交配置される。したがって、副リップと主リップ間のガス流路を長くすることができることから、副リップによる内部発生ガスの外部への流出抑制効果が向上する。
(2−6)座面に対する副リップの接触状態の管理については、弁本体の大気側端面と弁取付空間(封口板)の大気側端面とが一致するまで弁本体を圧入することにより、座面に対する副リップの接触状態を管理する。また、弁取付空間の内周側に段差を設け、この段差に弁本体の端面シール部が接触するまで弁本体を圧入することにより、座面に対する副リップの接触状態を管理する。
(2−7)座面にリブを設けたり座面を粗面化したりすることで、主リップと副リップとの間の空間とケース内側の空間とを常時連通する連通路を設ける。これにより、両空間に差圧が生じるのを防止できるため、主リップと副リップとの間の空間の蓄圧により主リップが開弁することはない。故に、圧力開放弁の設置目的であるケース内側空間に生じた圧力を下げるために主リップが開弁する、すなわち所定の開弁圧で開弁することができる。
(2−8)上記(2−1)ないし(2−7)の構成によれば、副リップの向きをケース内側に傾けることにより、型構造が簡易となり、圧力開放弁の製造が容易になる。また、座面部にリブを形成する、あるいは座面部と副リップ座面接触部の少なくともどちらか一方を粗面化することにより、副リップでの密封を避けることができ、主リップの開弁特性を損なうことがない。また、内部発生ガス流路が長くなるため、より一層、内部電解液の外部への流出が起きにくくなる。
(3)副リップが、主リップに対して容器内部側に設けられ、かつ、副リップが軸部の外周面に対して全周に亙って設けられたことを特徴とする圧力開放弁付封口板。
(4)副リップが、主リップに対して容器内部側に設けられ、かつ、副リップが弁本体の底面側に設けられたことを特徴とする圧力開放弁付封口板。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の実施例に係る圧力開放弁(一方向弁とも称する)11を有する圧力容器である密閉型電池またはコンデンサ(以下、単にコンデンサと称する)1を示しており、同図(A)はその縦断面図、同図(B)は同図(A)を上から見た平面図をそれぞれ示している。また、図2は図1(B)におけるA−A線拡大断面図であって圧力開放弁11の断面図を示している。
図1に示すコンデンサ1は、以下のように構成されている。
すなわち先ず、アルミニウム等の金属材料よりなる圧力容器としての有底円筒状のケース2が設けられており、このケース2の内部に本体素子3が収容されており、ケース2の上端開口部が、電気絶縁性を備えたフェノール樹脂等の高分子材料よりなる円板状の封口板4によって閉塞されている。本体素子3には、ケース2の内部に封入された電解液が含浸されている。また、ケース2の外周は外缶5によって覆われている。
上記封口板4は、その外周部が、ケース2の上端部を内側へ折り返すように形成されたカシメ部2aと、その下側に位置してケース2に円周方向に連続して形成された絞り部2bとの間に、ゴム状弾性材料よりなる環状のガスケット6を介して気密的に固定されている。また、この封口板4には、本体素子3にそれぞれリード線7を介して接続された一対の電極端子8が厚さ方向に貫通して設けられるとともに、圧力開放弁11が設けられている。電極端子8はそれぞれその一部がインサート成形によって封口板4に埋設された状態で一体化されており、またその外周面に形成された環状の鍔部8aによって封口板4に対して抜け止めされている。
(1)封口板
上記封口板4は、高分子材料によってプレート状に成形された、例えば円板状、楕円状あるいは略方形に成形されており、この封口板4に、アルミニウム等よりなる電極端子8が厚さ方向に貫通するように埋設されており、この電極端子8の容器外側端面に、SPCC、ニッケル、ステンレス等の金属板よりなる外部端子(図示せず)が取り付けられる。
高分子材料からなる封口板4の成形材質としては、樹脂材料、エラストマ(ゴム、熱可塑性エラストマ、樹脂材料とゴムの混合物またはブロック共重合体またはグラフト共重合体等の弾性体)、樹脂材料とエラストマの積層板材料等が用いられる。
