JP2006192488A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽圧下帯を備えた連続鋳造機で鋼を連続鋳造するに際し、ダミーバーヘッド及び最ボトム鋳片が軽圧下帯を通過する際に引き抜き抵抗によって発生する鋳型内の溶鋼湯面の変動を低く抑える。
【解決手段】 鋳片に圧下力を加えるための複数対のロール4A,Bから構成される軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用いて溶鋼を連続鋳造するに際し、少なくともダミーバーヘッド15と最ボトム鋳片7Aとの境界部位18が軽圧下帯の各ロールを通過するまでは、軽圧下帯の各ロールによる圧下力がダミーバーヘッド及び鋳片に実質的に付与されないようにする。このようにすることで、引き抜き抵抗が軽減し、湯面変動を抑えることが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法に関し、詳しくは、軽圧下帯を備えた連続鋳造機においてダミーバーヘッド及び最ボトム鋳片が軽圧下帯を通過する際の引き抜き抵抗によって発生する鋳型内の湯面変動を低減した連続鋳造方法に関するものである。
鋼の凝固過程における最終凝固部では、炭素、燐、硫黄などの溶質元素が未凝固相に濃縮される。この濃縮された溶鋼が流動し、集積して凝固すると、初期濃度に比べて格段に高濃度となった成分偏析部が生成される。鋼が凝固すると体積収縮が起こり、この体積収縮に伴って溶鋼は吸引され、連続鋳造の場合には、鋳片の引抜き方向下流側へ吸引されて流動する。連続鋳造鋳片の凝固末期の未凝固相には十分な量の溶鋼が存在しないので、最終凝固部であるデンドライト樹間の濃化溶鋼が流動をおこし、それが鋳片中心部に集積して凝固し、所謂「中心偏析」が生成される。
この中心偏析は鋼製品の品質を劣化させる。例えば、石油輸送用や天然ガス輸送用のラインパイプ材においては、サワーガスの作用により中心偏析を起点として水素誘起割れ(「HIC」とも云う)が発生し、また、飲料水用の缶製品に用いられる深絞り材においては、成分の偏析により加工性に異方性が出現する。そのため、鋳造工程から圧延工程に至るまで、中心偏析を低減する対策が多数提案されている。
そのなかで、安価に且つ効果的に鋳片の中心偏析を低減する手段として、凝固末期に未凝固鋳片を鋳片の凝固収縮量に見合った圧下量で徐々に圧下する(以下、「軽圧下」と呼ぶ)方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この軽圧下方法は、鋳片の凝固完了位置に相当する範囲の鋳片支持ロールの対向するロール間の間隔(「ロール間隔」という)を、鋳片の鋳造方向下流側に向かって徐々に狭くなるように設定し、引き抜かれる鋳片に対して鋳片支持ロールにより圧下力が付与されるようにして実施している。このロール間隔を徐々に狭くした範囲を「軽圧下帯」と称し、ロール間隔を徐々に狭くすることを「ロール間隔の絞り込み」と称す。連続鋳造鋳片は連続鋳造機内で引き抜かれつつ温度降下によって収縮するので、一般的に、鋳片支持ロールのロール間隔はそれに見合うように徐々に狭められている。但し、この場合には温度収縮量に見合う程度に狭められているので、鋳片に対して圧下力はほとんど付与されない。これ以上にロール間隔の絞り込みの大きい範囲が軽圧下帯となる。
特開昭59−70444号公報
ところで、連続鋳造の鋳造開始時の鋳片(「最ボトム鋳片」という)は、その後の定常鋳造域に比べて鋳片引き抜き速度の平均値が相対的に遅いこと、及び、ボトム鋳片の引き抜き方向先端部はダミーバーのダミーバーヘッドと接続していてダミーバーヘッドによっても冷却されることから、鋳片温度が低く変形抵抗が大きくなる。また、ダミーバーヘッドは鋳型の内壁空間に挿入されて使用されるものであることから、鋳型の内壁と接触して製造される鋳片の厚みよりも薄く、従って、ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位には厚みの段差が発生する。
