JP2006193302A - 紙葉類処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 搬送経路途中に設定された処理用基準面91上に搬送されてきた紙葉類Pに対して所定の処理を行う処理機構43と、搬送経路内で紙ジャム状態になった紙葉類Pの少なくとも一部を露出させる搬送経路開閉部17と、厚さの異なる紙葉類Pの処理のために処理用基準面と処理機構43との間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構51とを備える紙葉類処理装置1において、紙ジャム発生時には、自動的に処理ギャップ調整機構51が作動して、処理用基準面91と前記処理機構43との間のギャップが最大限に設定される。
【選択図】 図9
Description
このようなプリンタでは、外観を提供する装置ケース内に、紙葉類である用紙を積層収容する給紙部や、該給紙部から用紙を一枚ずつ繰り出して所定の搬送経路に沿って搬送する搬送機構や、前記搬送経路の途中に設定されたプラテン面(処理用基準面)に搬送された用紙の表面に文字や図形等の画像印刷を行う記録ヘッド(処理機構)や、前記記録ヘッドに所定の移動力を付与するキャリッジ等の各種の動作機器が組み込まれている。
このようなフロント給排紙タイプのプリンタでは、通常、給紙される用紙を収容する用紙カセットが装置前面の下部に配置され、そして、印刷処理後の用紙を排出する排紙トレイが用紙カセットの上方に配置されている。また、用紙カセットと排紙トレイとの間を結ぶU字状搬送経路が装置ケース内に形成されるとともに、U字状搬送経路に連通する直線状搬送経路の途中に印刷用基準面が設定され、この印刷用基準面の上方に処理機構としての記録ヘッドが配置される。
即ち、詰まった紙の一部が搬送経路の搬送ローラ対に挟持された状態にあるために小さな力では抜き取りが困難となったり、無理に詰まっている用紙を引き抜くと搬送ローラ対に挟持されている一部がちぎれ、ちぎれた小片が搬送経路内に残って次の搬送処理時に新たな障害を招いたりする虞があった。
更に、紙ジャムによって詰まった用紙を引き出す際に、用紙との擦れで搬送ローラを構成している駆動ローラが回転すると、駆動ローラの回転が動力伝達系を逆進して駆動モータに回転力を入力し、駆動モータの発電現象が発生するので、この駆動モータの発電によって回路が破損する可能性もあった。
一方、このような不具合の発生を防止するために、新たに紙ジャム対策用の機構を追加装備する構成にすると、構成の煩雑化によるコストアップが避けられず好ましいものではなかった。
(1) 所定の処理用基準面を有する搬送経路と、
前記処理用基準面に沿って紙葉類を搬送する搬送機構と、
前記処理用基準面に対向配置され、前記処理用基準面上に搬送された前記紙葉類に対して情報処理を行う処理機構と、
前記処理用基準面と前記処理機構との間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構と、
それぞれ異なる対象物の状態を検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサからの情報を基に、前記処理ギャップ調整機構及び処理機構を駆動する制御部と、
前記搬送機構、前記処理機構、前記処理ギャップ調整機構、前記複数のセンサ及び前記制御部に供給される電力をオンオフする電源スイッチと、を備え、
前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記処理ギャップ調整機構を作動させて前記処理用基準面と前記処理機構との間のギャップを最大限に拡げることを特徴とする紙葉類処理装置。
(2) 前記制御部は、前記処理ギャップ調整機構を作動させて前記処理用基準面と前記処理機構との間のギャップを最大限に広げ、前記複数のセンサの状態が所定の異なる状態に切り替わるまで待機することを特徴とする(1)に記載の紙葉類処理装置。
(3) 前記搬送機構は、紙送りモータと、前記紙送りモータからの動力により回転して紙葉類を搬送する複数の紙送りローラと、前記紙送りモータの動力を前記紙送りローラに伝達するとともに、前記紙送りモータの動力を選択的に前記紙送りローラに伝達する動力伝達部材と、を備え、
前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記動力伝達部材による前記紙送りモータと前記紙送りローラの一つとの間の動力伝達を解除することを特徴とする(1)または(2)に記載の紙葉類処理装置。
(4) 前記動力伝達部材は、前記紙送りモータの回転方向に応じて前記紙送りモータと前記紙送りローラとの間の動力伝達を解除する一方向クラッチを備え、