樹脂材料としては、ポリオレフィン系樹脂、メタロセン触媒にて重合したポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、液晶性樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、ガラス繊維、炭素繊維またはウィスカー等の繊維状充填剤、炭素粒子、マイカ、ガラスビーズ等の粒子状充填剤等の充填剤・補強材、金属酸化物または加工助剤等が適宜配合される。
エラストマとしては、ゴム材料では、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ビニル変性ブチルゴム、エチレンプロピレン系ゴム、フッ素系ゴム、アクリル系ゴム、水素添加ニトリルゴム等の飽和系ゴムが挙げられ、架橋剤、充填剤、可塑剤または老化防止剤等を適宜配合する。また熱可塑性エラストマでは、オレフィン系熱可塑性エラストマ、エステル系熱可塑性エラストマ、アミド系熱可塑性エラストマ、水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体等が挙げられ、ブロック共重合方法、グラフト共重合方法、動的架橋方法等で製造され、架橋剤、可塑剤、老化防止剤または充填剤を適宜配合する。樹脂材料とゴムの混合物またはブロック共重合体またはグラフト共重合体等のエラストマでは、フェノール系樹脂と水素化ニトリルゴム、フェノール系樹脂とアクリルゴム、ブチルゴムまたはフッ素ゴム等との混合物等が挙げられる。
上記高分子材料は、要求される耐熱性に応じて適宜選択される。当該実施例では、耐熱性およびコストの面で熱硬化性樹脂の一つであるフェノール樹脂を用いた例を示す。
尚、本実施例では、封口板4と電極端子8はインサート成形により一体化されているが、これに限らず、封口板4と電極端子8とが別体で構成され、封口板4の成形後に電極端子8を一体化するタイプの封口板であっても良い。
(2)圧力開放弁
上記圧力開放弁11は、通常の使用状態では内圧が設定された開弁圧以下となっているので閉弁状態にあり、コンデンサ1内の圧力が所定値を上回ったときに開弁してこの圧力を開放するものであって、以下のように構成されている。
すなわち、図2に示すように、上記封口板(ハウジング)4に弁取付空間12が設けられており、この弁取付空間12に、当該圧力開放弁11における弁本体16が取り付けられている。
弁取付空間12は、封口板4の上面(容器外部B側)4aに開口するように形成されて、円筒面状の内周面12aと平面状の底面12bとを有しており、底面12bの中央に、円筒面状の外周面13aを備えた軸部(シャフト)13が上方に向けて設けられている。弁取付空間12の内周面12aには、弁本体16を抜け止めするための段差状の係合部14が設けられており、底面12bには、容器内部Aと容器外部Bとを連通させるための開口部15が複数円周上に並んで設けられている(例えば3箇所等配状に設けられている)。軸部13は、その中心軸線を封口板4の板厚方向に向けて配置されて封口板4に対し一体または別体で成形されており(図では一体成形)、その外周面13aが、当該圧力開放弁11の弁体をなす主リップ部21に対しては弁座面として機能し、副リップ部23に対しては相手接触面(相手シール面)として機能する。
上記弁取付空間12にその上方すなわち容器外部B側から弁本体16が圧入されており、この弁本体16は、補強環17にゴム状弾性材製の弾性体18を加硫接着したものである。補強環17は、弁取付空間12の内周面12aに嵌合された筒状部17aと、その一端から径方向内方へ向けてフランジ部17bを一体形成した、断面形状が近似L字形をなすように成形したものである。また、弾性体18には、補強環17の筒状部17aの外周面に被着されて弁本体16および封口板4(弁取付空間12の内周面12a)間をシールする外周シール部19と、補強環17のフランジ部17bの下面に被着されて同じく弁本体16および封口板4(弁取付空間12の底面12b)間をシールする端面シール部20とが一体に設けられており、更に補強環17の内周側に位置して、軸部13の外周面13aに接離自在に密接する外向き(図上上向き)の主リップ部21が一体に設けられている。