厚みに段差のあるダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位、並びに、温度の低い最ボトム鋳片が軽圧下帯を通過する際に、ロール間隔の絞り込みが引き抜き抵抗になり、このために鋳片の引き抜き速度が変動して、鋳型内の溶鋼湯面が変動することがあった。鋳型内における溶鋼湯面の変動は、表面割れやモールドパウダー巻き込みなどの欠陥を発生させ、鋳片の品質低下を来すことになり、この部位の鋳片は、例えば鋳片の表面手入れを実施するなどの運用変更を余儀なくされることがあった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、軽圧下帯を備えた連続鋳造機で鋼を連続鋳造するに際し、ダミーバーヘッド及び最ボトム鋳片が軽圧下帯を通過する際に引き抜き抵抗によって発生する鋳型内の溶鋼湯面の変動を低く抑えることのできる連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、鋳片に圧下力を加えるための複数対のロールから構成される軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用いて溶鋼を連続鋳造するに際し、少なくともダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が軽圧下帯の各ロールを通過するまでは、軽圧下帯の各ロールによる圧下力がダミーバーヘッド及び鋳片に実質的に付与されないようにすることを特徴とするものである。
第2の発明に係る鋼の連続鋳造方法は、第1の発明において、前記ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が、軽圧下帯の各ロールから下流側に1m以上離れた位置まで引き抜かれるまでは、軽圧下帯の各ロールによる圧下力がダミーバーヘッド及び鋳片に実質的に付与されないようにすることを特徴とするものである。
本発明によれば、変形抵抗の大きい、ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位及び鋳片の最ボトム部が、軽圧下帯を通過するときには軽圧下用ロールによる圧下力が鋳片にはかからないようにするので、鋳片の引き抜き抵抗が軽減されて、鋳片引き抜き速度の変動が抑制され、これによって鋳型内の溶鋼湯面変動が軽減され、品質に優れた鋳片を製造することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を実施する際に用いたスラブ用連続鋳造機の概略側断面図、図2は、ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が軽圧下帯の鋳片支持ロール間を通過する様子を示す概略図である。
図1に示すように、連続鋳造機1には、溶鋼6を注入して凝固させるための鋳型3が設置され、そして、この鋳型3の下方には、鋳型3から引き抜かれる鋳片7を支持するための複数対の鋳片支持ロール4が設置されている。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール4の間には、エアーミストスプレーノズルや水スプレーノズルなどの複数個のスプレーノズル(図示せず)が配置され、各スプレーノズルから鋳片7の表面に向けて冷却水或いは冷却水と空気とが混合されたエアーミストが噴霧され、引き抜かれる鋳片7の冷却が行われるようになっている。一方、鋳型3の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から注入される溶鋼6を中継滞留するためのタンディッシュ2が設置されている。
鋳片支持ロール4の一部の範囲には、対抗する鋳片支持ロール4のロール間隔が、鋳片7の引き抜き方向下流側に向かって徐々に、鋳片7の温度収縮量以上に狭くなるように設定された、鋳片7に対して圧下力を付与することの可能な鋳片支持ロール4の群、即ち、軽圧下帯11が設置されている。軽圧下帯11によって凝固末期の鋳片7を圧下することにより、凝固収縮に基づく濃化溶鋼の流動を抑えて、中心偏析を改善することが可能となる。この軽圧下帯11におけるロール間隔の絞り込み量は、鋳片7の圧下速度が0.6mm/min〜1.5mm/minの範囲になる程度に設定すればよい。圧下速度が0.6mm/min未満では、偏析を軽減する効果が少なく、一方、圧下速度が1.5mm/minを越えると、濃化溶鋼が鋳造方向とは逆方向に絞り出され、鋳片中心部には負偏析が生成される恐れがあるからである。従って、鋳片7の引き抜き速度が速い場合にはロール間隔の絞りこみ量は小さくなり、一方、鋳片7の引き抜き速度が遅くなればロール間隔の絞りこみ量は大きくなる。また、軽圧下帯11における総圧下量は2mm〜6mmで十分である。
このように構成される連続鋳造機1において、以下のようにして本発明を実施する。
