JP2006192253A - 蒸気温熱具 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体の種々の生理機能を改善し得る蒸気温熱具を提供すること。
【解決手段】化学エネルギーを利用した水蒸気発生部2を有し、体表に当接させた状態下に水蒸気を供給するようになされている蒸気温熱具1である。当該蒸気温熱具1は、これを体表に当接させた状態下で3〜15時間にわたり皮膚表面温度を38〜49℃に維持し、且つ積算放出量が0.5〜5mg/3hr・cm2となる水蒸気の発生能を有している。蒸気温熱具1は、腰痛や腹痛の緩和や解消、便秘の緩和や解消など、人体の生理機能の改善のために用いられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、蒸気温熱具に関する。
ライフスタイルの変化に伴い中高年の生活意識に変化が起こっており、日々の生活の質を高く維持しようとする中高年、いわゆるアクティブシニアが増えている。健康に対する社会全体の流れがセルフメディケーション化に傾いていることと相まって、アクティブシニアにはデイリーヘルスケアの気運が高まっている。
中高年に共通した健康上の悩みとしては、腰痛、肩痛、冷え性、かすみ目などが典型的なものである。前述したアクティブシニアを中心とした中高年世代では、今後、これらの症状を日々の家庭生活の中で緩和ないし治療すること、或いは予防することが一般的になると予想される。例えば腰痛等の緩和のために、被酸化性金属を含む発熱体(いわゆる使い捨てカイロ)を腰部等に装着して当該部位を温める温熱療法が知られているが、このような温熱療法は個人レベルでますます盛んになると予想される。
ところで本出願人は先に、目及び目の周囲に水蒸気を供給する、アイマスク様形状の視力改善治療具やマイボーム腺機能改善治療具を提案した(特許文献1及び2参照)。これらの治療具は、目及び目の周囲に、身体に支障のない温度以下の水蒸気を供給することで、調節筋の弛緩を回復、向上させ、視力を向上させたり、マイボーム腺の機能を改善させたりするものである。これらの治療具は、目及び目の周囲に適用することを目的としているので、水蒸気の適用時間は、身体に支障のない短時間であり、高々数十分程度である。これらの治療具によれば、視力の改善やマイボーム腺機能の改善が図られる。しかし前記の各特許文献には、これらの治療具によって、腰痛や腹痛等が緩和されるか否かについては記載されていない。
特開2002−65714号公報 特開2002−78727号公報
従って本発明の目的は、人体の種々の生理機能を改善し得る蒸気温熱具を提供することにある。
本発明は、化学エネルギーを利用した水蒸気発生部を有し、体表に当接させた状態下に水蒸気を供給するようになされている蒸気温熱具であって、
前記蒸気温熱具は、これを体表に当接させた状態下で3〜15時間にわたり皮膚表面温度を38〜49℃に維持し、且つ積算放出量が0.5〜12mg/3hr・cm2となる水蒸気の発生能を有している蒸気温熱具を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、前記の蒸気温熱具の使用方法であって、該蒸気温熱具を体表に当接させた状態下に水蒸気を供給し、3〜15時間にわたり皮膚表面温度を38〜49℃に維持する蒸気温熱具の使用方法を提供するものである。
本発明によれば、腰痛や腹痛などを始めとする痛みの緩和や解消、胃腸等の内臓の機能改善、便秘の緩和や解消、疲労回復など、人体の種々の生理機能を改善することができる。
本発明の蒸気温熱具は、人体の体表に適用される。適用部位に特に制限はなく、腰部、腹部、頸部、肩部や、各所の関節など所望の部位に適用し得る。蒸気温熱具は、体表に当接して適用される。当接して適用とは、蒸気温熱具を直接に体表へ接触させて適用すること、及び水蒸気の透過が可能な介在物を介して間接的に体表へ接触させて適用することの双方を包含する。
蒸気温熱具は、化学エネルギーを利用した水蒸気発生部を有しており、該発生部から生じた水蒸気を体表に適用する点に特徴を有している。特に、蒸気温熱具は、水蒸気発生の持続時間が長いことによって特徴付けられるものである。以下の説明においては、水蒸気を伴う熱を湿熱という。また湿熱との対比で、水蒸気を伴わない熱、例えば市販の使い捨てカイロから発生する熱を乾熱という。
本発明において利用し得る化学エネルギーとしては、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱、酸とアルカリの中和熱、無機塩類(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト等)の水和熱などが挙げられる。これらのうち、乾式であり取り扱い性が良好であることや、発熱量が比較的大きいこと、携帯やコンパクト化が容易であることから、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を用いることが好ましい。
化学エネルギーを利用した水蒸気発生部の具体的な構成は、化学エネルギーの種類に応じて適宜定められる。例えば被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を用いる場合には、金属粉(例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等)、触媒となる塩類(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等)、及び水を含有した水蒸気発生組成物から構成される。この組成物には、必要に応じて、保水剤(例えば、バーミュキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、パルプ、木紛、吸水ポリマー等)、反応促進剤(例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛等)等を含有させることができる。