この主リップ部21は、当該圧力開放弁11における弁体として作用し、すなわちこの主リップ部21はガータスプリング22を嵌着される等して軸部13に対して所定の大きさの締めしろをもって接触(着座)しており、容器内部Aの圧力が所定値以下にあるときには閉弁しており、容器内部Aの圧力が所定値を上回ると、主リップ部21が軸部13から離れて開弁する。したがって、所定値を上回った分の圧力を容器外部Aへ放出することが可能とされている。そして、内圧が開放されると、主リップ部21自体の弾性とガータスプリング22の緊迫力による復元力によって直ちに閉弁する。
上記弾性体18の材質としては、ゴム材料では、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ビニル基含有ブチルゴム、エチレンプロピレン系ゴム(EPDM)、フッ素ゴム、アクリル系ゴム、水素添加ニトリルゴム等の飽和系ゴムから選択することができ、架橋剤、充填剤、可塑剤又は老化防止剤等を適宜配合する。また、熱可塑性エラストマでは、オレフィン系熱可塑性エラストマ、エステル系熱可塑性エラストマ、アミド系熱可塑性エラストマ、スチレン系熱可塑性エラストマとして水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは水素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体等から選択することができ、ブロック共重合方法、グラフト共重合方法、動的架橋方法等で製造され、架橋剤、可塑剤、老化防止剤又は充填剤等を適宜配合する。樹脂材料とゴムの混合物又はブロック共重合体又はグラフト共重合体等のエラストマでは、フェノール系樹脂と水素化ニトリルゴム、ブチルゴム又はフッ素ゴムとの混合物から選択することができる。
補強環17の材質としては、鉄、銅、チタン、ニッケル等の金属材料が用いられるが、好ましくは耐腐食性に優れたステンレス鋼か、合成樹脂、セラミックなどを用いるのが良い。耐腐食性のある材料を用いた場合は、この補強環17を電解液側に露出してもしなくても良いが、耐腐食性のない材料を用いた場合は、電解液側に露出しないように完全に埋設状態とする必要がある。
第一実施例・・・
上記主リップ部21の容器内部A側であって端面シール部20の内周側に、主リップ部21の開弁作動時に内部収容物である電解液が容器外部Bへ噴出するのを防止するための副リップ部23が設けられており、当該実施例では、この副リップ部23が、上記弁本体16の弾性体18にその一部として一体に成形されている。この副リップ部23は、主リップ部21と同じく外向き状のリップとして形成されており、軸部13の外周面13aに対して全周に亙って接離自在に密接している。また、この副リップ部23が軸部13の外周面13aから離れる作動設定圧は、主リップ部21が開弁する作動設定圧(開弁設定圧)よりも小さく設定されている。尚、本実施例において、副リップ部23の向きは、主リップ部21と同じく外向きとしたが、これに限らず、内向きであっても良い。
このように当該実施例では、弁体をなす主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23が設けられているために、容器内部Aの圧力が上昇すると、先ずは容器内部A側の副リップ部23が圧力により押し開かれ、次いで容器外部A側の主リップ部21が圧力により押し開かれて、圧力すなわち内部発生ガスが容器外部Bへ放出される。したがって、容器内部Aの異常高圧を外部へ放出することができる。
また、主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23が設けられていると、副リップ部23が圧力により押し開かれた状態であってもなお、副リップ部23が設けられていない場合と比較して、電解液が直接、主リップ部21に到達する量を少なく抑えることが可能である。したがって、電解液が多量に噴出して周辺回路の腐食や短絡等が発生するのを防止することができる。このとき副リップ部23は、弁本体16および軸部13間の圧力開放流路を狭めて、電解液の噴出を少量に抑える一種の邪魔板として作用する。また、当該実施例によれば、上記作用効果を気液分離膜やミストトラップ等を取り付けることなく奏することができることから、製造・組立工程での取り扱い性(ハンドリング性)に優れており、かつ容器の小型化にも対応することができる。