前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記紙送りモータを逆転駆動させて前記紙送りモータと前記紙送りローラとの間の動力伝達を解除することを特徴とする(3)に記載の紙葉類処理装置。
(5) 前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記動力伝達部材による前記紙送りモータの他の一つに押し付けられる押付ローラの押付を解除することを特徴とする(3)または(4)に記載の紙葉類処理装置。
(6) 前記複数のセンサは、用紙トレイ検出センサと、インクタンクカバー検出センサとを備え、前記制御部は、前記用紙トレイ検出センサと、前記インクタンクカバー検出センサの出力に応じて、前記所定の状態であるかどうかを判断することを特徴とする(1)〜(5)の何れか一項に記載の紙葉類処理装置。
なお、本実施の形態では、紙葉類処理装置として用紙(紙葉類)に印刷を行うインクジェットプリンタを例示している。
また、用紙カセット5上には、用紙カセット5の上面開放部を覆うように、印刷が終了した用紙を受ける排紙トレイ6が装着されている。また、装置ケース4の前面の両側には、動作状態を表示するLEDランプ等からなる表示部7、7が設けられている。そして、この表示部7,7の下方には、黒インクタンクを収納する黒インク収納部の前方を覆う黒インクカバー8aと、複数のカラーインクタンクを収納するカラーインク収納部の前方を覆うカラーインクカバー8bとがそれぞれ左右に設けられている。これらの黒インクカバー8aとカラーインクカバー8bは、それぞれ開閉可能に取り付けられており、それぞれのカバー8a,8bを開くことで、内部に着脱自在に装着されるインクカートリッジにアクセス可能である。また、黒インクカバー8aの下方には、プリンタ1への電力のオンオフを切り替えるボタンスイッチ式の電源スイッチ19が設けられている。電源スイッチ19をオンにすることで、後述する搬送機構11、処理機構としての印刷処理機構19、処理ギャップ調整機構51、複数のセンサ及び制御部等に電力が供給され、プリンタ1が稼働する。
即ち、後部開閉カバー17は、円弧状搬送経路PA内で紙ジャム状態になった用紙Pの一部を露出させるために円弧状搬送経路PAの一部を開閉可能にした搬送経路開閉部となっている。
ASF部は、用紙カセット5に収容されている用紙Pを一枚ずつ装置後方の円弧状搬送経路PAの入口に繰り出す用紙繰り出し機構22と、円弧状搬送経路PAの入口に配置されて用紙繰り出し機構22が繰り出した用紙Pを下流側に所定距離だけ離れた第1受渡位置に送る第1搬送ローラ群30と、この第1搬送ローラ群30によって送られる用紙Pの搬送方向を円弧状搬送経路PAの出口に至る円弧状に規制するガイド部34と、から構成されている。第1搬送ローラ群30は、紙送りモータ73(PF(Paper feed)モータ)により回転駆動される紙送りローラとしての中間ローラ31と、該中間ローラ31との間に用紙Pを挟む従動ローラとしてのリタードローラ32とで用紙Pを挟持搬送する。
本実施の形態の場合、第2搬送ローラ群40は、第1受渡位置で用紙Pの下面に接触しながら、紙送りモータ73により回転駆動される紙送りローラである駆動ローラ41と、用紙Pを駆動ローラ41に押し付ける従動ローラ42とからなる紙送りローラ対であり、これら紙送りローラ対により用紙Pを挟持搬送する。
そして、第1搬送ローラ群30を構成する中間ローラ31及びリタードローラ32は、ガイド部34の下方から上方に向かって用紙Pを挟持搬送する。
この補助ガイド部材35は、ガイド部34に対して後端側が回動可能に支持され、先端側が揺動されるようになっている。そして、図6に示すように、この補助ガイド部材35は、円弧状搬送経路PAから直線状搬送経路PBへ搬送される用紙Pを、その上方側から自重により押さえて、用紙Pを直線状搬送経路PBに沿ってプリンタ1の前方側に案内する。
なお、本実施の形態のプリンタ1では、このPWセンサ47と同様に光の反射光を検出することで用紙の有無を検出する用紙検出センサが、搬送経路の適宜箇所に設置される。
この処理ギャップ調整機構51は、図7に示すように、キャリッジ13を用紙Pの幅方向に移動自在に支持するキャリッジ軸53に回転自在に設けられた第1ギヤ55と、円筒部57aの外周の一部に隆起したカム面57bを備えて前記第1ギヤ55に一体形成されたカム57と、前記カム57の外周面が当接するように装置ケース4側の筐体に支持されたリング状のカム受け59と、第1ギヤ55に回転力を入力するギャップ調整用輪列61(図2参照)と、このギャップ調整用輪列61を回転駆動するギャップ調整用モータ63とを備えている。