溶鋼6の鋳造に先立ち、先ず、ダミーバーを、鋳型3の上方から或いは連続鋳造機1の機端である鋳片支持ロール4の出口側から、対向する鋳片支持ロール4の間に挿入し、所定の位置に配置する。ダミーバー13とは、図2にその一部を示すように、上方先端部のダミーバーヘッド15とこれと連結する共用体14とで構成され、鋳造開始時にダミーバーヘッド15の上端部が鋳型3の内壁空間の所定位置になるように連続鋳造機1に挿入され、鋳造開始時に鋳型3の内壁空間に注入された溶鋼6の漏洩を防止するとともに、ダミーバーヘッド15の凹み部に溶鋼6を凝固させて最ボトム鋳片7Aを嵌合させ、鋳片7を引き抜き方向下流側に引き抜くためのものである。図1に示すような円弧型の鋳片案内部を有する連続鋳造機1におけるダミーバー13は、折り曲がり自在の多数のリンクを連結した所謂リンク式ダミーバーであり、その上端部にダミーバーヘッド15が取り付けられている。尚、ダミーバー13のリンク部分を共用体14と称し、ダミーバーヘッド15は連結ピン(図示せず)を介して共用体14に連結されていて、ダミーバーヘッド15それ自体も共用体14に対して折り曲がり自在になっている。
次いで、軽圧下帯11の各ロールによる圧下力がダミーバー13及び鋳片7にかからないようにするために、軽圧下帯11の各ロールの圧下力を調整する。圧下力の調整は、鋳造が開始されてダミーバーヘッド15と最ボトム鋳片7Aとの境界部位18がそのロールを通過する前までに調整すればよいが、ここでは、溶鋼6を鋳造する前、ダミーバー13を所定位置に挿入した後に予め軽圧下帯11の各ロールによる圧下力がかからないよう調整することとする。
この調整方法の例を、図3を用いて説明する。図3は、上面側の1本の鋳片支持ロール4(以下、「上ロール4A」と記す)を一対の油圧シリンダー16で上下に移動させて、付与される圧下力を制御する油圧設備の概略図である。ここで、上ロール4Aに対向する鋳片支持ロール4(以下、「下ロール4B」と記す)は固定されていて、上ロール4Aを油圧シリンダー16で鋳片7に押し付けることで、下ロール4Bで保持される鋳片7には圧下力が付与される。油圧シリンダー16は上ロール4Aの両側のロールチョックに設置されているが、図3では片側の油圧シリンダー16のみを図示している。
鋳片7に圧下力を付与する際には、油圧ポンプ20を駆動させてタンク26に貯留された油を電磁弁21を介して押付側供給配管24に供給する。この場合、弁22A及び弁22Bは開放されており、弁23A及び弁23Bは閉鎖されている。押付側供給配管24に油が供給されることで、油圧シリンダー16のピストン17は鋳片7を押し付ける方向に作動し、ピストンロッド17Aに連結した上ロール4Aは鋳片7に圧下力を付与する。上ロール4Aを上昇させる際には、電磁弁21を切り替え、油を開放側供給配管25に供給することで、上ロール4Aは上昇して待避位置(上限位置)で停止する。上ロール4Aを待避位置に位置させれば、上ロール4Aは鋳片7とは接触せず、鋳片7には圧下力が付与されない。鋳片7に上ロール4Aによる圧下力が付与されないようにするために、このようにして上ロール4Aを待避位置まで上昇させても構わない。但し、この場合には、ダミーバー13の通過時にダミーバー13を押さえるものがなく、ダミーバー13がフリーとなるのでダミーバー13を保持できなくなり、最ボトム鋳片7Aとダミーバーヘッド15との嵌合部分が破断して分離する恐れもある。
従って、上ロール4Aの自重分だけの力はダミーバー13に作用させ、ダミーバー13をフリーにさせないことが好ましい。この状態は、上ロール4Aを自由に上下動できるようにしておけば得ることができる。上ロール4Aとダミーバー13及び鋳片7とは接触するだけであり、ダミーバー13及び鋳片7には上ロール4Aによる圧下力は付与されない。
上ロール4Aを自由に上下動できるようにする方法としては、図3に示す弁22A及び弁22Bを閉鎖し、弁23A及び弁23Bを開放する方法を利用することができる。シリンダー16の内部に滞留した油は、上ロール4Aの動き、即ちピストンロッド17Aの動きに応じて押付側供給配管24及び開放側供給配管25更にはタンク26への行き来が自由になり、上ロール4Aがダミーバー13及び鋳片7と接触した状態で自由に上下動できるようになる。上ロール4Aを自由に上下動できるようにする方法としてはこの方法に限るものではなく、上ロール4Aが自由に上下動できる限り、どのような方法であってもよい。このようにすることで、上ロール4Aはダミーバー13と接触し、ダミーバー13は上ロール4Aの自重で押さえられているので、最ボトム鋳片7Aとダミーバーヘッド15との嵌合部分が破断・分離することがない。