化学エネルギーとして、酸とアルカリの中和熱や、無機塩類の水和熱等を利用する場合、水蒸気発生部は、中和熱や水和熱を発生させる加熱部と、これらから発生する熱によって水蒸気を放出する蒸発部とから構成することができる。この場合、加熱部は、反応させる反応物同士を仕切壁で分離し、水蒸気を発生させるときに随時その仕切壁を破り、反応を進行させられるようにすればよい。また、蒸発部は、例えば、紙、織布、不織布等の繊維集合体や多孔質体に水を含浸させたものや、含水ゲル状高分子をフィルム状に伸ばしたものから構成し、加熱部の発熱により水蒸気が放出されるようにすればよい。
本発明の蒸気温熱具は、これを体表に当接させた状態下で3〜15時間、好ましくは3〜10時間にわたり皮膚表面温度を38〜49℃、好ましくは38〜43℃に維持し、且つ積算放出量が0.5〜12mg/3hr・cm2、好ましくは4〜9mg/3hr・cm2となる水蒸気の発生能を有している。このような水蒸気の発生能を有する蒸気温熱具を体表に適用することで、後述する実施例において例証されるように、人体の各種生理機能が顕著に改善される。
皮膚表面温度とは、接触型温度計、例えば熱電対によって測定された皮膚表面の温度をいう。また、水蒸気の積算放出量とは、蒸気温熱具の水蒸気発生部に化学反応を生じさせてから3時間経過するまでに放出された水蒸気の総量をいう。水蒸気の積算放出量は次の方法で測定される。温度20℃、湿度40%RHとした容積54000cm3(縦30cmx横50cmx奥行き36cm)の密閉系内に、その内部に水蒸気が蒸散可能なように蒸気温熱具を静置して化学反応を生じさせる。そして、前記密閉系内の空気の湿度を湿度計で測定し、化学反応開始後に発生する水蒸気量を求める。そして3時間経過するまでの積算値を積算放出量とする。
蒸気温熱具が、前記の水蒸気発生能を有するために、該蒸気温熱具は化学エネルギーによる発熱に起因する最高到達温度が38℃以上であることが好ましい。また、低温やけど等を防止する観点から最高到達温度が60℃以下であることが好ましい。最高到達温度は、JIS S4100に従い測定され、最高点に到達した温度の値を言う。
蒸気温熱具は、水蒸気の放出可能部位が体表に対向するように人体に装着されて使用される。例えば人体の腰部や腹部、肩部に装着される。本発明者らが検討したところ、湿熱によって腰部や腹部、肩部を温めると、同温度で水蒸気発生量の少ない一般の使い捨てカイロで同部位を温めた場合に比べて(即ち乾熱で温めた場合に比べて)、全身の血行が促進され、末梢温度が上昇することが判明した。また加温をやめた後も数十分に亘り温度の上昇が持続することが判明した。この理由を本発明者らが検討したところ、湿熱は熱伝導性が高く、適用部位の皮膚表面温度のみならず、人体の深部の温度を高め得ることが判明した。人体の深部の温度が高くなることで、温熱中枢が刺激され、それによって自律神経が副交感神経優位となる。その結果、血管が拡張して血流が増加し、また末梢温度が上昇すると推定される。また血流の増加によって発痛物質が除去され痛みが緩和ないし解消されると推定される。従って蒸気温熱具は、これを適用した人体の部位の体温上昇や血行の改善のみならず、当該部位の痛みの緩和ないし解消、筋肉の疲労回復、筋肉の凝りや筋肉痛の緩和、神経痛の緩和に効果的である。その上、体全体の血行の改善や、指先等の末梢温度の上昇、末梢温度の保温、冷え性の改善に効果的である。
例えば、後述する実施例により例証されるように、蒸気温熱具を人体の腰部に適用することにより腰痛が緩和ないし解消される。また腹部に適用することにより、便秘や下痢などに起因する腹痛が緩和ないし解消される。更に腰部及び/又は腹部に適用することにより胃腸を始めとする内臓の働きが改善され、また身体の疲労が回復する。乾熱を利用した温熱療法は以前から行われていたものであるが、湿熱を利用し、しかも、先に述べた条件の水蒸気発生能を有する蒸気温熱具によって湿熱を供給することで、人体の各種生理機能が著しく改善されることは、本発明者らが見出したものである。
蒸気温熱具の水蒸気発生能のコントロールは、化学エネルギーの種類に応じて適宜定められる。例えば、水蒸気発生部で反応させる反応物の量、反応物が粒体である場合にはその粒径、反応物の供給量等を適宜変えることにより反応速度を調整し、これらにより水蒸気発生能をコントロールする。また、水蒸気発生部と体表との間に透湿性シートを介在させて、水蒸気発生部から放出された水蒸気の透過量を調整することにより水蒸気発生能をコントロールしてもよい。
次に、本発明の蒸気温熱具の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1には本発明の蒸気温熱具の一実施形態としての蒸気温熱シートが示されている。図2は図1におけるII−II線断面図である。図1に示す蒸気温熱シート1は扁平な矩形状であり、水蒸気発生部としての発熱シート2及び該発熱シート2を収容する収容体3を備えている。後述するように、発熱シート2は繊維シートから構成されており、収容体3よりも一回り小さく形成されている。収容体3は扁平な袋状のものであり、複数のシート材の周縁を貼り合わせて、内部が空洞の袋状となされている。収容体3は少なくともその一部が透湿性を有する通気性部位となっている。
発熱シート2は、空気との接触により発熱可能なものである。この目的のために、発熱シート2は被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含んでいる。発熱シート2が空気と接触すると、該シート2に含まれている被酸化性金属の酸化反応が起こり、熱が発生する。この熱によって発熱シート2に含まれている水が加熱されて所定温度の水蒸気となり、収容体3を通じて外部へ放出される。水蒸気は、収容体3のうち通気性部位から外部へ放出される。