カム面57bは、図8にも示したように、回転中心からの突出量が徐々に変化する傾斜部58aと、この傾斜部58aの最大突出量を維持した円弧部58bとを備えていて、傾斜部58aははがき等の各種の厚紙に印刷する場合のギャップ調整に使用され、円弧部58bは紙ジャムの発生時等に印刷用基準面との間のギャップPGを最大限に調整する場合に使用される。
紙送り軸71の外周には大径のベルト車72が固着されている。また、プリンタ1の左側面側の下部に設けられた紙送りモータ73の出力軸には小径のベルト車74が設けられていて、このベルト車74と大径のベルト車72との間にタイミングベルト75が巻き掛けられている。以上により、駆動ローラ41は、紙送りモータ73により回転駆動されるようになっている。
そして、本実施の形態の場合、図7に示すように、ギャップ調整用モータ63の作動によって記録ヘッド44と印刷用基準面とのギャップ調整が成されるとき、連動して揺動アーム77の先端を上方に揺動させて、従動ローラ42を駆動ローラ41から離脱する方向に退避させるローラリリース機構78が備えられている。
回転軸81の回転によりリリース突起82が揺動アーム77の後端を押し下げると、図8の矢印Cに示すように、揺動アーム77の先端が上方に揺動して、従動ローラ42が駆動ローラ41から離反(リリース)され、用紙Pの保持が解除される。
本実施形態のプリンタ1は、制御部101を中心として構成されている。制御部101は、物理的にはCPU等のプロセッサ、RAM等の書き換え可能記憶領域を有する揮発性メモリ、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ等から構成され、フラッシュROM内に記憶されたファームウェアを実行することにより、プリンタ1の各部を制御し、外部に設置されたホストコンピュータ200と通信インタフェース121を介して通信を行いつつ印刷を実行する。
また、プリンタ1は、プリンタの状態を検出する複数のセンサを備えている。例えば、プリンタ1には、用紙搬送経路における用紙の有無を検出する用紙検出センサ111、黒インクカバー8aの開閉を検出する黒インクカバーセンサ112、カラーインクカバー8bの開閉を検出するカラーインクカバーセンサ113、用紙トレイが装着されているかどうかを検出する用紙トレイ着脱センサ114等が設けられている。
次いで、ステップS202に進み、制御部はギャップ調整モータ63を駆動して処理ギャップ調整機構51を作動させ、印刷用基準面91と記録ヘッド44との間のギャップPGが通常の標準値になるように、ギャップPGの再調整を行う(APG(オートプラテンギャップ)イニシャライズ)。
このステップS203における判定は、黒インクカバーセンサ112と、カラーインクカバーセンサ113と、用紙トレイ着脱センサ114の出力の状態に応じて行われる。
本実施形態では、具体的には、制御部101は、用紙カセット5の装着の有無、黒インク装着部のカバーの開閉状態、カラーインク装着部のカバーの開閉状態を装置に予め設けられた各センサ112〜114からの検出信号により検知し、(1)用紙カセット5が挿着されていない、(2)黒インク装着部のカバーが開かれている、(3)カラーインク装着部のカバーが閉じられている、の3つの条件の全てが満たされる場合には、紙ジャム除去モードへの移行を指示しているものと判定して、ステップS204に進む前にステップS211〜ステップS214の処理を行う。一方、上記(1)〜(3)の条件のうち少なくとも一つが満たされていなければ、通常の起動処理を行うために、ステップS204に進む。
次いで、ステップS205に進み、搬送機構11を構成しているASF(オートシートフィーダ)部や、PF(ペーパフィーダ)部を標準の待機位置にセットする調整処理を実施し、初期化処理を終了とする。
更に、ステップS211では、処理ギャップ調整機構51に連動して作動するローラリリース機構78によって、第2搬送ローラ群40の従動ローラ42が駆動ローラ41から離れて、用紙Pの挟持を開放するリリース動作が実施される。
(1)用紙カセット5が装着されていること、(2)黒インク装着部のカバーが閉じられていること、(3)カラーインク装着部のカバーが閉じられていること。これらの3つの条件を全て満足するとき、詰まった紙の除去作業の完了がサービスエンジニアから指示されたものと判定して、次のステップS214に移行する。
即ち、電源投入時のイニシャライズ動作で、紙ジャムのために可動部に無理な負荷がかかることを防止でき、安全に、保守・点検動作に入ることができる。
2 上部ケース
3 下部ケース
4 装置ケース
5 用紙カセット
6 排紙トレイ
11 搬送機構
13 キャリッジ
14 キャリッジモータ
30 第1搬送ローラ群
31 中間ローラ(駆動ローラ)
32 リタードローラ(従動ローラ)
40 第2搬送ローラ群
41 駆動ローラ
42 従動ローラ
43 印刷処理機構(処理機構)
44 記録ヘッド
46 吐出ノズル