このようにした状態で、タンディッシュ2の上方所定位置に溶鋼6を収容した取鍋を配置し、取鍋からタンディッシュ2に溶鋼6を注入する。タンディッシュ2に所定量の溶鋼6が注入されたなら、タンディッシュ2の底部に設置されたスライディングノズル12を開け、浸漬ノズル5を介して溶鋼6を鋳型3の内壁空間に注入する。注入された溶鋼6でダミーバーヘッド15は溶鋼中に埋没し、ダミーバーヘッド15の凹み部には溶鋼6が流入する。ダミーバーヘッド15は鋳鉄製或いは鋳鋼製であり、溶鋼6はダミーバーヘッド15によって冷却され凝固を開始する。また、溶鋼6は鋳型3と接触して冷却され、鋳型3と接触する部位に凝固シェル8を形成する。
注入された溶鋼6で鋳型3の溶鋼湯面10が所定位置まで上昇したなら、駆動機構が備えられた鋳片支持ロール4(「ピンチロール」と呼ぶ)を駆動させて、ダミーバー13の鋳片引き抜き方向下流側への引き抜きを開始する。表層を凝固シェル8とし、内部を未凝固相9とする鋳片7は、鋳片支持ロール4に支持されながらダミーバー13とともに鋳型3の下方側へ引き抜かれる。ダミーバー13を連続的に引き抜くと同時に、鋳型3の溶鋼湯面10の位置をほぼ一定位置に調整して、溶鋼6の連続鋳造が行なわれる。鋳型3の下方に引き抜かれた鋳片7はスプレーノズルから噴霧される冷却水或いはエアーミストによって冷却され、やがて中心部まで凝固する。中心部まで凝固した位置が凝固完了位置19となる。鋳型3の溶鋼湯面10には、通常モールドパウダー(図示せず)が添加される。
このようにしてダミーバー13、換言すれば鋳片7の引き抜きが開始され、それに伴ってダミーバーヘッド15と最ボトム鋳片7Aとの境界部位18は引き抜き方向下流側に移動していく。軽圧下帯11の各上ロール4Aは、前述したように上下動が自由にできるようになっており、ダミーバー13は各上ロール4Aの自重によって押さえられた状態で通過していく。軽圧下帯11の各上ロール4Aは、少なくともダミーバーヘッド15と最ボトム鋳片7Aとの境界部位18、即ち厚みの段差部が各上ロール4Aの位置を通過するまでは、軽圧下帯11の各上ロール4Aによる圧下力がダミーバーヘッド15及び最ボトム鋳片7Aにかからない状態に維持する。そして、境界部位18が通り過ぎたなら、上ロール4Aの押し付けを開始する。但し、最ボトム鋳片7Aも温度が低く、軽圧下帯11では引き抜き抵抗が高くなるので、境界部位18が各上ロール4Aを通り過ぎ更に各上ロール4Aの下流側に1m以上引き抜かれるまでは上ロール4Aの押し付けを開始しないことが好ましい。この場合、余り長時間に亘って上ロール4Aの押し付けをしないでいると、未凝固相9による鋳片7の膨れ(「バルジング」ともいう)が発生する恐れがあるので、境界部位18が各上ロール4Aから5m下流側になる時点までには上ロール4Aの押し付けを開始することが好ましい。上ロール4Aの押し付け開始後は、油圧を所定の値まで上昇させて鋳片7に所定の圧下力を付与させる。
軽圧下帯11が複数本のロールで構成されるセグメント構造の場合には、1本毎に上ロール4Aの油圧調整ができない場合もあり、この場合には最も下流側の上ロール4Aを境界部位18が通過する時点を基準として、セグメント毎に上ロール4Aの油圧を設定すればよい。
鋳片7の引き抜き速度は、凝固完了位置19が軽圧下帯11の範囲内になるように調整する。ダミーバーヘッド15は、連続鋳造機1の機端を過ぎた位置で最ボトム鋳片7Aと切り離され、鋳片7は連続鋳造機1の機端に設置されるガス切断機(図示せず)により切断され、次工程の熱間圧延工程に搬送される。
このようにして溶鋼6を連続鋳造することで、変形抵抗の大きい境界部位18及び鋳片7の最ボトム部が軽圧下帯11を通過するときには軽圧下用の上ロール4Aによる圧下力が鋳片7にはかからないので、鋳片7の引き抜き抵抗が軽減されて、鋳片引き抜き速度の変動が抑制され、これによって鋳型内の溶鋼湯面10の変動が軽減され、品質に優れた鋳片7を製造することが可能となる。
機長が25mで、軽圧下帯が鋳型内の溶鋼湯面から16.0m〜20.3mの距離の範囲に設置されたスラブ連続鋳造機において、厚みが250mm、幅が2300mmのスラブ鋳片を鋳造する際に本発明を適用した例を説明する。この連続鋳造機のロール間隔の設定を図4に示す。図4に示すように、軽圧下帯におけるロール間隔の絞り込み量は1m当たり0.95mmであり、一方、軽圧下帯以外のロール間隔の絞り込み量は鋳片の温度降下による収縮量に見合うだけの1m当たり0.17mm程度である。この軽圧下帯は、4つのセグメント(No.9SEG 〜No.12SEG )に分かれていて、ロール間隔の絞り込み量のトータル値が大きくなる後半の2つのセグメント(No.11SEG 及びNo.12SEG )で本発明を実施した。これは、ロール間隔の絞り込み量のトータル値が大きくなることで、引き抜き抵抗が後半のセグメントで大きくなると予想されたからである。セグメント構造であるため、軽圧下用の上ロールはセグメント単位で作動する。即ち、軽圧下用上ロールの油圧設備はセグメント毎に前述した図3の構造になっており、セグメント毎に作動するようになっている。ダミーバーを所定の位置に設置した後、鋳造開始前、No.11SEG 及びNo.12SEG の上ロールを全て上下動可能な状態として、換言すれば各上ロールによって圧下力が付与されない状態にして溶鋼の鋳造を開始した。