前述の通り、発熱シート2は、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び電解質を含み且つ含水状態となっている。具体的には、発熱シート2は、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されている。本発明者らが検討したところ、これらの各種材料のうち、前述した蒸気温熱シート1の水蒸気発生能に大きく影響する材料は、成形シートに含まれる被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物であることが判明した。詳細には、成形シートに含まれる被酸化性金属の量が好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは70〜85重量%、反応促進剤の量が好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%、繊維状物の量が好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは10〜20重量%であることが重要である。これらの材料の量が前述の範囲にあると、所望の水蒸気発生能が期待できる。なお、後述するように、成形シートは好適には抄造によって得られるため、抄造工程における乾燥工程後の状態で5重量%以下の水分を含有するものである。
被酸化性金属に対する反応促進剤及び繊維状物それぞれの重量比も蒸気温熱シート1の水蒸気発生能に影響する。具体的には、発熱シート2において、被酸化性金属に対する反応促進剤の重量比は好ましくは0.1〜0.3であり、更に好ましくは0.11〜0.25である。また被酸化性金属に対する繊維状物の重量比は好ましくは0.1〜0.3であり、更に好ましくは0.12〜0.29である。これらの範囲内であれば、所望の皮膚表面温度を38℃以上に向上させ且つ所望の蒸気発生量を得ることが容易であり、蒸気温熱シート1を収納したピロー袋を開封した後、目的とする温度への到達時間が短く、適度な湿熱を3時間以上提供することが容易となる。
蒸気温熱シート1の水蒸気発生能に影響する他の重要な要因としては、発熱シート2における電解質水溶液の濃度及び電解質水溶液の添加量が挙げられる。詳細には、発熱シート2における電解質水溶液の濃度は、所望の温度を得る観点から、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。また電解質水溶液は、成形シート100重量部に対して好ましくは40〜80重量部、更に好ましくは50〜70重量部添加されることが、所望とする温度が持続する点、及び所望とする蒸気発生量を得る点から好ましい。
蒸気温熱シート1の水蒸気発生能に影響する他の大きな要因として、収容体3の透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH、以下透湿度というときにはこの方法で測定された値をいう)が挙げられる。発熱シート2として前述の各成分を前述の配合量で含有したものを用い、且つ収容体3として以下に述べる透湿度を有するものを用いることで、蒸気温熱シート1の水蒸気発生能を所望のものとすることができる。詳細には、収容体3のうち、通気性を有する部分の透湿度を好ましくは300〜2000g/m2・24hr、更に好ましくは600〜1000g/m2・24hrとすることが、所望とする蒸気放出量を達成し得る点、及び所望とする温度の持続時間を達成し得る点から好ましい。
水蒸気の適切な温度制御及び所望とする温度での水蒸気の発生持続時間を得る観点から、収容体3はその通気度(JIS P8117、以下通気度というときにはこの方法で測定された値をいう)が8000〜15000s/100cm3であることが好ましく、9000〜12000s/100cm3であることが更に好ましい。同様の理由により、蒸気温熱シートの水蒸気放出面積は、0.001〜0.25m2、特に0.0025〜0.04m2であることが好ましい。
図1及び図2に示すように、本実施形態の蒸気温熱シート1においては、収容体3は、透湿性フィルム3aと難透湿性フィルム3bとの周縁が互いに接合されて扁平な袋状に形成されている。つまり収容体3の一方の側が透湿性フィルム3aを有しており、他方の側が難透湿性フィルム3bを有している。透湿性フィルム3aは、発熱シート2から発生した水蒸気を通過させる。しかし難透湿性フィルム3bは水蒸気を通過させにくい。つまり水蒸気は収容体3の一方の側、即ち透湿性フィルム3aの側からのみ外部へ放出される。透湿性フィルム3aの透湿度及び通気度は、前述した範囲となっている。これによって蒸気温熱シート1はその水蒸気発生能が前述した所望のものとなる。
透湿性フィルム3aとしては、温熱スチームは透過させるが水は透過させにくいフィルムが用いられる。そのようなフィルムとしては、例えば微細孔を有するポリオレフィン系フィルムなどが挙げられる。なお前述した通り水蒸気は透湿性フィルム3aを通じて外部へ放出されることから、本実施形態の蒸気温熱シート1は、透湿性フィルム3aの側が人体と対向するように装着される。そこで装着感を高める観点から、図1及び図2に示すように、透湿性フィルム3aの外面には風合いの良好なシート材料であるエアスルー不織布等の不織布3cが配されている。従って、蒸気温熱シート1の使用時には不織布3cが身体に対向することになる。
一方、難透湿性フィルム3bとしては、水蒸気も水も透過させにくいフィルム、例えば微細孔を有しないポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フィルムなどが用いられる。なお図2に示すように、難透湿フィルム3bの外面には、蒸気温熱シート1の風合いを向上させる目的で、エアスルー不織布等の不織布3dがラミネートされている。
発熱シート2に含まれる各材料の詳細について説明すると、被酸化性金属としては例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等の粉末や繊維が挙げられる。これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。被酸化性金属が粉末である場合その粒径は0.1〜300μmであることが、繊維状物への定着性、反応のコントロールが良好なことから好ましい。同様の理由により、粒径が0.1〜150μmものを50重量%以上含有するものを用いることも好ましい。