47 PWセンサ
48a 駆動ローラ
48b 従動ローラ
49 第3搬送ローラ群
51 処理ギャップ調整機構
53 キャリッジ軸
55 第1ギヤ
57 カム
59 カム受け
63 ギャップ調整用モータ
71 紙送り軸
72 大径のベルト車
73 紙送りモータ
74 ベルト車
75 タイミングベルト
76 支持軸
77 揺動アーム
78 ローラリリース機構
81 回転軸
82 リリース突起
84 遊星機構
85 中継歯車
86 枢軸
87 フレーム
88 出力歯車
89 遊星ギヤ
91 印刷用基準面(処理用基準面)
A 円弧状搬送経路
B 直線状搬送経路
P 用紙
Claims (6)
- 所定の処理用基準面を有する搬送経路と、
前記処理用基準面に沿って紙葉類を搬送する搬送機構と、
前記処理用基準面に対向配置され、前記処理用基準面上に搬送された前記紙葉類に対して情報処理を行う処理機構と、
前記処理用基準面と前記処理機構との間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構と、
それぞれ異なる対象物の状態を検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサからの情報を基に、前記処理ギャップ調整機構及び処理機構を駆動する制御部と、
前記搬送機構、前記処理機構、前記処理ギャップ調整機構、前記複数のセンサ及び前記制御部に供給される電力をオンオフする電源スイッチと、を備え、
前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記処理ギャップ調整機構を作動させて前記処理用基準面と前記処理機構との間のギャップを最大限に拡げることを特徴とする紙葉類処理装置。 - 前記制御部は、前記処理ギャップ調整機構を作動させて前記処理用基準面と前記処理機構との間のギャップを最大限に広げ、前記複数のセンサの状態が所定の異なる状態に切り替わるまで待機することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
- 前記搬送機構は、紙送りモータと、前記紙送りモータからの動力により回転して紙葉類を搬送する複数の紙送りローラと、前記紙送りモータの動力を前記紙送りローラに伝達するとともに、前記紙送りモータの動力を選択的に前記紙送りローラに伝達する動力伝達部材と、を備え、
前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記動力伝達部材による前記紙送りモータと前記紙送りローラの一つとの間の動力伝達を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の紙葉類処理装置。 - 前記動力伝達部材は、前記紙送りモータの回転方向に応じて前記紙送りモータと前記紙送りローラとの間の動力伝達を解除する一方向クラッチを備え、
前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記紙送りモータを逆転駆動させて前記紙送りモータと前記紙送りローラとの間の動力伝達を解除することを特徴とする請求項3に記載の紙葉類処理装置。 - 前記制御部は、前記電源スイッチがオンされたとき、前記複数のセンサの出力が所定の状態であれば、前記動力伝達部材による前記紙送りモータの他の一つに押し付けられる押付ローラの押付を解除することを特徴とする請求項3または4に記載の紙葉類処理装置。
- 前記複数のセンサは、用紙トレイ検出センサと、インクタンクカバー検出センサとを備え、前記制御部は、前記用紙トレイ検出センサと、前記インクタンクカバー検出センサの出力に応じて、前記所定の状態であるかどうかを判断することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の紙葉類処理装置。
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JP2008044182A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Seiko Epson Corp | 記録装置、液体噴射装置および動力伝達切り替え方法 |
JP2011240490A (ja) * | 2010-05-13 | 2011-12-01 | Canon Inc | プリント装置およびプリント装置の制御方法 |
US10081189B2 (en) | 2016-07-11 | 2018-09-25 | Seiko Epson Corporation | Recording apparatus |
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