尚、上記第一実施例では、上記したように副リップ部23が軸部13の外周面13aから離れる作動設定圧は、主リップ部21が開弁する作動設定圧(開弁設定圧)よりも小さく設定されているので、主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23を設けても主リップ部21の開弁特性が損なわれることはない。しかしながら、コンデンサ等の小型化に伴って圧力開放弁11が小型化されて副リップ部23も小型化されると、ゴム成形工程の都合等から、副リップ部23が軸部13の外周面13aから離れる作動設定圧を正確に設定するのが困難となることが予想される。このような状況下にあっては、作動設定圧が予定値を上回るようなことがあると、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cと容器内部Aとの間に差圧が発生して主リップ部21の開弁特性が損なわれることにもなり兼ねない。これを防止するには、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cを容器内部Aと常に連通させる構成とするのが好ましく、以下にその実施例を説明する。
第二実施例・・・
すなわち、上記第一実施例の構成に加えて、図3および図4示すように、副リップ部23のリップ端23aに、リップ端23aよりも径方向内方へ突出する凸部24を設け、この凸部24を軸部13の外周面13aに当接させることにより副リップ部23が若干持ち上げられるので、このとき副リップ部23および軸部13の外周面13a間に形成される径方向の間隙部25を連通路26とする。凸部24は副リップ部23の円周上一部に一つまたは複数が設けられる。
第三実施例・・・
また、上記第一実施例の構成に加えて、図5および図6に示すように、副リップ部23のリップ端23aに凹部27を設け、この凹部27により副リップ部23および軸部13の外周面13a間に形成される径方向の間隙部25を連通路26とする。凹部27は副リップ部23の円周上一部に一つまたは複数が設けられる。
上記第二または第三実施例のように、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cを容器内部A側の空間と常時連通する連通路26を設けると、両空間に差圧が発生するのを防止することが可能となることから、この差圧の発生によって主リップ部21の開弁特性が損なわれるのを防止することができる。
尚、上記凸部24や凹部27は、これらを軸部13の外周面13a側に設けても良い。また、凸部24や凹部27に代えて、副リップ部23のリップ端23aやこのリップ端23aが接触する軸部13の外周面13aに粗面化加工を施すことにしても良い。
第四実施例・・・
図7は、本発明の第四実施例に係る圧力開放弁11を示している。尚、図7(A)は圧力開放弁11の断面図、図7(B)は弁本体16を取り除いた状態の弁取付空間12のみの平面図(同図(A)におけるD方向矢視図)をそれぞれ示している。
当該実施例に係る圧力開放弁11は、通常の使用状態では内圧が設定された開弁圧以下となっているので閉弁状態にあり、コンデンサ1内の圧力が所定値を上回ったときに開弁してこの圧力を開放するものであって、以下のように構成されている。
すなわち、封口板(ハウジング)4に弁取付空間12が設けられており、この弁取付空間12に、当該圧力開放弁11における弁本体16が取り付けられている。