反応促進剤としては、水分保持剤として作用する他に、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有しているものを用いることが好ましい。例えば活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ等が挙げられる。これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。反応促進剤の粒径は0.1〜500μmであることが、被酸化性金属と効果的に接触し得る点から好ましい。同様の理由により、0.1〜200μmのものを50重量%以上含有するものを用いることも好ましい。
繊維状物としては、天然又は合成の繊維状物を特に制限無く用いることができる。天然繊維状物としては、例えばコットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ、落花生たんぱく繊維、とうもろこしたんぱく繊維、大豆たんぱく繊維、マンナン繊維、ゴム繊維、麻、マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、羅布麻、椰子、いぐさ、麦わら等の植物繊維が挙げられる。また羊毛、やぎ毛、モヘア、カシミア、アルカパ、アンゴラ、キャメル、ビキューナ、シルク、羽毛、ダウン、フェザー、アルギン繊維、キチン繊維、ガゼイン繊維等の動物繊維が挙げられる。更に、石綿等の鉱物繊維が挙げられる。一方、合成繊維状物としては、例えばレーヨン、ビスコースレーヨン、キュプラ、ビスコースレーヨン、キュプラ、アセテート、トリアセテート、酸化アセテート、プロミックス、塩化ゴム、塩酸ゴム等の半合成繊維が挙げられる。またナイロン、アラミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、アクリル、ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成高分子繊維が挙げられる。更に金属繊維、炭素繊維、ガラス繊維等を用いることもできる。また、これらの繊維の回収再利用品を用いることもできる。これらの中でも、被酸化性金属や反応促進剤との定着性、発熱シート2の柔軟性、酸素透過性、製造コスト等の点から、木材パルプ、コットン、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維が好ましく用いられる。
特に木材パルプ等の天然繊維と、ポリエチレン繊維やポリエステル繊維などの合成繊維(特に熱可塑性樹脂の繊維)を組み合わせて用いると、被酸化性金属の配合量を高くしても成形シートの機械的強度の低下を防止し得るので好ましい。この場合、天然繊維と合成繊維との配合比率は、天然繊維100重量部に対して合成繊維が0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部であることが好ましい。天然繊維であるか合成繊維であるかを問わず、繊維状物はその平均繊維長が0.1〜50mm、特に0.2〜20mmであることが、発熱シート2の強度確保及び繊維状物の水分散性の点から好ましい。
繊維状物は、そのCSF(カナダ標準濾水試験方法 JIS P8121)が、600ml以下であることが好ましく、450ml以下であることがより好ましい。これによって、繊維状物と被酸化性金属との定着性が良好になり、発熱シート2の発熱性を良好にすることができる。また、後述する裂断長を後述する範囲内に調整することが容易となり、その結果、発熱シート2からの被酸化性金属の脱落や、発熱シート2の機械的強度を適度に維持することができる。繊維状物のCSFは低い程好ましい。通常のパルプ繊維のみを繊維状物として用い、繊維状物以外の成分比率が高い条件下で抄造を行う場合には、CSFを100ml以上とすることで濾水性が良好になり、また脱水が良好になって均一な厚みの発熱シートが得られやすい。更に、成形不良、例えば乾燥時のブリスター破れが起こりにくくなる。発熱シート2においては、繊維状物以外の成分比率が比較的高いことから、濾水性が良好で均一な厚みの発熱シート2を得ることができる。また、CSFが低い程フィブリルが多くなるため、繊維状物と該繊維状物以外の成分との定着性が良好となり、高いシート強度を得ることができる。繊維状物のCSFの調整は、叩解処理などによって行うことができる。CSFの低い繊維と高い繊維とを混ぜ合わせ、CSFの調整を行っても良い。
電解質としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点からアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の塩化物が好ましく用いられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄が好ましく用いられる。
発熱シート2には、必要に応じ凝集剤、サイズ剤、着色剤、紙力増強剤、歩留向上剤、填料、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等、抄紙の際に通常用いられる添加物を特に制限無く添加することもできる。