鋳造開始後、上ロールの押し付け時期を次に示す3つの水準に変更して鋳造した。1つ目の水準(水準1)は、各セグメントの最下流の上ロールの設置位置に、ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が到達した時点で押し付けを開始する方法である。2つめの水準(水準2)は、ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が各セグメントの最下流の上ロールの設置位置を通り過ぎ、更に各セグメントの最下流の上ロールの設置位置から1.3m下流側の位置に到達した時点で押し付けを開始する方法である。3つめの水準(水準3)は、ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が各セグメントの最下流の上ロールの設置位置を通り過ぎ、更に各セグメントの最下流の上ロールの設置位置から2.5m下流側の位置に到達した時点で押し付けを開始する方法である。水準1で1回の鋳造を行い、水準2で3回の鋳造を行い、水準3で2回の鋳造を行った。各水準で、ダミーバーヘッド及び最ボトム鋳片がNo.11SEG 及びNo.12SEG を通過する期間に発生する鋳型内の湯面変動の発生回数及び最大変動量を調査し、従来の圧下力を付与した鋳造(以下、「従来例」という)の場合と比較した。
その結果、水準1(以下、「比較例」という)では鋳型内の湯面変動は従来例と同等であり、湯面変動軽減の効果は見られなかった。水準2及び水準3(以下「本発明例」という)では鋳型内の湯面変動が低減されることが確認された。図5に、本発明例、比較例及び従来例における最大湯面変動量を表し、図6に、本発明例、比較例及び従来例における湯面変動回数を表す。本発明例では、従来例及び比較例に比べて湯面報変動が低減し、しかも、水準3のほうが水準2よりも改善効果が大きいことが確認された。尚、図5及び図6に示す従来例では、○印が平均値を表し、縦線は範囲を表している。
本発明を実施する際に用いたスラブ用連続鋳造機の概略側断面図である。 ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が鋳片支持ロール間を通過する様子を示す概略図である。 上ロールを一対の油圧シリンダーで駆動させる場合の概略図である。 実施例で使用した連続鋳造機のロール間隔の設定を示す図である。 本発明例、比較例及び従来例における最大湯面変動量を示す図である。 本発明例、比較例及び従来例における湯面変動回数を示す図である。
符号の説明
1 連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 鋳型
4 鋳片支持ロール
4A 上ロール
4B 下ロール
5 浸漬ノズル
6 溶鋼
7 鋳片
7A 最ボトム鋳片
8 凝固シェル
9 未凝固相
10 溶鋼湯面
11 軽圧下帯
12 スライディングノズル
13 ダミーバー
14 共用体
15 ダミーバーヘッド
16 油圧シリンダー
17 ピストン
17A ピストンロッド
18 境界部位
19 凝固完了位置
20 油圧ポンプ
21 電磁弁
24 押付側供給配管
25 開放側供給配管
26 タンク

Claims (2)

  1. 鋳片に圧下力を加えるための複数対のロールから構成される軽圧下帯を備えた連続鋳造機を用いて溶鋼を連続鋳造するに際し、少なくともダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が軽圧下帯の各ロールを通過するまでは、軽圧下帯の各ロールによる圧下力がダミーバーヘッド及び鋳片に実質的に付与されないようにすることを特徴とする、鋼の連続鋳造方法。
  2. 前記ダミーバーヘッドと最ボトム鋳片との境界部位が、軽圧下帯の各ロールから下流側に1m以上離れた位置まで引き抜かれるまでは、軽圧下帯の各ロールによる圧下力がダミーバーヘッド及び鋳片に実質的に付与されないようにすることを特徴とする、請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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