弁取付空間12は、封口板4の上面(容器外部B側)4aに開口するように形成されて、円筒面状の内周面12aと平面状の底面12bとを有しており、底面12bの中央に、円筒面状の外周面13aを備えた軸部(シャフト)13が上方に向けて設けられている。弁取付空間12の内周面12aには、弁本体16を抜け止めするための段差状の係合部14が設けられており、底面12bには、容器内部Aと容器外部Bとを連通させるための開口部15が複数円周上に並んで設けられている。軸部13は、その中心軸線を封口板4の板厚方向に向けて配置されて封口板4に対し一体または別体で成形されており(図では一体成形)、その外周面13aが、当該圧力開放弁11の弁体をなす主リップ部21に対する弁座面として機能する。また、当該実施例にあっては特に、底面12b上であって軸部13の外周側に環状を呈する端面状の座面12cが形成されており、この端面状の座面12cが副リップ部23に対する相手接触面(相手シール面)として機能する。
上記弁取付空間12にその上方すなわち容器外部B側から弁本体16が圧入されており、この弁本体16は、補強環17にゴム状弾性材製の弾性体18を加硫接着したものである。補強環17は、弁取付空間12の内周面12aに嵌合された筒状部17aと、その一端から径方向内方へ向けてフランジ部17bを一体形成した、断面形状が近似L字形をなすように成形したものである。また、弾性体18には、補強環17の筒状部17aの外周面に被着されて弁本体16および封口板4(弁取付空間12の内周面12a)間をシールする外周シール部19が一体に設けられており、更に補強環17の内周側に位置して、軸部13の外周面13aに接離自在に密接する外向き(図上上向き)の主リップ部21が一体に設けられている。この主リップ部21は、その基端部から先端部へかけて容器外部B側であってかつ径方向内方に向けて傾くようにテーパー状に形成されている。
また、この主リップ部21は、当該圧力開放弁11における弁体として作用するもので、すなわちこの主リップ部21は軸部13に対して所定の大きさの締めしろをもって接触(着座)しており、容器内部Aの圧力が所定値以下にあるときには閉弁しており、容器内部Aの圧力が所定値を上回ると、主リップ部21が軸部13から離れて開弁する。したがって、所定値を上回った分の圧力を容器外部Aへ放出することが可能とされている。そして、内圧が開放されると、主リップ部21自体の弾性による復元力によって直ちに閉弁する。
また、主リップ部21の容器内部A側に、主リップ部21の開弁作動時に内部収容物である電解液が容器外部Bへ噴出するのを防止するための副リップ部23が設けられており、当該実施例では、この副リップ部23が、上記弁本体16の弾性体18にその一部として一体に成形されている。この副リップ部23は、主リップ部21とは軸方向反対向きに内向き状のリップとして形成され、すなわちその基端部から先端部へかけて容器内部A側であってかつ径方向内方へ向けて傾くようテーパー状に形成されており、上記環状を呈する端面状の座面12cに対して全周に亙って接離自在に密接している。また、この副リップ部23が座面12cから離れる作動設定圧は、主リップ部21が開弁する作動設定圧(開弁設定圧)よりも小さく設定されている。尚、本実施例において、副リップ部23の向きは、金型構造の簡易さの点で内向きとしたが、これに限らず、主リップ部21と同じく外向きであっても良い。
このように当該実施例では、弁体をなす主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23が設けられているために、容器内部Aの圧力が上昇すると、先ずは容器内部A側の副リップ部23が圧力により押し開かれ、次いで容器外部A側の主リップ部21が圧力により押し開かれて、圧力すなわち内部発生ガスが容器外部Bへ放出される。したがって、容器内部Aの異常高圧を外部へ放出することができる。
また、主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23が設けられていると、副リップ部23が圧力により押し開かれた状態であってもなお、副リップ部23が設けられていない場合と比較して、電解液が直接、主リップ部21に到達する量を少なく抑えることが可能である。したがって、電解液が多量に噴出して周辺回路の腐食や短絡等が発生するのを防止することができる。このとき副リップ部23は、弁本体16および軸部13間の圧力開放流路を狭めて、電解液の噴出を少量に抑える一種の邪魔板として作用する。また、当該実施例によれば、上記作用効果を気液分離膜やミストトラップ等を取り付けることなく奏することができることから、製造・組立工程での取り扱い性(ハンドリング性)に優れており、かつ容器の小型化にも対応することができる。