発熱シート2の製造方法に特に制限はない。先に述べた通り、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させてなるものであるから、先ず被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含む成形シートを形成し、この成形シートに電解質水溶液を添加することで発熱シートが得られる。成形シートの製造には例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いることができる。特に、製造コストや生産性の点から湿式抄造法を用いることが好ましい。湿式抄造法を行う場合には、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを用いることができる。抄造に用いられるスラリーは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び水を含むものであり、その濃度は、0.05〜10重量%、特に0.1〜2重量%であることが好ましい。
抄造によって得られた成形シートは、抄造後における形態を保つ点や、機械的強度を維持する点から、含水率(重量含水率、以下同じ。)が70%以下、特に60%以下となるまで脱水させることが好ましい。抄造後の成形シートの脱水方法は、例えば吸引による脱水のほか、加圧空気を吹き付けて脱水する方法、加圧ロールや加圧板で加圧して脱水する方法等が挙げられる。
脱水後の成形シートは加熱乾燥によって乾燥されることが好ましい。加熱乾燥温度は、60〜300℃、特に80〜250℃であることが好ましい。乾燥後における成形シートの含水率は、20%以下、特に10%以下であることがより好ましい。成形シートの脱水及び/又は乾燥は、被酸化性金属の酸化抑制の観点から不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。尤も成形シートは酸化助剤となる電解質を含有していないので、必要に応じて通常の空気雰囲気下で成形を行うこともできる。このことは製造設備を簡略化し得る点から有利である。乾燥後の成形シートは被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含むものであり、被酸化性金属を好ましくは60〜85重量%、更に好ましくは70〜80重量%含み、反応促進剤を好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%含み、繊維状物を5〜35重量%、更に好ましくは10〜20重量%含む。
このようにして得られた成形シート(つまり含水前の状態の発熱シート2)はその1枚の厚みが0.1mm〜2mm、特に0.15〜1.5mmであることが、成形シートの機械的強度を維持しつつ成形シートが柔軟になり、蒸気温熱シート1が身体の適用部位へフィットしやすくなる点から好ましい。同様の理由により成形シートは、その坪量が10〜1000g/m2であることが好ましく、50〜600g/m2であることがより好ましく、100〜500g/m2であることが更に好ましい。
成形シートは、そのままの状態で複数枚を重ねて使用してもよく、或いは1枚のシートを折りたたみ、折り畳まれた複数枚の成形シートを重ねて使用してもよい。蒸気温熱シート1の面積に対する成形シートの重量比は、所望の温度持続が達成でき、フィット性が良好で、また製造上の問題が起こりにくい点から、好ましくは0.03g/cm2〜0.17g/cm2であり、更に好ましくは0.06g/cm2〜0.14g/cm2である。同様の理由により、被酸化性金属の単位面積あたりの重量の比は好ましくは0.02g/cm2〜 0.14g/cm2であり、更に好ましくは0.04g/cm2〜 0.12g/cm2である。
また成形シートはその裂断長(JIS P8113、以下裂断長というときにはこの方法により測定された値をいう)が200〜4000m、特に200〜3000mであることが、蒸気温熱シート1の使用時における成形シートからの被酸化性金属の脱落の防止や、成形シートの柔軟性の維持の点から好ましい。このような裂断長を有する成形シートは、先に述べたCSFを有する繊維状物を用いることで容易に得ることができる。
このようにして得られた成形シートに電解質水溶液を含有させて発熱シート2を得る。この工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。電解質水溶液を含有させるには例えば、スプレー塗工法、刷毛等で塗工する方法、電解質水溶液に浸漬する方法、グラビアコート法、リバースコート法、ドクターブレード法等が挙げられる。電解質水溶液における電解質の濃度及び電解質の水溶液の付与量は、得られる発熱シート2における電解質の量及び水の含有量が、先に述べた範囲となるように調整される。
得られた発熱シート2を収容体3内に収納して蒸気温熱シート1となす。蒸気温熱シート1は酸素バリア性の材料からなる包装袋内に密封されて、最終製品である蒸気温熱シート入り包装袋となされることが好ましい。蒸気温熱シート1の使用に際しては、包装袋から該蒸気温熱シート1を取り出すことで、該蒸気温熱シート1に含まれる被酸化性金属が空気中の酸素と反応し、発熱が始まると共に水蒸気が発生する。酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・d・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・d・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等が挙げられる。
蒸気温熱シート1を包装する包装袋には、該蒸気温熱シート1が、人体の生理機能の改善のために用いられるものである旨の表示が付されていることが好ましい。例えば、腰部に適用することにより腰痛が緩和ないし解消される旨の表示や、腹部に適用することにより腹痛が緩和ないし解消され、また便秘が緩和ないし解消される旨の表示を付すことができる。或いは、腰部及び/又は腹部に適用することにより胃腸の働きが改善され、また疲労が回復する旨の表示を付すことができる。これによって、消費者に対して、従来知られていた一般の使い捨てカイロでは達成し得なかった生理機能の改善効果が、本発明によって達成されることを知らせることができる。従って消費者は、本発明の改良された性能の十分な価値を容易に認識することになる。前記の表示には、文字はもちろんのこと、記号や図形等、本発明の改良された性能を消費者に伝え得るあらゆる情報手段が含まれる。また前記の表示には、本発明が、他の製品に比して優れている旨の情報を含めることができる。更に、前記の表示を包装袋に付すことに加えて、又はそれに代えて、当該表示を含む指示書を、蒸気温熱シート1と共に包装袋の中に入れてもよい。或いは、蒸気温熱シート1そのものに、当該表示を付してもよい。
本実施形態の蒸気温熱シート1は、これを例えば図3(a)及び(b)に示すようなベルト状の保持具に保持させ、該保持具を人体に固定することによって、該蒸気温熱シート1を人体に適用することができる。図3(a)及び(b)に示す保持具10は、蒸気温熱シート1の収容保持が可能な矩形状の収容部12を中央に有し、その両側からそれぞれ延出した一対の腕部である第1腕部13a及び第2腕部13bを備えている。第1腕部13aと第2腕部13bとは対称形になっている。第1及び第2腕部13a,13bは、保持具10の長手方向に延びる水平線Hに対して、角度θの方向に向けて傾斜して延びている。
第1腕部13aの肌面側(図3(a)における紙面側)の先端部には、面ファスナのフック部材のような止着手段15が取り付けられている。一方、第2腕部13bの外面側(図3(a)における紙面と反対側)には、止着手段15の止着が可能な被着手段(図示せず)、例えば面ファスナのループ部材が取り付けられている。
第1及び第2腕部13a,13bは、収容部12寄りに位置する基部14aと先端部寄りに位置する自由端部14bとから構成されている。基部14aは、収容部12から自由端部14bに向けてその幅が漸減している。基部14aの幅が変化しなくなった箇所において、基部14aと自由端部14bとが連接している。基部14aは、腕部13a,13bの延びる方向とそれに直交する方向の双方(図3(a)中、矢印で示す方向)に伸縮性を有していることが好ましい。この観点から、基部14aは、いわゆるツーウエイの伸縮布地から構成されていることが好ましい。
外面側シート材21は、風合いの良好な布地から構成されていることが好ましい。また外面側シート材21は、十分な通気性を有することが好ましい。外面側シート材21は、例えばトリコット編みの編地から構成することができる。同様に、第1及び第2肌面側シート材22,23も、風合いの良好な布地から構成されていることが好ましい。また第1及び第2肌面側シート材22,23は十分な水蒸気透過性を有する素材から構成されていることが好ましい。そのような素材としては、例えばメッシュ状の編地が好ましく用いられる。
収容部12は、3枚のシート材21,22,23を縫製して袋状に形成されている。外面側シート材21は保持具10の外面側に位置しており、矩形状をしている。第1肌面側シート材22及び第2肌面側シート材23は、保持具10の肌面側に位置しており、それぞれ矩形状をしている。両肌面側シート材22,23の横幅は、外面側シート材21と同じになっている。両肌面側シート材22,23の縦の長さは、外面側シート材21の縦の長さよりも短くなっている。第1肌面側シート材22は、その上辺及び両側辺が、外面側シート材21の上辺及び両側辺と縫合されている。第2肌面側シート材23は、その下辺及び両側辺が、外面側シート材21の下辺及び両側辺と縫合されている。第1肌面側シート材22の下部と、第2肌面側シート材23の上部とは重ね合わせの状態になっており、且つ第1肌面側シート材22の下辺22a及び第2肌面側シート材23の上辺23aがそれぞれ自由縁部になっている。これによって収容部12には、その肌面側に、収容部2の幅方向に延びる蒸気温熱シート1の挿入部24が形成される。蒸気温熱シート1は、該挿入部24を通じて収容部12内に収容される。上述した通り、第1肌面側シート材22の下部と、第2肌面側シート材23の上部とは重ね合わせの状態になっているので、収容部12内に一旦収容された状態の蒸気温熱シート1は収容部12の外へ飛び出しづらくなり、収容部12内に安定に保持される。また、挿入部24の間口が大きく且つ開けやすいので、蒸気温熱シート1の出し入れが容易である。
保持具10に収容保持された蒸気温熱シート1は、図4(a)及び図4(b)に示すように、例えば人体の腰部や腹部に適用される。保持具10を人体に固定するには、保持具10を胴部に巻き付け、第1腕部13aに取り付けられた止着手段(図示せず)を、第2腕部13bに取り付けられた被着手段(図示せず)へ止着する。この場合には、蒸気温熱シート1は、保持具10における水蒸気の透過材料である第1肌面側シート材22及び第2肌面側シート材23を介して体表へ接触する。別法として、蒸気温熱シート1を体表へ直接接触させることもできる。その場合には、蒸気温熱シート1における難透湿性フィルム3bの側の表面に粘着剤を塗布しておき、該蒸気温熱シート1を保持具10における収容部12の肌面に粘着させる。つまり、蒸気温熱シート1を収容部12内に収容させないでおく。そして蒸気温熱シート1が粘着した保持具10を身体に巻き付け固定する。
〔実施例1〕
図1及び図2に示す実施形態の蒸気温熱具(蒸気温熱シート)を、以下の手順で作製した。
<原料組成物配合>
・繊維状物:パルプ繊維(NBKP、製造者:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzie」、CSF140ml)8重量%
・被酸化性金属:鉄粉(同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」)84重量%
・反応促進剤:活性炭(日本エンバイロケミカル(株)製、商品名「カルボラフィン」)8重量%
前記原料組成物固形分(繊維状物、被酸化性金属及び保水剤の合計)100重量部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.7重量部およびアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「HE1500F」0.18重量部を添加した。更に、水(工業用水)を、固形分濃度が12重量%となるまで添加した。