また、当該実施例では、主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23が設けられているものの、一方の主リップ部21は容器外部A側へ向けて傾くように設けられるとともに、他方の副リップ部23は反対に容器内部A側へ向けて傾くように設けられているために、リップ部21,23を成形する金型(特にその芯型)にアンダーカット部が設定されることがない。したがって、実施例1〜3に比べて金型にアンダーカット部が設定されて金型構造が極端に複雑化するのを未然に防止することができる。
また、当該実施例では、主リップ部21によるガス流路(圧力開放流路)が軸方向に向けて設定されるのに対して、副リップ部23によるガス流路が径方向に向けて設定されることから、ガス流路が直交配置され、比較的長く設定されている。したがってこれにより、実施例1〜3に比べて内部発生ガスの外部への流出抑制効果を拡大することができる。
尚、上記第四実施例では、上記したように副リップ部23が座面12cから離れる作動設定圧は、主リップ部21が開弁する作動設定圧(開弁設定圧)よりも小さく設定されているので、主リップ部21の容器内部A側に副リップ部23を設けても主リップ部21の開弁特性が損なわれることはない。しかしながら、コンデンサ等の小型化に伴って圧力開放弁11が小型化されて副リップ部23も小型化されると、ゴム成形工程の都合等から、副リップ部23が座面12cから離れる作動設定圧を正確に設定するのが困難となることが予想される。このような状況下にあっては、作動設定圧が予定値を上回るようなことがあると、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cと容器内部Aとの間に差圧が発生して主リップ部21の開弁特性が損なわれることにもなり兼ねない。これを防止するには、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cを容器内部Aと常に連通させる構成とするのが好ましく、以下にその実施例を説明する。
第五実施例・・・
すなわち、上記第四実施例の構成に加えて、図8および図9示すように、座面12c上にリブ状の凸部28を設け、この凸部28に対して副リップ部23のリップ端を当接させることにより副リップ部23が若干持ち上げられるので、このとき凸部28の円周方向両側にて副リップ部23および座面12c間に形成される軸方向の間隙部29を連通路26とする。凸部24は座面12cの円周上一部に一つまたは複数(図では等配状に4箇所)が設けられる。
第六実施例・・・
また、上記第四実施例の構成に加えて、図10に示すように、副リップ部23が接離可能に接触する座面12cの表面に粗面化加工30を施して、これにより形成される副リップ部23および座面12c間の微細間隙部(図示せず)を連通路とする。
上記第五または第六実施例のように、主リップ部21および副リップ部23間の空間Cを容器内部A側の空間と常時連通する連通路26を設けると、両空間に差圧が発生するのを防止することが可能となることから、この差圧の発生によって主リップ部21の開弁特性が損なわれるのを防止することができる。
尚、上記凸部28や粗面化加工30は、これらを副リップ部23側に設けても良い。また、凸部28や粗面化加工30に代えて、副リップ部23や座面12cに凹部を設けることにしても良い。
第七実施例・・・
また、上記第四実施例では、図7(A)に示したように、弁本体16の外側端面(大気側端面)16aと弁取付空間12(封口板4)の外側端面(大気側端面)4aとが一致するまで弁本体16を圧入することにより、座面12cに対する副リップ部23の接触状態を管理するよう構成されているが、これに代えて図11に示すように、弁取付空間12の内周面12aに段差状のストッパ部31を設け、この段差状のストッパ部31に弁本体16のゴム状弾性体18が接触するまで弁本体16を圧入することにより、座面12cに対する副リップ部23の接触状態を管理するようにしても良い。何れにしてもこのように座面12cに対する副リップ部23の接触状態を正確に管理することは、副リップ部23を正確に開閉作動させるうえで極めて重要である。