<抄造条件>
前記原料組成物を用い、抄紙ヘッドの直前で0.3重量%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<乾燥条件>
成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5重量%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シート(発熱中間成形体)の組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄84重量%、活性炭8重量%、パルプ8重量%であった。
<発熱シートの作製>
得られた成形シート(発熱中間成形体)を80mm×100mmに切り取り、2枚を重ね合わせ、成形シート100重量部に対し電解液量が50重量部となるように、下記電解液を注入した。毛管現象を利用して成形シート全体に電解液を浸透させて発熱シート(シート状の発熱成形体)を得た。
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5重量%
<収容体への収容>
炭酸カルシウムを含有するポリエチレン製の透湿性フィルム(透湿度800〜1200g/m2・24hr、通気度10000±2000s/100cm3)、線状低密度ポリエチレン製の難透湿性フィルム及びエアスルー不織布を用いて図1及び図2に示す袋状の収容体を作製した。この中に2枚重ねにした発熱シートを収容して、図1及び図2に示す蒸気温熱シートを得た。水蒸気放出面積は0.016m2であった。
<評価1>
得られた蒸気温熱シートの生理機能改善効果の検証を目的として、腰痛の緩和効果を臨床試験した。図3(a)及び(b)に示す保持具10の収容部12に蒸気温熱シートを収容保持し、図4(a)に示すように被験者の腰部に適用した。このとき、蒸気温熱シートの水蒸気放出面側が被験者の腰部に対向するように該蒸気温熱シートを適用させた被験者の群(この群を湿熱群という)と、蒸気温熱シートの水蒸気非放出面側が被験者の腰部に対向するように該蒸気温熱シートを適用させた被験者の群(この群を乾熱群という)とに分けた。湿熱群においては、被験者の腰部に湿熱が適用される。乾熱群においては、被験者の腰部に水蒸気は適用されず、乾熱が適用される。湿熱群は28名、乾熱群は27名であった。被験者は、自覚症状として腰痛症状又は腰下肢痛症状が最近6ヶ月以上持続している23〜67歳の男女とした。試験前の各群の被験者の健康状態は表1に示す通りであった。一日8時間の着用時間で4週間着用を継続した。毎日、蒸気温熱シートの脱着後に腰の痛みの状態を以下のスコアで評価させた。
1:全く腰痛はない。
2:時に軽い腰痛がある。
3:常に腰痛があるか、時にかなりの腰痛がある。
4:常に激しい腰痛がある。
1週間を単位として評価を纏め、各週において、スコア1と評価した被験者の数の割合を治癒率と定義し(但し試験開始直前にスコア1と評価した被験者を除く)、週毎の治癒率の変化を湿熱群と乾熱群とで対比した。結果を図5(a)及び(b)に示す。図5(a)は被験者全体を対象とした結果であり、図5(b)は40歳以上の被験者を対象とした結果である。また図5(a)及び(b)において、*はχ2検定における危険率Pが0.03未満であることを示し、**は同検定における危険率Pが0.01未満であることを示し、何れも試験結果に有意差があることを意味している。
これとは別に、湿熱群の被験者について、蒸気温熱シートの各種特性を、先に述べた方法に従い測定した。その結果を表2に示す。
図5(a)及び(b)に示す結果から明らかなように、湿熱群の被験者は、乾熱群の被験者に比較して、腰痛が緩和されたことが判る。特に、腰痛に悩む中年以上の世代である40歳以上の被験者については、腰痛の緩和効果が極めて顕著であることが判る。
Figure 2006192253
Figure 2006192253
<評価2>
評価1とは異なる腰痛の緩和効果を臨床試験した。被験者は湿熱群のみとした。被験者は45〜64歳の女性30人であり、慢性腰痛症状を持つ者であった。評価1と同様に蒸気温熱シートを着用させた。但し着用期間は2週間とした。毎日、蒸気温熱シートの脱着後に、腰痛の個別症状を(1)痛い、(2)重い、(3)だるいの観点から以下のスコアで評価させた。
0:症状はない。
1:あまり気にならない。
2:やや気になる。
3:気になる。
4:非常に気になる。
2週間経過後に、各被験者について3つの個別症状のスコアをそれぞれ平均し、試験前のスコアと対比した。また、各被験者について3つの個別症状のスコアの合計値を平均し、総合評価とした。結果を図6(a)〜(d)に示す。
図6(a)〜(d)に示す結果から明らかなように、腰部に蒸気温熱シートを2週間適用することで、腰痛の明らかな改善効果が見られることが判る。
<評価3>
腹部症状の改善効果を臨床試験した。被験者は湿熱群のみとした。被験者は45〜64歳の女性25人であり、腹部症状を持つ者であった。蒸気温熱シートは、図4(b)に示すように、被験者の腹部に適用した。一日の着用時間は8時間とし、着用期間は2週間とした。毎日、蒸気温熱シートの脱着後に、腹部症状の個別症状を(1)便秘、(2)下痢様症状、(3)膨満感、(4)痛みの観点から以下のスコアで評価させた。
0:症状はない。
1:あまり悩んでいない。
2:やや悩んでいる。
3:悩んでいる。
4:非常に悩んでいる
2週間経過後に、各被験者について4つの個別症状のスコアをぞれぞれ平均し、試験前のスコアと対比した。結果を図7(a)〜(d)に示す。
図7(a)〜(d)に示す結果から明らかなように、腹部に蒸気温熱シートを2週間適用することで、腹部症状の明らかな改善効果が見られることが判る。
<評価4>
便秘症状の改善効果を臨床試験した。被験者は湿熱群のみとした。被験者は45〜64歳の女性26人であり、便秘に悩む腹部症状を持つ者であった(以下の便秘悩みスコア5段階で4及び5段階の者)。蒸気温熱シートは、図4(b)に示すように、被験者の腹部に適用した。一日の着用時間は8時間とし、着用期間は3週間とした。被験者に対して、臨床試験実施前1週間と試験期間中の毎日排便有無を記録させた。記録結果を、臨床試験実施前週(0週)と、試験期間中の1、2、3週間に分けて、各週での排便のあった日数をまとめた結果を図8に示した。便秘悩みスコアは以下の通りである。
1:症状なし。
2:あまり悩んでいない。
3:やや悩んでいる。
4:悩んでいる。
5:非常に悩んでいる。
図8に示す結果から明らかなように、腹部に蒸気温熱シートを3週間適用することで、試験前に比べて排便日数が有意に増加し、便秘症状の明らかな改善効果が見られることが判る。
<評価5>
本発明の蒸気温熱シートが、お腹の調子を整える効果を有することを確認するために、胃運動の活性化状態を胃電図で測定した。胃電図は、ニプロ株式会社製のニプロ胃電計EGを用いて測定した。被験者4名に、蒸気温熱シート及び乾熱シートをそれぞれ図4(b)に示すように腹部に適用した。乾熱シートは、大きさ及び形態が蒸気温熱シートと同じであり、且つ蒸気温熱シートを適用した部位の皮膚表面温度と同程度の皮膚表面温度を示すが、水蒸気は発生しないものを用いた。各シートの着用時間は5時間とした。装着前及び装着中(適用2.5時間)、着脱後(適用5時間後シートを外した直後)の胃収縮運動周波数(2.4〜3.6cpm)を測定し、周波数の平均振幅を調べた。結果を図9に示した。
図9に示す結果から明らかなように、蒸気温熱シートを装着した場合には、装着前に比べて、装着中及び着脱後の胃収縮運動周波数の平均振幅が顕著に増加していることが判る。一方、乾熱シートを装着した場合には、胃収縮運動周波数の平均振幅の顕著な増加は見られない。この結果から、蒸気温熱シートの適用によって胃運動が活発化し、便秘改善等のお腹の調子を整える効果があることが予想される。
図1は、本発明の蒸気温熱具の一実施形態としての蒸気温熱シートを示す斜視図である。 図2は、図1におけるII−II線断面図である。 図3(a)は、図1に示す蒸気温熱シートを収容保持する保持具を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)におけるb−b線断面図である。 図4(a)は、図1に示す蒸気温熱シートを腰部に適用した状態を示す図であり、図4(b)は腹部に適用した状態を示す図である。 図5(a)及び(b)は、本発明の蒸気温熱具による腰痛の緩和効果を示すグラフである。 図6(a)〜(d)は、本発明の蒸気温熱具による腰痛の緩和効果を示すグラフである。 図7(a)〜(d)は、本発明の蒸気温熱具による腹部症状の緩和効果を示すグラフである。 図8は、本発明の蒸気温熱具による便秘症状の緩和効果を示すグラフである。 図9は、本発明の蒸気温熱具による胃運動の活発化効果を示すグラフである。
符号の説明
1 蒸気温熱シート(蒸気温熱具)
2 発熱シート(水蒸気発生部)
3 収容体
10 保持具

Claims (12)

  1. 化学エネルギーを利用した水蒸気発生部を有し、体表に当接させた状態下に水蒸気を供給するようになされている蒸気温熱具であって、
    前記蒸気温熱具は、これを体表に当接させた状態下で3〜15時間にわたり皮膚表面温度を38〜49℃に維持し、且つ積算放出量が0.5〜12mg/3hr・cm2となる水蒸気の発生能を有している蒸気温熱具。
  2. 被酸化性金属の酸化反応を利用した前記水蒸気発生部を有する請求項1記載の蒸気温熱具。
  3. 前記水蒸気発生部が、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させてなり、且つ空気との接触により発熱可能な発熱シートからなり、
    前記成形シートは、60〜90重量%の被酸化性金属、5〜25重量%の反応促進剤、5〜35重量%の繊維状物を含み、
    前記発熱シートには、前記成形シート100重量部に対して、1〜15重量%の電解質を含む前記電解質水溶液が40〜80重量部添加されている請求項2記載の蒸気温熱具。
  4. 前記蒸気温熱具が、前記発熱シートと、少なくとも一部が通気性を有し且つ該発熱シートを収容する収容体とを備え、該収容体を通じて水蒸気が外部に放出される蒸気温熱シートからなり、
    前記収容体のうち、通気性を有する部分の透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH)が300〜2000g/m2・24hrである請求項3記載の蒸気温熱具。
  5. 前記蒸気温熱シートの水蒸気放出面積が0.001〜0.25m2である請求項4記載の蒸気温熱具。
  6. 人体の生理機能の改善のために用いられるものである旨の表示が付された包装の中に入れられている請求項1ないし5の何れかに記載の蒸気温熱具。
  7. 腰部に適用することにより腰痛が緩和ないし解消される旨の表示が付された包装の中に入れられている請求項6記載の蒸気温熱具。
  8. 腹部に適用することにより腹痛が緩和ないし解消される旨の表示が付された包装の中に入れられている請求項6記載の蒸気温熱具。
  9. 腰部及び/又は腹部に適用することにより胃腸の働きが改善される旨の表示が付された包装の中に入れられている請求項6記載の蒸気温熱具。
  10. 腰部及び/又は腹部に適用することにより疲労が回復する旨の表示が付された包装の中に入れられている請求項6記載の蒸気温熱具。
  11. 腹部に適用することにより便秘が緩和ないし解消される旨の表示が付された包装の中に入れられている請求項6記載の蒸気温熱具。
  12. 請求項1記載の蒸気温熱具の使用方法であって、該蒸気温熱具を体表に当接させた状態下に水蒸気を供給し、3〜15時間にわたり皮膚表面温度を38〜49℃に維持する蒸気温熱具の使用方法。
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