尚、実施例4〜7では、ガータスプリング22が設けられていないが、実施例1〜3のようにガータスプリング22を設けても良い。
(A)は本発明の実施例に係る圧力開放弁を有するコンデンサの縦断面図、(B)は同コンデンサの平面図 本発明の第一実施例に係る圧力開放弁の断面図であって図1(B)におけるA−A線拡大断面図 本発明の第二実施例に係る圧力開放弁に用いる弁本体の要部断面図 (A)および(B)とも同圧力開放弁の要部拡大断面図 本発明の第三実施例に係る圧力開放弁に用いる弁本体の要部断面図 同圧力開放弁の要部拡大断面図 (A)は本発明の第四実施例に係る圧力開放弁の断面図、(B)は同圧力開放弁における弁取付空間の平面図であって同図(A)におけるD方向矢視図 (A)は本発明の第五実施例に係る圧力開放弁における弁取付空間の平面図、(B)は同弁取付空間の断面図であって同図(A)におけるE−F−G−H−I−J−K−L−M−N線断面図 (A)は同圧力開放弁の断面図、(B)は同圧力開放弁の要部拡大断面図であって同図(A)におけるO部拡大図 本発明の第六実施例に係る圧力開放弁における弁取付空間の平面図 本発明の第七実施例に係る圧力開放弁の断面図 従来技術に係る圧力開放弁の断面図
符号の説明
1 コンデンサ(圧力容器)
2 ケース
3 本体素子
4 封口板
4a,16a 外側端面
5 外缶
6 ガスケット
7 リード線
8 電極端子
11 圧力開放弁
12 弁取付空間
12a 内周面
12b 底面
12c 座面(相手接触面)
13 軸部
13a 外周面(相手接触面)
14 係合部
15 開口部
16 弁本体
17 補強環
17a 筒状部
17b フランジ部
18 弾性体
19 外周シール部
20 端面シール部
21 主リップ部
22 ガータスプリング
23 副リップ部
23a リップ端
24,28 凸部
25,29 間隙部
26 連通路
27 凹部
30 粗面化加工
31 ストッパ部
A 容器内部
B 容器外部
C 空間

Claims (6)

  1. 圧力容器(1)の封口板(4)に設けられるとともに前記圧力容器(1)内の圧力が所定値を上回ったときに開弁して前記圧力を開放する圧力開放弁(11)において、
    前記圧力開放弁(11)の弁体をなす主リップ部(21)の容器内部(A)側に、開弁時に電解液等の内部収容物が容器外部(B)へ噴出するのを抑制する副リップ部(23)を設けたことを特徴とする圧力開放弁。
  2. 請求項1の圧力開放弁において、
    主リップ部(21)はその基端部から先端部へかけて容器外部(B)側に傾くようテーパー状に形成され、一方、副リップ部(23)はその基端部から先端部へかけて反対に容器内部(A)側に傾くようテーパー状に形成されて端面状の相手接触面(12c)に接離可能に接触することを特徴とする圧力開放弁。
  3. 請求項1または2の圧力開放弁において、
    主リップ部(21)および副リップ部(23)間の空間(C)を容器内部(A)と常時連通させる連通路(26)を設けたことを特徴とする圧力開放弁。
  4. 請求項3の圧力開放弁において、
    連通路(26)は、副リップ部(23)および前記副リップ部(23)が接触する相手接触面(13a)(12c)の何れか一方に設けた凸部(24)(28)が他方に接触することにより前記副リップ部(23)および相手接触面(13a)(12c)間に形成される間隙部(25)(29)よりなることを特徴とする圧力開放弁。
  5. 請求項3の圧力開放弁において、
    連通路(26)は、副リップ部(23)および前記副リップ部(23)が接触する相手接触面(13a)(12c)の何れか一方または双方に設けた凹部(27)よりなることを特徴とする圧力開放弁。
  6. 請求項3の圧力開放弁において、
    連通路(26)は、副リップ部(23)および前記副リップ部(23)が接触する相手接触面(13a)(12c)の何れか一方または双方に施した粗面加工(30)により形成されることを特徴とする圧力開放弁。
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